JP2015145990A - 露光装置 - Google Patents

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Tomoya Suzuki
智也 鈴木
正和 堀
Masakazu Hori
堀  正和
洋祐 林田
Yosuke Hayashida
洋祐 林田
弘樹 小宮山
Hiroki Komiyama
弘樹 小宮山
義昭 鬼頭
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義昭 鬼頭
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Abstract

【課題】露光ユニットから射出される照明光を簡易に計測することができる露光装置を提供する。
【解決手段】被照射体上にパターンを露光する露光装置は、照明光を射出する光源装置と、照明光が導入されるパターン生成部と投射光学系とを含み、被照射体上にパターン生成部で生成されるパターンを投射する複数の露光ユニットと、パターンが被照射体上の異なる領域の各々に投射されるように、複数の露光ユニットの各々を所定の配置関係で着脱可能に支持する第1支持部と、調整用露光ユニットを、パターンの投射特性の計測または調整のために支持する第2支持部と、光源装置からの照明光を、第2支持部に支持された調整用露光ユニットに導く光導入光学系とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、被照射体に所定のパターンを露光する露光装置に関する。
下記特許文献1には、DMDによるマスクレスの複数の露光ヘッド(露光ユニット)の走査線に対する角度やピント位置等がずれることを防止するために、複数の露光ユニットの下で、2次元で移動可能なCCDカメラによってビーム位置およびピント位置を測定することで、露光ヘッドの傾斜角度を好ましい角度に設定する技術が記載されている。
特開2004−226520号公報
しかしながら、上記特許文献1のような露光装置では、複数の露光ヘッドの各々の下でCCDカメラを精密に2次元移動させる付加的な移動機構が必要であり、露光ヘッドによって露光される基板(長尺のフレキシブルなシート基板)の一部を保持して移動させるためのステージ機構回りの構造が複雑になったり、大型化する等の問題がある。
また、被露光体としてのフレキシブルなシート基板の一部を回転ドラムに巻き付けて搬送するとともに、回転ドラム上の基板に対して露光を行う方式の露光装置の場合には、露光ユニットの下に、移動可能なCCDカメラを設けるとすると、回転ドラムとの機械的な干渉が避けられず、回転ドラムを取り外したり、退避させたりする作業が必要となる。したがって、露光ユニットのビーム位置、フォーカス位置、描画位置等の誤差を測定したり、その誤差に基づいて露光装置(露光ヘッド)をキャリブレーションしたりする作業が煩わしいと言った問題もある。
本発明は、露光ユニットから射出される露光用のビームや投影光等の投射光(照明光)の状態や特性を簡易に計測することができる露光装置を提供することを目的とする。
本第1発明は、被照射体上にパターンを露光する露光装置であって、露光用の照明光を射出する光源装置と、前記光源装置からの前記照明光が導入されるパターン生成部と投射光学系とを含み、前記被照射体上に前記パターン生成部で生成される前記パターンを投射する複数の露光ユニットと、前記パターンが前記被照射体上の異なる領域の各々に投射されるように、前記複数の露光ユニットの各々を所定の配置関係で着脱可能に支持する第1支持部と、前記複数の露光ユニットのうちで前記第1支持部から外された特定の前記露光ユニット或いは前記露光ユニットと同じ構成の代替の露光ユニットを、前記パターンの投射特性の計測または調整のために支持する第2支持部と、前記光源装置からの前記照明光を、前記第2支持部に支持された前記特定の露光ユニットまたは前記代替の露光ユニットに導く光導入光学系と、を備える。
本第1発明は、前記露光装置であって、前記第2支持部は、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットから投射され、前記パターンを生成するための前記照明光の強度或いは強度分布を計測する計測面を有する測定装置を支持してもよい。
本第1発明は、前記露光装置であって、前記測定装置は、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットから投射される前記照明光の2次元的な強度分布を観察する強度分布測定器を含んでもよい。
本第1発明は、前記露光装置であって、前記第1支持部に支持されている前記複数の露光ユニットの各々に入射する前記光源装置からの前記照明光が、前記第2支持部に支持されている前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットに導入されるように、前記光導入光学系は、前記照明光の光路に配置された配光部を備え、前記配光部は、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットの投射特性の計測または調整をしない場合は、前記光源装置からの前記照明光の偏光状態を変えて、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットに前記照明光が導入されないようにしてもよい。
本第1発明は、前記露光装置であって、前記第1支持部と前記第2支持部とを一体的に設けたユニット支持装置を有し、前記ユニット支持装置は、前記パターンの露光用に用いられる前記複数の露光ユニットと、前記パターンの投射特性の計測または調整が実施される前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットとを並列に支持してもよい。
本第1発明は、前記露光装置であって、前記光源装置はレーザ光を射出し、前記露光ユニットの各々は、前記パターン生成部として前記レーザ光のスポットを前記被照射体上で走査する光走査部材を含み、前記スポットの走査によって前記被照射体上に前記パターンを描画してもよい。
本第2発明は、フレキシブルなシート基板の感光面に所定のパターンを露光する露光装置であって、前記シート基板の前記感光面が重力方向の下向きになるように前記シート基板を支持する支持機構と、前記シート基板を前記感光面に沿った方向に移動させる移動機構とを有する基板搬送装置と、露光用の光源装置からの光ビームを入射して、前記支持機構で支持される前記シート基板の前記感光面に所定のパターンを露光するための光学レンズ系を含み、前記支持機構で支持される前記シート基板に対して重力方向の下側に配置される露光ヘッドと、前記基板搬送装置で生じる振動の前記露光ヘッドへの伝達を抑制する振動伝達抑制部材と、を備える。
本第2発明は、前記露光装置であって、前記光源装置は、前記光ビームとして紫外波長域のレーザ光を射出するレーザ光源を有し、前記露光ヘッドは、光走査部材によって走査される前記レーザ光を、前記光学レンズ系を介して前記シート基板の前記感光面に走査スポット光として投射し、前記感光面に前記所定のパターンを描画するスポット描画ヘッド、または、前記レーザ光を受けて、前記所定のパターンに対応した透過型或いは反射型のマスク部材によって生成される2次元的な光分布を、前記光学レンズ系を介して前記シート基板の前記感光面に投射する投影露光ヘッド、のいずれか一方で構成されてもよい。
本第2発明は、前記露光装置であって、前記スポット描画ヘッド、または前記投影露光ヘッドを保持する保持コラムを備え、該保持コラムには、前記シート基板上の予め定められた複数の位置に形成された基準マークを検出し、前記シート基板の2次元的な位置ずれを計測するためのアライメント系が設けられてもよい。
本第2発明は、前記露光装置であって、前記保持コラムと前記基板搬送装置は設置土台または床の上に並置され、前記振動伝達抑制部材は、前記保持コラムを前記設置土台または床に対して防振状態で支持する防振機構を備えてもよい。
本第2発明は、前記露光装置であって、前記保持コラムと前記基板搬送装置とを、前記設置土台または床の上で相対移動可能とする移動案内部材を備えてもよい。
本第2発明は、前記露光装置であって、前記基板搬送装置の前記支持機構は、中心軸の回りに回転可能な円筒状の回転ドラムであり、前記シート基板は、前記移動機構による前記シート基板の移動方向を長尺とし、前記中心軸の延びる方向を短尺とする帯状であり、前記回転ドラムの回転によって前記回転ドラムの外周面に倣って前記長尺の方向に搬送されてもよい。
本第2発明は、前記露光装置であって、前記基板搬送装置は、前記回転ドラムの中心軸を回転可能に軸支する軸受け部材と前記回転ドラムとを一体に保持するハウジング部材と、該ハウジング部材を、前記基板搬送装置内の所定の位置に対して着脱可能、若しくは変位可能に支持する本体フレーム部材と、を備えてもよい。
本第1発明によれば、簡易な構成で特定の露光ユニット或いは代替の露光ユニットから投射される露光用の光束の特性、または投射されるパターン化光束の投射特性を計測することができる。特定の露光ユニット或いは代替の露光ユニットから投射される露光用光束やパターン化光束の投射特性の計測または調整のために、露光ユニットに導入する露光用光源(レーザ光源等)からの照明光を用いるので、実際に使用される照明光を用いて、正確な投射特性の計測を行うことができる。
本第2発明によれば、支持機構を上方からアクセスすることができ、支持機構へのアクセスが容易になる。したがって、メンテナンス性・作業性が向上する。また、基板搬送装置で生じる振動の露光ヘッドへの伝達を抑制する振動伝達抑制部材を備えるので、露光ヘッドによる露光を精度よく行うことができる。
第1の実施の形態の基板に露光処理を施す露光装置を含むデバイス製造システムの概略構成を示す図である。 図1の露光ヘッドを支持するユニット支持装置と、図1の回転ドラムを支持する支持フレームを示す図である。 図2の露光ユニットの構成を示す図である。 図1の各露光ユニットによって、スポットが走査される走査ラインを示す図である。 図3の各露光ユニットのポリゴンミラーと、走査ラインの走査方向との関係を示す図である。 図2の調整用露光ユニットの調整の手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態の変形例1における第1支持部と第2支持部を示す図である。 第1の実施の形態の変形例1における調整用露光ユニットの調整の手順を示すフローチャートである。 第1の実施の形態の変形例2の露光ユニットの構成を示す図である。 第2の実施の形態における露光装置の露光ヘッドおよび基板搬送装置を示す図である。 図10の搬送支持部の要部を示す図である。 第2の実施の形態の変形例1におけるハウジング部材および本体フレーム部材の一部を示す図である。 図12の本体フレーム部材に対してヒンジを中心にハウジング部材を上方に向かって回転させたときの図である。 第2の実施の形態の変形例2におけるハウジング部材および本体フレーム部材の一部を示す図である。 第2の実施の形態の変形例3におけるハウジング部材を示す図である。
本発明に係る露光装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、多様な変更または改良を加えたものも含まれる。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の基板(被照射体、被露光体)Pに露光処理を施す露光装置EXを含むデバイス製造システム10の概略構成を示す図である。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、図に示す矢印にしたがって、X方向、Y方向、およびZ方向を説明する。
デバイス製造システム10は、例えば、デバイスとしてのフレキシブル・ディスプレーを製造するシステムである。フレキシブル・ディスプレーとしては、例えば、有機ELディスプレー等がある。デバイス製造システム10は、フレキシブルの基板(シート基板)Pをロール状に巻いた図示しない供給ロールから基板Pが送出され、送出された基板Pに対して各種処理を連続的に施した後、各種処理後の基板Pを図示しない回収ロールで巻き取る、いわゆる、ロール・ツー・ロール(Roll To Roll)方式の構造を有する。この基板Pは、基板Pの移動方向が長手方向(長尺)となり、幅方向が短手方向(短尺)となる帯状の形状を有する。各種処理後の基板Pは、複数のデバイスが連なった状態となっており、多面取り用の基板となっている。前記供給ロールから送られた基板Pは、順次、プロセス装置PR1、露光装置EX、およびプロセス装置PR2で各種処理が施され、前記回収ロールで巻き取られる。
なお、X方向は、水平面内において、プロセス装置PR1から露光装置EXを経てプロセス装置PR2に向かう方向(搬送方向)である。Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、基板Pの幅方向である。Z方向は、X方向とY方向とに直交する方向(上方向)である。
基板Pは、例えば、樹脂フィルム、ステンレス鋼等の金属または合金からなる箔(フォイル)等が用いられる。樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレンビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、および酢酸ビニル樹脂のうち、少なくとも1つ以上を含んだものを用いてもよい。また、基板Pの厚みや剛性(ヤング率)は、露光装置EXの搬送路を通る際に、基板Pに座屈による折れ目や非可逆的なシワが生じないような範囲であればよい。基板Pの母材として、厚みが25μm〜200μm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等のフィルムは、好適なシート基板の典型である。
基板Pは、プロセス装置PR1、露光装置EX、およびプロセス装置PR2で施される各処理において熱を受ける場合があるため、熱膨張係数が顕著に大きくない材質の基板Pを選定することが好ましい。例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合することによって熱膨張係数を抑えることができる。無機フィラーは、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、または酸化ケイ素等でもよい。また、基板Pは、フロート法等で製造された厚さ100μm程度の極薄ガラスの単層体であってもよいし、この極薄ガラスに上記の樹脂フィルム、箔等を貼り合わせた積層体であってもよい。
プロセス装置PR1は、露光装置EXで露光処理される基板Pに対して前工程の処理を行う。プロセス装置PR1は、前工程の処理を行った基板Pを露光装置EXへ向けて送る。この前工程の処理により、露光装置EXへ送られる基板Pは、その表面に感光性機能層(感光面)が形成された基板(感光基板)Pとなっている。
この感光性機能層は、溶液として基板P上に塗布され、乾燥することによって層(膜)となる。感光性機能層の典型的なものはフォトレジストであるが、現像処理が不要な材料として、紫外線の照射を受けた部分の親撥液性が改質される感光性シランカップリング材(SAM)、或いは紫外線の照射を受けた部分にメッキ還元基が露呈する感光性還元材等がある。感光性機能層として感光性シランカップリング材を用いる場合は、基板P上の紫外線で露光されたパターン部分が撥液性から親液性に改質される。そのため、親液性となった部分の上に導電性インク(銀や銅等の導電性ナノ粒子を含有するインク)や半導体材料を含有した液体等を選択塗布することで、パターン層を形成することができる。
感光性機能層として、感光性還元材を用いる場合は、基板P上の紫外線で露光されたパターン部分にメッキ還元基が露呈する。そのため、露光後、基板を直ちにパラジウムイオン等を含むメッキ液中に一定時間浸漬することで、パラジウムによるパターン層が形成(析出)される。このようなメッキ処理はアディティブ(additive)なプロセスであるが、その他、サブトラクティブ(subtractive)なプロセスとしてのエッチング処理を前提にする場合、露光装置EXへ送られる基板Pは、母材をPETやPENとし、その表面にアルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属性薄膜を全面または選択的に蒸着し、さらにその上にフォトレジスト層を積層したものであってもよい。
本実施の形態の場合、露光装置EXは、マスクを用いない直描方式の露光装置、いわゆるラスタースキャン方式の露光装置EXであり、プロセス装置PR1から供給された基板Pに対して、ディスプレー用の回路または配線等の所定のパターンを露光する。後で詳細に説明するが、露光装置EXは、基板PをX方向に搬送しながら、露光用のレーザ光LBのスポット光を基板P上で所定の走査方向に走査しつつ、スポット光の強度をパターンデータに応じて高速に変調(on/off)することによって、基板Pの表面(感光面)にパターンを描画露光している。
プロセス装置PR2は、露光装置EXで露光処理された基板Pに対しての後工程の処理(例えばメッキ処理や現像・エッチング処理等)を行う。この後工程の処理により、基板P上にデバイスのパターン層が形成される。
露光装置EXは、光源装置12と、露光ヘッド(スポット描画ヘッド)14と、基板搬送装置16と、制御部18とを備えている。光源装置12は、レーザ光源を有し、露光に用いられるレーザ光(照明光、光ビーム、露光ビーム)LBを射出するものである。このレーザ光LBは、370mm以下の波長帯域にピーク波長を有する紫外線光であってもよい。レーザ光LBは、発振周波数Fsで発光したパルス光であってもよい。光源装置12が射出したレーザ光LBは、露光ヘッド14に入射する。
露光ヘッド14は、光源装置12からのレーザ光LBがそれぞれ入射する複数の露光ユニットU(U1〜U5)を備えている。露光ヘッド14は、基板搬送装置16によって搬送される基板Pの一部分に、複数の露光ユニットU(U1〜U5)によって、所定のパターンを露光する。露光ヘッド14は、構成が同一の露光ユニットUを複数有することで、いわゆるマルチビーム型の露光ヘッド14となっている。
基板搬送装置16は、プロセス装置PR1から搬送される基板Pを、プロセス装置PR2に所定の速度で搬送する。制御部18は、露光装置EXの各部を制御し、各部に処理を実行させる。この制御部18は、コンピュータと、プログラムが記憶された記憶媒体とを含み、該コンピュータが記憶媒体に記憶されたプログラムを実行することで、本第1の実施の形態の制御部18として機能する。
露光装置EXは、温調チャンバーECV内に格納されている。この温調チャンバーECVは、内部を所定の温度に保つことで、内部において搬送される基板Pの温度による形状変化を抑制する。温調チャンバーECVは、パッシブまたはアクティブな防振ユニットSU1、SU2を介して製造工場の設置面Eに配置される。防振ユニットSU1、SU2は、設置面Eからの振動を低減する。この設置面Eは、設置土台上の面であってもよく、床であってもよい。
基板搬送装置16は、基板Pの搬送方向の上流側から順に、エッジポジションコントローラEPC、駆動ローラR1、テンション調整ローラRT1、回転ドラム(円筒ドラム)20、テンション調整ローラRT2、駆動ローラR2、および駆動ローラR3を有している。
エッジポジションコントローラEPCは、プロセス装置PR1から搬送される基板Pの幅方向(Y方向であって基板Pの短尺方向)における位置を調整する。駆動ローラR1は、エッジポジションコントローラEPCから搬送される基板Pの表裏両面を保持しながら回転し、基板Pを回転ドラム20へ向けて搬送する。回転ドラム20は、基板P上で所定のパターンが露光される部分をその円周面で支持する。回転ドラム20は、Y方向に延びる回転軸AXを中心に回転することで、基板Pを回転ドラム20の外周面(円周面)に倣って基板PをX方向に搬送する。この回転軸AXには、図示しない回転駆動源(例えば、モータや減速機構等)からの回転トルクが与えられる。この前記回転駆動源は、制御部18によって制御される。なお、便宜的に、回転軸AXを通り、Z方向に延びる面を中心面cと呼ぶ。
駆動ローラR2、R3は、基板Pの搬送方向に沿って所定の間隔を空けて配置されおり、露光後の基板Pに所定の弛み(あそび)を与えている。駆動ローラR2、R3は、駆動ローラR1と同様に、基板Pの表裏両面を保持しながら回転し、基板Pをプロセス装置PR2へ向けて搬送する。駆動ローラR2、R3は、回転ドラム20に対して搬送方向の下流側に設けられており、この駆動ローラR2は、駆動ローラR3に対して、搬送方向の上流側に設けられている。テンション調整ローラRT1、RT2は、回転ドラム20に巻き付けられて支持されている基板Pに、所定のテンションを与えている。この回転ドラム20は、基板Pの感光面が上向きとなるように基板Pを支持する支持機構を構成する。エッジポジションコントローラEPC、駆動ローラR1、テンション調整ローラRT1、テンション調整ローラRT2、駆動ローラR2、および駆動ローラR3は、基板Pを感光面に沿った方向(+X方向)に移動させる移動機構を構成する。
図2は、露光ヘッド14を支持するユニット支持装置30と、回転ドラム20を支持する支持フレーム32を示す図である。支持フレーム32は、本体フレーム34と、3点支持部36とを有する。ユニット支持装置30および支持フレーム32は、温調チャンバーECV内に格納されている。本体フレーム34は、回転ドラム20と、テンション調整ローラRT1(不図示)、RT2を回転可能に支持している。3点支持部36は、本体フレーム34の上端に設けられ、回転ドラム20の上方でユニット支持装置30を3点で支持する。
ユニット支持装置30は、露光ヘッド14を構成する複数の露光ユニットU(U1〜U5)を着脱可能に支持する第1支持部38と、調整用露光ユニットUAを着脱可能に支持する第2支持部40とを一体的に設けたものである。第1支持部38は、複数の露光ユニットU(U1〜U5)から射出されるレーザ光LBが回転ドラム20上の基板Pに照射されるように支持する。第2支持部40は、調整用露光ユニットUAによって露光されるパターンの投射特性の計測または調整のために調整用露光ユニットUAを支持する。調整用露光ユニットUAは、計測または調整のために第1支持部38から外された特定の露光ユニットUであってもよいし、露光ユニットUと同じ構成の代替の露光ユニットUであってもよい。ユニット支持装置30は、パターンの露光用に用いられる露光ユニットU1〜U5と、調整用露光ユニットUAとを並列に支持する。
また、第2支持部40は、調整用露光ユニットUAから照射されるレーザ光LBの強度、若しくは2次元的な強度分布を計測する計測面(撮像面)を有する測定装置42を支持する。測定装置42は、例えば、露光ユニットUがDMD等を用いるパターン投射型であれば、投射されるパターン投射光の2次元的な強度分布等を計測するCCD、CMOS等の撮像素子を有するカメラ(撮像装置)が好適であり、露光ユニットUがレーザ光LBの集光したスポットを走査するスポット走査型(直描式)であれば、そのスポット光の2次元的な光強度分布をスリットスキャン方式で計測するビームプロファイラが好適である。本第1の実施の形態では、測定装置42としてスリットスキャン式のビームプロファイラを用いる。
第1支持部38は、露光ユニットU1、U3、U5を回転ドラム20の回転軸AXに対して搬送方向の上流側(−X側)で、且つ、基板Pの幅方向に沿って並列に支持する。また、第1支持部38は、露光ユニットU2、U4を回転軸AXに対して搬送方向の下流側(+X側)で、且つ、基板Pの幅方向に沿って並列に支持する。図2においては、第2支持部40は、露光ユニットU2、U4に対して搬送方向の下流側で調整用露光ユニットUAを支持しているがこれに限られない。例えば、基板Pの幅方向(Y方向)に沿って、露光ユニットU4の隣で調整用露光ユニットUAを支持してもよい。いずれにしろ、本実施の形態では、基板Pのパターン露光に供される5つの露光ユニットU1〜U5と調整用露光ユニットUAとが、1つの剛体として構成されるユニット支持装置30の所定位置に着脱可能に取り付けられる。
露光装置EXは、1つの光源装置12からのレーザ光LBを露光ヘッド14の各露光ユニットU1〜U5に導く光分岐光学系44を備えている。光分岐光学系44は、反射ミラー46、ビームスプリッタ48、50、反射ミラー52、ビームスプリッタ54、56、反射ミラー58、60、ビームスプリッタ62、および偏光ビームスプリッタ64を有する。
第1支持部38には、この光分岐光学系44を支持する光学系支持部66a、66b、66cが設けられている。光学系支持部66a、66b、66cは、露光ユニットUの上方を跨ぐように形成されたコ字状の形状を有し、光分岐光学系44を複数の露光ユニットU1〜U5の上方で支持する。この光学系支持部66a、66b、66cは、基板Pの搬送方向(+X方向)に沿って光学系支持部66a、66b、66cの順で、第1支持部38に一体的に設けられている。
光分岐光学系44の反射ミラー46およびビームスプリッタ48、50は、光学系支持部66bによって露光ユニットU1、U3、U5と露光ユニットU2、U4との間の上方で支持されている。また、光分岐光学系44の反射ミラー52、ビームスプリッタ54、56、および反射ミラー58は、光学系支持部66aによって露光ユニットU1、U3、U5の上方で支持されている。光分岐光学系44の反射ミラー60、ビームスプリッタ62、および偏光ビームスプリッタ64は、光学系支持部66cによって露光ユニットU2、U4の上方で支持されている。
そして、各露光ユニットU1〜5に入射する光源装置12からのレーザ光LBの一部を調整用露光ユニットUAに導く光導入光学系68が、光学系支持部66cに設けられている。光導入光学系68は、偏光板(配光部)70、ビームスプリッタ72、および反射ミラー74を有する。
まず、この光分岐光学系44によるレーザ光LBの光路について説明する。光源装置12からのレーザ光LB(直径が1〜2mm程度の平行ビーム)は、鉛直方向の下向き(−Z方向)に進み、光分岐光学系44の反射ミラー46に入射する。反射ミラー46は、入射したレーザ光LBを+Y方向に反射してビームスプリッタ48に照射する。ビームスプリッタ48は、入射したレーザ光LBの一部を透過してビームスプリッタ50に照射するとともに、入射したレーザ光LBの残部を+X方向に反射して反射ミラー60に照射する。ビームスプリッタ50は、入射したレーザ光LBの一部を−X方向に反射して反射ミラー52に照射するとともに、入射したレーザ光LBの残部を透過して、光学系支持部66bに設けられた位置検出器76に照射する。
位置検出器76は、入射したレーザ光LBのビーム中心の位置を検出するものであり、例えば、4分割センサが用いられる。4分割センサは、4つのフォトダイオード(光電変換素子)を有し、この4つのフォトダイオードの各々が受光した受光量の差(信号レベルの差分)を用いてレーザ光LBのビーム中心と垂直な面内での位置ずれを検出する。位置検出器76に入射するレーザ光LBは、+Y方向に進む光なので、位置検出器76は、Y方向に垂直なZ方向およびX方向におけるレーザ光LBのビーム中心の位置変位を検出する。
反射ミラー52は、入射したレーザ光LBを−Y方向に反射してビームスプリッタ54に照射する。ビームスプリッタ54は、入射したレーザ光LBの一部を透過してビームスプリッタ56に照射するとともに、入射したレーザ光LBの残部を−Z方向に反射して露光ヘッド14の露光ユニットU5に導く。ビームスプリッタ56を透過したレーザ光LBの一部は反射ミラー58に向かい、ビームスプリッタ56で−Z方向に反射したレーザ光LBの一部は、露光ヘッド14の露光ユニットU3に導かれる。反射ミラー58は、入射したレーザ光LBを−Z方向に反射して露光ヘッド14の露光ユニットU1に導く。
反射ミラー60は、ビームスプリッタ48から射出したレーザ光LBを−Y方向に反射してビームスプリッタ62に照射する。ビームスプリッタ62は、入射したレーザ光LBの一部を透過して偏光ビームスプリッタ64に照射するとともに、入射したレーザ光LBの残部を−Z方向に反射して露光ヘッド14の露光ユニットU4に照射する。偏光ビームスプリッタ64は、予め決められた所定の方向に偏光した直線偏光(S偏光)のレーザ光LBを反射し、所定の方向と直交方向に偏光した直線偏光(P偏光)のレーザ光LBを透過する。偏光ビームスプリッタ64によって−Z方向に反射したレーザ光LBは露光ヘッド14の露光ユニットU2に入射し、偏光ビームスプリッタ64を透過したレーザ光LBは、光導入光学系68のビームスプリッタ72に入射する。このようにして、光分岐光学系44は、光源装置12からのレーザ光LBを、各露光ユニットU1〜U5に導くことができる。
次に、光導入光学系68によるレーザ光LBの光路について説明する。ビームスプリッタ72は、光分岐光学系44の偏光ビームスプリッタ64から照射されたレーザ光LBの一部を+X方向に反射して反射ミラー74に照射するとともに、入射したレーザ光LBの残部を透過して、光学系支持部66cに設けられた位置検出器78に照射する。位置検出器78は、位置検出器76と同様の4分割センサで構成され、入射したレーザ光LBのビーム中心の位置変位を検出する。反射ミラー74は、入射したレーザ光LBを−Z方向に反射して調整用露光ユニットUAに導く。このようにして、光導入光学系68は、露光ユニットUに入射するレーザ光LBの一部を調整用露光ユニットUAに導くことができる。
ここで、光導入光学系68の偏光板70は、ビームスプリッタ62と偏光ビームスプリッタ64との間に設けられている。偏光板70は、入射したレーザ光LBのうち、所定の方向に偏光したレーザ光LBを透過するものである。この偏光板70を回転させることで、透過するレーザ光LBの偏光方向を変えることができる。偏光板70の偏光方向をS偏光と同じ方向にすることで、偏光板70を透過するレーザ光LBはS偏光のレーザ光LBとなる。この場合は、偏光板70を透過したS偏光のレーザ光LBは、偏光ビームスプリッタ64によって反射され、露光ユニットU2に導かれる。また、偏光板70の偏光方向をP偏光と同じ方向にすることで、偏光板70を透過するレーザ光LBはP偏光のレーザ光LBとなる。この場合は、偏光板70を透過したP偏光のレーザ光LBは、偏光ビームスプリッタ64を透過するので、ビームスプリッタ72および反射ミラー74を介して、調整用露光ユニットUAに導かれる。
このように、光導入光学系68の偏光板70によって、露光ユニットUに入射するレーザ光LBの一部を、調整用露光ユニットUAに入射させるか否かを切り換えることができる。したがって、実際にパターンの露光用に用いられる露光ユニットUに入射するレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに導入させることができるので、調整用露光ユニットUAの調整を精度良く行うことができる。
なお、調整用露光ユニットUAにレーザ光LBが入射する場合は、露光ユニットU2にレーザ光LBが入射しない。したがって、基板Pにパターンを露光する場合は、レーザ光LBが偏光ビームスプリッタ64で反射されて露光ユニットU2に入射するように偏光板70の偏光方向が設定されている。そして、後述する調整用露光ユニットUAの計測または調整時には、レーザ光LBが偏光ビームスプリッタ64を透過するように偏光板70の偏光方向が調整される。この偏光方向の調整は、偏光板70を回転させることで行うことができる。手動でこの偏光板70を回転してもよいし、モータ等の回転駆動源によって偏光板70を回転させてもよい。
各露光ユニットU(U1〜U5)および調整用露光ユニットUAに入射するレーザ光LBのビーム中心の位置を調整する(平行移動させる)ために、光分岐光学系44および光導入光学系68は、XYシフタSF(SF1〜SF6)を有する。XYシフタSF1〜SF5は、光分岐光学系44に設けられ、XYシフタSF6は、光導入光学系68に設けられる。XYシフタSF5は、露光ユニットU5に入射するレーザ光LBのビーム中心の位置を調整する。同様に、XYシフタSF3、SF1は、露光ユニットU3、U1に入射するレーザ光LBのビーム中心の位置を調整する。また、XYシフタSF4、SF2(不図示)は、露光ユニットU4、U2に入射するレーザ光LBのビーム中心の位置を調整する。XYシフタSF6は、調整用露光ユニットUAに入射するレーザ光LBのビーム中心の位置を調整する。XYシフタSFは、図示しないが、X軸周りに傾斜可能な石英の平行平板と、Y軸周りに傾斜可能な石英の平行平板とで構成され、レーザ光LBのビーム中心を、レーザ光LBの進行方向と垂直な平面(本第1の実施の形態ではXY平面)で2次元に微少量シフトさせる。
図3は、露光ユニットU(U1〜U5の各々)の構成を示す図である。なお、上述したように、調整用露光ユニットUAは、露光ユニットUと同一の構成を有するので、調整用露光ユニットUAについては説明を省略する。露光ユニットUは、略L字状の形状を有し、第1支持部38によって支持される被支持部90と、被支持部90から回転ドラム20に向かって延び、レーザ光LBを射出する射出部92とを有する。この射出部92は、第1支持部38に形成された開口部38aに挿入されている(図2参照)。したがって、露光ユニットUから射出されるレーザ光LBは、第1支持部38によって遮られることなく回転ドラム20上の基板Pに照射される。なお、調整用露光ユニットUAの場合は、被支持部90が第2支持部40によって支持され、射出部92が第2支持部40に形成された開口部40aに挿入される(図2参照)。これにより、調整用露光ユニットUAから射出されるレーザ光LBは、第2支持部40によって遮られることなく測定装置42に照射される。
図3のように、露光ユニットUは、被支持部90および射出部92の内部に、集光レンズ100、描画用光学素子(光変調素子)102、コリメートレンズ104、ビームスプリッタ106、シリンドリカルレンズ108、フォーカスレンズ109、反射ミラー110、ポリゴンミラー(光走査部材)112、反射ミラー114、f−θレンズ116、および、シリンドリカルレンズ118を有する。
露光ユニットUに入射するレーザ光LBは、鉛直方向の上方から下方(−Z方向)に向けて進み、集光レンズ100を介して描画用光学素子102に入射する。集光レンズ100は、描画用光学素子102に入射するレーザ光LBを描画用光学素子102内で集光(収れん)させる。描画用光学素子102は、レーザ光LBに対して透過性を有するものであり、例えば、音響光学変調素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)が用いられる。AOMは超音波を用いることで、入射したレーザ光LBを回折角で回折させて、レーザ光LBの光路、つまり、進行方向を変える。AOMは、制御部18の駆動信号のオンオフにしたがって、入射したレーザ光LBを回折させた回折光の発生をオンオフする。
詳しく説明すると、描画用光学素子102は、制御部18からの駆動信号がオフの状態のときは、入射したレーザ光LBをコリメートレンズ104を介してビームスプリッタ106側に透過させ、制御部18からの駆動信号がオンの状態のときは、入射したレーザ光LBを回折させて吸収体120に向かわせる。すなわち、描画用光学素子102は、制御部18からオンの駆動信号が送られてこない限り、入射したレーザ光LBをビームスプリッタ106に照射する。吸収体120は、レーザ光LBの外部への漏れを抑制するためのものである。
このように、描画用光学素子102に印加すべき描画用の駆動信号(超音波の周波数)をパターンデータ(白黒)に応じて高速にオン/オフすることによって、レーザ光LBがビームスプリッタ106に向かうか、吸収体120に向かうかがスイッチングされる。このことは、基板P上で見てみると、感光面に達するレーザ光LB(スポット光SP)の強度が、パターンデータに応じて高レベルと低レベル(若しくはゼロレベル)のいずれかに高速に変調されることを意味する。
描画用光学素子102とビームスプリッタ106との間には、ビームスプリッタ106に入射するレーザ光LBを平行光にするコリメートレンズ104が設けられている。ビームスプリッタ106は、入射したレーザ光LBの一部を−X方向に反射させて、シリンドリカルレンズ108、フォーカスレンズ109を介して反射ミラー110に照射する。ビームスプリッタ106に入射したレーザ光LBの一部は透過して位置検出器122に導かれる。位置検出器122は、入射したレーザ光LBの中心の位置を検出するものであり、例えば、先の図2で説明した位置検出器76、78と同様の4分割センサが用いられる。
反射ミラー110は、入射したレーザ光LBをポリゴンミラー112に照射する。ポリゴンミラー(回転多面鏡)112は、Z方向に延びる回転軸112aと、回転軸112aの周りに形成された複数の反射面112bとを有する。回転軸112aを中心にこのポリゴンミラー112を所定の回転方向に回転させることで、反射面112bに照射されるレーザ光LBの反射角を連続的に変化させることができる。これにより、基板P上に照射されるレーザ光LBの位置を走査方向(基板Pの幅方向)に走査することができる。ポリゴンミラー112は、図示しない回転駆動源(例えば、モータや減速機構等)によって一定の速度で回転する。この回転駆動源は、制御部18によって制御される。
なお、第2支持部40に配置された調整用露光ユニットUAは、ポリゴンミラー112の回転駆動源(モータ)に供給される駆動信号、描画用光学素子102に印加すべき描画用の駆動信号、ポリゴンミラー112の反射面112b毎に反射ミラー110からのレーザ光LBが所定の入射角になった瞬間を表すパルス状の原点信号、或いは位置検出器122からの受光信号等を制御部18との間でやり取りするために、調整専用の制御ユニット(制御ボード)を制御部18内に設け、それと電気的に接続するようにしてもよい。但し、調整用露光ユニットUAの光学的な調整(レーザ光LBの強度計測、スポット光SPのサイズ計測等)のみを行なう場合には、ポリゴンミラー112は、回転駆動源によって回転させることなく、所定の回転角度位置に停止させておけばよいので、調整専用の制御ユニット(制御ボード)を設けたり、或いは、それとの電気的な接続を行なったりする必要はない。
ビームスプリッタ106と反射ミラー110との間に設けられたシリンドリカルレンズ108は、フォーカスレンズ109と協働して、前記走査方向と直交する非走査方向(Z方向)に関してレーザ光LBをポリゴンミラー112の反射面112b上に集光(収れん)する。すなわち、図3の場合、レーザ光LBは、ポリゴンミラー112の反射面112b上で、Z方向を短軸、XY面と平行な方向を長軸とするような長楕円状若しくはスリット状に整形される。このシリンドリカルレンズ108によって、反射面112bがZ方向に対して傾いている場合(XY面の法線と反射面112bとの平行状態からの傾き)があっても、その影響を抑制することができ、基板P上に照射されるレーザ光LBの照射位置がX方向にずれることを抑制する。
ポリゴンミラー112で反射したレーザ光LBは、反射ミラー114によって−Z方向に反射され、Z軸と平行な光軸AXuを有するf−θレンズ116に入射する。ポリゴンミラー112の回転角(θ/2)に応じて、f−θレンズ116への入射角が回転角(θ/2)の2倍のθとなる。f−θレンズ116は、その入射角θに比例した像高を決定する。焦点距離をfとし、像高をyとすると、f−θレンズ116は、y=fθ、の関係を有する。したがって、このf−θレンズ116によって、レーザ光LBをY方向に正確に等速度で走査可能になる。
f−θレンズ116から照射されたレーザ光LBは、シリンドリカルレンズ118を介して、基板P上に略円形の微少なスポット光SPとなって照射される。スポット光(スポット、走査スポット、走査スポット光)SPは、ポリゴンミラー112によって、Y方向に延びる走査ラインLに沿って一方向に1次元走査される。
シリンドリカルレンズ118は、走査ラインLをカバーするY方向の長さを有するとともに、図3中ではX方向に有限の屈折力(パワー)を有し、Y方向には屈折力(パワー)がゼロになるように設定されている。このシリンドリカルレンズ118は、ポリゴンミラー112の手前のシリンドリカルレンズ108の作用によって、ポリゴンミラー112と反射ミラー114との間の空間ではZ方向、反射ミラー114とf−θレンズ116の間の空間ではX方向に発散して進むレーザ光LBを、基板P上ではX方向に収れんさせて略円形のスポット光SPにする機能を持つ。このシリンドリカルレンズ118が無い場合、基板P上のスポット光SPは、X方向に細長い楕円状になってしまい、パターン露光時にX方向の描画精度(解像度)が低下してしまう。また、シリンドリカルレンズ118の母線は、設計上はY軸と平行に設定されるが、シリンドリカルレンズ118をZ軸と平行な軸の回りに微少回転させると、スポット光SPによる走査ラインLをXY面内で微少に傾けることができる。
このように、描画用光学素子102、シリンドリカルレンズ108、フォーカスレンズ109、およびポリゴンミラー112は、基板P上に露光するパターンを描画するためのパターン化光束を生成するので、これらはパターン生成部を構成する。また、f−θレンズ116とシリンドリカルレンズ118は、パターン生成部によって生成されたパターン化光束を基板P上に投影するので、投影光学系(光学レンズ系)を構成する。
なお、ポリゴンミラー112は一定の角速度で回転しているため、時間の経過とともに反射面112bの角度も変化するので、入射したレーザ光LBをf−θレンズ116に照射することができない期間が存在する。したがって、f−θレンズ116にレーザ光LBが入射している時間(走査時間)だけ基板Pにレーザ光LBが照射され、スポットSPが走査ラインLに沿って走査される。
図4は、各露光ユニットU(U1〜U5)によって、スポットSPが走査される走査ラインL(L1〜L5)を示す図である。複数の走査ラインL1〜L5は、中心面cを挟んで、回転ドラム20の周方向に2列に配置される。Y方向に並ぶ奇数番の走査ラインL1、L3、L5は、中心面cに対して搬送方向の上流側の基板P上に位置する。Y方向に並ぶ偶数番の走査ラインL2、L4は、中心面cに対して搬送方向の下流側の基板P上に位置する。各走査ラインL(L1〜L5)は、基板Pの幅方向、つまり、回転ドラム20の回転軸AXに沿って略平行となっており、基板Pの幅方向の長さよりも短い。
走査ラインL1、L3、L5は、基板Pの幅方向に沿って所定の間隔を空けて配置され、走査ラインL2、L4も同様に、基板Pの幅方向に沿って所定の間隔を空け配置されている。このとき、走査ラインL2は、基板Pの幅方向において、走査ラインL1と走査ラインL3との間に配置される。同様に、走査ラインL3は、基板Pの幅方向において、走査ラインL2と走査ラインL4との間に配置される。走査ラインL4は、基板Pの幅方向において、走査ラインL3と走査ラインL5との間に配置される。すなわち、走査ラインL1〜L5は、基板P上に描画(露光)される露光領域Wの幅方向の全てをカバーするように配置される。このように、露光ユニットU1〜U5は、基板P上の異なる領域を走査するように所定の配置関係で第1支持部38に配置されている。
また、各露光ユニットU1〜U5のf−θレンズ116の光軸AXuは、図3ではXY面と垂直なZ軸と平行になるように示されているが、実際は、図1に示したように、基板Pを回転ドラム20の外周面で支持するため、基板Pの感光面は回転ドラム20の直径で決まる曲率で円筒面状に湾曲している。そのため、各f−θレンズ116の光軸AXuの延長線が回転ドラム20の回転軸AXの中心線と交差するように、XZ面内において、奇数番の露光ユニットU1、U3、U5は中心面cに対して基板Pの送り方向(長尺方向)の上流側に一定角度(例えば−15°)だけ傾けて設置され、偶数番の露光ユニットU2、U4は中心面cに対して基板Pの長尺方向の下流側に一定角度(例えば+15°)だけ傾けて設置される。
走査ラインL1、L3、L5に沿って走査されるレーザ光LB(スポット光SP)の走査方向は、1次元の方向となっており、同じ方向となっている。走査ラインL2、L4に沿って走査されるレーザ光LB(スポット光SP)の走査方向は、1次元の方向となっており、同じ方向となっている。この走査ラインL1、L3、L5に沿って走査されるレーザ光LBの走査方向と、走査ラインL2、L4に沿って走査されるレーザ光LBの走査方向とは互いに逆方向となっている。詳しくは、走査ラインL1、L3、L5に沿って走査されるレーザ光LBの走査方向は+Y方向であり、走査ラインL2、L4に沿って走査されるレーザ光LBの走査方向は−Y方向である。これは、露光ユニットU1〜U5のポリゴンミラー112として、同一のポリゴンミラーを使用したことによる。これにより、走査ラインL3、L5の描画開始位置と、走査ラインL2、L4の描画開始位置とは隣接する。また、走査ラインL1、L3の描画終了位置と、走査ラインL2、L4の描画終了位置とは隣接する。走査ラインL1〜L5に沿って走査されるレーザ光LB(スポット光SP)の走査距離は同一とする。
なお、基板P上には、アライメントマークKsが形成されている。このアライメントマークKsは、基板Pの2次元的な位置ずれを計測するための図示しないアライメント顕微鏡によって検出される。すなわち、アライメントマークKsは、基板P上に描画されるパターンと基板Pとを相対的に位置合わせする(アライメントする)ための基準マークである。また、露光装置EXは、回転ドラム20の回転角度位置を高分解能に検出する図示しない回転角度検出手段(ロータリーエンコーダ等)を有する。これにより、基板P上のアライメントマークKsの位置と、回転ドラム20の回転角度位置との対向関係を求めることができる。
図5は、各露光ユニットU1〜U5のポリゴンミラー112と、走査ラインL1〜L5の走査方向との関係を示す図である。複数の露光ユニットU1、U3、U5と複数の露光ユニットU2、U4とにおいては、反射ミラー110、ポリゴンミラー112、およびf−θレンズ116が中心面cに対して対称な構成となっている。このため、各露光ユニットU1〜U5のポリゴンミラー112を同一の方向(左回り)に回転させることで、各露光ユニットU1、U3、U5は、描画開始位置から描画終了位置へ向けて+Y方向にレーザ光LBのスポットSPを走査し、各露光ユニットU2、U4は、描画開始位置から描画終了位置へ向けて−Y方向にレーザ光LBのスポットSPを走査することができる。なお、各露光ユニットU2、U4のポリゴンミラー112の回転方向を、各露光ユニットU1、U3、U5のポリゴンミラー112の回転方向と逆方向にすることで、各露光ユニットU1〜U5のレーザ光LBのスポットSPの走査方向を同一方向(+Y方向または−Y方向のいずれか一方)に揃えるようにしてもよい。
ここで、制御部18は、各露光ユニットU1〜U5から射出されるレーザ光LBのスポットSPの走査によって基板P上に露光(投影)されるパターンを規定する描画データに基づいて、各露光ユニットU1〜U5の描画用光学素子102にオンオフの駆動信号を出力する。これにより、各露光ユニットU1〜U5の描画用光学素子102は、このオンオフの駆動信号に基づいて、入射したレーザ光LBを回折させて、スポットSPの強度を変調することができる。この描画データは、制御部18内に露光ユニットU1〜U5毎に設けられる制御ユニット(制御ボード)の各々のメモリ内に、各走査ラインL1〜L5で描画すべきパターンに応じて一時記憶されている。制御ユニット(制御ボード)は、レーザ光LBのスポットSPが走査ラインL上を走査する時間の間、所定の内部クロックに応答して、制御ユニット(制御ボード)内のメモリから順次読み出されるビットマップ形式の2値化データ(「0」、「1」)に基づいて、露光ユニットU内の描画用光学素子102に印加すべき高周波の駆動信号のオンオフを制御する。
その結果、露光ユニットUは、描画用光学素子102に印加すべき駆動信号がオフのときは、基板P上にレーザ光LBを照射し(スポットSPの強度が高くなる)、駆動信号がオンのときは、基板P上にレーザ光LBを照射しない(スポットSPの強度が0になる)。したがって、露光ユニットUは、走査ラインLに沿って、描画データに基づくパターンを基板P上に描画することができる。
このように、基板PがX方向に一定の速度で搬送されている状態で、各露光ユニットU(U1〜U5)によって、レーザ光LBのスポットSPが走査方向に走査することで、基板P上に所定のパターンが描画(投影)される。なお、基板P上でのスポットSPの走査方向の寸法をDs、スポットSPの基板P上での走査速度をVsとしたとき、レーザ光LBがパルス光の場合は、その発振周波数Fsは、Fs≧Vs/Ds、の関係を満たす必要がある。レーザ光LBの発振周波数Fsが、Fs≧Vs/Ds、の関係を満たさないと、所定の間隔を空けて基板P上にレーザ光LBのスポットSPが照射されてしまうからである。発振周波数Fsが、Fs≧Vs/Ds、の関係を満たすと、スポットSPは相前後して発振したパルス毎に互いに重なり合うように基板P上に照射されるので、スポット光SPの走査方向に連続した線状のレーザ光LBとして基板P上に照射することができる。
一例として、光源装置12が、波長355nmの紫外線レーザ光を発振周波数Fs=100MHzでパルス状に射出するファイバーアンプ式のレーザ光源であって、スポット光SPの基板P上での寸法(半値幅)Dsを3μm、走査ラインLの長さを30mm、パルス毎のスポット光SPが寸法Dsの1/2(1.5μm)ずつ重なって走査する場合、走査速度Vsは上記の関係より、Vs=Fs・(Ds/2)=150m/Sとなる。さらに、その走査速度Vsでスポット光SPが長さ30mmの走査ラインLを横切る時間Tsは、Ts=L/Vsより、0.2mSとなる。ここでポリゴンミラー112の反射面112bの面数Mgを10とし、1つの反射面112bで反射したレーザ光LBが走査ラインL上でスポット光SPとなって有効に走査される時間比率(有効走査期間)Qを約0.3とすると、ポリゴンミラー112の1回転に要する時間Tpは、Tp=Ts×(1/Q)×Mgより、約6.67mSとなる。したがって、ポリゴンミラー112の回転速度は、1/Tpより、150rps(=9000rpm)となる。
このような構成を有する露光装置EXにおいて、調整用露光ユニットUAによって投射(投影)されるパターンの投射特性の計測または調整を行いたい場合は、図6に示す手順を踏んでその計測または調整を行う。
まず、調整用露光ユニットUAを、第2支持部40の所定の位置に配置する(ステップS1)。調整用露光ユニットUAは、図示しない位置決めピン等で第2支持部40の所定の位置に配置される。この調整用露光ユニットUAは、計測または調整を行う必要性がある露光ユニットUである。例えば、調整用露光ユニットUAは、第1支持部38によって支持されている複数の露光ユニットU1〜U5のうち計測または調整を行う必要があると判断されて取り外された露光ユニットUであってもよい。また、調整用露光ユニットUAは、第1支持部38によって支持されている複数の露光ユニットU1〜U5と同じ構成の代替品であり、計測または調整を行う必要があると判断された露光ユニットUであってもよい。なお、上述したように第2支持部40に配置された調整用露光ユニットUAのポリゴンミラー112の回転は停止しているものとする。
調整用露光ユニットUAを第2支持部40に配置すると、露光装置EXの電源をオンにし、光源装置12によるレーザ光LBの射出を開始させる(ステップS2)。そして、偏光板70を透過するレーザ光LBが偏光ビームスプリッタ64を透過するように、手動で偏光板70の回転角度を調整する(ステップS3)。つまり、偏光板70の偏光方向を偏光ビームスプリッタ64が透過するレーザ光LBの偏光方向(P偏光)に合わせる。次いで、位置検出器78、122が検出したレーザ光LBの中心の位置に基づいて、XYシフタSF6を調整することで、調整用露光ユニットUAに入射するレーザ光LBの中心位置を調整する(ステップS4)。このXYシフタSF6を調整することで、適正な位置でレーザ光LBが調整用露光ユニットUA内を通り、レーザ光LBを調整用露光ユニットUAから射出させることができる。
次いで、調整用露光ユニットUAのポリゴンミラー112の複数の回転角度におけるレーザ光LBの強度分布を計測する(ステップS5)。すなわち、手動で調整用露光ユニットUAのポリゴンミラー112を複数の回転角度にそれぞれ設定し、それぞれの回転角度で調整用露光ユニットUAから照射されたレーザ光LB(スポット光SP)の位置、フォーカス位置および2次元的な強度分布を測定装置(ビームプロファイラ)42で測定する。
例えば、調整用露光ユニットUAから射出されるレーザ光LBのスポットSPの位置が描画開始位置となる角度にポリゴンミラー112の回転角度を設定し、そのときのレーザ光LB(スポット光SP)の位置、フォーカス位置および2次元的な強度分布を測定装置(ビームプロファイラ)42で計測する。そして、スポットSPの位置が描画終了位置となる角度にポリゴンミラー112の回転角度を設定し、そのときのレーザ光LB(スポット光SP)の位置、フォーカス位置および2次元的な強度分布を測定装置42で計測する。また、スポットSPの位置が描画開始位置と描画終了位置との中間の位置となる角度にポリゴンミラー112の回転角度を設定し、そのときのスポット光SPの位置、フォーカス位置および2次元的な強度分布を測定装置42で計測する。このようにして、ポリゴンミラー112の複数の回転角度におけるレーザ光LBのスポット光SPの強度分布を計測する。これにより、調整用露光ユニットUAから投影されるレーザ光LBによるスポット光SPのビーム特性や品質が、走査ラインLに沿った複数の位置の各々で求まるので、走査ラインLに沿って実際にパターンを描画露光するときに起こり得るパターン描画特性(パターン化光束の投射特性)の劣化等を容易に推定することができる。
なお、先に説明したように、制御部18内に調整用露光ユニットUAに電気的に接続される調整専用の制御ユニット(制御ボード)が用意され、ポリゴンミラー112が微少角度分ずつ回転するように回転駆動源(モータ)を制御できる場合は、その制御ボード経由でポリゴンミラー112を複数の角度に自動で設定してもよい。
そして、計測結果に基づき、調整用露光ユニットUAの光学系(例えば、シリンドリカルレンズ108、118、フォーカスレンズ109等)を調整する(ステップS6)。例えば、計測したレーザ光LBの強度分布が所望の強度分布となるように光学系の位置や傾きを調整したり、ポリゴンミラー112の回転角度におけるレーザ光LBの強度分布が、複数の回転角度で略同一となるように、光学系の位置や傾き等を調整する。また、ポリゴンミラー112の複数の回転角度におけるレーザ光LBの走査位置が同一の直線上に位置するように、光学系の位置や傾き等を調整してもよい。調整用露光ユニットUAの光学系の調整が終了するまで、このステップS5とステップS6との動作を複数回行う。
調整用露光ユニットUAの光学系の調整が終了すると、ポリゴンミラー112を回転させてレーザ光LBの走査確認を行う(ステップS7)。すなわち、手動でポリゴンミラー112を回転させて、ポリゴンミラー112の各回転角度(各反射面112b)毎に調整用露光ユニットUAから射出されるレーザ光LB(スポット光SP)の走査位置および強度分布を測定装置42で測定する。これにより、調整用露光ユニットUAによってレーザ光LBのスポット光SPが走査される走査ラインLも確認することでき、スポット光SPの走査軌跡である走査ラインLが予め決められた所定の走査ラインLに対して傾いているか等を判断することできる。この測定装置42によって測定されたポリゴンミラー112の各回転角度(各反射面112b)毎のレーザ光LBのスポット光SPの走査位置および強度分布の情報は制御部18の記憶媒体に記憶される。
そして、調整用露光ユニットUAを、第2支持部40から取り外して第1支持部38に取り付ける(ステップS8)。つまり、パターンの露光用に用いられる露光ユニットUを支持する第1支持部38の所定の位置に調整後の調整用露光ユニットUAを配置する。調整用露光ユニットUAは、複数の露光ユニットU1〜U5のうちいずれか1つの露光ユニットUが配置される所定の位置に配置される。例えば、調整用露光ユニットUAが、第1支持部38から取り外された特定の露光ユニットUである場合は、元の所定の位置に調整用露光ユニットUAを戻す。また、調整用露光ユニットUAが、代替の露光ユニットUである場合には、第1支持部38によって支持されている複数の露光ユニットU1〜U5のうち、いずれか1つの露光ユニットUを取り外し、取り外した露光ユニットUが配置されていた所定の位置に調整用露光ユニットUAを配置する。調整用露光ユニットUAは、図示しない位置決めピン等で第1支持部38の所定の位置に配置される。
そして、調整用露光ユニットUAによってパターンをテスト用基板P’にテスト露光する(ステップS9)。このテスト用基板P’は、表面にフォトレジスト層を塗工した基板Pを短く切ったものであり、回転ドラム20に貼り付けられている。このとき、制御部18は、調整用露光ユニットUAの描画データを、記憶媒体に記憶したポリゴンミラー112の各回転角度(各反射面112b)毎のレーザ光LB(スポット光SP)の位置情報に基づいて、例えば描画データを補正する。そして、制御部18は、該補正した補正後の描画データに基づいて、調整用露光ユニットUAの描画用光学素子102にオンオフの駆動信号を出力する。例えば、調整用露光ユニットUAから射出されるレーザ光LBの走査ラインが予め決められた所定の走査ラインに対して傾いている場合には、制御部18は、該傾きを考慮して描画データを補正する。
そして、テスト露光の結果、つまり、テスト用基板P’に露光されたパターンの品質(解像度劣化、露光ムラ、パターンエッジのだれ等の有無)を確認する(ステップS10)。これにより、予め決められた位置にパターンが適正に露光されたかを確認することができる。なお、ステップS9およびS10においては、必要に応じて調整用露光ユニットUAに入射するレーザ光LBの中心を調整するために、XYシフタSFを調整してもよい。
上記第1の実施の形態によれば、調整用露光ユニットUAを支持する第2支持部40と、露光用の露光ユニットU(U1〜U5)に導入するレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに導く光導入光学系68とを設けたので、簡易な構成で調整用露光ユニットUAから投射されるパターン描画用ビームの光学的な特性を計測することができる。また、調整用露光ユニットUAから投射されるパターン描画用ビームの特性の計測または調整のために、実露光用の露光ユニットUに導入される光源装置12からのレーザ光LBを用いるので、実際に使用されるレーザ光LBを用いて、パターンの投射特性等を推定するための各種計測(スポット光SPの強度分布や寸法、フォーカス位置等の計測)を高精度に行うことができる。
また、第2支持部40は測定装置42(ビームプロファイラ、或いはCCDカメラ)を支持するので、簡易な構成で調整用露光ユニットUAから射出されるパターンを生成するためのレーザ光LBの強度若しくは強度分布を測定することができる。また、調整用露光ユニットUAによって露光(投影)されるパターンの投射特性の計測または調整を行わない場合は、レーザ光LBが調整用露光ユニットUAに入射しないように偏光板70を調整するので、レーザ光LBを無駄にすることがない。
[第1の実施の形態の変形例]
上記第1の実施の形態は、以下のように変形してもよい。
<変形例1>
第1の実施の形態の変形例1では、パターンの露光用に用いられる複数の露光ユニットU(U1〜U5)を支持する第1支持部と、調整用露光ユニットUAを支持する第2支持部とを別体にした。
図7は、上記第1の実施の形態の変形例1における第1支持部150と第2支持部152を示す図である。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみを説明する。第1支持部150は、露光ヘッド14を構成する複数の露光ユニットU(U1〜U5)を着脱可能に支持する。第1支持部150は、複数の露光ユニットU(U1〜U5)が基板P上の異なる領域を走査するように所定の配置関係で支持する。第2支持部152は、パターンの投射特性の計測または調整が実施される調整用露光ユニットUAを着脱可能に支持するとともに、調整用露光ユニットUAから照射されるレーザ光LBの強度若しくは強度分布を計測する測定装置42を支持する。この第1支持部150と第2支持部152とは離間して配置される。
第1支持部150は、上記第1の実施の形態の第1支持部38と同様に、露光ユニットU1、U3、U5を回転ドラム20の回転軸AXに対して搬送方向の上流側(−X側)で、且つ、基板Pの幅方向に沿って並列に支持する。また、第1支持部38は、露光ユニットU2、U4を回転軸AXに対して搬送方向の下流側(+X側)で、且つ、基板Pの幅方向に沿って並列に支持する。
露光装置EXは、1つの光源装置12からのレーザ光LBを露光ヘッド14の各露光ユニットU1〜U5に導く光分岐光学系156を備える。光分岐光学系156は、反射ミラー46、ビームスプリッタ48、反射ミラー52、ビームスプリッタ54、56、反射ミラー58、60、ビームスプリッタ62、反射ミラー158、およびビームスプリッタ160を有する。つまり、本変形例1の光分岐光学系156は、上記第1の実施の形態の光分岐光学系44のビームスプリッタ50、偏光ビームスプリッタ64を、反射ミラー158、ビームスプリッタ160に置き換えたものである。
第1支持部150には、この光分岐光学系156を支持する第1光学系支持部162a、162b、162cが設けられている。第1光学系支持部162a、162b、162cは、露光ユニットUを跨ぐように形成されたコ字状の形状を有し、光分岐光学系156を複数の露光ユニットU1〜U5の上方で支持する。第1光学系支持部162a、162b、162cは、基板Pの搬送方向(+X方向)に沿って前記の順で第1支持部150に設けられている。この第1光学系支持部162a、162b、162cは、第1の実施の形態の光学系支持部66a、66b、66cに相当するものである。
各露光ユニットU1〜U5に入射する光源装置12からのレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに導く光導入光学系164は、第2光学系支持部166a、166bによって支持される。光導入光学系164は、ビームスプリッタ168、偏光板(配光部)170、偏光ビームスプリッタ172、およびビームスプリッタ174を有する。第2光学系支持部166aは、第1光学系支持部162bの上方を跨ぐように形成されたコ字状の形状を有し、第1支持部150を下方から支持する定盤176に設けられている。この定盤176は、図2に示す3点支持部36によって支持されている。光導入光学系164のビームスプリッタ168、偏光板170(配光部)、および偏光ビームスプリッタ172は、第2光学系支持部166aによって第1光学系支持部162bの上方で支持されている。複数の露光ユニットU1〜U5の射出部92(図3参照)は、第1支持部150に形成された開口部150aおよび定盤176に形成された図示しない開口部に挿入されている。これにより、各露光ユニットU1〜U5から射出されるレーザ光LBは、第1支持部150および定盤176によって遮られることなく回転ドラム20上の基板Pに照射される。
第2光学系支持部166bは、第2支持部152に設けられ、調整用露光ユニットUAの上方を跨ぐように形成されたコ字状の形状を有する。光導入光学系164のビームスプリッタ174は、第2光学系支持部166bによって調整用露光ユニットUAの上方で支持されている。調整用露光ユニットUAの射出部92(図3参照)は、第2支持部152に形成された開口部152aに挿入されている。これにより、調整用露光ユニットUAから射出されるレーザ光LBは、第2支持部152によって遮られることなく測定装置42に照射される。
なお、本変形例1においても、各露光ユニットU(U1〜U5)および調整用露光ユニットUAにZ軸に沿って入射するレーザ光LBの中心の位置をXY平面で2次元に調整するために、光分岐光学系156はXYシフタSF1〜SF5を有し、光導入光学系164はXYシフタSF6を有する。
次に、光導入光学系164によるレーザ光LBの光路について説明する。光源装置12から−X方向に進むレーザ光LBは、光導入光学系164のビームスプリッタ168に入射する。ビームスプリッタ168は、入射したレーザ光LBの一部を−Y方向に反射して偏光板170に照射するとともに、入射したレーザ光LBの残部を透過して位置検出器178に照射する。位置検出器178は、入射したレーザ光LBの中心の位置を検出するものであり、例えば、4分割センサが用いられる。偏光板170は、入射したレーザ光LBのうち、所定の方向に偏光したレーザ光LBを透過して、偏光ビームスプリッタ172に照射する。この偏光板170を回転させることで、透過するレーザ光LBの偏光方向を変えることができる。
偏光ビームスプリッタ172は、予め決められた所定の方向に偏光した直線偏光(S偏光)のレーザ光LBを−Z方向に反射し、所定の方向と直交方向に偏光した直線偏光(P偏光)のレーザ光LBは−Y方向に透過する。したがって、偏光板170の偏光方向をS偏光と同じ方向にすることで、偏光板170を透過したレーザ光LBは偏光ビームスプリッタ172で反射される。また、偏光板170の偏光方向をP偏光と同じ方向にすることで、偏光板170を透過したレーザ光LBは偏光ビームスプリッタ172を透過する。
偏光ビームスプリッタ172によって−Z方向に反射されたレーザ光LBは、光分岐光学系156の反射ミラー46に照射される。この反射ミラー46以降のレーザ光LBの導き方は、先の図2と同じであるので、詳述は省略する。そして、偏光ビームスプリッタ172を透過したレーザ光LBは第2支持部152の第2光学系支持部166bに設置されたビームスプリッタ174に入射する。ビームスプリッタ174は、入射したレーザ光LBの一部を−Z方向に反射して調整用露光ユニットUAに導き、入射したレーザ光LBの残部を−Y方向に透過して位置検出器180に照射する。また、第2支持部152は、調整用露光ユニットUAが第2支持部152に配置されていない状態時に、調整用露光ユニットUAに入射すべきレーザ光LBの中心のXY面内での位置変位を検出する位置検出器182を支持する。この位置検出器182は、XYシフタSF6を通過したレーザ光LBの中心の位置を検出する。位置検出器180、182は、入射したレーザ光LBの中心の位置を検出するものであり、例えば、4分割センサが用いられる。
このように、光導入光学系164の偏光板170によって、露光ユニットUに入射するレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに入射させるか否かを切り換えることができる。したがって、実際にパターンの露光用に用いられる露光ユニットUに入射するレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに導入させることができるので、調整用露光ユニットUAの調整を精度良く行うことができる。なお、調整用露光ユニットUAにレーザ光LBが入射する場合は、レーザ光LBは光分岐光学系156に入射しないので、各露光ユニットU1〜U5にはレーザ光LBが入射しないことになる。
光分岐光学系156によるレーザ光LBの光路は、上記第1の実施の形態の光分岐光学系44と基本的に同じなので説明を省略するが、第1の実施の形態と異なる部分、つまり、反射ミラー158、ビームスプリッタ160についてのみを説明する。反射ミラー158は、ビームスプリッタ48から照射されたレーザ光LBを−X方向に反射して反射ミラー52に照射する。本変形例1では、第1の実施の形態のように位置検出器76が設けられないので、第1の実施の形態のビームスプリッタ50に代えて反射ミラー158が設けられている。
ビームスプリッタ160は、ビームスプリッタ62から−Y方向に進むレーザ光LBの一部を−Z方向に反射して露光ユニットU2に導くとともに、入射したレーザ光LBの残部を−Y方向に透過して位置検出器184に照射する。本変形例1では、ビームスプリッタ62を透過したレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに入射させるかを切り換える必要がない。したがって、本変形例1では、第1の実施の形態の偏光ビームスプリッタ64に代えてビームスプリッタ160が設けられている。また、反射ミラーではなく、ビームスプリッタ160を設けた理由は、入射したレーザ光LBの一部を位置検出器184に照射するためである。
本変形例1の露光装置EXにおいて、調整用露光ユニットUAによって露光(投影)されるパターンの投射特性(すなわち描画用ビームの光学特性)の計測または調整を行いたい場合は、図8に示す手順を踏んでその計測または調整を行う。
まず、露光装置EXの電源をオンにし、光源装置12によるレーザ光LBの射出を開始させる(ステップS21)。そして、偏光板170を透過するレーザ光LBが偏光ビームスプリッタ172を透過するように、手動で偏光板170の回転角度を調整する(ステップS22)。つまり、偏光板170の偏光方向を偏光ビームスプリッタ172が透過するレーザ光LBの偏光方向(P偏光)に合わせる。次いで、位置検出器180が検出したレーザ光LBの中心の位置変位に基づいて第2支持部152のX方向とZ方向の位置を調整する(ステップS23)。
第2支持部152の位置調整が終わると、位置検出器182が検出したレーザ光LBの位置変位に基づいてXYシフタSF6を調整することで、調整用露光ユニットUAに入射すべきレーザ光LBの中心位置を調整する(ステップS24)。この段階では、調整用露光ユニットUAが第2支持部152に取り付けられていないため、ビームスプリッタ174で−Z方向に反射したレーザ光LBは、XYシフタSF6を通り、調整用露光ユニットUAが載置される第2支持部152の台座に形成された不図示の開口部を通って位置検出器182に達する。XYシフタSF6の調整が終わったら、調整用露光ユニットUAを第2支持部152の所定の位置(台座上)に配置する(ステップS25)。調整用露光ユニットUAは、図示しない位置決めピン等で第2支持部152の所定の位置に配置される。これにより、光源装置12からのレーザ光LBが調整用露光ユニットUA内に入射する。なお、第2支持部152に配置された調整用露光ユニットUAのポリゴンミラー112の回転は停止しているものとする。
次いで、ポリゴンミラー112の複数の回転角度位置の各々(ポリゴンミラー112の1つの反射面112bがレーザ光LBを反射する範囲内)におけるレーザ光LBによるスポット光SPの2次元的な強度分布を測定する(ステップS26)。このステップS26の動作は、図6のステップS5の動作と同様である。すなわち、ポリゴンミラー112の回転角度位置を変えてスポット光SPの強度分布を測定すると言うことは、ポリゴンミラー112の角度位置の変化に応じて走査ラインL上のスポット光SPの位置が変化することに合わせて、測定装置42(例えばビームプロファイラ)の位置もずらしていくことを意味する。
これにより、調整用露光ユニットUAから投影されるレーザ光LBのスポット光SPの投射特性を、例えば走査ラインL上の両端部付近と中央部の3ヶ所の各々で計測することができる。そして、計測結果に基づき、調整用露光ユニットUAの光学系を調整する(ステップS27)。このステップS27の動作は、図6のステップS6の動作と同様である。調整用露光ユニットUAの光学系の調整が終了するまで、このステップS26とステップS27との動作を複数回行う。
調整用露光ユニットUAの光学系の調整が終了すると、ポリゴンミラー112を回転させてレーザ光LBの走査確認を行う(ステップS28)。ステップS28の動作は、図6のステップS7の動作と同様である。このステップS28の動作により、調整用露光ユニットUAによってレーザ光LBが走査される走査ラインLも確認することでき、レーザ光LBの走査ラインLが予め決められた所定の走査ラインLに対して傾いているか等を判断することできる。この測定装置42によって測定されたポリゴンミラー112の各回転角度におけるレーザ光LBの位置および強度分布の情報は制御部18の記憶媒体に記憶される。
そして、調整用露光ユニットUAを、第2支持部152から取り外して第1支持部150に取り付ける(ステップS29)。つまり、パターンの露光用に用いられる露光ユニットUを支持する第1支持部150の所定の位置に調整後の調整用露光ユニットUAを配置する。調整用露光ユニットUAは、複数の露光ユニットU1〜U5のうちいずれか1つの露光ユニットUが配置される所定の位置に配置される。調整用露光ユニットUAは、図示しない位置決めピン等で第1支持部150の所定の位置に配置される。このステップS29の動作は、図6のステップS8の動作と同様である。
そして、調整用露光ユニットUAによってパターンをテスト用基板P’にテスト露光する(ステップS30)。このテスト用基板P’は、表面に感光性機能層を塗布した基板Pを短く切ったものであり、回転ドラム20に貼り付けられている。このとき、制御部18は、調整用露光ユニットUAの描画データを、記憶媒体に記憶したポリゴンミラー112の各回転角度におけるレーザ光LBの位置情報に基づいて補正する。そして、制御部18は、該補正した補正後の描画データに基づいて、調整用露光ユニットUAの描画用光学素子102にオンオフの駆動信号を出力する。例えば、調整用露光ユニットUAから射出されるレーザ光LBの走査ラインが予め決められた所定の走査ラインに対して傾いている場合には、制御部18は、該傾きを考慮して描画データを補正する。
そして、テスト用基板P’にテスト露光されたパターンの品質を確認する(ステップS31)。これにより、予め決められた位置にパターンが適正に露光されたかを確認することができる。なお、ステップS29およびステップS30においては、必要に応じて調整用露光ユニットUAに入射するレーザ光LBの中心を調整するために、XYシフタSFを調整してもよい。
このように、調整用露光ユニットUAを支持する第2支持部152と、露光用の露光ユニットU(U1〜U5)に導入するレーザ光LBを調整用露光ユニットUAに導く光導入光学系164とを設けたので、簡易な構成で調整用露光ユニットUAから投影されるパターンの投影特性を計測することができる。調整用露光ユニットUAから投影されるパターンの投射特性の計測または調整のために、露光用の露光ユニットUに導入するレーザ光LBを用いるので、実際に使用されるレーザ光LBを用いて、パターンの投射特性を推定するための各種の計測を行うことができる。また、第1支持部150と第2支持部152とを別体としたので、第1支持部150と第2支持部152とを離間して配置することができ、配置の自由度が向上する。
また、第2支持部152は測定装置42を支持するので、簡易な構成で調整用露光ユニットUAから射出されるパターンを生成するためのレーザ光LBの強度若しくは強度分布を測定することができる。また、調整用露光ユニットUAによって露光(投影)されるパターンの投射特性の計測または調整を行わない場合は、レーザ光LBが調整用露光ユニットUAに入射しないように偏光板170を調整するので、レーザ光LBを無駄にすることがない。
<変形例2>
上記第1の実施の形態および変形例1では、露光ユニットUおよび調整用露光ユニットUAは、ポリゴンミラー112を用いてスポットSPを走査することでパターンを描画するようにしたが、第1の実施の形態の変形例2では、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device)を用いてパターンを露光する。
図9は、第1の実施の形態の変形例2の露光ユニットUの構成を示す図である。なお、調整用露光ユニットUAは、露光ユニットUと同一の構成を有するので、調整用露光ユニットUAについては説明を省略する。本変形例2の露光ユニットUは、ビームスプリッタ200、複数の光学レンズを有する照明光学系202、偏光ビームスプリッタ204、1/4波長板206、デジタルマイクロミラーデバイス208、およびマイクロレンズアレー210等の光学レンズを有する投影光学系212を備える。
露光ユニットUに入射したレーザ光LBは、ビームスプリッタ200に入射する。本変形例2では、露光ユニットUに入射するレーザ光LBは、予め決められた方向に偏光した直線偏光(S偏光)のレーザ光とする。ビームスプリッタ200は、入射したレーザ光LBの一部を照明光学系202に照射し、入射したレーザ光LBの残部を透過して位置検出器214に照射する。位置検出器214は、入射したレーザ光LBの中心の位置を検出するものであり、例えば、4分割センサが用いられる。
照明光学系202は、1つ以上の光学レンズからなり、入射したレーザ光LBをデジタルマイクロミラーデバイス208の反射面全体の大きさに合わせた照明光のサイズに整形する整形光学系と、デジタルマイクロミラーデバイス208上での照明光を均一な照度分布とする均一化光学系(フライアイレンズ、光学ロッド等を含む)とを備えている。このような照明光学系202から射出した照明光は、偏光ビームスプリッタ204に照射される。偏光ビームスプリッタ204は、S偏光のレーザ光LBを反射し、P偏光のレーザ光LBを透過する。したがって、照明光学系202から照射されたレーザ光LBは、偏光ビームスプリッタ204によって反射される。偏光ビームスプリッタ204で反射したレーザ光LBは、1/4波長板206を透過してデジタルマイクロミラーデバイス(パターン生成部)208に入射する。1/4波長板206は、入射したレーザ光LBの偏光状態が直線偏光の場合は円偏光に変換し、入射したレーザ光LBの偏光状態が円偏光の場合は直線偏光に変換する位相差板である。したがって、デジタルマイクロミラーデバイス208に入射する照明光は、1/4波長板206によって円偏光となる。
デジタルマイクロミラーデバイス208とは、駆動信号に応じて反射面の角度が変化する図示しない複数のマイクロミラー(空間光変調素子)を2次元的に配列したミラー装置である。制御部18は、描画データに基づいてデジタルマイクロミラーデバイス208の各マイクロミラーの反射面の角度を変化させる。これにより、マイクロミラー毎にレーザ光LBの反射方向を制御することができる。つまり、レーザ光LBを投影光学系212に入射させるか否かをマイクロミラー単位で制御することができる。その結果、基板Pに投影されるパターン化光束(2次元的な光分布)が生成される。
デジタルマイクロミラーデバイス208が反射したレーザ光LBのうち、投影光学系212側の方向に反射したレーザ光LBは、1/4波長板206を透過して偏光ビームスプリッタ204に照射される。この1/4波長板206によって、デジタルマイクロミラーデバイス208から偏光ビームスプリッタ204に入射するレーザ光LBは円偏光から直線偏光に変換される。この1/4波長板206を透過して偏光ビームスプリッタ204に入射するレーザ光LBはP偏光となる。すなわち、1/4波長板206を透過したレーザ光LBがもう一度1/4波長板206を透過すると、レーザ光LBの偏光方向は90度回転する。したがって、偏光ビームスプリッタ204は、デジタルマイクロミラーデバイス208で反射された照明光を透過して、投影光学系212に照射することができる。
投影光学系(光学レンズ系)212は、1つ以上の光学レンズからなり、デジタルマイクロミラーデバイス208が生成したパターン化光束を基板P上に投影する。これにより、基板Pにパターンを露光することができる。マイクロレンズアレー210は、デジタルマイクロミラーデバイス208の各マイクロミラーに対応するマイクロレンズが2次元的に配列したものである。このマイクロレンズは、対応するマイクロミラーから入射したレーザ光LBを基板P上に集光する。
なお、露光ユニットUは、詳しくは説明しないが、入射したレーザ光LBを受けて、パターンに対応した透過型或いは反射型のマスク部材(パターン生成部)によって生成されるパターン化光束(2次元的な光分布)を、投影光学系(光学レンズ系)を介して基板P上に投影するものであってもよい。本変形例2のように、このデジタルマイクロミラーデバイス208や前記マスク部材を用いた露光ユニットUおよび調整用露光ユニットUAを採用する場合は、測定装置42としてCCDカメラ(撮像装置)を用いて、調整用露光ユニットUAから投影されるパターンの像を撮像する。これにより、調整用露光ユニットUAから投影されるパターン像の投射特性を計測することができる。
[第2の実施の形態]
特開2006−260068号公報には、DMDによるマスクレスの露光ヘッドの下で、露光ステージ上に載置された基板のアライメントマークを基準にして、その基板上にテストパターンを露光し、装置固有補正データを求めて、描画位置を補正することが記載されている。これにより、露光装置の動作環境や装置固有の特性が変動した場合であっても、アライメントマークを基準とする目標位置に画像パターンを露光することができるとしている。
上記第1の実施の形態の露光装置EXの場合でも、短く切った基板P(テスト用基板P’)を回転ドラム20に貼り付けることで、特開2006−260068号公報に記載の技術と同様のことを行うことができる。このとき、回転ドラム20の上方には露光ヘッド14があるため、回転ドラム20の下方の狭いスペースに手を入れて、テスト用基板P’を回転ドラム20に貼り付けなければならない。そのため、基板Pをきれいに回転ドラム20に貼り付けることが困難であり、基板Pが伸縮したり、シワが発生して変形した状態で貼り付けられてしまう。そのため、テスト露光によってテスト用基板P’上に露光されたパターンも変形するおそれがあり、その結果、レーザ光LBによるスポット光SPのビーム特性や走査ラインLの傾き誤差を高精度に検証することが困難になる。そこで、第2の実施の形態では、回転ドラム20へのアクセスを容易にするというものである。
図10は、第2の実施の形態における露光装置EXaの露光ヘッド14aおよび基板搬送装置16aを示す図である。第2の実施の形態では、回転ドラム20aは、露光ヘッド14aの上方(+Z方向)に設けられている。すなわち、露光ヘッド14aは、回転ドラム(支持機構)20aに対して重力方向の下側(地面側)に設けられる。なお、上記第1の実施の形態と同様の機能を有する構成については参照符号の後にaを付してその説明を省略し、異なる部分だけを説明する。
基板搬送装置16aは、搬送支持部250によって保持されている。搬送支持部250は、基板搬送装置16aの回転ドラム20aを、露光ヘッド14aの上方で支持する。搬送支持部250は、パッシブまたはアクティブな防振ユニット(防振部材)SU3、SU4を介して製造工場の設置面Eに配置される。防振ユニットSU3、SU4は、設置面Eからの振動を抑制するとともに、基板搬送装置16aで生じる振動の設置面Eへの伝達を抑制する。本第2の実施の形態の基板搬送装置16aの回転ドラム20aは、基板Pの感光面が重力方向の下向きとなるように基板Pをその円周面で支持する。基板搬送装置16aは、基板Pの感光面が下向きとなるように、基板Pを搬送する。
また、露光ヘッド14aは、露光ヘッド保持部(保持コラム)252によって保持される。露光ヘッド保持部252は、露光ヘッド14aを構成する各露光ユニットUa(Ua1〜Ua5)が回転ドラム20a上の基板Pに向かって上方にレーザ光LBを照射するように、露光ヘッド14aを回転ドラム20aの下方で保持する。露光ヘッド保持部252には、アライメント顕微鏡(アライメント系)AMが設けられている。このアライメント顕微鏡AMは、基板Pの2次元的な位置ずれを計測するために、基板Pに予め形成されているアライメントマークKs(図4参照)を検出する。なお、露光ヘッド保持部252には、回転ドラム20aの回転角度位置を検出する前記回転角度検出手段(ロータリーエンコーダ等)が設けられていてもよい。
露光ヘッド保持部252には、基板搬送装置16aで生じる振動の露光ヘッド14aへの伝達を抑制する振動伝達抑制部材254が設けられている。振動伝達抑制部材254は、露光ヘッド保持部252を設置面Eに対して防振状態で支持するダンパやバネ等の防振機構256、257を備える。なお、振動伝達抑制部材254は、露光ヘッド保持部252を搬送支持部250に対して防振状態で支持する防振機構を備えてもよい。
露光装置EXaは、露光ヘッド保持部252と基板搬送装置16aとを、設置面E上で相対移動可能とする移動案内部材258を備える。移動案内部材258は、Y方向に沿って形成された2本のガイド部260、261と、2本のガイド部260、261をスライド(移動)可能にガイドするY方向に沿って形成された2本のガイドレール部262、263とを有する。ガイド部260、261は、防振機構256、257を介装して露光ヘッド保持部252に設けられている。つまり、ガイド部260は防振機構256の下端に設けられ、ガイド部261は防振機構257の下端に設けられている。ガイドレール部262、263は、設置面E上に設けられたY方向に延びる溝によって構成される。この移動案内部材258により、露光ヘッド保持部252は、Y方向、すなわち、基板Pの搬送方向とは直交する方向にスライド可能となり、基板搬送装置16aに対して相対的に移動する。なお、基板搬送装置16aおよび露光ヘッド14aは、温調チャンバーECV内に格納されていてもよい。
図11は、搬送支持部250の要部を示す図である。搬送支持部250は、回転ドラム20aを回転可能に保持するハウジング部材270と、該ハウジング部材270を支持する本体フレーム部材272とを有する。ハウジング部材270は、回転ドラム20aと、回転ドラム20aの中心軸AXaを回転可能に軸支するベアリング等の軸受け部材274とを一体に保持する。本体フレーム部材272は、基板搬送装置16aの所定の位置に対して着脱可能にハウジング部材270を支持する。本体フレーム部材272は、駆動ローラR1a、テンション調整ローラRT1a、RT2a、駆動ローラR2a、R3a(不図示)を回転可能に支持し、エッジポジションコントローラEPCaは、図示しないが本体フレーム部材272に設けられている。
ハウジング部材270は、回転ドラム20aの中心軸AXaと軸受け部材274とを、回転ドラム20aの軸方向の両端で保持する保持板276、278と、中心軸AXaに沿って延び、この保持板276、278を互いに接続する接続部材280、282とを有する。保持板276は、保持板278に対して−Y方向側に設けられている。この接続部材280、282は、搬送される基板Pと干渉しないように、保持板276、278の上部に接続されている。
本体フレーム部材272は、保持板276、278が嵌合するように上方に形成された凹部284、286を有し、保持板276、278を支持する支持板288、290と、中心軸AXaに沿って延び、この支持板288、290を互いに接続する接続部材292、294とを有する。支持板288は、支持板290に対して−Y方向側に設けられている。この接続部材292、294は、搬送される基板Pと干渉しないように、支持板288、290の下部に接続されている。このように、保持板276、278と嵌合するための凹部284、286を支持板288、290の上方に設けるので、本体フレーム部材272の上方で回転ドラム20aを有するハウジング部材270の着脱を行うことができる。すなわち、ハウジング部材270を上方に移動させることで本体フレーム部材272から取り外すことができ、ハウジング部材270を下方に移動させることで、本体フレーム部材272に取り付けることができる。なお、前記所定の位置とは、本体フレーム部材272にこのハウジング部材270が装着されているときのハウジング部材270の位置のことをいう。
この支持板288、290の凹部284、286と、保持板276、278とには、固定部材296が設けられている。この固定部材296は、支持板288、290の凹部284、286と、保持板276、278とが嵌合したときに、位置ずれを起さないように、支持板288、290の凹部284、286に、保持板276、278を位置再現性良く着脱可能に固定するための部材である。Z方向に互いに嵌合し合う一対の固定部材296は、その一方を円錐状の凹部(或いはV溝)とし、他方がその凹部(或いはV溝)に嵌入する球体(鋼球)とすることができ、一対の固定部材296を複数ヶ所に設けてキネマチックな支持構造とすることができる。このような構造とすると、±数μm程度の位置再現性が得られる。
このように、露光ヘッド14aを回転ドラム20aの下方に設けるので、回転ドラム20aを上方からアクセスすることができ、回転ドラム20aへのアクセスが容易になる。したがって、メンテナンス性・作業性が向上し、回転ドラム20aの清掃や交換作業も容易になる。例えば、テスト用基板P’の回転ドラム20aへの貼り付けが容易になり、テスト用基板P’をきれいに貼ることが可能となる。
また、回転ドラム20aの下方にある露光ヘッド保持部252を移動案内部材258によってスライド(移動)させることで、回転ドラム20aの下方のスペースを広くすることができ、回転ドラム20aを下方からアクセスすることができる。その結果、回転ドラム20aへのアクセスがより容易になる。さらに、ハウジング部材270が、回転ドラム20aと軸受け部材274とを一体に保持し、本体フレーム部材272の上方でこのハウジング部材270を着脱可能にすることで、回転ドラム20aへのアクセスがより一層容易になるとともに、回転ドラム20aの着脱が容易になる。すなわち、回転ドラム20aだけを着脱可能にすると、回転ドラム20aを取り付ける際に、軸受け部材274と回転ドラム20aの位置調整等が必要となり、手間がかかってしまうが、本第2の実施の形態ではこのような弊害はない。
また、基板搬送装置16aで生じる振動の露光ヘッド14aへの伝達を抑制する振動伝達抑制部材254を設けるので、露光ヘッド14aによる露光を精度よく行うことができる。また、露光ヘッド保持部252には、アライメント顕微鏡AMが一体に設けられているので、露光ヘッド保持部252を移動案内部材258によって動かした場合であっても、回転ドラム20aに対する露光ヘッド14aの位置が所望の位置となるように簡単に調整することができる。
なお、露光ヘッド14aを構成する露光ユニットUaは、上記第1の実施の形態の変形例2で示した構成のものであってもよい。すなわち、露光ヘッド14aは、デジタルマイクロミラーデバイス208によって2次元的な光分布(所定のパターン)を生成し、投影光学系212によってパターンを基板P上に投影する投影型の露光ヘッド(投影露光ヘッド)であってもよい。また、露光ヘッド14aは、レーザ光LBを受けて、所定のパターンに対応する透過型或いは反射型のマスク部材によって生成される2次元的な光分布(所定のパターン)を、光学レンズ系を介して基板P上に投射する投影型の露光ヘッド(投影露光ヘッド)であってもよい。また、露光ヘッド14aは、1つの露光ユニットUaから構成されるものであってもよい。
また、上記第2の実施の形態では、ハウジング部材270を本体フレーム部材272に対して着脱可能にするとともに、移動案内部材258によって露光ヘッド保持部252を基板搬送装置16aに対して相対移動できるようにしたが、どちらか一方のみを採用してもよい。例えば、ハウジング部材270を本体フレーム部材272に対して動かせるようにした場合は、露光ヘッド保持部252を基板搬送装置16aに対して相対移動できないようにしてもよい。また、露光ヘッド保持部252を基板搬送装置16aに対して相対移動できるようにした場合は、ハウジング部材270と本体フレーム部材272とを一体形成し、ハウジング部材270を動かせないようにしてもよい。
[第2の実施の形態の変形例]
上記第2の実施の形態は、以下のように変形してもよい。
<変形例1>
図12は、第2の実施の形態の変形例1におけるハウジング部材270および本体フレーム部材272の一部を示す図である。本変形例1では、本体フレーム部材272は、ハウジング部材270を回転可能に支持することで、基板搬送装置16aの所定の位置に対して変位可能にする。なお、上記第2の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分だけを説明する。
ハウジング部材270の保持板276と本体フレーム部材272の支持板288とは、ヒンジ300を介して接続されている。これにより、本体フレーム部材272は、ヒンジ300を介してハウジング部材270を搬送方向とは直交する方向(Y方向)に回転可能に支持することができ、ハウジング部材270を前記所定の位置に対して変位させることができる。このヒンジ300は、変位部材を構成する。図12は、ハウジング部材270が所定の位置に配置されているときの状態を示している。そして、図13に示すように、本体フレーム部材272に対してヒンジ300を中心にハウジング部材270を上方に向かって回転させることで、回転ドラム20aへのアクセスが容易になる。
このように、露光ヘッド14aを回転ドラム20aの下方に設け、本体フレーム部材272がハウジング部材270を回転可能に支持することで、回転ドラム20aへのアクセスが容易になる。したがって、メンテナンス性・作業性が向上し、回転ドラム20aの交換作業も容易になる。例えば、テスト用基板P’の回転ドラム20aへの貼り付けがより容易になり、テスト用基板P’をきれいに貼ることができる。なお、本体フレーム部材272は、搬送方向と同じ方向にハウジング部材270を回転可能に支持してもよい。
<変形例2>
図14は、第2の実施の形態の変形例2におけるハウジング部材270bおよび本体フレーム部材272bの一部を示す図である。本変形例2では、本体フレーム部材272bは、ハウジング部材270bをスライド可能に支持することで、基板搬送装置16aの所定の位置に対して変位可能にする。なお、上記第2の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付すとともに、上記第2の実施の形態と同様の機能を有する構成については参照符号の後にbを付して、その説明を省略し、異なる部分だけを説明する。
本体フレーム部材272bは、ハウジング部材270bをY方向にスライド可能に支持する1軸ステージ310を有し、1軸ステージ310は、支持板288b、290bによって支持される。この支持板288b、290bは同一の大きさ、形状を有する。支持板290bは、1軸ステージ310の+Y方向側の端部を支持し、支持板288bは、1軸ステージ310の中間部を支持する。支持板288b、290b間の距離は、ハウジング部材270bのY方向の距離、つまり、保持板276b、278b間の距離と同一である。したがって、1軸ステージ310の−Y方向側の一部分(突出部分)は、支持板288bから−Y方向に向かって突出した状態となる。この突出部分のY方向側の長さは、ハウジング部材270bのY方向の距離と同等若しくはそれ以上の長さを有する。
支持板288b、290bは同一の大きさ、形状を有し、その凹部284b、286bは、ハウジング部材270bの保持板276b、278bと嵌合する。1軸ステージ310には、Y方向に沿って延びる2本のガイドレール312が設けられている。ハウジング部材270bは、1軸ステージ310に設けられた2本のガイドレール312に沿ってスライドするガイド部材314が設けられている。このガイド部材314は、回転ドラム20aの中心軸AXa(Y方向)に沿って延び、保持板276b、278bの下部に接続されている。ガイド部材314には、回転ドラム20aの中心軸AXaに沿って延び、ガイドレール312と嵌合する溝316が設けられている。なお、このガイドレール312およびガイド部材314は、変位部材318を構成する。これにより、本体フレーム部材272bは、ハウジング部材270bを搬送方向とは直交する方向(Y方向)に沿ってスライド可能に支持することができ、ハウジング部材270bを前記所定の位置に対して変位させることができる。
このハウジング部材270bは、手動によってY方向に沿ってスライドしてもよいし、リニアモータ等の駆動源によってY方向に沿ってスライドしてもよい。また、1軸ステージ310およびガイド部材314には、露光ヘッド14aから照射されるレーザ光LBを回転ドラム20a上の基板Pに照射するための開口部320、322が設けられている。なお、ハウジング部材270bをリニアモータ等の駆動源によってY方向に移動させる場合には、ハウジング部材270bのY方向位置、特にハウジング部材270bの所期のセッティング位置付近の位置情報を精密に読み取るリニアエンコーダ等の測長部を設けるのがよい。
このように、露光ヘッド14aを回転ドラム20aの下方に設け、ハウジング部材270bをY方向に沿ってスライド(移動)させることで、回転ドラム20aへのアクセスが容易になる。したがって、メンテナンス性・作業性が向上し、回転ドラム20aの交換作業も容易になる。例えば、テスト用基板P’の回転ドラム20aへの貼り付けがより容易になり、テスト用基板P’をきれいに貼ることができる。
なお、本変形例2では、ハウジング部材270bをY方向に沿ってスライドすることができるので、露光ヘッド14aが回転ドラム20aの上方に設けられた場合であっても、回転ドラム20aへのアクセスが容易になる。
<変形例3>
図15は、第2の実施の形態の変形例3におけるハウジング部材270を示す図である。本変形例3では、ハウジング部材270に、アライメント顕微鏡AMおよび角度位置検出手段としてのエンコーダヘッドENを設けるというものである。なお、上記第2の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分だけを説明する。
ハウジング部材270の接続部材280に、アライメント顕微鏡AMおよび反射型のエンコーダヘッドENを保持する保持部材350が設けられている。このように、回転ドラム20a、アライメント顕微鏡AM、およびエンコーダヘッドENを一体に保持することで、回転ドラム20aを取り外した場合であっても、回転ドラム20aの設置位置と、アライメント顕微鏡AMおよびエンコーダヘッドENの設置位置の調整が不要となり、メンテナンス性・作業性が向上する。
エンコーダヘッドENは、基板Pが部分的に巻きつく回転ドラム20aの回転軸(中心軸)AXa方向の両端に取り付けられたスケール円盤のスケール面と対向するように設けられる。個別のスケール円盤を回転ドラム20aの両端部に設ける代わりに、回転ドラム20aの円筒状の外周面にスケールを直接刻設してもよい。また、エンコーダヘッドENによるスケールの読取り位置と、アライメント顕微鏡AMによるアライメントマークKs等の検出位置とは、回転ドラム20aの回転軸AXaから見ると、同じ方位になるように、すなわち、回転ドラム20aの外周面の周長方向に関しては、略同じ位置となるように設定されている。
なお、アライメント顕微鏡AMおよびエンコーダヘッドENを保持する保持部材350は、接続部材280ではなく接続部材282に設けられてもよく、接続部材280、282の両方に設けられてもよい。また、第2の実施の形態の変形例1および2においても、本変形例3のように、ハウジング部材270、270bに、アライメント顕微鏡AMおよびエンコーダヘッドENを保持する保持部材350を設けてもよい。
12…光源装置 14、14a…露光ヘッド
16、16a…基板搬送装置 18…制御部
20、20a…回転ドラム 30…ユニット支持装置
38、150……第1支持部 40、152…第2支持部
42…測定装置 44…光分岐光学系
68、164…光導入光学系 70、170…偏光板
102…描画用光学素子 108、118…シリンドリカルレンズ
112…ポリゴンミラー 116…f−θレンズ
250…搬送支持部 252…露光ヘッド保持部
254…振動伝達抑制部材 256、257…防振機構
258…移動案内部材 270、270b…ハウジング部材
272、272b…本体フレーム部材 274…軸受け部材
AM…アライメント顕微鏡 AX、AXa…回転軸
EX、EXa…露光装置 Ks…アライメントマーク
LB…レーザ光 P…基板
EPC、EPCa…エッジポジションコントローラ
L、L1、L2、L3、L4、L5…走査ライン
R1、R1a、R2、R2a、R3…駆動ローラ
RT1、RT1a、RT2、RT2a…テンション調整ローラ
SF、SF1、SF2、SF3、SF4、SF5、SF6…XYシフタ
U、U1、U2、U3、U4、U5…露光ユニット
UA…調整用露光ユニット

Claims (13)

  1. 被照射体上にパターンを露光する露光装置であって、
    露光用の照明光を射出する光源装置と、
    前記光源装置からの前記照明光が導入されるパターン生成部と投射光学系とを含み、前記被照射体上に前記パターン生成部で生成される前記パターンを投射する複数の露光ユニットと、
    前記パターンが前記被照射体上の異なる領域の各々に投射されるように、前記複数の露光ユニットの各々を所定の配置関係で着脱可能に支持する第1支持部と、
    前記複数の露光ユニットのうちで前記第1支持部から外された特定の前記露光ユニット或いは前記露光ユニットと同じ構成の代替の露光ユニットを、前記パターンの投射特性の計測または調整のために支持する第2支持部と、
    前記光源装置からの前記照明光を、前記第2支持部に支持された前記特定の露光ユニットまたは前記代替の露光ユニットに導く光導入光学系と、
    を備える、露光装置。
  2. 請求項1に記載の露光装置であって、
    前記第2支持部は、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットから投射され、前記パターンを生成するための前記照明光の強度或いは強度分布を計測する計測面を有する測定装置を支持する、露光装置。
  3. 請求項2に記載の露光装置であって、
    前記測定装置は、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットから投射される前記照明光の2次元的な強度分布を観察する強度分布測定器を含む、露光装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の露光装置であって、
    前記第1支持部に支持されている前記複数の露光ユニットの各々に入射する前記光源装置からの前記照明光が、前記第2支持部に支持されている前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットに導入されるように、前記光導入光学系は、前記照明光の光路に配置された配光部を備え、
    前記配光部は、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットの投射特性の計測または調整をしない場合は、前記光源装置からの前記照明光の偏光状態を変えて、前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットに前記照明光が導入されないようにする、露光装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の露光装置であって、
    前記第1支持部と前記第2支持部とを一体的に設けたユニット支持装置を有し、
    前記ユニット支持装置は、前記パターンの露光用に用いられる前記複数の露光ユニットと、前記パターンの投射特性の計測または調整が実施される前記特定の露光ユニット或いは前記代替の露光ユニットとを並列に支持する、露光装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の露光装置であって、
    前記光源装置はレーザ光を射出し、前記露光ユニットの各々は、前記パターン生成部として前記レーザ光のスポットを前記被照射体上で走査する光走査部材を含み、前記スポットの走査によって前記被照射体上に前記パターンを描画する、露光装置。
  7. フレキシブルなシート基板の感光面に所定のパターンを露光する露光装置であって、
    前記シート基板の前記感光面が重力方向の下向きになるように前記シート基板を支持する支持機構と、前記シート基板を前記感光面に沿った方向に移動させる移動機構とを有する基板搬送装置と、
    露光用の光源装置からの光ビームを入射して、前記支持機構で支持される前記シート基板の前記感光面に所定のパターンを露光するための光学レンズ系を含み、前記支持機構で支持される前記シート基板に対して重力方向の下側に配置される露光ヘッドと、
    前記基板搬送装置で生じる振動の前記露光ヘッドへの伝達を抑制する振動伝達抑制部材と、
    を備える、露光装置。
  8. 請求項7に記載の露光装置であって、
    前記光源装置は、前記光ビームとして紫外波長域のレーザ光を射出するレーザ光源を有し、
    前記露光ヘッドは、光走査部材によって走査される前記レーザ光を、前記光学レンズ系を介して前記シート基板の前記感光面に走査スポット光として投射し、前記感光面に前記所定のパターンを描画するスポット描画ヘッド、または、前記レーザ光を受けて、前記所定のパターンに対応した透過型或いは反射型のマスク部材によって生成される2次元的な光分布を、前記光学レンズ系を介して前記シート基板の前記感光面に投射する投影露光ヘッド、のいずれか一方で構成される、露光装置。
  9. 請求項8に記載の露光装置であって、
    前記スポット描画ヘッド、または前記投影露光ヘッドを保持する保持コラムを備え、
    該保持コラムには、前記シート基板上の予め定められた複数の位置に形成された基準マークを検出し、前記シート基板の2次元的な位置ずれを計測するためのアライメント系が設けられる、露光装置。
  10. 請求項9に記載の露光装置であって、
    前記保持コラムと前記基板搬送装置は設置土台または床の上に並置され、
    前記振動伝達抑制部材は、前記保持コラムを前記設置土台または床に対して防振状態で支持する防振機構を備える、露光装置。
  11. 請求項10に記載の露光装置であって、
    前記保持コラムと前記基板搬送装置とを、前記設置土台または床の上で相対移動可能とする移動案内部材を備える、露光装置。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項に記載の露光装置であって、
    前記基板搬送装置の前記支持機構は、中心軸の回りに回転可能な円筒状の回転ドラムであり、
    前記シート基板は、前記移動機構による前記シート基板の移動方向を長尺とし、前記中心軸の延びる方向を短尺とする帯状であり、前記回転ドラムの回転によって前記回転ドラムの外周面に倣って前記長尺の方向に搬送される、露光装置。
  13. 請求項12に記載の露光装置であって、
    前記基板搬送装置は、前記回転ドラムの中心軸を回転可能に軸支する軸受け部材と前記回転ドラムとを一体に保持するハウジング部材と、
    該ハウジング部材を、前記基板搬送装置内の所定の位置に対して着脱可能、若しくは変位可能に支持する本体フレーム部材と、
    を備える、露光装置。
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