JP3996807B2 - 遠心濾過機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遠心濾過機に関し、更に詳しくは、円周面に濾材を張着した回転するバスケット内に原液スラリをスラリ供給管により給液し、遠心力により濾液とケーキ層に分離する遠心濾過機において、給液時の原液スラリの飛散によりケーキや濾液が汚染されるのを好適に防止することができるスラリ給液管を備えた遠心濾過機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠心濾過機は、高遠心力下で高い分離性能を有すること、含液率や洗浄効果の均一なケーキが得られること、前面開放式の扉のため濾材交換や機内点検の作業性が良い等の利点を有するため化学工業を始めとして食品工業、薬品工業等多くの分野で利用されている。
従来の遠心濾過機について図6及び図7を参照して説明する。処理する原液スラリは、図7に示すように、スラリ給液管106を通って、図示しない電動機により駆動され、駆動力伝達手段111を介して回転するバスケット102の中へ所定量(1回分)給液される。液分は遠心力の作用によってグリッド108の上に張着された濾材である濾布103を通過して通液孔102aよりケーシング101内に分離され濾液排出口109より機外へ排出される。
【0003】
一方、固形分は、濾布103上に残って濾過の進行とともにケーキ層Cを形成する。ケーキ層Cが所定の厚みに達したならば掻取アーム104bを駆動シリンダ104aによりバスケット102の半径方向外向に回転し、ナイフボックス105の先端に付設している掻取ナイフ104をケーキ層Cに圧接してケーキ分を掻取アーム104bの直下にあるケーキ排出シュート107に掻き落とす。掻き落とされたケーキCは粉末状となって、ケーキ排出シュート107から機外に排出される。
【0004】
しかしながら、近年、食品工業界や医薬品工業界ではPL法(製造物責任法)が施行され、HACCP(危害分析重要管理点)システムやGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)に対応できる製造設備が求められている。
特に人体の口から体内に入ると問題になる「製品への異物の混入」に対する対策が重要視されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景により、前記遠心濾過機100も従来の構造ではなくてこれらの要求に満足できるものが求められている。
しかしながら、従来の遠心濾過機100のスラリ給液方法は、図6(a)に示すように、給液管106の開口部106aの位置が回転体のリム(せき)102bの最上端の高さTよりも高い位置(回転体の中心側)に固定設置されているため、スラリ給液時に原液スラリがバスケット102内で飛び跳ねて飛散し、飛散した原液スラリが製品となる濾液やケーキに混入して汚染を引き起こす。その結果、製品価値が低下したり、製品を廃棄しなければならず歩留まりが悪化するという問題が発生していた。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、遠心濾過機で分離した濾液やケーキが、原液スラリの飛散により汚染されるのを好適に防止できる構造を有するスラリ給液管を備えた遠心濾過機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
円周面に濾材を張着した回転するバスケット内に、原液スラリをスラリ給液管により給液し、遠心力により濾液とケーキ層とに分離し、前記スラリ給液管の先端部の長手方向に、前記原液スラリを前記バスケット内に給液するための開口部と前記開口部から給液される前記原液スラリが前記バスケット内で飛散するのを防止するための飛散防止カバーとを設けた遠心濾過機において、
前記スラリ給液管を保持する給液管保持手段が、前記スラリ給液管の先端部を挿通・保持する、前記遠心濾過機の前記扉に穿設されシール部材を装着された貫通孔と、前記貫通孔に挿通した前記スラリ給液管を、フランジを介して前記扉に固定・保持する給液管保持ケーシングと、前記スラリ給液管の後端部を遊嵌・保持するための貫通孔を設けたフランジと、から主要部が構成され、前記給液管保持ケーシング内の長手方向には、中心部に前記スラリ給液管が配設され、前記スラリ給液管の外周に設けられた複数の溝と前記給液管保持ケーシングの内周に設けられた複数の溝との間で回転する複数のベアリングと前記スラリ給液管の長手方向のガタツキを吸収する位置決めボタンとが介設されており、前記スラリ給液管を回転させる回転手段を前記給液管保持ケーシングから外部に突出させて周方向に回転可能に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項1に記載の発明によると、
(1)原液スラリを供給するスラリ供給管の先端部を、扉に設けられた貫通孔に挿通し、シール部材でバスケット内部から外部に液漏れがないように隙間をシールすることができるので、前記スラリ給液管を確実にシールすることができる。(2)給液管保持ケーシングを設けたことにより、前記貫通孔に挿通した前記スラリ給液管を、フランジを介して前記扉に固定することができる。
(3)前記スラリ給液管の後端部を遊嵌・保持できる貫通孔を穿設したフランジを設けたので、前記スラリ給液管を回転手段で回転させるときに固定部分がないので回転させることができる。
(4)前記給液管保持ケーシング内の長手方向の中心部に前記スラリ給液管を配設し、前記スラリ給液管の外周に設けられた複数の溝と前記給液管保持ケーシングの内周に設けられた複数の溝との間で回転するベアリングと前記スラリ給液管の長手方向のガタツキを吸収する位置決めボタンとを介設したことにより、前記スラリ給液管を回転手段で回転させるときに好適に回転させることができる。
(5)前記スラリ給液管を回転させる回転手段を前記給液管保持ケーシングから外部に突出させて周方向に回転可能に設けたことにより、外部からアクチュエータを介して回転手段を回転させることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記スラリ給液管を回転させる前記回転手段を、前記バスケット内の液面を検知する液面検知手段からの電気出力信号に基づいて回転させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心濾過機である。
【0010】
請求項2に記載の発明によると、前記スラリ給液管を回転させる前記回転手段を、前記バスケット内の液面を検知する液面検知手段からの電気出力信号に基づいて回転させるように構成したことで、液面高さが高くなっても飛散防止カバーを液に触れさせないようにすることができる。その結果、飛散防止カバーの摩耗やスラリ給液管を回転させる動力の増大を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る遠心濾過機の一実施の形態について図1から図5を参照して説明する。尚、図1(a)は、本発明に係る遠心濾過機の一実施形態の側断面図、図1(b)は、本発明に係る遠心濾過機の一実施形態の正面断面図である。また、図2(a)は、本発明に係るスラリ供給管の給液管保持手段を示す断面図、図2(b)は、本発明に係るスラリ供給管を遠心濾過機の後面側から見た部分断面図である。
また、図3は、本発明に係るスラリ給液管の回転手段の作動原理を示す模式図である。尚、図3(a)は回転手段として回転レバーを用いた場合の例、図3(b)は回転手段として歯車を用いた場合の例である。
そして、図4は、本発明に係る飛散防止カバーを横型の遠心濾過機に設けた場合の簡略図、図5は、本発明に係る飛散防止カバーを縦型の遠心濾過機に設けた場合の簡略図である。
【0018】
本発明に係る一実施形態の遠心濾過機は、図1に示すように、
ケーシング1内で回転自在に軸支され、周壁には通液孔2aを有し、側壁の一端部は封止され、側壁の他端部は同心円上に開口した開口部を有するバスケット2と、
回転する前記バスケット2内に原液スラリを給液し、その先端部に開口部6aと飛散防止カバー6bを設けたスラリ供給管6と、
前記スラリ給液管6を回転可能に保持し、バスケット2内の液面を検知する液面検知センサの電気出力信号でアクチュエータを駆動させることにより前記スラリ給液管6に設けた回転手段である回転レバー23を回転させる給液管保持手段10と、
前記スラリ供給管6から前記バスケット2内に供給された原液スラリを遠心力により分離して生成したケーキを、バスケット2が回転した状態で掻き取る掻き取りナイフ4と、
前記掻き取りナイフ4で掻き取ったケーキを機外に排出するケーキ排出シュート7と、
から主要部が構成される。
【0019】
ケーシング1は、図1に示すように、回転するバスケット2を外部から囲繞して設けた覆いである。
前記ケーシング1には、1端をヒンジで回動自在に固定された扉1aが設けられている。扉1aは前面側に開閉できるようになっており、扉1aには、ケーキ排出シュート7、スラリ給液管6等が取り付けられている。
【0020】
バスケット2は、ケーシング1内で回転自在に軸支され、周壁には複数の通液孔2aを有し、側壁の一端部は封止され、側壁の他端部は中心部を円形に開口した開口部を有する円筒の回転体である。バスケット2は、図示しない駆動力伝達手段、例えばプーリを介して電動機の動力を伝達され高速に回転する。
バスケット2の内部には、周壁の通液孔2aの上にグリッド(格子状の板)を設けさらにその上に濾材である濾布3を張着してある。
【0021】
スラリ給液管6は、図2(a)に示すような円管であり、その先端部の長手方向には、バスケット2内の幅方向の略全域に渡って原液スラリを給液する開口部6aが設けられている。
このように開口部6aを設けることにより、原液スラリをバスケット2内の幅方向に均一に分配・給液することができる。
尚、開口部6aは先端部の長手方向ではなく、適宜間隔で先端部の周方向に複数の孔を設けて開口部とすることもできる。
【0022】
また、スラリ給液管6の先端部の長手方向には飛散防止カバー6bが設けられている。
飛散防止カバー6bは、図2(b)に示すように、2枚の矩形の板を、スラリ給液管6の外壁を挟んで平行となるようにスラリ給液管6の長手方向に複数、例えば8本のボルトBで固定したものである。尚、2枚の板は、お互いに同じ形状・同じ厚さをしている。
また、飛散防止カバー6bと8本のボルトBとは、それぞれがボルトBの頭で溶接付けされている。
飛散防止カバー6bは、原液スラリの給液する方向を水平方向ではなく下方にのみ供給できるように強制できるものであれば板の形状、材質に拘らない。
【0023】
このようにスラリ給液管6の先端部の長手方向に、原液スラリをバスケット2内に給液するための開口部6aと前記開口部6aから給液される前記原液スラリがバスケット2内で飛散するのを防止するための飛散防止カバー6bとを設けたことにより、
(1)原液スラリが飛び跳ねても飛散防止カバー6b内で捕捉できるため、飛散してケーキ等に混入する恐れがない。
(2)スラリ給液管6の先端部の長手方向に飛散防止カバー6bを設けたので、従来水平方向に給液していた原液スラリの給液方向を強制的に下方とすることができるため、原液スラリのバスケット2内の液面までの落下時間が短くなる。その結果、従来バスケット2の内面又は遠心濾過中の液面を叩くことで原液スラリが飛び跳ねて飛散していたのを防止することができる。従って、遠心濾過機で濾過した濾液やケーキが原液スラリの飛散により汚染されるのを防止できる。
【0024】
また、飛散防止カバー6bは、カバーの開口部6b1が前記スラリ給液管6の外壁に下方又は下方に斜めの位置となるように取り付けられ、カバーの開口部6b1を回転させるときは、液面検知センサで液面を検知しながら飛散防止カバー6bの下端面が液面に触れないように回転し、その回転範囲は扉1aの開閉時に飛散防止カバー6bの後面側の端面がリム2bに当たらなくなる範囲までとする。
【0025】
このように飛散防止カバー6bを、スラリ給液管6の外壁の長手方向に沿って取り付け、飛散防止カバー6bを取りつけたときのカバーの開口部6b1をスラリ給液管6の下方又は下方に斜めの位置にくるように形成したことにより、スラリ給液管6の先端部の長手方向に飛散防止カバー6bを設けたので、従来水平方向に給液していた原液スラリの給液方向を強制的に下方とすることができるため、原液スラリのバスケット2内の液面までの落下時間が短くなる。その結果、従来バスケットの内面又は遠心濾過中の液面を叩くことで原液スラリが飛び跳ねて飛散していたのを防止することができる。従って、遠心濾過機で濾過した濾液やケーキが、原液スラリの飛散により汚染されるのを防止できる。
【0026】
また、飛散防止カバー6bは、飛散防止カバー6bの下端面の位置がバスケット2のリム2bの上端面よりも低い位置であって、かつ、前記バスケット2内の液面よりも高い位置となるように設けられている。
【0027】
このように飛散防止カバー6bの下端面の位置を前記バスケット2のリム2bの上端面よりも低い位置であって、かつ、前記バスケット2内の液面高さの位置となるように設けたことにより、原液スラリが飛び跳ねようとしても飛散防止カバー6b内の空間で飛び跳ねることになるため、従来、原液スラリがリム2bの上端面よりも高い位置から給液されてバスケット2の内面又は遠心濾過中の液面を叩くことで飛散していたのを防止することができる。従って、遠心濾過機で濾過した濾液やケーキが原液スラリの飛散により汚染されるのを防止できる。
【0028】
次に、図2を参照して給液管保持手段について説明する。
給液管保持手段10は、スラリ給液管6を回転可能に保持し、バスケット2内の液面を検知する液面検知センサの電気出力信号でアクチュエータを駆動させて、その駆動力により前記スラリ給液管6に設けられた回転手段である回転レバー23を回転させるスラリ給液管の保持装置である。
給液管保持手段10は、図2(a)に示すように、スラリ給液管6の先端部を挿通・保持する、遠心濾過機の扉1aに穿設されシール部材を装着された貫通孔Hと、前記貫通孔Hに挿通した前記スラリ給液管6をフランジ20aを介して前記扉1aに固定・保持する給液管保持ケーシング20と、前記スラリ給液管6の後端部を遊嵌・保持するための貫通孔h1,h2を設けたフランジ24a,24bとから主要部が構成される。
前記給液管保持ケーシング20内の長手方向の中心部には前記スラリ給液管6が配設され、前記スラリ給液管6の外周に設けられた2つの溝と前記給液管保持ケーシング20の内周に設けられた2つの溝との間で回転する複数のベアリング21a,21bと前記スラリ給液管6の長手方向のガタツキを吸収する位置決めボタン22とが介設されており、前記スラリ給液管6を回転させる回転手段としての回転レバー23を前記給液管保持ケーシング20から外部に突出させて周方向に回転可能に設けたものである。
【0029】
このように構成されるスラリ給液管6の給液管保持手段10の取り付け方法について図2(a)を参照して説明する。
(1)最初に、遠心濾過機の扉1aに設けられた貫通孔Hにスラリ給液管6の先端部を挿通し、フランジ20aを介して扉1aに取りつける。
(2)扉1aを開とし、バスケット2内の幅方向におけるスラリ給液管6の開口部6aの位置を調整する。
(3)飛散防止カバー6bをスラリ供給管の先端部の外壁にボルトBで取りつける。
(4)フランジ24aにフランジ24bをボルトナットで取り付ける。
(5)スラリ給液管6の取り付け終了。
【0030】
給液管保持手段10をこのような構成としたことにより、
(1)原液スラリを供給するスラリ供給管6の先端部を、扉1aに設けられた貫通孔Hに挿通し、シール部材でバスケット2内部から外部に液漏れがないように隙間をシールすることができるので、前記スラリ給液管6を確実にシールすることができる。
(2)給液管保持ケーシング20を設けたことにより、前記貫通孔Hに挿通した前記スラリ給液管6をフランジ20aを介して前記扉1aに固定することができる。
(3)前記スラリ給液管6の後端部を遊嵌・保持できる貫通孔h1,h2を穿設したフランジ24a,24bを設けたので、前記スラリ給液管6を回転レバー23で回転させるときに固定部分がないので回転させることができる。
(4)前記給液管保持ケーシング20内の長手方向の中心部に前記スラリ給液管6を配設し、前記スラリ給液管6の外周に設けられた2つの溝と前記給液管保持ケーシング20の内周に設けられた2つの溝との間で回転するベアリング21a,21bと前記スラリ給液管6の長手方向のガタツキを吸収する位置決めボタン22とを介設したことにより、前記スラリ給液管6を回転レバー23で回転させるときに好適に行うことができる。
(5)前記スラリ給液管6を回転させる回転レバー23を前記給液管保持ケーシング20から外部に突出させて周方向に回転可能に設けたことにより、外部からアクチュエータ(例えばシリンダ、電動機等)を介して回転レバー23を回転させることができる。
【0031】
次に、バスケット2内の原液スラリ給液量が増えてきて、飛散防止カバー6bが液に触れるのを回避するときに、スラリ給液管6を回転手段を使って回転させる場合の回転方法について図3を参照して説明する。
図3(a)は、回転手段として本実施形態の回転レバー23、アクチュエータとしてシリンダ27を利用してスラリ給液管6を回転させる場合の方法である。
この方法は、最初にバスケット内に取り付けられた液面検知手段、例えば近接センサ26の電気出力信号が制御装置25に入力され液面の位置が検知される。
飛散防止カバー6bの下端面が液に触れていないかどうかを判断し、下端面が液に触れている場合には、シリンダ27を駆動し、シリンダロッド27aの直線運動を回転レバー23の回転運動に変えて、飛散防止カバー6bの下端面が液に触れない方向にスラリ給液管6を回転させるようにしたものである。
【0032】
図3(b)は、回転手段として歯車23′、アクチュエータとして図示しない電動機を利用し、電動機からの駆動動力をチェーンベルト27′aを介して歯車23′に伝達しスラリ給液管6を回転させるようにしたものである。
【0033】
掻き取りナイフ4は、バスケット2に給液した原液スラリ中の固形分が遠心力により沈降・分離されて生成したケーキCを掻き取るための刃である。
掻き取りナイフ4の幅は、略バスケット2内の幅方向よりも少し短い長さの刃である。
ケーキCを掻き取るときは、図示しない駆動シリンダを駆動して半径方向外方向に掻き取りナイフ4を回転させ、掻き取りナイフ4をケーキに圧接することでケーキを掻き取る。高速で結晶性が良いものを掻き取るときには、刃先にビビリ(振動)を発生するので、この振動等に耐えるためナイフボックス5で刃を補強・支持している。尚、摩耗の激しいケーキを掻き取るときは、フェライトの肉盛をした刃を使用する方が望ましい。
【0034】
ケーキ排出シュート7は、ケーシング1の扉1aに設けられ、掻き取りナイフ4で掻き取ったケーキを機外へ排出するための配管である。
【0035】
次に、回転手段によりスラリ給液管6を回転させる回転方法について図3(a)を参照してさらに詳しく説明する。
回転手段の周りの構成は、図3(a)に示すように、スラリー供給管6に取り付けられた回転手段としての回転レバー23と、前記回転レバー23に回転駆動力を供給するアクチュエータとしてのシリンダ27と、バスケット内の液面を検出する液面検出手段としての近接センサ26と、前記近接センサ26の電気出力信号に基づいてシリンダ27を制御する制御装置25とから主要部が構成される。
【0036】
このように構成される機器でスラリ給液管6を回転させる方法は、
(1)液面検出手段である近接センサ26の電気出力信号が制御装置25に入力され、バスケット内の液面が飛散防止カバー6bの下端面の下方にあるかどうかを判断する。尚、液面検出手段として本実施形態では赤外線の近接センサ26を使用しているが、液面を検出できるセンサであれば超音波センサでもなんでも良い。
(2)もし液面が飛散防止カバー6bの下端面よりも高い位置にある場合は、制御装置25からの電気出力信号に基づいてシリンダ27を駆動し、シリンダロッド27aを介してスラリ給液管6に取り付けられた回転レバー23へ回転駆動力を伝達する。このときシリンダロッド27a直線運動が回転レバー23の回転運動に変えられる。
(3)スラリ給液管6に回転駆動力が伝達され、スラリ給液管6が回転すると、スラリ給液管6の先端部に設けられた飛散防止カバー6bが回転して飛散防止カバー6bが液面から離隔する。尚、回転した位置は、円弧形状の板材に穴を開けたスケール(穴開き目盛)と、その外周に沿って設けた複数の近接センサとから求めることができる。
(4)このように制御することでバスケット2内の液面高さと連動した飛散防止カバー6bの位置決めを好適に行うことができる。
【0037】
このようにスラリ給液管6を回転させる回転レバー23を、バスケット2内の液面を検知する近接センサ25からの電気出力信号に基づいて回転させるように構成したことで、液面高さが高くなっても飛散防止カバー6bを液に触れさせないようにすることができる。その結果、飛散防止カバー6bの摩耗やスラリ給液管6を回転させる動力の増大を防止することができる。
【0038】
このような構成を備えた本発明に係る一実施形態の遠心濾過機の作用について図1を参照して説明する。
(1)処理する原液スラリは、図1(a)に示すように、スラリ給液管6を通って、図示しない電動機により駆動され、駆動力伝達手段を介して回転するバスケット2の中へ所定量(1回分量)給液される。
(2)このときスラリ給液管6の先端部には、開口部6aと飛散防止カバー6bが設けられているので、原液スラリがバスケット2の内面や遠心濾過中の液面を叩くことで飛散することがないので、原液スラリの飛散が原因で濾液やケーキが汚染されるのを好適に防止することができる。
(3)尚、バスケット2に給液された原液スラリは、液分は遠心力の作用によってグリッド8の上に張着された濾布3を通過して通液孔2aよりケーシング1内に入り濾液排出口9より機外へ排出される。
一方、固形分は、濾布3上に残って濾過の進行とともにケーキ層Cを形成する。(4)ケーキ層Cが所定の厚み(例えばリム高さの70%)に達したならば掻き取りナイフ4を図示しない駆動シリンダによりバスケット2の半径方向外向に回動し、ナイフボックス5(予備のナイフ入れ)の先端に付設している掻取ナイフ4をケーキ層Cに圧接してケーキ分をナイフボックス5の直下にあるケーキ排出シュート7に掻き落とす。掻き落とされたケーキCは粉末状となって、ケーキ排出シュート7から機外に排出される。
【0039】
次に、上述した本実施形態の飛散防止カバーを遠心濾過機のスラリ給液管に設けた他の実施形態について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、従来の横型の遠心濾過機のスラリ給液管の開口部上部に、飛散防止カバーを下方斜めに張り出すように1枚だけ設けたものである。
この図からもわかるように、飛散防止カバーを開口部上部に張り出すように設けたので、原液スラリが水平方向に供給されると飛散防止カバーに衝突して下方にのみ給液されるようになるので、従来と比較して、スラリ給液管からバスケット内の液面までの原液スラリの落下時間が短くなる。その結果、従来、給液時に、原液スラリがバスケットの内面又は遠心濾過中の液面を叩くことで飛び跳ねて飛散していたのを防止することができる。
従って、遠心濾過機で濾過した濾液やケーキが原液スラリの飛散により汚染されるのを防止できる。
【0040】
図5は、従来の縦型の遠心濾過機のスラリ給液管の側方開口部に、バスケットの回転方向側から飛散防止カバーを張り出すように1枚だけ設けたものである。この図からもわかるように、飛散防止カバーを回転方向側から張り出すように設けたので、原液スラリが飛散防止カバーに衝突して下方より側壁側に強く給液されるようになるので、従来と比較して、スラリ給液管からバスケット内の液面までの原液スラリの落下時間が短くなる。その結果、従来、給液時に、原液スラリがバスケットの内面又は遠心濾過中の液面を叩くことで飛び跳ねて飛散していたのを防止することができる。
従って、遠心濾過機で濾過した濾液やケーキが、原液スラリの飛散により汚染されるのを防止できる。
【0041】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施可能である。
例えば、飛散防止カバーは、本実施形態のような有孔壁ではなく無孔壁の遠心分離機のスラリ給液管にも適用できる。
例えば、回転手段は、本実施形態のようなアクチュエータを使用せずに、スラリ給液管の外周に溝を形成し、この溝とネジ部の端部とでスラリ給液管を固定するようにして手動でスラリ給液管の回転角度を決めることもできる。
また、飛散防止カバーとして、本実施形態では2枚の板をスラリ給液管の外壁に取り付けただけの構造をしているが、2枚の板の替わりにスラリ給液管の外周に沿って摺動させることができる円環の一部を開口した環(例えば断面が髑髏の形状をしたカバーを)設けて飛散防止カバーとしても良い。
【0042】
【発明の効果】
以上の構成と作用を有する本発明の遠心濾過機によれば、以下の発明の効果を奏する。
1.請求項1に記載の発明によれば、
(1)原液スラリを供給するスラリ供給管の先端部を、扉に設けられた貫通孔に挿通し、シール部材でバスケット内部から外部に液漏れがないように隙間をシールすることができるので、前記スラリ給液管を確実にシールすることができる。
(2)給液管保持ケーシングを設けたことにより、前記貫通孔に挿通した前記スラリ給液管を、フランジを介して前記扉に固定することができる。
(3)前記スラリ給液管の後端部を遊嵌・保持できる貫通孔を穿設したフランジを設けたので、前記スラリ給液管を回転手段で回転させるときに固定部分がないので回転させることができる。
(4)前記給液管保持ケーシング内の長手方向の中心部に前記スラリ給液管を配設し、前記スラリ給液管の外周に設けられた複数の溝と前記給液管保持ケーシングの内周に設けられた複数の溝との間で回転するベアリングと前記スラリ給液管の長手方向のガタツキを吸収する位置決めボタンとを介設したことにより、前記スラリ給液管を回転手段で回転させるときに好適に回転させることができる。
(5)前記スラリ給液管を回転させる回転手段を前記給液管保持ケーシングから外部に突出させて周方向に回転可能に設けたことにより、外部からアクチュエータを介して回転手段を回転させることができる。
2.請求項2に記載の発明によれば、前記スラリ給液管を回転させる前記回転手段を、前記バスケット内の液面を検知する液面検知手段からの電気出力信号に基づいて回転させるように構成したことで、液面高さが高くなっても飛散防止カバーを液に触れさせないようにすることができる。その結果、飛散防止カバーの摩耗やスラリ給液管を回転させる動力の増大を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る遠心濾過機の一実施形態の側断面図である。
(b)本発明に係る遠心濾過機の一実施形態の正面断面図である。
【図2】(a)本発明に係るスラリ供給管の保持手段を示す断面図である。
(b)本発明に係るスラリ供給管を遠心濾過機の後面側から見た部分断面図である。
【図3】本発明に係るスラリ給液管の回転手段の作動原理を示す模式図である。
(a)回転手段として回転レバーを用いた場合の例である。
(b)回転手段として歯車を用いた場合の例である。
【図4】本発明に係る飛散防止カバーを横型の遠心濾過機に設けた場合の簡略図である。
【図5】本発明に係る飛散防止カバーを縦型の遠心濾過機に設けた場合の簡略図である。
【図6】(a)従来の遠心濾過機の側断面図である。
(b)従来の遠心濾過機の正面断面図である。
【図7】従来の遠心濾過機の駆動部を含む側断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
1a 扉
2 バスケット
2a 通液孔
2b リム(せき)
3 濾布(濾材)
4 掻き取りナイフ
5 ナイフボックス
6 スラリ給液管
6a 開口部
6b 飛散防止カバー
6b1 カバーの開口部
7 ケーキ排出シュート
8 グリッド
9 濾液排出口
10 給液管保持手段
20 給液管保持ケーシング
21a,21b ベアリング
22 位置決めボタン
23 回転レバー(回転手段)
24a,24b フランジ
25 制御装置
26 近接センサ(液面検知手段)
27 シリンダ(アクチュエータ)
27a シリンダロッド
Claims (2)
- 円周面に濾材を張着した回転するバスケット内に、原液スラリをスラリ給液管により給液し、遠心力により濾液とケーキ層とに分離し、前記スラリ給液管の先端部の長手方向に、前記原液スラリを前記バスケット内に給液するための開口部と前記開口部から給液される前記原液スラリが前記バスケット内で飛散するのを防止するための飛散防止カバーとを設けた遠心濾過機において、
前記スラリ給液管を保持する給液管保持手段が、前記スラリ給液管の先端部を挿通・保持する、前記遠心濾過機の前記扉に穿設されシール部材を装着された貫通孔と、
前記貫通孔に挿通した前記スラリ給液管を、フランジを介して前記扉に固定・保持する給液管保持ケーシングと、
前記スラリ給液管の後端部を遊嵌・保持するための貫通孔を設けたフランジと、
から主要部が構成され、
前記給液管保持ケーシング内の長手方向には、中心部に前記スラリ給液管が配設され、前記スラリ給液管の外周に設けられた複数の溝と前記給液管保持ケーシングの内周に設けられた複数の溝との間で回転する複数のベアリングと前記スラリ給液管の長手方向のガタツキを吸収する位置決めボタンとが介設されており、前記スラリ給液管を回転させる回転手段を前記給液管保持ケーシングから外部に突出させて周方向に回転可能に設けたことを特徴とする遠心濾過機。 - 前記スラリ給液管を回転させる前記回転手段を、前記バスケット内の液面を検知する液面検知手段からの電気出力信号に基づいて回転させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の遠心濾過機。
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-
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- 2002-06-18 JP JP2002176907A patent/JP3996807B2/ja not_active Expired - Lifetime
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