JP4001676B2 - 副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用を有するカルシウム 拮抗剤・およびその製造方法ならびにその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用を有し、細胞へのカルシウムの流入を抑制するカルシウム拮抗剤およびその製造方法、ならびに上記カルシウム拮抗剤をカルシウムに添加した時に人体へのカルシウムの吸収利用を促進するカルシウム吸収利用促進剤、さらにこれをカルシウムに添加してカルシウムの有効利用率を高めたカルシウム製剤に関するものであって、より詳しくは、植物由来のカルシウム含有物質を特定方法で焼成した物の酸抽出物からなる副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用を有するカルシウム拮抗剤およびその製造方法、ならびに上記カルシウム拮抗剤の好適な用途であるカルシウムの吸収利用促進剤およびこれを従来公知のカルシウムに添加したカルシウム製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルシウムが人間のみならず哺乳動物の骨や歯の形成に不可欠の成分であることは広く認識されていたが、最近ではそれのみならず、あらゆる生命現象を支える最も重要な栄養素であることが解明され、いまやカルシウムは医学の最前線で注目されている。
【0003】
その一例として、医薬ジャーナル社発行[『Clinical Calcium』−特集−カルシウムパラドックス/1996年1月号]には、「栄養学と細胞生物学の接点」と題した、カルシウムパラドックスに関するさまざまな研究成果が発表されている。
【0004】
これによると、人体におけるカルシウムの果たす機能は、計り知れないほどに多く解明されてきている。
特に、人間の健康のカギは、カルシウムと副甲状腺ホルモンの関係を抜きにしては考えられないほどに、重要なものであることがわかってきている。
人体の生命活動は、食べたものの消化、吸収、排泄、ホルモンの合成分泌、さらには、免疫機能から、ものを見たり、考えたりすることまで、すべての機能がカルシウムの働きに依存し、細胞はすべて血液の中のカルシウムの出す信号(情報)によってコントロールされており、心臓や脳が働くのもカルシウムの働きであることが報告されている。
【0005】
この報告によると、細胞が正常に機能するためには血液中のカルシウム濃度が常に一定のレベルに保たれていることが必要であり、細胞の内と外(血液の中)のカルシウムの濃度差を略1:10,000に維持することが必要であることも明らかにされている。
言い換えれば、カルシウムの出す信号を細胞が正しくキャッチするためには、細胞の中のカルシウム濃度は、細胞の外のカルシウム濃度の略1/10,000という、ごく微量でなければならず、この濃度差が保たれているかぎり、1つ1つの細胞は正しい情報伝達のもとでそれぞれの役割を果たすことができるものである。
【0006】
ところが、血液中のカルシウム濃度が低下すると、心臓も脳も働きが止まってしまうため、生命維持のために副甲状腺ホルモン(PTH)が働いて骨からカルシウムを溶かして血液の中に補う仕組みになっている。骨には、人体のカルシウムの99%が蓄えられているが、その骨からのカルシウムの溶出が続けば、骨がすかすかになる骨粗鬆症を引き起こすだけにとどまらず、更に、重大な弊害を人体にもたらす。すなわち、血液のなかにカルシウムが補われたことによって、心臓は止まることなく生命は維持されるのであるが、副甲状腺ホルモンが出ると、細胞の中に過剰のカルシウムを流入させ、そのために前述した細胞の中と外のカルシウム濃度のバランスが大きく崩れてしまい、細胞間の情報伝達が混乱し細胞は正常に機能しなくなる。
この現象は、カルシウムパラドックスと言われている。
【0007】
このように、カルシウム不足に起因して、血液中のカルシウム濃度が低下し、その結果、副甲状腺ホルモンが分泌して細胞内にカルシウムが増えることが原因で引き起こされる疾病はカルシウムパラドックスといわれ、症状として、頭痛、痴呆症、白内障、貧血、高血圧/脳卒中、難聴、低血圧、肩こり、免疫異常、骨粗鬆症、ストレス、動脈硬化/心筋梗塞、胃潰瘍/十二指腸潰瘍、感染症/風邪・肺炎等、ガン、アレルギー/アトピー、腎臓結石、前立腺肥大、爪が弱い、肝炎/肝硬変、神経痛/慢性関節リウマチ、通風などに表れる。
【0008】
細胞内のカルシウムが増加するということは、細胞が病気になったり、老化して行くことを意味するものであり、細胞内のカルシウムが増え続ければ生命を支えている細胞は死んでしまい、もちろん人命そのものの死につながることが明らかである。
【0009】
つまり、約60兆個の細胞から成り立っているといわれる人体にとって、カルシウムは、丈夫な骨を支えるだけでなく、心臓、脳を初めとしてすべてのからだの働きを支えている大切な栄養素であり、不足しないように常に外から補給していかなければならない重要な栄養成分である。
【0010】
このように重要な栄養成分でありながら、われわれの食生活は、近年とみに、加工食品などの横行で、カルシウムの摂取率は十分なものとは言えない状況にある。
食事から摂取するカルシウムが不足すると、単に、身体の中のカルシウムが少なくなるだけでなく、細胞内、血液、骨に一定の割合で蓄えられているカルシウムのバランスが崩れ、前述したように、人体にとって深刻な状況を引き起こすことになる。
【0011】
細胞内:血液:骨に存在するカルシウム量の好ましい比率は、略1:10,000:100,000,000であると言われている。
この比率で存在することにより、細胞内、血液、骨において、カルシウムはそれぞれの働きを正しく行っている。
【0012】
このうち、細胞内におけるカルシウムの働きは、
・細胞内のあらゆる働きを支え、情報を受け取る。
・細胞の分裂、増加、運動、分泌、興奮、代謝のもとになる。
【0013】
血液には、細胞の1万倍のカルシウムが存在し、これによって、
・心臓や脳を動かし、細胞の働きをコントロールし、情報を伝える。
・カルシウムを体内各所に運ぶ。
・血液中のカルシウム濃度を常に一定濃度に保つ。
【0014】
更に、骨に蓄えられているカルシウムは全体の99%であり、
・体を支え、骨を強くする。
・血液中のカルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンが出てきて骨からカルシウムを溶かして不足分を補い血液中のカルシウム濃度を一定に保つ働きを
する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
これらのことからも理解されるように、血液中のカルシウム濃度が一定量から低下しないだけのカルシウムを常に外から補給していれば、副甲状腺ホルモンが分泌されることもなく、したがって、細胞内にカルシウムが増加することもなく、人体のすべての機能が正常に働くことになる。
【0016】
また、最近の研究によると、成人の一日当りのカルシウムの所要量は、800mgであるといわれている。ところが、食品や飲料に含まれるカルシウムは、そのすべてが人体に吸収されるわけではなく、通常、食品や飲料に表示されるカルシウム含量と、実際に人体に吸収されるカルシウムの量は大幅に異なることがわかってきている。したがって、このカルシウムの所要量を、日常の食事から摂取しようとすると、とてつもなく大量のカルシウム含有食品を摂らなければならないことになる。
【0017】
たとえば、カルシウムを高単位で含む飲料として知られている牛乳のカルシウムの含有量は100mg/100ml程度であり、牛乳中に含まれるカルシウムは蛋白質と結合しているため、吸収性がよいとされてはいるものの、人体に対する吸収率は最大でも50%、つまり100ml当たり50mgしか吸収されないことになる。しかも、牛乳中にカルシウムと結合状態で存在する蛋白質は、消化吸収されると、最後に乳酸、酪酸、焦性ブドー酸、硫酸、リン酸を発生するため、前記50mgのカルシウムの大半はこれらの酸を中和するために消費され、結局、牛乳100ml中の人体に吸収されるカルシウム分は精々20mg程度にしかすぎないという報告も見られる。
【0018】
したがって、牛乳だけでカルシウムの所要量を補うことができないのは当然であり、その他の飲食品から、不足分のカルシウムを摂ろうとしても、カルシウム含有食品として知られている煮干し、マイワシ、ひじき、焼きのりなどでさえ、そのカルシウム含有量は、到底前記一日の所要量には遠く及ばず、結局、通常の食事からカルシウムの所要量を摂取することは困難な状況にある。その結果、慢性のカルシウム不足状態になり、その結果、血液中のカルシウム濃度が低下し、それを補うために副甲状腺ホルモンが分泌されることが繰り返され、前述したような各種の疾病を引き起こす原因となっている。
【0019】
このような事態は、我が国ばかりでなく、牛乳の消費量が我が国の3倍ないし5倍といわれているヨーロッパや欧米においてさえ、カルシウム不足によって引き起こされることが明らかな骨粗鬆症が我が国の2倍も発生しているという事実があり、このことからも、牛乳などのカルシウム高含有飲食品を摂取しただけではカルシウム不足を解消することは不可能であることが理解される。
【0020】
さらに、カルシウムの吸収を促進することが知られているビタミンDの場合についてみると、ビタミンDは体内のプロビタミンDから日光照射によって生成される他に、食品からも摂取できるもので、肝臓や腎臓の働きによって、それが活性型ビタミンDとなりカルシウムの腸管からの吸収を助けるものであるが、加齢と共にその機能は著しく低下する。また、合成された活性型ビタミンDを摂取することは副作用が大きく、高カルシウム血症、尿毒症、骨軟化症などを引き起こすことが問題となっている。
【0021】
そこで、本発明の目的は、副甲状腺ホルモンの分泌を抑制し、細胞内へのカルシウムの流入を抑制するカルシウム拮抗剤ならびにその製造方法を提供し、また、これを従来知られたカルシウムに添加することにより、ビタミンDの助けを借りることなく、かつ、運動をしなくても、さらには、日光の助けを借りなくても、人体へのカルシウムの吸収効率を著しく高め、かつ吸収されたカルシウムの体内有効利用率が著しく高いために骨形成に有効な、副作用の全くないカルシウム製剤を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであって、特定の製造方法で得られた植物由来のカルシウム含有物質の焼成物の酸抽出物からなる、副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用を有するカルシウム拮抗剤およびその製造方法を基本発明とするものであり、このカルシウム拮抗剤は従来公知のカルシウムに添加しても用いることが出来る。
【0023】
すなわち、本発明によれば、海草類を焼成し、それを強酸で抽出した水溶液からなることを特徴とする副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用を有するカルシウム拮抗剤が提供される。
【0026】
また、本発明によれば、前記カルシウム吸収利用促進剤の焼成が、減圧ないし真空下に行われたものである上記カルシウム吸収利用促進剤が提供される。
【0028】
また、本発明によれば、前記カルシウム吸収利用促進剤を、カルシウムに添加したことを特徴とする吸収利用促進を高めたカルシウム製剤が提供される。
【0029】
また、本発明によれば、前記カルシウムが、植物または動物由来のカルシウム含有物質の焼成によって得られたものである上記吸収利用促進を高めたカルシウム製剤。
【0030】
また、本発明によれば、前記カルシウム、またはカルシウム吸収利用促進剤を添加したカルシウム製剤が、スプレードライヤによる粒状化によって多孔化された粉末である上記カルシウム製剤が提供される。
【0031】
また、本発明によれば、海草類を焼成した後、これを強酸中に浸漬して抽出することを特徴とするカルシウム拮抗剤の製造方法が提供される。
【0032】
また、本発明によれば、前記焼成後の強酸による抽出物に、前記強酸とほぼ同量の水を添加する上記カルシウム拮抗剤の製造方法が提供される。
【0033】
また、本発明によれば、前記焼成が、300ないし1000℃で減圧ないし真空下で行われるものである上記カルシウム拮抗剤の製造方法が提供される。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の重要な特徴は、海草類を特定の方法によって焼成し、かつ、これを硫酸によって抽出された生成物が、副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用に優れ、その結果、カルシウム拮抗剤として機能することを見いだした点にある。
しかも、かくして得られた本発明のカルシウム拮抗剤は、従来の一般のカルシウム製剤のように、人体への吸収を高めるためにビタミンDの併用を行ったり、日光の助けを借りたりすることなく、ただ服用するだけで、著しく優れたカルシウムの吸収促進を示し、かつ、吸収されたものが体内で有効に利用され、若年者はもとより高齢者であっても、骨形成に極めて有効な結果を示すものである。
【0035】
<カルシウム拮抗剤>
本発明のカルシウム拮抗剤・カルシウム吸収利用促進剤の原料として用いられる海草類の中でも、ひじきが特に優れており、これを焼成した後で、硫酸などの強酸によって抽出するものである。
【0036】
焼成は、通常上記海草類の原料を300ないし1000℃程度の範囲の高温で行うが、この焼成は、減圧ないし真空下に酸素遮断下で行うことが好ましい。焼成時間は、原料の量や種類にもよるが、通常、約1時間程度で十分である。
【0037】
強酸による抽出は、前記焼成物を強酸に約24時間程度浸漬しておけば良く、抽出が完了したら水を加えて水溶液とする。水の量は特に制限されるものではないが、強酸に対して1ないし3倍程度、とくに強酸とほぼ同量程度であることが好ましい。
かくして得られた水溶液を本願明細書においては、Heat Algae Ingredientの頭文字をとって『HAI』の略称で呼ぶ。
【0038】
このHAIは、前述したように、副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用に優れ、その結果カルシウム拮抗剤としての優れた機能を示す。
カルシウム拮抗剤とは、細胞中にカルシウムが流入するのを抑制する働きを持つ剤をいう。
すなわち、前述したように、カルシウム欠乏症により血液中のカルシウム濃度が低下すると、生命維持のメカニズムにより副甲状腺ホルモンが分泌され、骨に蓄えられているカルシウムが溶け出して血液中のカルシウム濃度のバランスをとろうとする働きがなされる。この時に、後述する実施例3からも明らかなように、副甲状腺ホルモンは細胞の中に余分なカルシウムを取り込む作用があり、骨から溶け出したカルシウムは、細胞中へも流入され、細胞中のカルシウムが増加することが知られている。
【0039】
細胞内にカルシウムが増加すると、血管が収縮し動脈硬化を起こすなど、あらゆる細胞に障害が起こり、脳細胞をはじめとしてその他の細胞も死に至らしめることが知られており、これを予防するために、カルシウム拮抗剤の研究が盛んに行われているところである。
しかしながら、現状においてカルシウム拮抗剤としては合成のものがわずかに知られているが、天然素材からのカルシウム拮抗剤は知られていないし、いわんや、天然素材から得られる副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用を有する製剤は知られていない。そして、合成のカルシウム拮抗剤は、合成であるがために副作用を伴う虞はぬぐい去れず、結論として、人体に副作用をもたらさずに優れたカルシウム拮抗作用を持つ製剤はまだ知られていない。
【0040】
この点について、1995年9月に行われた、第17回アメリカ骨代謝学会において、カルシウム補給をしている女性は死亡率が低いという興味深い研究成果が発表されている。
これによると、副甲状腺ホルモンが低い(20単位/デシリットル以下)人は、副甲状腺ホルモンがそれよりも高い人に比べて全体の死亡率が69%低いことを明らかにしている。また、カルシウム補給を受けている人は、カルシウム補給を受けていない人比べて、死亡率が18%低かったこと、さらに、カルシウム補給を受けている人の血中の副甲状腺ホルモンは低く、死亡率も低かったことが明らかにされている。
【0041】
このように、カルシウム欠乏症によって引き起こされる副甲状腺ホルモンの分泌、さらにはそれに伴う細胞内へのカルシウムの流入という悪循環を断ち切るには、まず第1に体内においてカルシウム欠乏症を起こさないようにカルシウムの必要量を十分に摂取することが重要であり、それと同時に副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用を発揮し細胞内にまでカルシウムが流入される事態を防止することのできるカルシウム拮抗作用が不可決のものである。
【0042】
本発明のHAIは、原料のすべてが植物起源のものであり、その焼成・ならびに強酸による抽出によって生成されるものであるから、人体に対する副作用が全くなく副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用があり、これによって細胞内へのカルシウムの流入を抑制するカルシウム拮抗剤として優れた働きをすることになる。
また、本発明の上記HAIは、これをカルシウム製剤に添加した時には、人体へのカルシウムの吸収を著しく促進する作用を示す。
【0043】
このように、本発明のHAIは、人間の生命維持に必要な二つの働き、すなわち、副甲状腺ホルモンの分泌を抑制することによって細胞中へのカルシウムの流入を抑制し、これをカルシウム製剤に添加した時には、カルシウムの人体への吸収を著しく促進する、という働きをするものであり、しかも、これによって体内に吸収されたカルシウムは、骨形成に著しく優れた成果を示すことになる。
もちろん、HAIをカルシウムに添加したカルシウム製剤は、吸収性が著しく優れていると共に、カルシウム拮抗剤としての作用を併せ持つものであることは言うまでもない。
【0044】
<カルシウム製剤>
HAIを添加するカルシウムとしては、従来から市販されているカルシウムがなんら制限なく使用されるが、とくに、本発明者らによって提案された、植物または動物由来のカルシウム含有物質の焼成物がより好ましい(特開平5−161480号公報の実施例参照)。
【0045】
<多孔性カルシウム拮抗剤>
スプレードライによる粒状化は、前記カルシウム拮抗剤、またはこれにHAIを添加したものを発酵乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸などの有機酸、および該有機酸を含有する液体に溶解した後、スプレードライヤによる顆粒化によって水分のみを蒸発させることによって行われる。
【0046】
また、有機酸含有液体としては、パパイヤなどの果物の搾汁、つまり、果汁が用いられ、とくに、カルシウムの溶解度ならびに生成顆粒の味感の点で、乳酸を主成分とするパパイヤの皮部を含んだ搾汁が最も好ましく使用される。
【0047】
<カルシウム溶解液の粉末化>
カルシウムは、有機酸の種類によって溶解度が異なるが、溶解度の如何にかかわらず均一な溶液状態を形成していれば、これから水分のみを蒸発させることによって、カルシウムと有機酸成分とが結合した状態の水溶性の粉末とすることができる。
本発明において生成した水溶性カルシウム粉末は、スプレードライヤあるいは流動層造粒によって粒状化することが好ましい。スプレードライヤによる方法は、水分のみを蒸発させる工程において不快味や不快臭の成分も同時に飛ばされ、まろやかな味の顆粒状製剤となるばかりでなく、イオン化しやすい性状となることから、体内での吸収利用率を一層高めることができる。
【0048】
スプレードライヤは、サイクロン状の装置の上方から前記カルシウム溶解液を霧状に流下させ、上方側面及び下方側面から吹き込まれる熱風によって水分のみを蒸発させ、カルシウムと有機酸成分のみを瞬時に顆粒状にする方式であり、その中間において、必要に応じて、デキストリン、カルボキシメチルセルロースなどのバインダー、またはアスコルビン酸や果糖などを随時注加させてもよい。
【0049】
バインダーの注加は、生成物の粒径をより大きくする上で効果的であり、注加する量も目的とする生成物の粒径に合わせて適宜変更することができる。
ちなみに、バインダーを注加しない場合の生成物の粒径は、0.005mmないし0.02mm程度であり、これより大粒径のものを得たい場合に、前記バインダーを注加させてやることによって、0.01mmないし2mm程度の粒径を有する生成物が得られる。
【0050】
なお、有機酸溶液としてパパイヤの果汁を用いたカルシウム溶解液は、果汁に含まれる糖分が適度のバインダーとして機能し、やや大きな粒径を有し、表面が多孔性で、ほぼ球形状の顆粒状の粉末を形成することができる。
スプレードライヤによって粒状化した有機酸含有のカルシウム製剤は、形状がほぼ球形状の顆粒で、多孔性構造を有することが重要な特徴であり、この構造が、水に対して速やかに、優れた溶解性を示す要因になる。
【0051】
流動層造粒による方法は、上記カルシウム粉末、発酵乳酸およびデキストリンとを流動層造粒機(例えば、フローコーター300型)に投入し、流動層内でエアーミキシングで混合し、温水を噴霧液として、噴霧しながら造粒するものである。造粒後、乾燥・冷却して篩で篩過することによって多孔性顆粒粉末が得られる。この粉末はさわやかな酸味を有し、水に対して素早く溶解し透明溶液を形成するので、とくに、クッキング用のカルシウム製剤として好適である。
【0052】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、実施例は、本発明の好適な態様を示すためのものであり、これに限定されるものではない。
【0053】
参考例1
<カルシウム拮抗剤・カルシウム吸収利用促進剤の調製>
乾燥したひじき1kgを、加熱装置を備えた真空炉のトレー状に載置し、真空条件2×10-2TORRで、750℃で約1時間焼成した。得られた焼成物を、2.6リットルの濃硫酸中に浸漬し、24時間酸による抽出を行った。得られた抽出物をろ過して、約2.6リットル水を加え、約5リットルの生成物を得た。
これをHAI液という。
【0054】
参考例2
<カルシウム製剤の調製>
牡蠣殻を十分に洗浄し、黒い部分を取り除いた後、粉砕機で5cm×5cm程度の大きさに砕いた。次に、50cm×50cm×5cmの大きさのチタントレーに前記粉砕した牡蠣殻約8kgをのせ、電気炉で950℃で1時間焼成した。焼成後の牡蠣殻をコロイドミルで粉砕し、平均粒径が約200メッシュの酸化カルシウムの白色粉末を得た。これをカルシウム粉末Aという。
【0055】
参考例3
<スプレードライヤによる粒状化>
参考例2で得られたカルシウム粉末A100重量部とパパイヤ果汁(皮の部分を同時に搾汁したもの)900重量部とを常温にて混和し、次第に上温させていったところ、70℃近辺で完全に溶解した。このカルシウム溶解液を75±5℃に保温してろ過し、ろ液をスプレードライヤに供給して粒状化し、平均粒径約7μの多孔性で球形状顆粒粉末を得た。
この粉末は、口当たりのさわやかな酸味を有しており、水100ccに対して3000mgまでは素早く溶解し、透明な溶液を形成した。
【0056】
<実施例1>
カルシウム粉末A500gに,HAI液1gを添加したものを上記と同様にスプレードライヤにより、粒状化した。これを「試料」とする。
得られた試料を、平均年齢82才の高齢者(3人)に900mg/1日の割合で12か月(96才の方にはさらに12か月)投与を続け、骨量の変化を測定し、その結果を図1に示した。
この結果から、上記試料がカルシウムの吸収を促進し、その結果として骨量の著しい増加をもたらすことが確認された。
【0057】
<実施例2>
実施例1と同様にして、試料900mg/1日を18か月投与した平均年齢82才の高齢者(第1群)のプラズマによるPTHレベル(pg/ml/PTH)を測定した。
なお、比較として、第2群の入院患者3人(平均年齢81才)に炭酸カルシウム900mg/1日を、第3群の入院患者3人(平均年齢84才)にプラセボ(カルシウム約600mg/1日に相当する食事)を投与し、それぞれ18か月後のプラズマによるPTHレベル(pg/ml/PTH)を測定した。
結果を図2に併せて示した。
この結果から、上記試料を投与した第1群は、第2群および第3群に比べて、PTH(副甲状腺ホルモン)の分泌抑制効果が優れていることが確認された。
【0058】
<実施例3>
実施例1によって得られた試料25mgを、副甲状腺を摘去したラットに経口投与し、1時間後、および2時間後の腸管カルシウム吸収効果を試験した。
なお、比較として、参考例2で得られた焼成牡蠣殻カルシウムのみを経口投与したもの、および何も投与しなかったものについて、同様に試験した。
結果を図3に示した。
【0059】
<実施例4>
参考例1で得られたHAI液において、HAIの濃度を1/100、1/1,000,1/3,000,1/5,000としたもの、およびコントロールについて、下記の方法によりカルシウム拮抗作用を試験し、結果を図4ないし図8に示した。
本試験では、培養された海馬培養細胞に50mMの等張KCl液を適用することによって電位依存性カルシウムチャンネルを開口させた場合に生ずる細胞内のカルシウム濃度の激しい上昇に対してHAI液がどのような作用を及ぼすかを検討した。
【0060】
本試験は、それぞれ10個の細胞について行ったが、ほとんどが同じような変化を示しており、図には、そのなかの7例のチャートを示した。
【0061】
図4は、コントロールの試験結果を示すものであり、KClの30秒間適用を10分間隔で2回行い、その結果を示している。この2回目の反応をHAI適用後のコントロール反応とした。
【0062】
図5は、HAI液1/100希釈液を第1回目のKCl適用と第2回目の適用の間で細胞に与えておく、HAI液1/100希釈液存在下で、2回目のKClを適用する。2回目のKClによるカルシウム濃度の上昇はほとんど抑制されている。合計10個の細胞での平均反応は、コントロールの25%程度であった。
【0063】
図6は、HAI液1/1000希釈液を第1回目のKCl適用と第2回目の適用の間で細胞に与えておく、HAI液1/1000希釈液存在下で、2回目のKClを適用する。2回目のKClによるカルシウム濃度の上昇は強く抑制されている。合計10個の細胞での平均反応は、コントロールの29%程度であった。
【0064】
図7は、HAI液1/3000希釈液を第1回目のKCl適用と第2回目の適用の間で細胞に与えておく、HAI液1/3000希釈液存在下で2回目のKClを適用する。2回目のKClによるカルシウム濃度の上昇はかなり抑制されている。合計10個の細胞での平均反応は、コントロールの57%程度であった。
【0065】
図8は、HAI液1/5000希釈液を第1回目のKCl適用と第2回目の適用の間で細胞に与えておく、HAI液1/5000希釈液存在下で2回目のKClを適用する。2回目のKClによるカルシウム濃度の上昇はかなり抑制されている。合計10個の細胞での平均反応は、コントロールの82%程度であった。
【0066】
以上の各実施例の結果から、HAIは海馬培養細胞の脱分極時のカルシウム流入を非常に強力に抑制していることが理解される。
この事実は、HAIが腸管でのカルシウムの吸収を促進すると共に、脳においては、危険な細胞内への過剰なカルシウム流入を抑制することを意味するものである。したがって、これらの結果は、HAIが、副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用によってカルシウムパラドックスに起因する細胞内カルシウムの上昇を予防することを明瞭に裏付けている。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、副甲状腺ホルモンの分泌抑制作用の著しく優れ、さらに細胞へのカルシウムの流入を抑制するカルシウム拮抗剤が提供される。また、更にこれをカルシウムに添加した時には、カルシウムの吸収利用促進が著しく改善することができる。
つまり、本願発明によって提供されるHAIは、副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用が優れていることから、生命維持のメカニズムにおいて極めて重要な、細胞内へカルシウムの流入を抑制するカルシウム拮抗剤としての作用を有し、かつ、これを従来のカルシウムに添加したものは、カルシウムの吸収が著しく向上するだけでなく、高齢者においても骨量の増加が明瞭に認められるカルシウム製剤を提供することができ、いずれにしても、生命維持に不可決な人体におけるカルシウムのコントロールを司る働きをする。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による骨量の変化を示すものである。
【図2】実施例2によるPTHの分泌抑制効果を示すものである。
【図3】実施例3における副甲状腺撤去ラットにおけるカルシウムの腸管吸収効果を試験した結果を示すグラフである。
【図4】HAIを用いないでラットの海馬培養細胞を用いた細胞内へのカルシウムの流入状態を表すグラフである。
【図5】HAIの1/100液を用いてカルシウム拮抗剤作用を示すためのラットの海馬培養細胞を用いた細胞内へのカルシウムの流入状態を表すグラフである。
【図6】HAIの1/1000液を用いてカルシウム拮抗剤作用を示すためのラットの海馬培養細胞を用いた細胞内へのカルシウムの流入状態を表すグラフである。
【図7】HAIの1/3000液を用いてカルシウム拮抗剤作用を示すためのラットの海馬培養細胞を用いた細胞内へのカルシウムの流入状態を表すグラフである。
【図8】HAIの1/5000液を用いてカルシウム拮抗剤作用を示すためのラットの海馬培養細胞を用いた細胞内へのカルシウムの流入状態を表すグラフである。
Claims (4)
- 海草類を焼成し、それを強酸で抽出した水溶液からなることを特徴とする副甲状腺ホルモンの分泌を抑制する作用を有するカルシウム拮抗剤。
- 海草類を焼成した後、これを強酸中に浸漬して抽出することを特徴とするカルシウム拮抗剤の製造方法。
- 前記焼成後の硫酸による抽出物に、前記硫酸とほぼ同量の水を添加する請求項2記載のカルシウム拮抗剤の製造方法。
- 前記焼成が、300ないし1000℃で減圧ないし真空下で行われるものである請求項2または3記載のカルシウム拮抗剤の製造方法。
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