JP3997947B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湯沸かし容器、給水容器等の複数の容器を備え、長時間の使用で湯沸かし容器内に水垢等が付着した場合、湯沸かし容器内を水で満水にした後、洗浄剤を添加して行う洗浄効率を向上させる容器洗浄用の専用動作モードである湯沸かし容器の洗浄モード中に給水容器の水を湯沸かし容器に給水できる電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気湯沸かし器は、湯沸かし容器洗浄用の専用動作モードを備えることで、水の高温保持効果、対流効果を最大限利用した効率のよい洗浄を行なっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−206214号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のものでは、洗浄が効率良く行なわれるが、その洗浄モード中に給水容器の水を湯沸かし容器に給水した場合については言及されておらず、給水容器による給水動作の使い勝手を配慮したものではなかった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、容器洗浄モード中に給水容器の水を湯沸かし容器に給水した場合に、給水するタイミングによっては湯沸かし容器の水を高温保持できないことを防いで、高温保持効果を最大限に利用した効率のよい洗浄を一定して行うことができ、使い勝手を向上させた電気湯沸かし器を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の電気湯沸かし器は、湯沸かし容器の容器洗浄モード実行中に給水容器の水が湯沸かし容器に給水されたならば、洗浄モードの工程内容を変更可能とし、容器洗浄モードの工程内容が変更中であることを表示する構成としたものである。
【0007】
これによって、洗浄モード途中に給水が行なわれた時でも、給水後の水を沸かした後に高温保持効果を最大限に利用した効率のよい洗浄を一定して行うことができ、使い勝手を向上させることができる。さらに、洗浄モードの工程内容が変更中であることを使用者に知らしめることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし容器に供給する液体を貯える給水容器と、前記給水容器内の液体を前記湯沸かし容器に供給する給水手段とを備え、前記湯沸かし容器の洗浄を行う容器洗浄モード実行中に前記給水容器の液体を前記湯沸かし容器に給水可能とし、前記容器洗浄モード中に給水が実施されると、前記容器洗浄モードの工程内容を変更可能とする電気湯沸かし器としたことで、給水が行なわれた時でも給水後の液体を沸かした後に高温保持効果を最大限に利用した効率のよい洗浄を一定して行うことができ、使い勝手を向上させることができる。
【0009】
さらに、容器洗浄モードの工程内容が変更中であることを表示することにより、洗浄モードの工程内容が変更中であることを使用者に知らしめることができる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に請求項1に記載の発明において、表示を点滅して行うことにより、洗浄モードの工程内容が変更中であることを強調して、表示の利便性及び機能性を向上することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における電気湯沸かし器を示したものである。
【0013】
図において、1は収容した水を沸して保温する湯沸かし容器、2は湯沸かし容器1を加熱するための925Wの主ヒータと75Wの保温ヒータからなる加熱手段、3はポンプ4を駆動する出湯モータである。この出湯モータ3とポンプ4は磁気結合されており、湯沸かし容器1の湯を、水管5を介して出湯口6から排出するための出湯手段を構成している。7は水管5に対向して取り付けた赤外発光素子と受光素子からなる水量検知手段であり、3レベルの水量を検知する検知手段7a、7b、7cから構成されている。検知手段7aは満水位置に設置した満水検知、検知手段7cは湯沸かし容器1の空焚きを防止するために加熱手段2を停止する位置に設置した給水検知、検知手段7bは検知手段7aと7cの中間位置に設置した中間検知をそれぞれ行う。
【0014】
8は湯沸かし容器1に給水するための水を収容した給水容器で、ポンプ9、給水管11と一体式で機器本体16に対して着脱可能としている。10はポンプ9と磁気結合された給水モータで、この駆動により、給水容器8の水を、給水管11を介して湯沸かし容器1に給水する。そして、ポンプ9と給水モータ10で、給水容器8の水を湯沸かし容器1に給水する給水手段を構成している。12は使用者が操作して出湯を指示するための出湯スイッチ、13は出湯スイッチ12の受け付けを許可するためのロック解除スイッチ、14は湯沸かし容器1内の湯温を検知する温度検知手段、15は給水容器8の着脱を検知する着脱センサである。
【0015】
17は着脱が容易で商用電源を供給するための電源プラグ、18は容器洗浄動作の開始停止を制御する容器洗浄開始停止手段、19は給水手段9、10からの入力により容器洗浄モードの工程内容を変更する洗浄モード工程内容変更手段、20は水量検知手段7、温度検知手段14、容器洗浄開始停止手段18、及び洗浄モード工程内容変更手段19からの入力によって加熱手段2と動作モード表示手段21を制御する加熱制御手段である。
【0016】
以上のような構成において、その動作を説明する。電源プラグ17をコンセントに挿入して機器に商用電源を投入すると動作を開始し、温度検知手段14で検知する温度が85℃未満ならば沸騰モードへ移行し、湯沸かし動作を行う。
【0017】
まず、湯沸かし容器1の水量が検知手段7cより少ない時、加熱制御手段20による加熱手段2の加熱は停止している。給水手段9、10は、湯沸かし容器1の水量が検知手段7aより少なく、着脱センサ15により給水容器8の装着が検知されているときに自動的に給水を開始し、水量が検知手段7a以上になると給水を停止する。加熱制御手段20により加熱手段2は水量が給水検知手段7cを超えた時点で加熱を開始し、以後温度検知手段14の入力で加熱制御手段20により沸騰検知するまで加熱手段2の主ヒータによる加熱、沸騰検知以後は加熱手段2の保温ヒータによる98℃保温を行う。
【0018】
ここで、出湯手段3、4を動作させると、水管5および出湯口6内を湯が通るため水量検知手段7による検知水量は必ず満水検知手段7aまで水量があると検知してしまう。このため、出湯中は水量検知手段7による湯沸かし容器1の湯量検知を禁止する構成となっている。
【0019】
98℃保温中の動作は満水時から出湯を繰り返すと湯沸かし容器1内の湯量は減っていくが、湯量が検知手段7b以上あるとき、または、着脱センサ15により給水容器8が装着されていないと検知されているときは給水手段9、10による給水は行わない。そして、湯量が検知手段7b未満と検知され、かつ、着脱センサ15により給水容器8が装着されていることが検知され、検知した時点から3分経過後に給水手段9、10による給水動作を開始する。
【0020】
その後、検知手段7a以上を検知すると給水手段9、10を停止させ、給水途中あるいは給水終了後に、水を給水した結果湯温が下がり、保温温度98℃から93℃未満になると温度検知手段14がこれを検知して加熱手段2により加熱を開始する。
【0021】
容器洗浄開始停止手段18は使用者が自由に設定できるスイッチ入力となっており、沸騰モード、保温モードのいずれのモードにおいても容器洗浄開始停止手段18より信号入力されると、容器洗浄モードへ移行する。また、容器洗浄モード中に容器洗浄開始停止手段18より信号入力されると、温度検知手段14からの温度が85℃以上ならば保温モードへ、85℃未満なら沸騰モードへと移行する。
【0022】
更に、図2により詳細を説明する。図2は実施例1における電気湯沸かし器のフローチャートを示したものである。
【0023】
機器が容器洗浄モードに移行すると、ステップ1にて沸騰モード時と同様に水量検知手段7と加熱制御手段20の働きで、加熱手段2を制御して水を沸騰加熱させ、ステップ2にて温度検知手段14により沸騰検知するまで加熱手段2の主ヒータによる加熱を行う(本実施例では本工程を洗浄モードIとする)。ステップ2にて沸騰検知した後は、ステップ4にて給水手段9、10による給水動作がなければ、ステップ3にて加熱制御手段20の働きで加熱手段2を制御し、ステップ5にて加熱制御手段20内であらかじめ設定された所定時間(本実施例では15分)、所定周期(本実施例では30秒周期)、所定デューティー(本実施例では8秒オフ/22秒オン)に従って沸騰加熱の断続動作を行う(本実施例では本工程を洗浄モードIIとする)。断続動作終了後、ステップ6にてやはり加熱制御手段20の働きで、加熱手段2を制御して水を保温加熱する動作(本実施例では本工程を洗浄モードIIIとする)へ移行し容器洗浄モードは終了する。
【0024】
ステップ2にて沸騰検知した後の工程である洗浄モードIIの途中、つまり、加熱制御手段20内であらかじめ設定された所定時間が経過するまでにステップ4にて給水手段9、10による給水動作があったならば、再度、洗浄モードIに戻り、ステップ2にて温度検知手段14により沸騰検知するまで加熱手段2の主ヒータによる加熱を行ない、その後洗浄モードII以降を繰り返す。また、洗浄モードIIIの途中においてもステップ7にて給水手段9、10による給水動作があったならば洗浄モードIに戻り同様の動作を実施する。
【0025】
以上のような構成により、洗浄モード中に給水容器8の水が湯沸かし容器1に給水されて水温が低下した場合でも、給水後の水を沸かした後に高温保持効果を最大限に利用した効率のよい洗浄を一定して行うことができ、給水動作がないときと同等の洗浄効果を得ることができる。
【0026】
(実施例2)
本発明の実施例2における電気湯沸かし器について図1、図3を基に説明する。図3は実施例2における電気湯沸かし器のフローチャートを示したものである。本実施例において実施例1と異なる点は、沸騰検知した後の工程である洗浄モードIIの途中、つまり、加熱制御手段20内でステップ5にてあらかじめ設定された所定時間が経過するまでにステップ4にて給水手段9、10による給水動作があったならば、洗浄モードIIの初期に戻り、加熱制御手段20内であらかじめ設定された所定時間、所定周期、所定デューティーに従って沸騰加熱の断続動作を行う。また、洗浄モードIIIの途中においてもステップ7にて給水手段9、10による給水動作があったならば洗浄モードIIに戻り同様の動作を実施するようにしたことである。
【0027】
なお、本実施例では給水動作があったならば、洗浄モードIIの初期に戻るとしたが、給水動作があった洗浄モードの工程を延長する、あるいは、給水中または給水終了後に別の専用工程にて洗浄工程を行うとしてもよい。
【0028】
以上のような構成により、洗浄効果を保持しつつ洗浄時間を節約することができる。
【0029】
(実施例3)
図4は本発明の実施例3における電気湯沸かし器を示したものである。図において、図1と同一の機能を有するものは同一の符号を付与し説明を省略する。
【0030】
本実施例において実施例1と異なる点は、洗浄モードの工程内容が変更されたことを表示する表示手段22を新たに設けて、洗浄モードIIまたはIIIの途中に給水手段9、10による給水動作があって工程内容が変更中であることを加熱制御手段20により表示させるようにしたことである。
【0031】
以上のような構成により、洗浄モード中に給水容器8の水が湯沸かし容器1に給水されて水温が低下した場合でも、給水後の水を沸かした後に高温保持効果を最大限に利用した効率のよい洗浄を一定して行うことができ、給水動作がないときと同等の洗浄効果を得ることができることに加えて、使用者に洗浄モードの工程が変更されたことを知らしめることができ、使い勝手が良くなる。
【0032】
(実施例4)
本発明の実施例4における電気湯沸かし器について図4を基に説明する。
【0033】
本実施例において実施例3と異なる点は、表示手段22で表示する表示を点滅(本実施例では0.5秒毎に点滅)して行うようにしたことである。なお、本実施例では0.5秒毎に点滅としたが0.2秒、1.0秒でもよく、仕様目的などによってこの点滅周期は変わる。
【0034】
以上の構成により、使用者に、洗浄モードの工程が変更された旨を強調して知らしめることができ、使い勝手が良くなる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明は、湯沸かし容器の洗浄モード中に給水が行なわれた時でも、給水後の水を沸かした後に高温保持効果を最大限に利用した効率のよい洗浄を一定して行うことができ、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1〜2における電気湯沸かし器の構成図
【図2】 本発明の実施例1における電気湯沸かし器のフローチャート
【図3】 本発明の実施例2における電気湯沸かし器のフローチャート
【図4】 本発明の実施例3〜4における電気湯沸かし器の構成図
【符号の説明】
1 湯沸かし容器
2 加熱手段
8 給水容器
9 ポンプ(給水手段)
10 給水モータ(給水手段)
22 表示手段
Claims (2)
- 湯沸かし容器と、前記湯沸かし容器内の液体を加熱する加熱手段と、前記湯沸かし容器に供給する液体を貯える給水容器と、前記給水容器内の液体を前記湯沸かし容器に供給する給水手段とを備え、前記湯沸かし容器の洗浄を行う容器洗浄モード実行中に前記給水容器の液体を前記湯沸かし容器に給水可能とし、前記容器洗浄モード中に給水が実施されると、前記容器洗浄モードの工程内容を変更可能とし、容器洗浄モードの工程内容が変更中であることを表示する電気湯沸かし器。
- 表示を点滅して行う請求項1に記載の電気湯沸かし器。
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