JP3997583B2 - 膜濾過装置及び膜濾過方法 - Google Patents

膜濾過装置及び膜濾過方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は膜濾過装置及び膜濾過方法に係り、特に、原水の通水を継続しながら、透過水側から逆洗水を圧入して逆洗を行う膜濾過装置において、膜の損傷の原因となる逆洗時の原水の脈動流の発生を防止して長期連続運転を可能とした膜濾過装置及び膜濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原水の濁質除去を目的とする限外濾過(UF)又は精密濾過(MF)等の膜濾過装置では、膜モジュールに供給された原水中の固形分は膜によって分離され、膜を透過した透過水と固形分濃度が高くなった濃縮水とに分けられる。この濃縮水は排出されるか、循環槽に返送され再度膜モジュールに供給される。このような膜濾過を継続すると、膜の目詰りによりフラックス(透過水量)が低下してくるため、定期的(間欠的)に、例えば数分〜数百分の原水の通水に対して数秒〜数分の頻度で、原水の通水を継続したまま、膜の透過水側から逆洗水を逆流させて膜面に付着した濁質ケーキを剥離、除去する逆洗を行って、フラックスを回復させることがある。通常、この逆洗水としては、透過水の一部を逆洗タンクに貯留しておいたものが用いられるが、別の洗浄用水を用いる場合もある。
【0003】
このように、原水の通水を継続しながら逆洗水を供給する逆洗方法では、通常、逆洗の間、透過水の採水は行わず、膜モジュールに流入した原水は濃縮水取出管から系外へ排出されるか、原水側へ返送される。
【0004】
ところで、クロスフロー濾過方式でしかも上記の如く定期的に逆洗を行う従来の膜濾過装置では、多くの場合、複数の膜モジュールを直列に接続することなく、すべて並列に接続した装置構成とされていたが、この場合、原水流量と透過水流量との比は一般に1:0.06〜0.15程度で採水効率が小さいという欠点があった。
【0005】
これに対して、複数の膜モジュールを直列に接続したもの、例えば、2本の膜モジュールを直列に接続したものでは、原水流量と透過水流量の比は1:0.15〜0.30或いはそれ以上となり、採水効率が高いことから、近年、直列型の膜濾過装置の開発が進められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、原水の通水を継続しながら、逆洗水を逆流させる逆洗を行った場合、逆洗時に膜モジュールに流入する原水圧力が通水濾過時(逆洗を行っていない透過水採水時)に比べて高くなり、また、膜モジュールへの原水流入量は通水濾過時に比べて減少する。
【0007】
この現象は、逆洗時に逆洗水が膜を透過して濃縮水側に移行してくるため、この濃縮水側への移行水が、原水が通過する濃縮水側流路を一部遮断することによるものと考えられる。
【0008】
そして、このような原水の圧力と流入量が変動するところから、逆洗の都度、膜モジュールへの流入原水に脈動流が発生するようになる。そして、このような脈動が繰り返し膜に負荷されることにより膜が損傷し易いものとなる。
【0009】
この脈動流は、複数の膜モジュールを並列に接続した膜濾過装置でも生じるが、特に、複数の膜モジュールを直列に接続した膜濾過装置において、直列に接続した膜モジュール数が多い程大きく、とりわけ、このような直列型の膜濾過装置で各膜モジュールを同時逆洗した場合には、著しく大きな脈動流が発生することから、膜は早期に損傷するようになる。
【0010】
上記逆洗時の脈動流による影響はまた、例えば、石膏粒子を含有する石炭焚きの火力発電所の排煙脱硫排水の中和・凝集処理水を膜濾過する場合や、原水に50μm以上の粒径の粉末活性炭を添加した後膜濾過する場合のように、高硬度ないし大粒径の粒子を含む原水が流入する場合に大きく、膜は早期に損傷するようになる。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、膜の損傷の原因となる逆洗時の原水の脈動流を低減し、長期連続運転が可能な膜濾過装置及び膜濾過方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の膜濾過装置は、内部を濃縮水側と透過水側とに区画する濾過膜を具備する膜モジュールと、該膜モジュールの濃縮水側に原水を供給する原水供給管と、該濾過膜を透過した透過水を該膜モジュールから取り出す透過水取出管と、濃縮水を該膜モジュールから取り出す濃縮水取出管と、逆洗弁を開とすることにより逆洗水を膜モジュールの透過水側に圧入する逆洗水供給手段とを有し、原水を供給しつつ間欠的に逆洗水を膜モジュールに圧入して該濾過膜を逆洗するようにした膜濾過装置において、濃縮水の一部を排出する濃縮水排出管が、前記濃縮水取出管から分岐して、或いは、濃縮水取出管とは別に膜モジュールの濃縮水側に接続して設けられ、該濃縮水排出管に濃縮水排出弁が設けられており、逆洗水膜モジュールに圧入するために逆洗弁が開とされている間は、この膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁が開状態とされ、該逆洗弁が閉とされているときにはこの膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁が閉状態とされることを特徴とする。
本発明の膜濾過方法は、内部を濃縮水側と透過水側とに区画する濾過膜を具備する膜モジュールと、該膜モジュールの濃縮水側に原水を供給する原水供給管と、該濾過膜を透過した透過水を該膜モジュールから取り出す透過水取出管と、濃縮水を該膜モジュールから取り出す濃縮水取出管と、逆洗弁を開とすることにより逆洗水を膜モジュールの透過水側に圧入する逆洗水供給手段とを有し、原水を供給しつつ間欠的に逆洗水を膜モジュールに圧入して該濾過膜を逆洗するようにした膜濾過装置による膜濾過方法において、濃縮水の一部を排出する濃縮水排出管が、前記濃縮水取出管から分岐して、或いは、濃縮水取出管とは別に膜モジュールの濃縮水側に接続して設けられ、該濃縮水排出管に濃縮水排出弁が設けられており、逆洗水を膜モジュールに圧入するために逆洗弁が開とされている間は、この膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁を開状態とし、該逆洗弁が閉とされているときにはこの膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁を閉状態とすることを特徴とする。
【0013】
かかる本発明の膜濾過装置及び膜濾過方法では、逆洗弁を開とした逆洗時には濃縮水排出管の濃縮水排出弁を開として濃縮水の一部を排出することにより、逆洗時の原水の圧力増加及び流入量減少の程度を低減することができる。このように逆洗時の原水圧力及び流入量の変動を小さくすることにより、脈動流の発生を防止し、脈動流による膜の損傷を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の膜濾過装置の実施の形態を示す系統図である。図中、M11,M12,M13,M21,M22,M23,M31,M32,M33は膜モジュール、H1 ,H2 ,H3 ,H4 はマニホルド、V10,V20,V30は逆洗弁(自動弁)、V11,V21,V31は透過水出口弁(自動弁)、V12,V22,V32は濃縮水排出弁(自動弁)、V13,V23,V33は定流量弁、V14,V24,V34は流量調節弁、Wは逆洗タンク、Lは水位計、V40はエア抜き弁、V41は水位計Lに連動する逆洗水水張り弁、VA1,VA2,VA3は遮断弁、VB1,VB2,VB3は調圧弁(圧力調整弁)である。M1 ,M2 ,M3 は3本の膜モジュールが並列された膜モジュール群を示す。
【0016】
この膜濾過装置は、3本の膜モジュールが並列に配置された膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 が、3段に直列に配置されたものであり、上流側の膜モジュール群の濃縮水が順次下流側の膜モジュール群に流入し、透過水は各段毎に集水され、各々透過水出口弁V11,V21,V31及び定流量弁V13,V23,V33を経て抜き出され、更に集水されて系外へ排出される。なお、この透過水の一部は必要に応じて逆洗水水張り弁V41より逆洗タンクWに流入する。この逆洗タンクWには水位計Lが設けられており、設定した水位まで透過水が流入すると水張り弁V41を閉として透過水の導入を停止する。
【0017】
各膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 には各々の膜モジュールの透過水側に逆洗タンクWの逆洗水を圧入する逆洗弁V10,V20,V30が設けられており、逆洗時には、逆洗タンクWの空気貯め部に連結したコンプレッサ(図示せず)により、調圧弁VB1,VB2,VB3及び遮断弁VA1,VA2,VA3を介して加圧空気が供給され、この加圧力で逆洗水が各膜モジュールに供給される。
【0018】
また、各膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 の出口側のマニホルドH2 ,H3 ,H4 には、各々濃縮水排出弁V12,V22,V32及び流量調節弁V14,V24,V34を有する濃縮水排出ラインが設けられている。
【0019】
各膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 の透過水出口弁V11,V21,V31とこの濃縮水排出弁V12,V22,V32は、各々、逆洗弁V10,V20,V30の開閉に対応して次のように開閉する。
【0020】
【表1】
Figure 0003997583
【0021】
このように逆洗時に弁の開閉を制御することにより、膜モジュールの透過水側から濃縮水側へ逆洗水が圧入される際の脈動流の発生を大幅に低減することができる。即ち、従来においては、原水の通水を継続しながら逆洗を行う場合、逆洗時に透過水側から濃縮水側へ逆流することによって増加した水が、原水(濃縮水)側の圧力を高め、また、原水流入量を低減させ、これが脈動流の原因となっていたが、図示の如く、濃縮水排出弁V12,V22,V32を設け、逆洗時に、この濃縮水排出弁V12,V22,V32を開として、逆洗水の流入で濃縮水側で増加した水量に見合う量の水を排出することにより、上記圧力増加、流入量低減を防止し、逆洗時の圧力及び流入量を通水濾過時と同等に平準化させることができる。そして、これにより脈動流の発生を防止することができる。
【0022】
なお、濃縮水排出弁V12,V22,V32からの濃縮水排出量は、その開閉の度合や口径等によって左右され、一方で、圧力及び流入量の平準化作用で、脈動流の発生を安定かつ確実に防止するためには、濃縮水の排出量を適正量とする必要があることから、各濃縮水排出弁V12,V22,V32の設置ラインには図示の如く、各々流量調整弁V14,V24,V34を設け、その開度調整で濃縮水の排出量を制御するのが好ましい。
【0023】
ところで、脈動流の防止の点からは、逆洗時の有効逆洗圧(逆洗時の透過水(逆洗水)側圧力と原水(濃縮水)側圧力との差)を0.02〜0.15MPaの適正範囲に抑えることに加えて、複数の膜モジュールを直列に接続した膜濾過装置においては、1基の逆洗タンクによる逆洗では各段の膜モジュールの有効逆洗圧を均等にすることが望ましいが、このように逆洗圧を各段において均等にするにはそのための特別な付帯設備が必要であった。
【0024】
例えば、図示の如く、3段に直列に膜モジュール群M1 〜M3 を接続したものにおいて、1基の逆洗タンクで逆洗を行うと、最上段の膜モジュール群M1 の有効逆洗圧は0.02MPa、中段の膜モジュール群M2 の有効逆洗圧は0.06MPa、最下段の膜モジュール群M3 の有効逆洗圧は0.1MPaというように適正範囲内に抑えられるものの、その値には大きな差が生じる。このため、従来においては、各段の有効逆洗圧を個別に制御しうるようにするために各段毎に逆洗タンクを設けているが、このようにすることによりタンク数や設置スペースが増え、運転管理の面でも作業数が多いという欠点があった。
【0025】
これに対し、本実施の形態では、3段の膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 に対して1基の逆洗タンクWを設け、この逆洗タンクWに各々の膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 に対応する圧力調節手段を設けて各膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 の有効逆洗圧を制御できるように構成している。
【0026】
即ち、図1において、遮断弁VA1と調圧弁VB1は膜モジュール群M1 の有効逆洗圧の設定のためのものであり、遮断弁VA2と調圧弁VB2は膜モジュール群M2 の有効逆洗圧の設定のためのものであり、遮断弁VA3と調圧弁VB3は膜モジュール群M3 の有効逆洗圧の設定のためのものであり、各調圧弁VB1,VB2,VB3はコンプレッサからの加圧空気を各々の膜モジュール群M1 ,M2 ,M3 の逆洗に好適な所定圧力で逆洗タンクWに送給するように設定され、遮断弁VA1,VA2,VA3は各々逆洗弁V10,V20,V30に同期して開閉制御される。
【0027】
このように、直列に接続した膜モジュール又は膜モジュール群毎に有効逆洗圧調節手段を設けることにより、1基の逆洗タンク及び共通の逆洗水供給配管等により各段の有効逆洗圧を均等にして各膜モジュールを逆洗することができる。
【0028】
なお、逆洗時にはエア抜き弁V40は閉とされる。逆洗終了後に該エア抜き弁V40を開として、水位計Lに連動する逆洗水水張り弁V41より透過水を所定水位まで逆洗タンクW内に貯める。
【0029】
図示の膜濾過装置は、3本の膜モジュールを並列配置した膜モジュール群を3段に直列に接続したものであるが、本発明において、膜モジュールの接続数や接続形態に特に制限はなく、1本の膜モジュールのみを設置した膜濾過装置であっても良い。
【0030】
ただし、前述の如く、脈動流及びそれによる膜の損傷は膜モジュールの直列に接続する数が多いほど起こり易いことから、本発明は、特に、膜モジュールを直列に多段に接続した膜濾過装置に適用することにより、顕著な効果を得ることができる。
【0031】
このように膜モジュールが直列に多段に接続されている膜濾過装置において、各段の膜モジュールの逆洗は同時に行っても、順次行っても良い。
【0032】
なお、各段の膜モジュールの逆洗を順次行うようにした場合であれば、一つの段の膜モジュールが逆洗されているときでも他の段の膜モジュールでは透過水採水運転が行われるので、常時透過水を得ることができるという利点がある。また、図示の如く、各段の膜モジュール毎に有効逆洗圧調節のための調圧弁及び遮断弁を設け、各段の膜モジュール毎に有効逆洗圧の調節を行う点からも、順次逆洗を行うようにするのが好ましい。この場合、逆洗の周期が重なるようであれば、どの段の膜モジュールの逆洗を優先させるかを予め設定しておき、タイマーにより、各段の膜モジュールの逆洗操作を順次実行させるのが好ましい。
【0033】
なお、逆洗時間は、任意に設定できるが、通常、数秒〜数十秒程度であり、また、逆洗頻度は数分〜数時間毎である。
【0034】
【実施例】
以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0035】
実験例1
膜面積0.036m2 のMF膜モジュールを2本用い、脈動流による膜の損傷状況を確認する実験を行った。
【0036】
一方の膜モジュールには2m/sの連続通水(脈動流なし)で、また、他方の膜モジュールには、人工的に脈動流を起こすべく、2m/sの通水1〜15分毎に、流量を半減して1m/sとする通水を5秒間行う周期的な通水を行い、それぞれ表2に示す試験水を表2に示す時間通水した。
【0037】
通水後、膜面を観察すると共に撮影した写真から、膜全体の面積に対する孔の見える部分の面積の割合を開孔率として求め、結果を表2に示した。なお、通水試験前の新膜の開孔率は33%であった。
【0038】
【表2】
Figure 0003997583
【0039】
表2より、特に、粉末活性炭や石膏粒子といった粒子を含む原水、とりわけ、硬度の高い石膏粒子を含む原水を通水すると脈動流により膜が著しく損傷し、膜の濾過面に形成されている網目構造の孔がつぶれてしまうことがわかる。
【0040】
実施例1,比較例1
図2に示す如く、2本のMF膜モジュール(有効膜面積2m2 ,チューブ膜を41本装着,長さ3m)を直列に接続した膜濾過装置を用いて排煙脱硫排水をポリ塩化アルミニウムで凝集処理した水の通水実験を行った。
【0041】
図2において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。なお、逆洗タンクWのエア抜き弁や水位計は図示を省略してある。P1 ,P2 ,P3 ,P4 ,P5 は圧力計、F1 ,F2 ,F3 は流量計である。
【0042】
各自動弁の開閉を表3に示す通りとしたときの各部の圧力及び流量を表4に示した。
【0043】
なお、逆洗は、同時逆洗の場合、15分毎に10秒間、順次逆洗の場合、M11では15分毎に10秒間、M21では17分毎に10秒間行った。
【0044】
【表3】
Figure 0003997583
【0045】
【表4】
Figure 0003997583
【0046】
表3,4より次のことがわかる。即ち、逆洗時に濃縮水の一部を排出しない比較例1では、給水流量F1 が採水時7.15m3 /hから逆洗時4.2〜4.5m3 /hに減少し、給水入口側圧力P1 が、採水時0.2MPa程度から逆洗時0.24〜0.31MPaに急増した。これに対して、逆洗時に濃縮水の一部を排出する実施例1では給水流量F1 が採水時7.0m3 /hから逆洗時6.7〜6.95m3 /hとわずかに減少し、給水入口側圧力P1 は採水時0.196MPaから逆洗時0.184〜0.195MPaとわずかに変動したのみであった。
【0047】
実施例2,比較例2
膜モジュールを1本のみ用いて、実施例1及び比較例1とそれぞれ同様に通水試験を行ったところ、採水時及び逆洗時の給水流量及び給水圧力はそれぞれ表5に示す通りとなり、膜モジュールが1本の場合でも、濃縮水排出用の自動弁の開閉を行わない比較例2では1年以上の運転で膜の損傷が認められたが、濃縮水排出用の自動弁を設け、逆洗時に濃縮水を排出する本発明によれば、給水流量、給水圧力の変動幅を小さくして、膜の損傷を防止することができた。
【0048】
【表5】
Figure 0003997583
【0049】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の膜濾過装置及び膜濾過方法によれば、原水の通水を継続しながら間欠的に逆洗を行う場合において、膜の損傷の原因となる原水の脈動流が防止され、長期に亘り安定な連続運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜濾過装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】実施例で用いた膜濾過装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 ,M2 ,M3 膜モジュール群
11,M12,M13,M21,M22,M23,M31,M32,M33 膜モジュール
1 ,H2 ,H3 ,H4 マニホルド
10,V20,V30 逆洗弁
11,V21,V31 透過水出口弁
12,V22,V32 濃縮水排出弁
13,V23,V33 定流量弁
14,V24,V34 流量調節弁
W 逆洗タンク
L 水位計
40 エア抜き弁
41 逆洗水水張り弁
A1,VA2,VA3 遮断弁
B1,VB2,VB3 調圧弁

Claims (5)

  1. 内部を濃縮水側と透過水側とに区画する濾過膜を具備する膜モジュールと、
    該膜モジュールの濃縮水側に原水を供給する原水供給管と、
    該濾過膜を透過した透過水を該膜モジュールから取り出す透過水取出管と、
    濃縮水を該膜モジュールから取り出す濃縮水取出管と、
    逆洗弁を開とすることにより逆洗水を膜モジュールの透過水側に圧入する逆洗水供給手段とを有し、
    原水を供給しつつ間欠的に逆洗水を膜モジュールに圧入して該濾過膜を逆洗するようにした膜濾過装置において、
    濃縮水の一部を排出する濃縮水排出管が、前記濃縮水取出管から分岐して、或いは、濃縮水取出管とは別に膜モジュールの濃縮水側に接続して設けられ、該濃縮水排出管に濃縮水排出弁が設けられており、
    逆洗水膜モジュールに圧入するために逆洗弁が開とされている間は、この膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁が開状態とされ、該逆洗弁が閉とされているときにはこの膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁が閉状態とされることを特徴とする膜濾過装置。
  2. 請求項1において、複数の膜モジュールが直列多段に接続され、
    各段の膜モジュールにそれぞれ前記逆洗水供給手段が設けられており、
    膜モジュールの濃縮水の一部を排出するための、前記濃縮水排出弁を備えた前記濃縮水排出管が各段の膜モジュール毎に設けられており、
    1つの段の膜モジュールに、前記逆洗弁を開とすることにより逆洗水が導入されているときには、その段の膜モジュールの濃縮水の一部を排出するようにその段の濃縮水排出弁が開とされることを特徴とする膜濾過装置。
  3. 請求項2において、前記逆洗水供給手段は、各段に共通の逆洗タンクを備えており、該逆洗タンクから各段毎の逆洗弁を介して各段の膜モジュールに逆洗水が供給可能とされていることを特徴とする膜濾過装置。
  4. 請求項3において、該逆洗タンクから逆洗水を送給するために、該逆洗タンクに加圧空気を供給するためのコンプレッサが設けられていると共に、
    該逆洗タンクから膜モジュールに供給される逆洗水の圧力の調節手段が設けられていることを特徴とする膜濾過装置。
  5. 内部を濃縮水側と透過水側とに区画する濾過膜を具備する膜モジュールと、
    該膜モジュールの濃縮水側に原水を供給する原水供給管と、
    該濾過膜を透過した透過水を該膜モジュールから取り出す透過水取出管と、
    濃縮水を該膜モジュールから取り出す濃縮水取出管と、
    逆洗弁を開とすることにより逆洗水を膜モジュールの透過水側に圧入する逆洗水供給手段とを有し、
    原水を供給しつつ間欠的に逆洗水を膜モジュールに圧入して該濾過膜を逆洗するようにした膜濾過装置による膜濾過方法において、
    濃縮水の一部を排出する濃縮水排出管が、前記濃縮水取出管から分岐して、或いは、濃縮水取出管とは別に膜モジュールの濃縮水側に接続して設けられ、該濃縮水排出管に濃縮水排出弁が設けられており、
    逆洗水を膜モジュールに圧入するために逆洗弁が開とされている間は、この膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁を開状態とし、該逆洗弁が閉とされているときにはこの膜モジュールからの濃縮水排出用の該濃縮水排出弁を閉状態とすることを特徴とする膜濾過方法。
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