JP4001656B2 - 磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録再生装置に係り、特にベース部材に塗布される磁気記録層が薄い磁気記録媒体に磁気情報を記録再生する磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、透明な磁気記録層が塗布された写真フイルムを使用し、撮影時に撮影日時や撮影情報等を磁気ヘッドにより書き込み或いはここから情報を読み出すことができるカメラが提案されている。
この写真フイルムが現像された後、写真フイルムの磁気記録層に記録された情報は、コマ画像をイメージセンサによって撮影してTVモニタに再生するときの情報として利用され、或いは印画紙にコマ画像を焼き付けるときの情報として利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記写真フイルムの磁気記録層は薄いため、十分な再生出力を得るためには再生ヘッドのコイルの巻数を多くし、また再生ヘッドからの出力信号を信号処理が可能なレベルまで増幅する高ゲインの増幅回路が必須であった。
しかしながら、この場合には、再生ヘッドが高感度になり過ぎてしまい、磁場に対して敏感になり、例えば機器内部で使用されるモータやトランス、又はTVモニタ、携帯電話、圧電ブザー等の磁気を発生する機器の影響を受けてしまい、正確な磁気情報の読み取りができなくなるという問題がある。
【0004】
外部ノイズの方向性が決まっている場合には、その方向からの外部ノイズを遮断する磁気シールド等を施すとか、外部ノイズの周波数が決まっている場合には、その周波数成分をカットするフィルタリングするなどの手段を講じることができる。しかし、部材費、工数がかかりコストアップとなる割りには、十分な効果が期待できず、また、外部ノイズの進入経路が特定できない場合には再生ヘッドの全周をシールドすることは物理的に不可能であるため、完全なノイズ対策をとることは望めなかった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、再生ヘッドに飛び込む外部ノイズを簡易な構成で除去することができる磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、磁気記録媒体に磁気情報を記録するとともに、該磁気記録媒体に記録された磁気情報を再生する磁気記録再生装置において、前記磁気記録媒体の磁性面に当接する再生ヘッドと、前記磁気記録媒体の磁性面と接触し又は非接触となる記録ヘッドであって、前記再生ヘッドの近傍に配設され、外部ノイズに対して前記再生ヘッドと略同一のノイズ指向性を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに接続され、該記録ヘッドに磁気記録信号を出力する記録回路と、前記記録ヘッドに接続され、該記録ヘッドに加えられる外部ノイズに対応するノイズ信号を検出するノイズ検出回路と、前記磁気記録媒体に記録された磁気情報の再生時に、前記記録ヘッドが該磁気記録媒体の磁性面と接触しないようにするとともに、前記記録ヘッドを前記ノイズ検出回路に接続する手段と、前記再生ヘッドを介して得られた再生信号から前記ノイズ検出回路を介して得られたノイズ信号を減算する減算手段とを備え、再生回路のS/Nを劣化させることなく前記再生信号に含まれる外部ノイズ成分のみを除去するようにしている。
【0007】
即ち、前記ノイズ検出回路は、再生ヘッドによって検出される再生信号のうちのノイズ成分のみを検出することができ、前記再生ヘッドを介して得られた再生信号から前記ノイズ検出回路を介して得られたノイズ信号を減算することにより、ノイズ成分が含まれない良好な再生信号を得るようにしている。
また、この発明によれば、再生ヘッドの近傍に配設された記録ヘッドをノイズ検出用に兼用することにより、安価な構成とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係る磁気記録再生装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は本発明に係る磁気記録再生装置が適用されたフイルムスキャナを示す概略構成図である。同図に示すように、このフイルムスキャナは、主として照明用の蛍光灯10と、撮影レンズ12と、CCDラインセンサ14と、図示しない画像メモリ等を含む画像処理装置16と、記録ヘッド18、再生ヘッド20を含む磁気記録再生装置と、モータ22、キャプスタン24を含むフイルム搬送装置等から構成されている。尚、50は、フイルム駆動メカ等を内蔵する筐体である。
【0009】
このフイルムスキャナに使用される現像済みの写真フイルム30は、例えば、図2に示すように各コマ毎にパーフォレーション30Aが穿設されており、単一のスプール32Aを有するフイルムカートリッジ32内に全て巻き取ることができるようになっている。また、フイルム30には、薄い(透明な)磁気記録層がフイルム全面にコーティングされており、各コマに対応した磁気トラック30Bに各コマ毎の磁気情報が記録できるようになっている。
【0010】
図1において、蛍光灯10は、その長手方向がフイルム30の搬送方向と直交するように配設され、フイルム30の全幅にわたって照明できるようになっている。フイルム30を透過した透過光は、撮影レンズ12を介してフイルム搬送方向と直交する方向に配設されたCCDラインセンサ14の受光面に結像される。 このCCDラインセンサ14の受光面に結像された画像光は、R,G,Bフィルタが設けられた各センサで電荷蓄積され、光の強さに応じた量のR,G,Bの信号電荷に変換される。このようにして蓄積されたR,G,Bの信号電荷は、図示しないCCD駆動回路から加えられる転送ゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって順次読み出される。
【0011】
コマ画像の読取り時にCCDラインセンサ14から読み出される1コマ分のR,G,B信号は、画像処理装置16に出力される。画像処理装置は、入力する1コマ分のR,G,B信号を図示しないA/Dコンバータによってデジタル信号に変換し、所要の信号処理をしたのち画像メモリに記憶する。この画像メモリに記憶された1コマ分のR,G,B信号は、繰り返し読み出され、D/Aコンバータによってアナログ信号に変換されたのち、エンコーダでNTSC方式の複合映像信号に変換されてTVモニタ17に出力される。これにより、TVモニタ17によってコマ画像を見ることができるようになる。
【0012】
また、フイルム搬送装置は、主としてフイルムカートリッジ32が装着されるフイルム供給部と、このフイルム供給部から供給されるフイルム30を巻き取る巻取リール40を有するフイルム巻取部と、フイルム供給部、フイルム巻取部間においてフイルム30を案内する図示しないフイルムガイド部と、フイルムガイド部に配設されているキャプスタン24及びピンチローラ25とから構成されている。
【0013】
フイルム巻取部の巻取リール40内には、正逆転可能なモータ22が配設されており、このモータ22からギア列、動力切替え手段を介してそれぞれ巻取リール40、キャプスタン24及びフイルムカートリッジ32のスプール32Aと嵌合するリール台に駆動力が伝達できるようになっている。
即ち、フイルムカートリッジ32からフイルム30を送り出す場合には、フイルムカートリッジ32のスプール及びキャプスタン24を図1上で反時計回り方向に回転させる。フイルムカートリッジ32のスプールが反時計回りに回転させられると、フイルムカートリッジ32内において巻き緩みの現象が生じてフイルムカートリッジ32からフイルム30が送り出されてくる。
【0014】
フイルム30がキャプスタン24の位置に達すると、その後はフイルム搬送の主体はキャプスタン24に移行する。そして、フイルムカートリッジ32のスプールに伝達されていた駆動力を切り離し、巻取リール40を図1上で反時計回り方向に回転させる。巻取リール40は、キャプスタン25から送られてくるフイルム30を摩擦力によって巻き取る。このようにしてフイルム30をフイルムカートリッジ32から巻取リール40に向かって(順方向に)搬送することができる。同様にして、フイルム巻戻し時には、フイルムカートリッジ32のスプール及びキャプスタン24を図1上で時計回り方向に回転させることにより、フイルム30を巻取リール40からフイルムカートリッジ32に向かって(逆方向に)搬送することができる。
【0015】
さて、フイルム搬送装置は、フイルムローディング時にはコマ画像の撮影条件やフイルム30の磁気トラック30Bから磁気情報を読み取るために、全コマ分のフイルム30を順方向に搬送し、また、フイルムカートリッジ32のイジェクト時には、磁気情報を磁気トラック30Bに記録するために、全コマ分のフイルム30を逆方向に搬送する。そして、磁気記録再生装置は、前記フイルムローディング時に再生ヘッド20を介して磁気トラック30Bから磁気情報を読み取り、また、イジェクト時に記録ヘッド18を介して磁気情報を磁気トラック30Bに記録する。尚、磁気情報としては、カメラによって記録される撮影日/時刻、ハイビジョン画像、パノラマ画像及び通常画像のいずれかを示すプリントフォーマット等が考えられるが、その他、カメラによって多種類の情報が磁気情報として記録される。また、このフイルムスキャナによってプリント注文情報(焼増しコマ、プリント枚数、トリミング情報等)や、フイルム自動再生情報が磁気情報として記録される。
【0016】
次に、磁気情報を再生する際にS/Nのよい磁気再生を実現するための構成について説明する。
図3は本発明に係る磁気記録再生装置の実施の形態を示すブロック図である。 同図に示すように、磁気記録再生装置は、主として記録ヘッド18、再生ヘッド20、ヘッド進退機構60、切換えスイッチ62、減算器68、記録回路70、及び再生回路72から構成されている。尚、80は、この磁気記録再生装置を含み前述したフイルムスキャナを統括制御する中央処理装置(CPU)である。
【0017】
ヘッド進退機構60は、CPU80からの指令に基づいて記録ヘッド18を進退させるもので、記録時には記録ヘッド18をフイルム30の磁性面に当接させ、再生時には記録ヘッド18をフイルム30の磁性面から退避させる。また、切換えスイッチ62は、CPU80からの指令に基づいて記録ヘッド18を記録回路70又はノイズ検出回路に切り換え接続するもので、記録時には記録ヘッド18を記録回路70に接続し、再生時には記録ヘッド18をノイズ検出回路に接続する。
【0018】
上記ノイズ検出回路は、切換えスイッチ62を介して記録ヘッド18と接続されて回路が閉じる閉回路と、この閉回路に生じる誘導起電力を増幅する前置増幅器66とから構成されており、外部ノイズを示すノイズ信号bを減算器68の一方の入力に加える。減算器68の他の入力には、再生ヘッド20及び前置増幅器64を介して得られた再生信号aが加えられており、減算器68は外部ノイズの成分を含む再生信号aから前記ノイズ信号bを減算し、その減算結果を示す信号cを再生回路72に出力する。
【0019】
記録回路70は、記録時にCPU80から加えられる磁気データを磁気記録に適した記録信号に変換し、再生回路72は減算器68から加えられる信号cを磁気データに変換する。尚、上記記録信号は、例えば一定周期のクロックパルスと、このクロックパルスと逆極性のデータパルスであって、“0”又は“1”の記録データに応じて前記クロックパルスの1周期のうちの前半又は後半のタイミングで発生されるデータパルスとから構成されている。
【0020】
次に、上記構成の磁気記録再生装置の再生時の作用について説明する。
再生時には、ヘッド進退機構60により記録ヘッド18をフイルム30の磁性面から退避させるとともに、切換えスイッチ62により記録ヘッド18をノイズ検出回路側(図3に示す接点PB側)に接続する。
再生時に再生ヘッド20及び前置増幅器64を介して得られた再生信号a(前置増幅器64の出力a)は、図4(A)に示すような信号波形となる。尚、この実施の形態では、TVモニタからの外部ノイズ(TV水平同期信号)で変調された再生信号の波形を示している。
【0021】
一方、再生時に記録ヘッド18及び前置増幅器66を介して得られたノイズ信号b(前置増幅器64の出力b)は、図4(B)に示すように上記TV水平同期信号のみに対応する信号波形となる。
そして、減算器68によってノイズ成分を含む再生信号aからノイズ信号bを減算することにより、図4(C)に示すようにノイズが除去された再生信号が得られる。これにより、再生回路72は、磁気データを読み誤ることなく再現することができる。
【0022】
尚、記録ヘッド18と再生ヘッド20とは、図1に示すように隣接した配置されており、かつ両者はコアの形状、コアのギャップの向き、巻線の方向等が一致しており、外部ノイズに対して略同一のノイズ指向性を有している。また、前置増幅器64、66のゲインは、ノイズレベルが一致するように調整されているが、記録ヘッドは、再生ヘッドのようにシールド効果をもったパーマロイ等のケース材を使用しておらず、外部ノイズを拾いやすくなっており、これにより前置増幅器66の負担を軽くし、演算時に再生回路のS/N劣化が生じないようにしている。更に、再生ヘッド20を介して得られる再生信号に重畳されるノイズ信号と、記録ヘッド18を介して得られるノイズ信号とは略同位相であるが、両者の位相を一致させるように位相調整する方が望ましい。
【0023】
また、この実施の形態では、フイルムスキャナに使用される写真フイルムの磁気記録再生装置について説明したが、本発明はカメラに使用される写真フイルムの磁気記録再生装置にも適用できる。更にまた、磁気記録媒体は磁気記録層が塗布された写真フイルムに限らず、他の磁気メディアでもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、再生時に再生ヘッドに飛び込む外部ノイズを示すノイズ信号を、記録ヘッドを用いて検出し、再生ヘッドを介して得られる再生信号から前記検出したノイズ信号を減算するようにしたため、再生信号から良好にノイズ信号を除去することができる。これにより、再生ヘッドやノイズ発生源等の磁気シールドが不要となるとともに、回路も調整等を必要としないため、安価で確実にS/Nのよい磁気再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る磁気記録再生装置が適用されたフイルムスキャナを示す概略構成図である。
【図2】 図2は図1に示したフイルムスキャナに適用されるフイルムカートリッジの一例を示す図である。
【図3】 図3は本発明に係る磁気記録再生装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】 図4は図2に示した磁気記録再生装置の各部の信号波形図である。
【符号の説明】
18…記録ヘッド
20…再生ヘッド
30…フイルム
30B…磁気トラック
60…ヘッド進退機構
62…切換えスイッチ
64、66…前置増幅器
68…減算器
70…記録回路
72…再生回路
80…中央処理装置(CPU)
Claims (4)
- 磁気記録媒体に磁気情報を記録するとともに、該磁気記録媒体に記録された磁気情報を再生する磁気記録再生装置において、
前記磁気記録媒体の磁性面に当接する再生ヘッドと、
前記磁気記録媒体の磁性面と接触し又は非接触となる記録ヘッドであって、前記再生ヘッドの近傍に配設され、外部ノイズに対して前記再生ヘッドと略同一のノイズ指向性を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに接続され、該記録ヘッドに磁気記録信号を出力する記録回路と、
前記記録ヘッドに接続され、該記録ヘッドに加えられる外部ノイズに対応するノイズ信号を検出するノイズ検出回路と、
前記磁気記録媒体に記録された磁気情報の再生時に、前記記録ヘッドが該磁気記録媒体の磁性面と接触しないようにするとともに、前記記録ヘッドを前記ノイズ検出回路に接続する手段と、
前記再生ヘッドを介して得られた再生信号から前記ノイズ検出回路を介して得られたノイズ信号を減算する減算手段と、を備え、
前記再生信号に含まれるノイズ成分を除去するようにしたことを特徴とする磁気記録再生装置。 - 前記再生ヘッドは磁気シールドされ、前記記録ヘッドは磁気シールドされていない請求項1の磁気記録再生装置。
- 前記減算手段の前段に、前記再生ヘッドを介して得られる再生信号中に含まれるノイズ信号のレベルと、前記記録ヘッドを介して得られたノイズ信号のレベルとを一致させる増幅器を備えたことを特徴とする請求項2の磁気記録再生装置。
- 前記磁気記録媒体は、透明な磁気記録層が塗布された写真フイルムである請求項1の磁気記録再生装置。
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JP07005197A JP4001656B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 磁気記録再生装置 |
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JP07005197A Expired - Fee Related JP4001656B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 磁気記録再生装置 |
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- 1997-03-24 JP JP07005197A patent/JP4001656B2/ja not_active Expired - Fee Related
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