JP4001779B2 - ベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法、より詳細には、電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置に使用される感光体ベルト、転写ベルト、紙搬送ベルト等のベルト状構造体の位置検出、位置制御、フィードバック制御等に利用される光学式センサ(エンコーダ)に対応可能なベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法に関し、リニアエンコーダやロータリエンコーダ用のスリット、ベルト状搬送装置の位置制御用のスリット、ロボットアーム等の位置検出用のスリット、フレキシブルなリニアセンサ用のスリット等の作成に応用可能なベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の従来技術として、特開平7−027910号公報に記載の「光学素子の製造方法および回折格子の製造方法並びにその製造装置」がある。
また、特開平8−179108号公報に記載の「回折光学素子の加工方法及び加工装置」が存在する。
従来技術において、複写機に用いられる二次転写ベルト等のベルト状構造体(以下、ベルトと称する)の表面の移動量の計測は、ベルトの表面と接触して回転する回転体の回転軸の回転角度から算出される場合がほとんどであった。しかし、回転軸からベルトの移動量を算出する方法では、回転体の加工精度や取り付け精度により、回転体の楕円形状による計測誤差や偏心による計測誤差が存在してしまい、特に、ミクロンオーダでの制御を必要とするカラー複写機やカラーコピー機の位置制御においては、そのような計測誤差が大きな問題となっていた。
また、これら回転軸では、ベルトと回転体との間に滑りが発生する可能性もあり、そのような場合の位置制御ができなかった。
そのような問題を解決するためには、ベルト表面の移動量を直接検出することが望ましく、その移動に対応して変化するベルトにスリットを作成することが望まれていた。しかし、一般に、ベルトは柔軟性のある弾性体で構成されているため、ベルトの表面にスリットを直接作成することは困難であった。ベルトの表面にスリットを作成するための一例として、スリットのついた材料をベルトの表面に張り付けることが考えられる。しかし、このスリットが作成された材料も、ベルトと同様に弾性変化する必要があり、その作成は困難であった。柔軟性のある材料へのスリットの作成方法としては、硬度の高い型を柔軟性を有する材料に押し付けることによってその柔軟性のある材料を変形させて作る方法や、インク等によってスリット状に直接印刷する手法が実現されている。
またスリットのベルト表面への作成法として、本出願人によるレーザでの直接加工法がある(特開2001−183943公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような型押し付けによる手法は、ベルトそのものが変形を起こす可能性があり、比較的硬い材料にしか適用できず、また、加工精度が悪いため、ミクロンオーダの加工精度での作成は困難であった。さらに、ベルト材料の周長が加工精度、のび等により異なるため全面を固定ピッチで加工する場合端部でピッチ誤差が発生してしまう問題があった。
一方、上述のような印刷によるスリット作成方法では、ベルトの全面に渡って印刷することが困難であり、“押し付け”や“こすり”によって材料表面の位置がずれる可能性があった。また、印刷による方法では、100ミクロン以下程度のピッチでのスリット作成は困難であり、さらに、作成精度が悪く、光学式センサにおける反射膜のリードエラーを起こす可能性があった。
さらにこの手法においてもピッチは印刷マスクで固定されてしまうため、同様に全周にわたってスリットを形成した場合、端部でピッチ誤差が発生してしまう問題があった。
また発明者による方式においても同様にベルト材料に対して等間隔のスリットを表面に形成することが可能であるが、ベルト状構造体の場合、加工精度、のび、変形等により表面の周長が異なるため、全面にわたってスリットを形成しようとした場合、端部においてピッチ誤差が生じてしまう問題があった。
本発明は、上述のような実情を考慮してなされたもので、ベルト状構造体の表面全長にわたって精度の良い等間隔のスリットを容易に作成することが可能なベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法であって、ベルトが無端状に掛け回される少なくとも2つ以上の回転体と、ベルトに接触して配置される位置決め手段と、ベルト表面の移動量を計測する移動量計測手段と、レーザ光を出射するレーザ出射手段とを有し、
表面に光反射膜を有すると共に端部を傾斜形状に形成した材料を、傾斜形状に形成された端部が少なくとも接触しないように隙間を設けて、前記ベルト状構造体の少なくとも一部に接着し、該隙間を設けて接着した材料の端部間で一カ所以上両方に掛け渡されるように該反射膜の表面にスリットを形成することによって、スリット形成材料を作成し、
前記移動量計測手段により計測される回転体の移動量に同期してレーザ光を空間選択的に照射することによって、ベルト表面に連続的にかつ全周にわたり等間隔なスリット形状を形成することを特徴とする。
請求項2記載の発明では、ベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法であって、ベルトが無端状に掛け回される少なくとも2つ以上の回転体と、ベルトに接触して配置される位置決め手段と、ベルト表面の移動量を計測する移動量計測手段と、レーザ光を出射するレーザ出射手段とを有し、
表面に光反射膜を有する材料を該材料の端部が少なくとも接触しないように隙間を設けて、ベルト状構造体の少なくとも一部に接着し、レーザ光を該材料に対して斜方向に照射して、該隙間を設けて接着した材料の端部間で少なくとも一カ所以上両方に掛け渡されるように該反射膜の表面にスリット形成することによって、スリット形成材料を作成し、
前記移動量計測手段により計測される回転体の移動量を計測し、計測されたベルト表面の移動量に同期してレーザ光を空間選択的に照射することによって、ベルト表面に連続的にかつ全周にわたり等間隔なスリット形状を形成することを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2に記載のベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法において、レーザが、紫外短パルスレーザ、極短パルスレーザのいずれかであることを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る画像形成装置は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の等間隔スリット形成方法によりスリット形成を受けたベルト状構造体を備えたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。先ず、参考例1図1に示す。ベルト1は円筒状の回転体である円筒ドラム2の外側表面にたるみのない状態で配置する。この円筒ドラム2には回転角計測用のロータリーエンコーダ3を回転軸と同軸に配置する。このロータリーエンコーダ3の信号は信号処理部4から制御用コンピュータ5に送られ、その位置信号に同期して、レーザ装置(レーザ出射手段)6からレーザ光7が照射される。このときレーザ光7はレンズ8やミラー等によって整形され、ベルト1表面上に照射される。レーザ光照射部はレーザアブレーション、レーザトリミング、レーザ表面改質等の作用により、ベルト1表面にパタンが形成される。このとき回転角がスリット数nに対して式(1)、即ち、
θ=360/n ・・・(1)
で示す角度θのときにレーザ光を照射する。これによりn個のスリット9が等間隔でベルト1表面に形成される。このときベルト1表面でのスリット9のピッチpは円筒ドラム2とベルト1の厚みから算出した表面周長Lとの間に式(2)、即ち、
p=L/θ ・・・(2)
で示す関係が成り立つ。この時逆にピッチpとスリット数n、周長Lから回転角θを算出し、それに同期して表面に等間隔のスリット9を形成することもできる。
【0009】
なお、ロータリーエンコーダ3、信号処理部4、及び制御用コンピュータ5は、回転体の回転角度を計測する計測手段を構成している。
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、1つの回転体の胴面上にベルトを保持することにより、装置構成が簡略化され、位置決め制御も回転角を制御するのみで全周にわたって抜けやピッチ誤差なく等間隔でスリットを作成することが可能となる。またレーザ光によって加工することで加工幅を調整することが容易であり、非接触で全周にわたってスリットを作成することができる。
【0010】
次に、参考例2図2に示す。ベルト1は円筒状の回転体10、11により保持され、回転モータ12により駆動される。このとき回転体11は位置調整ローラ(位置決め手段)13に対してベルト1が接触する位置まで移動してベルト1を固定する。これにより、ベルト1表面の周長Lは常に同一の長さとなる。このときベルト1表面の移動量は、例えば、接触して回転するローラ14の回転量から算出することが可能である。このときベルト1表面の移動量はセンサ15から制御用コンピュータ5に信号が送られ、その位置信号に同期してレーザ装置(レーザ出射手段)6からレーザ光7が照射される。このときレーザ光7はレンズ8やミラー等によって整形され、ベルト1表面上に照射される。レーザ光照射部はレーザアブレーション、レーザトリミング、レーザ表面改質等の作用により、ベルト1表面にパタンが形成される。このときベルト1表面でのスリット9のピッチpは上記表面周長Lとスリット数nの間に式(3)、即ち、
p=L/n ・・・(3)
で示す関係となる。
【0011】
なお、制御部用コンピュータ5、ローラ14、センサ15は、移動量計測手段を構成している。
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、2つ以上の回転体によって保持されているので、レーザ照射位置をベルトの直線部分にすることが可能であり、加工精度、加工領域の向上を図ることができる。また加工装置を小型化することも容易となり、さらに位置決め位置を変更するだけで周長のベルトに対応することが可能となる。またベルトの取り付けが容易であり、のびの少ない材料に対して対応可能となる。
【0012】
次に、参考例3図3に示す。ベルト1の表面上にフォトマスク16を配置する。これは回転によって開口の位置が変化しレーザ光7は同一の場所を照射するものとする。このとき図示しないモータ等のフォトマスク移動手段によりベルト1の移動量と同一量だけフォトマスク16を移動方向に移動する。フォトマスク16が回転体の場合には、回転量によってほぼレーザ照射位置が変化しないように移動する。このときフォトマスク16のピッチpは式(1)、(2)を満足するものとする。レーザ光7は少なくとも1本のスリット通過中に1回以上照射されるようにする。ほぼ連続的にレーザ光7を照射することも可能である。これにより、常にレーザ照射位置が一定の場所となるため、連続的にベルト1表面に等間隔のスリット9が作成できる。
【0013】
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、レーザ光の伝送を光ファイバーで行うことにより、装置や光学系配置のためのスペースをコンパクトにすることができ、さらに、バンドルファイバー等を用いることによってレーザ光の分岐ができ、一度に大面積の加工が可能となる。また、光ファイバーの場合、レーザ光の照射位置調整が容易であり、メンテナンスの時間が短縮される。
【0014】
次に、参考例4を説明する。所望のスリットのピッチpとスリット数nに対して、ベルト保持材料の直径や位置決め回転体の位置を調整する等してベルト1の表面長Lを式(4)、即ち、
L=n×p ・・・(4)
で示す長さに調整する。これによりピッチpとスリット数nを同時に所望の値で設計することが可能となる。
【0015】
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、参考例1乃至3のいずれかに記載のベルト表面周長をスリットピッチとスリット数から求められる長さにすることで一定ピッチで所望スリット数を有する全長にわたるスリット形成が可能となる。これにより検出器の仕様にあったスリットを作成することができ、検出器での検出精度を上げ、かつスリット数をカウントすることで絶対位置の検出が可能となる。
【0016】
次に、参考例5を説明する。複写機、プリンタ等の感光体ベルト、転写ベルト、紙搬送ベルトの位置制御用スリット作成に関して、スリット作成装置と実際の複写機、プリンタで用いられる該ベルト保持装置(ベルト固定手段)と同一のものを利用して、スリット作成を行う。このとき作成したスリットは別途取り付け、取り外しすることなく実機に搭載することが可能となる。また取り付け作業時に発生するベルトののび等によるスリット位置誤差を低減することができる。
【0017】
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、複写機、プリンタの位置制御用スリットとして本スリットを用いる場合、実際に搭載されるベルト移動機構を用いることで、スリット作成装置が低コストで作成でき、かつスリット作成後に材料を取りはずし、取り付けする必要がないためそれによる位置誤差をのぞくことが可能となる。さらに容易にスリットを作成、搭載することができ低コスト化が可能となる。
【0018】
次に、参考例6図4に示す。ベルト1の外周面の一部に、光反射膜19を高分子基板18に配置する。反射膜としてはAl、Ni等の金属膜などが利用でき、スパッタ、蒸着等により容易に高分子基板18上に配置できる。高分子基板18としてはポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等の材料を利用できる。これをベルト1に接着層17を介して接着する。次に、このベルト1上の光反射膜19の一部に膜側からレーザ光7を空間選択的に照射し、レーザアブレーション、レーザトリミングの作用によって光反射膜19の一部を除去する。次に、ベルト1の外周面の位置を制御しながら回転させ、同様のレーザ光7を照射することによって異なる部分の光反射膜19を除去する。これを繰り返し行ない、連続的に光反射膜19を除去することにより、光学式センサで読み取り可能な光反射型のスリット9を作成することが可能となる。このとき、レーザ照射形状をマスクやレンズ等で変え、ベルト1表面の移動量を制御することにより、様々な形状やピッチのスリット9が作成可能であり、直接、ベルト1上へのスリット9の形成が可能となる。
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、特に反射膜を利用した位置センサは比較的安価で高精度なものを利用することが可能であるため、本方式で反射パタンを有するスリットを作成することで、前記センサを利用した高精度かつ安価な位置検出機構を構築することが可能となる。
【0019】
次に、参考例7を説明する。参考例6の反射膜の代わりに磁性体材料を用い、磁性体材料の連続したスリットを作成する。磁性体材料としては鉄系の多くの薄膜材料や磁気記録用材料が利用できる。このスリットを用いることで、磁気センサーにより表面位置の検出が可能となり、ベルト1表面の連続した位置検出が可能となる。
【0020】
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、磁性体のパタンを検出するセンサはパタンを直接磁気ヘッドで検出することが可能であり、低価格、小型化することが容易となる。本方式で磁気パタンを有するスリットを作成することで、前記センサを利用した安価で小型な位置検出機構を構築することが可能となる。
【0021】
請求項記載の発明の一実施形態を図5に示す。図5はベルト1を上面から見た形で示す。ベルト1の外周面の一部に、例えば反射膜付材料20を接着材料によって張り付ける。この材料は柔軟性の高いものとし、ベルト1の変形と同様に変形するものが望ましい。この材料を接着する際、その端部21は図5のように斜めに切断した形状とし、互いに重なることのないように配置する。その後、図5に示す反射膜付材料20表面に前記手法によりスリット22を連続的に形成する。このとき端部21ではスリット22が両方に掛け渡されるように配置する。これにより、位置検出部での信号変化を少なくし、安定した表面位置検出が可能となる。
【0022】
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、端部の形状を本方式にすることで、端部で問題となるスリット接着時の重なりによる変形、反射部の空きによる信号検出エラーを回避し、安定した位置検出を連続して等間隔で行うことが可能となる。
【0023】
請求項記載の発明の一実施形態を図6に示す。図6はベルト1を上面から見た形で示す。ベルト1の外周面の一部に、例えば反射膜付材料20を接着材料によって張り付ける。この材料は柔軟性の高いものとし、ベルト1の変形と同様に変形するものが望ましい。この材料を接着する際、その端部23は互いに重なることのないように配置する。その後、図6に示す反射膜付材料20表面に前記手法によりスリット24を連続的に形成する。このときスリット24はベルト1の移動方向に対して図6に示すように斜めの形状とし、端部23ではスリット24が両方に掛け渡されるように配置する。これにより、位置検出部での信号変化を少なくし、安定した表面位置検出が可能となる。
このベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、上記請求項記載の発明の効果と同様にスリット形状を移動方向に対して傾け、さらに本方式に示すように端部の処理をすることで、端部で問題となるスリット接着時の重なりによる変形、反射部の空きによる信号検出エラーを回避し、安定した位置検出を連続して等間隔で行うことが可能となる。
【0024】
請求項記載の発明は、レーザ光を、紫外短パルスレーザ、極短パルスレーザのいずれかにしたものである。上記紫外短パルスレーザは、波長が300nm以下程度から200nm程度の範囲のレーザで、パルス幅がns程度のもので、エキシマレーザ、Nd:YAGレーザの第四高調波などがある。また、上記極短パルスレーザは、パルス幅が数十フェムト秒(10−15s)から数十ピコ秒(10−12s)程度のもので、チタンサファイアレーザや短パルス化したYAGレーザなどがある。短波長による効果としては、特に紫外域では、一般的に、材料に対する吸収が高くなり、エネルギーが効率的に加工に使用できる点、集光性能が高く、高分解能での加工が可能となる点が挙げられる。また、短パルスによる効果としては、特にフェムト秒程度のパルス幅になると熱伝導の高い金属でも照射時間内での熱拡散が少なくなり、熱的な損傷や溶融などを低減できる点、赤外域等の波長でも多光子吸収等が起きやすくなり、それらの波長でも、材料に対して高いエネルギーを与えることができる点などが挙げられる。
【0025】
この発明では、レーザ光を、特に、紫外短パルスレーザ、極短パルスレーザ、極端紫外レーザのいずれかにすることにより、レーザアブレーション作用を高くすることができ、通常のレーザ光で起こる熱影響によるレーザ照射端部の形状悪化を抑制することが可能となる。また、これらのレーザを用いてレーザアブレーション加工を行うことで、熱加工に比べて高精度で狭ピッチのスリット加工が可能となる。
【0026】
尚、本発明のベルト状構造体表面への等間隔のスリット形成方法は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
次に、本発明のスリット形成方法によってスリット形成を受けたベルト状構造体は、例えば電子写真式の画像形成装置のベルト部材、例えば感光体ベルト、転写ベルト、紙搬送ベルト等に適用することができる。なお、電子写真式画像形成装置については周知であるため、図示説明は省略するが、少なくとも、潜像担持体を中心とした画像形成部(帯電部、露光部、現像部、転写部、定着部)、書込み光学系、読取り光学系、給紙装置等を備えている(請求項)。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項記載のベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、端部の形状を本方式にすることで、端部で問題となるスリット接着時の重なりによる変形、反射部の空きによる信号検出エラーを回避し、安定した位置検出を連続して等間隔で行うことが可能となる。
【0029】
請求項記載のベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、上記請求項記載の発明の効果と同様にスリット形状を移動方向に対して傾け、さらに本方式に示すように端部の処理をすることで、端部で問題となるスリット接着時の重なりによる変形、反射部の空きによる信号検出エラーを回避し、安定した位置検出を連続して等間隔で行うことが可能となる。
【0030】
請求項記載のベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法によれば、レーザ光を、特に、紫外短パルスレーザ、極短パルスレーザ、極端紫外レーザのいずれかにすることにより、レーザアブレーション作用を高くすることができ、通常のレーザ光で起こる熱影響によるレーザ照射端部の形状悪化を抑制することが可能となる。また、これらのレーザを用いてレーザアブレーション加工を行うことで、熱加工に比べて高精度で狭ピッチのスリット加工が可能となる。
【0031】
請求項の画像形成装置によれば、上記各請求項記載の方法によって製造された高精度ピッチのスリットを備えたベルト部材を用いるので、画質を向上できる。
【図面の簡単な説明】
図1】本発明によるベルト状構造体表面へのスリット形成方法の第一の参考例を説明するための要部構成図である。
図2】本発明によるベルト状構造体表面へのスリット形成方法の第二の参考例を説明するための要部構成図である。
図3】本発明によるベルト状構造体表面へのスリット形成方法の第三の参考例を説明するための要部構成図である。
図4】本発明によるベルト状構造体表面へのスリット形成方法の第四の参考例を説明するための要部構成図である。
図5】本発明によるベルト状構造体表面へのスリット形成方法の第五の実施形態を説明するための要部構成図である。
図6】本発明によるベルト状構造体表面へのスリット形成方法の第六の実施形態を説明するための要部構成図である。
【符号の説明】
1 ベルト、2 円筒ドラム、3 ロータリーエンコーダ、4 信号処理部、5 制御用コンピュータ、6 レーザ装置、7 レーザ光、8 レンズ、9 スリット、10 回転体、11 回転体、12 回転モータ、13 位置調整ローラ、14 ローラ、15 センサ、16 フォトマスク、17 接着層、18 高分子基板、19 光反射膜、20 反射膜付材料、21 端部、22 スリット、23 端部、24 スリット

Claims (4)

  1. 前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、ベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法であって、ベルトが無端状に掛け回される少なくとも2つ以上の回転体と、ベルトに接触して配置される位置決め手段と、ベルト表面の移動量を計測する移動量計測手段と、レーザ光を出射するレーザ出射手段とを有し、
    表面に光反射膜を有すると共に端部を傾斜形状に形成した材料を、傾斜形状に形成された端部が少なくとも接触しないように隙間を設けて、前記ベルト状構造体の少なくとも一部に接着し、該隙間を設けて接着した材料の端部間で一カ所以上両方に掛け渡されるように該反射膜の表面にスリットを形成することによって、スリット形成材料を作成し、
    前記移動量計測手段により計測される回転体の移動量に同期してレーザ光を空間選択的に照射することによって、ベルト表面に連続的にかつ全周にわたり等間隔なスリット形状を形成することを特徴とするベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法。
  2. ベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法であって、ベルトが無端状に掛け回される少なくとも2つ以上の回転体と、ベルトに接触して配置される位置決め手段と、ベルト表面の移動量を計測する移動量計測手段と、レーザ光を出射するレーザ出射手段とを有し、
    表面に光反射膜を有する材料を該材料の端部が少なくとも接触しないように隙間を設けて、ベルト状構造体の少なくとも一部に接着し、レーザ光を該材料に対して斜方向に照射して、該隙間を設けて接着した材料の端部間で少なくとも一カ所以上両方に掛け渡されるように該反射膜の表面にスリット形成することによって、スリット形成材料を作成し、
    前記移動量計測手段により計測される回転体の移動量を計測し、計測されたベルト表面の移動量に同期してレーザ光を空間選択的に照射することによって、ベルト表面に連続的にかつ全周にわたり等間隔なスリット形状を形成することを特徴とするベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法。
  3. 請求項1または2に記載のベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法において、レーザが、紫外短パルスレーザ、極短パルスレーザのいずれかであることを特徴とするベルト状構造体表面への等間隔スリット形成方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の等間隔スリット形成方法によりスリット形成を受けたベルト状構造体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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