JP3994742B2 - シートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムなどシートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
口金からシート状に吐出される重合体を、連続的にシート成形プロセス、たとえば延伸プロセスを通過させ、シート厚みを厚み測定器にてシート幅方向の分布として測定し、口金のシート幅方向に多数配設されたシートの厚さ調整手段に対応する測定位置での厚み測定値が予め設定された目標値に近づくように、制御装置を介して前記厚さ調整手段を制御するようにしたシートの製造方法が行われている。
【0003】
このようなシートの製造方法においては、各厚み調整手段とシート厚みの測定位置との対応関係が精度良く決定されていることが重要である。精度良く決定されていないと、本来調整すべき位置とは異なった位置のシート厚みを調整することになり、シートの厚みを精度良く制御することができず、シートの品質が低下する。
【0004】
シートが幅方向の各所で、シート幅方向に均一に延伸されるものであれば、キャスト位置でのシート幅と測定位置でのシート幅の相似的な関係から各厚み調整手段に対応する測定位置を決定することができるが、実際にはネックイン現象やシート幅方向で場所によって延伸状態が異なるため、上記のように単純に相似関係を利用して対応関係を決定することはできず、各厚み調整手段に対応する測定位置を実測する必要がある。
【0005】
厚み調整手段と測定位置の対応関係を決定する方法としては、特開昭59−89119号公報に提案されているように、口金から吐出された直後のシートの厚み調整手段に対応する位置にインクでシートの走行方向に線を描く等のマーキングを施し、シート厚みを測定する場所で前記マーキングを観察して、前記厚み調整手段に対応する測定位置を決定する方法がある。この方法は簡便ではあるが、インクによりシートを搬送するローラーが汚れ、結果としてシートそのものを汚してしまうという問題がある。
【0006】
この問題に対して、公知の方法として、厚み調整手段を所定量操作し、厚み調整手段を操作したことにより起こるシートの厚み変動が定常状態になったところで、前記シート厚み変動のピーク位置を検出し、ピーク位置に最も近い測定位置を前記厚み調整手段の対応位置とする方法が知られている。
【0007】
しかし、厚み変動が定常状態になるまでに多大な時間がかかるため、シート厚み変動のピーク位置を検出するまでに長時間かかり、原料ロスが大きくなる問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この課題を解決するためになされたものであって、その目的は、口金の違いや製膜条件に応じて厚さ調整手段と厚み測定位置の対応関係を迅速に、かつ精度良く決定し、精度良く厚みを制御できる、シートの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のシートの製造方法は、複数個のヒートボルト方式またはリップヒーター方式の厚み調整手段を備えた口金を用いて重合体を押し出し、成形してシートとなすとともに、そのシートの幅方向における厚み分布を測定し、測定値および予め求めた厚み調整手段と厚み測定位置との対応関係に基づいて前記厚み調整手段に加える操作量を求め、この操作量を前記厚み調整手段に出力してシートの厚みを制御しながら前記シートを製造するシートの製造方法であって、前記対応関係を決定するに際し、前記厚み調整手段のうち特定の厚み調整手段について、直前の操作量に所定のオフセット値を加算した操作量を出力することによって得られたシートの厚み変動に基づいて前記厚み調整手段と厚み測定位置との前記対応関係を決定するシートの製造方法において、0から前記オフセット値よりも絶対値の大きな所定のピーク値まで変化した後に前記所定のオフセット値に向かって変化する時系列パターンに沿った操作量変化を前記直前の操作量に加算して操作量を算出し、算出された操作量を前記特定の厚み調整手段に出力することを特徴とするものである。
【0010】
ここで操作量とは、厚み調整手段に供給する単位時間あたりの電力量を示す。また、操作量変化の時系列パターンとは、ある時点での操作量を基準として、その時点以降の時系列において、どのような操作量を厚み調整手段に供給していくかを示すものであり、基準とした操作量との差分で表す。基準とした操作量と操作量変化の時系列パターンを加算した値を、厚み調整手段に供給する操作量とする。
【0011】
また、前記対応関係の決定に際し、特定の厚み調整手段に隣接する複数個の前記厚み調整手段の操作量を変化させることも本発明の好ましい形態である。
【0012】
さらに、厚み調整手段の操作量とこの操作量によって得られるべきシート厚みとの関係式を用いた厚み調整シミュレーションを行った結果に基づいて、前記厚み調整手段に加える操作量の時系列変化パターンを決定することも本発明の好ましい形態である。
【0013】
前記時系列パターンに沿った操作量変化を前記直前の操作量に加算して前記特定の厚み調整手段に出力した後、さらに前記時系列変化パターンの符号を逆にしたパターンに沿った操作量変化を加算して前記特定の厚み調整手段に出力することも本発明の好ましい形態である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図を引用しながら本発明をプラスチックフィルムの製造に適用した実施形態例に基づいて説明する。
【0016】
図1は、一般的なシートの製造設備全体概略構成を示す図であり、図2は、図1に示す口金の要部拡大斜視図である。
【0017】
このシートの製造設備は、重合体を押し出す押出機3と、押し出された重合体をシート状に成形する口金4、前記シート状に成形された重合体(以下シート1という)を冷却する冷却ロール5、シート1を縦横方向に延伸する延伸機2、延伸されたシート1を巻き取る巻取機6を備えている。口金4は、シート1の幅方向(図の紙面に対して垂直な方向)に配列された多数の厚み調整手段10と重合体を吐出する間隙11を備えている。さらにこのシートの製造設備は、シートの幅方向に厚み分布を測定する厚み測定器8と、前記厚み分布に基づいて厚み調整手段を制御する制御手段9を備えている。
【0018】
厚み測定器8としては、β線、X線、紫外線、光干渉式を利用したもの等、任意の厚み測定器を用いることができ、シートの幅方向の厚み分布を測定することができる。
【0019】
制御手段9は、上記シート1の厚み測定値と目標厚み値との差値に基づいて、操作量を演算し、得られた操作量を厚み調整手段10に出力する。
【0020】
厚み調整手段10は、口金4にシートの幅方向に複数個、等間隔で配設されており、シートの厚みを調整する手段としては、厚み調整手段10にヒートボルトを用い、これらのボルトの温度を変化させてボルトを熱膨張、収縮させることにより口金4の間隙11を調整するヒートボルト方式や、厚み調整手段10にリップヒーターを用い、重合体の温度を変化させて重合体の粘性率の変化により口金4から吐出される重合体の吐出量を変えることによりシート1の厚みを調整するリップヒーター方式のものを用いることができる。
【0021】
制御手段9は、上記シート1の厚み測定値と目標厚み値との差である偏差データに対してフィルタ処理等の変換処理を行うことが好ましい。フィルタ処理としては、シートの幅方向と同じ方向に移動平均処理することや、現時点以前の偏差データとの間で加重平均処理する手法などを用いることができる。
【0022】
さらに制御手段9は、上記のフィルタ処理ずみの、厚み調整手段の数に個数を間引いた偏差データに基づいて操作量を算出し、厚み調整手段10を制御する。制御方法は、PID制御や現代制御を用いることができる。
【0023】
上記シートの製造設備において、各厚み調整手段と各厚み測定位置との対応関係はおよそわかっているが、精度よくシートの厚みを制御するには、前記対応関係が精度よく決定されている必要がある。以下に本形態における、シートの各厚み調整手段と各厚み測定位置の対応関係を決定する方法について説明する。
【0024】
まず、厚み測定位置における対応位置を決めたい厚み調整手段を数点選ぶ。選んだ厚み調整手段は、それぞれの操作量の変化による厚み変動分布が互いに干渉しない程度に間隔を離すことが対応位置の決定精度の観点から好ましい。
【0025】
ここで、選択した各厚み調整手段の操作量の変化のさせ方について説明する。各厚み調整手段に加える操作量変化の時系列パターンは、0から所定のピーク値まで変化させた後に前記ピーク値よりも絶対値の小さな所定のオフセット値に向かって変化させるパターンとする。
【0026】
さらに、各厚み調整手段だけでなく、それぞれの厚み調整手段に隣接する厚み調整手段も操作する。幅方向に現れる厚み変動の形状の観点から、両となり2箇所までを操作することが好ましい。図3に操作量変化の時系列パターンの例を示したが、中央位置の変化幅を最も大きくし両端部分を小さくする。この操作を行うと、中央位置の厚み調整手段だけを操作する場合に比べ、対応位置を決定するための凸型厚み分布が素早く現れ、短時間で対応位置を決定することができる。さらに、厚み制御シミュレーションを行った結果に基づいて操作量変化の時系列パターンを決定することが、凸型厚み分布をより迅速に作る観点から好ましい。この場合、操作量変化の時系列パターンを次のようにして作成する。まず、出力する操作量とこれによって得られるべきシート厚みの関係式を準備する。厚み調整手段の操作量変化がシートの幅方向厚みへ及ぼす影響は、ガウス関数に近い分布形状となること、また、前記厚み調整手段に対応する測定位置近傍の各測定位置におけるシート厚みの時間変動は1次遅れ系で近似できることから、シート幅方向の厚み分布と各厚み測定位置の時間的変化を組み合わせることによって、操作量とシート厚みの関係式を得ることができる。
【0027】
なお、ガウス関数の分散や最大値、1次遅れの時定数は測定値等から決定することが好ましい。また、前記関係式は、シート幅方向の厚み分布または各厚み測定位置の時間的変化のいずれかだけを表すものであっても良い。次に、コンピュータ上に上述の関係式を実現し、厚み制御シミュレーションを行う。この際の制御方法はPID制御や現代制御など実際のシート製造に用いる制御方法とすることが好ましい。制御シミュレーションは、任意の厚み調整手段の操作量を変化させたときに得られる、凸型分布形状を目標厚み分布として行なう。そして厚み制御シミュレーションによって操作量変化の時系列パターンを得る。このようにして得られた時系列パターンのうち、厚みの凸型分布形状の中心位置に対応する厚み調整手段とその隣接する位置の厚み調整手段に対応する操作量変化の時系列パターンを所望の時系列パターンとする。
【0028】
以上のようにして決定した操作量変化の時系列パターンを、対応位置を決定したい厚み調整手段およびその隣接する厚み調整手段の操作量に加算して、該厚み調整手段に加えられる操作量を変化させる。この操作によって、単に対応位置を決定したい厚み調整手段のみを操作した場合よりも短時間でシート幅方向の厚み分布変化が厚さ計で観測される。厚み分布変化は時系列パターンを加えた箇所に対応する幅方向位置にピークをもつ形状として観察され、得られたピーク位置を対応する厚み測定位置とすることで対応関係を決定することができる。なお、対応関係を決定後、加えた操作量変化の時系列パターンの逆パターンを加えることで素早く対応関係を取る前の厚み分布に戻すことができる。ここで逆パターンとは、加える操作量変化の時系列を{a(1),a(2),a(3),...,a(n-1),a(n)}としたとき、{-a(1),-a(2),-a(3),...,-a(n-1),-a(n)}となる。操作量変化の時系列パターンおよびその逆パターンにより特定の厚み調整手段の操作量を変化させた様子を図4に示す。
【0029】
上述の操作手順を繰り返すことで、すべての厚み調整手段に対して、それぞれの対応厚み測定位置を決定することができるが、作業時間が非常に長くなり、原料ロスも膨大になる。そこで、上述の操作手順で決定した数ヶ所の対応関係を用いて、まだ決定していない対応関係を補間によって決定することが好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明をフィルムの製造工程に適用した実施例を示す。
【0031】
まず第一に、操作量変化の時系列パターンを厚み制御シミュレーションを行うことによって決定した。本実施例では、厚み調整手段はヒートボルト方式とし、操作量は各ボルトに出力する電力量を、最大値に対する比率として正規化し、%表示したものを使用した。
【0032】
厚み調整手段の操作量変化がシートの幅方向厚みへ及ぼす影響は、実測値から、対応位置への影響を1.0とすると、1つとなり位置へは0.7、さらに1つとなりへは0.2という結果が得られた。
従って、α1=0.7 α2=0.2として干渉行列Wは
【0033】
【数1】
Figure 0003994742
【0034】
と表すことができた。
【0035】
また、一般に、操作量と厚みの時間的関係は、むだ時間と1次遅れ系で近似でき、実測値から、時定数:3.2スキャン、ゲイン:0.06μm/%、むだ時間:5スキャンとした。ここで、スキャンとは制御周期の単位である。この例では1スキャンは50秒にあたる。以上から操作量uとシート厚みyの関係式を離散時間伝達関数G(z)として、
【0036】
【数2】
Figure 0003994742
【0037】
と表現した。ここで、zはz変換を表すものとする。
【0038】
そして第二に、上記関係式をコンピュータ上に実現し、PID制御によるシミュレーションを行った。PID制御におけるパラメータは実際にフィルム製造に用いている値をもとにし、最終的に次のとおりとした。
比例ゲイン:KP=6.0、積分時間:KI=0.4、微分時間:KD=0.2
シミュレーションは、時刻0で平坦な厚み分布を任意の厚み調整手段の操作量を10%変化させて十分時間が経ったときに得られる、図5に示す凸型厚み分布形状を目標厚みとする制御シミュレーションとした。図6にシミュレーションを行うためのブロック線図を示した。シミュレーションの結果、得られた操作量の時系列データのうち、最も操作量変化を大きくする中央の厚み調整手段とその両となり2本ずつ、合計5カ所の厚み調整手段の時系列データを対応位置決定用の時系列変化パターンとして用いた。得られた操作量変化の時系列パターンを図7に示した。
【0039】
第三に、互いに操作量変化による厚み変動分布の干渉が無視できる間隔だけ離れている4カ所の厚み調整手段を選んで、それらの対応位置を決定することにした。図8は、操作量を変化させる厚み調整手段の位置と厚み測定位置の対応を説明する図である。位置21a〜dの4箇所の厚み調整手段の操作量を、図7の中央位置のように変化させ、それぞれの両となり位置、さらにそのとなり位置も同時に図7に示すように変化させた。ただし、21a、21cは凹型に厚み変化させるために、図7の時間変化パターンの正負逆としたパターンで操作量を変化させた。図9に操作量変化前後の厚み分布を示した。厚み分布32は操作量変化前の厚み分布である。位置21a〜dは互いに操作量変化による厚み変動分布の干渉が無視できる間隔だけ離れているため、ピークを4つ持った厚み分布31が得られた。このピーク位置22a〜dを前記4箇所の厚み調整手段に対応するシート厚み測定位置と決定した。図10に、横軸を厚み調整手段位置、縦軸にシート厚み測定位置としたときの両者の対応関係を表すグラフを示した。
【0040】
最後に、対応位置の決まっていない厚み調整手段の対応関係を決定した。すなわち、図10において、厚み調整手段Aに対応する測定位置はBというふうに補間によって決定した。操作量を加えた厚み調整手段より外側の厚み調整手段に対応する測定位置は、外側2点の対応関係から外挿によって求めた。このようにして、すべての厚み調整手段の対応位置を決定してシートを製造しても実用上問題ない結果が得られた。
【0041】
比較として図11に、21bの操作量をステップ状に変化させた場合の厚み測定位置22bにおける厚みの時間変化を示した。操作量変更後、変化が定常状態に達するまでにプロセス固有の時定数で決まる時間が必要であり、対応位置を決定するのに必要な厚み分布形状に達するまでにT1=13[分]を所要した。なお、対応位置決定後、操作量を決定前の値にステップ的に戻し、厚みを元に戻した結果、対応位置を取り始めてから厚みを元に戻すまでにT2=33[分]を所要した。一方、本発明の方法によると、対応位置決定までの所要時間はT3=6[分]であり、対応位置を取り始めてから厚みを元に戻すまでにT4=16[分]となり、作業時間を2分の1以下にまで短縮できる結果が得られた。厚みを戻す際には、対応位置決定までに加えた操作量変化の符号を逆にしたパターンを加えて操作量、厚みともに元に戻した。
【0042】
このように、本発明は、従来のように厚み調整手段と厚み測定位置との対応関係の決定精度を維持しつつ、対応位置決定の所要時間を大幅に短縮できるので作業を短時間で終了することができ、その結果、シート原料のロスが大幅に節約できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、厚み調整手段と厚み測定位置の対応関係を迅速にかつ精度良く決定できる。従って、対応位置決定作業を短時間で済ますことができるため原料ロスが低減され、シート製造時には正確な厚み調整が実施でき、歩留まりが向上し生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のフィルム製膜プロセスの概略説明図である。
【図2】図1に示す口金の要部拡大斜視図である。
【図3】本発明の一実施例における、操作量変化の時系列パターンを示す図である。
【図4】対応位置の決定後、厚み分布を元に戻すための操作量変化パターンを示す図である。
【図5】任意の厚み調整手段の操作量を変化させたときの実際のシートの厚み変化を示す図である。
【図6】操作量変化の時系列パターンを決定するための制御シミュレーションを行なうブロック線図である。
【図7】本発明の一実施例における、操作量変化の時系列パターンを示す図である。
【図8】本発明の一実施例における、対応位置を決定したい厚み調整手段位置とシート厚み測定位置との対応関係を示す図である。
【図9】本発明の一実施例における、厚み調整手段を操作後のシート厚みを示す図である。
【図10】本発明の一実施例における、全厚み調整手段とシート厚み測定位置との対応関係を示す図である。
【図11】本発明と従来方法における、対応位置のシート厚みの時間変化を比較した図である。
【符号の説明】
1:シート
2:延伸機
3:押出機
4:口金
5:冷却ロール
6:巻取機
7:搬送ロール
8:厚み測定器
9:制御手段
10:厚さ調整手段
11:間隙
21:厚み調整手段の位置
21a〜d:操作量変化によって、対応するシート厚み測定位置を決定したい厚み調整手段の位置
22:シート厚み測定位置
22a〜d:21a〜dに対応するシート厚み測定位置
31:操作前の厚みプロファイル
32:操作後の厚みプロファイル

Claims (4)

  1. 複数個のヒートボルト方式またはリップヒーター方式の厚み調整手段を備えた口金を用いて重合体を押し出し、成形してシートとなすとともに、そのシートの幅方向における厚み分布を測定し、測定値および予め求めた厚み調整手段と厚み測定位置との対応関係に基づいて前記厚み調整手段に加える操作量を求め、この操作量を前記厚み調整手段に出力してシートの厚みを制御しながら前記シートを製造するシートの製造方法であって、前記対応関係を決定するに際し、前記厚み調整手段のうち特定の厚み調整手段について、直前の操作量に所定のオフセット値を加算した操作量を出力することによって得られたシートの厚み変動に基づいて前記厚み調整手段と厚み測定位置との前記対応関係を決定するシートの製造方法において、0から前記オフセット値よりも絶対値の大きな所定のピーク値まで変化した後に前記所定のオフセット値に向かって変化する時系列パターンに沿った操作量変化を前記直前の操作量に加算して操作量を算出し、算出された操作量を前記特定の厚み調整手段に出力することを特徴とするシートの製造方法。
  2. 前記対応関係の決定に際し、特定の厚み調整手段に隣接する複数個の前記厚み調整手段の操作量を変化させることを特徴とする、請求項1に記載のシートの製造方法。
  3. 厚み調整手段の操作量とこの操作量によって得られるべきシート厚みとの関係式を用いた厚み調整シミュレーションを行った結果に基づいて、前記厚み調整手段に加える操作量の時系列変化パターンを決定することを特徴とする、請求項1または2に記載のシートの製造方法。
  4. 前記時系列パターンに沿った操作量変化を前記直前の操作量に加算して前記特定の厚み調整手段に出力した後、さらに前記時系列変化パターンの符号を逆にしたパターンに沿った操作量変化を加算して前記特定の厚み調整手段に出力することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシートの製造方法。
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