JP3996972B2 - 自動販売機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品を積層して収納する商品コラムを備えた自動販売機に係り、特に商品コラムへの商品装填時における商品の前倒れを効果的に防止する倒れ防止部品を備えた自動販売機に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
たばこ等のパッケージ化された商品の自動販売機は、図4に示すように販売機本体1の内部に商品を積み重ねて収納する複数列の商品コラム2を備え、各商品コラム2から選択的に払い出される商品を、ドア部3に設けた商品取出口4に導く如く構成されている。各商品コラム2は、例えばその下部に組み込まれた商品払出ニット5を指定商品に応じて選択的に駆動することで、当該商品コラム2に収納された商品を最下位置のものから順に、その前面側に払い出すように構成される。そして商品コラム2の前面に払い出された商品は、ドア部3の裏面に設けられた商品シュート6を介して前記商品取出口4に導かれる。
【0003】
尚、商品コラム2は大量販売商品用の長尺コラム、売れ筋のほぼ良好な商品用の中尺コラム、少量多品種の商品に対処するための短尺コラム等からなる。ちなみに上記長尺コラムは、商品としてのパッケージ化されたたばこを100個程度積層して収納可能な長さ、また中尺コラムは60個程度のたばこを積層して収納可能な長さ、更に前記短尺コラムは30個程度のたばこを積層して収納可能な長さとしてそれぞれ実現される。
【0004】
ところで商品コラム2は、例えば図5に示すように奥部壁面をなす背面板7に固定された仕切板8によって幅方向に区画して設定される。そして各商品コラム2の下部には商品の載置面をなし、最下位置の商品から順にその前面に払い出す商品払出ユニット5が組み込まれる。換言すれば、商品コラム2は商品払出ユニット5の上面を商品載置面とし、その奥部に設けられる背面板7と前記仕切板8によって形成される側壁面とにより区画され、その前面を開放した縦長の商品収納空間として実現される。
【0005】
しかして商品コラム2の前面側下部には、前記商品払出ユニット5による商品払出口の上方に位置して板状の商品搬出ガイド9が設けられており、更にこの商品搬出ガイド9上に奥行き調整部材10が取り付けられている。この奥行き調整部材10は商品の長さ寸法に応じて前後に位置調整されるもので、この奥行き調整部材10により各種長さ寸法の商品が、商品コラム2の最奥部(背面板7)を基準として前記商品払出ユニット5上に位置決めされる。そして商品コラム2内に収納された最下位置の商品は、商品払出ユニット5の作動によってその側部を前記仕切板8にガイドされながら商品コラム2の前面側に押し出され、前記商品搬出ガイド9により払い出し姿勢が規制されながら該商品コラム2から払い出されて前述した商品シュート6内に落とし込まれるようになっている。
【0006】
尚、図5において11は両端を鉤状に折り曲げて偏心させた棒状の商品ガイドシャフトである。この商品ガイドシャフト11は、その両端を前記仕切板8の前縁部に位置付けて、その上方に設けられる仕切板押え部材(図示せず)と前記奥行き調整部材10とによって回動自在に支持されている。そしてその回動端下部を前記奥行き調整部材10の突起部10aに係合させることで位置規制されて商品コラム2の前面に位置付けられる。この状態で商品ガイドシャフト11は前記商品コラム2に積層されて収納される商品の崩れ落ちを防止する役割を果たす。
【0007】
ちなみに前記奥行き調整部材10による商品ガイドシャフト11の位置規制の解除は、例えば商品ガイドシャフト11自体を若干持ち上げ、その回動端下部と前記奥行き調整部材10の突起部10aとの係合を外すことによって行われる。この状態で商品ガイドシャフト11を手前側に回動させ、商品コラム2の前面を開くことによって商品コラム2内への商品の装填が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで商品ガイドシャフト11を回動させ、商品コラム2の前面を開放して該商品コラム2内に商品であるたばこを積層して収納する際、その包装形態に起因して30個程度積み重ねると前方に倒れてくる。この為、従来では、前倒れが生じ易くなっている30段目程度のたばこの前端を手で押さえ、その倒れを防ぎながら更にその上にたばこを積層するようにしている。そしてたばこの積層(装填)が完了したとき、前記商品ガイドシャフト11をその前面に位置付けることでたばこの前倒れを防止し、手による上記押さえを解除している。
【0009】
この為、商品コラム2への商品の装填作業が非常に煩わしかった。特に商品コラム2が前述した大量販売商品用の長尺コラムである場合には、例えばその30段目程度と、更にその上の60段目程度のたばこの前端をそれぞれ押さえる必要が生じる。そこで従来では、板状或いは棒状の補助治具を用いて数多く積み重ねられたたばこの前端を広範囲に押さえたり、或いは片方の腕によってたばこの前端を広範囲に押さえる等して、その装填時における前倒れを防いでいる。この為、たばこの装填作業に慣れやテクニックを必要としている。
【0010】
このような不具合を解消するべく、例えば図5に示すように商品コラム2の奥部壁面をなす背面板7自体を後方に傾けておき、商品払出ユニット5上に載置され、順次積み重ねられる商品を後ろ側に少しずつ変位させることで、その前倒れを防止することが考えられている。しかしながらこのような構造にすると、背面板7が傾いている分、商品コラム2の実質的な奥行き長が長くなり、自動販売機の全体的な奥行きが長くなると言う問題が生じる。
【0011】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、商品コラムの奥行き長の増大を招くことなく、その商品コラムに積層して収納される商品の前倒れを効果的に防止しながら、その商品の装填作業を容易に進めることを可能とする簡単な構成の自動販売機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る自動販売機は、商品を積層して収納する商品コラムの側壁面をなす仕切板の前端側の所定高さ位置に、該商品コラムの前面に突出させて、且つ商品コラムの前面から退避可能に、該商品コラムに積層して収納された前記所定高さ位置の商品の前端に当接して前記積層された商品の前倒れを防止する倒れ防止部品を設けたことを特徴としている。
【0013】
特にこの倒れ防止部品を、円弧形状をなして商品コラムの前面に突出し、仕切板側に押圧されて平坦化して前記商品コラムの前面位置から退避する弾性体、例えば合成樹脂製の可撓部品として実現し、またこの倒れ防止部品を設ける高さ位置を、例えば商品としてのたばこを30個程度重ねたときの高さ位置として定めることを特徴としている。
【0014】
つまり商品コラムへの商品の装填時に、その積層された商品が前倒れし易くなる高さ位置に、商品コラムの前面に突出して商品の前端に当接する倒れ防止部品を設けることで、その前倒れを防ぐようにしたことを特徴としている。またこの倒れ防止部品を、例えば弾性的に撓むことで平坦化して商品コラムの前面から退避可能なように構成することで、商品コラムへの商品の装填に対して邪魔にならないようにしたことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る自動販売機の、特に商品コラムの構成について説明する。
図1は実施形態に係る自動販売機における商品コラムの概略構成を示す要部拡大図である。尚、前述した自動販売機と同一構成部品には同一符号を付して説明する。この実施形態に係る商品コラム2は、基本的には図4に示した商品コラム2と同様に構成されるもので、特に商品コラム2の側壁面をなす仕切板8の前縁側の所定の高さ位置に倒れ防止部品21を備えたことを特徴としている。
【0016】
この倒れ防止部品21は、積層して収納する商品の収納個数の多い商品コラム2、具体的には大量販売商品用の長尺コラムや、売れ筋のほぼ良好な商品用の中尺コラムに設けられるもので、商品の収納個数の少ない短尺コラムに対しては、商品装填時における商品の前倒れが問題となることが殆どないので格別に設ける必要はない。
【0017】
しかして倒れ防止部品21は、60個程度の商品を積み重ねて収納する中尺コラムには、その中程の高さ位置である30段目程度の商品の前端を押さえ得るように1個設けられるが、100個を程度の商品を積み重ねて収納する前記長尺コラムの場合には、30段目程度の位置と60段目程度の位置においてそれぞれ商品の前端を押さえるべく2箇所に設けられる。尚、倒れ防止部品21の組み込み数やその組み込み高さ位置は、商品の種類やその包装形態に起因する倒れ易さの程度に応じて定めれば良いものである。
【0018】
さて上記倒れ防止部品21について更に詳しく説明すると、この倒れ防止部品21は、例えば図2(a)(b)に示すように中尺の商品コラム2の仕切板8の前縁側に、商品コラム2の前面に突出させて取り付けられる。具体的にはこの倒れ防止部品21は、前述した如く商品コラム2に沿ってその前面中央部に位置付けられて、該商品コラム2内に収納された商品をガイドする商品ガイドシャフト11よりも前面側に位置して仕切板8の前縁側に取り付けられる。このような位置に倒れ防止部品21を取り付けることで、前記商品ガイドシャフト11の機能を損なうことがなく、しかも商品ガイドシャフト11を開いて商品コラム2に商品を装填するときだけ、倒れ防止部品21が機能するように設定されている。
【0019】
特に前記倒れ防止部品21の取り付けの高さ位置は、商品コラム2内に積み重ねて収納される商品が、その包装形態に起因して前方に倒れ易くなる高さ位置、例えばパッケージ化されたたばこ(商品)が30個程度積み重ねられた高さ位置として定められる。尚、図2に示す例ではたばこを24個程度積み重ねたときの高さ位置に倒れ防止部品21が設けられている。
【0020】
この倒れ防止部品21は、図3にその構造を拡大して示すように、所定の幅の板状体を円弧状に湾曲させた形状の主体部22を備え、その両端を仕切板8に対する取付部23,24とした可撓性を有する合成樹脂製の部品からなる。そしてこの倒れ防止部品21は、主体部22の円弧面に加えられる外力を受けて、その両端の取付部23,24間の距離を広げながら主体部22が平坦化するように弾性的に撓み得るものとなっている。
【0021】
尚、この倒れ防止部品21は、取付部23,24の裏面に突出形成されたT字状の係合片25,26を、仕切板8の該当部位に穿たれた長孔8a,8bの縁部に移動自在に嵌合させて該仕切板8に取り付けられる。そして倒れ防止部品21は外力を受けて前記主体部22をその面方向に撓ませるとき、特に前記係合片25を長孔8aで位置規制しながら他方の係合片26を長孔8b内で上方に押し上げて取付部23,24間の距離を変化させ、上記主体部22を平坦化しながら弾性変形するものとなっている。この主体部22の平坦化によって該主体部22の商品コラム2の前面への突出が押さえ込まれ、換言すれば商品コラム2の前面に突出した主体部22を押さえ込んで平坦化することによって、該主体部22は商品コラム2の前面からその側方に退避することになる。
【0022】
ちなみにこの倒れ防止部品21の平坦化変形に要する外力としては、例えば商品であるパッケージ化されたたばこの側面にて、図3(b)に示すように主体部22を軽く押す程度で十分である。そして上記外力が解除されたとき、倒れ防止部品21は、それ自身の弾性力によって主体部22が元の円弧形状に戻るように弾性復帰する。
【0023】
しかし倒れ防止部品21自体は前述した如く板状体からなり、図3(a)に示すようにその面と平行な方向から加わる力に対しては、強い剛性力を持つものとなっている。この結果、商品コラム2内に積層して収納された商品がその前方に傾き初め、商品が前記倒れ防止部品21の主体部22の側部に当接しても、その商品の荷重によって作用する傾き力によって倒れ防止部品21が撓むことがなく、これによって商品のその以上の傾き(倒れ)が防止されるようになっている。
【0024】
かくしてこのような倒れ防止部品21を仕切板8の前縁側に取り付け、商品コラム2の前面に突出させた構成の自動販売機によれば、商品コラム2への商品の装填に際して、商品ガイドシャフト11を開いた状態で該商品コラム2内に順に商品を積層していけば良い。そして商品が或る程度積み重ねられ、その高さ位置が倒れ防止部品21の取り付け位置に達した場合には、装填しようとする商品の側部にて倒れ防止部品21を押さえ、該倒れ防止部品21を平坦化することによって難なくその商品を商品コラム2内の商品上に積み重ねることができる。
【0025】
しかして当該商品の商品コラム2内への積み重ねが完了すると、倒れ防止部品21が弾性復帰して商品コラム2の前面に突出することになるので、仮に商品コラム2内に積層された商品が前側に倒れ始めても、僅かに傾いた時点でその商品の前端部が倒れ防止部品21に当接してそれ以上の傾きが阻止される。この結果、商品コラム2内に積層された商品の前方向への崩れが効果的に防がれる。そしてこの状態でも更にその上に商品を積み重ねていくことが可能となる。
【0026】
またこのようにして倒れ防止部品21にて商品の前倒れを防止すれば、倒れ防止部品21にてその前端が押さえられた商品を基準として、その上に更に或る程度の数の商品を積み重ねることが可能となる。従って商品コラム2に積層して収納される商品に対して適当な高さ位置に、例えば30段目程度の高さ位置に倒れ防止部材21を設けておくだけで、その商品コラム2への商品の装填作業を効率的に進めることが可能となる。
【0027】
また前述した構成の倒れ防止部品21によれば、商品コラム2そのものの機能を妨げることがなく、しかも弾性的に撓んで平坦化して商品コラム2の前面から退避するので、該商品コラム2への商品装填の妨げとなることもない。まして倒れ防止部品21自体、合成樹脂製の一体成形部品として簡単に、しかも安価に製作して自動販売機の商品コラム2に組み込むことができるので、自動販売機の製造コストの増大を殆ど招くことがない。また自動販売機の構成の複雑化を招くこともない等の効果が奏せられる。
【0028】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば倒れ防止部品21を板金製として実現することも勿論可能であり、その大きさ形状についても種々変形可能である。更には商品コラムの長さや幅に応じて、1つの商品コラムに複数の倒れ防止部品を組み込むようにしても良い。更に商品種別に応じて、倒れ防止部材の取り付け位置を可変設定し得る構成とするようにしても良い。
【0029】
また前述した実施形態においては、仕切板8とは別体の部品として倒れ防止部品21を実現したが、例えば図4に示すように仕切板8の前端部の一部を切り起こした短冊片31として実現し、この短冊片31の側部にて商品コラム2内の商品の前傾を防ぐようにしても良い。そして商品装填時には、短冊片31をそのヒンジ部32を介して仕切板8の孔部33内に押し込むようにすれば良い。
【0030】
また或いは図5に示すように、仕切板8に設けたスリット孔35内に填め込まれた可動板36として倒れ防止部品を実現することもできる。この場合には可動板36の中央に横方向に延びるガイド溝37を設けておき、このガイド溝37によりスライド方向を規制しながら、該可動板36の仕切板8によって区画された隣り合う商品コラム2の一方にスライドさせ、これによって他方の商品コラム2全面を開放するようにすれば良い。尚、仕切板8と可動板36の両端間にそれぞれ張架された一対の引っ張りばね38は、可動板36の中立位置に保持し、これによって隣り合う商品コラム2の前面に可動板36を半分ずつ位置付けるものである。従って可動板36のスライドは、上記引っ張りばね38に抗して行われて商品コラム2の一方に位置付けられることになる。また可動板36のスリット孔35への組み付けについては、例えば可動板36の一端側を開閉自在な構成としておけば良い。
【0031】
その他、倒れ防止部品の実施形態については種々変形することができ、要するに本発明はその要旨を逸脱しない範囲で変形して実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る自動販売機によれば、商品を積層して収納する商品コラムの側壁面をなす仕切板の前端側の所定高さ位置に、該商品コラムの前面に突出し、また商品コラムの前面から退避可能に倒れ防止部品を設けているので、該倒れ防止部品を商品コラムに積層して収納された前記所定高さ位置の商品の前端に当接させてその前倒れを防止することができる。
【0033】
この結果、商品コラムへの商品装填作業の大幅な簡易化を図ることができる。しかも倒れ防止部品を組み込んでも、商品コラムそのものの機能が損なわれることがなく、また自動販売機のコストアップもさほど生じることがなく、更には既存の自動販売機にも容易に組み込むことができる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動販売機における商品コラムと、その商品コラムに取り付けられた倒れ防止部品とを示す要部構成図。
【図2】図1に示す自動販売機における商品コラムと倒れ防止部品との関係を示す側面図および正面図。
【図3】図2に示す倒れ防止部品と、商品コラムの仕切板への取付構造を示す要部拡大図。
【図4】倒れ防止部品の他の実施形態を示す図。
【図5】倒れ防止部品の更に別の実施形態を示す図。
【図6】従来一般的な自動販売機の概略的な構成を示す図。
【図7】商品コラムに積層して収納される商品の収納例を示す図。
【符号の説明】
2 商品コラム
5 商品払出ユニット
7 背面板
8 仕切板
8a,8b 長孔
11 商品ガイドシャフト
21 倒れ防止部品
22 主体部
23,24 取付部
25,26 係止片
31 短冊片(倒れ防止部品)
36 可動板(倒れ防止部品)

Claims (2)

  1. 商品を積層して収納する複数の商品コラムを備え、各商品コラム内の最下位置の商品から順に払い出すようにした自動販売機において、
    前記商品コラムの側壁面をなす仕切板の前端側の所定高さ位置に、該商品コラムの前面から退避可能に突出して設けられ、該商品コラムに積層して収納された前記所定高さ位置の商品の前端に当接して前記積層された商品の前倒れを防止する倒れ防止部品を備え、
    前記倒れ防止部品は、円弧形状をなして商品コラムの前面に突出し、円弧面に加えられる圧力を受けてその両端間の距離を拡げながら平坦化して前記商品コラムの前面位置から退避する板状の弾性体からなることを特徴とする自動販売機。
  2. 前記商品はパッケージ化されたたばこからなり、前記倒れ防止部品が設けられる所定高さ位置は、前記たばこを30個程度重ねたときの高さ位置として定められることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
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