JP3996526B2 - 多層配線基板用基材およびその製造方法および多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板用基材およびその製造方法および多層配線基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層配線基板(多層プリント配線板)及び多層配線基板用基材に関し、特に、フリップチップ実装などの高密度実装が可能な多層のフレキシブルプリント配線板等の多層配線基板及び多層配線基板用基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高耐熱性、電気絶縁性、高屈曲性を有するポリイミドフィルムを絶縁層材料として使用したフレキシブルプリント配線板(FPC)は知られている(特開平10−209593号公報)。また、FPCを多層積層し、スルーホールによって層間導通を得る多層FPCが開発されている。
【0003】
スルーホールによる多層FPCでは、層間接続位置の制約のために、配線設計の自由度が低く、スルーホール上にチップを実装することができないため、実装密度を高くすることに限界があり、近年のより一層の高密度実装化の要求に対応できなくなっている。
【0004】
このことに対処して、層間接続をスルーホールによらずにIVH(Interstitial Via Hole)によって行い、ビア・オン・ビアが可能な樹脂多層プリント配線板、例えば、松下電器産業社のALIVH(any Layer Interstitial Via Hole)基板や、ポリイミドによるFPCをスルーホールを使用せずにビルドアップ方式で多層に積層するソニーケミカル社のポリイミド複合多層ビルドアップ集積回路基板(MOSAIC)が開発されている。
【0005】
また、ポリイミドフィルムを絶縁層としてそれの片面に銅箔による導電層を貼り付けられている汎用の銅張り(銅貼り)樹脂基材を出発基材として、簡便な工程によりIVH構造の多層FPCを得る構造と製法が本願出願人と同一の出願人による特願2001−85224号で提案されている。
【0006】
特願2001−85224号で提案されている多層配線基板用基材では、絶縁層の一方の面に銅箔を設けた銅張り樹脂基材に貫通孔を穴あけした後、導電性樹脂組成物(樹脂系の導電性ペースト)を銅箔側からスクリーン印刷法等による印刷法によって充填することで、図26に示されているようなIVH部分を形成している。なお、図26において、1は絶縁層を、2は銅箔部を、4は貫通孔を、5は貫通孔4に充填された導電性樹脂組成物を各々示している。
【0007】
そして、スクリーン印刷時のマスク(ステンシル)の開口部の口径をIVH径より大きくすることにより、印刷時の位置合わせ精度にある程度の余裕ができると共に、銅箔部2上に導電性樹脂組成物5によってマスク開口部口径相当の大きさのヘッド状部5Aが形成され、貫通孔4に充填された導電性樹脂組成物5と銅箔部2との接触面積を大きくすることができる。また、ヘッド状部5Aの存在により、貫通孔4に充填された導電性樹脂組成物5が貫通孔4より抜け落ちることを防止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特願2001−85224号で提案されている多層配線基板用基材では、導電性樹脂組成物5の銅箔部2より上の部分、すなわちヘッド状部5Aの厚さのため、導電性樹脂組成物5の硬化後に多層化のための積層接着を行う場合には、銅箔による回路部の厚さに、導電性樹脂組成物5の銅箔より上部(ヘッド状部5A)の厚さを加えた厚さを埋め込むのに十分な接着層の厚さが必要となり、接着層を厚くしないと、多層配線基板の表面平滑性の低下を招くことになる。
【0009】
このため、ポリイミドフィルムを絶縁層としてそれの片面に銅箔による導電層が貼り付けられている汎用の銅張り樹脂基材では、絶縁層の厚さが15〜30μm、銅箔の厚さが5〜20μm程度であることに対して、15〜30μm程度の厚さを有する接着層が必要になり、接着層の厚膜化に伴う基板の厚膜化を招くことになる。
【0010】
一方で、導電性樹脂組成物と他層の銅箔との接触が密接に行われるように、導電性樹脂組成物が硬化前の柔らかい状態で積層することが考えられている。
【0011】
しかし、特願2001−85224号で提案されているものに、これを適応すると、図27に示されているように、導電性樹脂組成物5の銅箔部2より上の部分(ヘッド状部5A)が、多層積層時の積層圧Pによって過剰に押しつぶれ、圧潰状態で広がってしまい、基板表面上から見たヘッド状部5Aの大きさを均一化することが困難であるばかりか、他配線部2'までヘッド状部5Aの導電性樹脂組成物が広がってしまい、回路の短絡を招く虞れがある。
【0012】
こういった問題を解決すべく、銅回路と導電性樹脂組成物との導通接触を銅箔裏面側でとる構造が考えられている。即ち、これは、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層を設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材において、貫通孔の導電層部分の口径を絶縁性基材部分の口径より小さくする、あるいは、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記導電層と前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材において、貫通孔の導電層部分の口径を絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さくし、このような多層配線基板用基材を、複数枚、重ね合わせて接合するものである。なお、銅箔部に設けられる樹脂部(絶縁性基材あるいは絶縁性基材+接着層)よりも小さい穴はIVH内への気泡の入り込みを防ぐものである。
【0013】
しかしながら、このような構造の場合、貫通孔の導電層部分の小さい穴の周囲で、条件によっては、空気抜きが良好に行われず、この部分の導電性樹脂組成物に気泡が入り込み、導電性樹脂組成物内に気泡が残存し易いと云う問題がある。製造工程の条件を整えることによってこれらの問題は改善される可能性はあるものの、製造工程の自由度が損なわれるという問題があった。
【0014】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、バイアホールに充填された導電性樹脂組成物と銅箔部(導電層)との導通を銅箔裏面側でとる構造のものにおいて、製造工程の自由度を犠牲にすることなく、バイアホールに充填された導電性樹脂組成物中に気泡が残存し難く、導電性樹脂組成物と銅箔部との導通信頼性が高い多層配線基板用基材および多層配線基板を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする。
【0016】
また、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記導電層と前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする。
【0017】
貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことにより、貫通孔に対する導電性樹脂組成物の充填時の貫通孔内の空気抜きがすべて良好に行われるようになり、貫通孔に穴埋め充填された導電性樹脂組成物内に気泡が残存しなくなる。
【0018】
詳細には、絶縁性基材の片面に配線パターンをなす導電層が設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径の1/10以上、1/2以下であることが好ましい。
【0025】
更に、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことを特徴とする。
【0026】
更に、この発明による多層配線基板用基材は、絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記導電層と前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことを特徴とする。
【0027】
貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことにより、製造工程の自由度を犠牲にすることなく、貫通孔に対する導電性樹脂組成物の充填時の貫通孔内の空気抜きがすべて良好に行われるようになり、貫通孔に穴埋め充填された導電性樹脂組成物内に気泡が残存しなくなる。
【0028】
また、上述の目的を達成するために、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分の口径が絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする。
【0029】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする。
【0030】
貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことにより、貫通孔に対する導電性樹脂組成物の充填時の貫通孔内の空気抜きがすべて良好に行われるようになり、貫通孔に穴埋め充填された導電性樹脂組成物内に気泡が残存しなくなる。
【0031】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径の1/10以上、1/2以下であることを特徴とする。
【0032】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径の1/10以上、1/2以下であることを特徴とする。
【0033】
貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径の1/10以上、1/2以下という条件を設定することにより、製造工程の自由度を犠牲にすることなく、貫通孔に対する導電性樹脂組成物の充填時の貫通孔内の空気抜きがすべて良好に行われるようになり、貫通孔に穴埋め充填された導電性樹脂組成物内に気泡が残存しなくなる。
【0034】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の絶縁性基材部分の中心位置が、前記貫通孔の導電層部分に含まれることを特徴とする。
【0035】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の絶縁性基材部分の中心位置が、前記貫通孔の導電層部分に含まれることを特徴とする。
【0036】
貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の絶縁性基材部分の中心位置が、前記貫通孔の導電層部分に含まれるという条件を設定することにより、製造工程の自由度を犠牲にすることなく、貫通孔に対する導電性樹脂組成物の充填時の貫通孔内の空気抜きがすべて良好に行われるようになり、貫通孔に穴埋め充填された導電性樹脂組成物内に気泡が残存しなくなる。
【0037】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことを特徴とする。
【0038】
更に、この発明による多層配線基板用基材の製造方法は、絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分および接着層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有する製造方法であって、前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことを特徴とする。
【0039】
貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことにより、製造工程の自由度を犠牲にすることなく、貫通孔に対する導電性樹脂組成物の充填時の貫通孔内の空気抜きがすべて良好に行われるようになり、貫通孔に穴埋め充填された導電性樹脂組成物内に気泡が残存しなくなる。
【0040】
詳細には、前記穿孔工程は、レーザビーム照射によって導電層部分以外の樹脂部分に口径が大きい穴あけを行い、当該穴あけ完了後に導電層部分に口径が小さい穴あけを行って貫通孔を穿設することが好ましい。
【0041】
また、前記穿孔工程は、ビーム径方向にレーザ強度分布を有するレーザビーム照射を導電層とは反対側の面に行い、導電層部分以外の樹脂部分に口径が大きい穴あけを、導電層部分に口径が小さい穴あけを一括して行なって貫通孔を穿設することが好ましい。
【0042】
更に、レーザビーム照射による穿孔工程後に、レーザ穿孔により生成されるスミアを除去するデスミア工程を有することが好ましい。
【0043】
更に、前記充填工程は、導電性樹脂組成物を前記導電層とは反対側よりスクイジングによって前記貫通孔に穴埋め充填することが好ましい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を説明する。
【0045】
図1(a)、図1(b)はこの発明による第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の基本構成を示している。
【0046】
図1(a)に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層11の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層12を、他方の面に層間接着のための接着層13を各々設けられ、接着層13と絶縁樹脂層11と導電層12とを貫通する貫通孔14を穿設されている。貫通孔14には導電性樹脂組成物15が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0047】
FPCでは、絶縁樹脂層11は、全芳香族ポリイミド(aPI)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成され、絶縁樹脂層11と導電層12と接着層13との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材のポリイミド部(絶縁樹脂層11)の銅箔(導電層12)とは反対側の面に接着層13としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0048】
多層配線基板用基材に形成された貫通孔14のうち、接着層13と絶縁樹脂層11を貫通する部分14aの口径は通常のバイアホール径とされ、導電層12を貫通する部分14bの口径は接着層13および絶縁樹脂層11を貫通する部分14aの口径より小径になっている。
【0049】
接着層13は、接着剤の塗布以外に、熱可塑性ポリイミド、あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムの貼り付けにより形成することができる。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。なお、絶縁樹脂層11は、ポリイミドフィルム以外に、エポキシ系、イミド系のプリプレグなどを絶縁材として利用することも可能であり、その場合には、絶縁樹脂層11が接着材としても機能するため、接着層13を別途形成する必要が省かれる。
【0050】
導電性樹脂組成物15は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入し、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストを、絶縁樹脂層11の側よりスクイジング等によって貫通孔14に満遍なく穴埋め充填したものである。
【0051】
導電性樹脂組成物15は、導電層12の裏面12aで導通を取るものであり、導電層12の上表面との接触で導通を取るものではないので、導電層12の上方に突出した拡張部分を必要としない。
【0052】
導電層12、すなわち、銅箔部には、樹脂部(絶縁樹脂層11+接着層13)よりも小さい小孔14bを穿設しているが、これは、図28に示されているように、銅箔部2と樹脂部(絶縁層1)の孔径を同じにした場合には、銅箔部2と絶縁層1との接触部分が銅箔部2の孔壁面部2Aのみとなって銅箔部2と導電性樹脂組成物5との導通接続に関して信頼性に乏しくなり、また、図29に示されているように、銅箔部2に孔を穿設しないで、樹脂部絶縁層1のみに孔を穿った場合には、スクイジング等による導電性ペーストの穴埋め充填時にIVHの空気抜きが充分に行われず、IVHに気泡hが残存し、銅箔部2と導電性樹脂組成物5との接触面積が不安定になるからである。
【0053】
導電層12に設けられる小孔14bは、エアーブリード孔として機能し、導電性ペーストの穴埋め充填時に、気泡はこの小さい小孔14bから排出され、導電層12と導電性樹脂組成物15との接触面積を的確に確保できる。
【0054】
なお、図1に示した多層配線基板用基材は、導電層512の反対面側に導電ペースト515の突出部を有しないものを示したが、図2(i)に示すように、突出部を有するようにしてもよい。また、図1(b)は、後述するように図1(a)の接着層513を省略したものとなっている。
【0055】
本発明の特徴は、この導電層12に設けられる小孔14bの形成技術に関する。即ち、本件発明者は、小孔14bがエアーブリード孔として、最も効果的に機能するための構造を、実験を繰り返すことで特定することに成功した。以下、その特徴を、製造方法と共に、詳しく説明する。
【0056】
図2、図3は、図1(a)に示されている多層配線基板用基材、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す断面図である。
【0057】
まず、図2(a)、(b)に示されているように、絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)11の片面に配線パターンをなす銅箔による導電層12を設けられた基材の絶縁樹脂層11側に、可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムを貼り付けて接着層13を形成する。
【0058】
つぎに、図2(c)に示されているように、導電層12にエッチング等を行って導電層12による配線パターン(回路パターン)を形成する。
【0059】
つぎに、図2(d)に示されているように、接着層13上にPETマスキングテープ17を貼り付け、レーザ穴あけ加工等により、図2(d)に示されているように、PETマスキングテープ17、接着層13、絶縁樹脂層11、導電層12を貫通する貫通孔14を穿設する。
【0060】
この貫通孔14は、PETマスキングテープ17、接着層13、絶縁樹脂層11を貫通する部分14aの口径を通常のバイアホール径、例えば、100μmとすると、導電層12を貫通する部分14bの口径は、バイアホール径より小径の10〜50μm程度になっている。この小孔14bの口径の選定方法は、本発明の特徴であり、後で詳しく説明する。
【0061】
貫通孔14の穿孔が完了すれば、貫通孔14内に残存している穿孔による樹脂や銅箔の酸化物等によるスミア18を除去するデスミアを行う。デスミアは、プラズマによるソウトエッチングや、過マンガン塩素系のデスミア液によるウエットデスミアにより行うことができる。
【0062】
図2(f)に示されているように、デスミアが完了すれば、図2(g)に示されているように、スクリーン印刷で使用するようなスクイジプレート(スキージプレート)50を使用してPETマスキングテープ17の面側から導電性樹脂組成物(導電ペースト)15をスクイジングによって貫通孔14に穴埋め充填する。図2(h)は、導電性樹脂組成物15の穴埋め充填完了状態を示している。
【0063】
つぎに、図2(i)に示されているように、表面に導電性樹脂組成物15の残りが付いているPETマスキングテープ17を剥がし、この1層目の基材10Aに、図2(a)〜(i)に示されているこれまでと同様の製法で作製した基材10Bと、銅箔による導電層16を各々適当な位置合わせ法によって位置合わせしつつ積層加熱圧着(ラミネーション)することで、図3(j)、(k)に示されているように、多層化が達成される。
【0064】
ラミネーションの際、基材を真空下に曝しながら加熱圧着することで、導電層12による回路パターンの凹凸に対する接着層13の追従性を高くすることができる。また、導電性樹脂組成物15が柔らかい状態で積層を行い、導電性樹脂組成物15と他層の銅箔との接触を密接にすることができる。
【0065】
最後に、図3(l)に示されているように、最外層の導電層16をエッチングによって回路形成することで、多層配線板として完成を見る。
【0066】
図4(a)を参照して、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔14の状態を説明する。導電ペーストは、導電機能を有する銀などの金属粒子またはその他の導電性粒子を樹脂バインダに混入し、ペースト状にしたものである。穴埋め充填を確実に行う上で、この導電性粒子の最大径aに対する、小孔14bの直径dが、重要なファクターとなっている。このファクターの許容範囲を決定することは、導電ペーストの選択や工程の設計の自由度を与える上で、極めて大切である。
【0067】
先ず、本件発明者は、この小孔14bの直径の許容範囲を決定するために、導電性粒子の最大径aに対して、小孔14bの直径を相対的に変化させて、実験を行った。なお、図4(b)に示したように、この実験は、後述の構成、即ち、接着層13を省略したものに関しても行ったが、結果は同様であった。
【0068】
図5を参照して、本件発明者が行った実験を説明する。小孔14bの口径が導電性粒子の最大径に満たない場合の、導電ペーストの状態を図5(a)に示す。この場合、小孔14bへの導電性粒子の充填が不充分となっている。現実には導電性粒子の直径は有限な範囲の分布を持っており、小孔14bは充填される場合とされない場合が生ずるが、直径が粒子径に近づくと粒子の進入確率は小さくなる。
【0069】
小孔14bの口径を導電性粒子の最大径まで広げた場合の、導電ペーストの状態を図5(b)に示す。この場合は、ほとんどの小孔14bは導電性粒子で充填された。このように、小孔14bまで導電性粒子で確実に充填されることにより、本基材を複数層貼り合わせて多層基板を作製した際、ビア部に隙間がなくなり次のような効果が生じる。第1に導通抵抗が安定し、回路抵抗値にばらつきが縮小、高周波回路においても回路定数を設計値通りに作製できる。第2に熱衝撃が加えられた場合でも層間で強い密着性を確保でき、隙間に存在する気体の膨張に起因する層間剥離やビアの断絶を防止できる。
【0070】
小孔14bの口径を導電性粒子の最大径aから、その3倍近くまで広げた場合の、導電ペーストの状態を図5(c)及び図5(d)に示す。この場合も、小孔14bへの充填は安定して達成されていた。
【0071】
次に、小孔14bの口径を導電性粒子の最大径の3倍を超えて更に広げた場合の、導電ペーストの状態を図5(e)に示す。この場合、充填中または充填後に粒子が抜け落ちやすくなり、ビア内に空隙が生じることがあった。
【0072】
以上の実施結果より、小孔14bの口径dは充填する導電性粒子の最大径をaとしたときa<d<3aの範囲に形成されることが望ましいことがわかる。具体的には、導電性粒子の最大径を10μm乃至50μmとした場合、10〜30μmの範囲乃至50μm〜150μmの範囲で選定することができる。図25(a)は、この実験結果から導かれた結論を要約した図である。
【0073】
なお、図8に示したように、この実験は、以下の構成、即ち接着層13を省略したものに関しても行ったが、結果は同様であった。
【0074】
即ち、この発明による多層配線基板用基材は、図1(b)に示されているように、接着層13を省略したものを用いてもよい。図1(b)に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層21自体が層間接着のための接着性を有しており、絶縁樹脂層21の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層22を設けられ、絶縁樹脂層21と導電層22とを貫通する貫通孔24を穿設されている。貫通孔24には導電性樹脂組成物25が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0075】
FPCでは、接着性を有する絶縁樹脂層21は、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したもので構成される。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。
【0076】
貫通孔24のうち、絶縁樹脂層21を貫通する部分24aの口径は通常のバイアホール径とされ、導電層22を貫通する部分24bの口径は絶縁樹脂層21を貫通する部分24aの口径より小径になっている。
【0077】
導電性樹脂組成物25は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入し、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストを、絶縁樹脂層21の側よりスクイジング等によって貫通孔24に満遍なく穴埋め充填したものである。
【0078】
導電性樹脂組成物25は、導電層22の裏面22aで導通を取るものであり、導電層22の上表面との接触で導通を取るものではないので、導電層22の上方に突出した拡張部分を必要としない。
【0079】
導電層22に設けられる小孔24bは、エアーブリード孔として機能し、の穴埋め充填時に気泡はこの小さい小孔24bから確実に排出され、導電層22と導電性樹脂組成物25との接触面積を的確に確保できる。この小孔24bの口径、貫通孔24の口径、金属粉末の粒径の選定は、図1(a)と共に説明したものと同一の方法で行われる。
【0080】
一方、穴埋め充填を確実に行う上で、貫通孔24aの口径と小孔24bの直径との関係も、重要なファクターとなっている。やはり、このファクターの許容範囲を決定することは、導電ペーストの選択や工程の設計の自由度を与える上で、極めて大切である。そこで、本件発明者は、様々な貫通孔14aの口径Dと小孔14aの口径dの組み合わせ(図6(a)参照)に対して、広範囲な粘度とチキソ性を有する導電性樹脂組成物を貫通孔14a内から小孔14aに充填し、その状態を確認する実験を行った。以下、図7を参照して、本件発明者が行った実験を説明する。
【0081】
実験では、導電性樹脂組成物はスクリーン印刷機を用いて接着層側より注入し小孔14aより貫通孔14a内の空気を抜けやすくすることにより隙間なく充填できたかどうか確認した。様々な条件の元で、貫通孔14の口径50〜300μmの範囲で実験を行ない後述の最適範囲D/2>d>D/10を見出すに至った。なお、図6(b)に示したように、この実験は、後述の構成、即ち、接着層を省略したものに関しても行ったが、結果は図7に示すように同様であった。図25(b)は、この実験結果から導かれた結論を要約した図である。
【0082】
すなわち、図7(a1)及び図7(a2)は、貫通孔24aの口径Dに対して小孔24bの口径dが1/10以下の場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。この場合、導電性樹脂組成物を貫通孔24a内から小孔24bに充填した直後は、導電性樹脂組成物25を充填する際空気が十分に排出されず空隙65が生じた(図7(a1))。その後は、印刷・充填終了後空隙は徐々に導電性樹脂組成物の外へ排除されるが(図7(a2))、充填量が不足している分ビア部にくぼみ67が生じたり、抜けきらなかった空気が気泡66として残留していた。この問題を回避するため外気を減圧して印刷する手段もあるが、設備コストが高いこととスループットが低いことで、用途が限定される。
【0083】
図7(b)は、樹脂層の貫通孔24aの口径Dに対して導電層の小孔24bの口径dがD/2>d>D/10を満たす場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。この場合、大気中の印刷でも空気は十分排出され、ビア内は小孔24bも含め隙間なく充填できた。このような状態で作製した多層板は上記実施形態で述べたように安定した性能と高い信頼性を期待できる。
【0084】
図7(c)は、貫通孔24aの口径Dに対して小孔24bの口径dを更に拡大しd>D/2を満たす場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。この場合、充填した導電性樹脂組成物はその粘性によっては開口部から漏出し底部に広がる。底面のランドに付着した導電性樹脂組成物68は絶縁不良の原因となるばかりか、漏出した分ポリイミド側のビア接続面69が下降するため隣接層間との導通不良原因となる。
【0085】
図7(d)に示したように、さらに開口径を広げると貫通孔24は導電性樹脂組成物で充填されず内壁面のみに付着し貫通穴70が生じた。
【0086】
以上の実施結果より、小孔24bは貫通孔24aの口径をDとしたときD/10<d<D/2の範囲に形成されることが望ましいことがわかる。
【0087】
なお、導電性樹脂組成物15或いは導電性樹脂組成物25としては、銀ペースト以外に、銅フィラーやカーボン混合物による導電性ペーストを使用することも可能である。この実施の形態では、基材表面にPETマスキングテープ17が貼付されているために、メタルマスクやスクリーンマスクを介さず、スクイジプレート50を直接基板に接触させてスクイジングを行ってよいが、もちろん、メタルマスクやスクリーンマスクを介してスクイジングすることにより、導電性樹脂組成物の無駄を削減することができる。
【0088】
以上のような条件によって、このスクイジングの際に、銅箔部(導電層12)の小孔14b、24bから気泡が確実に排出され、貫通孔14、24内に気泡が残存することがなく、また、小孔14b、24bの開口部から漏出すこともなく、銅箔部(導電層12、22)と導電性樹脂組成物15、25との密着が導電層12、22の裏面12a、22aで十分に行われる。
【0089】
図1(a)、図1(b)に示されている何れの多層配線基板用基材においても、大きい孔14a、24aと小さい小孔14b、24bとによる貫通孔14、24は、レーザビーム照射によるレーザ穴あけ加工により形成することができ、この他、エッチング、レーザビーム照射とエッチングとの組み合わせによっても加工することができる。
【0090】
レーザ穴あけ加工の場合、まず、レーザビーム照射によって絶縁樹脂層11と接着層13とに大きい孔14a、あるいは絶縁樹脂層21に大きい孔24aを穿設したのち、再びレーザビーム照射によって導電層12あるいは22に小さい小孔14bあるいは24bを穿設し、その後、導電性樹脂組成物(導電性ペースト)15、25を貫通孔14、24に穴埋め充填する方法をとってもよいが、通常、レーザビーム強度(レーザ強度)は、ビーム径方向に見て、ビーム中央が高く(強く)、周りは低く(弱く)なっているために、これを利用して、導電層12、22に形成する中心部の小さい小孔14b、24bと、樹脂部の大きい孔14a、24aとを一度に穿設することができる。これにより、より短時間で、効率よく上記構造のバイアホールを得ることができる。
【0091】
さらに、ビーム強度の被加工面内分布が、図9(a)、(b)に示されているように、レーザ被加工面内の中心付近が強く、周辺部が弱い2段階になっているレーザビームによって穴あけすることで、より確実に上記構造のIVHを形成することができる。このような2段階レーザ強度のレーザビームは、レーザビームの絞り込み以前に、ビーム透過率が、中心部で高く、周辺部で低いフィルタにレーザビームを通すことで得ることができる。
【0092】
上述した多層配線基板用基材の製造手順、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造手順は、図1(b)に示されている多層配線基板用基材の製造、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造にも同様に適用できる。
【0093】
なお、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法は、ポリイミドフィルムを使用したフレキシブルプリント配線板に限られることはなく、ポリエステルフィルムを使用したフレキシブルプリント配線板、エポキシ樹脂や、ガラス布、アラミド不織布等によるプリプレグ材を絶縁材として使用したリジッドタイプのものにも同様に適用することができる。
【0094】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。この実施形態の特徴は、図11(a)に示すように、樹脂層の貫通孔の中心と導電層の小孔の中心がずれてしまっている。程度の差こそあれ、このようなずれは避けることのできないものである。なお、図11(b)に示したように、後述の構成、即ち、接着層を省略したものでも、以下の記載は基本的に同一である。図10(a)には、この実施形態による多層配線基板用基材の基本構成を示している。
【0095】
図10(a)に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層111の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層112を、他方の面に層間接着のための接着層113を各々設けられ、接着層113と絶縁樹脂層111と導電層112とを貫通する貫通孔114を穿設されている。貫通孔114には導電性樹脂組成物115が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0096】
FPCでは、絶縁樹脂層111は、全芳香族ポリイミド(aPI)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成され、絶縁樹脂層111と導電層112と接着層113との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材のポリイミド部(絶縁樹脂層111)の銅箔(導電層112)とは反対側の面に接着層113としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0097】
多層配線基板用基材に形成された貫通孔114のうち、接着層113と絶縁樹脂層111を貫通する部分114aの口径は通常のバイアホール径とされ、導電層112を貫通する部分114bの口径は接着層113および絶縁樹脂層111を貫通する部分114aの口径より小径になっている。また、この小孔114bの中心は、貫通孔114aの中心から若干ずれてしまっている。程度の差こそあれ、このようなずれは避けることのできないものである。
【0098】
接着層113は、接着剤の塗布以外に、熱可塑性ポリイミド、あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムの貼り付けにより形成することができる。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。なお、絶縁樹脂層111は、ポリイミドフィルム以外に、エポキシ系、イミド系のプリプレグなどを絶縁材として利用することも可能であり、その場合には、絶縁樹脂層111が接着材としても機能するため、接着層113を別途形成する必要が省かれる。
【0099】
導電性樹脂組成物115は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入し、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストを、絶縁樹脂層111の側よりスクイジング等によって貫通孔114に満遍なく穴埋め充填したものである。
【0100】
導電性樹脂組成物115は、導電層112の裏面112aで導通を取るものであり、導電層112の上表面との接触で導通を取るものではないので、導電層112の上方に突出した拡張部分を必要としない。
【0101】
導電層112に設けられる小孔114bは、エアーブリード孔として機能し、導電性ペーストの穴埋め充填時に、気泡はこの小さい小孔114bから排出され、導電層112と導電性樹脂組成物115との接触面積を的確に確保できる。
【0102】
本発明の特徴は、この導電層112に設けられる小孔114bの形成技術に関する。即ち、本件発明者は、小孔114bがエアーブリード孔として、最も効果的に機能するための構造を、実験を繰り返すことで特定することに成功した。以下、その特徴を、製造方法と共に、詳しく説明する。
【0103】
図12、図13は、図10(a)に示されている多層配線基板用基材、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す断面図である。
【0104】
まず、図12(a)、(b)に示されているように、絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)111の片面に配線パターンをなす銅箔による導電層112を設けられた基材の絶縁樹脂層111側に、可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムを貼り付けて接着層113を形成する。
【0105】
つぎに、図12(c)に示されているように、導電層112にエッチング等を行って導電層112による配線パターン(回路パターン)を形成する。
【0106】
つぎに、図12(d)に示されているように、接着層113上にPETマスキングテープ117を貼り付け、レーザ穴あけ加工等により、図12(d)に示されているように、PETマスキングテープ117、接着層113、絶縁樹脂層111、導電層112を貫通する貫通孔114を穿設する。
【0107】
この貫通孔114は、PETマスキングテープ117、接着層113、絶縁樹脂層111を貫通する部分114aの口径を通常のバイアホール径、例えば、100μmとすると、導電層112を貫通する部分114bの口径は、バイアホール径より小径の10〜50μm程度になっている。また、この小孔114bの中心は、貫通孔114aの中心から若干ずれてしまっている。程度の差こそあれ、このようなずれは避けることのできないものである。
【0108】
貫通孔114の穿孔が完了すれば、貫通孔114内に残存している穿孔による樹脂や銅箔の酸化物等によるスミア118を除去するデスミアを行う。デスミアは、プラズマによるソウトエッチングや、過マンガン塩素系のデスミア液によるウエットデスミアにより行うことができる。
【0109】
図12(f)に示されているように、デスミアが完了すれば、図12(g)に示されているように、スクリーン印刷で使用するようなスクイジプレート(スキージプレート)150を使用してPETマスキングテープ117の面側から導電性樹脂組成物(導電ペースト)115をスクイジングによって貫通孔114に穴埋め充填する。図12(h)は、導電性樹脂組成物115の穴埋め充填完了状態を示している。
【0110】
つぎに、図12(i)に示されているように、表面に導電性樹脂組成物115の残りが付いているPETマスキングテープ117を剥がし、この1層目の基材110Aに、図12(a)〜(i)に示されているこれまでと同様の製法で作製した基材110Bと、銅箔による導電層116を各々適当な位置合わせ法によって位置合わせしつつ積層加熱圧着(ラミネーション)することで、図13(j)、(k)に示されているように、多層化が達成される。
【0111】
ラミネーションの際、基材を真空下に曝しながら加熱圧着することで、導電層112による回路パターンの凹凸に対する接着層113の追従性を高くすることができる。また、導電性樹脂組成物115が柔らかい状態で積層を行い、導電性樹脂組成物115と他層の銅箔との接触を密接にすることができる。
【0112】
最後に、図13(l)に示されているように、最外層の導電層116をエッチングによって回路形成することで、多層配線板として完成を見る。
【0113】
前述の通り、この小孔114bの中心は、貫通孔114aの中心から若干ずれている。一般に、製造工程の設計において位置合わせの精度に対する許容範囲は広いほど好ましい。
【0114】
そこで、本件発明者は、この小孔114bの中心位置のずれの許容範囲を決定するために、小孔114bの中心位置を変化させて、実験を行った。
【0115】
図14を参照して、本件発明者が行った実験を説明する。ここではd=D/3としてその許容範囲を確認するものである。
【0116】
図14(a)は、貫通孔114aの中心が小孔114bに含まれない程度まで、小孔114bを貫通孔114aの中心から大きくずらし、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。つまり、小孔114b全体が貫通孔114aの中心線を外れるように配置したとき、一部のビア内に気泡172が残留することがわかった。小孔114bから遠ざかる部分では空気が排出されにくく充填が不完全になりやすいことがわかる。
【0117】
図14(b)は、図14(a)よりも更に小孔114bの位置を貫通孔114aの中心へ近づけ、小孔114bの一部が貫通孔114aの中心線を含むようにして、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。その結果、すべてのビアに隙間なく導電性樹脂組成物を充填することができた。実験結果より導電層の開口部はビアホール底面の中心に存在することが最適と考えられる。
【0118】
図14(c)は、小孔114bの位置を貫通孔114aの中心へ一致させ、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。ここでも、すべてのビアに隙間なく導電性樹脂組成物を充填することができた。
【0119】
また、精度良く樹脂部のビアホールの中心と導電層の開口部である小孔114bの中心を一致させる手段として、UV−YAGレーザやエキシマレーザなどを用いてビアホール樹脂部と銅箔部を同時に加工する方法がある。しかし、上記の条件を満たす限り、小孔114bの中心が、貫通孔114aの中心から若干ずれていても問題はなく、これまで利用できなかったような加工方法を採用することも可能となる。例えば、両者の加工を、樹脂部はレーザやアルカリエッチングにより、一方銅箔部は酸性エッチャントを用いたエッチングとしてプロセスを分離すると、両者の加工位置にアライメントずれが発生しやすいが、上記の条件を満たす限り、小孔114bの中心が、貫通孔114aの中心から若干ずれていても問題はない。
【0120】
以上のような条件によって、このスクイジングの際に、銅箔部(導電層112)の小孔114bから気泡が確実に排出され、貫通孔114内に気泡が残存することがなく、また、小孔114bの開口部から漏出すこともなく、銅箔部(導電層112)と導電性樹脂組成物115との密着が導電層112の裏面112aで十分に行われる。
【0121】
なお、この発明による多層配線基板用基材は、図10(b)に示されているように、接着層113を省略したものを用いてもよい。図10(b)に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層121自体が層間接着のための接着性を有しており、絶縁樹脂層121の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層122を設けられ、絶縁樹脂層121と導電層122とを貫通する貫通孔124を穿設されている。貫通孔124には導電性樹脂組成物125が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0122】
FPCでは、接着性を有する絶縁樹脂層121は、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したもので構成される。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。
【0123】
貫通孔124のうち、絶縁樹脂層121を貫通する部分124aの口径は通常のバイアホール径とされ、導電層122を貫通する部分124bの口径は絶縁樹脂層121を貫通する部分124aの口径より小径になっている。
【0124】
導電性樹脂組成物125は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入し、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストを、絶縁樹脂層121の側よりスクイジング等によって貫通孔124に満遍なく穴埋め充填したものである。
【0125】
導電性樹脂組成物125は、導電層122の裏面122aで導通を取るものであり、導電層122の上表面との接触で導通を取るものではないので、導電層122の上方に突出した拡張部分を必要としない。
【0126】
導電層122に設けられる小孔124bは、エアーブリード孔として機能し、の穴埋め充填時に気泡はこの小さい小孔124bから確実に排出され、導電層122と導電性樹脂組成物125との接触面積を的確に確保できる。この小孔114bの中心位置の選定は、図10(a)と共に説明したものと同一の方法で行われる。
【0127】
上述した多層配線基板用基材の製造手順、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造手順は、図10(b)に示されている多層配線基板用基材の製造、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造にも同様に適用できる。また、図15の実験は、図10(b)に示されている多層配線基板用基材においても確認された。実験は、 図15に示したように、接着層113を省略したものに関しても行ったが、結果は同様であった。 図25(c)は、この実験結果から導かれた結論を要約した図である。
【0128】
なお、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法は、ポリイミドフィルムを使用したフレキシブルプリント配線板に限られることはなく、ポリエステルフィルムを使用したフレキシブルプリント配線板、エポキシ樹脂や、ガラス布、アラミド不織布等によるプリプレグ材を絶縁材として使用したリジッドタイプのものにも同様に適用することができる。
【0129】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の特徴は、図17(a)に示すように、導電層の孔の内側が斜めになっていることである。即ち、導電層部分の貫通孔の側面が、前記導電層に対して成す角度αは、90°よりも小さくなっている。なお、図17(b)に示したように、後述の構成、即ち、接着層を省略したものでも、以下の記載は基本的に同一である。
【0130】
図16(a)は、この実施形態による多層配線基板用基材の基本構成を示している。
【0131】
図16(a)に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層211の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層212を、他方の面に層間接着のための接着層213を各々設けられ、接着層213と絶縁樹脂層211と導電層212とを貫通する貫通孔214を穿設されている。貫通孔214には導電性樹脂組成物215が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0132】
FPCでは、絶縁樹脂層211は、全芳香族ポリイミド(aPI)等によるポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の可撓性を有する樹脂フィルムで構成され、絶縁樹脂層211と導電層212と接着層213との3層構造は、汎用の片面銅箔付きポリイミド基材のポリイミド部(絶縁樹脂層211)の銅箔(導電層212)とは反対側の面に接着層213としてポリイミド系接着材を貼付したもので構成できる。
【0133】
多層配線基板用基材に形成された貫通孔214のうち、接着層213と絶縁樹脂層211を貫通する部分214aの口径は通常のバイアホール径とされ、導電層212を貫通する部分214bの口径は接着層213および絶縁樹脂層211を貫通する部分214aの口径より小径になっている。また、この小孔214bの周囲即ち内壁面は、図面上方向、即ち絶縁樹脂層211側で広くなるように、斜めの側面となっている。このように斜めとした点が本実施例の特徴である。
【0134】
接着層213は、接着剤の塗布以外に、熱可塑性ポリイミド、あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムの貼り付けにより形成することができる。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。なお、絶縁樹脂層211は、ポリイミドフィルム以外に、エポキシ系、イミド系のプリプレグなどを絶縁材として利用することも可能であり、その場合には、絶縁樹脂層211が接着材としても機能するため、接着層213を別途形成する必要が省かれる。
【0135】
導電性樹脂組成物215は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入し、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストを、絶縁樹脂層211の側よりスクイジング等によって貫通孔214に満遍なく穴埋め充填したものである。
【0136】
導電性樹脂組成物215は、導電層212の裏面212aで導通を取るものであり、導電層212の上表面との接触で導通を取るものではないので、導電層212の上方に突出した拡張部分を必要としない。
【0137】
導電層212に設けられる小孔214bは、エアーブリード孔として機能し、導電性ペーストの穴埋め充填時に、気泡はこの小さい小孔214bから排出され、導電層212と導電性樹脂組成物215との接触面積を的確に確保できる。
【0138】
本発明の特徴は、この導電層212に設けられる小孔214bの形成技術に関する。即ち、本件発明者は、小孔214bがエアーブリード孔として、最も効果的に機能するための構造を、実験を繰り返すことで特定することに成功した。以下、その特徴を、製造方法と共に、詳しく説明する。
【0139】
図18、図19は、図16(a)に示されている多層配線基板用基材、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造方法の一実施形態を示す断面図である。
【0140】
まず、図18(a)、(b)に示されているように、絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)211の片面に配線パターンをなす銅箔による導電層212を設けられた基材の絶縁樹脂層211側に、可塑性ポリイミドあるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したフィルムを貼り付けて接着層213を形成する。
【0141】
つぎに、図18(c)に示されているように、導電層212にエッチング等を行って導電層212による配線パターン(回路パターン)を形成する。
【0142】
つぎに、図18(d)に示されているように、接着層213上にPETマスキングテープ127を貼り付け、レーザ穴あけ加工等により、図18(d)に示されているように、PETマスキングテープ127、接着層213、絶縁樹脂層211、導電層212を貫通する貫通孔214を穿設する。
【0143】
この貫通孔214は、PETマスキングテープ127、接着層213、絶縁樹脂層211を貫通する部分214aの口径を通常のバイアホール径、例えば、100μmとすると、導電層212を貫通する部分214bの口径は、バイアホール径より小径の10〜50μm程度になっている。また、この小孔214bの周囲は、図面上方向、即ち絶縁樹脂層211側で広くなるように、斜めの側面となっている。このように斜めとした点が本実施例の特徴である。
【0144】
貫通孔214の穿孔が完了すれば、貫通孔214内に残存している穿孔による樹脂や銅箔の酸化物等によるスミア218を除去するデスミアを行う。デスミアは、プラズマによるソウトエッチングや、過マンガン塩素系のデスミア液によるウエットデスミアにより行うことができる。
【0145】
図18(f)に示されているように、デスミアが完了すれば、図18(g)に示されているように、スクリーン印刷で使用するようなスクイジプレート(スキージプレート)250を使用してPETマスキングテープ127の面側から導電性樹脂組成物(導電ペースト)215をスクイジングによって貫通孔214に穴埋め充填する。図18(h)は、導電性樹脂組成物215の穴埋め充填完了状態を示している。
【0146】
つぎに、図18(i)に示されているように、表面に導電性樹脂組成物215の残りが付いているPETマスキングテープ127を剥がし、この1層目の基材210Aに、図18(a)〜(i)に示されているこれまでと同様の製法で作製した基材210Bと、銅箔による導電層216を各々適当な位置合わせ法によって位置合わせしつつ積層加熱圧着(ラミネーション)することで、図19(j)、(k)に示されているように、多層化が達成される。
【0147】
ラミネーションの際、基材を真空下に曝しながら加熱圧着することで、導電層212による回路パターンの凹凸に対する接着層213の追従性を高くすることができる。また、導電性樹脂組成物215が柔らかい状態で積層を行い、導電性樹脂組成物215と他層の銅箔との接触を密接にすることができる。
【0148】
最後に、図19(l)に示されているように、最外層の導電層216をエッチングによって回路形成することで、多層配線板として完成を見る。
【0149】
前述の通り、また、この小孔214bの周囲は、図面上方向、即ち絶縁樹脂層211側で広くなるように、斜めの側面となっている。別のいい方をすれば、小孔214bの絶縁樹脂層211側の開口部の口径は、その反対側の口径よりも大きくなっている。このように小孔214bの内壁を斜めとした点が本実施例の特徴である。この斜めの側面の角度を決定するために、本件発明者は、様々な角度で実験を行った。
【0150】
図20を参照して、本件発明者が行った実験を説明する。図20(a)は、小孔214bが外側(図で下方向)に向って広がっている場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。つまり、導電層の開口部を表面からエッチングによって形成した場合、図20(a)のような形状となる。この場合、導電層の表面に対する側面の角度、即ち、第17図で定義される角度αは90°以上である。この場合、図20(a)に示すように小孔214bに注入された導電性樹脂組成物は、小孔214bにはほとんど充填されないか、流入してもとどまることなく抜け落ちてしまう。
【0151】
図20(b)は、小孔214bの側面が、導電層に対して垂直の場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。この場合、導電性樹脂組成物の成分や、その充填方法などの条件を適切に選択すれば、常に穴内への流入はスムーズになると同時に、底面から外への流出も少なくすることは可能である。しかしながら、それらの条件を緩めた場合、導電性樹脂組成物の性質や、導電層の厚みによっては、問題が起こることが分かった。つまり、導電層が厚く穴のアスベスト比が大きくなるか、または流入時における導電性樹脂組成物の粘度が高くなると小孔214b内に充填されにくくなった。言い方を変えれば、導電性樹脂組成物の成分や導電層の厚みを選択する自由度が制限されていた。
【0152】
図20(c)は、小孔214bが内側(図で上方向)に向って広がっている場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。このように形成すると、導電性樹脂組成物の成分や導電層の厚みに係わらず、穴内への流入はスムーズになると同時に底面から外への流出も少なくなる。小孔214bの側面を斜めにした効果は穴壁が垂直から5°以上傾斜すると、即ちαが85°以下になると現れ始める。
【0153】
図20(d)は、やはり小孔214bが内側(図で上方向)に向って広がっているが、特にその角度が段階的に変化している場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。また、図20(e)も、やはり小孔214bが内側(図で上方向)に向って広がっているが、特に曲線的に変化している場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。これらの場合も、側面の一部がα>85°の角度をもって表面から小孔214bへ向かって広がっていれば穴内に安定して導電性樹脂組成物を充填できることが確認された。特に、45°<α<60°では安定して小孔214bを導電性樹脂組成物で充填することができる。
【0154】
図20(f)は、やはり小孔214bが内側(図で上方向)に向って広がっているが、αをさらに小さくした場合に、導電性樹脂組成物の充填性を調べた結果を示す断面図である。この場合、開口部端が鋭利になると同時に導電層の厚みが極端に薄くなり、流入圧で開口部周辺の導電層が変形してしまった。様々な角度で、実験を繰り返した結果、基材の平坦性を維持する上で15°が限界であることが判明した。
【0155】
以上のような実験によって、このスクイジングの際に、銅箔部(導電層212)の小孔214bから気泡が確実に排出され、貫通孔214内に気泡が残存することがなく、また、小孔214bの開口部から漏出すこともなく、銅箔部(導電層212)と導電性樹脂組成物215との密着が導電層212の裏面212aで十分に行われる条件を決定した。その結果、導電層の表面に対する側面の角度αは、15°<α<85°、好ましくは45°<α<60°に設定することで、導電性樹脂組成物の成分や、その充填方法などの条件係わらず、穴内に安定して導電性樹脂組成物を充填できることが確認された。これにより、製造方法に対する自由度を大きくすることが可能となった。なお、図21に示したように、この実験は、以下の構成、即ち、接着層を省略したものに関しても行ったが、結果は同様であった。 図25(d)は、この実験結果から導かれた結論を要約した図である。
【0156】
即ち、この発明による多層配線基板用基材は、図16(b)に示されているように、接着層213を省略したものを用いてもよい。図16(b)に示されている多層配線基板用基材は、絶縁性基材をなす絶縁樹脂層221自体が層間接着のための接着性を有しており、絶縁樹脂層221の一方の面に配線パターンをなす銅箔等による導電層222を設けられ、絶縁樹脂層221と導電層222とを貫通する貫通孔224を穿設されている。貫通孔224には導電性樹脂組成物225が充填され、IVH(バイアホール)を形成している。
【0157】
FPCでは、接着性を有する絶縁樹脂層221は、熱可塑性ポリイミド(TPI)あるいは熱可塑性ポリイミドに熱硬化機能を付与したもので構成される。熱可塑性ポリイミドの場合、基板の耐熱性を考慮し、ガラス転移点の高いものを使用するのが好ましい。
【0158】
貫通孔224のうち、絶縁樹脂層221を貫通する部分224aの口径は通常のバイアホール径とされ、導電層222を貫通する部分224bの口径は絶縁樹脂層221を貫通する部分224aの口径より小径になっている。
【0159】
導電性樹脂組成物225は、導電機能を有する金属粉末を樹脂バインダに混入し、溶剤を含む粘性媒体に混ぜてペースト状にした導電性ペーストを、絶縁樹脂層221の側よりスクイジング等によって貫通孔224に満遍なく穴埋め充填したものである。
【0160】
導電性樹脂組成物225は、導電層222の裏面222aで導通を取るものであり、導電層222の上表面との接触で導通を取るものではないので、導電層222の上方に突出した拡張部分を必要としない。
【0161】
導電層222に設けられる小孔224bは、エアーブリード孔として機能し、の穴埋め充填時に気泡はこの小さい小孔224bから確実に排出され、導電層222と導電性樹脂組成物225との接触面積を的確に確保できる。この小孔214bの中心位置の選定は、図16(a)と共に説明したものと同一の方法で行われる。
【0162】
上述したような形状の貫通孔、即ち絶縁樹脂層の孔(224a等)と導電層の小孔(224b等)を形成する手段としてレーザ加工またはエッチング加工を用いることができるが、両者とも絶縁樹脂層の底面側(図の上側)から銅箔の加工を進めることが重要である。レーザの場合、小孔(224b等)上の樹脂層を除去した後、絶縁樹脂層側からレーザを照射し銅を蒸発(アプレーション)または一部溶解させながら加工を進める。一方エッチング加工の場合は、絶縁樹脂層を開口して露出した穴底の銅箔上にレジストを塗布して、所望の開口部を除く銅箔部をマスクした後、塩化第二鉄および塩酸を含むエッチャントに浸漬して銅を溶解し開口部を形成する。
【0163】
図22に示すように、レーザ加工の場合ではレーザの強度や照射時間または走査パターンを変化させることにより、穴底から徐々に開口面積が減少する形状を任意に制御できる。
【0164】
一方エッチング加工の場合では、図23に示すように、オーバーエッチング量とエッチング時間を変更することにより穴壁の形状を制御できる。図23では導電層202の開口径dとレジスト201の開口部203の口径d1 を等しくした場合で、所望の開口径が形成された時点でレジスト側のアンダーカットにより強いテーパが生じている。
【0165】
一方、図24ではレジスト開口径d2を小さくすると同時にエッチング時間を長くしてオーバーエッチングすることによりレジスト開口径より大きな開口部を銅箔にあける。オーバーエッチングにより銅箔の厚さ方向でのエッチングが均一に進行するため、開口部側壁は銅箔面に対して垂直に近くなる。
【0166】
上記の各実施形態ではビアホールおよび導電層の小さな小孔14b等は主に円(軸対象穴)として、議論している。しかし、これれらは真円でなくとも重心から外径までの距離が±30%以内におさまる楕円または多角形であれば、その平均値をもって半径とし本発明を適用できる。
【0167】
上述した多層配線基板用基材の製造手順、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造手順は、図16(b)に示されている多層配線基板用基材の製造、およびその多層配線基板用基材による多層配線基板の製造にも同様に適用できる。
【0168】
なお、この発明による多層配線基板、多層配線基板用基材およびその製造方法は、ポリイミドフィルムを使用したフレキシブルプリント配線板に限られることはなく、ポリエステルフィルムを使用したフレキシブルプリント配線板、エポキシ樹脂や、ガラス布、アラミド不織布等によるプリプレグ材を絶縁材として使用したリジッドタイプのものにも同様に適用することができる。
【0169】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による多層配線基板及び多層配線基板用基材によれば、導電層と導電性樹脂組成物との導通接触を、貫通孔の絶縁性基材部分と導電層部分との口径差から、導電層裏側で取る構造になり、導電性樹脂組成物の導電層より上の部分と導電層との接触面積確保から派生する諸問題から解放され、汎用の銅張り樹脂基材を出発材料として、導電性樹脂組成物と導電回路部との接触信頼性を損なうことなく、しかも基板の平滑性を低下させることなく、薄い多層配線基板を得ることができる。また、このような効果と共に、製造工程の自由度が大きくなるという特徴もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の一つの基本構成を示す断面図である。
【図2】(a)〜(i)はこの発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の第1の実施形態を示す工程図である。
【図3】(j)〜(l)はこの発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板の製造方法を示す工程図である。
【図4】(a)、(b)は、この発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を説明するである。
【図5】(a)〜(e)は、この発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、導電層に設けられた小さい孔の口径を変えて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図6】(a)、(b)は、この発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、導電層に設けられた小さい孔の口径と絶縁樹脂層の貫通孔の口径との適切な関係を説明する図である。
【図7】(a1)〜(d)は、この発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、導電層に設けられた小さい孔の口径と樹脂層の貫通孔の口径を夫々変えて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図8】(a)〜(e)は、この発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、導電層に設けられた小さい孔の口径を変えて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図9】(a)はこの発明の第1の実施形態に係わる多層配線基板用基材の穿孔工程でのレーザ被加工面を示す説明図、(b)は同じくそれのレーザ強度分布を示す説明図である。
【図10】(a)、(b)は、この発明の第2の実施形態に係わる多層配線基板用基材の一つの基本構成を示す断面図である。
【図11】(a)、(b)は、この発明の第2の実施形態に係わる多層配線基板用基材において、樹脂層の貫通孔の中心と導電層の小孔の中心の関係を説明するである。
【図12】(a)〜(i)はこの発明の第2の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法を示す工程図である。
【図13】(j)〜(l)はこの発明の一実施形態に係わる多層配線基板の製造方法の第2の実施形態を示す工程図である。
【図14】(a)〜(c)は、この発明の第2の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、樹脂層の貫通孔の中心と導電層の小孔の中心の位置関係を変化させて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図15】(a)〜(c)は、この発明の第2の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、樹脂層の貫通孔の中心と導電層の小孔の中心の位置関係を変化させて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図16】(a)、(b)は、この発明の第3の実施形態に係わる多層配線基板用基材の一つの基本構成を示す断面図である。
【図17】(a)、(b)は、この発明の第3の実施形態に係わる多層配線基板用基材において、導電層の小孔の内部の側面と、導電層表面とのなす角度を説明するである。
【図18】(a)〜(i)はこの発明の第3の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法の第3の実施形態を示す工程図である。
【図19】(j)〜(l)はこの発明の第3の実施形態に係わる多層配線基板の製造方法を示す工程図である。
【図20】(a)〜(f)は、この発明の第3の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、導電層の小孔の内部の側面と、導電層表面とのなす角度を変化させて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図21】(a)〜(f)は、この発明の第3の実施形態に係わる多層配線基板用基材の製造方法において、導電層の小孔の内部の側面と、導電層表面とのなす角度を変化させて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験結果を説明する図である。
【図22】(a)〜(e)は、レーザ加工で導電層を形成する場合、その小孔の形状が、レーザの強度や照射時間または走査パターンを変化させることにより制御されることを説明する図である。
【図23】エッチング加工で導電層を形成する場合、その小孔の形状が、オーバーエッチング量とエッチング時間を変更することにより制御されることを説明する図である。
【図24】エッチング加工で導電層を形成する場合、その小孔の形状が、オーバーエッチング量とエッチング時間を変更することにより制御されることを説明する図である。
【図25】(a)〜(d)は、多層配線基板用基材の製造方法において、導電層の小孔の形成方法を色々変えて、スクリーン印刷で穴埋め充填された貫通孔の状態を確認する実験の結果を説明する図である。
【図26】従来の多層配線基板用基材のIVH構造を示す断面図である。
【図27】従来の多層配線基板用基材のIVH構造における不具合を示す断面図である。
【図28】銅箔部と絶縁層の孔径を同じにしたIVH構成を示す断面図である。
【図29】銅箔部に孔を穿設しない構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10A…1層目の基材、10B、110B、210B…2層目の基材、11、111、211…絶縁樹脂層、12、112、212…導電層、13、113、213…接着層、14、114、214…貫通孔、15、115、215…導電性樹脂組成物、16、116、216…導電層、17、117、217…PETマスキングテープ、21、121、221…絶縁樹脂層、22、122、222…導電層、24、124、224…貫通孔、25、125、225…導電性樹脂組成物。

Claims (9)

  1. 絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、
    前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする多層配線基板用基材。
  2. 絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記導電層と前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、
    前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする多層配線基板用基材。
  3. 絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ、前記絶縁性基材と前記導電層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、
    前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことを特徴とする多層配線基板用基材。
  4. 絶縁性基材の一方の面に設けられた銅箔による導電層をエッチングし配線パターンが設けられ、絶縁性基材の他方の面に層間接着のための接着層を設けられ、前記導電層と前記絶縁性基材と前記接着層を貫通する貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填された多層配線基板用基材であって、
    前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さく、且つ、前記貫通孔の導電層部分の前記絶縁性基材に面した側の口径が、前記絶縁性基材に面していない反対側の口径よりも大きいことを特徴とする多層配線基板用基材。
  5. 絶縁性基材はポリイミド等の可撓性樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の多層配線基板用基材。
  6. 接着層は熱可塑性ポリイミドにより構成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の多層配線基板用基材。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の多層配線基板用基材を複数枚、重ねて接合してなる多層配線基板。
  8. 前記貫通孔の導電層部分の側面は、前記導電層に対して、85°未満15°以上となっていることを特徴とする請求項3、4に記載の多層配線基板用基材。
  9. 多層配線基板用基材の製造方法であって、
    絶縁性基材の一方の面に配線パターンをなす導電層を、他方の面に層間接着のための接着層を設けられたものに、導電層部分の口径が絶縁性基材部分および接着層部分の口径より小さい貫通孔を穿孔する穿孔工程と、
    導電性樹脂組成物を前記貫通孔に充填する充填工程とを有し、
    前記穿孔工程は、レーザビーム照射によって導電層部分以外の樹脂部分に口径が大きい穴あけを行い、当該穴あけ完了後に導電層部分に口径が小さい穴あけを行って貫通孔を穿設し、
    前記貫通孔の導電層部分の口径が絶縁性基材部分の口径より小さく、且つ、前記導電性樹脂組成物は、樹脂バインダと、この樹脂バインダに分散された導電性粒子からなり、前記貫通孔の導電層部分の口径は、前記導電性粒子の最大径よりも大きく、前記導電性粒子の最大径の3倍よりも小さいことを特徴とする多層配線基板用基材の製造方法。
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