近時、sRGB信号に応じた色表現処理に加えて、xvYCC信号に応じた色表現処理にも対応可能な表示装置(xvYCC信号に対応可能なテレビジョン装置)が登場している。このテレビジョン装置では、ユーザの操作により、sRGB信号に応じた色表現処理またはxvYCC信号に応じた色表現処理の実行を切り替えるようになっている。そのため、仮に、テレビジョン放送で送られてくる画像が、sRGB信号に応じたものと、xvYCC信号に応じたものが放送時間帯によって切り替わるような状況になると、色表現処理の切替に係るユーザの操作負担が多大になると云う問題が生じる。より具体的な状況を想定すると、たとえば、xvYCC信号に応じた番組コンテンツ(例えば、映画番組)が放送される合間に、sRGB信号に応じたコマーシャル映像が放送されると、上述したテレビジョン装置のユーザは、放送内容がコマーシャル映像から番組コンテンツへ切り替わるたびに、画像の色表示処理を切り替える操作を行う必要が生じ、リラックスしてテレビジョン放送を楽しむことが妨げられる。なお、対象となるテレビジョン放送としては、放送電波で送られてくるもの、ケーブルテレビのようにケーブルを通じて送られてくるもの、ネットワークを通じて送られてくるものなどがある。
また、上述したようなテレビジョン装置は通常、外部入力端子を有しており、この外部入力端子を介して録画装置、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の画像出力が可能な外部機器と接続が可能になっている。これらの外部機器が、sRGB信号に応じた画像またはxvYCC信号に応じた画像の両方を出力可能であれば、上述したテレビジョン放送の場合と同様な問題が生じる。すなわち、外部機器が出力する画像に係る色信号の種類が、sRGB信号であるか、またはxvYCC信号であるかをユーザが随時確認し、確認結果に応じた色表示処理に切り替える操作を行わねばならず、ユーザの操作負担が大きいと云う問題がある。さらに、このような問題は、テレビジョン装置が有線を通じて取得した画像だけでなく、赤外線通信(例えば、IrSS)のような無線通信で取得した画像に対する色表示処理を行う場合でも同様に生じる。
なお、外部入力端子として、HDMI(High Definition
Multimedia Interface)端子を用いて画像を取得する場合、または無線HDMIで画像を取得する場合は、HDMI規格に係るインフォフレームに、取得対象になる画像がsRGB信号またはxvYCC信号によるものかを示す識別符号が含まれるときがある。そのため、このようなときでは、インフォフレームに含まれる識別符号を参照することで、取得した画像に応じた色信号を、画像の表示処理を行う装置側で判別することができる。
また、上述した特許文献1でも、ユーザの操作により、複数回の色変換処理を行うので、ユーザは表示対象の画像信号が、どのような色空間に基づくものであるかを確認した上で、色変換処理に係る操作指示を行う必要があるので、ユーザに対する負担は大きいと云う問題がある。
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、HDMI規格に係るインフォフレームに含まれることがある識別符号を利用しなくても、外部から取得する画像信号に含まれる色域を表す信号値に基づいて、自動で適切な色表現処理に切り替えられるようにした画像処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置は、sRGB色空間と、sRGB色空間から拡張された拡張色空間とを含むxvYCC色空間に係るxvYCC色信号値に応じた画像信号を、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てる処理を行う画像処理装置において、外部から取得した画像信号に係る信号値の中に、前記拡張色空間に属する値が含まれるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段が前記拡張色空間に属する値が含まれることを検出した場合、前記拡張色空間に属する値を含んだ画像信号を、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てる処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、外部から取得した画像信号に応じた色信号値の中に、拡張色空間に属する値が含まれることを検出すると、拡張色空間に属する値も含めて、外部から取得した画像信号を画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てるので、従来のxvYCC信号に対応可能なテレビジョン装置のように、ユーザが切替操作を行わなくても、xvYCC色空間にマッチした画像信号のマッピング処理を自動で行えるようになる。その結果、従来のxvYCC信号に対応可能なテレビジョン装置で要求されていた切替操作の負担からユーザは解放され、リラックスして、色再現性に優れた画像品質を楽しめるようになる。
また、本発明に係る画像処理装置は、輝度および色差を規定し、少なくとも色差範囲が拡張された第1拡張色空間を含む第1色空間に係る第1色信号値に応じた画像信号を取得する画像取得手段を備え、前記画像取得手段で取得した画像信号を、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てる処理を行う画像処理装置において、前記画像取得手段で取得した画像信号に係る第1色信号値の中に、前記第1拡張色空間に属する値が含まれるか否かを検出する第1検出手段と、前記第1検出手段が前記第1拡張色空間に属する値が含まれることを検出した場合、前記第1拡張色空間に属する値を含んだ画像信号を、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てる処理を行う第1割当手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、外部から取得した画像信号に応じた第1色信号値の中に、第1拡張色空間に属する値が含まれることを検出すると、第1拡張色空間に属する値も含めて、外部から取得した画像信号を画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てるので、第1拡張色空間に値が属するか否かで、広域の色信号に応じたマッピング処理が自動で行われるようになる。そのため、取得した画像信号の中に第1拡張色空間に属する値が含まれていれば、広域の色信号に応じたマッピング処理を通じて、優れた色再現性で画像を表示できる色表現処理が自動で行われ、従来の表示装置等で要求されていた切替操作の負担からユーザは解放され、リラックスして、色再現性に優れた画像品質を楽しめるようになる。
なお、第1色信号値としては、たとえば、YCbCr信号の値を適用することが可能である。この場合、第1拡張色空間に対応した範囲としては、YCbCr信号に係る画像表示処理で従来、クリッピングされていた数値範囲(たとえば、色差に関する256段階の全範囲において1以上15以下の範囲、または241以上254以下の範囲の少なくとも一方の範囲)を適用させることが、xvYCC信号として扱われる領域を有効に活用できる点で好ましい。
また、外部から取得する画像信号は、アナログ信号またはデジタル信号のいずれでも適用可能であり、画像信号の取得経路としては、アナログテレビジョン放送またはデジタルテレビジョン放送を通じて取得する場合(なお、テレビジョン放送は、放送電波、ケーブルテレビジョン網、ネットワーク網のいずれかを介して伝達される)、各種接続規格(IEEE1394,USB等)に応じた接続ケーブルを通じて取得する場合、または、赤外線通信(IrSS)のような無線で取得する場合等が適用可能である。さらに、HDMI系の接続規格または無線通信規格を用いる場合でも、HDMI規格に係るインフォフレームに色域を示す識別符号が含まれないときに対しても、本発明は有用になる。
本発明に係る画像処理装置は、前記第1検出手段が前記第1拡張色空間に属する値が含まれないことを検出した場合、前記画像取得手段が取得した画像信号を、複数色の割合を規定し、色信号値が負となる範囲または基準値を超える範囲まで拡張された第2拡張色空間を含む第2色空間に係る第2色信号値に応じた画像信号へ変換する変換手段と、前記変換手段が変換した画像信号に係る第2色信号値の中に、前記第2拡張色空間に属する値が含まれるか否かを検出する第2検出手段とを備え、前記第2検出手段が前記第2拡張色空間に属する値が含まれることを検出した場合、前記第1割当手段は、前記第2拡張色空間に属する値を含んだ画像信号を、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てる処理を行うことを特徴とする。
本発明にあっては、外部から取得した画像信号に係る第1色信号値の中に、第1拡張色空間に属する値が含まれない場合、取得した画像信号を第2色空間に係る第2色信号値に応じた画像信号へ変換すると共に、変換した画像信号に係る第2色信号値の中に、第2拡張色空間に属する値が含まれるか否かを検出するので、取得した画像信号に応じた色域を、画像の色表示処理に対して有効に活用できないかを二段階で判別できるようになる。また、第2拡張色空間に属する値が含まれていれば、これらの範囲に属する値も含めて、取得した画像信号を色表示域に応じた階調へ自動で割り当てるので、従来、クリッピング対象範囲となっていた色信号の値がマッピングされるようになり、それにより、取得した画像信号にマッチした色表現処理が自動で行われるようになる。
なお、第2色空間としては、RGB系の色空間(たとえば、sRGB色空間)を適用することが考えられる(第2色信号値としては、たとえば、sRGB信号の値)。この場合、第2拡張色空間の範囲としては、sRGB信号に係る画像表示処理で従来、クリッピングされていた数値範囲(マイナスの範囲、または1以上の範囲)を適用させることが、xvYCC信号として扱える領域を有効に活用すると云う点で好適となる。
本発明に係る画像処理装置は、前記第2検出手段が前記第2拡張色空間に属する値が含まれないことを検出した場合、前記変換手段で変換した画像信号を、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てる処理を行う第2割当手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、変換した画像信号に係る第2色信号値の中に、上述した各拡張色空間の範囲に属する値が含まれないことを検出した場合、変換した画像信号を、色表示域に応じた階調へ割り当てるので、取得した画像信号に応じた色再現性が確保された画像が表示されるようになる。そのため、広域の色空間に対応した値が二段階の検出処理を経ても、見つからない場合は、自動的に通常の色表現処理が行われるので、取得した画像信号に応じた色域に応じた表示処理を指定する切替操作をユーザは行わなくても済む。
本発明に係る画像処理装置は、外部の表示装置と接続を行う接続手段と、前記接続手段から、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てられた画像信号を出力する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、外部の表示装置と接続を行う接続手段から、色表現処理に係る画像信号を出力するので、録画装置またはセットトップボックスのような表示デバイスを有しない装置形態であっても、本発明を適切に利用できるようになる。なお、外部の表示装置としては、液晶パネルまたは有機EL(Electro-Luminescence)のような表示パネルを備えた表示装置、ブラウン管(受像管)を備えた表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)を備えた表示装置、リアプロジェクション式またはフロントプロジェクション方式の表示装置などを適用することが可能である。
本発明に係る画像表示装置は、表示部と、前記表示部へ、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ割り当てられた画像信号を供給する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、表示デバイスに相当する表示部へ、色表現処理に係る画像信号を供給するので、テレビジョン装置のような表示デバイスを有する装置形態に対して、本発明を適切に利用できるようになる。なお、表示部としては、液晶パネル、有機ELパネル、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)等を含む電界放出ディスプレイ(FED)用パネル、プラズマディスプレイパネル、プロジェクション方式に適用される表示モジュール等を適用できる。
本発明に係る画像表示装置は、前記表示部は、表示パネルであり、前記表示パネルの照射を行う照射手段と、前記第1割当手段が、画像信号を階調へ割り当てる処理を行った場合、前記照射手段の照射量を基準量より高める調整を行う照射量調整手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあって、第1割当手段が割当処理を行うと、第1色空間に応じた広い色域に係る色味が再現されるため、濃い色などは一段と深い色味になり、それに伴い、照射手段で照射される光が画面上で表示された深い色味で遮られる程度が増し、画面上での輝度が幾分低下することになる。しかし、本発明にあっては、第1割当手段の割当処理に連動して、照射量を高めるので、輝度の低下分を補って適切な輝度を確保でき、色の鮮やかさ及び深い色味の表現を維持しながら、画像の明るさの低下を防止できるようになる。
本発明にあっては、拡張色空間に属する値が、外部から取得したxvYCC色空間に係る画像信号に含まれていれば、xvYCC色空間を包含する広域の色信号に応じた色表現処理を行うので、取得した画像信号に含まれる値に応じて、xvYCC色空間に含まれる広い範囲の色信号の再現に応じた表示処理を自動で行うことができる。
また、本発明にあっては、第1拡張色空間に属する値が、外部から取得した画像信号に含まれていれば、広域の色信号に応じた色表現処理を行うので、取得した画像信号に含まれる値に応じて、広域の色信号の再現に応じた表示処理を自動で行うことができ、特段の操作を行うことなく、ユーザは色再現性に優れた画質を享受できる。
さらに、本発明にあっては、第1拡張色空間に属する値を画像信号が含まなければ、画像信号を第2色空間に応じたものに変換して、第2拡張色空間に属する値を変換した画像信号が含むか否かを検出するので、取得した画像信号に広域色信号に応じた値が含まれるかを二段階で判定でき、さらに、第2拡張色空間の範囲に応じた値が含まれれば、広域の色信号に応じた色表現処理を行うので、この場合も、ユーザが特段の操作を行わなくても、自動で色再現性に優れた画像の表示処理を行える。
さらに、本発明にあっては、第2拡張色空間の範囲に属する値を、変換した画像信号が含まなければ、変換した画像信号で色表現処理を行うので、ユーザが色表現処理の種類を指定しなくても、最適な処理に自動で切り替わるため、ユーザは取得した画像信号に応じた色信号の種類を気にすることなく、画像コンテンツを楽しむことができる。
本発明にあっては、外部の表示装置と接続を行う接続手段を具備し、その接続手段から、色表現処理に係る画像信号を出力するので、表示デバイスを有しない装置形態でも本発明を有効に適用できる。
また、本発明にあっては、表示デバイスに相当する表示部を具備すると共に、その表示部へ色表現処理に係る画像信号を供給するので、テレビジョン装置のような表示デバイスを有する装置形態に対しても本発明を適切できる。
本発明にあっては、第1割当手段が行う割当処理に連動して、照射手段の照射量を高めるので、広い色域に応じた色表現処理を行った場合に生じる画面上の輝度低下が防止され、優れた色表現性および適切な輝度確保を両立できる。
図1は、本発明の実施形態に係るテレビジョン装置1の主要な構成を示すブロック図である。本実施形態のテレビジョン装置1は、本発明に係る画像処理装置を包含した構成になっており、本発明に応じた各種処理を行うユニットを内蔵している。テレビジョン装置1は、色信号に応じた映像(動画)に係る画像信号(動画の画像フレームに応じた信号)を外部から取得しており、取得した画像信号に応じた画像の表示処理を行う際、画像信号に係る色域に従って、画像表示に係る色表示域に応じた階調へ画像信号を割り当てると云うマッピング処理の仕方を適宜選択し、最適な色表現処理を自動で切替可能にしている。そのため、テレビジョン装置1は、取得した画像信号に「拡張された色空間(いわゆる拡張色空間)」に属する信号値が含まれていれば、拡張色空間に合わせたマッピング処理にも自動で対応できるようになっている。
テレビジョン装置1(液晶テレビジョン装置)は、外部から色信号に応じた画像信号を取得するためにアナログチューナ2、ビデオ入力部3(アナログ)、デジタル入力部6、デジタルチューナ7を具備し、取得した画像信号に係る色信号の色域を色域判断部9で判断すると共に、その判断結果に基づいた画像処理を映像処理部8で行う。なお、テレビジョン装置1は、アナログの画像信号の処理系統としてセレクタ4およびAD変換部5を含んでおり、画像を表示する液晶パネル20(表示部に相当)を照射するためのバックライト22およびバックライト制御部23も備えている。さらに、テレビジョン装置1は、全般的な制御を行う制御部21を具備し、ユーザからの操作を受け付ける操作部24と、リモコン装置26からの遠隔操作信号を含む赤外光を受光する受光部25とを制御部21に接続して、ユーザの操作指示を制御部21へ伝えられるようにしている。以下、テレビジョン装置1の各部を詳説する。
まず、テレビジョン装置1のアナログの画像信号の取得に関する処理系統(アナログチューナ2、ビデオ入力部3、セレクタ4、およびAD変換部5。これら全体が画像取得手段に相当)を説明する。アナログチューナ2は、受信アンテナA1と接続されており、放送電波を通じて送信されてくるアナログのテレビジョン信号(放送番組の映像を示す信号)を受信し、受信したテレビジョン信号に含まれる画像信号を取得して、取得した画像信号をセレクタ4へ伝送する処理を行う。また、ビデオ入力部3は、アナログの画像信号(動画の画像フレーム)の出力が可能な外部機器(ビデオカメラ、録画装置等)と接続を行う接続端子に相当し、接続されている外部機器が画像信号を出力すれば、出力されてくる画像信号を取得してセレクタ4へ伝送する処理を行う。
セレクタ4は、アナログチューナ2またはビデオ入力部3から伝送されてきた画像信号を受け取って、制御部21からの制御指示に従って、アナログチューナ2またはビデオ入力部3のいずれか一方の画像信号をAD変換部5へ伝送する処理を行う。AD変換部5は、セレクタ4から送られてくるアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換するものであり、変換したデジタルの画像信号に、その画像信号に応じた画像フレームを識別する識別信号を付帯させて映像処理部8および色域判断部9へそれぞれ伝送する。AD変換部5が変換するデジタルの画像信号は、輝度(Y)および色差(CbCr)を規定するYCbCr色空間(第1色空間に相当)に係るYCbCr信号の値(第1色信号値に相当)が、画像を構成する複数の画素にそれぞれ含まれたものになっており、このように変換することで、テレビジョン装置1は、アナログのテレビジョン信号に基づいてYCbCr色空間に係るYCbCr信号値を取得する。なお、YCbCr信号は、輝度および色差に関して、それぞれ0以上255以下の範囲(256段階の範囲)に応じた値を有している。
次に、テレビジョン装置1のデジタルの画像信号の取得に関する処理系統(デジタル入力部6およびデジタルチューナ7)を説明する。デジタル入力部6は、接続インタフェース部6aと、無線インタフェース部6bを有している。接続インタフェース部6aは、デジタルの画像信号(動画の画像フレーム)の出力が可能な外部機器(デジタルビデオカメラ、デジタルの録画装置等)と接続ケーブルを介して接続を行う接続端子に相当し、外部機器から出力されてくる画像信号を取得すると共に、取得した画像信号を、その画像信号に応じた画像フレームを識別する識別信号と共に、映像処理部8および色域判断部9へそれぞれ伝送する。なお、本実施形態の接続インタフェース部6aは、接続に応じた規格としてIEEE1394に対応したものになっているが、それはあくまで一例であり、他のデジタルインタフェース(たとえば、HDMI、USB、10BASE/100BASE等に係るLAN規格等)も勿論適用可能であると共に、異なる規格に応じた接続インタフェース部6aを複数設けることも可能である。
また、デジタル入力部6の無線インタフェース部6bは、デジタルの画像信号(動画の画像フレーム)の出力を無線通信で行うことが可能な外部機器から、無線通信を通じて画像信号を取得するものであり、取得した画像信号を、その画像信号に応じた画像フレームを識別する識別信号と共に、映像処理部8および色域判断部9へそれぞれ伝送する。本実施形態の無線インタフェース部6aは、無線通信に応じた規格として無線HDMIに対応したものになっているが、それはあくまで一例であり、IrSS等の赤外線通信(IrDA)、その他各種無線通信規格(たとえば、ワイヤレスUSB、ブルートゥース(登録商標)、無線LAN規格等)も勿論適用可能であると共に、異なる規格に応じた無線インタフェース部6bを複数設けることも可能なのは、上述した接続インタフェース部6aと同様である。
デジタルチューナ7は、受信アンテナA2と接続されており、地上デジタルテレビジョン放送などのデジタル放送を通じてデジタルのテレビジョン信号(放送番組の映像を示す信号)を受信し、受信したテレビジョン信号に含まれるデジタルの画像信号を取得して、取得した画像信号を、その画像信号に応じた画像フレームを識別する識別信号と共に、映像処理部8および色域判断部9へそれぞれ伝送する。なお、上述したデジタル入力部6およびデジタルチューナ7で取得される画像信号も、AD変換部5での変換後の画像信号と同様に、YCbCr色に係る複数のYCbCr信号に応じたものになっている。
次に、本発明において中心的な処理を行う1つである色域判断部9について説明する。色域判断部9は検出手段に相当し、AD変換部5、デジタル入力部6およびデジタルチューナ7からそれぞれ送られてくる画像信号に係るYCbCr信号がどのような色域に応じた値を含んでいるか否かを段階的に計2段階で検出する処理を行っている。
図2(a)に示すように、色域判断部9は、上述したような計2段階で色域に係る検出を行うため、第1検出部9a(第1検出手段に相当)および第2検出部9b(第2検出手段に相当)を具備している。第1検出部9aは、最初の段階(第1段階)の検出処理を行っており、検出結果を映像処理部8へ伝送する。また、第2検出部9bは、次の段階(第2段階)の検出処理を行い、検出結果を映像処理部8へ伝送する。
図3は、色域判断部9の色域に係る検出処理において、検出対象となる色空間を、YCbCr色空間をベースにして二次元上のグラフに表したものであり、0〜254までの目盛が示された横軸が色差(CbCr)を表し、0〜254の目盛が示された縦軸が輝度(Y)を表している。このグラフにおいて、色差が16以上240以下であり、かつ輝度が16以上235以下の矩形範囲の中に位置する菱形範囲11gは、従来のsRGB信号に対する画像の表示処理で、処理対象となっていた範囲に該当する。そのため、色差が1以上15以下であり、かつ輝度が16以上235以下の縦長矩形の第1領域11a(xvYCC色空間で拡張された範囲であり、少なくとも色差範囲が拡張された第1拡張色空間に相当)は、従来のYCbCr信号に対する画像の表示処理で、クリッピングされていた範囲に該当する。同様に、色差が241以上254以下であり、かつ輝度が16以上235以下の縦長矩形の第2領域11b(xvYCC色空間で拡張された範囲であり、少なくとも色差範囲が拡張された第1拡張色空間に相当)も、従来のYCbCr信号に対する画像の表示処理でクリッピングされていた範囲(従来の色表現処理で反映されない範囲)に該当する。
また、上述した菱形範囲11gは、sRGB色空間(赤色、緑色、青色が含まれる割合を規定する第2色空間に相当)に該当し、sRGB色空間に係る規定(BT.709)において、sRGB信号の値が0を超過して1未満の範囲を表している。さらに、上述した色差が16以上240以下の矩形範囲の中で、菱形範囲11gより輝度(Y)において下方となる三角形状の第3領域11cおよび第4領域11dは、sRGB信号の値が負となる範囲に該当し、菱形範囲11gより輝度(Y)において上方となる三角形状の第5領域11eおよび第6領域11fは、sRGB信号の値が1より大きい範囲(基準値を超える範囲に相当)に該当し、これら第3領域11c〜第6領域11fは、従来のsRGB信号に対する画像の色表現処理の中でクリッピングされていた範囲を示し、sYCbCr空間で拡張された第2拡張色空間に該当する。
一方、sRGB色空間を包含するxvYCC色空間は、従来の色表現処理でクリッピングされていた第1領域11a〜第6領域11fの各領域の範囲も含んでおり(第1領域11a〜第6領域11fは、sRGB色空間から拡張された拡張色空間に相当)、xvYCC色空間に係る画像信号の色表現処理において反映することが規定されている。そのため、xvYCC色空間に係るxvYCC信号に応じた画像表示処理では、拡張色空間に応じた各領域11a〜11fに含まれる信号値も液晶パネル20の動作範囲(画像表示に係る色表示域に応じた階調。たとえば、8ビットの256階調)へ割り当てると云うマッピング処理が行われる。
上述した図2(a)の色域判断部9の第1検出部9aは、色域判断部9へ送られてきた画像信号に係るYCbCr信号の中に、図3の第1領域11aまたは第2領域11bの少なくともいずれか一方に属する値が含まれるか否かを検出する(第1段階の検出処理)。検出を行うと、第1検出部9aは、検出結果を示す情報を、検出処理を行った画像信号を表す識別信号と共に映像処理部8へ送る。
一方、第2検出部9bは、後述するように映像処理部8から送られてくるRGB変換された色空間に応じた画像信号に係るRGB値(第2色信号値に相当)の中に、第3領域11c、第4領域11d、第5領域11e、第6領域11fの少なくともいずれか一つの領域に属する値が含まれるか否かを検出する(第2段階の検出処理)。検出を行うと、この第2検出部9aも、検出結果を示す情報を、検出処理を行った画像信号を表す識別信号と共に映像処理部8へ送る。
図1および図2(b)に示す映像処理部8は、本発明において上述した色域判断部9と共に、中心的な処理を行うものであり、画像信号を液晶パネル20の可変幅である画像表示に係る色表示域に応じたRGB信号の階調(8ビット)へ割り当てる処理(マッピング処理)を行う手段に相当する。特に、本実施形態の映像処理部8は、このマッピング処理の内容を、ユーザからの操作指示を受けなくても、上述した色域判断部9から送られてくる検出結果を示す情報に基づき、xvYCC信号の色域に合った色表現処理と、sRGB信号の色域に合った色表現処理とに自動で切り替えることが特徴になっている。
図2(b)に示すように、映像処理部8は第1マッピング処理部8a(第1割当手段に相当)、第2マッピング処理部8b(第2割当手段に相当)、変換処理部8c(変換手段に相当)、および内部メモリ8dを具備している。なお、映像処理部8の内部メモリ8dは、入力ソースとして選択されている画像信号の取得元(AD変換部5、デジタル入力部6、デジタルチューナ7のいずれか)から順次送られてくるYCbCr信号に応じた画像信号を一時的に記憶すると共に、変換処理部8cが行う変換処理用のワークエリア等として用いられる。
映像処理部8の第1マッピング処理部8aは、上述した色域判断部9の第1段階の検出結果に応じて、AD変換部5、デジタル入力部6、デジタルチューナ7のいずれかから送られてきて内部メモリ8dに記憶しているYCbCr信号に応じた画像信号のマッピング処理を行うものである。詳しくは、色域判断部9から送られてきた検出結果の情報が、図3に示す第1領域11aまたは第2領域11bの少なくともいずれか一方に属する値を、画像信号に係るYCbCr信号が含むことを検出した旨を表していれば、第1マッピング処理部8aは、その検出結果と共に映像処理部8へ送られてきた識別信号に応じた画像信号を、内部メモリ8dから読み出す。
そして、第1マッピング処理部8aは、読み出した画像信号を第1領域11aと第2領域11bに属する範囲(第1拡張色空間に相当する範囲)の値も含めて、液晶パネル20のRGB信号での色表示域(8ビットの動作範囲)に係る階調へマッピングする処理を行い、マッピングした画像信号(RGB信号)を液晶パネル20へ供給する。このようなマッピング処理を第1マッピング処理部8aが行うので、液晶パネル20の色表現範囲が、xvYCC空間に合わせて最大限利用されることになり、鮮やかで深い色味のある画像を表現することができる。なお、第1マッピング処理部8aは、上述したようなマッピング処理を行うと、処理を行った旨を示すマッピング処理情報を制御部21へ送る。また、上述した第1マッピング処理部8aが行うxvYCC色空間の拡張した色空間(第1拡張色空間)に合わせたマッピング処理を、以降の説明では第1xvYCC信号処理と称する。
また、色域判断部9から送られてきた第1段階の検出結果の情報が、画像信号に係るYCbCr信号の中に第1領域11aまたは第2領域11bのいずれか一方に属する値が含まれないことを検出した旨を表していれば、映像処理部8は、変換処理部8cで、画像信号をRGB変換させて、RGB変換後の画像信号のRGB値を色域判断部9へ送る処理を行う。詳しくは、変換処理部8cが、色域判断部9から検出結果と共に送られてきた識別信号に応じた画像信号を内部メモリ8dから読み出し、その読み出した画像信号をRGB変換して、変換後のsRGB信号に応じた画像信号の信号値(RGB値)を識別信号と共に色域判断部9へ送る。なお、変換処理部8cでRGB変換された画像信号(RGB信号)と、RGB変換前の画像信号(YCbCr信号)は両方とも、識別信号と対応付けて内部メモリ8dに保存される。
再度、映像処理部8の第1マッピング処理部8aの説明に戻り、第1マッピング処理部8aは、上述した色域判断部9の第2段階の検出結果に応じて、内部メモリ8dに記憶しているYCbCr信号に応じた画像信号のマッピング処理も行っている。詳しくは、色域判断部9から送られてきた検出結果の情報が、図3に示す第3領域11c〜第6領域11fの少なくともいずれか一つに属する値を、RGB変換した画像信号に係るRGB値が含むことを検出した旨を表していれば、第1マッピング処理部8aは、その検出結果と共に映像処理部8へ送られてきた識別信号に応じた画像信号(RGB変換前のオリジナルのYCbCr信号)を内部メモリ8dから読み出す。
そして、第1マッピング処理部8aは、読み出した画像信号(YCbCr信号)を第3領域11c〜第6領域11fに属する値も含めて、液晶パネル20のRGB信号での色表示域(8ビットの動作範囲)に係る階調へマッピングする処理を行い、マッピングした画像信号(RGB信号)を液晶パネル20へ供給する。このようなマッピング処理も、第1マッピング処理部8aが行うので、液晶パネル20の色表現範囲に、xvYCC色空間に応じた範囲、すなわち従来クリッピングされていたsRGB空間において負となる範囲および1を超過する範囲(第2拡張色空間に相当する範囲)の色域も割り当てられるようになり、従来に比べて鮮やかで深い色味のある画像を表現することができる。なお、第1マッピング処理部8aは、上述したようなマッピング処理を行ったときも、処理を行った旨を示すマッピング処理情報を制御部21へ送る。また、上述した第1マッピング処理部8aによるsYCbCr色空間を拡張した色空間(第2拡張色空間)に合わせたマッピング処理を、以降の説明では第2xvYCC信号処理と称する。
最後に、映像処理部8の第2マッピング処理部8bは、上述した色域判断部9の第2段階の検出結果に応じて、内部メモリ8dに記憶しているRGB変換された画像信号のマッピング処理を行うものである。詳しくは、色域判断部9から送られてきた第2段階の検出結果の情報が、図3に示す第3領域11c〜第6領域11fの少なくともいずれか一つに属する値を、RGB値が含まないことを検出した旨を表していれば、第2マッピング処理部8bは、その検出結果と共に映像処理部8へ送られてきた識別信号に応じたRGB変換済みの画像信号を、内部メモリ8dから読み出す。
そして、第2マッピング処理部8bは、読み出したRGB変換済みの画像信号を液晶パネル20のRGB信号での色表示域(8ビットの動作範囲)に係る階調へマッピングし、マッピングした画像信号(RGB信号)を液晶パネル20へ供給する。このような第2マッピング処理部8bのマッピング処理により、外部から取得した画像信号には、拡張色空間に応じた第1領域11a〜第6領域11cに属する値が含まれなければ、sRGB色空間の色域に合ったマッピング処理を行うことで、本発明は、液晶パネル20の色域に係る作動範囲を有効に利用できるようにしている。なお、第2マッピング処理部8bが行うsRGB色空間に応じたマッピングの処理を、以降の説明ではsRGB信号処理と称する。
図1に戻って説明を続けると、制御部21は、操作部24またはリモコン装置26で受け付けるユーザからの操作指示に従って、上述した各部の制御を行う。ユーザの操作指示に伴って制御部21が行う制御の一例として、アナログチューナ2、ビデオ入力部3、デジタル入力部6またはデジタルチューナ7の中から入力ソース(画像信号の取得元)を選択する制御(セレクタ4の切替制御も含む)、選択された入力ソースがアナログチューナ2またはデジタルチューナ7のいずれかであれば、放送チャンネルの選択等に係る制御が挙げられる。また、制御部21が自動で行う制御内容の一つに、バックライト調整部23(照射量調整手段に相当)に対する制御がある。なお、操作部24またはリモコン装置26は、上下左右キー、決定キー、テレビジョン装置1の各種機能に応じた操作指示の受付キー、電源オン・オフボタン等を具備している。
バックライト調整部23は、LED光源または蛍光管からなるバックライト22(照射手段に相当)の点灯と消灯の切替、点灯時の照射量の調整等を制御部21の制御指示に従って行うものであり、制御部21から点灯指示を受けると、バックライト22を点灯させ、消灯指示を受けると、点灯させていたバックライト22を消灯させる。また、バックライト調整部23は、点灯させたバックライト22を最初、デフォルトの照射量(基準量に相当)に設定するが、制御部21から、照射量を高める指示を受けると、デフォルト照射量から高める調整を行い、照射量を低くする指示を受けると、デフォルト照射量から低める調整を行う。
制御部21は、ユーザの操作指示に従って、バックライト22の照射量を調整する場合、照射量を高める指示または低める指示を出すが、本発明においては、上述した映像処理部8から送られてくるマッピング処理情報を受け取った場合に、照射量を高める指示をバックライト調整部23へ送る制御を行う。映像処理部8がマッピング処理情報を制御部21へ送る場合は、xvYCC色空間の第1領域11a〜第6領域11fのいずれかに属する値も含めてマッピング処理を行った場合(第1xvYCC信号処理または第2xvYCC信号処理を行った場合)に相当し、この場合、液晶パネル20では、より鮮やかな色、深みのある色味を再現できるが、その反面、バックライト22から照射される光量が、鮮やかさ及び深みを増した色により、パネル表面へ到達するまでに遮られる程度が高まり、それによりパネル表面での輝度が下がる。そのため、上述したように、バックライト22の照射量を高めることで、パネル表面での輝度低下分が補われ、液晶パネル20は、鮮やかな色、深みのある色味で表現された画像を適切な輝度で表示することができる。
図4に示すフローチャートは、上述した処理を行うテレビジョン装置1における画像信号に対する一連の処理手順を整理したものである。以下、図4のフローチャートに基づいて本発明に係る処理内容(画像処理方法)を説明する。なお、以下の説明では、ユーザによる電源オン操作後に、デジタルチューナ7を入力ソースとして、ユーザが選択した場合の内容にしているが、他の入力ソース(アナログチューナ2、ビデオ入力部3、デジタル入力部6)が選択された場合でも、外部から取得した画像信号に対する処理内容は、下記の説明と同等になる。
まず、テレビジョン装置1は、操作部24またはリモコン装置26で入力ソースとして選択されたデジタルチューナ7で、ユーザにより設定された放送チャンネルの放送信号を受信して、テレビジョン放送の画像信号(YCbCr信号)を取得する(S1)。次に、テレビジョン装置1は、色域判断部9の第1検出部9aで、取得した画像信号に係るYCbCr信号の中に、図3の第1領域11aまたは第2領域11bの少なくともいずれかの範囲(第1拡張色空間の範囲)に属する値が含まれるか否かを検出する(S2)。第1検出部9aが、各領域11a、11bのいずれかに属する値が画像信号に含まれることを検出した場合(S2:YES)、テレビジョン装置1は、映像処理部8の第1マッピング処理部8aで、S2の段階の検出処理対象と同じ識別番号の画像信号に対して第1xvYCC信号処理を行う(S3)。
また、第1検出部9aが、各領域11a、11bのいずれかに属する値が画像信号に含まれないことを検出した場合(S2:NO)、テレビジョン装置1は、映像処理部8の変換処理部8cで、取得した画像信号(YCbCr信号)のRGB変換を行う(S4)。そして、テレビジョン装置1は、色域判断部9の第2検出部9bで、RGB変換された画像信号のRGB値(sRGB信号値)の中に、第2拡張色空間に応じた図3の第3領域11c〜第6領域11fの少なくともいずれかに属する値が含まれるか否かを検出する(S5)。第2検出部9bが、各領域11c〜11fのいずれかに属する値が画像信号に含まれることを検出した場合(S5:YES)、テレビジョン装置1は、映像処理部8の第1マッピング処理部8aで、S5の段階の検出処理対象と同じ識別番号の画像信号に対して第2xvYCC信号処理を行う(S6)。
それから、テレビジョン装置1は、S3の段階で第1xvYCC信号処理が行われた場合、またはS6の段階で第2xvYCC信号処理が行われた場合、バックライト22の照射量をデフォルトより高める処理を行い(S7)、各xvYCC信号処理を行った画像信号に基づいた画像を液晶パネル20に表示させる出力処理を行う(S9)。
一方、第2検出部9bが、各領域11c〜11fのいずれかに属する値が画像信号に含まれないことを検出した場合(S5:NO)、テレビジョン装置1は、映像処理部8の第2マッピング処理部8bで、S5の段階の検出処理に係るRGB変換された画像信号に対してsRGB信号処理を行う(S8)。そして、テレビジョン装置1は、sRGB信号処理を行った画像信号に基づいた画像を液晶パネル20に表示させる出力処理を行う(S9)。
最後に、テレビジョン装置1は、操作部24またはリモコン装置26で、電源オフ操作を受け付けたか否かを制御部21で判断する(S10)。電源オフ操作を受け付けていない場合(S10:NO)、テレビジョン装置1は、最初の段階(S1)へ戻り、画像信号の取得を継続する。一方、ユーザから電源オフ操作を受け付けた場合(S10:YES)、テレビジョン装置1は、一連の処理を終了する。
よって、本発明のテレビジョン装置1は、上述したような処理を行うので、例えば、テレビジョン放送で放送されてきた放送番組に係る画像信号が、放送時間帯によってxvYCC色空間の拡張された色空間(拡張色空間)に属する値を含むものと、sRGB色空間のみで規定された範囲に属する値を含むものが切り替わっても、それに対応して、自動的に、第1xvYCC信号処理、第2xvYCC信号処理、sRGB信号処理を適宜切り替えるので、常に、液晶パネル20の色域表現範囲を有効に使うことができる。さらに、テレビジョン装置1が第1xvYCC信号処理または第2xvYCC信号処理を行う際、バックライト22の照射量を高めるので、画像を表示するパネル表面における適切な輝度を確保した上で、xvYCC色空間の拡張色空間に属する値を含む画像信号に基づく鮮やかで深い色味のある画像をユーザは楽しむことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、液晶パネル以外の表示デバイスを備えるテレビジョン装置(表示装置)に対しても、本発明は適用可能であり、例えば、表示デバイスとしては、有機ELのような表示パネル、ブラウン管(受像管)、プラズマディスプレイ(PDP)等も適用可能である。また、バックライトまたはフロントライト等を必要としない表示デバイスを適用する場合、図1のバックライト22およびバックライト調整部23の替わりに、適用される表示デバイスの画面輝度を調整するユニットを、上述したバックライト調整部23の照射量の調整処理を同様に制御部21が制御を行うことになる。たとえば、表示デバイスとして、自発光式の有機ELを適用した場合、有機ELの発光量を調整するユニットに対して、制御部21は制御を行うことになる。
さらに、上述した説明では、画像信号として動画を構成する画像フレームの画像信号に対する処理で説明したが、勿論、静止画の画像信号に対しても、同様な処理を行うことができる。特に、デジタル入力部6の無線インタフェース6bとして、IrSS用の無線インタフェースを用いて、外部のIrSS通信可能な撮像機能を有する携帯電話機等から送られる撮像画像(静止画)を取得する場合に対しても、適切な色表現処理の切替を自動で行うことが可能となる。さらにまた、本発明は、HDMIまたは無線HDMIに対応したHDMI系インタフェースを具備している表示装置に適用された場合に、HDMI規格に係るインフォフレームに色信号を示す識別符号が含まれないときに、HDMI系インタフェースで取得する画像信号に含まれる色信号の値に応じて、最適な色表現処理を自動で適宜切り替えることができる。
また、図5に示すように、表示デバイスを有しない画像処理装置50に対しても適用可能である。この場合、画像処理装置50は、図1に示す構成において、液晶パネル20、バックライト22、およびバックライト調整部23が省略されると共に、映像処理部8のマッピングされた画像信号の出力を画像出力端子(接続手段に相当)から行うようになり、この画像出力端子に、外部の表示装置40を接続する形態となる。このような画像処理装置50には、録画装置、ケーブルテレビまたは特定の放送の受信を行うセットトップボックス等に適用可能である。また、外部の表示装置40が備える表示デバイス40a(たとえば、液晶パネル)は、機種により色再現特性が相異することがあるので、マッピング処理においても微妙なチューニング処理が要求されることもある。そのため、図5に示す変形例の画像処理装置50に、様々な外部表示装置に合ったチューニング処理用のテーブルを具備させると共に、画像出力端子に接続された外部表示装置の種類に合ったチューニング処理を、上記テーブルから読み出すようにして、上述したマッピング処理の結果を接続対象の外部表示装置の表示特性に合わせてチューニング(調整)することが好ましい。