JP4001691B2 - パチンコ玉の揚送研磨装置 - Google Patents

パチンコ玉の揚送研磨装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、床面側に集められたパチンコ玉を天井側に揚送し(持ち上げ)ながら研磨するためのパチンコ玉の揚送研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでのパチンコ玉の揚送研磨装置として、実公昭58−6468号公報に開示された装置(以下、「従来の揚送研磨装置」という)が知られている。従来の揚送研磨装置は、内部に円形断面の空間と、下端部に前記空間に通じる入口と、上端部に前記空間に通じる出口と、を備えた外筒(移送筒)と、この外筒の空間内で回転する中心軸体(螺旋体)と、一列縦列のパチンコ玉を部分的に露出させた状態で受け入れるために、中心軸体の外周面に形成された一条の螺旋溝と、外筒の内周面と中心軸体との間に備え付けられた研磨部材(研磨布)と、を備え、外筒の内周面との間に備え付けられた弾性体の働きにより研磨部材が、螺旋溝に受け入れられたパチンコ玉を中心軸体に押圧するように構成されている。
【0003】
同公報は、さらに、外筒の入口にパチンコ玉を流入させるための移送筒を開示しているが、流入するパチンコ玉をどのようにして中心軸体の螺旋溝内へ送り込むか、また、揚送されるパチンコ玉はどのような状態にあるのか、についての具体的な記載を含まない。同公報には「パチンコ玉は螺旋体の羽根を小径とした部分により揚送力が低下してその部分で一時的に渋滞し、羽根による攪拌作用によってさらに玉磨効果が高められる(第2頁第3段落第24行目〜第4段落第「行目)」とある。この記載から少なくとも推測できるのは、一条の螺旋溝は、複数個のパチンコ玉を受け入れられる幅寸法を有している、ということである。
【0004】
渋滞を生じさせるためには、複数個のパチンコ玉が螺旋溝の中に同居する状態を作らなければならないからである。そうだとすれば、螺旋溝の中に受け入れられた複数のパチンコ玉のうち、研磨部材側のパチンコ玉は研磨され得るが、研磨部材より遠い位置にあるパチンコ玉は研磨され得ない。このままでは、パチンコ玉全体の研磨効率は極めて低くなる。これを改善するために、同居(渋滞)させたパチンコ玉を攪拌して、研磨部材との接触の機会をできるだけ多くしようとしたものと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の揚送研磨装置にあっては、研磨効率を上げるためとはいえ、揚送するパチンコ玉を渋滞させると、今度は揚送効率の低下という問題を抱えることになる。すなわち、従来の揚送研磨装置は、揚送効率を犠牲にして研磨効率の低下を防いでいる。もっとも、渋滞させたパチンコ玉を攪拌する方法を採用したとしても、十分に攪拌しなければ思うような研磨効率を実現することは難しく、従来の揚送研磨装置の構造(螺旋体)ではそのような攪拌を期待することはできない。このため、螺旋体の溝数を複数条とすることにより、揚送研磨効率を高めることが考えられている。
【0006】
このように揚送研磨効率を高めると、単位時間当たりに研磨するパチンコ玉数が飛躍的に増加する結果、これらを研磨する研磨材に作用する摩擦力も格段に大きくなる。ところで、研磨材はパチンコ玉に付着した油分や塵埃を取り除くためにパチンコ玉を研磨することから、パチンコ玉の付着物が研磨材に付着するため、定期的に洗浄あるいは交換する必要があり、螺旋溝に対向する外筒の内周面に接着や溶着させることはできないと共に、研磨材が布製であるので、摩擦力によりズレが発生しやすく、大きな摩擦力が作用したときに、研磨材が捲れたり剥離したりして、これが螺旋体で揚送されるパチンコ玉と外筒の内周面との間に挟まって中心軸体の回転が阻害され易く、修理に長時間を要するという未解決の課題がある。
【0007】
このため、本発明が解決しようとする第1の課題は、揚送研磨効率を向上させても研磨材の捲れや剥離等による中心軸体の回転阻害を確実に防止できるパチンコ玉の揚送研磨装置の提供にある。
一方、従来の揚送研磨装置では、移送筒が流入させたパチンコ玉は、いつも同じ経路を通って研磨材と接触するようになっている。このことを研磨材側から観察すると、パチンコ玉をいつも同じ表面部分でしか研磨できない(研磨に使用できる表面部分は限られている)ことになる。これでは、研磨に使用する部分の研磨部材がすぐに汚れてしまう一方、使用しない部分はそのままで研磨の役に立たない。
【0008】
さらに、研磨に使用した部分は使用しない部分より負担が重くひどく汚れたり早く摩耗等するので、使用しない部分はまだ使えるのに研磨部材全体を取り替えなければならない場合がある。研磨による負担を研磨部材全体で分担して万遍なく使用するようにすれば、何回も使用して汚れたり摩耗等した部分をそのまま使用して研磨する場合に比べて研磨効率を高められることは明らかである。さらに、万遍なく使用するようにすれば、研磨部材の耐用時間を長くすることもできる。耐用時間が長くなれば、それだけ研磨部材の交換回数が減る。交換回数が減れば、揚送研磨装置の組立、保守、点検等が楽になる(作業性が高まる)。本発明が解決しようとする第2の課題は、研磨効率を高めるという第1の課題の解決に寄与するとともに、揚送研磨装置に用いる研磨部材をできるだけ万遍なく使用することのできる揚送研磨装置の提供にある。
【0009】
本発明が解決しようとする第3の課題は、揚送研磨装置の取り扱いを容易にして作業性を、できるだけ高めることにある。すなわち、従来の揚送研磨装置は、組立、保守、点検等の作業性を高めるための工夫が発明者らの認識できる範囲内では見受けられない。揚送研磨装置は、パチンコ遊技場等における島と呼ばれるパチンコ機の集合体の中に設置されることが多い。このようにきわめて限定された設置環境の中にある揚送研磨装置の組立、保守、点検等の作業性の善し悪しは、揚送研磨装置の性能を決定するといっても過言でないくらい重要な問題である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来の揚送研磨装置のように一条の螺旋溝を用いたパチンコ玉の揚送では、いくら中心軸体の回転数を上げたとしても満足できる揚送効率を実現することができないし、中心軸体の回転数を上げたとしても限度がある、と考え、これを解決する手段として螺旋溝を複数にすることを考えついた。複数にすれば、一条の場合と同じ回転数であってもより多くのパチンコ玉を揚送し研磨することができることを見出したが、このようにパチンコ玉の揚送効率を向上させると、一度に揚送するパチンコ玉数が格段に増加することから、これらのパチンコ玉を研磨する研磨部材に中心軸体の回転方向に大きな摩擦力が作用することになり、研磨部材を中心軸体の内周面に保持することが困難となる。このため、研磨部材の剛性を高め、パチンコ玉を研磨する際に作用される円周方向の摩擦力に対して、捲れや剥離を生じることを確実に防止するようにした。
【0011】
また、第2の課題を解決するために発明者は、パチンコ玉が螺旋溝に導入される際の導入位置を、中心軸体の回転に伴って研磨部材に対してずらすことにより、研磨部材と接触しながら揚送されるパチンコ玉の通過経路を違えさせるようにした。中心軸体の回転に伴って通過経路が違えば、研磨部材を万遍なく使用することができるからである。
【0012】
最後の課題を解決するために本発明者は、研磨部材の脱着を容易にして、補修、交換を容易にするように工夫した。
各請求項に記載した発明は、上述した観点からなされたものである。その詳しい内容については、項を改めて説明する。
請求項1に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項1の揚送研磨装置」という)は、パチンコ玉を螺旋溝で案内して揚送しながら研磨部材で研磨するようにしたパチンコ玉の揚送研磨装置において、床面に設置されるベース部材と、該ベース部材に垂設された長尺の外筒体と、該外筒体内に同軸状に配設された中心軸体と、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方を回転駆動する回転駆動手段と、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に形成された前記パチンコ玉を一部が露出した状態で案内する螺旋溝と、他方の対向円筒面に着脱自在に装着された螺旋溝から露出するパチンコ玉に接触して研磨する研磨部材と、前記ベース部材に配設された前記螺旋溝にパチンコ玉を導入する導入手段とを備え、前記研磨部材によって摩擦力を働かせつつ前記螺旋溝の回転によってパチンコ玉を揚送するように構成された点において、先に説明した従来の揚送研磨装置と基本的に同じである。
【0013】
「部分的に露出させた状態」と表現したのは、パチンコ玉の一部分が螺旋構内に受け入れられ、他の一部分(露出部分)が露出している状態をいう。請求項1の揚送研磨装置に用いる「研磨部材」は、パチンコ玉の露出部分の一部又は全部を研磨(磨くことが)できれば、その形態に何らの制限もないことはいうまでもない。パチンコ玉の露出面に対して接触する研磨材の接触面はほぼ平らでもよいし、多少の凹凸等を有していてもよい。研磨部材をどのようにしてパチンコ玉の露出部分に接触させるかは、研磨部材からパチンコ玉に働く摩擦力の大きさや研磨部材の形態等に合わせて決定する。ここで、摩擦と研磨部材とについて言えば、研磨部材は露出したパチンコ玉に対して面で接触させ、その接触面積を増大させればさせるほど、研磨能力を向上させる反面、摩擦力が増大するため、研磨部材の磨滅の度合いは単位時間当たりで大きくなる結果、研磨部材の交換も頻繁になる傾向がある。「導入機構」の構造は、本発明の目的の範囲内において当業者が採用しうるあらゆる構造が該当する。
【0014】
また、中心軸体又は外筒体に形成する螺旋溝を、複数条とすることにより、これと同じ回転数で回転する単数条の場合に比べて、単位時間当たり多くのパチンコ玉を揚送研磨することができる。すなわち、例えば10条の螺旋溝とこのうちの1条の螺旋溝とを比較した場合には、1条の螺旋溝がたとえば1個のパチンコ玉を揚送研磨するとすると、10条の螺旋溝であれば同じ時間にその溝数倍のパチンコ玉を揚送研磨することができるが、螺旋溝の条数を多くするとパチンコ玉の直径が決められているので螺旋溝のピッチも長くせざるを得ないことから、揚送高さが一定である場合には、むやみに条数を増やすと研磨距離が短くなり、研磨能力が低下する。したがって、螺旋溝を何条にするかは、中心軸体又は外筒体の直径すなわち、外周面の広さや揚送高さ及び揚送能力等に応じて定めるようにする。中心軸体又は外筒体の外周面を無駄なく使用できるように、複数の螺旋溝を並列配置しておくとよい。
【0015】
各「螺旋溝」の形態は、パチンコ玉を部分的に受け入れられる形態であれば、その縦断面が円弧状であろうとV字状であろうと、又は、台形状であろうと、或いはこれら以外の形態であろうと構わない。螺旋溝とパチンコ玉との接触は、揚送研磨に悪影響を与えない限り、面接触又は点接触の何れでもよい。
請求項1の揚送研磨装置の構成上の特徴は、研磨部材を装着するか又は螺旋溝を形成する外筒体は、円筒内周面を有する筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、螺旋溝から露出するパチンコ玉に全周に亘って接触して研磨する研磨部材が、外筒体及び中心軸体の何れか一方の円筒面に夫々装着可能に構成されていると共に、装着する円筒面の曲率に応じた曲率を有するベース基板と、その研磨面側に形成した研磨素材と、前記ベース基板の研磨素材とは反対側における円周方向両端部に夫々半径方向に突出し軸方向に延長して形成された係止片とで構成され、当該研磨部材を装着する外筒体及び中心軸体の何れか一方に前記係止片を係止する係止部が形成されている点にある。係止片と係止部とは両者が係止状態となればよく、互いに同一形状とすることはない。
この構成とすると、螺旋溝の全周でパチンコ玉を研磨することができると共に、ベース基板に係止部によって剛性を持たせ、このベース基板に研磨素材を溶着、接着、植設等によって強固に固着でき、上述したように、螺旋溝を複数条として揚送研磨効率を向上させたときに、研磨するパチンコ玉から研磨部材に対して大きな摩擦力が作用しても、研磨素材の剥離や捲れを確実に防止することができる。また、係止片を係止部に係止するので、螺旋溝の回転によってパチンコ玉を介して研磨部材に伝達される円周方向の摩擦力が作用したときに、ベース部材の円周方向のズレをより確実に防止でき、より円滑に研磨できる。
【0016】
請求項1の揚送研磨装置の作用効果は、次に述べるとおりである。まず、中心軸体回転手段が中心軸体を回転させる。導入機構は、中心軸体の螺旋溝にパチンコ玉を導入する。導入される際のパチンコ玉は、各螺旋溝の中に−列に並んだ状態で受け入れられる。各螺旋溝に受け入れられたパチンコ玉は、その露出部分が研磨部材と接触する。研磨部材との接触によりパチンコ玉に摩擦力が働き、この摩擦力によってパチンコ玉が各螺旋溝内を滑り落ちることが防止される。滑り落ちの防止と中心軸体の回転とによってパチンコ玉が揚送される。揚送されるパチンコ玉に作用する種々の力により、パチンコ玉は自転させられ、露出部分が入れ替わる。露出部分が入れ替わることにより、パチンコ玉の表面全体が順繰りに研磨される。
【0017】
研磨部材は剛性を持たせたベース基板に研磨素材が形成されているので、研磨素材の研磨面とは反対側の全面をベース基板に接着、溶着や植設によって強固に固着でき、パチンコ玉から作用される摩擦力による捲れや剥離を確実に防止して、円滑なパチンコ玉の揚送ができ、補修回数を大幅に低減できる。しかも、ベース基板が装着対象の円周面の曲率に応じた曲率に形成されているので、その脱着を容易にでき、補修、交換等を迅速に行える。
【0018】
請求項2に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項2の揚送研磨装置」という)は、パチンコ玉を螺旋溝で案内して揚送しながら研磨部材で研磨するようにしたパチンコ玉の揚送研磨装置において、床面に設置されるベース部材と、該ベース部材に垂設された長尺の外筒体と、該外筒体内に同軸状に回転自在に配設された中心軸体と、該中心軸体を回転駆動する回転駆動手段と、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に形成された前記パチンコ玉を一部が露出した状態で案内する螺旋溝と、他方の対向円筒面に着脱自在に配設された螺旋溝から露出するパチンコ玉に接触して研磨する研磨部材と、前記ベース部材に配設された前記螺旋溝にパチンコ玉を導入する導入手段とを備え、前記研磨部材によって摩擦力を働かせつつ前記螺旋溝の回転によってパチンコ玉を揚送するように構成されている点において、請求項1の揚送研磨装置の構成と共通する。
【0019】
請求項2の揚送研磨装置の構成上の特徴は、外筒体がベース部材に固定され、この外筒体内に配設された中心軸体が回転駆動源によって回転駆動される点であり、外筒体が固定されているので、この外筒体を強固な構造とすることができ、外筒体の撓みを防止して、中心軸体と外筒体の内周面との間隔を所定値に保持でき、パチンコ玉の円滑な揚送を確保しながら良好に研磨できる。
【0020】
請求項3に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項3の揚送研磨装置」という)は、パチンコ玉を螺旋溝で案内して揚送しながら研磨部材で研磨するようにしたパチンコ玉の揚送研磨装置において、床面に設置されるベース部材と、該ベース部材に垂設された長尺の外筒体と、該外筒体内に同軸状に回転自在に配設された中心軸体と、該中心軸体を回転駆動する回転駆動手段と、前記中心軸体の外周面に形成された前記パチンコ玉を一部が露出した状態で案内する螺旋溝と、該螺旋溝と対向して前記外筒体の内周面に着脱自在に配設された当該螺旋溝から露出するパチンコ玉に全周に亘って接触して研磨する研磨部材と、前記ベース部材に配設された前記螺旋溝にパチンコ玉を導入する導入手段とを備え、前記外筒体は、円筒内周面を有する筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、前記研磨部材は、各半体の内周側円筒面に夫々装着可能に構成されていると共に、装着する円筒面の曲率に応じた曲率を有するベース基板と、その研磨面側に形成した研磨素材と、前記ベース基板の研磨素材とは反対側における円周方向両端部に夫々半径方向に突出し軸方向に延長して形成された係止片とで構成され、当該研磨部材を装着する前記外筒体に前記係止片を係止する係止部が形成されている。
【0021】
請求項3の揚送研磨装置は、研磨部材が固定側の外筒体に装着されているので、中心軸体の回転による遠心力がパチンコ玉に作用することにより、パチンコ玉と研磨部材の研磨素材との接触をより確実に行って良好に研磨できる。
【0023】
請求項に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項の揚送研磨装置」という)は、請求項1乃至3の揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記係止片及び係止部は断面鉤状に形成されていることを特徴とする。この請求項の揚送研磨装置では、請求項1乃至3の揚送研磨装置の効果に加えて、係止片及び係止部の断面形状が鉤状に形成されているので、係止片と係止部との係止状態をより確実にして、研磨部材を装着対象に強固に固定できる。
【0024】
請求項に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項の揚送研磨装置」という)は、請求項1乃至の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記ベース基板は合成樹脂材で構成されていることを特徴とする。この請求項の揚送研磨装置では請求項1乃至の何れかの効果に加えて、ベース基板が合成樹脂材で構成されているので、剛性が大きく且つ可撓性も有するので、研磨部材の脱着をより容易に行え、補修や交換時における作業能率低下を抑止できる。
【0025】
請求項に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項の揚送研磨装置」という)は、請求項1乃至の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記研磨素材は不織布で構成されていることを特徴とする。この請求項の揚送研磨装置では、研磨素材が不織布で構成されているので、織布と違って繊維間に比較的大きな空間があるので、この繊維空間にパチンコ玉から払拭した汚れや異物等の付着物を貯留することができ、パチンコ玉の研磨を長時間に亘って安定して行える。
【0026】
請求項に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項の揚送研磨装置」という)は、請求項1乃至の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記研磨素材は、払拭したパチンコ玉の付着物を収容する付着物収容空間を形成するように繊維を植設して構成されていることを特徴としている。この請求項に係る揚送研磨装置では、払拭したパチンコ玉の付着物は付着物収容空間内に確実に閉じ込められるので、研磨素材の表面に付着物が積層されることがなく、払拭した付着物が再度パチンコ玉に付着することを確実に防止でき、パチンコ玉の研磨を長時間に亘って安定して行える。
【0027】
請求項に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項の揚送研磨装置」という)は、請求項1乃至の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記研磨部材は、ベース基板と研磨素材との間に弾性シートが介挿されていることを特徴とする。
この請求項の揚送研磨装置では、ベース基板と研磨素材との間に弾性シートが介挿されているので、研磨素材として弾性が乏しい合成皮革などを使用した場合、弾性シートの弾性によって研磨素材をパチンコ玉に所定の圧力で接触させることができ、パチンコ玉の研磨を確実に行える。
【0028】
請求項に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項の揚送研磨装置」という)は、請求項3乃至の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記外筒体は、内周面が円筒面で外周面が角筒面となる筒体を垂直面に沿って2分割した一対の半体で構成され、一方の半体がベース部材に固定され、当該半体に対して他方の半体が開閉支持具によって開閉可能に取付けられ、各半体に上下方向に連続する係止部が形成されていることを特徴としている。
【0029】
この請求項の揚送研磨装置では、ベース部材に固定された外筒体が内周面が円筒面で外周面が角筒面となる筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割された一対の半体で構成されて、一方の半体が開閉支持具で開閉可能とされているので、各半体の剛性を確保できると共に、一方の半体を開くことにより、この半体と残りの半体に対する研磨部材の脱着を容易に行え、しかも、係止部が上下方向に連続しているので、研磨部材の係止片を上方又は下方の開放端から挿入することが可能となり、上下方向から研磨部材を脱着できる。
【0030】
請求項1に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項1の揚送研磨装置」という)は、請求項における揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記研磨部材は、各半体の内周側円筒面に装着可能に構成され、円周方向の端面に所要間隔で半径方向に突出する係止片部が形成され、前記各半体には、その開放端面側に前記係止片部を収納する上下方向に連続する係止凹部が形成され、当該係止凹部の開放端面側に前記係止片部を挿通する切欠が設けられていることを特徴としている。
【0031】
この請求項1の揚送研磨装置では、各半体の切欠を通じて研磨部材の係止片部を係止凹部内に挿入し、この状態で研磨部材を上方又は下方に所定量摺動させることにより、係止片部を切欠のない係止凹部に係止させることができ、研磨部材を上下方向に僅かに摺動させるだけで、研磨部材の脱着を極めて容易に行える。
請求項1に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項1の揚送研磨装置」という)は、請求項又は1の揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記研磨部材は、各半体の内周側円筒面に装着可能に構成され、円周方向の端面に半径方向外方に延長する係止片が形成され、前記各半体には、その開放端面側に前記係止片を収納する上下方向に連続する係止凹部が形成され、当該係止凹部の開放端面側に切欠が形成され、該切欠に対向する他方の半体に半体同士を連結状態としたときに当該切欠を通じて係止片を押圧固定する押圧片が突出形成されていることを特徴としている。
【0032】
この請求項1の揚送研磨装置では、一方の半体を開いて開状態としたときには、押圧片が切欠内から外方に離脱して係止片の押圧状態が解除されるので、この状態で、研磨部材の脱着を容易に行え、この開放状態から半体を閉じて、半体同士を連結状態とすると、押圧片が切欠を通じて係止片を押圧固定することにより、係止片が係止凹部から抜け出すことが確実に阻止され、より確実に研磨部材を固定できる。
【0033】
請求項1に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項1の揚送研磨装置」という)は、請求項乃至1の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、外筒体の各半体には、その結合位置における外周面に上下方向に連続する係合溝が形成され、該係合溝内に前記開閉支持具を固定する固定部材が上下方向に案内されていることを特徴としている。
【0034】
この請求項1の揚送研磨装置では、外筒体を構成する一対の半体における結合位置の外周面に上下方向に連続する係合溝が形成され、この係合溝内に開閉支持を固定する固定部材が上下方向に案内されているので、揚送研磨装置を設置する周囲の環境に応じて開閉支持部材を任意の位置で固定できる。
請求項1に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項1の揚送研磨装置」という)は、請求項乃至1の何れかの揚送研磨装置の構成に限定が加わり、開閉支持具は、一対の半体の一方の接合面に配設された固定側の半体に対して他方の半体を回動可能に支持する蝶番と、他方の接合面に配設された固定側の半体に対して他方の半体を係脱可能に支持する留め具とで構成されていることを特徴としている。
【0035】
この請求項1の揚送研磨装置では、開閉支持具が蝶番と留め具とで構成されているので、これらの取付位置を変更することにより、半体の開き勝手を任意に設定できる。
請求項1に記載した発明に係る揚送研磨装置(以下、「請求項1の揚送研磨装置」という)は、請求項乃至1の何れかにおける揚送研磨装置の構成に限定が加わり、前記固定側の半体は、角筒部の隅部に上下に連通する連通孔が形成され、当該連通孔を集塵用通路として利用するようにしたことを特徴としている。
【0036】
この請求項1の揚送研磨装置では、各筒部の隅部に連通孔が形成されているので、半体の重量を軽減できると共に、この連通孔を集塵用通路として利用するので、各研磨部材に付着した塵埃等を吸引廃棄でき、研磨部材の交換乃至洗浄周期を長期化させると共に、新規な集塵用通路の増設は不要で構成の簡素化が図られるため、設置空間の制限を緩和する。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)、(b)及び(c)は揚送研磨装置の左側面図、正面図及び右側面図であり、図2は図1に示す揚送研磨装置の拡大平面図、図3は図1(b)のA−A線拡大端面図である。
【0038】
図1(a)〜(c)に示す揚送研磨装置2は、最下端に位置し例えば床面に設置されるベース部材18と、このベース部材18から垂直方向に起立する外筒体4と、外筒体4の下端(ベース部材18の上面)に配したパチンコ玉供給用の周囲ボックス20と、周囲ボックス20のほぼ中央部に位置する導入機構16と、周囲ボックス20に配設されて取り込まれたパチンコ玉を導入機構16へ効率よく導くための案内皿状部20aと、駆動源となるモータ30とを備えている。
【0039】
外筒体4は、図1〜図3に示すように、断面円形の円筒内周面3を有する角筒状に形成され、円筒内周面3内に同軸状に中心軸体8が回転自在に配設されている。
中心軸体8は、その外周面に複数条の螺旋溝10,10...を備えており、後述する駆動伝達手段により回転駆動される。
【0040】
外筒体4の円筒内周面3には研磨部材12が着脱自在に装着されている。この研磨部材12は、図3及び図4に示すように、例えば比較的硬質の合成樹脂材で成形された装着する外筒体4の円筒内周面3の曲率と等しい曲率を有する半円筒状のベース基板12aと、このベース基板12aの内面側即ち中心軸体8に対向する研磨面側に接着又は溶着されて積層された研磨素材としての研磨シート12bとで構成されている。ベース基板12aの円周方向の両端部側における研磨シート12bとは反対側即ち研磨部材12が装着される外筒体4の円筒内周面3側に半径方向外方に突出し、且つ垂直方向に延長して形成された係止片12c及び12dが一体に形成されている。ここで、研磨シートとしては、繊維間にパチンコ玉に付着した汚れや異物等の付着物を閉じ込めることが可能な例えばウール繊維や合成繊維で構成される不織布で形成されているが、これに限らず、ウール繊維を直接ベース基板12aに植設してもよい。
【0041】
外筒体4は、図1〜図3に示すように、円筒内周面3を有する角筒体4aを前後方向の中央部で軸線に沿って縦割りすることにより2分割した分割半体4b,4cで構成され、後方側の分割半体4bがベース部材18に垂設され、この分割半体4bに対して前方側の分割半体4cが上下に例えば2分割され、これらが分割半体4bに開閉支持具19によって開閉自在に配設されている。
【0042】
ここで、各分割半体4b及び4cの夫々は、図3で明らかなように、角筒体4aの隅部に上下方向に連続する連通孔4d,4eが形成されていると共に、円筒内周面3の円周方向の両端部側に研磨部材12におけるベース基板12aの係止片12c及び12dを係止する半径方向外方に延長し且つ上下方向に連続して延長する凹部でなる係止部4f及び4gが形成され、さらに分割半体4b及び4cの左側面に夫々上下方向に延長する断面凸状の係合溝4hが形成されていると共に、右側面側に夫々上下方向に延長する断面凸状の所定間隔を保って平行な2本の係合溝4i及び4jが形成されている。
【0043】
また、開閉支持具19は、図3に示すように、分割半体4b及び4cの係合溝4hに帽部が係合されたボルト19aとこれに螺合するナット19bによって固定される蝶番19cと、分割半体4bに同様に係合溝4i及び4jに係合する方形ナット19d及び19eとこれらに螺合するボルト19f及び19gとによって固定される留め具19hとで構成されている。
【0044】
ここで、留め具19hは、図1(c)及び図3で特に明らかなように、例えば分割半体4b側に固定された取付基板19iと、この取付基板19iに回動自在に配設された下方が開口した係合凹部19jと把持部19kを有する回動レバー19mと、この回動レバー19mを右側面から見て反時計方向に付勢するコイルスプリング19nと、分割半体4cの係合溝4iに固定された回動レバー19mの係合凹部19jに係合する係合ピン19oとで構成されている。
【0045】
そして、図1(c)で拡大図示するように、回動レバー19mの係合凹部19jが係合ピン19oに係合している状態では、分割半体4bに対して分割半体4cの開放が規制されて分割半体4b及び4cが連結状態に維持され、このときコイルスプリング19nによって回動レバー19mが反時計方向に付勢されることにより、係合凹部19jと係合ピン19oとの係合状態が維持される。
【0046】
この分割半体4b及び4cの連結状態から、回動レバー19mの把持部19kを把持して、コイルスプリング19nの付勢力に抗して回動レバー19mを時計方向に回動させて係合凹部19jと係合ピン19oとの係合関係を解除し、回動レバー19mをコイルスプリング19nの取付位置間を結ぶ線が回動レバー19mの回動中心を越えるように回動させると、コイルスプリング19nによって回動レバー19mがさらに時計方向側に回動されて、係合凹部19jと係合ピン19oとの係合関係を解除した状態が維持される。
【0047】
したがって、この状態で蝶番19cを支点として分割半体4cを図3で二点鎖線図示のように時計方向に回動させることにより、中心軸体8及び分割半体4bに装着された研磨部材12の円周方向端部と、分割半体4cに装着された研磨部材12の研磨シート12bとを露出できる。
また、ベース部材18に固定される分割半体4bは、図2に示すように、その下端背面側に逆ハ字状に突出する支持片4k及び4mを有する取付支持板4nが取付けられ、これら支持片4k及び4mの自由端に係合円筒4o及び4pが軸心を垂直方向として一体に取付けられている。
【0048】
一方、ベース部材18には、図1(a)〜(c)に示すように、電動モータ30の前方側左右側部に係合円筒4o及び4pを個別に案内する案内ピン4q及び4rが軸心を垂直方向として配設され、これら案内ピン4q及び4rの先端部は係合円筒4o及び4pの上方からの挿入を容易とするように裁頭円錐形に形成され、下端部に分割半体4bの垂直方向の位置決めを行う円筒状のカラー4zが装着されている。
【0049】
したがって、ベース部材18に分割半体4bを垂直状態で固定する際に、取付支持板4nの係合筒体4o及び4pを夫々ベース部材18の案内ピン4q及び4rに上方から係合させ、その下端面をカラー4zに接触させることにより、分割半体4bを垂直状態に容易に維持でき、組立作業を容易に行えると共に、ベース部材18に対する分割半体4bの位置決めも確実に行える。
【0050】
また、玉送出ユニット14は、図9に示すように、その上端のほぼ中央部に軸受14aを備え、この軸受14aは、図9で二点鎖線図示のように回転軸8aを軸方向(図の上下方向)に摺動可能に支持している。摺動可能に構成した理由は、後で説明する。玉送出ユニット14は、中心軸体8の上端面8tと軸受14aの下端面との間に吸収空間部14sを備えており、本実施形態では、この吸収空間部14sに様々な機能を持たせている。
【0051】
第1に吸収空間部14sは、中心軸体8によって揚送され上端面8t上に押し出されたパチンコ玉Pが上端出口14bから、他の力を受けることなく自然に排出されるように、詳しく言えば上端面8位置から溢れ出る後続パチンコ玉Pによって押し出される力及び中心軸体8の回転によって発生する遠心力などによって排出されるよう設けられている。
【0052】
本実施の形態では後述するように揚送研磨効率の向上を目的として中心軸体8に複数条の螺旋溝10を形成している。このため、単位時間当たりに揚送研磨するパチンコ玉P数はきわめて多量である。
このような多量なパチンコ玉Pを連続的に同時排出しようとすると、上端出口14b付近で詰まりが生じるので、その詰まりの発生を防ぐために以下に述べる理由を考慮して所定の容積を上端出口14b付近に備えている。
【0053】
中心軸体8の回転によって上端面8tに遠心力を受けながら押し上げられたパチンコ玉P群は、一部が上端出口14bに向かって排出されるが、他のパチンコ玉Pは中心軸体8の遠心力によって吸収空間部14s内を玉送出ユニット14上部の内壁沿いに摺接しながら中心軸体8の回転方向に公転する。
続いて、上記他のパチンコ玉Pは、上端面8tよりも上に押し出されてから中心軸体8が1回転するまでの間に上端出口14bから排出される。
【0054】
ここで、上述した他のパチンコ玉Pは、上端面8tから押し上げられるパチンコ玉数が多いほど、吸収空間14sの図9中、上方に向かって段を形成する傾向が大きいので、揚送能力に応じた容積を適宜設定しなければ、揚送済みの滞留したパチンコ玉P群を円滑に排出できず、その容積が揚送能力から外れて小さく定められた場合には、玉詰まり現象が発生し易くなると言う不都合を招く。
【0055】
第2に吸収空間部14sは、保守、点検等の作業性を向上させる機能を有している。つまり、図1に示す中心軸体8やその下方に設置する導入機構16等を保守、点検等を行う際に、内部に残るパチンコ玉を取り除く等のために中心軸体8を持ち上げなければならない場合がある。この場合に、いちいちボルトを外して玉送出ユニット14を外さなくてはならないとすると、とても面倒であり作業性に欠ける。
【0056】
そこで、吸収空間部14sを一種の「あそび空間」として利用し、これに持ち上げた中心軸体8の上端部位を受け入れさせ、これによって、玉送出ユニット14を外さなくても中心軸体8を持ち上げられるようにした。
保守等を行う者が持ち上げる場合だけでなく、たとえば、導入機構16内に異物が入ったことによって中心軸体8が持ち上げられた場合にも、吸収空間部14sが持ち上げられた部分を吸収して中心軸体8等に過大な負荷を掛けないようにするので、この中心軸体8等の破損を未然に防ぐ働きもある。中心軸体8が持ち上げられると、これに伴って回転軸8aも上昇するが、この上昇分は、軸受14aが吸収する。これが、軸受14aに回転軸8aを摺動可能に支持した理由である。
【0057】
最後に吸収空間部14sは、中心軸体8の熱膨張分を吸収するための機能を備えている。揚送研磨されるパチンコ玉Pは、後述するように自転しながら螺旋溝10の内壁や研磨部材12と接触しており、この際に生じた摩擦熱が中心軸体8を軸方向(図9の上下方向)に膨張させ、これにより中心軸体8の上端部位が上昇する場合がある。この熱膨張分を、軸受14aの摺動機能とともに受け入れる機能を、吸収空間部14sに持たせている。
【0058】
中心軸体8の熱膨張の度合いは、中心軸体8の形態や材質等によって異なるが、前述した揚送済みの滞留したパチンコ玉P群を円滑に排出させるという第1の機能を果たす程度の容積があれば、一般的にこの熱膨張分の吸収に十分である。本実施形態では、図1に示すように中心軸体8の径寸法が長さ寸法と比較して極めて小さく定められているので、径方向の熱膨張は無視しうる。また、吸収空間部14sは、発生した熱を逃がすための通風路としても機能する。
【0059】
また、上端出口14bには、パチンコ玉Pが通過する底面に多数の長孔を並列に穿設して簀の子14cが形成され、この簀の子14cによって揚送されたパチンコ玉Pと共に搬送された異物等を落下させ、清浄なパチンコ玉のみを上端出口14bに接続された樋、ホース等を介して各パチンコ機に賞品球として補給される。ここで、簀の子14cを形成する長孔の幅はパチンコ玉が挟まらない程度(大きくてもパチンコ玉の半径より小さい幅)に設定し、パチンコ玉Pの通過に支障が無いようにしている。
【0060】
さらに、吸収空間部14sの前端側に排気ポート36が形成され、この排気ポート36にホースを介して掃除機(図示せず)を接続することにより、パチンコ玉Pの揚送と共に搬送される塵埃等を吸引除去できる。
この排気ポート36は排出ユニット14の任意の位置に形成することができ、例えば図9で一点鎖線図示のように、上端出口14bの簀の子14cに上方から対向する位置に配置するようにしてもよく、さらには、図9で二点鎖線図示のように簀の子14cの下側に形成するようにしてもよい。これらの場合には、必ず必要となる上端出口14bの構造を活用できるので、排気ポートを設置する際の奥行き寸法について省力化が図られる。さらには、図9で実線図示の排気ポートと一点鎖線図示又は二点鎖線図示の排気ポートとの双方を設けるようにしてもよい。また、排気ポート36による塵埃等の吸引除去を確実に行える場合には簀の子14cを省略できる。
【0061】
さらに、外筒体4の下方領域には、図10に示すように、パチンコ玉を取り込むための導入機構16を設け、この導入機構16の回りを囲むように矩形の周囲ボックス20を配している。周囲ボックス20は、図1に示すようにベース部材18に固定している。周囲ボックス20は、中央部に向かって傾斜するすり鉢状の案内皿状部20aを備え、この傾斜を利用して玉集め室22に入り込んだパチンコ玉Pをその中央部に位置する導入機構16の周辺に集めるようになっている。玉集め室22は、パチンコ機やパチンコ玉計数機等から排出されたパチンコ玉Pを、図2に示す合流通路26により導き、玉取込口24を介して集める。
【0062】
また、図2に示す実施の態様では2系統の合流樋26、26の端部が玉取込口24を挟んで双方向から連結されているが、玉取込口24の構成を省略する代わりに、玉集め室22に任意の方向、例えば複数方向、あるいは一方向から直接、合流樋26の端部を連結してもよい。
ここで、合流樋26、26の端部が互いに対向する位置に取り付けられた構成の場合、パチンコ玉Pを中心軸体8あるいは導入機構16などに対し、対称に取り込ませ易いので、パチンコ玉P群の取り込み分布に偏りを発生させにくくする。さらにまた、周囲ボックス20を断面正方形に形成すると共に、周囲ボックス20の合流樋26に対する連結部位を90度づつ隔てて、モータ30の設置方向を除いた3方向に連結可能に構成すれば、島内において90度単位で揚送研磨装置2の設置方向を変更できる。これにより、設置空間における基準位置の設置上制限が緩和される。なお、周囲ボックス20の断面形状は、正方形だけに限定されるものてはなく、点対称あるいは線対称であれば容易に上記制限が緩和され、たとえば周囲ボックス20の断面形状が円形であったり、多角形でも同様で、その断面形状の一部が弧であってもよいことは明白である。
【0063】
外筒体4内に配設された中心軸体8は、図5〜図7に示すように、硬質の合成樹脂製であって、先に述べたように、その外周面に複数の螺旋溝10,10を備えている。各螺旋溝10は、中心軸体8の外周面を削る(彫る)等により形成する方法が一般的であるが、中心軸体8の外周に山筋を設けることにより山筋と山筋との間に螺旋溝10を形成する方法もある。
【0064】
なお、螺旋「溝」は、パチンコ玉の一部分を露出させ、他の部分を受け入れられるための実質的な通路を形成していればどのような形態であってもよい。たとえば、上述した山筋を一定間隔を介して突き刺したピン等によって構成してもよい。各螺旋溝10は、中心軸体8の外周面を無駄なく利用して揚送効率を高めるために並列に配置している。並列に配置すれば、各螺旋溝10間を必要以上に疎にしなくて済むからである。下端入口10aを、図5に示すようにこの下端入口10a以外の部分(下端入口10aより上部の部分)より広い幅寸法に形成して、パチンコ玉の受け入れをスムーズに行えるようにしている。
【0065】
図5及び図6に示すように螺旋溝10の条数は、パチンコ玉の直径とともに中心軸体8の直径や揚送高さ等に合わせて定める。本実施形態の螺旋溝10は、10条としているが、6条乃至14条とするのが一般的といえる。この数字は、パチンコ遊技場における設置スペース等を考慮した上で、まず中心軸体8の直径を設定し、この直径から導かれる円周の長さと、揚送高さと、パチンコ玉の直径との関係から算出した数字である。
【0066】
螺旋溝10の条数を増やして揚送能力を高めようとするのであれば、中心軸体8の回転速度を増すとか、中心軸体8の直径を太くすればよいし、一方、設置スペースを小さくするのであれば、螺旋溝10の条数を減らして中心軸体8の直径を細くすればよい。中心軸体8の直径を細くすることにより揚送研磨効率が下がるが、この場合は、別のスペースを使って他の中心軸体8を設置するなどして補うようにするとよい。本実施形態の螺旋溝10の断面形状は、図8(a)に示すように、パチンコ玉Pの直径Dとほぼ等しい幅寸法を有するほぼ半円状に形成している。螺旋溝10の深部と研磨シート12bの表面(研磨面)との間隔Sは、各螺旋溝10に受け入れられたパチンコ玉の露出部分に研磨シート12が接触し、この接触によって適度な摩擦力(押圧力)がパチンコ玉に働くようにパチンコ玉Pの直径Dよりも僅かに小さな寸法に設定している。
【0067】
なお、螺旋溝10の断面形状は、パチンコ玉の一部分を露出させたまま受け入れることができ、さらに受け入れたパチンコ玉の自転を妨げることなく揚送研磨できればどのような形状でもよく、そのような形状として、本実施形態で採用する半円状のほか、たとえば、図8(b)に示す三角形状や、台形状等がある。
中心軸体8は、一本の部材により形成してもよいが、図7に示すように本実施形態では、加工や持ち運び、さらに保守点検等の便宣のために上中下段3本の短尺中心軸体8pを連結して1本の中心軸体8を形成している。中心軸体8の全長を長くするためには、たとえば、各短尺中心軸体8pの長さを長くするとか、中段の短尺中心軸体8pの本数を2本以上とするとかの方法がある。各短尺中心軸体8p同士を連結する連結構造は、次項において説明する。
【0068】
本実施形態では、各短尺中心軸体8pをそれぞれ同じ長さに形成し、さらに、軽量化等を図るために、各短尺中心軸体8pを中空状に形成している。各短尺中心軸体8pのうち、最上段に使用する短尺中心軸体8pの上端面8tから回転軸8aを上方へ突き出させ、最下段に使用する短尺中心軸体8pの下端部8uに2個の結合孔8h(図7参照)を下向きにあけておく。
【0069】
次いで、図6及び図7を参照しながら、短尺中心軸体8p同士の連結構造8rについて説明する。3本のうち中段部に用いる短尺中心軸体8pは、一方の連結面8bに植え付けた4本の連結ピン87,87..を、他方の連結面8cに各短尺中心軸体8pを連結する際に各連結ピン87を受け入れるために形成した4個の受入孔89,89..を、それぞれ備えている。最上段の短尺中心軸体8pの下端面は、上記した他方の連結面8cと同様な4個の受入孔89,89..を備え、上記した一方の連結面8bから突き出る各連結ピン87を受け入れるようになっている。一方、最下端の短尺中心軸体8pの上端面は、前述した一方の連結面8bと同様な4個の連結ピン87,87..を備え、他方の連結面8cの各受入孔89に受け入れさせる。
【0070】
上述した「連結ピン」87は、植え付けるだけでなく、たとえば、連結面8bの一部を突き出させることにより設けてもよい。連結ピン87の形態は、問わない。「受入孔」89の形態は、連結ピン87の形態に合わせて決定する。連結ピン87と受入孔89とは、一対でもよいが、短尺中心軸体同士の連結ズレをより効果的に防ぐ等の理由から二対以上であることが好ましい。連結構造は、連結ピンと連結孔以外の部材や構造等を含むことを妨げない。このような連結ピン87と受入孔89とは、連結構造8rの一部となって、各短尺中心軸体8p同士を連結する際の位置決め(位置出し)と、連結した後の連結ズレ、特に円周方向のズレを防ぐ、という位置決め構造を構成する。
【0071】
なお、上述した連結ピン87と受入孔89以外の係合部材(構造)、たとえば、互いに嵌め合ったり、引っ掛け合ったりして短尺円柱体8p同士を連結し、その際の連結ズレを防止できるのであれば、どのような部材(構造)であっても位置決め構造として採用できることは言うまでもない。
さらに、一方の連結面8bと他方の連結面8cに各々連結板83,83をねじ込み固定し、図6及び図7に示すように連結ネジ85により両連結板83,83をネジ固定できるように構成している。ここで、連結ネジ85を挿通する側即ち上側の連結板83には連結ネジ85を緩挿し得る透孔が穿設され、下側の連結板83には連結ネジ85と螺合する雌ネジが形成されている。
【0072】
本実施形態では、上述した連結板83,83と連結ネジ85によりネジ部材81を構成しているが、他の連結部材(構造)により構成してもよいし、後述するようにネジ部材81を省略してもよい。逆に、必要に応じてネジ部材81以外の部材や構造を含ませてもよい。ネジ部材81を省略する場合は、連結ピン87と受入孔89との連結作用によって各短尺中心軸体の連結ズレが防止でき、連結が簡単に外れないように、各短尺中心軸体8pの重さを考慮しながら連結ピン87の長さと受入孔89の深さを設定しておく必要がある。ネジ部材81は、連結構造8rの一部を構成している。本実施形態におけるネジ部材の締め付けは、図6に示す上から下へ向いた矢印Tで示すように各短尺中心軸体8pの中空部を通して締付け用の治具を差し込み、連結ネジ85を上側の連結板83を貫通して下側の連結板83に締め付けする方法を採用した。
【0073】
さらに、上述した研磨部材12についてさらに詳述する。本実施形態の研磨部材12は、研磨効果を高めるためにウール繊維や細い合成樹脂繊維等の不織布で形成した研磨シート12bをベース基板12aに接着又は熱溶着によって積層して構成されているが、研磨シート12bは、厚み方向に弾力があり、この弾力を利用して図8に示す状態のときに研磨シート12bからの摩擦力(押圧力)をパチンコ玉Pに働かせる。
【0074】
ベース基板12aを使用したのは、外筒体4の内周面と中心軸体8の外周面との間の僅かな隙間に挿入する際に、弾力性のある研磨シート12bだけでは挿入しづらいので、ベース基板12aに剛性を持たせることにより、案内役を果たさせて作業性を高めるためである。しかも、ベース基板12aの曲率が装着する分割半体4b及び4cの円筒内周面の曲率に対応させてあるので、その装着作業をより容易に行える。さらに、ベース基板12aの円周方向の両端部側に係止片12c及び12dが形成され、これら係止片12c及び12dが分割半体4b及び4cに形成された係止凹部4f及び4gに係止されるので、後述するように中心軸体8が回転駆動されることにより、パチンコ玉Pが揚送される際に大きな摩擦力が研磨部材12に作用したとしても、この摩擦力によって研磨部材12が円周方向にズレることを確実に防止でき、負荷変動を伴うことなく、安定した研磨を行える。
【0075】
研磨シート12bは、本実施形態で使用するシートのほかにも、たとえば、凹凸面を形成したり研磨剤を塗布したりした紙製シートや布製シート或いは図8(b)に示すようなベース基板12aに動物の毛や合成樹脂細線材で形成した可撓性短尺材12fを植設して付着物収容空間を設けたブラシ構造とすることもできる。一枚の研磨シート12bの研磨面を、上述した種類の異なるシートを寄せ集めることにより形成してもよい。このように、材質の異なる複数の部材(素材)により構成し、各部材の特質(たとえば、湿気に強い、油汚れに強い等)を利用すれば、湿度や汚れの種類等に適切に対応しつつ効率的に揚送研磨する方法もある。
【0076】
さらに、図8(c)に示すように、不織布製の研磨シート12に同材質の繊維又は異なる繊維を所定本数纏めて表面側から挿入して裏面側で折り返して表面側に戻すように植え込んで研磨シート12の表面から突出するブラシ部12gを多数形成してパチンコ玉から払拭した付着物を収容する広い付着物収容空間を形成してもよい。さらには、図8(d)に示すように、ブラシ部12gを形成する繊維をベース基板12aの裏側まで延長して、これによりベース基板12aと研磨シート12bとを一体化するようにしてもよく、この場合には図8(e)に示すようにベース基板12aのブラシ部12gに対応する裏面側に凹部12hを形成することにより、ベース基板12aの裏面側即ち外筒体4の内周面との接触面を平滑化できる。
【0077】
次いで、図10乃至18を参照しながら、導入機構16について説明する。本実施形態の導入機構16は、パチンコ玉を整列させる機構であって、本実施形態では、各螺旋溝10に導入しようとするパチンコ玉を整列させるように構成され、具体的には、各螺旋溝10にパチンコ玉を順次導入するようになっている。図10に示すように導入機構16は、外筒体4の下端領域、すなわち、中心軸体8の下端部を同心状に囲む短尺筒体40と、この短尺筒体40の下端部の周方向に等間隔に並ぶ複数の導入孔44,44...を備えている。短尺筒体40は、さらに、図11(a)に示すように、隣接する内壁面の各導入孔44間に突出する案内片45,45...を備えている。各導入孔44は周囲ボックス20内のパチンコ玉Pを各螺旋溝10内に導入するための孔であり、各案内片45は各螺旋溝10が受け入れたパチンコ玉を中心軸体8の回転によって上昇案内するための部材である。以下、各部材について詳しく説明する。
【0078】
各導入孔44は、図10、12及び14に示すように、パチンコ玉Pの直径のほぼ3倍半の縦寸法と、パチンコ玉Pの直径より僅かに大きい幅寸法とを有し、下端から上端に向けて短尺筒体40の回転方向に傾斜している。換言すれば、各導入孔44は、その上端が短尺筒体40の図10に示す回転方向Xの進み側に位置し、その下端が遅れ側に位置するように傾斜している。各導入孔44を傾斜させたのは、後述する案内片45を設けるためのスペースを確保するためである。導入孔44間の距離が充分であるなら、導入孔44を傾斜させる必要は必ずしもない。図15に示すように、短尺筒体40の回転方向遅れ側に位置する各導入孔44の端面49は、導入しようとするパチンコ玉にパチンコ玉を導入方向(短尺筒体40の内側かつ案内片45方向)に導くように傾斜している。
【0079】
すなわち、図15に示すパチンコ玉Pに着目した場合に、端面49は、短尺筒体40の回転によってパチンコ玉Pに衝突し、この際に、分力を作用させてパチンコ玉Pを螺旋溝10に受け入れさせながら案内片45の方向へ導く。本来であれば、周囲ボックス20の案内皿状部20aの傾斜を利用した転がり力だけで、パチンコ玉Pを短尺筒体40内へ導けるのであるが、この端面49の傾斜を利用することにより、より確実な導入を実現した。なお、導入孔44は、少なくとも1個あればよいのであるが、本実施形態における導入孔44は、中心軸体8の螺旋溝10を前述のように10条より多い17個としている(図11(b)参照)。導入孔44の数は多ければ多いほど導入孔44と螺旋溝10との出会う確率が上がりパチンコ玉の導入効率が高まると考えられるが、導入孔44の数を増やせばその分だけ短尺筒体40及び中心軸体8の直径も大きくしなければならない。設置面積による制約等を考慮しながら行った発明者らの実験によって本実施形態では17個とした。導入孔44の個数を17個に限る必要がないことはもちろんである。
【0080】
先に述べたように各導入孔44を、縦長形状に形成しその縦寸法をパチンコ玉の直径のほぼ3倍半に設定したのは、各導入孔44の上端にパチンコ玉が衝突しないようにするためである。すなわち、各導入孔44の縦寸法をパチンコ玉1個が遭遇できるだけ、又は、これより僅かに高くしておくことも考えられる。しかし、これでは、各導入孔44付近に密集したパチンコ玉が縦方向に重なり、これによって押し上げられた最上段のパチンコ玉が各導入孔44の上端に衝突し短尺筒体40を破損させるおそれがある。
【0081】
本来であればスカート42と後述する案内皿状部20aとの働きにより、各導入孔44の付近でパチンコ玉が縦方向に重なりづらいようになっているのではあるが、発明者らの実験によれば、パチンコ玉の表面に付着した汚れや混入物等の作用により、パチンコ玉が予期しない運動を行うことがあり、この運動が重なりの原因になることがわかった。さらに実験を重ねた発明者らは、このような何らかの理由によりパチンコ玉が各導入孔付近で縦方向に重なったとしても、2段に重なることはあっても、図12に想像線で示すように3段に重なることはほとんどない、ということも確かめた。このため2倍半の縦寸法があれば、ほぼ詰まりの問題が解決できるのであるが、本実施形態では、念のために3倍半程度の縦寸法に形成して、詰まりの可能性をさらに低くしたのである。
【0082】
さらに、図11及び14を参照しながら、案内片45について説明する。図14における図中右側の想像線は、螺旋溝10,10を示している。本実施形態の案内片45は、短尺筒体40内壁面の各導入孔44間に突出し、導入孔44に沿って短尺筒体40の上端まで延びている。案内片45は、螺旋溝10からはみ出した部分(露出部分)のパチンコ玉と接触しながら、中心軸体8の回転によってこのパチンコ玉を上方へ案内するようになっている。案内片45を螺旋溝10と交差する方向に形成し、図14に示すように両者が作る角度βは、直角又は鈍角であることが好ましい。螺旋溝10及び案内片45のパチンコ玉に対する摩擦係数等によって異なるが、一般的に言えば、角度βが鋭角であると、案内片45と螺旋溝10との間でパチンコ玉を滑らせることができず挟み込んで詰まらせかねないから、このような詰まりを起こさせないために直角又は鈍角にしたのである。案内片45は、短尺筒体40と一体に形成してもよいし、内壁に接着形成するようにしてもよい。本実施形態では採用していないが、この案内片45を、1個の部材ではなく、実質的に1個の部材となるように所定の間隔に並べた複数の突起から構成してもよい。
【0083】
また、図10乃至12を参照しながら、導入機構16が備えるスカート42について説明する。スカート42は、下方に広がるスカート状に形成し、短尺筒体40上端に固定する。したがって、スカート42は、短尺筒体40とともに回転するようになる。スカート42の下端と周囲ボックス20の案内皿状部20aとの間は、パチンコ玉1個が通れる(2個以上が重なったまま通れない)間隔(図12に示すa)に設定する。このように設定したのは、2個以上のパチンコ玉が縦方向に重なった状態で各導入孔44に導入されると詰まりが生じる恐れがあるので、この詰まりを防ぐためである。
【0084】
短尺筒体40は、後述する駆動伝達手段によりスカート42とともに中心軸体8と同方向に、かつ、中心軸体8より低速で回転駆動されるようになっている。スカート42と短尺筒体40との間隔は、両者間にパチンコ玉が入り込んで詰まりを生じさせないようにパチンコ玉1個分の直径より大きく2個分より小さな寸法(図12に示すb)に設定している。
【0085】
さらにまた、図11(b)、12、及び14に示すように短尺筒体40は、その外周面の各導入孔44上端部付近に中心方向に付勢する状態で設けられた弦巻バネ48を備え、この弦巻バネ48は、各導入孔44と同数のローラ46を自由に回転できる状態でほぼ水平方向に支持している。弦巻バネ48は、支持する各ローラ46が各導入孔44の上端に臨むようになっている。ローラ46は、図12に想像線で示すように積み重なったり跳ね上がったりしたパチンコ玉Pが導入孔44上端に衝突してこれを破損させたり詰まらせたりするのを防ぐためのものである。
【0086】
つまり、導入孔44の上端に向かったパチンコ玉はローラ46に衝突し、この衝突を受けたローラ46はその回転により短尺筒体40の外側へ落とし、破損と詰まりを防ぐようになっている。先に説明したように本実施形態では、各導入孔44の高さを充分にとっているので、詰まり対策は十分ではあるが、さらに予期せぬパチンコ玉の運動に対応するべく念のためにこのローラ46を設けた。不要と判断したのであれば、このローラ46を省略することに何の問題もない。また、各ローラ46の支持方法も弦巻バネ48による方法に限る必要はない。ただ、弦巻バネ48により支持しておけば、その伸縮により各ローラ46を短尺筒体40(各導入孔44)に対してあらゆる方向に変位させることができるので、その分だけパチンコ玉の運動に対して柔軟に対応できるので効果的である。
【0087】
なおさらに、図10及び13を参照しながら、駆動伝達手段160について説明する。本実施形態の駆動伝達手段160は、中心軸体8を回転させる中心軸体回転手段と、短尺筒体40を回転させる筒体回転手段との機能を兼ね備えている。まず、図13に示すように、モ−タ30の出力軸30aに第1の駆動ギヤ50を取り付ける。次いで、図10に示す中心軸体8の下端部8uにあけられた連結孔8h,8hに連結板43の上端面から上方に突き出す結合ピン43p,43pに差し込んで両者を結合させる。連結板43の下端面から下方に突き出す駆動軸Aを、図13に示す第2の駆動ギヤ56の裏側に位置する第1の従動ギヤ52(破線で示す)に取り付ける。
【0088】
次いで、この第1の従動ギヤ52と第1の駆動ギヤ50とを歯付きベルトあるいはチェーン54で連結する。第1の従動ギヤ52の軸方向上段(図13の紙面手前側)に、第2の駆動ギヤ56を取り付ける。短尺筒体40の下端に固定した回転テーブル41の内周面に第2の従動ギヤ58を形成し、この回転テーブル41が内歯車として作用するようにする。第2の従動ギア(内歯車)58と第2の駆動ギヤ56とを、第1のアイドルギヤ60及び第2のアイドルギヤ61を介して連結する。
【0089】
上述した各ギヤは、短尺筒体40が中心軸体8の回転方向と同方向に、かつ、中心軸体8の回転速度より低速で回転するように設定する。なお、螺旋溝10の形成方向により、中心軸体8の回転方向に対する短尺筒体40の回転方向が順方向となる場合と、逆方向になる場合とがある。特に後者の場合は、短尺筒体40の回転方向と中心軸体8の回転方向が逆になるので、設定する際に螺旋溝10の形成方向に十分に注意する。本実施形態では、中心軸体8の回転速度に対する短尺筒体40の回転速度との比を、割り切れない数値となるように設定した。割り切れない数値となるように設定した理由は、本実施形態の作用の欄で詳しく説明する。
【0090】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、図1に示す揚送研磨装置2の組立方法について説明する。揚送研磨装置2を組立てる場合には、まず、ベース部材18を床面に位置決めして固定し、次いでベース部材18の上面に外筒体4を垂設する。この外筒体4の垂設は、ベース部材18に導入機構16及び周囲ボックス20を装着した状態で、分割半体4bを上方からその取付支持板4nに形成された係合円筒4o及び4p内にベース部材18に形成された案内ピン4q及び4rが挿通されるように下降させる。このように、係合円筒4o及び4p内に案内ピン4q及び4rが係合することにより、分割半体4bのベース部材18に対する位置決めが正確に行われると共に、垂直に形成された案内ピン4q及び4rによって分割半体4bが垂直状態に固定される。
【0091】
次いで、分割半体4bの内周面に例えば3分割された研磨部材12を装着する。この研磨部材12の装着は、分割半体4bの上端が開放されており、その上端に係止凹部4f及び4gの上端が開口されているので、この上端から研磨部材12のベース基板12aに形成された係止片12c及び12dを係止凹部4f及び4g内に挿通させることにより、研磨部材12をその研磨シート12bが中心軸体8側に露出する関係で分割半体4bの円筒内周面側に沿って円滑に装着できる。
【0092】
研磨部材12の装着は上記に限定されるものではなく、分割半体4bの前面側から一方の係止片12cを分割半体4bの係止凹部4fに挿入して係止させ、次いでベース基板12aを円筒内周面に沿わせながら押し付けて、最後に反対側の係止片12dを分割半体4bの係止凹部4fに挿入して係止してもよい。
このようにして、分割半体4bの前面側の円筒内周面に研磨部材12を装着したら、次に、研磨部材12の研磨シート12bに対して所定の間隙を形成するように中心軸体8を装着し、その下端を回転駆動機構の駆動軸Aに連結し、上端を玉送出ユニット14の軸受14aで受けることにより、回転自在に支持する。
【0093】
このようにして、中心軸体8が装着されると、次いで、分割半体4bの例えば左側の係合溝4hに蝶番19aの一方の板部を上下に例えば2分割された分割半体4cの長さに対応させて所定間隔で取付け、他方の板部を分割半体4cの係合溝4hに固定して、分割半体4cを分割半体4bに開閉自在に装着する。
このとき、分割半体4cには、予め前述した分割半体4bと同様に研磨部材12を装着しておいてもよく、分割半体4bへの取付け後に研磨部材12を装着してもよい。この場合の研磨部材12の装着は、例えば2分割された分割半体4cは、分割半体4bと同様に係止凹部4f及び4gが上下端面で開口されているので、上方向又は下方向から研磨部材12を装着したり、前面側から装着してもよい。
【0094】
その後、例えば分割半体4bの右側面の係合溝4i及び4jに回動レバー19mを有する取付基板19iを取付け、分割半体4cの係合溝4jに係合ピン19oを取付け、これら取付基板19i及び係合ピン19oの取付けが完了したら、各分割半体4cを順次図3で見て反時計方向に回動させて、分割半体4bに接触させて閉じ、この状態で回動レバー19mを図1(c)で見て反時計方向に回動させて、係合凹部19j内に係合ピン19oを係合させることにより、分割半体4b及び4cを一体化し、中心軸体8の螺旋溝10の全周に研磨部材12の研磨シート12bを所定間隙を保って対向させることができ、揚送研磨装置2の取付けが完了する。
【0095】
このようにして、揚送研磨装置2の取付けが完了すると、パチンコ玉Pを研磨しながら床面から天井面に向けて揚送することが可能となるが、まず、図14乃至図16に基づいて、導入孔44と案内片45の作用について説明する。玉集め室22(図14参照)に集められたパチンコ玉群Pは、案内皿状部20aの傾斜により導入機構16を構成する短尺筒体40に向かって流れ込む。この際に、重なっているパチンコ玉Puは、スカート42に衝突して流れ込みを邪魔され、最下端のパチンコ玉群Pだけが流れ込みを許される。スカート42の下端をくぐって短尺筒体40に到着したパチンコ玉群Pは、バランスしてブリッジすることがあり、ブリッジすると導入孔群44の手前でパチンコ玉群Pが立ち往生してしまう。このようなパチンコ玉群Pのブリッジは、短尺筒体40の回転により崩され、崩されたパチンコ玉群Pは、整列させられて導入孔群44に到着する。仮にスカート42が設けられていない構成であっても、短尺筒体40の回転によりパチンコ玉群のブリッジ(高さ方向を含む)が崩される結果、パチンコ玉群Pを整列させることに変わりはない。
【0096】
中心軸体8と短尺体40とは、図13に示すモータ30と駆動伝達手段160の働きにより回転する。導入孔群44に到着したパチンコ群玉Pは、図14に示すように短尺筒体40の回転により通りかかった導入孔44を通過し、中心軸体8の回転により通りがかった螺旋溝10に受け入れられる。導入孔44を通過する螺旋溝10は、常にパチンコ玉Pを受け入れられる状態、すなわち、空である。螺旋溝10が空になるのは、中心軸体8の回転に伴う螺旋溝10と案内片45との相互作用によるものである。この点は、後述する。受け入れられたパチンコ玉Pは、図14に示すように案内片45に案内されながら中心軸体8の回転にともなう螺旋溝10の働きによって上昇する。上昇したパチンコ玉Pは、螺旋溝10と研磨シート12bの間にやがて押し込められる。押し込まれる際に、案内片45が果たしてきたパチンコ玉Pに対する案内作用は、研磨シート12bに受け継がれる。
【0097】
研磨シート12bは、パチンコ玉群Pの露出部分と接触するように配されているので、この接触により生じる摩擦力と中心軸体8の回転がパチンコ玉を揚送すると同時に研磨する。螺旋溝10内のパチンコ玉Pは、自転しながら研磨シート12bと接触するので、露出部分(研磨される部分)が次から次へと入れ替わり全体が万遍なく研磨される。スカート42の導入孔44付近でパチンコ玉Pが、何らかの理由により重なった結果ローラ46(図12参照)と衝突すると、衝突にさらされたローラ46は、自ら回転するとともにバネ部材48の伸縮により短尺筒体40に対して内外に変位する。その変位の態様により、衝突に係るパチンコ玉Pを螺旋溝10内に送り込むか、または、短尺筒体40の外側へ弾き出す。この送り込み又は弾き出しにより、導入孔44上端にパチンコ玉Pが衝突することが防止される。
【0098】
次に、図14乃至17を参照しながら、導入機構16の作用について説明する。図16は、説明の都合上、円形の短尺筒体40を平面状に表現したものであり、同図(1)乃至(3)は、螺旋溝群10の時間的変化を連続的に現している。図16における短尺筒体40の各導入孔には44a乃至44dの符号を、各螺旋溝にはG1乃至G5の符号を、螺旋溝間の山部にはM1乃至M4の符号を、及び、各パチンコ玉にはP1乃至P6の符号を、さらに、各導入孔間に位置する案内片にはK1乃至K4を、それぞれ付している。
図16(1)に示す状態
導入孔44aが導入しようとするパチンコ玉P1は、螺旋溝G3及びG4間の山部M3に邪魔されて螺旋溝G4内に受け入れられず待機状態にある。パチンコ玉P2は、導入孔44bを通過して螺旋溝G3内に受け入れられた状態を示している。導入孔44cが導入しようとするパチンコ玉P3は、螺旋溝G2及び3間の山部M2に邪魔されて螺旋溝G3内に受け入れられず、パチンコ玉P1と同様に待機状態にある。パチンコ玉P4は導入孔44dを通過して螺旋溝G2に受け入れられた状態を示している。破線で示すパチンコ玉P5は、パチンコ玉P1に先行して導入孔44aを通過し螺旋溝G3に受け入れられたパチンコ玉である。同じく破線で示すパチンコ玉P6は、パチンコ玉P3に先行して導入孔44cを通過し螺旋溝G2に受け入れられたパチンコ玉である。
図16(2)に示す状態
中心軸体8と短尺筒体40との回転により、導入孔44aに通りかかった螺旋溝G4が、山部M3によって邪魔され待機状態にあったパチンコ玉P1を受け入れる。螺旋溝G3に受け入れられたパチンコ玉P2は、案内片K2に案内されて図に示す位置まで上昇する。山部M2によって邪魔され待機状態にあったパチンコ玉P3は、通りかかった螺旋溝G3に受け入れられ、矢印で示すように案内片K3に向かって移動する。このパチンコ玉P3の移動は、図10及び図14に示す案内皿状部20a上から一連の動きの中で進行するが、それは案内皿状部20aの傾斜、短尺筒体40の回転、中心軸体8の回転および螺旋溝G3の傾斜による転がりによって基本的に生じ、この転がりに、整列させた後続パチンコ玉による押しが加わって生じる。他のパチンコ玉の移動も、このパチンコ玉P3と同様に転がりと押しによって生じる。螺旋溝G2内のパチンコ玉P4は、螺旋溝G2内で、案内片K4に案内されて図に示す位置まで上昇する。螺旋溝G3内のパチンコ玉P5は、案内片K1に案内されて図に示す位置まで上昇する。螺旋溝G2内のパチンコ玉P6は、案内片K3に案内されて、さらに上昇する。
図16(3)に示す状態
中心軸体8と短尺筒体40とのさらなる回転により、各螺旋溝はさらに上昇し、各パチンコ玉P1乃至P6は、図16(3)に示す状態になる。すなわち、螺旋溝G4に受け入れられた後のパチンコ玉P1は、案内片K1に案内されて図に示す位置まで上昇する。螺旋溝G3内のパチンコ玉P2は、案内片K2に案内されて図に示す位置までさらに上昇する。螺旋溝G3に受け入れられ案内片K3に到着したパチンコ玉P3は、この案内片K3に案内されて図に示す位置まで上昇する。螺旋溝G2内のパチンコ玉P4は、案内片K4に案内されて図に示す位置までさらに上昇する。螺旋溝G3内のパチンコ玉P5は、案内片K1に案内されて図に示す位置までさらに上昇する。螺旋溝G2内のパチンコ玉P6は、案内片K3に案内されて図に示す位置までさらに上昇する。このような一連の作用の結果、パチンコ玉P4とP6、パチンコ玉P3とP2、あるいはパチンコ玉P2とP5が示すように、各螺旋溝内の各パチンコ玉は、互いに一定の距離を保ちながら上昇する。
【0099】
揚送される各パチンコ玉P間の距離は、各パチンコ玉を接触させないために必要であるが、この距離が余り長すぎると単位長当たりの螺旋溝10が受け入れるパチンコ玉数が少なくなって揚送能力のロスにつながる。パチンコ玉P間の距離は、隣接する各導入孔44間の距離(各板部の幅寸法)にほほ等しくなるので、単位時間当たりの揚送量を増やすのであれば、隣接導入孔44間の距離をできるだけ短くして、揚送するパチンコ玉間の距離を短くすればよい。ただし、短くするとしても、たとえば、図16(2)に示すパチンコ玉P5のように、案内片K1に接触した状態で導入孔44aから露出する部分が、パチンコ玉P5の半径より短くなくてはならない。半径より長いとパチンコ玉P5の露出する部分が露出しない部分より大きくなってしまうので、一旦受け入れたパチンコ玉P5(遠心力が働いている)が短尺筒体40から飛び出してしまうと考えられるからである。しかしながら、上述した解析はあくまでも理論上のものであって、発明者らの行った実験によれば、パチンコ玉群Pには遠心力以外の複雑な力が作用しており、露出する部分が露出しない部分より幾分大きくなっても、パチンコ玉群Pが飛び出さないことが判明した。よって、隣接導入孔44間の距離(パチンコ玉の露出量の大きさ)は、中心軸体8や短尺筒体40の回転速度や螺旋溝10と案内片45との交差角等を変化させる実験等を通じて定めるとよい。
【0100】
他方、揚送効力を最高にするために、パチンコ玉P間の距離をなくして数珠つなぎ状態にすることも考えられる。螺旋溝10と研磨シート12bの間に押し込まれたパチンコ玉Pは、研磨シート12bと螺旋溝10等とからの摩擦力等を受け、前述したように螺旋溝10内で自転する。パチンコ玉P同士が数珠つなぎ状態にあると、各パチンコ玉P間の接触抵抗により自転が妨げられ、自転が妨げられると、螺旋溝10内に受け入れられた部分はいつまでもそのままであることから、研磨シート12bに接触する部分、すなわち、露出部分が限られてしまうことも考えられる。これが、予想される不都合である。上述した不都合を生じさせないように、パチンコ玉間に一定の距離を保たせた上で揚送する。
【0101】
次に、図15に基づいて、導入孔44の回転方向遅れ側の端面49の作用について説明する。短尺筒体40が回転すると、その遅れ側に位置する導入孔44の端面49がパチンコ玉Pを押し動かす。この場合は、パチンコ玉Pの中心が、端面49の先端より中心軸体8側にある。押し動かす際に、端面49により中心軸体8方向(導入方向)に分力が働きパチンコ玉Pを導入方向へ導く。一方、その中心が端面49の先端より外側にある場合は、短尺筒体40の回転に伴う衝突による衝撃がパチンコ玉の球面により分割され、分割された結果生じた分力はパチンコ玉を導入方向とは逆の方向(中心軸体8から離れる方向)に働きパチンコ玉を短尺筒体40の外方向へ追い出す。
【0102】
次いで、図14及び15を参照しながら、案内片45の作用について説明する。図15に示すパチンコ玉Pは、上述したように、短尺筒体40の回転による端面49の押しを受け、想像線で示すように移動する。パチンコ玉Pは、やがて案内片45に衝突し、この案内片45に案内されつつ中心軸体8の回転によって上昇(図15の紙面の裏側から表側の方向)する。
【0103】
すなわち、図14にも示すように、本実施形態の案内片45を螺旋溝10と交差する方向に形成しているので、螺旋溝10に受け入れられたパチンコ玉Pは、中心軸体8の回転に伴って移動しその露出部分が案内片45に衝突する。その後の中心軸体8の回転によってパチンコ玉Pは移動を続けようとするが、案内片45によって中心軸体8の回転方向への移動を妨げられる。移動を妨げられたパチンコ玉Pは、上方へ方向転換させられ、そのままその後の中心軸体8の回転に伴い上昇を続ける。上昇して短尺筒体40の上端から抜け出たパチンコ玉Pは、図14に示すように、研磨シート12bの間に押し込まれ、さらなる中心軸体8の回転により研磨されつつ図外へ揚送される。短尺筒体40の上端から抜け出たパチンコ玉Pは、案内片45による移動の妨げを受けなくなる。案内片45の作用は、研磨シート12bからパチンコ玉Pに働く摩擦力に受け継がれる。
【0104】
ここで、前述したように、本実施形態では、中心軸体8の回転速度に対する短尺筒体40との回転速度の比を、割り切れない数値となるように設定した。その理由は割り切れない数値となるように設定することにより、中心軸体8の一回転毎に中心軸体8の円周方向にずれた位置からパチンコ玉を導入するようにするためである。この作用を、図17乃至18を基にして説明する。
【0105】
図17は、中心軸体8と短尺筒体40との回転速度比に端数を生じさせることによる螺旋溝10と導入孔44とが出会う位置(受入位置)が回転に伴ってズレる様子を示している。すなわち、同図(1)に示すように回転開始の状態が、n回転後には、導入孔44の位置がたとえば、同図(2)に示すようにα°だけズレ、さらにn′回転後にはさらに、同図(3)に示すように2α°だけズレることを意味する。
【0106】
すなわち、同じ導入孔44から螺旋溝10に受け入れられたn及びn′回転後のパチンコ玉は、案内片45がα°及び2α°中心軸体8の円筒方向へズレるので、短尺筒体44内を揚送して、研磨シート12bに入る時の位置が同じくα°及び2α°ずれる。この結果次々と揚送されるパチンコ玉Pは、図18に示すように、それぞれが研磨シート12bの異なる軌跡を通り研磨されながら揚送されるので、研磨面が万遍なく使用される。
【0107】
中心軸体8の回転と研磨シート12bの作用により揚送研磨されたパチンコ玉群Pは、図9に示すように玉送出ユニットに一時集まり、その後、玉送出ユニット14の出口14bを通って図外へ排出される。
このようにして、多数のパチンコ玉Pを床面から天井面まで効率よく揚送する途中で自転させながら全球面を研磨でき、揚送研磨効率を従来例に比較して格段に向上できる。
【0108】
しかも、パチンコ玉Pを揚送研磨する際に、研磨部材12に円周方向の大きな摩擦力が作用するが、ベース基板12aが合成樹脂材で形成されて剛性を有すると共に、このベース基板12aに形成された係止片12c及び12dが分割半体4b及び4cの係止凹部4f及び4g内に係止されているので、円周方向の大きな摩擦力に対して十分な耐力を有し、研磨部材12が分割半体4b及び4cの円筒内周面から内側に剥がれることを確実に防止でき、研磨部材12が詰まって揚送に影響を与えることを確実に防止できる。
【0109】
一方、パチンコ玉Pの研磨によって研磨シート12bが汚れて研磨効率が低下したときには、研磨部材12を洗浄するか又は交換することになるが、この際には、一旦導入機構16へのパチンコ玉Pの導入を停止させた状態で、中心軸体8をしばらく回転させて、外筒体4内のパチンコ玉を全て玉送出ユニット14から外部に排出した後に、各留め具19hの回動レバー19mを図1(c)で時計方向に回動させて、係合凹部19jと係合ピン19oとの係合状態を離脱させてから、各分割半体4cを図3で見て時計方向に回動させて開状態とすることにより、中心軸体8及び各分割半体4bに装着された研磨部材12の円周方向両端部と、分割半体4cに装着された研磨部材12の全てとを外部に露出させる。
【0110】
この状態で、分割半体4cについては、その係止凹部4f及び4gの上下端部が上端面及び下端面に開口しているので、研磨部材12を上方又は下方に摺動させるか又は円周方向端部を把持して半径方向内方に撓ませることにより、容易に研磨部材12を取り外せる。
一方、分割半体4bについては、その研磨部材12の前面側に中心軸体8が存在し、且つ上下端面がベース部材18及び玉送出ユニット16によって閉塞されているので、上述した分割半体4cのように上下方向からの抜き出しは困難であるが、分割半体4cを開放した状態で、研磨部材12の円周方向両端部が分割半体4bの前端面に露出しており、しかも、中心軸体8の螺旋溝10と研磨部材12との間にはパチンコ玉Pが存在していないので、研磨部材12の両端面を把持して、内方側に撓ませることが可能となり、これによって係止片12c及び12dを分割半体4bの係止凹部4f及び4gから離脱させ、この係止片12c及び12dの離脱状態で研磨部材12の一方の円周方向端部を押し、他方の円周方向端部を引っ張ることにより、研磨部材12を円周方向に摺動させて、容易に引き抜ける。
【0111】
その後、洗浄を終了した研磨部材12又は新たに交換する研磨部材12を分割半体4bに装着するには、その係止片12c及び12dを分割半体4bの円筒内周面側とした状態で、その一方の係止片側端部を外筒体4の円筒内周面と中心軸体8との間の間隙に挿入し、そのまま押し込むことにより、上記隙間の間を円周方向に摺動させ、先頭の係止片12cが反対側の係止凹部4fに係止されると後端側の係止片12dが係止凹部4gに係止されて装着が完了する。
【0112】
このとき、研磨部材12は、そのベース基板12aに剛性があり、しかもその曲率が装着する分割半体4bの円筒内周面の曲率と略等しく形成されているので、分割半体4bへの装着をきわめて容易且つ迅速に行える。
また、揚送研磨装置2の設置する環境で、分割半体4cを時計方向に開くことが不可能である場合には、蝶番19cと取付基板19iとを左右逆関係に取付けることにより、開き勝手を逆にして反時計方向に開くことが可能となる。
【0113】
なお、上記実施形態においては、研磨部材12に上下方向に延長する係止片12c及び12dを形成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図19に示すように、係止片12c及び12dに所定間隔で切欠12eを設けて、飛び飛びの係止片部12fを形成し、これに応じて、分割半体4b及び4cの係止凹部4f及び4gに夫々開放端面に連通し、係止片12c及び12dを挿通可能な切欠4sを形成してもよい。
【0114】
この場合には、研磨部材12を分割半体4b及び4cに装着する際には、研磨部材12の係止片部12fを分割半体4b及び4cの切欠4sに対向させた状態で、切欠4sを通して係止凹部4f及び4g内に挿入し、係止凹部4f及び4g内に全て挿入し終わった後に研磨部材12を例えば上方に摺動させて、係止片部12fの位置を切欠4sと対向しない位置にズラすことにより、研磨部材12を係止状態とすることができる。
【0115】
逆に、分割半体4b及び4cに装着されている研磨部材12を取り出すには、係止片部12fが切欠4s位置に対向するように研磨部材12を垂直方向に摺動させることにより、係止片部12fの係止状態が解除されて、切欠4sを通じて容易に外部に取り出せる。
したがって、特に中心軸体8が邪魔とならない分割半体4c側での研磨部材12の脱着作業が容易となり、脱着作業に要する作業時間を大幅に短縮できる。
【0116】
また、上記実施形態においては、係止片12c及び12dを半径方向外方に突出する突条とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図20に示すように、中心軸体8の回転方向でパチンコ玉Pが最初に到来する側の係止片12cをその先端を中心軸体8の回転方向の後行側に折り曲げることにより平面から見て逆L字状の鉤状に形成し、これに応じて分割半体4bの係止凹部4f及び分割半体4cの係止凹部4gを逆L字状の鉤状に形成してもよい。
【0117】
この場合には、係止片12c及びこれが係止される係止凹部4f及び4gが鉤状に形成されていることにより、研磨部材12の円周方向の移動を規制することができることはもとより、半径方向の内方側即ち中心軸体8側への移動も規制でき、研磨部材12が内方側に浮き上がってパチンコ玉Pの通過に支障を与えたり、パチンコ玉Pによって研磨シート12bが剥離されることをより確実に防止でき、より円滑な研磨を行える。
【0118】
さらに、上記実施形態においては、研磨部材12をその係止片12c及び12dを分割半体4b及び4cの係止凹部4f及び4gに係止させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図21に示すように、分割半体4bにおける係止凹部4f及び4gの開放端面側に所定箇所に切欠4tを形成すると共に、分割半体4cの係止凹部4f及び4gの切欠4tとは異なる位置に同様の切欠4uを形成し、且つ分割半体4cの切欠4tに対応する位置に切欠4t内に挿通される押圧片4vが形成されると共に、分割半体4bの切欠4uに対応する位置に切欠4u内に挿通される押圧片4wを形成してもよい。
【0119】
この場合には、分割半体4cを開放している状態では、押圧片4v及び4wが共に切欠4t及び4uとは離間しているので、前述した実施形態と同様に、研磨部材12の着脱を容易に行え、この状態で分割半体4cを閉じたときに、押圧片4v及び4wが切欠4t及び4uを通じて係止片12c及び12dを押圧することになり、係止片12c及び12dの移動が規制されることにより、研磨部材12が内方側に移動することを確実に防止できる。
【0120】
さらに、上記実施形態においては、研磨シート12bとして弾性を有する部材を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、合成皮革のように弾性が少ない研磨シートを適用する場合には、図22に示すように、ベース基板12aと研磨シート12bとの間にパチンコ玉Pに対して所定の摩擦力を付与するための弾性体シート12gを介挿することが好ましい。
【0121】
さらにまた、上記実施形態においては、開閉支持具19を蝶番19cと留め具19hとで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、留め具19hの回動レバー19mを1本の操作棒で連結して、この操作棒を操作して、全ての回動レバー19mを同時に回動させて、開閉支持具の施錠・解錠操作を1回の操作で行ってもよい。
【0122】
なおさらに、上記実施形態においては、留め具19hの施錠・解錠操作を回動レバー19mと係合ピン19oとで行う場合について説明したが、図23に示すように、フック19Fとこのフック19Fに係合可能でコイルスプリング19Cによって付勢された摺動子19Sを支持する回動レバー19Lとで構成される所謂キャッチクリップを使用してもよく、さらにはコイルスプリング19Cを省略したクリップを使用してもよく、要は分割半体4cを施錠及び解錠可能に構成されていればよい。
【0123】
さらにまた、上記実施形態においては、ベース基板12aを合成樹脂材で形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、比較的剛性の大きい紙筒を2分割して形成でき、要は剛性が大きく可撓性を有するものであればどのような材料でも適用できる。
さらにまた、上記実施形態においては、導入機構16に短尺筒体40を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図24に示すように、短尺筒体40の代わりに、各螺旋溝10が受け入れたパチンコ玉Pを上昇方向に案内するために、中心軸体8(図示を省略)の周りに所定間隔を介してテーブル118上に配された複数の案内片126を立設した構成とすることもできる。この場合には、図24から理解されるように、各案内片126間の隙間は、短尺筒体40の導入孔44に該当しており、上述した本実施形態の揚送研磨装置に比べて簡単な構造により、本実施形態と同様な作用効果を得ることができる。なお、図示は省略するが、テーブルを案内回転手段によって中心軸体8と同方向に、かつ、中心軸体8の回転速度より低速で回転させ、これにより、各案内片126を回転移動させるように構成してもよい。回転移動させるようにすれば、回転する短尺筒体40と同様な作用効果を生じさせることができる。なお、中心軸体8とテーブル118との速度比は、短尺筒体40の例によるように構成するとよい。
【0124】
次に、本発明の第2の実施形態を、図25及び図26について説明する。この第2の実施形態では、揚送研磨装置70は、上方に向けて開放した断面円形の内部空間を有する比較的短い垂直外筒74と、この垂直外筒74の中に配置した回転テーブル76とを有している。回転テーブル76は、図26に示すようにプーリ78,80及び無端ベルト82を介して連結したモータ84によって回転駆動される。
【0125】
中心軸体86の下端面に回転テーブル76を受け入れるための凹所86aを形成し、この凹所86aを回転テーブル76の上に被せるようにして中心軸体86を回転テーブル76の上に配置する。回転テーブル76の上に配置した中心軸体86は、回転テーブル76に対して自由に取り付け取り外しできる。回転テーブル76は、その上面から上に向かって突き出す複数のピン88,88を備えており、これらのピン88,88と中心軸体86の着座面に形成した孔との受入係合によって回転テーブル76と中心軸体86とが一緒に回転(一体回転)する。中心軸体86の外周面は、前述した本実施形態の中心軸体8と同様に螺旋溝10を備えている。
【0126】
外筒74には、その内周面に沿って上方から塩化ビニル筒90を抜き差し自在に取り付けており、この塩化ビニル筒90の内周面にはそのほぼ全域に亘ってブラシ92を取り付けている。塩化ビニル筒90の上端には上方に向けて突出する一対の耳90aを形成し、作業者(使用者)はこの耳90aを掴んで塩化ビニル管90の取り付け又は取り外しを行い、必要に応じてブラシ92の交換を行うようになっている。ブラシ92と中心軸体86との間隔、各要素の変形例などは前述した本実施形態と同様であるのでその詳しい説明は省略する。なお、本変形例の中心軸体86は直径200mmであり、螺旋溝10の数は5本である。
【0127】
中心軸体86の上端面は、中心を上方に突出させた山形の形状になっている。塩化ビニル筒90及び外筒74は、中心軸体86の上端面外周部分よりも若干上方に突出する長さ寸法を有し、この塩化ビニル筒90の上端部分と中心軸体86の上端面外周部分とでパチンコ玉Pの一時的に貯留するための貯留空間部94を形成している。
【0128】
メインタンク72からパチンコ玉Pを誘導する樋96を通じて貯留空間部94の中にパチンコ玉Pを供給し、貯留空間部94の中のパチンコ玉Pを、中心軸体86の山形上端面によって外周側に円滑に流動させ、中心軸体86の螺旋溝10に受け入れさせ、この螺旋溝10によって公転しながら下方に移動させ、この移動過程で、自転しながらブラシ92で球面全体が掃除される。綺麗に研磨された後のパチンコ玉Pは、外筒74の下端に形成された出口98を通って外部に放出する。出口98から放出されるパチンコ玉Pの1分当たりの出玉数は、中心軸体86の回転数を制御することによって調整することができる。
【0129】
また、上記実施形態においては、分割半体4b及び4cに研磨部材12を装着し、中心軸体8に複数条の螺旋溝10を形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、分割半体4b及び4cに螺旋溝を形成し、中心軸体8に研磨部材12を装着するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態を図27及び図28について説明する。
【0130】
この第3の実施形態は、研磨部材12で研磨した塵埃等を吸引掃除機で吸引排除するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態は、図27に示すように、上端の玉送出・ニット14に分割半体4b及び4cの連通孔4d,4eに連通する排気ポート100を設けると共に、外筒体4の下端側に分割半体4bの円筒内周面に開口するエア供給ポート101を設け、さらに、図28に示すように、外筒体4の分割半体4b及び4cにおける4隅の連通孔4d,4eに対向する円筒面に研磨部材12と連通孔4d,4eとを連通する多数の通気孔102を貫通形成し、且つ研磨部材12のベース基板12a及び研磨シート12bにもこれらを貫通する通気孔102に対向する多数の通気孔103を形成する。
【0131】
そして、排気ポート100をホース104を介して集塵機105に接続する。この集塵機105は、フィルタ106とエアを吸引する電動モータで回転駆動される吸引ファン107とで構成され、吸引ファン107で吸引されたエアをホース108を介してエア供給ポート101に供給する。
この第3の実施形態によると、集塵機105を作動状態とすると、吸引ファン107から排出されるエアが外筒体4の下側のエア供給ポート101に供給されるので、このエア供給ポート101から中心軸体8と研磨部材12との間に吹き込む。
【0132】
このようにして吹き込まれたエアは、各分割半体4b及び4cに形成された連通孔4d,4eが玉送出ユニット14位置で集塵機105にホース104を介して接続され、連通孔4d,4eが負圧となっており、この連通孔4d,4eと研磨部材12の研磨シート12bの表面との間が多数の通気孔102及び103で連通されているので、中心軸体8と研磨部材12との間に吹き込まれたエアが多数の通気孔102及び103を介して連通孔4d,4e側に吸引される。したがって、研磨シート12bでパチンコ玉Pに付着した塵埃等を研磨したときに、浮遊する塵埃や、研磨シート12bに付着した塵埃等がエア流と共に連通孔4d,4e側に流され、集塵機105のフィルタ106に捕捉される。
【0133】
このため、研磨シート12bによって研磨されることにより研磨シート12b側に付着した塵埃が剥離する状態となると、これが通気孔102及び103を介して連通孔4d,4cに吸引されるので、研磨シート12bから剥離する塵埃が再度研磨後のパチンコ玉Pに付着することを確実に防止できる。
そして、集塵機105のフィルタ106に塵埃が回収されることにより、フィルタが詰まれば、このフィルタを交換すればよく、メンテナンスが容易であると共に、研磨シート12bに付着した塵埃も吸引されることにより、汚れの進行が遅くなり、長期の使用が可能となる。
【0134】
さらに、上記実施形態においては、中心軸体8を回転駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、中心軸体8を固定し、外筒体4側を回転駆動するようにしても上記実施形態と同様の作用効果が得られるこの場合には、外筒体4の外側を固定ケース体で囲んで外筒体4に手が触れないように防護することが好ましい。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、前記研磨部材を装着する外筒体は、円筒内周面を有する筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、螺旋溝から露出するパチンコ玉に全周に亘って接触して研磨する研磨部材が、外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に夫々装着可能に構成されていると共に、装着する円筒面の曲率に応じた曲率を有するベース基板と、その研磨面側に形成した研磨素材と、前記ベース基板の研磨素材とは反対側における円周方向両端部に夫々半径方向に突出し軸方向に延長して形成された係止片とで構成され、当該研磨部材を装着する外筒体及び中心軸体の何れか一方に前記係止片を係止する係止部が形成されているので、ベース基板に係止片によって剛性を持たせ、このベース基板に研磨素材を溶着、接着、植設等によって強固に固着することが可能となり、螺旋溝を複数条として揚送研磨効率を向上させたときに、研磨するパチンコ玉から研磨部材に対して大きな摩擦力が作用しても、研磨素材の剥離や捲れを確実に防止でき、長期間に亘って円滑な揚送研磨を行えるという効果が得られる。また、係止片を係止部に係止するので、螺旋溝の回転によってパチンコ玉を介して研磨部材に伝達される円周方向の摩擦力が作用したときに、ベース部材の円周方向のズレをより確実に防止でき、より円滑な研磨を行えるという効果が得られる。
【0136】
また、請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明の効果に加えて、外筒体がベース部材に固定され、この外筒体内に配設された中心軸体が回転駆動源によって回転駆動される点であり、外筒体が固定されているので、この外筒体を強固な構造とすることができ、外筒体の撓みを防止して、中心軸体と外筒体の内周面との間隔を所定値に保持することができ、パチンコ玉の円滑な揚送を確保しながら良好な研磨を行えるという効果が得られる。
【0137】
さらに、請求項3に係る発明によれば、研磨部材が固定側の外筒体に装着されているので、中心軸体の回転による遠心力がパチンコ玉に作用することにより、パチンコ玉と研磨部材の研磨素材との接触をより確実に行って良好な研磨を行うことができると共に、研磨部材を中心軸体側に装着する場合に比較して表面積を大きくすることができ、研磨効率を向上できるという効果が得られる。
【0139】
なおさらに、請求項に係る発明によれば、係止片及び係止部の断面形状が鉤状に形成されているので、研磨部材が係止位置で半径方向に螺旋溝側に移動することを確実に防止でき、ベース基板を装着対象に確実に固定できるという効果が得られる。
また、請求項に係る発明によれば、ベース基板が合成樹脂材で構成されているので、剛性が大きく且つ可撓性も有するので、研磨部材の脱着をより容易に行え、補修や交換に要する作業能率低下を抑制できるという効果が得られる。
【0140】
さらに、請求項に係る発明によれば、研磨素材が不織布で構成されているので、繊維間に比較的大きな空間があり、この空間に油や塵埃を貯留でき、パチンコ玉の研磨を長時間に亘って安定して行えるという効果が得られる。
さらにまた、請求項に係る発明によれば、研磨素材が、払拭したパチンコ玉の付着物を収容する付着物収容空間を形成するように繊維を植設して構成されているので、払拭したパチンコ玉の付着物は付着物収容空間内に確実に閉じ込められ、研磨素材の表面に付着物が積層されることがなく、払拭した付着物が再度パチンコ玉に付着することを確実に防止でき、パチンコ玉の研磨を長時間に亘って安定して行えるという効果が得られる。
【0141】
なおさらに、請求項に係る発明によれば、ベース基板と研磨素材との間に弾性シートが介挿されているので、研磨素材として弾性が乏しい合成皮革とを使用して、弾性シートの弾性によって研磨素材をパチンコ玉に所定の圧力で接触でき、パチンコ玉の研磨を確実に行えるという効果が得られる。
また、請求項に係る発明によれば、ベース部材に固定された外筒体が内周面が円筒面で外周面が角筒面となる筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割された一対の半体で構成されて、一方の半体が開閉支持具で開閉可能とされているので、各半体の剛性を確保できると共に、一方の半体を開くことにより、この半体と残りの半体に対する研磨部材の脱着を容易に行え、しかも、係止部が上下方向に連続しているので、研磨部材の係止片を上方又は下方の開放端から挿入することが可能となり、上下方向からの研磨部材の脱着を行えるという効果が得られる。
【0142】
さらに、請求項1に係る発明によれば、各半体の切欠を通じて研磨部材の係止片部を係止凹部内に挿入し、この状態で研磨部材を上方又は下方に所定量摺動させることにより、係止片部を切欠のない係止凹部に係止でき、研磨部材を上下方向に僅かに摺動させるだけで、研磨部材の脱着を極めて容易に行えるという効果が得られる。
【0143】
さらにまた、請求項1に係る発明によれば、一方の半体を開いて開状態としたときには、押圧片が切欠内から外方に離脱して係止片の押圧状態が解除されるので、この状態で、研磨部材の脱着を容易に行え、この開放状態から半体を閉じて、半体同士を連結状態とすると、押圧片が切欠を通じて係止片を押圧固定することにより、係止片が係止凹部から抜け出すことが確実に阻止され、より確実に研磨部材を固定でき、半体を開放したときに容易に研磨部材を取り外すことができるという効果が得られる。
【0144】
なおさらに、請求項1に係る発明によれば、外筒体を構成する一対の半体における結合位置の外周面に上下方向に連続する係合溝が形成され、この係合溝内に開閉支持を固定する固定部材が上下方向に案内されているので、揚送研磨装置を設置する周囲の環境に応じて開閉支持部材を任意の位置で固定できるという効果が得られる。
【0145】
また、請求項1に係る発明によれば、開閉支持具が蝶番と留め具とで構成されているので、これらの取付位置を変更することにより、半体の開き勝手を任意に設定できるという効果が得られる。
さらに、請求項1に係る発明によれば、各筒部の隅部に連通孔が形成されているので、半体の重量を軽減できると共に、この連通孔を集塵用通路として利用するので、各研磨部材に付着したり、浮遊する塵埃等を吸引廃棄でき、研磨部材の交換乃至洗浄周期を長期化させると共に、新規な集塵用通路の増設は不要で構成の簡素化が図られて、設置空間の制限を緩和できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 揚送研磨装置を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図2】 揚送研磨装置の拡大平面図である。
【図3】 図1(b)のA−A線拡大端面図である。
【図4】 研磨部材を示す斜視図である。
【図5】 中心軸体の斜視図である。
【図6】 中心軸体の分解斜視図である。
【図7】 中心軸体の断面図である。
【図8】 研磨部材の実施形態を示す部分拡大図である。
【図9】 外筒上端部の縦断面図である。
【図10】 揚送研磨装置下端部の部分断面図である。
【図11】 導入機構の斜視図及び図10のB−B線を含む部分断面図である。
【図12】 導入機構の部分拡大図である。
【図13】 駆動伝達手段の部分拡大図である。
【図14】 導入機構の作用を説明するための概念図である。
【図15】 導入機構の作用を説明するための概念図である。
【図16】 導入機構の作用を説明するための概念図である。
【図17】 導入機構の作用を説明するための概念図である。
【図18】 導入機構の作用を説明するための概念図である。
【図19】 研磨部材の変形例を示す斜視図である。
【図20】 研磨部材の変形例を示す断面図である。
【図21】 研磨部材の保持機構の他の例を示す斜視図である。
【図22】 研磨部材の変形例を示す斜視図である。
【図23】 留め具の変形例を示す断面図である。
【図24】 導入機構の変形例を示す斜視図である。
【図25】 本実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図26】 本実施形態の変形例を示す一部を断面とした正面図である。
【図27】 本実施形態の他の変形例を示す右側面である。
【図28】 図27の外筒体の拡大横断面図である。
【符号の説明】
2 揚送研磨装置
3 内部空間部
4 外筒体
4b,4c 分割半体
4f,4g 係止凹部
8 中心軸体
8a 回転軸
10 螺旋溝
12 研磨部材
12a ベース基板
12b 研磨シート
12c,12d 係止片
14s 吸収空間部
16 導入機構
19 留め具
100 エア排出ポート
101 エア供給ポート
102,103 通気孔
105 集塵機

Claims (14)

  1. パチンコ玉を螺旋溝で案内して揚送しながら研磨部材で研磨するようにしたパチンコ玉の揚送研磨装置において、床面に設置されるベース部材と、該ベース部材に垂設された長尺の外筒体と、該外筒体内に同軸状に配設された中心軸体と、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方を回転駆動する回転駆動手段と、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に形成された前記パチンコ玉を一部が露出した状態で案内する螺旋溝と、他方の対向円筒面に着脱自在に装着された螺旋溝から露出するパチンコ玉に全周に亘って接触して研磨する研磨部材と、前記ベース部材に配設された前記螺旋溝にパチンコ玉を導入する導入手段とを備え、前記外筒体は、円筒内周面を有する筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、前記研磨部材は、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に夫々装着可能に構成されていると共に、装着する円筒面の曲率に応じた曲率を有するベース基板と、その研磨面側に形成した研磨素材と、前記ベース基板の研磨素材とは反対側における円周方向両端部側に夫々半径方向に突出し軸方向に延長して形成された係止片とで構成され、当該研磨部材を装着する前記外筒体及び中心軸体の何れか一方に前記係止片を係止する係止部が夫々形成されていることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨装置。
  2. パチンコ玉を螺旋溝で案内して揚送しながら研磨部材で研磨するようにしたパチンコ玉の揚送研磨装置において、床面に設置されるベース部材と、該ベース部材に垂設された長尺の外筒体と、該外筒体内に同軸状に回転自在に配設された中心軸体と、該中心軸体を回転駆動する回転駆動手段と、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に形成された前記パチンコ玉を一部が露出した状態で案内する螺旋溝と、他方の対向円筒面に着脱自在に配設された螺旋溝から露出するパチンコ玉に全周に亘って接触して研磨する研磨部材と、前記ベース部材に配設された前記螺旋溝にパチンコ玉を導入する導入手段とを備え、前記外筒体は、円筒内周面を有する筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、前記研磨部材は、前記外筒体及び中心軸体の何れか一方の対向円筒面に夫々装着可能に構成されていると共に、装着する円筒面の曲率に応じた曲率を有するベース基板と、その研磨面側に形成した研磨素材と、前記ベース基板の研磨素材とは反対側における円周方向両端部に夫々半径方向に突出し軸方向に延長して形成された係止片とで構成され、当該研磨部材を装着する外筒体及び中心軸体の何れか一方に前記係止片を係止する係止部が形成されていることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨装置。
  3. パチンコ玉を螺旋溝で案内して揚送しながら研磨部材で研磨するようにしたパチンコ玉の揚送研磨装置において、床面に設置されるベース部材と、該ベース部材に垂設された長尺の外筒体と、該外筒体内に同軸状に回転自在に配設された中心軸体と、該中心軸体を回転駆動する回転駆動手段と、前記中心軸体の外周面に形成された前記パチンコ玉を一部が露出した状態で案内する螺旋溝と、該螺旋溝と対向して前記外筒体の内周面に着脱自在に配設された当該螺旋溝から露出するパチンコ玉に全周に亘って接触して研磨する研磨部材と、前記ベース部材に配設された前記螺旋溝にパチンコ玉を導入する導入手段とを備え、前記外筒体は、円筒内周面を有する筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、前記研磨部材は、各半体の内周側円筒面に夫々装着可能に構成されていると共に、装着する円筒面の曲率に応じた曲率を有するベース基板と、その研磨面側に形成した研磨素材と、前記ベース基板の研磨素材とは反対側における円周方向両端部に夫々半径方向に突出し軸方向に延長して形成された係止片とで構成され、当該研磨部材を装着する前記外筒体に前記係止片を係止する係止部が形成されていることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨装置。
  4. 前記係止片及び係止部は断面鉤状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  5. 前記ベース基板は合成樹脂材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  6. 前記研磨素材は、不織布で構成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  7. 前記研磨素材は、払拭したパチンコ玉の付着物を収容する付着物収容空間を形成するように繊維を植設して構成されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  8. 前記研磨部材は、ベース基板と研磨素材との間に弾性シートが介挿されていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  9. 前記外筒体は、内周面が円筒面で外周面が角筒面となる筒体を軸線に沿って縦割りすることにより2分割した一対の半体で構成され、一方の半体がベース部材に固定され、当該半体に対して他方の半体が開閉支持具によって開閉可能に取付けられ、各半体に上下方向に連続する係止部が形成されていることを特徴とする請求項3乃至の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  10. 前記研磨部材は、各半体の内周側円筒面に装着可能に構成され、円周方向の端面に所要間隔で半径方向に突出する係止片部が形成され、前記各半体には、その開放端面側に前記係止片部を収納する上下方向に連続する係止凹部が形成され、当該係止凹部の開放端面側に前記係止片部を挿通する切欠が設けられていることを特徴とする請求項に記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  11. 前記研磨部材は、各半体の内周側円筒面に装着可能に構成され、円周方向の端面に半径方向外方に延長する係止片が形成され、前記各半体には、その開放端面側に前記係止片を収納する上下方向に連続する係止凹部が形成され、当該係止凹部の開放端面側に切欠が形成され、該切欠に対向する他方の半体に半体同士を連結状態としたときに当該切欠を通じて係止片を押圧固定する押圧片が突出形成されていることを特徴とする請求項又は1に記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  12. 外筒体の各半体には、その結合位置における外周面に上下方向に連続する係合溝が形成され、該係合溝内に前記開閉支持具を固定する固定部材が上下方向に案内されていることを特徴とする請求項乃至1の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  13. 開閉支持具は、一対の半体の一方の接合面に配設された固定側の半体に対して他方の半体を回動可能に支持する蝶番と、他方の接合面に配設された固定側の半体に対して他方の半体を係脱可能に支持する留め具とで構成されていることを特徴とする請求項乃至1の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
  14. 前記固定側の半体は、角筒部の隅部に上下に連通する連通孔が形成され、当該連通孔を集塵用通路として利用するようにしたことを特徴とする請求項乃至1の何れかに記載のパチンコ玉の揚送研磨装置。
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