JP3997485B2 - 液体移送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体移送装置に関し、特に、圧電材料素子により駆動する液体移送装置に関する。
液体を収容した複数の圧力室を閉じる振動板を、これに接合された圧電素子によって撓ませて、ノズルから液滴として噴射する噴射装置が従来よりあった(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、圧電素子を駆動させて振動板を撓ませ、任意の圧力室から液滴を噴射させる場合、振動板の撓みが周囲に影響して隣接した圧力室内にも圧力変動が発生し、その後、隣接した圧力室から液滴を噴射する場合に、その液滴の噴射速度や体積がばらつくという、いわゆるクロストークが生ずることがあった。
特開昭58−108163号公報(第1図)
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、クロストークを低減する液体移送装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、液体が収容される圧力室を閉じるようにして圧電アクチュエータプレートが配され、前記圧電アクチュエータプレートを撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置において、前記圧電アクチュエータプレートは、電界の印加によって面方向に収縮する圧電材料層と、これに接合された第1の撓み層と、前記圧電材料層に対して前記第1の撓み層とは反対側に接合された第2の撓み層とを有した積層構造をなし、前記第1の撓み層は、前記圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とが異なる厚みに形成され、前記圧電材料層は、前記第1の撓み層に接合されることにより、前記第1の撓み層に接合された側と反対側の端面において、前記圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域の内のいずれかに凹部が形成されるとともに、前記第2の撓み層は前記凹部内に形成され、前記圧電材料層への電界の印加によって、前記圧電アクチュエータプレートのうち前記圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とは、互いに反対方向へ撓むことを特徴とする液体移送装置とした。
請求項2の発明は、液体が収容される圧力室を閉じるようにして圧電アクチュエータプレートが配され、前記圧電アクチュエータプレートを撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置において、前記圧電アクチュエータプレートは、電界の印加によって面方向に収縮する圧電材料層と、これに接合された第1の撓み層と、前記圧電材料層に対して前記第1の撓み層とは反対側に接合された第2の撓み層とを有した積層構造をなし、前記第1の撓み層は、前記圧力室の中央部に対向する領域に貫通孔が形成され、前記圧電材料層は、前記第1の撓み層に接合されることにより、前記貫通孔内に位置して前記第1の撓み層に接合された側と反対側の端面において、前記圧力室の中央部に対向する領域に凹部が形成されるとともに、前記第2の撓み層は前記凹部内に形成され、前記圧電材料層への電界の印加によって、前記圧電アクチュエータプレートのうち前記圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とは、互いに反対方向へ撓むことを特徴とする液体移送装置とした。
請求項3の発明は、前記第1の撓み層は導電性材料にて形成され、前記圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極としても利用されていることを特徴とする請求項1記載の液体移送装置とした。
請求項4の発明は、前記第1の撓み層は非導電性材料にて形成され、前記圧電材料層と前記第1の撓み層との間には、前記圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極が形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体移送装置とした。
請求項5の発明は、前記第1の撓み層を導電性材料にて形成し、前記圧電材料層および前記第1の撓み層の前記圧力室の周縁部に対向する領域の上面または下面に一方の電極を配置したことを特徴とする請求項2記載の液体移送装置とした。
請求項6の発明は、前記一方の電極の上面または下面には、保護層が形成されていることを特徴とする請求項5記載の液体移送装置とした。
請求項7の発明は、前記第2の撓み層を導電性材料にて形成し、前記第2の撓み層および前記圧電材料層の上面または下面に他方の電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項8の発明は、前記第2の撓み層は非導電性材料にて形成され、前記圧電材料層と前記第2の撓み層との間には、前記圧電材料層に電界を印加させるための他方の電極が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項9の発明は、前記凹部に形成された前記第2の撓み層と一体に、前記圧電材料層の前記圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかの上面または下面にも前記第2の撓み層を配設するとともに、前記第2の撓み層は導電性材料にて形成され、前記第2の撓み層が前記圧電材料層に電界を印加させるための他方の電極としても利用されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項10の発明は、前記第2の撓み層と前記圧電材料層との間および前記圧電材料層の前記圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかの上面または下面に他方の電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項11の発明は、前記第1の撓み層および前記第2の撓み層は、熱膨張率が互いに同一の材料にて形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項12の発明は、前記第1の撓み層および前記第2の撓み層は互いに同一の材質によって形成されたことを特徴とする請求項11に記載の液体移送装置とした。
請求項13の発明は、前記圧電材料層はエアロゾルデポジション法によって前記第1の撓み層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項14の発明は、前記圧電材料層は、溶液の塗布および加熱による圧電体膜形成工程によって前記第1の撓み層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項15の発明は、前記圧電材料層はスパッタリングによって前記第1の撓み層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項16の発明は、前記圧電材料層は導電性接着剤によって前記第1の撓み層に接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項17の発明は、前記第2の撓み層はエアロゾルデポジション法によって前記圧電材料層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の液体移送装置とした。
請求項18の発明は、前記第2の撓み層はエレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって前記圧電材料層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の液体移送装置とした。
<請求項1の発明>
第1の撓み層は、圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とが異なる厚みに形成され、圧電材料層は、第1の撓み層に接合されることにより、第1の撓み層に接合された側と反対側の端面において、圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域の内のいずれかに凹部が形成されるとともに、第2の撓み層は凹部内に形成され、圧電材料層への電界の印加によって、圧電アクチュエータプレートのうち圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とは、互いに反対方向へ撓むことにより、圧力室の周縁部に対向する領域において圧電アクチュエータプレートの両方向への撓み量を相殺することができ、簡単な構成でクロストークを低減でき、液体の移送品質を向上させることができる。また、圧電材料層に形成した凹部を利用して第2の撓み層を形成したことにより、コンパクトで搭載の容易な液体移送装置にすることができる。
<請求項2の発明>
第1の撓み層は、圧力室の中央部に対向する領域に貫通孔が形成され、圧電材料層は、第1の撓み層に接合されることにより、貫通孔内に位置して第1の撓み層に接合された側と反対側の端面において、圧力室の中央部に対向する領域に凹部が形成されるとともに、第2の撓み層は凹部内に形成され、圧電材料層への電界の印加によって、圧電アクチュエータプレートのうち圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とは、互いに反対方向へ撓むことにより、圧力室の周縁部に対向する領域において圧電アクチュエータプレートの両方向への撓み量を相殺することができ、簡単な構成でクロストークを低減でき、液体の移送品質を向上させることができる。また、圧電材料層に形成した凹部を利用して第2の撓み層を形成したことにより、コンパクトで搭載の容易な液体移送装置にすることができる。
<請求項3の発明>
第1の撓み層は導電性材料にて形成され、圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極としても利用されていることにより、一方の電極を特別に設ける必要がなく、製造コストの面で有利となる。
<請求項4の発明>
第1の撓み層は非導電性材料にて形成され、圧電材料層と第1の撓み層との間には、圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極が形成されていることにより、一方の電極が外部に露出することがなく、その破損、劣化から保護することができる。
<請求項5の発明>
第1の撓み層を導電性材料にて形成し、圧電材料層および第1の撓み層の圧力室の周縁部に対向する領域の上面または下面に一方の電極を配置したことにより、圧電アクチュエータプレートの平坦な面に一方の電極を配置することができ、配置作業を容易にすることができる。
<請求項6の発明>
一方の電極の上面または下面には、保護層が形成されていることにより、一方の電極が圧力室内の液体等に触れて劣化することを防ぐことができる。
<請求項7の発明>
第2の撓み層を導電性材料にて形成し、第2の撓み層および圧電材料層の上面または下面に他方の電極を配置したことにより、圧電アクチュエータプレートの平坦な面に他方の電極を配置することができ、配置作業を容易にすることができる。
<請求項8の発明>
第2の撓み層は非導電性材料にて形成され、圧電材料層と第2の撓み層との間には、圧電材料層に電界を印加させるための他方の電極が形成されていることにより、少なくとも他方の電極の、圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかが外部に露出することがなく、その破損、劣化から保護することができる。
<請求項9の発明>
凹部に形成された第2の撓み層と一体に、圧電材料層の圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかの上面または下面にも第2の撓み層を配設するとともに、第2の撓み層は導電性材料にて形成され、第2の撓み層が圧電材料層に電界を印加させるための他方の電極としても利用されていることにより、他方の電極を特別に設ける必要がなく、製造コストの面で有利となる。
<請求項10の発明>
第2の撓み層と圧電材料層との間および圧電材料層の圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかの上面または下面に他方の電極を配置したことにより、第2の撓み層に電界を印加する必要がなく、これに導電性材料以外のあらゆる材料を使用することができる。
<請求項11の発明>
第1の撓み層および第2の撓み層は、熱膨張率が互いに同一の材料にて形成されていることにより、温度変化によってこれらに接合された圧電材料層に応力が発生することを防ぐことができる。
<請求項12の発明>
第1の撓み層および第2の撓み層は互いに同一の材質によって形成されたことにより、第1の撓み層および第2の撓み層の互いの熱膨張率を等しくすることができ、温度変化によってこれらに接合された圧電材料層に応力が発生することを防ぐことができる。
<請求項13の発明>
圧電材料層はエアロゾルデポジション法によって第1の撓み層上に形成されたことにより、短時間で形成することができる。
<請求項14の発明>
圧電材料層は、溶液の塗布および加熱による圧電体膜形成工程によって第1の撓み層上に形成されたことにより、均一に形成することができる。
<請求項15の発明>
圧電材料層は、スパッタリングによって第1の撓み層上に形成されたことにより、均一に形成することができる。
<請求項16の発明>
圧電材料層は導電性接着剤によって第1の撓み層に接合されたことにより、第1の撓み層を導電性材料にして、一方の電極として使用することができる。
<請求項17の発明>
第2の撓み層はエアロゾルデポジション法によって圧電材料層上に形成されたことにより、短時間で形成することができる。
<請求項18の発明>
第2の撓み層はエレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって圧電材料層上に形成されたことにより、均一に形成することができる。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1乃至図5に基づいて説明する。以下の説明において、図2における上方を上方とし、他の実施形態においても同様とする。また、図3の左半分は図2の平面図を示し、右半分は図2の圧力室21aの高さにおいて切断した横断面図を示している。尚、上部電極11、31、41、51、81および91は、本発明の他方の電極に該当し、下部電極35、45、55、95および上部電極65は、本発明の一方の電極に該当する。
図1および図2において、液体移送装置1は噴射される液体が収容される複数の圧力室21aを有する流路ユニット20と、流路ユニット20上に圧力室21aを閉じるように接合された圧電アクチュエータプレート10とによって構成されている。流路ユニット20は多層構造をしており、それぞれ概ね平板状の、本発明の開孔に該当する複数のノズル24aが並設されたノズルプレート24、ノズルプレート24上に形成されたマニホールドプレート23、マニホールドプレート23上に形成された流路プレート22および流路プレート22上に形成された圧力室プレート21を有している。圧力室プレート21、流路プレート22、マニホールドプレート23およびノズルプレート24は、互いにエポキシ系の熱硬化性の接着剤にて接合されている。
圧力室プレート21はステンレス等の金属材料にて形成され、複数の圧力室21aが内部に並置されている。流路プレート22は、同じくステンレス等の金属材料にて形成されており、内部にそれぞれ圧力室21aの両端に連通したプレッシャ流路22aとマニホールド流路22bとが形成されている。マニホールドプレート23は、やはりステンレス等の金属材料にて形成され、その内部には液体タンク(図示せず)に連通するマニホールド23aおよびプレッシャ流路22aに接続したノズル流路23bとが形成されている。
更に、ノズルプレート24は、ポリイミド系の合成樹脂材料にて形成され、図1に示すようにノズル流路23bへと接続された複数のノズル24aが形成されている。上述した構成から、液体タンクに貯蔵された液体は、マニホールド23a、マニホールド流路22b、圧力室21a、プレッシャ流路22aおよびノズル流路23bを介してノズル24aへと供給される。
図5に示すように圧電アクチュエータプレート10は積層構造をなし、ステンレス等の導電性の金属材料にて概ね平板状に形成され、本発明の第1の撓み層に該当する振動板14を有している。本実施形態において、圧力室21aを閉じる振動板14は下部電極としても使用されており、図示しない駆動回路のグランドに接続されている。振動板14の圧力室21aの中央部に対向する領域Cには、圧力室21aと反対側を窪ませた薄肉部14aが形成されているため、圧力室21aの中央部に対向する領域Cと周縁部に対向する領域Pとで異なる厚みに形成され、振動板14の薄肉部14aが形成された領域は、他の領域に比べてその上面が一段低く形成されている。薄肉部14aは、機械加工あるいはエッチングによって振動板14上に形成される。図3に示すように、圧力室21aは上方から見て略小判状をしており、振動板14の薄肉部14aも圧力室21aの形状を一回り小さくした略小判状をしている。また、薄肉部14aは、振動板14の他の領域と斜面14bにて連結されている。
振動板14の上面(圧力室21aと反対側)には圧電材料層13が接合されている。本実施形態において圧電材料層13は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電セラミックス材料によって形成されているが、これに限られるものではなく、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ロッシェル塩等のあらゆる圧電材料が使用できる。圧電材料層13は振動板14上に均等な厚みにて層状に形成されることにより、振動板14の薄肉部14a上に位置する領域においては、その上面が他の領域に比べて一段低く形成されている。従って、圧電材料層13の圧力室21aの中央部に対向する領域Cには、振動板14に接合された側と反対側に凹部13aが形成されている。
凹部13aは、圧電材料層13の他の領域と斜面13a1にて連結されており、圧電材料層13の圧力室21aの中央部に対向する領域Cは、凹部13aにより全体として皿状に形成されている。圧電材料層13は、振動板14上にエアロゾルデポジション(AD)法によって形成されてもよいし、あるいは、あらかじめ層状に形成されたものを、導電性の接着剤によって振動板14に接合してもよいし、更に、溶液の塗布および加熱による圧電体膜形成工程(ゾルゲル法)またはスパッタリングを用いて振動板14上に形成してもよい。
圧電材料層13の凹部13aには本発明の第2の撓み層に該当する充填層12が形成されている。充填層12は、ステンレスあるいはニッケル、クロム、銅、アルミニウムといった導電性の金属材料が凹部13aに充填され、圧電材料層13の振動板14に接合された側の反対側に接合されている。充填層12がステンレスによって形成される場合、あらかじめ凹部13a内に充填される形状に形成されたものを導電性の接着剤によって凹部13aに接合する。一方、ニッケル、クロム、銅、アルミニウムを充填層12とする場合は、凹部13a内に充填される形状に形成されたものを導電性の接着剤によって凹部13aに接合してもよいし、あるいは、エアロゾルデポジション法によって凹部13a上に接合してもよい。更に、エレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって凹部13a上に形成してもよい。
また、振動板14を形成する材質と、充填層12を形成する材質とを互いに同一にすることにより、双方の熱膨張率を等しくして、温度変化があっても、双方に接合された圧電材料層13に応力が発生しないようにすることができる。あるいは、双方の材質を同一にしなくても、互いに熱膨張率が同一の材料を使用することでも、同様の作用効果が得られる。尚、充填層12は、形成される材質に拘わらず、振動板14の薄肉部14aよりも剛性が高く形成されている。
更に、充填層12および圧電材料層13の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面には、図示しないスイッチ素子を介して、駆動回路のプラス(+)電源と電気的に接続された上部電極11が形成されている。上部電極11は、薄いフィルム状の導体で充填層12および圧電材料層13上に貼付あるいはプリントされている。上述した構成によって、圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおいて、圧電材料層13が充填層12に対して圧力室21a側に位置し、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいて、圧電材料層13が振動板14に対して圧力室21aとは反対側に位置している。
本実施形態による液体移送装置1は、常時は電極間に電圧が印加されておらず、図2に示すように圧電アクチュエータプレート10に撓みは発生していない。液体移送装置1の1つのノズル24aから液滴を噴射する必要がある場合、スイッチ素子を切換えて上部電極11に電源電圧が印加される。これにより、上部電極11と振動板14との間に電位差が発生し、圧電材料層13に電界が印加され、圧電材料層13の圧力室21aに対向する領域CおよびPは、その厚み方向(図2において上下方向)に膨らむとともに、面方向(図1および図2において左右方向)に収縮する。
圧電材料層13の圧力室21aの中央部に対向する領域Cに配置された凹部13aは、その上面に振動板14の薄肉部14aよりも剛性の高い充填層12が形成されているため、圧電材料層13の面方向への収縮により、図4の左方に示すように圧電アクチュエータプレート10の圧力室21aの中央部に対向する領域Cは圧力室21aと反対側(図4において上方)に撓む。一方、圧電材料層13の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pには、その下面に剛性を備えた振動板14が形成されているため、圧電材料層13の面方向への収縮により、圧電アクチュエータプレート10の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pは圧力室21a側(図4において下方)に対して凸形状に撓む。
図4の左方に示したように、圧電アクチュエータプレート10の圧力室21aの中央部に対向する領域Cの圧力室21aと反対側への撓みにより、圧力室21aの容積が増大して圧力室21a内が負圧となり、連通するマニホールド23aおよびマニホールド流路22bを介して液体タンクから液体が圧力室21a内に補填される。
圧力室21a内に液体が供給された後に、再びスイッチ素子が切換えられて、駆動回路から上部電極11への電源電圧の印加が停止されると、圧電材料層13の面方向への収縮がなくなり、図2に示すように、再び、圧電アクチュエータプレート10が撓みの無い位置に復帰する。これにより、圧力室21aの容積が減少して圧力室21a内の圧力が上昇し、液滴がプレッシャ流路22aおよびノズル流路23bを介してノズル24aから噴射される。
以下、図6に基づいて、上述した圧電アクチュエータプレート10の製造方法について説明する。まず、図6(A)に示すように圧力室プレート21上に、予め機械加工あるいはエッチングにて薄肉部14aが形成された、材質が例えばステンレスの振動板14が接着剤によって接合される。次に、図6(B)に示すように、振動板14上にエアロゾルデポジション法によって圧電材料層13が形成される。圧電材料層13は、振動板14の薄肉部14a内に配設されることにより、その上面に凹部13aが形成される。あるいは、圧電材料層13は、予め圧電素子材料にて、凹部13aを備えた形状に形成され焼成された層状のものを、導電性の接着剤によって振動板14上に接合してもよい。更に、圧電材料層13は、ゾルゲル法またはスパッタリングを用いて振動板14上に形成してもよい。
次に、図6(C)に示したように、圧電材料層13の凹部13a内にエアロゾルデポジション法によって、例えばニッケルが充填され、充填層12が形成される。あるいは、充填層12は、予め凹部13a内に配設される形状に形成されたのものを、導電性の接着剤によって圧電材料層13上に接合してもよい。更に、充填層12は、エレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって凹部13a上に形成してもよい。最後に、図6(D)に示したように、充填層12および圧電材料層13の上面に、薄いフィルム状の導体にて形成された上部電極11が、貼付あるいはプリントされ、圧電アクチュエータプレート10が完成する。
本実施形態によれば、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pを圧力室21a側へ撓ませるようにしたことにより、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいて、圧電アクチュエータプレート10の両方向への撓み量を相殺することができ、容積を変動させる圧力室21aに隣接した圧力室21aに、振動板14の撓みの影響がおよぶ現象であるクロストークを低減することができ、液滴の噴射品質を向上させることができる。更に、振動板14の圧力室の中央部に対向する領域Cに薄肉部14aが形成されているため、振動板14の剛性が低下し、圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおける撓み量を増加させることができる。また、圧電材料層13に形成した凹部13aを利用して充填層12を形成したことにより、コンパクトで搭載の容易な液体移送装置1にすることができる。
また、圧電材料層13への電界の印加によって、圧電アクチュエータプレート10のうち圧力室21aの中央部に対向する領域Cは、圧力室21aと反対側へ撓ませるようにしたことにより、圧力室21aの容積を増大させる方向に圧電アクチュエータプレート10を撓ませることができ、圧力室21aから液滴を噴射する場合に、一旦、圧力室21aの容積を増大させた後に、振動板14を素早く圧力室21a側に撓ませて液滴を噴射する、いわゆる引き打ち方式の噴射装置に適用しても、常時、圧電材料層13に電界を印加しておく必要がなく、圧電材料層13あるいは電極11の耐久性を向上できる。
更に、充填層12を導電性の金属材料にて形成し、充填層12および圧電材料層13の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面に上部電極11を配置したことにより、上部電極11は圧電アクチュエータプレート10の露出した上面に配設できるため、その配設を容易にすることができる。また、充填層12をエアロゾルデポジション法によって圧電材料層13上に形成すれば、充填層12を圧電材料層13上に短時間で形成することができる。更に、充填層12をエレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって圧電材料層13上に形成すれば、均一に形成できる。
更に、振動板14を導電性の金属材料にて形成するとともに、圧電材料層13を導電性接着剤によって振動板14に接合すれば、振動板14を圧電材料層13に電界を印加させるための下部電極としても使用することができ、下部電極を特別に設ける必要がなく、製造コストの面で有利となる。また、圧電材料層13をエアロゾルデポジション法によって振動板14上に形成すれば、圧電材料層13を振動板14に短時間で形成することができる。また、圧電材料層13をゾルゲル法またはスパッタリングを用いて振動板14上に形成すれば、均一な圧電材料層13が形成できる。
図7には、第1実施形態による圧電アクチュエータプレートの変形例を示す。図7に示す圧電アクチュエータプレート30は、図5に示した圧電アクチュエータプレート10と同様の構成に対して、圧電材料層33と振動板34との間に、更に下部電極35が介装されている。下部電極35は第1実施形態による上部電極11と同様に、薄いフィルム状の導体にて形成されており、振動板34上に貼付あるいはプリントされた後、その上に圧電材料層33がエアロゾルデポジション法、または導電性の接着剤、あるいはゾルゲル法またはスパッタリングによって接合される。本変形例による上部電極31、充填層32、圧電材料層33および振動板34は、それぞれ第1実施形態によるものと同様のものである。本変形例による圧電アクチュエータプレート30について、上述した以外の構成については第1実施形態による圧電アクチュエータプレート10と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本変形例によれば、圧電材料層33と振動板34との間に下部電極35が形成されていることにより、下部電極35が外部に露出することがなく、その破損、あるいは圧力室21a内の液体に触れることによる劣化から保護することができる。また、振動板34を導電性の材料にて形成する必要がなく、あらゆる材料が適用可能であるため、低コスト化が可能である。
尚、本実施形態および変形例において、圧電材料層13、33に対して圧力室21a側に充填層12、32を配置して、圧電アクチュエータプレート10、30に電界を印加することにより、圧力室21aの中央部に対向する領域Cを圧力室21a側へ撓ませるようにしてもよい。また、振動板14、34の薄肉部を圧力室21aの周縁部に対向する領域Pに形成することで、凹部を圧電材料層13、33の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pに形成して、圧電アクチュエータプレート10、30に電界を印加することにより、圧力室21aの中央部に対向する領域Cを圧力室21a側へ撓ませるようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図8に基づいて説明する。圧電アクチュエータプレート40の振動板44は、ステンレス等の導電性の金属材料にて概ね平板状に形成されており、圧力室21aの中央部に対向する領域Cには、傾斜面にて形成された貫通孔44aが設けられている。貫通孔44aは、機械加工あるいはエッチングによって振動板44上に形成される。
振動板44の下面においては、圧電材料層43が貫通孔44aから露出しており、貫通孔44aから露出した圧電材料層43および振動板44の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの下面には、駆動回路のグランドと電気的に接続された下部電極45が形成されている。下部電極45は、第1実施形態による上部電極11と同様に薄いフィルム状の導体で、振動板44および圧電材料層43上に貼付あるいはプリントされている。従って、結果的に下部電極45は圧電アクチュエータプレート40と圧力室プレート21および圧力室21aとの間に介装される。
第1実施形態と同様に、振動板44の上面には、上述した圧電材料層43が接合されている。圧電材料層43は振動板44上にその厚みが均等になるように層状に形成されており、振動板44の貫通孔44a内にも配設されているため、圧電材料層43の圧力室21aの中央部に対向する領域Cには、圧力室21aと反対側に凹部43aが設けられている。凹部43aは、圧電材料層43の他の領域と斜面43a1にて連結されており、圧電材料層43の圧力室21aの中央部に対向する領域Cは、凹部43aにより全体として皿状に形成されている。圧電材料層43は、振動板44上にエアロゾルデポジション法によって形成されてもよいし、あるいは、あらかじめ層状に形成されたものを、導電性の接着剤によって振動板44に接合してもよいし、更に、ゾルゲル法またはスパッタリングを用いて振動板44上に形成してもよい。
また、圧電材料層43の振動板44と接合された側と反対側に形成された凹部43a内には、第1実施形態と同様にステンレスあるいはニッケル、クロム、銅、アルミニウムといった導電性の金属材料にて形成された充填層42が接合され、充填層42および圧電材料層43の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面には、第1実施形態による上部電極11と同様の上部電極41が設けられている。上部電極41は薄いフィルム状の導体で形成され、充填層42および圧電材料層43上に貼付あるいはプリントされており、スイッチ素子を介して駆動回路のプラス(+)電源と電気的に接続されている。
充填層42がステンレスによって形成される場合、あらかじめ凹部43a内に充填される形状に形成されたものを導電性の接着剤によって凹部43aに接合する。一方、ニッケル、クロム、銅、アルミニウムを充填層42とする場合は、凹部43a内に充填される形状に形成されたものを導電性の接着剤によって凹部43aに接合してもよいし、あるいは、エアロゾルデポジション法によって凹部43a上に接合してもよい。更に、エレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって凹部43a上に形成してもよい。また、振動板44を形成する材質と、充填層42を形成する材質とを互いに同一にすることにより、双方の熱膨張率を等しくして、温度変化があっても、双方に接合された圧電材料層43に応力が発生しないようにすることができる。あるいは、双方の材質を同一にしなくても、互いに熱膨張率が同一の材料を使用することでも、同様の作用効果が得られる。
上述した構成によって、圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおいて、圧電材料層43が充填層42に対して圧力室21a側に位置し、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいて、圧電材料層43が振動板44に対して圧力室21aとは反対側に位置している。本実施形態においては、スイッチ素子を切換えて上部電極41と下部電極45との間に電源電圧を印加すると、それぞれ剛性を備えるとともに圧電材料層43に接合された充填層42および振動板44の存在のため、圧電アクチュエータプレート40の圧力室21aの中央部と対向する領域Cが圧力室21aと反対側に撓み、圧力室21aの周縁部と対向する領域Pが圧力室21a側に撓む。圧電アクチュエータプレート40の作動方法は、第1実施形態のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態においても、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pを圧力室21a側へ撓ませるようにしたことにより、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいて、圧電アクチュエータプレート40の両方向への撓み量を相殺することができ、容積を変動させる圧力室21aに隣接した圧力室21aに、振動板44の撓みの影響がおよぶ現象であるクロストークを低減することができ、液滴の噴射品質を向上させることができる。更に、振動板44の圧力室の中央部に対向する領域Cに貫通孔44aが形成されているため剛性が低下し、圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおける撓み量を増加させることができる。また、圧電材料層43に形成した凹部43aを利用して充填層42を形成したことにより、コンパクトで搭載の容易な液体移送装置1にすることができる。
また、圧電材料層43への電界の印加によって、圧電アクチュエータプレート40のうち圧力室21aの中央部に対向する領域Cは圧力室21aと反対側へ撓ませるようにしたことにより、圧力室21aの容積を増大させる方向に圧電アクチュエータプレート40を撓ませることができ、いわゆる引き打ち方式の噴射装置に適用しても、常時、圧電材料層43に電界を印加しておく必要がなく、圧電材料層43あるいは電極41の耐久性を向上できる。
また、振動板44を導電性材料にて形成し、圧電材料層43および振動板44の圧力室の周縁部に対向する領域Pの下面に下部電極45を配置したことにより、下部電極45は圧電アクチュエータプレート40と圧力室プレート21および圧力室21aとの間に配設でき、外部に露出することがなく、運搬中の破損等から保護することができる。また、下部電極45は、貫通孔44aから露出した圧電材料層43および振動板44の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの下面に形成されているため、圧電アクチュエータプレート40の平坦な面に下部電極45を配置することができ、配置作業を容易にすることができる。
更に、圧電材料層43をエアロゾルデポジション法によって振動板44上に形成すれば、圧電材料層43を振動板44に短時間で形成することができる。また、圧電材料層43をゾルゲル法またはスパッタリングを用いて振動板44上に形成すれば、均一な圧電材料層43が形成できる。また、充填層42をエアロゾルデポジション法によって圧電材料層43上に形成すれば、充填層42を圧電材料層43上に短時間で形成することができる。更に、充填層42をエレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって圧電材料層43上に形成すれば、均一に形成できる。
図9には、第2実施形態による圧電アクチュエータプレートの第1の変形例を示す。図9に示す圧電アクチュエータプレート50は、図8に示した圧電アクチュエータプレート40と同様の構成に対して、下部電極55の下面に、更に保護層56が形成されている。保護層56はステンレス等の金属あるいはポリイミド系の合成樹脂材料にて形成され、下部電極55の下面に接着剤にて接合されている。本変形例においては、保護層56により下部電極55が圧力室21a内の液体から保護され、劣化することを防ぐことができる。
本変形例による上部電極51、充填層52、圧電材料層53、振動板54および下部電極55は、それぞれ第2実施形態によるものと同様のものである。本変形例による圧電アクチュエータプレート50について、上述した以外の構成については第2実施形態による圧電アクチュエータプレート40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図10には、第2実施形態による圧電アクチュエータプレートの第2の変形例を示す。図10に示す圧電アクチュエータプレート60は、振動板64の圧力室21aの中央部に対向する領域Cに傾斜面による貫通孔64aが形成され、圧電材料層63は振動板64の下面に接合されることにより、その下面に凹部63aが形成されている。充填層62は圧電材料層63の凹部63a内に充填されるとともに、圧電材料層63の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの下面にも一体に形成されている。
圧電材料層63および振動板64の上面には上部電極65が形成されており、上部電極65と導電性の材料にて形成された充填層62との間に電界が印加される。本変形例による充填層62、圧電材料層63および振動板64は、それぞれ第2実施形態によるものと同様のものであり、上部電極65は第2実施形態の下部電極45と同様のものである。本変形例による圧電アクチュエータプレート60について、上述した以外の構成については第2実施形態による圧電アクチュエータプレート40と同様であるため、詳細な説明は省略する。
<第3実施形態>
図11は本発明の第3実施形態を示す。本実施形態による圧電アクチュエータプレート70においては、圧電材料層73の凹部73aを充填するとともに、圧電材料層73の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面を覆うように一体に充填層72が形成されている。充填層72は導電性材料であるステンレスあるいはニッケル、クロム、銅、アルミニウム等の導電性の金属材料にて形成され、圧電アクチュエータプレート70の上部電極としても使用されており、スイッチ素子を介して駆動回路のプラス(+)電源に接続されている。
充填層72がステンレスによって形成される場合、あらかじめ圧電材料層73上に接合される形状に形成されたものを、導電性の接着剤によって圧電材料層73上に接合する。一方、ニッケル、クロム、銅、アルミニウムを充填層72とする場合は、圧電材料層73上に接合される形状に形成されたものを導電性の接着剤によって圧電材料層73上に接合してもよいし、あるいは、エアロゾルデポジション法によって圧電材料層73上に接合してもよい。更に、エレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって圧電材料層73上に形成してもよい。
圧電材料層73は、第1実施形態のものと同様に、圧力室21aを閉じる振動板74上に均等な厚みで層状に形成されて振動板74と接合され、振動板74の圧力室21aと反対側を窪ませることによって形成された薄肉部74a内に配設されることにより、圧力室21aと反対側に、上述した凹部73aが形成されている。薄肉部74aは、機械加工あるいはエッチングによって振動板74上に形成される。凹部73aは圧電材料層73の他の領域と斜面73a1にて連結されており、圧電材料層73の圧力室21aの中央部に対向する領域Cは、凹部73aにより全体として皿状に形成されている。圧電材料層73は、振動板74上にエアロゾルデポジション法によって形成されてもよいし、あるいは、あらかじめ層状に形成されたものを、導電性の接着剤によって振動板74に接合してもよいし、更に、ゾルゲル法またはスパッタリングを用いて振動板74上に形成してもよい。
振動板74は、ステンレス等の導電性の金属材料にて、概ね平板状に形成されて下部電極としても使用され、駆動回路のグランドに接続されている。尚、振動板74の薄肉部74aは、振動板74の他の領域と斜面74bにより連結されている。上述した構成によって、圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおいて、圧電材料層73が充填層72に対して圧力室21a側に位置し、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいて、圧電材料層73が振動板74に対して圧力室21aとは反対側に位置している。
圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおいて、凹部73aに充填された充填層72は、形成される材質に拘わらず振動板74の薄肉部74aよりも剛性が高く形成されている。また、一方、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいては、圧電材料層73の下面に接合された振動板74は、形成される材質に拘わらず、圧電材料層73の上面に接合された充填層72よりも剛性が高く形成されている。
本実施形態による圧電アクチュエータプレート70は、スイッチ素子を切換えて、充填層72と振動板74との間に駆動回路による駆動電圧が印加されると、圧電材料層73の上面あるいは下面に接合された充填層72および振動板74のそれぞれの剛性の大小関係のため、圧電アクチュエータプレート70の圧力室21aの中央部に対向する領域Cが圧力室21aと反対側に撓み、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pが圧力室21a側へ撓む。その他の作動方法については第1実施形態のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態によれば、充填層72を圧電材料層73の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面にも一体に配設するとともに、充填層72は導電性材料にて形成され、充填層72が圧電材料層73に電界を印加させるための上部電極としても利用されていることにより、上部電極を特別に設ける必要がなく、製造コストの面で有利となる。また、振動板74を形成する材質と、充填層72を形成する材質とを互いに同一にすることにより、双方の熱膨張率を等しくして、温度変化があっても、双方に接合された圧電材料層73に応力が発生しないようにすることができる。あるいは、双方の材質を同一にしなくても、互いに熱膨張率が同一の材料を使用することでも、同様の作用効果が得られる。
第3実施形態において、圧電材料層73と振動板74との間に、図7に示した圧電アクチュエータプレート30のように下部電極を介装してもよい。また、振動板74の圧力室21aの中央部に対向する領域Cに、図8に示した圧電アクチュエータプレート40のように貫通孔を形成して、圧電材料層73を貫通孔内に配設して凹部73aを形成するようにしてもよい。尚、本実施形態において、圧電材料層73に対して圧力室21a側に充填層72を配置して、圧電アクチュエータプレート70に電界を印加することにより、圧力室21aの中央部に対向する領域Cを圧力室21a側へ撓ませるようにしてもよい。また、振動板74の薄肉部を圧力室21aの周縁部に対向する領域Pに形成することで、凹部を圧電材料層73の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pに形成して、圧電アクチュエータプレート70に電界を印加することにより、圧力室21aの中央部に対向する領域Cを圧力室21a側へ撓ませるようにしてもよい。
<第4実施形態>
図12は本発明の第4実施形態を示す。本実施形態による圧電アクチュエータプレート80においては、図12に示すように、圧電材料層83の凹部83aおよび圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面に、上部電極81が配設されている。上部電極81は、第1実施形態による上部電極11と同様に、薄いフィルム状の導体で圧電材料層83上に貼付あるいはプリントされており、スイッチ素子を介して駆動回路のプラス(+)電源に接続されている。従って、結果的に圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおいては、上部電極81は充填層82と圧電材料層83との間に介装される。
充填層82は圧電材料層83の凹部83aに充填されて、上部電極81を介して凹部83a上に接合されている。充填層82が例えば、ステンレスによって形成される場合、あらかじめ凹部83a内に充填される形状に形成されたものを接着剤によって上部電極81を介して凹部83aに接合する。一方、ニッケル、クロム、銅、アルミニウムを充填層82とする場合は、凹部83a内に充填される形状に形成されたものを接着剤によって上部電極81を介して凹部83aに接合してもよいし、あるいは、エアロゾルデポジション法によって上部電極81を介して凹部83a上に接合してもよい。更に、エレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって凹部83a上に形成してもよい。後述するように、本実施形態においては、充填層82の材質は特に導電性を備えたものには限られず、金属、合成樹脂、セラミックス材料等のあらゆる材料が適用可能である。
また、圧電材料層83の下面には、第1実施形態と同様にステンレス等の導電性の金属材料にて概ね平板状に形成され、圧力室21aを閉じる振動板84が接合されている。振動板84は下部電極としても使用され、駆動回路のグランドに接続されている。振動板84の圧力室21aの中央部に対向する領域Cには、圧力室21aと反対側を窪ませた薄肉部84aが形成されており、薄肉部84aは振動板84の他の領域と斜面84bにて連結されている。薄肉部84aは、機械加工あるいはエッチングによって振動板84上に形成される。
圧電材料層83は振動板84上に均等な厚みにより層状に形成されることにより、振動板84の薄肉部84a上に位置する領域に、上述した凹部83aが形成されている。凹部83aは、圧電材料層83の他の領域と斜面83a1にて連結されており、圧電材料層83の圧力室21aの中央部に対向する領域Cは、凹部83aにより全体として皿状に形成されている。圧電材料層83は、振動板84上にエアロゾルデポジション法によって形成されてもよいし、あるいは、あらかじめ層状に形成されたものを、導電性の接着剤によって振動板84に接合してもよいし、更に、ゾルゲル法またはスパッタリングを用いて振動板84上に形成してもよい。
また、振動板84を形成する材質と、充填層82を形成する材質とを互いに同一にすることにより、双方の熱膨張率を等しくして、温度変化があっても、双方に接合された圧電材料層83に応力が発生しないようにすることができる。あるいは、双方の材質を同一にしなくても、互いに熱膨張率が同一の材料を使用することでも、同様の作用効果が得られる。尚、充填層82は、形成される材質に拘わらず、振動板84の薄肉部84aよりも剛性が高く形成されている。
上述した構成によって、圧力室21aの中央部に対向する領域Cにおいて、圧電材料層83が充填層82に対して圧力室21a側に位置し、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pにおいて、圧電材料層83が振動板84に対して圧力室21aとは反対側に位置している。本実施形態においては、スイッチ素子を切換え、上部電極81と振動板84との間に電源電圧を印加すると、充填層82が振動板84の薄肉部84aよりも剛性が高いことにより、圧電アクチュエータプレート80の圧力室21aの中央部に対向する領域Cが圧力室21aと反対側に撓み、圧力室21aの周縁部に対向する領域Pが圧力室21a側へ撓む。圧電アクチュエータプレート80の作動方法は、第1実施形態のものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、充填層82と圧電材料層83との間および圧電材料層83の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pの上面に上部電極81を配置したことにより、充填層82を電極として使用することがなく、導電性材料以外のあらゆる材料を使用することができる。尚、第4実施形態において、振動板84の圧力室21aの中央部に対向する領域Cに、図8に示した圧電アクチュエータプレート40のように貫通孔を形成して、圧電材料層83を貫通孔内に配設して凹部83aを形成するようにしてもよい。
図13には、第4実施形態による圧電アクチュエータプレートの変形例を示す。図13に示す圧電アクチュエータプレート90は、図12に示した圧電アクチュエータプレート80と同様の構成に対して、圧電材料層93と振動板94との間に、更に、下部電極95が介装されている。下部電極95は第4実施形態による上部電極81と同様に、薄いフィルム状の導体にて形成されており、振動板94上に貼付あるいはプリントされた後、その上に圧電材料層93がエアロゾルデポジション法、または導電性の接着剤、あるいはゾルゲル法またはスパッタリングによって接合される。
本変形例によれば、圧電材料層93と振動板94との間に下部電極95が形成されていることにより、下部電極95が外部に露出することがなく、その破損、あるいは圧力室21a内の液体に触れることによる劣化から保護することができる。また、振動板94を導電性の材料にて形成する必要がなく、あらゆる材料が適用可能であるため、低コスト化が可能である。
本変形例による上部電極91、充填層92、圧電材料層93および振動板94は、それぞれ第4実施形態によるものと同様のものである。本変形例による圧電アクチュエータプレート90について、上述した以外の構成については第4実施形態による圧電アクチュエータプレート80と同様であるため、詳細な説明は省略する。
尚、本実施形態および変形例において、圧電材料層83、93に対して圧力室21a側に充填層82、92を配置して、圧電アクチュエータプレート80、90に電界を印加することにより、圧力室21aの中央部に対向する領域Cを圧力室21a側へ撓ませるようにしてもよい。また、振動板84、94の薄肉部を圧力室21aの周縁部に対向する領域Pに形成することで、凹部を圧電材料層83、93の圧力室21aの周縁部に対向する領域Pに形成して、圧電アクチュエータプレート80、90に電界を印加することにより、圧力室21aの中央部に対向する領域Cを圧力室21a側へ撓ませるようにしてもよい。
図14は、本発明による液体移送装置1をマイクロポンプ100に適用した実施形態を示している。マイクロポンプ100は、本発明の第1実施形態による液体移送装置1の下面に、ポンプアダプタAPを接合して構成されており、ポンプアダプタAPはその下方部を液源に浸らせている。液体移送装置1の圧電アクチュエータプレート10を圧力室21aと反対側に撓ませることにより、圧力室21aの容積を増大させて、液源からインレットIPを介して液体を吸引し、圧力室21aを介して液体をアウトレットOPから外部へと移送する。
<他の実施形態>
本発明は上述した記載および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、以下の記載以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上部電極あるいはその代用をする充填層を駆動回路のグランドに接続し、下部電極あるいはその代用をする振動板を駆動回路のプラス(+)電源に接続してもよい。
(2)本発明による液体移送装置は、圧力室に連なる開孔から、滴状、霧状等を含むあらゆる状態の液体を外部に移送するものを含み、また、液体の移送形態は吐出、噴出、噴射等のあらゆる形態を含むものとする。
(3)本発明はプリンタのインク吐出用のヘッド、検査試薬の噴射装置など、あらゆる種類の液体の移送装置に利用できる。
第1実施形態による液体移送装置の圧力室の長手方向に沿って切断した場合の縦断面図である。 図1に示した液体移送装置の複数の圧力室の配列方向に沿って切断した場合の縦断面図である。 図2に示した液体移送装置の平面図および横断面図である。 図2に示した液体移送装置の作動状態を示した断面図である。 図2に示した液体移送装置の要部拡大図である。 図2に示した圧電アクチュエータプレートを製造する工程において、圧力室プレートに振動板を接合する工程を示す図6(A)、振動板上に圧電材料層を接合する工程を示す図6(B)、圧電材料層の凹部に充填層を接合する工程を示す図6(C)および圧電材料層と充填層の上に上部電極を形成する工程を示す図6(D)である。 第1実施形態の変形例による液体移送装置の要部拡大図である。 第2実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。 第2実施形態の変形例1による液体移送装置の要部拡大図である。 第2実施形態の変形例2による液体移送装置の要部拡大図である。 第3実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。 第4実施形態による液体移送装置の要部拡大図である。 第4実施形態の変形例による液体移送装置の要部拡大図である。 図1に示した液体移送装置をマイクロポンプに適用した実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1…液体移送装置
10、30、40、50、60、70、80、90…圧電アクチュエータプレート
11、31、41、51、65、81、91…上部電極
12、32、42、52、62、72、82、92…充填層
13、33、43、53、63、73、83、93…圧電材料層
13a、43a、63a、73a、83a…凹部
14、34、44、54、64、74、84、94…振動板
14a、74a、84a…薄肉部
21a…圧力室
24a…ノズル
44a、64a…貫通孔
35、45、55、95…下部電極
56…保護層
C…圧力室の中央部に対向する領域
P…圧力室の周縁部に対向する領域

Claims (18)

  1. 液体が収容される圧力室を閉じるようにして圧電アクチュエータプレートが配され、前記圧電アクチュエータプレートを撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置において、
    前記圧電アクチュエータプレートは、電界の印加によって面方向に収縮する圧電材料層と、これに接合された第1の撓み層と、前記圧電材料層に対して前記第1の撓み層とは反対側に接合された第2の撓み層とを有した積層構造をなし、
    前記第1の撓み層は、前記圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とが異なる厚みに形成され、
    前記圧電材料層は、前記第1の撓み層に接合されることにより、前記第1の撓み層に接合された側と反対側の端面において、前記圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域の内のいずれかに凹部が形成されるとともに、
    前記第2の撓み層は前記凹部内に形成され、
    前記圧電材料層への電界の印加によって、前記圧電アクチュエータプレートのうち前記圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とは、互いに反対方向へ撓むことを特徴とする液体移送装置。
  2. 液体が収容される圧力室を閉じるようにして圧電アクチュエータプレートが配され、前記圧電アクチュエータプレートを撓み変形させることによって前記液体を前記圧力室に連なる開孔から移送させる液体移送装置において、
    前記圧電アクチュエータプレートは、電界の印加によって面方向に収縮する圧電材料層と、これに接合された第1の撓み層と、前記圧電材料層に対して前記第1の撓み層とは反対側に接合された第2の撓み層とを有した積層構造をなし、
    前記第1の撓み層は、前記圧力室の中央部に対向する領域に貫通孔が形成され、
    前記圧電材料層は、前記第1の撓み層に接合されることにより、前記貫通孔内に位置して前記第1の撓み層に接合された側と反対側の端面において、前記圧力室の中央部に対向する領域に凹部が形成されるとともに、
    前記第2の撓み層は前記凹部内に形成され、
    前記圧電材料層への電界の印加によって、前記圧電アクチュエータプレートのうち前記圧力室の中央部に対向する領域と周縁部に対向する領域とは、互いに反対方向へ撓むことを特徴とする液体移送装置。
  3. 前記第1の撓み層は導電性材料にて形成され、前記圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極としても利用されていることを特徴とする請求項1記載の液体移送装置。
  4. 前記第1の撓み層は非導電性材料にて形成され、前記圧電材料層と前記第1の撓み層との間には、前記圧電材料層に電界を印加させるための一方の電極が形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体移送装置。
  5. 前記第1の撓み層を導電性材料にて形成し、前記圧電材料層および前記第1の撓み層の前記圧力室の周縁部に対向する領域の上面または下面に一方の電極を配置したことを特徴とする請求項2記載の液体移送装置。
  6. 前記一方の電極の上面または下面には、保護層が形成されていることを特徴とする請求項5記載の液体移送装置。
  7. 前記第2の撓み層を導電性材料にて形成し、前記第2の撓み層および前記圧電材料層の上面または下面に他方の電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  8. 前記第2の撓み層は非導電性材料にて形成され、前記圧電材料層と前記第2の撓み層との間には、前記圧電材料層に電界を印加させるための他方の電極が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  9. 前記凹部に形成された前記第2の撓み層と一体に、前記圧電材料層の前記圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかの上面または下面にも前記第2の撓み層を配設するとともに、前記第2の撓み層は導電性材料にて形成され、前記第2の撓み層が前記圧電材料層に電界を印加させるための他方の電極としても利用されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  10. 前記第2の撓み層と前記圧電材料層との間および前記圧電材料層の前記圧力室の中央部に対向する領域および周縁部に対向する領域のいずれかの上面または下面に他方の電極を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  11. 前記第1の撓み層および前記第2の撓み層は、熱膨張率が互いに同一の材料にて形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  12. 前記第1の撓み層および前記第2の撓み層は互いに同一の材質によって形成されたことを特徴とする請求項11に記載の液体移送装置。
  13. 前記圧電材料層はエアロゾルデポジション法によって前記第1の撓み層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  14. 前記圧電材料層は、溶液の塗布および加熱による圧電体膜形成工程によって前記第1の撓み層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  15. 前記圧電材料層はスパッタリングによって前記第1の撓み層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  16. 前記圧電材料層は導電性接着剤によって前記第1の撓み層に接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  17. 前記第2の撓み層はエアロゾルデポジション法によって前記圧電材料層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の液体移送装置。
  18. 前記第2の撓み層はエレクトロフォーミング、メッキ、蒸着またはスパッタリングによって前記圧電材料層上に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の液体移送装置。
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