JP4001069B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、ポンプなどの液圧発生手段によってアキュムレータなどの蓄圧装置に蓄圧された作動液圧によって制動力を増大させる車両用制動装置に係り、特に、装置起動後、アキュムレータ圧が一度でも十分に高い状態を経験するまでは、高圧のポンプ駆動を行わないように構成された車両用制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポンプなどの液圧発生手段によってアキュムレータなどの蓄圧装置に蓄圧された作動液圧によって制動力を増大させる車両用制動制御装置が周知である。
【0003】
このような制動制御装置においてアキュムレータ圧が低下すると十分な制動力を発揮できないことから、アキュムレータ圧が所定の下限に達するとポンプを駆動してアキュムレータに作動液圧を供給する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、低車速時には比較的低いアキュムレータ圧で十分な制動力が得られるとの見地から、アキュムレータへ作動液圧を供給するポンプの回転を低車速時には低回転とする装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−39280号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平8−127331号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の従来装置のように、アキュムレータ圧のみをパラメータとしてポンプの駆動制御を行うと、ブレーキ操作によってはポンプが高圧駆動される頻度が高くなる場合も生じる。騒音・振動、エネルギ消費、及び装置耐久性などの観点から、装置作動量の増加を伴う高圧駆動の頻度は低い方が好ましい。騒音については、特に低車速時に問題となる。
【0008】
この点については、アキュムレータ圧に加えて車速をパラメータとし、低車速時にはポンプを低圧駆動させ、高圧駆動の頻度の低減を図る上記特許文献2記載の従来装置によって解決される。
【0009】
しかしながら、上記特許文献2記載の従来装置のように、アキュムレータ圧と車速とをパラメータとしてポンプの駆動制御を行うと、装置起動時にはアキュムレータ圧が下がっている場合が多いため、装置起動後にアキュムレータ圧がまだ十分に高まっていない時点で高い車速が出されるとポンプが高圧駆動されてしまう。すなわち、装置が起動される度に高圧駆動となる可能性が生じる。これは、上記特許文献1記載の従来装置と同様に、騒音・振動、エネルギ消費、及び装置耐久性などの点から、低減されることが好ましい。
【0010】
本発明は、装置起動時にアキュムレータ圧が低下していることは通常想定される正常な範囲内の現象であり、これにその都度対応してポンプを高圧駆動させることは必ずしも必要ではない、という見地に基づき、装置起動時の高圧駆動を低減して、ポンプが高圧駆動される頻度の更なる低減を図るものであり、装置起動後、アキュムレータ圧が一度でも十分に高い状態を経験するまでは、高圧のポンプ駆動を行わないように構成された車両用制動装置を提供することを主たる目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第一の態様は、ポンプなどの液圧発生手段によって作動(ブレーキフルー)をアキュムレータなどの蓄圧装置に蓄圧し、蓄圧された作動によって制動力を増大させる車両用制動制御装置において、上記液圧発生手段は、上記蓄圧装置の圧力(アキュムレータ圧)履歴に関する第一の所定条件が成立し、且つ、上記蓄圧装置内の圧力(アキュムレータ圧)と車速とに関する第二の所定の条件が成立したときに、上記蓄圧装置への作動液供給量を増加するように構成されるとともに、上記第一の所定条件が成立しないとき、又は、上記第二の所定条件が成立しないときには、上記蓄圧装置への作動液供給量を増加しないように構成され、上記第一の所定条件は、起動時に上記蓄圧装置内の圧力が第一の所定値未満の値であって、且つ、起動後に上記蓄圧装置内の圧力が上昇して上記第一の所定値以上の値となった経験があるときに成立し、上記第二の所定条件は、上記蓄圧装置内の圧力が第二の所定値以下であって、且つ、車速が0より大きい場合に成立する、車両用制動制御装置である。
【0012】
この第一の態様において、上記第一の所定条件は、起動時に上記蓄圧装置内の圧力が上記第一の所定値以上の値であるとき、又は、起動時の上記蓄圧装置内の圧力は上記第一の所定値未満であったものの、起動後に上記蓄圧装置内の圧力が上記第一の所定値以上の値にまで一度も上昇したことがないとき、に不成立となる。
【0013】
また、この第一の態様において、上記第二の所定条件は、上記蓄圧装置内の圧力が第二の所定値を越えた値であるとき、又は、車速が0のとき、に不成立となる。
【0014】
この第一の態様によれば、装置起動時に所定の圧力(上記第一の所定値)よりも低かった蓄圧装置内の圧力(アキュムレータ圧)が、装置起動後に一度でも当該所定の圧力(上記第一の所定値)以上となることを経験するまでは、たとえ蓄圧装置内圧力が所定値(上記第二の所定値)以下となり、且つ、車速が0より大きくても、液圧発生手段が蓄圧装置への作動液供給量を増加させないため、装置起動直後の、騒音・振動の発生、比較的多くのエネルギ消費、及び、比較的大きい装置負荷の発生、を防ぐことができる。
【0015】
なお、上記第一の態様において、例えばアンチスキッド(ABS)制御などの比較的早い周期でアキュムレータ圧の増減が繰り返される所定の制動制御が実行されている場合、その頻繁なアキュムレータ圧増減によってブレーキフルードの消費量が増えるのに対応するため、上記第一の所定条件又は上記第二の所定条件が成立しないときであっても、液圧発生手段が蓄圧装置への作動液供給量を増加するように構成されてもよい。ただし、この場合であっても、車速が0のときには蓄圧装置への作動液供給量を増加しないことが好ましい。
【0016】
上記目的を達成するための本発明の第二の態様は、ポンプなどの液圧発生手段によって作動(ブレーキフルー)をアキュムレータなどの蓄圧装置に蓄圧し、蓄圧された作動によって制動力を増大させる車両用制動制御装置において、上記液圧発生手段は、上記蓄圧装置に作動を択一的に蓄圧する第一の液圧発生部と第二の液圧発生部とを有し、上記第一の液圧発生部の吐出量は、上記第二の液圧発生部の吐出量よりく、上記液圧発生手段は、上記蓄圧装置の圧力(アキュムレータ圧)履歴に関する第一の所定条件が成立し、且つ、上記蓄圧装置内の圧力(アキュムレータ圧)と車速とに関する第二の所定の条件が成立した場合には上記第一の液圧発生部によって上記第一の所定条件が成立しない場合、又は、上記第二の所定条件が成立しない場合には上記第二の液圧発生部によって、上記蓄圧装置に作動液が蓄圧されるように構成され、上記第一の所定条件は、起動時に前記蓄圧装置内の圧力が第一の所定値未満の値であって、且つ、起動後に上記蓄圧装置内の圧力が上昇して上記第一の所定値以上の値となった経験があるときに成立し、上記第二の所定条件は、上記蓄圧装置内の圧力が第二の所定値以下であって、且つ、車速が0より大きい場合に成立する、車両用制動制御装置である。
【0017】
この第二の態様において、上記第一の所定条件は、起動時に上記蓄圧装置内の圧力が上記第一の所定値以上の値であるとき、又は、起動時の上記蓄圧装置内の圧力は上記第一の所定値未満であったものの、起動後に上記蓄圧装置内の圧力が上記第一の所定値以上の値にまで一度も上昇したことがないとき、に不成立となる。
また、この第一の態様において、上記第二の所定条件は、上記蓄圧装置内の圧力が第二の所定値を越えた値であるとき、又は、車速が0のとき、に不成立となる。
【0018】
この第二の態様によれば、装置起動時に所定の圧力(上記第一の所定値)よりも低かった蓄圧装置内の圧力(アキュムレータ圧)が、装置起動後に一度でも当該所定の圧力(上記第一の所定値)以上となることを経験するまでは、たとえ蓄圧装置内圧力が所定値(上記第二の所定値)以下となり、且つ、車速が0より大きくても、吐出量が低い方の液圧発生部(第二の液圧発生部)を用いるため、装置起動時に吐出量の高い方の液圧発生部(第一の液圧発生部)が用いられることによる、騒音・振動の発生、比較的多くのエネルギ消費、及び、比較的大きい装置負荷の発生、を防ぐことができる。
【0019】
なお、上記第二の態様において、例えばアンチスキッド(ABS)制御などの比較的早い周期でアキュムレータ圧の増減が繰り返される所定の制動制御が実行されている場合、その頻繁なアキュムレータ圧増減によってブレーキフルードの消費量が増えるのに対応するため、上記第一の所定条件又は上記第二の所定条件が成立しないときであっても、吐出量が高い方の液圧発生部(第一の液圧発生部)を用いるように構成されてもよい。ただし、この場合であっても、車速が0のときには吐出量が低い方の液圧発生部(第二の液圧発生部)を用いることが好ましい。
【0020】
また、上記第一及び第二の態様において、アキュムレータ圧に関する上記第一及び第二の所定値は、同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明に係る制動制御装置は、そのポンプ駆動制御及び関連する構成に特徴があり、それ以外のハードウェア構成については従来のものと特段の相違はない。したがって、当業者には既知の構成・機能については便宜上詳しい説明を省略する。
【0022】
(実施の形態1)
まず、図1及び2を用いて、本発明の実施の形態1に係る車両用制動制御装置及びそのポンプ駆動制御について説明する。図1は、本実施形態に係る車両用制動制御装置100の概略構成を示す。なお、図1では便宜上一輪についてのみ示している。
【0023】
制動制御装置100は、運転者によって操作されるブレーキペダル101と、そのストローク量(踏み込み量)を検出するストロークセンサ102とを有する。本装置100は、ストロークセンサ102によって検出されたストローク量及びマスタシリンダ圧に応じて運転者の制動意思が感知され、それに応じた制動制御を行う。
【0024】
制動制御装置100は、更に、ブレーキペダル101の踏み込み操作に応じてブレーキフルードを圧送するマスタシリンダ103と、マスタシリンダ圧を測定するマスタシリンダ圧センサ(PM/C)104と、を有する。
【0025】
マスタシリンダ103からの油圧管には、常閉型の電磁開閉弁105と、常開型の電磁開閉弁106とが設けられる。運転者のブレーキ操作が検知されると、弁106が閉じ、弁105が開く。後述するアキュムレータ109からホイールシリンダ115へ液圧が供給されるとき、ストロークシミュレータ107によりストローク量が確保される。
【0026】
制動制御装置100は、更に、リザーバ108と、リザーバ108内のブレーキフルードをアキュムレータ109内にポンプアップするポンプ110と、ポンプ110を駆動するモータ111と、アキュムレータ圧を測定するアキュムレータ圧センサ(PA/C)112と、を有する。なお、ここで、モータ111は、回転数の切り替えが可能な(少なくとも低回転駆動と高回転駆動の2種類の回転数での駆動が可能な)モータであるものとする。
【0027】
アキュムレータ109からの油圧管には、常閉型の電磁リニア弁113が設けられ、増圧時には弁113を開き、その開口面積をリニアに制御しながら、各輪114のホイールシリンダ115に液圧を供給する。また、ホイールシリンダ115には、ホイールシリンダ圧を測定するホイールシリンダ圧センサ(PW/C)116が設けられる。
【0028】
また、ホイールシリンダ115からの油圧管には、常閉型の電磁リニア弁117が設けられ、減圧時には弁117を開き、その開口面積をリニアに制御しながら、ホイールシリンダ115内のブレーキフルードをリザーバ108へ還流させる。
【0029】
上記各構成要素は、ECU118によって制御される。また、上記各センサは、その出力をECU118へ供給する。さらに、図示しない車輪速センサからの出力(車速)もECU118へ供給される。
【0030】
通常制動時、ECU118は、ストロークセンサ102によって検出されたストローク量及びマスタシリンダ圧センサ104によって検出されたマスタシリンダ圧から演算した目標減速度から各輪の目標ホイールシリンダ圧を決定し、各輪のホイールシリンダ圧が該目標圧となるように制御を行う。
【0031】
また、ECU118は、アキュムレータ圧センサ112及び車輪速センサの出力に基づいてモータ111の回転数を切り替え、ポンプの駆動を制御する。具体的には、アキュムレータ圧が所定値を越えている通常の状態では、モータ111を低回転させると共に、アキュムレータ圧が該所定値以下になった場合には、モータ111を高回転させてポンプ110がアキュムレータ109に蓄圧する単位時間当たりのブレーキフルード量を増やす。ただし、車両が停止しているときには、モータ111を高回転させてアキュムレータ圧を増やす必要はないため、ECU118によるポンプ駆動制御をより具体的に述べれば、アキュムレータ圧が所定値以下であって、且つ、車速が0より大きい場合に、モータ111を高回転させることになる。
【0032】
次いで、図2のフローチャートを用いて、本実施形態に係るポンプ駆動制御の流れについて説明する。本実施形態では、既述のように装置起動の度に高圧でのポンプ駆動が行われないように、装置起動時にアキュムレータ圧が低下しているときには、装置起動後に一度でも十分に高い状態を経験するまではモータ111が高回転で作動されないようにポンプの駆動が制御される。
【0033】
本ルーチンは、例えばイグニッションスイッチ(以下、単にIGという)のオンの検知によりスタートし、例えばIGオフとなるまで繰り返される。まず、S201において、アキュムレータ圧センサ(PA/C)112と図示しない車輪速センサとからアキュムレータ圧と車速とがそれぞれECU118に取り込まれる。
【0034】
次に、S202において、装置起動後にアキュムレータ圧が一度でも十分に高い状態を経験したか否かを判断するために、装置起動時に所定値未満の値であったアキュムレータ圧が装置起動後に上昇して当該所定値以上の値となった経験があるか否かを判定する。装置起動後にアキュムレータ圧が上昇して一度でも該所定値以上の値を経験している場合、その時点でのアキュムレータ圧が該所定値を下回っていても、モータ111の高回転が許容されると判断する。
【0036】
起動後にアキュムレータ圧が上記所定値以上の値となった経験がない場合(S202の「NO」)、ECU118はモータ111の回転数を低回転(L)に設定する(S203)。
【0037】
起動後にアキュムレータ圧が上記所定値以上の値となった経験がある場合(S202の「YES」)、ECU118は、モータ111の回転数を高回転(H)に設定することが許容されると判断し、S204〜S205の高回転設定の判定を行う。
【0038】
まず、S204において、その時点でのアキュムレータ圧が所定値以下であるか否かを判定する。ここでの所定値は、S202における所定値と同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
【0039】
アキュムレータ圧が所定値以下でない場合(S204の「NO」)、ECU118は、アキュムレータ圧は十分に高く、モータ111を高回転させてアキュムレータ109に蓄圧する単位時間当たりのブレーキフルード量を増やす必要はないと判断し、モータ回転数を低回転(L)に設定する(S203)。
【0040】
次いで、車両が停止している時にはモータ111を高回転させてアキュムレータ109に蓄圧する単位時間当たりのブレーキフルード量を増やす必要はないとの見地から、車速が0km/hより大きいか否かを判定する(S205)。
【0041】
車速が0km/hであれば(S205の「NO」)、すなわち車両が停止していれば、ECU118は、アキュムレータ圧は十分に高くないが、モータ111を高回転させる必要はないと判断し、モータ回転数を低回転に設定する(S203)。
【0042】
アキュムレータ圧が所定値以下で且つ車速が0km/hより大きい場合(S205の「YES」)、ECU118は、モータ111を高回転させる必要があると判断し、モータ回転数を高回転(H)に設定する(S206)。
【0043】
このように、本実施形態によれば、装置起動時にアキュムレータ圧が所定値未満の値まで低下している場合、モータ111の回転数が直ちに高回転に設定されることが許容されないため、装置が起動される度にモータ111の回転数が高回転に設定されてしまう可能性を排除することができる。
【0044】
換言すれば、本実施形態によれば、ポンプ110及びモータ111が高回転で作動される頻度が低減されるため、特に装置起動直後の騒音・振動が低減されると共に、特にポンプ及びモータについてのエネルギ消費や耐久性の点についても改善される。
【0045】
(実施の形態2)
次いで、図3及び4を用いて、本発明の実施の形態2に係る車両用制動制御装置及びそのポンプ駆動制御について説明する。図3は、本実施形態に係る車両用制動制御装置300の概略構成を示す。なお、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
本実施形態に係る車両用制動制御装置300は、ポンプ110及びモータ111の代わりに、吐出量の高いポンプ301と、吐出量の低いポンプ302と、これらポンプをそれぞれ駆動するモータ303、304と、を有する点で、上記実施の形態1に係る装置100と異なる。ポンプ301、302は、択一的に駆動され、いずれか一方のみがアキュムレータ109へブレーキフルードを蓄圧する。よって、モータ303、304もいずれか一方のみが択一的に作動する。
【0047】
次いで、図4のフローチャートを用いて、本実施形態に係るポンプ駆動制御の流れについて説明する。本実施形態では、既述のように装置起動の度に高圧でのポンプ駆動が行われないように、装置起動時にアキュムレータ圧が低下しているときには、装置起動後に一度でも十分に高い状態を経験するまでは吐出量の高いモータを用いないようにポンプの駆動が制御される。
【0048】
図4において、S401、S402、S404、及びS405は、それぞれ図2のS201、S202、S204、及びS205と同様の処理であり、重複する詳しい説明は省略する。
【0049】
本ルーチンは、例えばイグニッションスイッチ(以下、単にIGという)のオンの検知によりスタートし、例えばIGオフとなるまで繰り返される。まず、S401において、アキュムレータ圧センサ(PA/C)112と図示しない車輪速センサとからアキュムレータ圧と車速とがそれぞれECU118に取り込まれる。
【0050】
次に、S402において、装置起動後にアキュムレータ圧が一度でも十分に高い状態を経験したか否かを判断するために、装置起動時に所定値未満の値であったアキュムレータ圧が装置起動後に上昇して当該所定値以上の値となった経験があるか否かを判定する。
【0051】
起動後にアキュムレータ圧が上記所定値以上の値となった経験がない場合(S402の「NO」)、ECU118はモータ304を作動させて吐出量の低いポンプ302を駆動する(S403)。
【0052】
起動後にアキュムレータ圧が上記所定値以上の値となった経験がある場合(S402の「YES」)、ECU118は、モータ303を作動させて吐出量の高いポンプ301を駆動することが許容されると判断し、S404〜S405の高吐出量実行の判定を行う。
【0053】
まず、S404において、その時点でのアキュムレータ圧が所定値以下であるか否かを判定する。ここでの所定値は、S402における所定値と同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。
【0054】
アキュムレータ圧が所定値以下でない場合(S404の「NO」)、ECU118は、アキュムレータ圧は十分に高く、吐出量の高いポンプ301を駆動させてアキュムレータ109に蓄圧する単位時間当たりのブレーキフルード量を増やす必要はないと判断し、モータ304を作動させて吐出量の低いポンプ302を駆動させる(S403)。
【0055】
次いで、車両が停止している時には吐出量の高いポンプ301を駆動させてアキュムレータ109に蓄圧する単位時間当たりのブレーキフルード量を増やす必要はないとの見地から、車速が0km/hより大きいか否かを判定する(S405)。
【0056】
車速が0km/hであれば(S405の「NO」)、すなわち車両が停止していれば、ECU118は、アキュムレータ圧は十分に高くないが、ポンプ301を駆動させる必要はないと判断し、モータ304を作動させて吐出量の低いポンプ302を駆動させる(S403)。
【0057】
アキュムレータ圧が所定値以下で且つ車速が0km/hより大きい場合(S405の「YES」)、ECU118は、吐出量の高いポンプ301を駆動させる必要があると判断し、モータ303を作動させて吐出量の高いポンプ301を駆動させる(S406)。
【0058】
このように、本実施形態によれば、装置起動時にアキュムレータ圧が所定値未満の値まで低下している場合には、吐出量の高いポンプ301を直ちに駆動させることが許容されないため、装置が起動される度に吐出量の高いポンプ301が駆動されてしまう可能性を排除することができる。
【0059】
換言すれば、本実施形態によれば、ポンプ302に比して吐出量が高いポンプ301が駆動される頻度が低減されるため、特に装置起動直後の騒音・振動が低減されると共に、エネルギ消費や装置耐久性の点についても改善される。
【0060】
(実施の形態3)
次いで、図5のフローチャートを用いて、本発明の実施の形態3に係る車両用制動制御装置及びそのポンプ駆動制御について説明する。なお、本実施形態に係る制動制御装置の構成は、図1に示した上記実施の形態1に係る装置100と同一であるため、図示及び重複する説明を省略する。
【0061】
本実施形態では、例えばアンチスキッド(ABS)制御などの比較的早い周期でアキュムレータ圧の増減が繰り返される所定の制動制御が実行されている場合には、その頻繁なアキュムレータ圧増減によってブレーキフルードの消費量が増えるのに対応するためにアキュムレータ109への単位時間当たりのブレーキフルード供給量を増やすべきであるという観点から、車速が出ているとき(0より大きいとき)に1輪でもABS中の輪があれば、既述のような他の条件にかかわらず、モータ111の回転数を高回転に設定する。
【0062】
図5において、S503を除くS501〜S507は、それぞれ図2のS201〜S206と同一の処理であり、重複する説明は省略する。
【0063】
本実施形態では、装置起動後にアキュムレータ圧が所定値以上の値となった経験がない場合(S502の「NO」)、及び、装置起動後にアキュムレータ圧が所定値以上となった経験はあるが、その時点でのアキュムレータ圧が所定値以下でない場合(S505の「NO」)、モータ111の回転数を直ちに低回転に設定せずに、ABS制御モードに入っている輪が存在するか否かを判定する(S503)。
【0064】
1輪でもABS中の輪が存在すれば(S503の「YES」)、車速が0でない限りモータ111を高回転するに設定するためにS506へ進む。他方、いずれの輪もABS中でない場合、モータ111の回転数を低回転に設定する(S504)。
【0065】
このように、本実施形態によれば、ABS制御モードに入っている輪が1輪でも存在する場合には、装置起動直後であっても、或いは、その時点でのアキュムレータ圧が所定値より低くなくても、モータ111の回転数を高回転に設定することが許容されるため、ABS制御によるブレーキフルードの消費量を適切に補うことができる。
【0066】
なお、本実施形態では、S503において、「1輪以上」としたが、これは一例であり、2輪以上がABS中の場合としてもよく、3輪以上がABS中の場合としてもよく、或いは、全輪がABS中の場合としてもよい。
【0067】
上記実施の形態1〜3においては、ポンプの回転数を切り替える場合や、吐出量の異なるポンプを切り替えて用いる場合について説明したが、本発明はこれらの構成に限られない。狙いとするところは、アキュムレータへ供給される単位時間当たりのブレーキフルード量を変えることであるから、この狙いが実現される限り、他の任意の装置・機構を用いることも可能である。いずれの場合であっても、アキュムレータへの単位時間当たりの供給量が減り、装置の作動量、作動速度、或いは作動頻度も減れば、騒音・振動及びエネルギ消費の低減や、装置耐久性の向上は図られると考える。
【0068】
また、装置起動時にアキュムレータ圧が既にS202及びS402の所定値(第一の所定値)以上であるか否かは、アキュムレータ圧センサを用いずに、他のパラメータ或いは運転状況・操作状態などから推定されてもよい。例えば、IGオフからIGオンまでの時間や、ホイールシリンダ圧の変化履歴、などから推定することも考えられる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、装置起動後、アキュムレータ圧が一度でも十分に高い状態を経験するまでは、高圧のポンプ駆動を行わないように構成された車両用制動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る車両用制動装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るポンプ駆動制御の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態2に係る車両用制動装置の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るポンプ駆動制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態3に係るポンプ駆動制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
100、300 車両用制動装置
101 ブレーキペダル
102 ストロークセンサ
103 マスタシリンダ
104 マスタシリンダ圧センサ
105、106 電磁開閉弁
107 ストロークシミュレータ
108 リザーバ
109 アキュムレータ
110 ポンプ
111 回転数切替可能モータ
112 アキュムレータ圧センサ
113、117 電磁リニア弁
114 タイヤ
115 ホイールシリンダ
116 ホイールシリンダ圧センサ
118 ECU
301 高吐出量ポンプ
302 低吐出量ポンプ
303、304 モータ

Claims (4)

  1. 液圧発生手段によって作動を蓄圧装置に蓄圧し、蓄圧された作動によって制動力を増大させる車両用制動制御装置において、
    前記液圧発生手段は、
    前記蓄圧装置の圧力履歴に関する第一の所定条件が成立し、且つ、前記蓄圧装置内の圧力と車速とに関する第二の所定の条件が成立したときに、前記蓄圧装置への作動液供給量を増加するように構成されるとともに、
    前記第一の所定条件が成立しないとき、又は、前記第二の所定条件が成立しないときには、前記蓄圧装置への作動液供給量を増加しないように構成され、
    前記第一の所定条件は、起動時に前記蓄圧装置内の圧力が第一の所定値未満の値であって、且つ、起動後に前記蓄圧装置内の圧力が上昇して前記第一の所定値以上の値となった経験があるときに成立し、
    前記第二の所定条件は、前記蓄圧装置内の圧力が第二の所定値以下であって、且つ、車速が0より大きい場合に成立する、ことを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 請求項記載の車両用制動制御装置であって、
    前記液圧発生手段は、所定の制動制御が実行されている間は、前記第一の所定条件が成立しないとき、又は、前記第二の所定条件が成立しないときであっても、車速が0より大きければ前記蓄圧装置への作動液供給量を増加するように構成される、ことを特徴とする車両用制動制御装置。
  3. 液圧発生手段によって作動を蓄圧装置に蓄圧し、蓄圧された作動によって制動力を増大させる車両用制動制御装置において、
    前記液圧発生手段は、前記蓄圧装置に作動を択一的に蓄圧する第一の液圧発生部と第二の液圧発生部とを有し、
    前記第一の液圧発生部の吐出量は、前記第二の液圧発生部の吐出量よりく、
    前記液圧発生手段は、
    前記蓄圧装置の圧力履歴に関する第一の所定条件が成立し、且つ、前記蓄圧装置内の圧力と車速とに関する第二の所定の条件が成立した場合には前記第一の液圧発生部によって
    前記第一の所定条件が成立しない場合、又は、前記第二の所定条件が成立しない場合には前記第二の液圧発生部によって、前記蓄圧装置に作動液が蓄圧されるように構成され
    前記第一の所定条件は、起動時に前記蓄圧装置内の圧力が第一の所定値未満の値であって、且つ、起動後に前記蓄圧装置内の圧力が上昇して前記第一の所定値以上の値となった経験があるときに成立し、
    前記第二の所定条件は、前記蓄圧装置内の圧力が第二の所定値以下であって、且つ、車速が0より大きい場合に成立する、ことを特徴とする車両用制動制御装置。
  4. 請求項記載の車両用制動制御装置であって、
    前記液圧発生手段は、所定の制動制御が実行されている間は、前記第一の所定条件が成立しないとき、又は、前記第二の所定条件が成立しないときであっても、車速が0より大きい場合には、前記第一の液圧発生部によって前記蓄圧装置に作動液が蓄圧されように構成される、ことを特徴とする車両用制動制御装置。
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