JP3998823B2 - 内視鏡用高周波スネア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、体腔内のポリープ切除等を行うために内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱して使用される内視鏡用高周波スネアに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用高周波スネアは一般に、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される電気絶縁性の可撓性シース内に軸線方向に進退自在に導電性の操作ワイヤが挿通配置されて、その操作ワイヤの先端に導電性の弾性ワイヤにより形成されたワイヤループが連結され、操作ワイヤを手元側から進退操作することによりワイヤループが可撓性シースの先端開口から出入りして膨縮するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば図6に示されるように、可撓性シース1の先端開口からワイヤループ3が出入りする従来の内視鏡用高周波スネアでは、ポリープ100が無茎状のものの場合、(A)に示されるように、ポリープ100をワイヤループ3で囲んでから、ポリープ100を緊縛するためにワイヤループ3を可撓性シース1内に引き込んで縮ませると、(B)に示されるように、ワイヤループ3がポリープ100から外れる方向に滑ってしまい、ポリープ100をうまく切除することができない。
【0004】
そこで本発明は、無茎状のポリープであっても、ワイヤループで確実に緊縛してから高周波電流を通じて確実に切除することができる内視鏡用高周波スネアを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用高周波スネアは、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される電気絶縁性の可撓性シース内に軸線方向に進退自在に導電性の操作ワイヤを挿通配置して、その操作ワイヤの先端に導電性の弾性ワイヤにより形成されたワイヤループを連結し、上記操作ワイヤを手元側から進退操作することにより上記ワイヤループが上記可撓性シースの先端部分に出入りして膨縮するようにした内視鏡用高周波スネアにおいて、上記可撓性シースの先端近傍の側壁に側孔を穿設して、上記ワイヤループが上記側孔から上記可撓性シースに出入りするようにしたことを特徴とする。
【0006】
なお、上記側孔が上記可撓性シースの軸線と平行の方向に細長く形成された長孔であり、その長孔の幅寸法が上記弾性ワイヤの直径二本分と三本分の間であってもよい。
【0007】
また、上記可撓性シースの上記側孔より先側の部分内に、柔軟な充填物が充填されていてもよく、その場合、上記側孔より基端側寄りの上記シースの内周面と上記側孔とを滑らかにつなぐ斜面が、上記充填物によって形成されていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の参考例の内視鏡用高周波スネアの先端部分を示しており、1は、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される電気絶縁性の可撓性シースであり、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブによって形成されている。
【0009】
可撓性シース1内には、導電性の操作ワイヤ2が軸線方向に進退自在に挿通配置されており、可撓性シース1の基端に連結された図示されていない操作部からの遠隔操作によって進退操作することができる。
【0010】
操作ワイヤ2の先端には、例えばステンレス鋼線材等からなる導電性の弾性ワイヤをループ状に曲げて形成されたワイヤループ3が、ステンレスパイプ等からなる連結管4を介して連結されており、操作ワイヤ2を介して操作部側からワイヤループ3に高周波電流を通電することができる。
【0011】
可撓性シース1の先端近傍(例えば先端から5mm〜50mm程度離れた位置)の側壁には、ワイヤループ3が可撓性シース1内に出し入れされる側孔5が穿設されている。
【0012】
側孔5は、図2に示されるように、可撓性シース1の軸線と平行の方向に細長い長孔であり、その幅Wは、ワイヤループ3を形成する弾性ワイヤが大きくガタつくことなく滑らかに出入りするように、弾性ワイヤの直径二本分と三本分の間の寸法に形成されている。
【0013】
このように構成された内視鏡用高周波スネアは、手元側の操作部から操作ワイヤ2を進退操作することによって、ワイヤループ3が側孔5を出入口として可撓性シース1内に出入りし、可撓性シース1外では自己の弾性によって膨らんでループを形成し、可撓性シース1内に引き込まれることにより弾性変形して窄まる。
【0014】
図3は、本発明の内視鏡用高周波スネアを内視鏡10の処置具挿通チャンネル11に通して、無茎形状のポリープ100を切除する状態を示しており、(A)に示されるように、ポリープ100を囲むようにワイヤループ3をセットできたら、可撓性シース1の側孔5より先側の部分1aを粘膜面に押し付ける。
【0015】
それによって、可撓性シース1が粘膜と共動してポリープ100に対して相対的に振らつかなくなるだけでなく、ワイヤループ3をポリープ100の基部付近にしっかりと押し付けて、ポリープ100を盛り上がらせた状態にすることができる。
【0016】
その結果、(B)に示されるように、ワイヤループ3を締め付けると、ワイヤループ3がポリープ100から外れることなくポリープ100の基部近くを確実に緊縛することができ、この状態で高周波電流を通電してポリープ100を安全かつ確実に切除することができる。
【0017】
このとき、側孔5の幅Wがワイヤループ3を構成する弾性ワイヤの直径二本分と三本分の間程度の寸法に形成されているので、ワイヤループ3の根元側がよく閉じた状態でポリープ100に接触し、高周波電流による焼灼切除を確実に行うことができる。
【0018】
また本発明の内視鏡用高周波スネアは、図4に示されるように、可撓性シース1の先端1bを粘膜面に押し付けて固定した状態で内視鏡10の湾曲部12を湾曲させることにより、ワイヤループ3の位置を微調整してポリープに対して容易に係合させることができる。
【0019】
図5は、本発明の内視鏡用高周波スネアを示しており、可撓性シース1の側孔5より先側の部分1a内に、例えばシリコンゴム等のような柔軟な充填物6を充填したものである。
【0020】
側孔5より基端側の可撓性シース1の内周面と側孔5とを滑らかにつなぐ斜面6aが充填物6によって形成されており、ワイヤループ3を可撓性シース1内にどのように引き込んでも、側孔5から外部に確実に膨出させることができる。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓性シースの先端近傍の側壁に穿設した側孔からワイヤループを出し入れするようにしたことにより、可撓性シースの側孔より先側の部分をポリープの基部にしっかりと押し付け、ポリープを盛り上がらせてワイヤループで確実に緊縛した状態で高周波電流を通じ、確実に切除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例の内視鏡用高周波スネアの先端部分の側面断面図である。
【図2】 本発明の参考例の内視鏡用高周波スネアの先端部分の底面図である。
【図3】 本発明の内視鏡用高周波スネアにより無茎状ポリープを切除する状態を示す略示図である。
【図4】 本発明の内視鏡用高周波スネアのワイヤループの位置の微調整状態を示す略示図である。
【図5】 本発明の実施の形態の内視鏡用高周波スネアの先端部分の側面断面図である。
【図6】 従来の内視鏡用高周波スネアにより無茎状ポリープを切除する状態を示す略示図である。
【符号の説明】
1 可撓性シース
2 操作ワイヤ
3 ワイヤループ
5 側孔
10 内視鏡
11 処置具挿通チャンネル
Claims (2)
- 内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される電気絶縁性の可撓性シース内に軸線方向に進退自在に導電性の操作ワイヤを挿通配置して、その操作ワイヤの先端に導電性の弾性ワイヤにより形成されたワイヤループを連結し、上記操作ワイヤを手元側から進退操作することにより上記ワイヤループが上記可撓性シースの先端部分に出入りして膨縮するようにした内視鏡用高周波スネアにおいて、
上記可撓性シースの先端近傍であって上記可撓性シースの先端との間に少なくとも5mmの間隔をあけた位置の側壁に側孔を穿設すると共に、上記可撓性シースの上記側孔より先側の部分内全体に柔軟な充填物を充填して、上記側孔の先端縁位置から上記可撓性シース内側へ次第に上記可撓性シースの基端側に向かって変位する斜め後方向きの斜面を上記充填物の後端面で形成し、上記ワイヤループが上記側孔から上記可撓性シースに出入りするようにしたことを特徴とする内視鏡用高周波スネア。 - 上記側孔が上記可撓性シースの軸線と平行の方向に細長く形成された長孔であり、その長孔の幅寸法が上記弾性ワイヤの直径二本分と三本分の間である請求項1記載の内視鏡用高周波スネア。
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1998
- 1998-08-05 JP JP22121198A patent/JP3998823B2/ja not_active Expired - Fee Related
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