JP4000193B2 - インジゴ染色デニム布上にストーンウォッシュ外観を作り出すための酵素組成物と方法 - Google Patents
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Description
関連出願についてのクロス・リファレンス:
本出願は、1992年6月12日に出願されたUSSN 07/897,721の一部継続である1993年6月11日に出願されたUSSN 08/075,657の一部継続である。
【0002】
発明の分野:
本発明は、セルラーゼ酵素を使用してデニム布と衣類のストーンウォッシングの間にデニム上への青インジゴ染料の染め戻り(back staining)を減少させ又は防止するための組成物と方法に関する。
【0003】
発明の背景:
デニムは、インジゴ染料(the dye indigo)により、普通には青色に染色された綿布である。インジゴ染色されたデニム布の1の望ましい特徴は、正常な使い古しと裂けの間にデニムに青色の外観上に白色を与える白糸による染色された糸の変更である。デニムのための人気のあるルックは、そのストーンウォッシュ・ルックである。伝統的なストーンウォッシングは、上記の青色のコントラスト外観上に所望の白色をもつ色あせ又は使い古された外観をもつ布をもたらす軽石(pumice stone)の存在中でのそのデニム材料の洗濯により行われてきた。このストーンウォッシュ・ルックは、主に、青色コントラスト上に所望の白色を維持しながら、色においてより明るい領域をもつ材料、及び手触りにおいてより柔らかい材料を作り出すようなやり方で染色を除去することから成る。
【0004】
酵素、特にセルラーゼが、デニムの加工において最近使用されている。特にセルラーゼは、デニムに色あせたルックを与えるために使用される伝統的な”ストーンウォッシング(stonewashing)”工程のために軽石と共に又はその代替物として使用されている。ストーンウォッシュのための酵素の使用は、石単独の使用がいくつかの欠点をもつために、徐々に一般的になってきた。例えば、この工程において使用される石は、上記機械上で摩損され、そして裂かれ、それらは作り出された砂による環境的な廃棄物の問題を引き起こし、そして衣類のポケットから石を手により取り除くことに関連する高い労務費をもたらす。従って、このウォッシュにおける石の減少又は除去が望ましいであろう。
【0005】
軽石の使用とは異なり、酵素(特にセルラーゼ)は、上記機械のために安全であり、廃棄物問題をほとんど又は全くもたらさず、そして労務費を劇的に減少させる。それ故、ストーンウォッシングのために酵素を使用することは有益である。しかしながら、たとえ酵素、例えばセルラーゼの使用が石単独に比較して有益であるとしても、この目的のために酵素を使用することに関していくつかの問題がある。例えば、いくつかのセルラーゼ、例えばトリコデルマ(Trichoderma)に伴う1つの問題は、その酵素的ストーンウォッシュ工程の間のその布上への染料の一部の“再沈着(redeposition)”又は“染め戻り(backstaining)”(本明細書中両用語を互換可能に使用する)により引き起こされる染料の不完全な除去である。このような再沈着又は染め戻りは、布の表面の青色着色を生じさせ、青色と白色の糸との間のコントラストや摩耗点とのコントラストをもたらす(すなわち、好ましい青上白よりもむしろ青上青のルック)。American Dyestuff Reporter, Sept. 1990, pp. 24-28参照。再沈着又は染め戻りは若干のユーザーに好まれない。たとえトリコデルマのセルラーゼは染め戻りを示すとしても、デニム材料に対する比活性が、一般的に染め戻りを示さないフミコーラ(Humicola)セルラーゼよりも高いので、トリコデルマ・セルラーゼはフミコーラ・セルラーゼよりも好ましい。さらに、より高程度の純度をもつセルラーゼが本発明において有益であることもある。高い比活性又は高レベルの純度は、かなり短かい加工時間においてより高程度の摩耗をもたらすことができ、それ故デニム加工業者に好まれる。
【0006】
ストーンウォッシングの間の染料の再沈着の問題は、デニム加工業者の関心事である。この問題に向けられた従来の試みは、ゆるんだインジゴ染料を分散させ、そして再沈着を減少させるためにセルラーゼ洗浄液中に余分の抗−再沈着化学物質、例えば界面活性剤又は他の剤を添加することを含む。さらに、デニム加工業者は、余分の濯ぎをすると共に、デニムに対し小さな比活性をもつセルラーゼを使用することを試みてきた。これは、追加の化学物質コストとより長い加工時間をもたらす。この再沈着の問題解決を試みる他の方法としては、その工程において緩やかな漂白剤又は染み除去剤を添加することを含む。この方法は、その衣類の最終的な色合いに影響を及ぼし、そして加工時間を増加させる。
【0007】
これらの方法は、再沈着の減少においてある限定された程度まで助けとなるけれども、これらの方法は完全には満足ゆくものではなく、そして若干の好ましくない染め戻りが残る。酵素と石の併用は、この再沈着を克服することにおいて有利な面があるが、石単独の使用に関連する若干の問題が未解決のままに残る。
【0008】
再沈着を減少させ又は防止するために従来試みられた方法の欠点に基づいて、ストーンウォッシュ処理の間に染料の再沈着又は染め戻りの論点に向けられる環境的により好ましく、かつ、よりコスト的に有効な方法についての必要性が存在する。
【0009】
従って、染め戻りを示すけれどもデニム材料に対してより高程度の比活性をもつ、再沈着又は染め戻りセルラーゼが使用されるときストーンウォッシングの間に染料の除去を強化するであろう酵素組成物又は方法を発見することが望まれるであろう。
【0010】
発明の要約:
本出願人は、再沈着性セルラーゼ組成物と天然の生物により生産された再沈着性セルラーゼ調製物中に自然に存在する量より過剰に添加プロテアーゼを含んで成る再沈着又は染め戻り阻害組成物の有効量による綿インジゴ染色デニムの処理が、そのインジゴ染色デニムの表面への色の濃淡における変化を導入するための方法として再沈着性セルラーゼ単独を上廻る改善であることを発見した。このような組成物による処理の結果は、白色と青色の糸の間のコントラストを改良しており、軽石により達成されるものに近い、より完全な染料除去を達成する。このコントラストにおける改良は、染料の再沈着の減少によるものであり、より明確な摩耗点をもたらし、そして白色と青色の糸の間により大きなコントラストを生じ、優れたストーンウォッシュ・ルックを与える。表面活性の僅かなパーセントを場合により本明細書中に記載する組成物又は方法に添加することができる。表面活性剤が添加される場合、それは、洗浄液中のセルラーゼとプロテアーゼと共に添加するか又はタンパク質分解効果を強化するための処理後の濯ぎ剤としてのプロテアーゼと共に添加するかのいずれかでもよい。
【0011】
本発明の詳細な説明:
再沈着セルラーゼによるセルラーゼ処理の間の有効量の添加プロテアーゼの添加と共にストーンウォッシュされるデニムは、染め戻りのレベルにおける劇的な減少並びに白色と青色の糸の間のコントラストにおける目に見える増加、すなわちより完全なストーンウォッシュ効果を示す。
【0012】
出願人は、特定の理論のいずれにも拘束されることを欲しないが、このための1つの可能性のある説明は、いくつかの酵素の混合物を含んで成る再沈着性セルラーゼ組成物中に存在する特定の成分(以下の定義を参照のこと)がデニムの表面にしっかりと結合することができるということかもしれない。添加プロテアーゼの添加は、そのセルラーゼ・タンパク質がデニムの表面上に着色粒子を結合させることを有効に排除又は防止し、そしてさらに、驚ろくべきことに、そのセルラーゼの働きにより引き起こされる結果として生じる摩耗した外観を損なうことはない。
【0013】
さらに詳細に本発明について討議する前に、以下の用語を定義する。
【0014】
用語“添加プロテアーゼ”とは、微生物により自然に生産される量を超えるプロテアーゼの増分量をいう。この増分量は、ストーンウォッシング工程の間に再沈着セルラーゼ製剤に添加されるときに染め戻りの減少をもたらすであろう。
【0015】
好ましくは、このような増分量は、再沈着セルラーゼ製剤を作り出す微生物において自然に生じる全プロテアーゼの量を少なくとも1%上廻る。添加プロテアーゼの量は、他の要因、例えばそのプロテアーゼの純度、活性及び特異性により決定される。それ故、添加プロテアーゼの増分量は、再沈着セルラーゼ組成物に添加されたプロテアーゼのタイプによって変化するであろう。
【0016】
“添加プロテアーゼ(Added protease)”は、本明細書中に使用するとき、外因性又は内因性の源のいずれかから誘導されることができる。添加外因性プロテアーゼとは、微生物のセルラーゼ組成物中に自然に存在するものから誘導され又は外部に顕出するタンパク質を分解するようなプロテアーゼをいう。あるいは、この添加プロテアーゼは外因性であることができる。この場合、添加内因性プロテアーゼとは、天然プロテアーゼをコードする遺伝子の過剰発現によりその微生物により自然に生着されたものを超え、かつ、上廻る再沈着セルラーゼ組成物中の一定量のプロテアーゼをいう。このプロテアーゼをコードする遺伝子の過剰発現により作り出された強化されたプロテアーゼの量は、ストーンウォッシング工程において染め戻りを阻害し又は減少させることをもたらすであろう量である。
【0017】
好ましくは、この強化は、微生物中に自然に生じるプロテアーゼの量を少なくとも1%超える。
【0018】
微生物、植物及び動物源を含むいくつかの源からプロテアーゼが入手可能であり、そして文献中によく記載されている。いくつかの重要な商業的タンパク質分解源は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びアスペルギルス・オリザエ(Aspergillas oryzae)を含む。本発明に好適なプロテアーゼは、例えばセリン、メタロ及び酸プロテアーゼ、並びにエンド−及びエキソ−プロテアーゼを含む。サブチリシンは、タンパク質とペプチドの内部ペプチド結合を解裂させるのに一般的に役立つセリン・プロテアーゼである。メタロ・プロテアーゼは、活性のために金属補因子を必要とするエクソ−又はエンド−プロテアーゼである。好ましいセリン・プロテアーゼの中の1は、サブチリシンである。本発明において有用な特に好ましいプロテアーゼは、英国特許第4,760,025号と第5,185,258号(この各々を引用により本明細書中に取り込む。)中に記載されているような遺伝的に修飾された微生物から得られたプロテアーゼである。
【0019】
用語“セルラーゼ組成物(cellulase composition)”は、天然微生物により生産された1以上のエクソ−セロビオヒドロラーゼ(CBH)、エンドグルコナーゼ(EG)及びβ−グルコシダーゼ(BG)成分であって、これらの成分のそれぞれがその微生物により自然に生産される比において発見されるようなものを含んで成り、そしてしばしば本明細書中“完全又は天然セルラーゼ組成物”といわれる。
【0020】
本発明に係るセルラーゼ組成物は、セルラーゼの1以上のCBHEG及び/又はBG成分を過剰生産、過小生産又は非生産するように遺伝子修飾された微生物から得られるセルラーゼ組成物をも含むことができる。追加の修飾セルラーゼ組成物は、CBH又はEGのコア・ドメイン又は結合ドメインのいずれか、あるいはその部分又は誘導体を含んで成る切り詰められたセルラーゼ・タンパク質を含むこともできる。修飾されたセルラーゼ組成物の他の例は、そのセルラーゼ又は切り詰められたセルラーゼの一次配列の糖添加、又はアミノ酸の置換の程度における変更をも含むことができる。
【0021】
本明細書中に使用するとき、“再沈着性又は染め戻り性セルラーゼ”とは、染め戻りを行わないセルラーゼ、例えばフミコーラ(Humicola)からのものに対して又は石単独と比較されるとき、デニムの酵素的ストーンウォッシングにおいて布を染め戻して不完全なストーンウォッシングを導く傾向があるようなセルラーゼ、例えばトリコデルマ(Trichoderma)をいう。再沈着性又は染め戻し性セルラーゼは、微生物、例えば真菌微生物トリコデルマ種(Trichodermasp.)又はストーンウォッシング工程においてデニムに対して染め戻し又は再沈着効果を示すセルラーゼを生産するいずれかの他の微生物から得られる。
【0022】
本発明に係る方法は、染め戻りを減少させ、そしてそれ故青色と白色の繊維の間のコントラストを増加させるのに十分な量の添加プロテアーゼと、全部又は一部酵素的にストーンウォッシュされるべきデニムを接触させることを含んで成る。このプロテアーゼは、セルラーゼと一緒に混合された後にインジゴ染色されたデニム布を含む洗浄液に添加され、又はそれぞれがその洗浄液に別々に、添加され、又はプロテアーゼは、濯ぎサイクル中においてセルラーゼ洗浄の後に添加されてもよい。
【0023】
あるいは、プロテアーゼは、洗浄サイクル中においてセルラーゼの添加に先立ってその洗浄サイクルに添加されてもよい。セルラーゼ・ストーンウォッシュ浴は従来の糊抜き(desizing)段階からの液を含んでも含まなくてもよい。
【0024】
本発明に係る再沈着又は染戻り阻止組成物は、添加プロテアーゼ(単数又は複数)と再沈着性セルラーゼ(単数又は複数)を含んで成る。一つの態様においては、本発明に係る再沈着又は染戻り阻止組成物は、再沈着性セルラーゼ中の約5ppmの全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて1,000ppm全タンパク質から、再沈着性セルラーゼ中の1,000ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の1ppm全タンパク質までの比において再沈着性又は染戻り性セルラーゼと添加プロテアーゼを含んで成る。さらに好ましい態様においては、この比は、再沈着性セルラーゼ中の約10ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の200ppm全タンパク質から、再沈着性セルラーゼ中の200ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の1ppm全タンパク質までである。セルラーゼとプロテアーゼの全タンパク質は、本分野において公知のさまざまな検定法により測定することができる。本明細書中に好ましく使用される検定法は、標準対照としてウシ血清アルブミン(BSA)を用いた、Sigma Compauyにより販売される商業的に入手可能なビウレットLowry検定である。
【0025】
この再沈着又は染め戻し阻止組成物は、当業者に知られているようなさまざまなアジュバントをさらに含んで成ることができる。例えば、その再沈着セルラーゼと添加プロテアーゼと相溶性の界面活性剤(アニオン性又は非イオン性)が本発明に係る組成物において有用であろう。好ましい界面活性剤は、非イオン性である、例えば、Union Carbideから商業的に入手可能であるTRITONRシリーズの界面活性剤(オクチルフェノキシポリエトキシエタノール非イオン性界面活性剤中に見られるポリオキシエチル化アルコールである。例えば、これらの相溶性界面活性剤のサンプルについては米国特許第5,006,126号を参照のこと。界面活性剤を含むことが再沈着セルラーゼと添加プロテアーゼとの組合せにおけるストーンウォッシング効果をさらに増加させることができるということに注意しなければならない。石、増量剤、溶媒、バッファー、pH調整剤、酵素活性化剤、ビルダー、酵素安定化剤、他の抗沈着剤、等を含む他の材料も適宜本組成物と共に使用され又はこの中に入れられることができる。
【0026】
染戻り阻止組成物は、固体製品としてもよく、その固体は粒状、スプレー・ドライ又は凝集物であることができる。例えば、1991年10月7日に出願された米国出願番号第07/772,510号の一部継続出願である1992年10月7日に出願された米国出願番号第07/957,973号中に掲げられたセルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼを含む1以上の酵素、並びに他のタンパク質を含んで成る層を有する酵素含有粒状物である。これらの出願を全体として引用により本明細書中に引用する。セルラーゼ、プロテアーゼとアミラーゼによりコートされた粒子についての1つの応用例は、単一の洗浄サイクルにおいて糊抜き処理とストーンウォッシング処理とを組合せるものである。
【0027】
あるいは、染め戻し組成物は、液体ゲル又はペースト製品として配合されることができる。この特定の態様においては、再沈着セルラーゼは、再沈着セルラーゼにおいて約5ppm全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて1,000ppm全タンパク質から、再沈着セルラーゼにおいて1,000ppm全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて1ppm全タンパク質の比において添加プロテアーゼと混合される。上記混合物の安定性の水性調製物を調製するために、pH4〜6のレンジにあるバッファー中の酸素含有水溶性有機溶媒を含んで成る安定化成分も添加されなければならない。好ましくは、ソルビトールとグリセロールが選ばれた安定化成分である。
【0028】
好ましい態様においては、上記の液体配合混合物は、デニム布上への適用前約1時間から2週間約30℃〜約60℃のレンジにある上昇温度においてインキュベートされる。最も好ましい態様においては、約37℃の温度と約120時間のインキュベーション時間が使用される。当業者は、その混合物を調製するために選ばれた温度に依存してインキュベーションのための時間量を理解するであろう。当業者は、さらに、より低い温度を使用することができるが、この組成物中に使用されるセルラーゼとプロテアーゼに依存してより長い反応時間が要求されることができるということを理解するであろう。前処理された液体配合物は、その組成物の安定性を保つために固体、すなわち粒状形態に変換されることができるということを企図される。
【0029】
本発明において使用される添加プロテアーゼは、ストーンウォッシング浴に再沈着性セルラーゼと一緒に、又はそのストーンウォッシュ・セルラーゼ浴に別々に、添加されることができる。あるいは、このプロテアーゼは、セルラーゼ浴の前か、又はその後の濯ぎ処理溶液中のいずれかに別個のサイクル中に添加されることができる。上記の考慮されたすべての方法において、再沈着は、セルラーゼ単独によるストーンウォッシングに比べたとき処理された衣類の裏側からの反射の測定を介して、約5%、好ましくは約10%程減少される。反射値の測定は、本明細書の実験セクション中にさらに十分に記載される。しかしながら、反射率について測定された値は、処理布対非処理布を比較するときに見られる肉眼による差異に比べて圧縮されている。肉眼観察は、ストーンウォッシュ効果のより感度の高い指標である。従って、衣類の裏側上の染め戻りの肉眼観察は、反射率計により測定された測定値と比べて、処理布と非処理布との間により大きな差異を現わす。
【0030】
本発明の態様においては、再沈着性セルラーゼと添加プロテアーゼは、再沈着セルラーゼにおいて約5ppm全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて1,000ppm全タンパク質から、再沈着セルラーゼにおいて1,000ppm全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて1ppm全タンパク質までの比で存在する。さらに好ましい態様においては、この比は、再沈着セルラーゼにおいて約10ppm全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて20ppm全タンパク質から、再沈着セルラーゼにおいて200ppm全タンパク質:添加プロテアーゼにおいて1ppm全タンパク質までである。
【0031】
当業者は、添加プロテアーゼの有効量が、使用される再沈着性セルラーゼの量と純度、並びにプロテアーゼを用いずに生じる再沈着の量、接触時間、ストーンウォッシングの間に除去される染料の量、再沈着性セルラーゼ及び/又は添加プロテアーゼの比活性、ストーンウォッシング工程のpHと温度、製品の配合(液体対粒状物)、等を含む、多数のよく知られたパラメーターに依存して変化することを理解するであろう。添加プロテアーゼ及び/又は再沈着性セルラーゼの比活性が特定の成分を変更し又は修飾するために株を遺伝子操作することにより修飾されることができるということはよく知られている。例えば、特定のセルラーゼ成分の過剰発現が米国出願第07/770,049号(これを本明細書中に引用する。)中に示されている。タンパク質工学技術も酵素活性又は特異性を修飾するために使用されることができる。例えば、ここに引用する米国特許第4,760,025号を参照のこと。
【0032】
染戻りの減少をもたらす有効量を得るために何回かの洗浄により添加プロテアーゼを滴定し、得られたデニム・サンプルを肉眼観察することは簡単である。しかしながら、染戻りの減少に対するタンパク質分解効果と摩耗減少に対するタンパク質分解効果との間にバランスが存在するということに注意しなければならない。従って、摩耗に悪影響を及ぼさずに抗再沈着効果を達成するための再沈着性セルラーゼ対添加プロテアーゼの最適比を見い出さなければならない。
【0033】
反射率値は、衣類の裏側上での再沈着の程度を追跡するためにも使用されることができるが、その衣類の摩耗した前側上の繊維間のコントラストを正確には反映しない。肉眼により測定される再沈着における差異は、反射率値によるよりもより明白であるが、反射率値は、より低い程度ではあるがその効果を示す。
【0034】
デニム・ストーンウォッシュ溶液への添加するための本発明に係る再沈着又は染戻り阻止組成物(固体又は液体のいずれかとしてのもの)は、再沈着性セルラーゼ(単数又は複数)と添加プロテアーゼ(単数又は複数)を含有する他に、他のアジュバント、例えば界面活性剤、増量剤、分散剤、バッファー又はpH調整剤、酵素活性化剤、ビルダー、酵素安定化剤、又は他の抗再沈着成分を含んで成ることができる。当業者は、このような組成物の選ばれた成分を最適化するために各種組合せと溶液比の結果を容易に比較することができる。しかしながら、本出願人らは、使用される酵素のタイプと上述の選定成分の特定の混合に依存して、その酵素成分のレンジが、好ましくは、上述したように、再沈着性セルラーゼ中の約5ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の1,000ppm全タンパク質から、再沈着性セルラーゼ中の1,000ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の1ppm全タンパク質までの比内にあるであろうということを発見した。さらに好ましい態様においては、この比は、再沈着性セルラーゼ中の約10ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の200ppm全タンパク質から、再沈着性セルラーゼ中の200ppm全タンパク質:添加プロテアーゼ中の1ppm全タンパク質までである。この比は、再沈着性セルラーゼと添加プロテアーゼの双方の比活性が高い場合から、双方とも低い場合、及び一方の酵素が比活性において比較的高く、そして他が比較的低い場合に至るまで、それらの間における変化に対して、再沈着性セルラーゼと添加プロテアーゼの両方の比活性の各種組合せに適合するであろう。さらに、この比は、双方の酵素の純度が高い場合から、双方とも低い場合、さらには一方の酵素の純度が比較的高く、他方が比較的低い純度をもつ場合に至るまで、それらの間における変化に対して、異なる純度の酵素の各種組合せに適合する。
【0035】
界面活性剤が本組成物中に含まれる場合、それは、液体又は乾燥組成物のいずれかの全重量の約5〜85%であろう。しかしながら、本実施例に基づき、当業者は、本発明の範囲から外れずに液体又は乾燥組成物の全重量の5%を下廻る量まで界面活性剤の濃度を低下させることができる。上記成分を、別々に、一度に全部、又は(別個の濯ぎサイクルを含んで)順番に、添加することもできる。デニムを処理するために使用する組成物の量は、デニム基質に対して活性な酵素の量とその基質に対するそれらの比活性、ストーンウォッシュ効果に望ましい量及び本分野における技術水準内の他のパラメーターに依存するであろう。
【0036】
以下の実施例は、本発明に係る組成物と方法の有効性を説明する。添加プロテアーゼ又は再沈着セルラーゼ、並びに洗浄条件、例えば濃度、容量、pH、温度、等の他の選定は、本明細書中の技術に基づいて当業者に自明であろう。
【0037】
実験:
実施例1
50ポンドのUnimac染色/洗浄機を使用した。約10ポンド(〜3.8kg)の糊抜きテスト・デニム衣類をこの機械内に入れた。この機械に10ガロン(38L)の熱水を満たし、そして131°F(55℃)にもっていった。液化は、10:1(kg衣類:リッター液)であった。液を、44グラムのクエン酸、1水和物、と100グラムの2塩基性リン酸ナトリウムによりpH〜4.9に緩衝した。
【0038】
一旦、pHを確立したら、再沈着性セルラーゼ酵素INDIAGER44L(Genencor International, Incから商業的に入手可能なトリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ組成物)を、約0.5mlの製品/1Lの洗浄液の率(62.5ppm全タンパク質)において添加した。プロテアーゼ酵素(Genencor International, Inc.から入手可能なバチルス・サブチリス(Bacillus sabtilis)からのセリン・エンドペプチダーゼ)を次に、約2.5ml製品/1Lの洗浄液(163ppm全タンパク質)において添加した。これは、全タンパク質に基づいて約1:2.6の投与量比をもたらした。これらの衣類を60分間36rpmにおいて洗浄した。この後に、浴を落とした。
【0039】
衣類を、次に、きれいな液の3回連続サイクルにおける標準的なプロトコールに従って濯いだ。濯ぎ番号1=24ガロンの熱水、約50℃、プラス、〜100グラムの標準洗剤WOB(American Association of Textile Chemists and Colorists[ATCC]からのもの、WOB=漂白剤なし)。撹拌を36rpmにおいて12分間であった。その浴を落とした。濯ぎ番号2=24ガロンの温水、〜40℃、追加の洗剤なし、5分間の撹拌。浴を落とした。濯ぎ番号3=24ガロンの、冷水、〜30℃、追加の洗剤なし、5分間の撹拌。浴を落とした。衣類を取り出し、そして標準的な電気衣服乾燥器内で乾燥させた。
【0040】
反射率の読みを、Hunter Color Difference Meter(反射率計装置)を使用して衣類の裏側から採った。反射率をパーセント反射率(又は処理布からの光の透過)として測定した。ここで、L=100単位は白色であり、そしてL=0単位は黒色である。再沈着性セルラーゼ処理のみ(再沈着性セルラーゼ対照=0.5mlのINDIAGER44L製品/L洗浄液)に比べて、再沈着セルラーゼ、プラス添加プロテアーゼ処理衣類は、同様のレベルの摩耗をもつ有意に減少された染め戻りをもたらした(39.07〔再沈着性セルラーゼ対照〕対42.87〔再沈着性セルラーゼと添加プロテアーゼ〕の反射率値)。これらの反射率値は、肉眼観察を確固たるものにした。添加プロテアーゼ処理は、全体としてより良好な摩耗コントラストをもたらした。図1参照。
【0041】
実施例2
本テストは実施例1に実質的に近似する。但し、同一のタイプと量の再沈着性セルラーゼを使用したが異なる量の同一の添加プロテアーゼを使用した。これは、添加プロテアーゼについて約0.5ml製品/L洗浄液(33ppm全タンパク質)であった。これは、全タンパク質に基づき約1:0.5の投与量化をもたらした。全ての他の工程パラメーターは同一であった。
【0042】
再沈着性セルラーゼ対照に比べて、反射率の読みは、これらの2つの処理の間に有意な差異があった。摩耗のレベルは差がなかった。セルラーゼ対照=39.07対セルラーゼとプロテアーゼ=41.21。最終的な摩耗ルックは、非処理(無プロテアーゼ)に比べて添加プロテアーゼ処理衣類についてより良好なコントラストを示していたが、実施例1における添加プロテアーゼ処理は実施例2よりも良好であり、添加プロテアーゼの滴定効果を示している。図1参照。
【0043】
実施例3
再沈着性セルラーゼ処理は実施例1におけるものと同じであった。但し、添加プロテアーゼを用いなかった。浴を落とし、そして実施例1に記載したように標準的な濯ぎサイクルを開始した。但し:1リッターの濯ぎ液当り1mlのGC899プロテアーゼを濯ぎ番号1の始めに添加した。全部で100mlの添加プロテアーゼ製品を使用した(65ppm全タンパク質)。他の全ての条件は同一であった。
【0044】
濯ぎサイクルにおける洗剤を伴う添加プロテアーゼの使用は、洗剤だけにより濯がれたセルラーゼ対照と比べたとき有意に減少された染戻りをもたらした。反射率値は、添加プロテアーゼ濯ぎの40.66に対して添加プロテアーゼによらない標準濯ぎは39.07であった。摩耗の程度は、両処理について同じであった。但し、添加プロテアーゼにより濯がれた衣類は、添加プロテアーゼによらない標準的な濯ぎよりも良好な全体コントラストを示した。図1参照。
【0045】
実施例4
実施例1中に記載されたセルラーゼ洗浄プロトコールを使用して、以下の添加プロテアーゼ製品を、0.5mlの製品/L洗浄液の、再沈着性セルラーゼ酵素(62.5ppm全タンパク質)INDIAGER44L(Genencor International, Inc.から商業的に入手可能なトリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ組成物)と一緒に、テストした:
1.MULTIFECTTM P64(Genencor International, Inc.から商業的に入手可能であり、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)から得られるバクテリア・プロテアーゼ)、約5gの製品/L洗浄液(71ppm全タンパク質)において投与して、全タンパク質に基づいて約1:1の投与量比を作り出した;
2.MULTIFECTTM P53(Genencor International, Inc.から商業的に入手可能であり、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)から得られるバクテリア・プロテアーゼ)、約5gの製品/L洗浄液(81ppm全タンパク質)において投与して、全タンパク質に基づいて約1:1.5の投与量比を作り出した;
3.MULTIFECTTM P41(Genencor International, Inc.から商業的に入手可能であり、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)から得られるバクテリア・プロテアーゼ)、約5gの製品/L洗浄液(172ppm全タンパク質)において投与して、全タンパク質に基づいて約1:2.75の投与量比を作り出した;
4.(Genencor International, Inc.から入手可能な)サブチリシンGC399、約2.5gの製品/L洗浄液(238ppm全タンパク質)において投与して、全タンパク質に基づいて約1:4の投与量比を作り出した。
【0046】
全ての添加プロテアーゼ処理が、再沈着性セルラーゼ対照衣類と比べたとき同様の摩耗をもつより小さな再沈着をもたらした。各ケースにおいて、添加プロテアーゼ処理は、その摩耗ルックの全体コントラストを改善した。図2参照。本実施例は、先の実施例において使用された添加プロテアーゼと同じ抗再沈着効果を示す各種微生物現からの添加プロテアーゼの効果を示す。
【0047】
実施例5
再沈着の程度の減少における添加プロテアーゼ製品の各種配合成分に対しての添加プロテアーゼそれ自体の効果を立証するために一連のセルラーゼのウォッシュを行った。プロテアーゼ・タンパク質以外の酵素製品配合物成分を全く含まないGC899プロテアーゼ・タンパク質を使用した。同一セルラーゼ洗浄手順を実施例1中に記載したように使用した。
【0048】
以下の処理を実施した:
1.バッファー対照(プロテアーゼもセルラーゼも不使用)
2.再沈着性セルラーゼ対照=0.5mlの製品/L洗浄液(62.5ppm全タンパク質)投与量の、INDIAGER44L(Genencor International, Inc.から商業的に入手可能なトリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ組成物)。
3.非再沈着性セルラーゼ対照=2.5mlの製品/L洗浄液(100ppm全タンパク質)投与量の、DENIMAXTML(Novo Nordiskから商業的に入手可能であり、そしてフミコーラ(Humicola)、非病原性カビから誘導されたエンドグルカナーゼ)。これは、製造者の推奨投与量であった。
4.添加プロテアーゼ処理=0.5mlの製品/L洗浄液(62.5ppm全タンパク質)投与量の、INDIAGER44L(Genencor International, Inc.から商業的に入手可能なトリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ組成物)プラス約0.18mlのGC899プロテアーゼ・タンパク質/L洗浄液(25ppm全タンパク質)。これは、全タンパク質に基づき約1:0.4の投与量化をもたらした。
【0049】
全ての処理をpH5において行った。但し、非再沈着性セルラーゼ処理を製造者の推奨に従ってpH7において行った。この反射率の読みを以下の表1中に示す。
【表1】
【0050】
反射率の結果は、プロテアーゼ・タンパク質の添加が衣類に対する再沈着の程度を減少させるという肉眼による観察に対応した。これらのプロテアーゼ処理衣類は、非再沈着性セルラーゼ処理に近似する反射率をもつ。しかも、摩耗コントラストの品質は、再沈着性セルラーゼ処理に比較して、プロテアーゼ処理により改善される。
【0051】
実施例6
再沈着性セルラーゼとは別々に添加されるか、又は再沈着阻止組成物として添加されるかのいずれかの界面活性剤との組合せにおける添加プロテアーゼの使用を、以下の処理において示す。再び、実施例1に記載したものと同じセルラーゼ洗浄プロトコールを全ケースについて使用した。
【0052】
1.バッファー対照(プロテアーゼもセルラーゼも不使用)。
2.再沈着性セルラーゼ対照=0.5mlの製品/L洗浄液(100ppm全タンパク質)投与量の、再沈着性セルラーゼ、CELLUSOFTTML(Novo Nordiskから商業的に入手可能な、トリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ組成物)、プラス0.25mlの製品/L洗浄液(250ppm)(100ppm全タンパク質)投与量の、非イオン性界面活性剤、TRITONRX−100(Union Carbide Chemicals and Plastics Co., Inc.から商業的に入手可能なオクチルフェノキシポリエトキシエタノール非イオン性界面活性剤)。
3.添加プロテアーゼ/界面活性剤処理=0.5mlの製品/L洗浄液(100ppm全タンパク質)投与量の、再沈着性セルラーゼ、CELLUSOFTTML(Novo Nordiskから商業的に入手可能なトリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ組成物)、プラス0.25mlの製品/L洗浄液(250ppm)投与量の、非イオン性界面活性剤、TRITONRX−100(Union Carbideから商業的に入手可能なオクチルフェノキシポリエトキシエタノール非イオン性界面活性剤)、プラス約0.2mlのGC899プロテアーゼ・タンパク質/L洗浄液(40ppm全タンパク質)。これは、全タンパク質に基づき約1:0.4の投与量比をもたらした。
4.非再沈着性セルラーゼ対照=2.5mlの製品/L洗浄液(100ppm全タンパク質)投与量のDENIMAZTML(Novo Nordiskから商業的に入手可能であり、そしてフミコーラ(Humicola)、非病原性カビから得られるエンドグルカナーゼ)。
5.染戻り阻止組成物ブレンド=(Genencor International, Inc.からの)再沈着性トリコデルマ(Trichoderma)セルラーゼ、サブチリシン・プロテアーゼ(Genencor International, Inc.からのGC399)及び非イオン性界面活性剤(Union Carbideから商業的に入手可能なTRITONRX−120、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール非イオン性界面活性剤)を含んで成るブレンドを、2gのブレンド/L洗浄液において投与した。これは、先に定義したようにセルラーゼ対プロテアーゼ約1:0.4比のタンパク質であった。このブレンド製品の投与量は、セルラーゼ製品からの60ppm全タンパク質、プロテアーゼ製品からの24ppm全タンパク質、120ppmの界面活性剤をもたらした。このブレンドは、セルラーゼからの3%全タンパク質、プロテアーゼからの1.2%全タンパク質、及び6%の界面活性剤から調製された。
【表2】
【0053】
表からわかるように、別個の成分として添加されるプロテアーゼ(プロテアーゼ/界面活性剤処理)又は単一の染戻り阻止組成物(染戻り阻止組成物ブレンド)に含まれるプロテアーゼのいずれかとしての、界面活性剤の存在中での再沈着性セルラーゼへのプロテアーゼの添加は、再沈着の程度を顕著に減少させる。プロテアーゼ処理の反射率値は、非沈着性セルラーゼ又はバッファー処理のものに近似する。肉眼観察はこれを確認した。摩耗ルックのコントラストも、プロテアーゼ処理によるものが再沈着性セルラーゼ対照により処理されたものよりも良好であった。
【0054】
実施例7
本テストを実施例1に実質的に同じやり方で行った。但し、プロテアーゼと再沈着性セルラーゼを洗浄サイクルにおける添加に先立って一緒に混合する。混合物、INDIAGE 44LとプロテアーゼGC899を、全タンパク質に基づき約10:1の比で調製した。本実施例においては、その量は、約111ppm全タンパク質である。一旦、洗浄液のpHを確立すれば、再沈着セルラーゼとプロテアーゼ混合物を約1.0mlの混合物/L洗浄液の濃度において添加した。他の加工パラメーターの全ては、実施例1と同じであった。但し、異なるロットのデニムを、本実施例と以下の実施例8において使用した。
【0055】
再沈着性セルラーゼ対照と比べて、再沈着性セルラーゼ/プロテアーゼにより処理されたサンプルの反射率の読みは有意に差異があった。反射率結果は、混合物中のプロテアーゼ・タンパク質の添加が再沈着性セルラーゼ対照と比べてデニム衣類に対する再沈着の程度を減少させるという肉眼観察と対応した。このプロテアーゼ処理衣類は、非沈着性セルラーゼ処理に近似する反射率の読みを示す。
【0056】
布における摩耗コントラストの品質も、再沈着性セルラーゼ/プロテアーゼ混合物は再沈着性セルラーゼ単独に比べて改善された。
【0057】
実施例8
同一の再沈着性セルラーゼとプロテアーゼとの混合物を使用して、実施例7と同様のやり方でテストを行った。但し、セルラーゼ対プロテアーゼの比を変更し、そして追加の加熱工程を包含させた。
【0058】
INDIAGE 44LとプロテアーゼGC899を含んで成る混合物を全タンパク質に基づく約60:1の比で調製した。この混合物を、洗浄サイクルへの添加前120時間、37℃の温度までさらに加熱した。本実施例においては、その量は、約122ppm全タンパク質であった。他の加工パラメーターの全ては、実施例1と7に記載したものと同じであった。
【表3】
【0059】
衣類が再沈着性セルラーゼ/プロテアーゼ混合物により処理される実施例7における結果と同様に、前もって加熱された再沈着性セルラーゼ/プロテアーゼ混合物による衣類の処理は、再沈着性セルラーゼ単独により処理された衣類に比べて改善された染戻りの減少をもたらす。その上、摩耗ルックのコントラストは、再沈着性セルラーゼ対照と実施例7の再沈着性セルラーゼ/プロテアーゼ混合物と比較して、前インキュベートされたセルラーゼ/プロテアーゼ混合物を使用して顕著に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、再沈着性セルラーゼ対照に対する、実施例1,2、及び3に記載するような、再沈着性セルラーゼとこれに添加する数種のプロテアーゼによるストーンウォッシングの比較的反射率測定のグラフを示す。
【図2】図2は、実施例4に例示するような、再沈着性セルラーゼ対照に対する、再沈着性セルラーゼとこれに添加する数種のプロテアーゼによるストーンウォッシングの比較的反射率測定のグラフを示す。
Claims (9)
- インジゴ染色デニムの表面に、色の濃淡において変化を持つ局在領域、及びそのデニムの青色繊維と白色繊維の間の高いコントラストを、導入するための方法であって、
前記方法は、
セルラーゼが、セルラーゼおよびアミラーゼを含む酵素調整物ではないという条件のもとで、
前記デニムを
a.色の濃淡において変化を作り出すために十分な有効量の再沈着性セルラーゼ;及び
b.染め戻りを減少させ、かつ、いずれかのオーダーにおいて青色繊維と白色繊維の間のコントラストを増加させるために十分な有効量の添加プロテアーゼ
と、同時に接触させることを含む
ことを特徴とする方法。 - 有効量のセルラーゼとプロテアーゼが、5ppmの全再沈着性セルラーゼ・タンパク質:1,000ppm全添加プロテアーゼ・タンパク質から、1,000ppm全再沈着性セルラーゼ・タンパク質:1ppm全添加プロテアーゼ・タンパク質までの比であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記添加プロテアーゼが、セリン又はメタロ・プロテアーゼであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- プロテアーゼが、バチルス(Bacillus)又はアスペルギルス(Aspergillus)由来であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の方法。
- 再沈着したインジゴ染料の除去をさらに増加させるのに十分な量における界面活性剤の添加をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載の方法。
- 再沈着性セルラーゼが、トリコデルマ(Trichoderma)由来であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの項に記載の方法。
- デニムを軽石と接触させることをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかの項に記載の方法。
- 前記セリン・プロテアーゼが、サブチリシンであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 前記再沈着性セルラーゼと前記プロテアーゼを一緒に混合し、そして1時間〜14日間、30℃〜60℃のレンジの温度においてインキュベートすることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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