JP3995497B2 - カラー有機elパネルを備えた映像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー有機ELパネルを備えた映像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL)現象を用いた有機EL素子がイーストマン・コダック社のC・W・Tang氏等により開発されている。このような有機EL素子は、低電圧の直流で駆動可能な自己発光型の表示素子であり、視野角が広く、表示面が明るく、かつ本体が薄くて軽い等、液晶パネルを凌ぐ利点を有している。このため、壁掛け用や携帯用のテレビ等の表示素子として大きく期待されている。
【0003】
ところで、有機EL素子をカラーテレビの表示素子として用いた場合には、RGBをそれぞれ発光する3つの有機EL素子で、1つのカラー画素が構成される。このような表示パネルでは、有機EL素子の種類によっては、RGBの各発光素子の発色性能が不十分となり、表示される映像が不自然な色合いに見える問題がある。特に、有機EL素子の種類によっては、G発光素子の発光特性(入力階調に対する発光輝度特性)に問題があり、森のシーンなど緑が多くを占める画面がくすんで見えてしまう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、緑が多くを占める領域において、より鮮やかな映像を提示させることができるようになるカラー有機ELパネルを備えた映像表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、カラー有機ELパネルを備えた映像表示装置において、入力G信号レベルを、入力R信号レベルおよび入力B信号レベルに基づいて補正するG信号補正処理回路を備えており、G信号補正処理回路は、入力映像のうちG信号が占める割合が大きい領域において、入力G信号レベルを大きくさせるものであることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、カラー有機ELパネルを備えた映像表示装置において、入力G信号レベルを、入力R信号レベルおよび入力B信号レベルに基づいて補正するG信号補正処理回路を備えており、G信号補正処理回路は、各カラー画素に対応する入力RGB信号毎に、入力G信号レベルが、入力R信号の所定倍より大きくかつ入力B信号の所定倍より大きいことという条件を満たしているか否かを判定する判定手段、および上記条件を満たしているときに、入力G信号レベルを大きくさせるG信号強調手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1は、カラー有機ELパネルが表示素子として用いられたテレビの構成を示している。
【0010】
この実施の形態では、カラー有機ELパネル7内のG発光素子として、入力階調に対する発光輝度が、他の色の発光素子に比べて低いものが用いられているものとする。
【0011】
アンテナ1によって受信されたテレビ放送の電波は、チューナ2によって復調された後、NTSCデコーダ回路3によってRGB信号と音声信号とが取り出される。
【0012】
NTSCデコーダ回路3によって得られたRGB信号は、AD変換回路4によってRGB各8ビットのデジタルデータに変換された後、G信号補正処理回路5に入力される。G信号補正処理回路5は、入力されたRGBデータに基づいて、Gデータに対する補正処理(G信号補正処理)を行った後、RGB各8ビットのデジタルデータを出力する。
【0013】
G信号補正処理回路5から出力されたRGBデータは、DA変換回路6によってアナログデータに変換された後、カラー有機ELパネル7に送られて表示される。
【0014】
NTSCデコーダ回路3によって得られた音声信号は、音声出力回路8を経てスピーカ9に送られて、音声出力される。なお、チューナ2、NTSCデコーダ回路3およびカラー有機ELパネル7は、制御回路10によって制御される。
【0015】
G信号補正処理回路5は、カラー有機ELパネル7内のG発光素子の入力階調に対する発光輝度が、RB発光素子の入力階調に対する発光輝度に比べて低いことを考慮して、緑が多く占める領域において、G信号を強調するための処理を行う。緑が多く占める領域のみG信号を強調するのは、それ以外の領域においてG信号を強調すると、色バランスがくずれるからである。
【0016】
図2は、G信号補正処理回路5によるG信号補正処理手順を示している。
【0017】
G信号補正処理は、各カラー画素に対応する入力RGB信号毎に行われる。図2は、1つのカラー画素(注目カラー画素)に対応する入力RGB信号に対して行われるG信号補正処理手順を示している。
【0018】
まず、注目カラー画素に対応する入力Gデータ(0〜255)と入力Rデータ(0〜255)とに基づいて、次式(1)に示される第1条件を満たしているか否かを判定する(ステップ1)。
【0019】
G>a・R …(1)
【0020】
上記式(1)において、aは定数であり、たとえば、5〜7の範囲内の値に設定される。
【0021】
第1条件を満たしていない場合には、Gデータの補正を行わない。つまり、入力されたGデータを、そのままGデータとして出力する。第1条件を満たしている場合には、注目カラー画素に対応する入力Gデータ(0〜255)と入力Bデータ(0〜255)とに基づいて、次式(2)に示される第2条件を満たしているか否かを判定する(ステップ2)。
【0022】
G>b・B …(2)
【0023】
上記式(2)において、bは定数であり、たとえば、5〜7の範囲内の値に設定される。
【0024】
第2条件を満たしていない場合には、Gデータを補正は行わない。つまり、入力されたGデータを、そのままGデータとして出力する。第2条件を満たしている場合には、Gデータを、次式(3)に基づいて、補正する(ステップ3)。
【0025】
G’=c・G …(3)
【0026】
上記式(3)において、G’は補正後のGデータを表している。また、cは定数であり、たとえば、1.1〜1.2の範囲内の値に設定される。
【0027】
この後、ステップ3で補正されたGデータ(G’)が255を越えているか否かを判定する(ステップ4)。ステップ3で補正されたGデータ(G’)が255を越えていない場合には、ステップ3で補正されたGデータ(G’)を、Gデータとして出力する。
【0028】
ステップ3で補正されたGデータ(G’)が255を越えている場合には、Gデータ(G’)の値を255に変更した後(ステップ5)、Gデータとして出力する。
【0029】
以上のようなG信号補正処理を行うことにより、通常映像での色バランスを保持するとともに、森のシーンなど緑が多くを占める画面においてG信号を強調し、より鮮やかな映像を提示させることができる。
【0030】
上記実施の形態では、カラー画素単位でG信号補正処理を行っているが、より大きな単位領域毎に、緑が多く占める領域か否かを判定し、緑が多く占める領域であると判定された領域に対するG信号を強調するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
この発明によれば、緑が多くを占める領域において、より鮮やかな映像を提示させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー有機ELパネルが表示素子として用いられたテレビの構成を示している。
【図2】G信号補正処理回路5によるG信号補正処理手順を示している。
【符号の説明】
5 G信号補正処理回路
7 カラー有機ELパネル
10 制御回路
Claims (2)
- カラー有機ELパネルを備えた映像表示装置において、入力G信号レベルを、入力R信号レベルおよび入力B信号レベルに基づいて補正するG信号補正処理回路を備えており、
G信号補正処理回路は、入力映像のうちG信号が占める割合が大きい領域において、入力G信号レベルを大きくさせるものであることを特徴とするカラー有機ELパネルを備えた映像表示装置。 - カラー有機ELパネルを備えた映像表示装置において、入力G信号レベルを、入力R信号レベルおよび入力B信号レベルに基づいて補正するG信号補正処理回路を備えており、
G信号補正処理回路は、
各カラー画素に対応する入力RGB信号毎に、入力G信号レベルが、入力R信号の所定倍より大きくかつ入力B信号の所定倍より大きいことという条件を満たしているか否かを判定する判定手段、および
上記条件を満たしているときに、入力G信号レベルを大きくさせるG信号強調手段、
を備えていることを特徴とするカラー有機ELパネルを備えた映像表示装置。
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2002
- 2002-02-21 JP JP2002044985A patent/JP3995497B2/ja not_active Expired - Fee Related
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