JP3994088B2 - 薬物トランスポーター及びその用途 - Google Patents
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Description
本発明は、新規な薬物トランスポーターの用途に関する。更に詳細には、ABCA8として知られているABCトランスポーターの新規な用途に関し、ABCA8の活性を促進又は阻害する化合物のスクリーニング方法、薬剤耐性克服薬としての使用等に関する。
背景技術
薬剤が薬としての効果を発揮するには、薬剤が体内に入り十分な時間、適切な薬効濃度でターゲット部位に存在しなければならない。薬剤代謝酵素と薬物トランスポーターは薬物の体内動態プロファイル(吸収、分布、代謝、排泄及びターゲット部位における薬剤実効濃度)を規定し、薬剤の全体的な薬理効果が決定される。ターゲット部位における薬剤実効濃度が低い場合には薬理効果が期待できず、一方、ターゲット部位における薬剤濃度が高い場合には副作用の起こることが予想される。
従って、良好な薬理効果を得るためには、薬物トランスポーター(流入及び排出)と薬物代謝酵素との共同作用によってターゲット部位における薬剤実効濃度が制御される必要がある。
薬物トランスポーターは小腸や腎臓の上皮細胞、肝細胞、脳血管内皮細胞に発現して薬物の体内動態においてきわめて重要な役割を果たしている。薬物トランスポーターは、小腸上皮細胞や脳血管内皮細胞に発現し、経口的に又は非経口的に投与された薬剤のバイオアベイラビリティーや中枢神経系への薬剤移行に大きく影響を与える。一方、癌の化学療法の分野においてはP−糖蛋白(MDR1)やGS−Xポンプ(MRP)が過剰発現すると制癌剤に対して癌細胞が耐性になることが知られている。このようなMDR1及びMRPはATP結合カセット(ABC)トランスポーターファミリーに属するトランスポーターである。
ABCトランスポーターファミリーはATP結合カセットや、特徴的な膜貫通領域を有しており、ATPに依存した内因的物質や異物、それらの代謝物の輸送に関与することが明らかになっている。近年において、多くのABCタンパク質遺伝子が発見され、現時点で50以上のものが知られている。
ABCトランスポーターが薬剤の小腸による吸収や脳への移行に関与していることが明らかになってきている。
上述したように、薬剤が薬としての効果を発揮するためには薬物トランスポーターの役割が重要である。
本発明は、上述したような薬物トランスポーター活性を有するタンパク質、薬物トランスポーターの活性を促進又は阻害する化合物のスクリーニング方法、該方法を用いて得られる化合物、薬物トランスポーターに対する抗体又はそれを含有する医薬組成物等を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明者らは、鋭意検討した結果、EST−データベース(Genebankデータベース)をスクリーニングすることにより得られた、特定の塩基配列を有するDNAから発現されるタンパク質の解析を行い、該タンパク質が薬物トランスポーター活性を有するという知見を得、本発明を完成した。
すなわち、本発明者らは、Genebankでブラスト・サーチをかけて、膜貫通部分とABCとを有するタンパク質のスクリーニングを行い、以下に説明する本発明を完成した。
また、ABCA8と命名されている薬物トランスポーター(薬物動態、Xenobio.Metanol.And Dispos.15(1):8−19(2000);ヒトABCトランスポーター遺伝子の新命名法)の機能を解明するため、機能研究を進め、k該薬物トランスポーターが抱合型ビリルビンやインドキシル硫酸等の有機アニオン化合物を輸送する活性を有するという知見を得、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有し、薬物トランスポーター活性を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、薬物トランスポーター活性を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有し、有機アニオン輸送活性を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、有機アニオン輸送活性を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物のスクリーニング方法を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の基質となる化合物のスクリーニング方法を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物のスクリーニング用キットを提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の基質となる化合物のスクリーニング用キットを提供するものである。
また、本発明は、上記スクリーニング方法又は上記スクリーニング用キットを用いて得られる、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物、又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の基質となる化合物を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有し、薬物トランスポーター活性を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、薬物トランスポーター活性を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩、又は
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有し、有機アニオン輸送活性を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、有機アニオン輸送活性を有するタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記化合物またはその塩を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩に対する抗体を提供するものである。
また、本発明は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAを含有する組換ベクターを提供するものである。
また、本発明は、上記組換ベクターで形質転換された形質転換体を提供するものである。
また、本発明は、上記形質転換体を培養し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を生成、蓄積し、該タンパク質を採取することを特徴とする、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の製造方法を提供するものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられる配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質(以下、本明細書において、本発明の薬物トランスポーターともいう)について説明する。
上記タンパク質は、例えば人やその他の温血動物等に由来するタンパク質であってもよく、または合成タンパク質であってもよい。また、後述する、本発明の薬物トランスポーターの製造方法によって得られる、いわゆる組換えタンパク質であってもよい。
本発明においては、財団法人かずさDNA研究所から得たEST−データベースからスクリーニングしたDNAを用い、該DNAから生産した組換タンパク質を用いる。なお、該DNAはヒト脳から得られた全長cDNAの1つとしてクローニングされ、NCBI(米国バイオテクノロジー情報センター)に、寄託番号AB020629として寄託されており、5677塩基対を有する。また、該DNAの情報についてはhttp://www.kazusa.or.jp/huge/gfpage/KIAA0822/に記載されている。
本明細書において、「実質的に同一」とは、タンパク質の活性、例えば薬物輸送活性(ABCトランスポーター活性)等が実質的に同一であることを意味する。一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加された場合、その欠失、置換又は付加がなされたタンパク質は欠失、置換又は付加されていないものと実質的に同一である。
一般的に、配列番号:1で表わされる全アミノ酸配列との相同性の程度が、全体の約80%以上、好ましくは90%以上であるアミノ酸配列を有するタンパク質であれば、実質的に同一であると解釈される。従って、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の一部(好ましくは1〜20個、更に好ましくは1〜10個程度、最も好ましくは数個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加したアミノ酸配列からなるタンパク質も実質的に同一である。
本発明の薬物トランスポーターとしては、例えば有機アニオン輸送活性を有するものが挙げられる。有機アニオンとは、アニオン基を有する有機化合物のことを意味する。上記有機アニオンとしては、例えば有機アニオン性抗がん剤及び有機アニオン性抗HIV剤等が挙げられる。有機アニオン性抗がん剤としては、例えばmethotrexate、irinotecan、monoglutathionylthiotepa、arsenic trioxide等が挙げられ、有機アニオン性抗HIV剤としては、例えば9−(2−phosphonylmethoxyethyl)adenine(PMER)、indinavir、nelfinavir、ritonavir、saquinavir等が挙げられる。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAを含有するDNAで形質転換された形質転換体を用いて製造されたものを用いることができる。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAとしては、配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAが用いられる。また、配列番号:2で表わされるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質と実質的に同一のタンパク質をコードするDNAであってもよい。
配列番号:2で表わされるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:2で表わされる塩基配列と約90%以上、好ましくは約95%以上、更に好ましくは約98%以上の相同性を有する塩基配列を有するDNAである。ハイブリダイゼーションは、従来より公知の方法、又はそれに準ずる方法、例えばモレキュラー・クローニング(Molecular Cloning,2nd,J.Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Lab.Press,1989)に記載の方法に従って行うことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合には、添付された使用説明書に記載された方法に従って行うことができる。本明細書に置いて、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、DIG DNA Labeling(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)でプローブをラベルした場合に、32℃のDIG Easy Hyb溶液(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)中でハイブリダイズさせ、40℃の0.1xSSC溶液(0.1%[w/v]SDSを含む)中でメンブレンを洗浄する条件(1xSSCは0.15M NaCl,0.015Mクエン酸ナトリウムである)でのサザンブロットハイブリダイゼーションで本発明DNAプローブにハイブリダイズする程度の条件をいう。
上記配列番号:2で表わされるDNA、又は配列番号:2で表わされるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質と実質的に同一のタンパク質をコードするDNAをクローニングする手段としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質と実質的に同一のタンパク質の部分等の適当な塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質の一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、Molecular Cloning 2nd(J.Sambrook et al.,Cold Sprinq Harbor Lab.Press,1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。DNAの塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、SuperScript II逆転写酵素キット(インビトロジェン社)等を用いて、Gapped duplex法やKunkel法などの公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。クローン化されたポリペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNAを含有する組換ベクターは、当該技術分野で公知の方法に従って作製することが出来る。例えば、(1)配列番号:2で表わされるDNA、又は配列番号:2で表わされるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質と実質的に同一のタンパク質をコードするDNAを含有するDNA断片を切り出し、(2)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC18又はpUC118)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5又はpC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19又はpSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス又はバキュロウイルスなどの動物ウイルス等を利用することが出来る。本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応した適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、宿主が大腸菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーター、T3プロモーター、araBADプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、penPプロモーター、XYLプロモーター、HWPプロモーター、CWPプロモーターなどが、宿主が枯草菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV−TKプロモーターなどが挙げられる。また、昆虫細胞を宿主として用いる場合はポリヘドリンプロモーター、OplE2プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、以上の他に、所望により当該技術分野で公知の、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合、がある)等を付加することができる。また、必要に応じて、本発明のDNAにコードされた蛋白質を他の蛋白質(例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼ及びプロテインA)との融合蛋白質として発現させることも可能である。このような融合蛋白質は、部位特異的プロテアーゼを使用して切断し、それぞれの蛋白質に分離することが出来る。
宿主細胞としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,60巻,160(1968)),JM103(Nucleic Acids Research,9巻,309(1981)),JA221(Journal of Molecular Biology,120巻,517(1978)),HB101(Journal of Molecular Biology,41巻,459(1969))、DH5α及びJM109等が用いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サチルス(Bacillus subtilis)MI114(Gene,24巻,255(1983)),207−21〔Journal of Biochemistry,95巻,87(1984)〕及びバチルス・ブレビス等が用いられる。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R−,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)及びハンセヌラ・ポリモーファ(Hansenula polymorpha)等が用いられる。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr−)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞及びHEK293細胞などが用いられる。
上述した宿主細胞の形質転換は、当該技術分野で公知の方法に従って行うことが出来る。例えば、以下に記載の文献に宿主細胞を形質転換する方法が記載されている。Proc.Natl.Acad.Sci.USA,69巻,2110(1972);Gene,17巻,107(1982);Molecular & General Genetics,168巻,111(1979);Methods in Enzymology,194巻,182−187(1991);Proc.Natl.Acad.Sci.USA),75巻,1929(1978);細胞工学別冊8 新 細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行);及びVirology,52巻,456(1973)。
上述のようにして得られた、配列番号:2で表わされるDNA、又は配列番号:2で表わされるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質と実質的に同一のタンパク質をコードするDNAを含む、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質の遺伝子を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体は、公知の方法に従って培養される。例えば、宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約12〜48時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常、約30〜40℃で約12〜100時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培養は通常、pH約5〜8に調整された培地を用いて約20℃〜35℃で約24〜100時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加えることもできる。宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、pHは約6〜8に調整された培地を用いて、通常約30℃〜40℃で約24〜100時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加えることもできる。
上記培養物から配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を分離精製する方法としては、例えば、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により蛋白質の粗抽出液を得る方法が挙げられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100(登録商標)などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中に蛋白質が分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる蛋白質の精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことができる。こうして得られた本発明ポリペプチド(蛋白質)は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。更に、組換え体が産生する蛋白質を、精製前または精製後に、トリプシン及びキモトリプシンのような適当な蛋白分解酵素を作用させることにより、任意に断片化することもできる。また、キナーゼ等のタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えることもできる。本発明の薬物トランスポーター又はその塩の存在は、様々な結合アッセイ及び特異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイ等により測定することができる。
上述した、本発明の薬物トランスポーターは、以下に述べるように化合物をスクリーニングするために用いたり、抗体を産生するために用いることができ、また本発明の薬物トランスポーターをコードするDNAを含有する組換ベクターで形質転換された形質転換体を用いて体外循環型人工臓器を製造することができる。
また、本発明の薬物トランスポーターは、薬物、特に有機アニオン性抗ガン剤や有機アニオン性抗HIV剤等の有機アニオン等を特異的に輸送することのできるタンパク質であるので、それ自体を医薬組成物として用いることが可能である。例えば、抗ガン剤や免疫抑制剤を部位特異的に投与したり、毒物を排除するための医薬組成物として用いることができる。具体的には、本発明の薬物トランスポーターの膜通過ドメイン領域を切除し、薬物とATP結合カセット領域のみのタンパク質を作製したり、またターゲット部位に特異的な抗体を先導させ、部位特定的に薬物を輸送することができる。また、本発明の薬物トランスポーターと有機アニオン性抗がん剤又は有機アニオン性抗HIV剤とを含む医薬組成物として用いてもよい。
また、本発明の薬物トランスポーターは、抱合型ビリルビンを輸送する活性を有するので、肝機能不全治療を目的とした医薬組成物として使用することができる。
また、本発明の薬物トランスポーターは、インドキシル硫酸を輸送する活性を有するので、腎機能不全治療を目的とした医薬組成物として使用することができる。
また、本発明の薬物トランスポーターは、本発明の薬物トランスポーターの基質となり得る化合物をスクリーニングするために用いることができる。本発明の薬物トランスポーターによる輸送効率を、あらかじめ開発中の化合物に対して評価することにより、その化合物のバイオアベイラビリティーを推定することが可能となる。
以下、本発明の化合物のスクリーニング方法について説明する。
本発明のスクリーニング方法は、上述のようにして得られた、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を用いて、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物のスクリーニング方法である。
本発明の化合物のスクリーニング方法において用いられるタンパク質は、通常C末端がカルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO−)であるが、C末端がアミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)であってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチルエステルなどが挙げられる。
また、上記タンパク質がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものを用いることもできる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明の蛋白質には、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン酸残基がピログルタミン化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上にある、例えばOH、COOH、NH2、SHなどが適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
また、上記部分ペプチドとは、前記タンパク質の部分ペプチドであって、実質的に同質の活性を有するものであれば、いずれのものも用い得る。例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、さらに好ましくは70個以上、より好ましくは100個以上、最も好ましくは200個以上のアミノ酸配列を有し、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の生物学的活性を有するペプチドなどが用いられる。又、上記部分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO−)であるが、前記した本発明の蛋白質のごとく、C末端がアミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)であってもよい。さらに、上記部分ペプチドには、前記した本発明の蛋白質と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
上記タンパク質又はその部分ペプチドの塩としては、特に生理学的に許容される酸付加塩であることが好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法は、上記配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする。
上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物をスクリーニングする方法としては、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の薬物トランスポーター活性を測定し、次いで上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物の候補となる化合物を混合して薬物トランスポーター活性を測定し、両者の活性を比較することにより行う。
具体的な方法としては、上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩をコードするDNA又は該DNAに対するcDNA、又はcDNAを逆転写酵素によりRNA化したものを細胞内にインジェクションし、標識した化合物(例えば、放射活性物質、酵素及び蛍光物質等により標識した化合物)と共にインキュベートし、一定時間経過後に、細胞内に取り込まれた放射活性、酵素活性又は蛍光強度等を測定することにより実施することができる。また、促進又は阻害する化合物のスクリーニングは、上述系中に、候補化合物を混合し、インキュベートした後、放射活性、酵素活性又は蛍光強度等を測定し、候補化合物を混合していない場合と比較することにより実施する。
また、上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩をコードするDNAを含有する組換ベクターで形質転換された形質転換体を接着させたビーズを、多穴を有する(例えば96穴)マイクロプレートに入れ、標識した化合物(例えば、放射活性物質、酵素及び蛍光物質等により標識した化合物)と共にインキュベートし、一定時間経過後に、形質転換細胞内に取り込まれた放射活性、酵素活性又は蛍光強度等を測定することにより実施することができる。また、促進又は阻害する化合物のスクリーニングは、上述系中に、候補化合物を混合し、インキュベートした後、放射活性、酵素活性又は蛍光強度等を測定し、候補化合物を混合していない場合と比較することにより実施する。
上述のように、化合物の標識は放射活性物質、酵素及び蛍光物質等により実施することができるが、酵素標識及び蛍光標識等によれば、アイソトープ施設を使用せずに実施できる。上述したように、本発明のスクリーニング方法においては、放射活性物質、酵素又は蛍光物質等により標識した化合物を用いて実施することができるが、化合物を標識する方法は例示したものに限定されず、従来公知のどのような方法によっても標識することができる。
なお、上記候補化合物としては、種々のものが用いられ、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液等に含まれる化合物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物は、新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
本発明のスクリーニング用キットは、上述したスクリーニング方法を実施するための材料を含んだものであり、例えばスクリーニング方法を実施するためのタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩、及びスクリーニングに用いる細胞を含有するものである。
本発明のスクリーニング方法又は本発明のスクリーニング用キットを用いて得られる、本発明の薬物トランスポーターもしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物は、上記試験を行った化合物の中から選ばれた化合物であり、上記本発明の薬物トランスポーターもしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の薬物トランスポーター活性を促進又は阻害する化合物である。このような化合物は、例えば薬物の薬理効果をコントロールするために利用することができる。例えば、ある特定の薬物の薬理効果を向上させたい場合、上記本発明の薬物トランスポーターもしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩が、その薬物の細胞内への流入を促進する効果を有する際に、その効果を促進する化合物を投与することにより、その薬理効果を向上することができる。一方、薬理効果レベルと副作用レベルとの範囲が狭い薬物の場合、上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物を投与することにより、副作用を低減することが可能である。
また、上記本発明の薬物トランスポーターもしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩が、特定の薬物の細胞外への排出を促進する効果を有する場合には、薬理効果を向上させるために、阻害剤を投与する。
本発明の医薬組成物は、上記本発明の薬物トランスポーターもしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を促進又は阻害する化合物またはその塩を含有する。該化合物の塩としては、前述した、タンパク質の塩と同様のものが用いられる。
本発明の医薬組成物は、常套手段に従って、製剤化され、経口的または非経口的に投与することができる。例えば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤等として投与することができる。このようにして得られる製剤は安全かつ低毒性であり、ヒト又は温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等)に対して投与することができる。該化合物またはその塩の投与量は、その目的により異なる。
以下、本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩に対する抗体について説明する。
本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩に対する抗体は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。該抗体は、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、一部のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩を抗原として用い、従来公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の作製方法について、以下に説明する。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のタンパク質は、温血動物に対して皮下注射等の投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリが挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495(1975)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄腫細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、タンパク質抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したタンパク質抗原を加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。ハイブリドーマの選択は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。増殖用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、標識化タンパク質と培養上清とを反応させた後、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより求めることができる。
(b)モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗原(タンパク質抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から血液を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやグロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。また、融合タンパク質を発現するDNAと本発明の薬物トランスポーターを発現するDNAとを融合したDNAを作製し、これを用いて組換ベクターを作製し、この組換ベクターを適当な宿主に形質転換して、融合タンパク質を製造し、抗原として用いてもよい。融合タンパク質は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液から採取することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、標識化タンパク質と抗血清とを反応させた後、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行うことができる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
上述のようにして作製された抗体は、例えば上述したように、上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物と同様に利用することができる。この場合、モノクローナル抗体を用いた場合は、上記タンパク質もしくはその部分ペプチドもしくはそのアミド又はそのエステルまたはその塩の阻害活性が単一であるため、使用しやすいという利点がある。
また、上述のようにして作製された抗体は、薬物トランスポーターに関する種々の診断に用いることが可能である。例えば、ヒト由来のサンプル(例えばバイオプシー等)を採取し、どのようなトランスポーターがどのくらいの量発現されているかを検査することに、上記抗体を用いることができる。
以下、本発明の体外循環型人工臓器について説明する。
本発明の体外循環型人工臓器は、細胞が付着したホローファイバーを備えてなり、該細胞が、上述した形質転換体であることを特徴とする。
肝臓は、物質代謝とその調節を担う臓器であり、種々の化合物の代謝や、内因性・外因性物質の解毒、排泄等の生体に必要な複雑かつ膨大な機能を担っている。従来より用いられている人工臓器としては、例えば人工透析等の装置に活性炭を入れ、薬物を吸着させている。しかし、このような人工臓器では、目的とする薬物以外に生体に必要な、例えば赤血球や血小板等の物質も除去してしまうという問題がある。
本発明の体外循環型人工臓器は、上記タンパク質をコードするDNAを含有する組換ベクターで形質転換された形質転換体が付着されている。従って、薬物の特異的な排出を行うことが可能となり、薬物中毒の治療に用いることができる。
例えば、本発明の薬物トランスポーターは、抱合型ビリルビンを輸送する活性を有するので、肝機能不全治療を目的として、本発明の薬物トランスポーターをコードするDNAを含有するベクターで形質転換された形質転換体を人工肝臓として用いることができる。すなわち、肝機能不全患者に適用することができる。例えば、ヒト肝由来のHepG2細胞に、薬物を特異的に分解するP450のcDNAとco−transfectすることにより、薬物の排出及び分解を行い、薬物中毒の治療を行うことができる。
また、本発明の薬物トランスポーターは、インドキシル硫酸を輸送する活性を有するので、腎機能不全治療を目的として、本発明の薬物トランスポーターをコードするDNAを含有するベクターで形質転換された形質転換体を人工腎臓として用いることができる。すなわち、腎機能不全患者に適用することができる。
また、本発明の人工臓器において用いられるホローファイバーとしては、従来から人工腎臓、人工肝臓等として用いられている多孔性のものが用いられる。ホローファイバーの材質としては、例えば親水性ポリオレフィン及びキュプラアンモニュームレーヨン等が挙げられる。また、ホローファイバーの膜厚は、通常、5〜70μmであり、好ましくは10〜50μmである。また、膜の内径は、通常、100〜400μmであり、好ましくは180〜330μmである。さらに、孔径は、通常、0.01〜3μmであり、好ましくは0.1〜0.3μmである。本発明の人工臓器におけるホローファイバーの膜面積は、通常、150〜300cm2であり、好ましくは160〜200cm2である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
メスの成熟アフリカツメガエルを浜松動物から購入し、通常の状態で飼育した後、ステージVの卵母細胞を選択し、88mM NaCl,1mM KCl,2.4mM NaHCO3,15mM Tris−Cl,0.3mM CaNO3,0.82mM MgSO4,0.41mM CaCl2及び10μg/mlペニシリン及び10μg/mlストレプトマイシンを含む改変バース溶液(MBS)中でインキュベートした。成熟したアフリカツメガエル卵母細胞に、従来公知の方法により、配列番号:1で表わされる塩基配列のDNAを用いてcRNAを作製し、次いで得られたcRNAの水溶液をマイクロインジェクションした。マイクロインジェクションは、自動インジェクター(IM200J,Narishige,Japan)を用いてin vitroで5’末端をキャップしたcRNA又は水50nlをインジェクションした。インジェクションした卵母細胞をMBS中で、毎日培地を交換しながら、17℃で3日間培養した。3日培養後に卵母細胞は薬物トランスポーターを発現していた。
なお、上述したマイクロインジェクションの方法については、Ohki G,Miyoshi T,Murata M,Ishibashi K,Imai M,Suzuki M.A calcium−activated cation current by an alternatively spliced form of Trp3 in the heart.J Biol Chem.2000 Dec 15;275(50):39055−60に開示されている。
用いたcRNAは、かずさDNA研究所から得た、ヒト脳から得られた全長cDNAの1つとしてクローニングされ、NCBI(米国バイオテクノロジー情報センター)に、寄託番号AB020629として寄託されているcDNAを逆転写して得られたものである。
培養した卵母細胞(n=10〜20)を、2〜3mlの培地、及びアイソトープラベルした化合物と共に小さい培養器に入れた。アイソトープラベルした化合物の添加を行った後、経時的に細胞を少量サンプリングし、各卵母細胞を新しいMBSで3回洗浄し、10%SDS溶液を用いて室温で30分間溶解させた。なお、アイソトープラベルした化合物としては、ABCトランスポーターファミリーのメンバーの1つである、MRP(多剤耐性関連タンパク質:multidrug resistance associated protein)用モデルプローブである14C−エストラジオール−β−グルクロニドを使用した。次いで、シンチレーションカクテル剤(ACS2、アマシャム(株)製)を加えた後、卵母細胞に取り込まれた放射活性を液体シンチレーションカウンター(LSC−3500,アロカ株式会社製)を用いて測定した。
図1に、14C−エストラジオール−β−グルクロニドを用いた場合の結果を示す。この場合、培地中の14C−エストラジオール−β−グルクロニドの濃度は37nMであった。図1に示すように、cRNAをインジェクションした卵母細胞中において、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取量は約60分後までは直線的に増加した。14C−エストラジオール−β−グルクロニドの60分後の細胞内への摂取量は138±5.5fmol/hr/eggであり、水をインジェクションしたグループにおいては、ほとんど無視できる程度であった(4fmol/hr/egg)。図1に示す結果より、本発明の薬物トランスポーターは、上記化合物を細胞内に取り込む活性を有することがわかる。また、ビリルビンはアイソトープラベルすることが困難であるため、エストラジオールを用いて実験を行った。14C−エストラジオール−β−グルクロニドを細胞内に取り込む活性を有することより、本発明の薬物トランスポーターは、抱合型ビリルビンを細胞内に取り込む活性を有することが明らかである。なお、14C−エストラジオール−β−グルクロニドと抱合型ビリルビンとが類似の輸送特性を示すことについては、Suzuki Y,Sugiyama Y.Excretion of GSSG and glutathione conjugates mediated by MRP 1 and cMOAT/MRP2.Semin Liver Dis 1998;18(4):359−376に記載されている。
14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取は、動力学及びそれに続くミカエリス−メンテン式を示す(図2参照)。Km及びVmaxは、それぞれ30.4μM及び8.37pmol/hr/eggであった。
また、発現したタンパク質について、ハイドロパシー解析を行った。ハイドロパシー解析の結果を図3に示す。図3の結果から明らかなように、本発明の薬物トランスポーターは14個の膜通過ドメイン、及び2個のATP結合カセットを有していた。
実施例2
配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAによってコードされるタンパク質はATP結合カセットを有しているので、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取におけるATP依存性について試験を行った。試験は、上述した14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取量の測定において、ATPを添加し、同様の操作を行い、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取最を測定した。結果を図4に示す。
図4に示すように、細胞内への14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取は、ATPの濃度を上昇させると共に増加し、ATP濃度5mMまで増加した。この結果は、他のABCトランスポーターファミリーに属する遺伝子のデータと一致する。
実施例3
配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAによってコードされるタンパク質の阻害実験を行った。実験は、上述した14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取量の測定において、反応培地中にあらかじめ各種の化合物を添加することにより、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取が阻害されるか否かを試験した。
用いた化合物は、以下の通りである。
ベラパミル:MDRの基質(添加量:1mM)
ジゴキシン:MDRの基質(添加量:0.25mM)
MS−209:MRPの阻害剤(添加量:10μM)
プロベネシド:OATの基質(添加量:1mM)
シメチジン:OCTの基質(添加量:1mM)
MK−571:MRPの阻害剤(添加量:10μM)
オクラトキシンA:MRPの基質(添加量:50μM)
結果を図5に示す。図5に示されるように、MK−571及びMS−209の添加により、シス阻害効果が示され、これらの化合物の添加により摂取量は約30%にまで減少した。また、オクラトキシンAも阻害効果を示した。また、ベラパミル及びジゴキシンは少量であるが阻害効果を示した。また、プロベネシドは少量の阻害を示したが、シメチジンは阻害効果を示さなかった。
以上の結果に示されるように、上述した系により、本発明の薬物トランスポーターの活性を阻害する化合物を検出する系を組むことが可能であり、本発明の薬物トランスポーターをコードするDNAを用いることにより、本発明の薬物トランスポーターの活性を阻害する(促進する)化合物をスクリーニングする系を組むことが可能である。
更に、抗ガン剤の耐性克服剤として開発されたMS−209、MK−571及びアニオン輸送活性を有するMRPの基質であるオクラトキシンAが阻害効果を示したことより、配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAによってコードされるタンパク質は有機アニオン輸送活性を有することが示された。また、有機アニオン性薬剤の薬剤耐性克服剤としての使用の可能性が示唆された。
実施例4
次に、種々のアイソトープラベル化合物の細胞への摂取について測定を行った。測定は、化合物として以下のものを使用した以外は実施例1と同様に行った。
LTC4(ロイコトリエンC4):MRPの基質(添加量:20μM)
タウロコール酸:OATの基質(添加量:100μM)
TEA(テトラエチルアンモニウム):OCTの基質(添加量:10nM)
ジゴキシン:MDRの基質(添加量:100nM)
ドキソルビシン:MDRの基質(添加量:10μg/ml)
PAH(パラアミノ馬尿酸):MRP及びOATの基質(添加量:1mM)
結果を図6に示す。図6に示すように、PAH、LTC−4、タウロコール酸は卵母細胞に取り込まれ、ジゴキシンは排出(または本来の取り込みが阻害)されることがわかった。
また、図6に示す結果から明らかなように、本発明の薬物トランスポーターは、アニオン輸送活性を有するMRP又はOATの基質である、PAH、LTC4及びタウロコール酸を輸送する機能を有しており、カチオン輸送活性を有するMDR又はOCTの基質である、ドキソルビシン及びTEAについては輸送する機能を有していないことがわかる。
実施例5
ノーザンブロッティング法により、組織分布を測定し、本発明の薬物トランスポーターの組織分布を検討した。すなわち、以下の方法により、組織分布の測定を行った。種々の器官由来のヒト全RNAを有するトランスファーフィルターはMTN blot(クロンテック社製)を用いた。トランスファーフィルターを、ランダムなプライミングによって〔α−32P〕−dCTPでラベルしたプロープ(cDNAの全長)を含むハイブリダイゼーション溶液(Quickhyb,Stratagene社製)中で、68℃の温度で3時間ハイブリダイズした。次いで、フィルターを0.1×SSC及び0.5%SDSにより55℃の温度で30分間洗浄を行い、2枚の増感紙(Kodac社製)に挟み、−70℃の温度でX線フィルムに感光させた。ノーザンブロッティング法による結果は、本発明の薬物トランスポーターは多くの組織において検出されたが、特に心臓及び小腸において検出量は高かった(図示せず)。
実施例6
化合物として、3Hでアイソトープラベルした、尿毒素の一種であるインドキシル硫酸を2μM濃度で用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。また、同時に、更にプロベネシドを1mM濃度で加えた系、及びcRNAに代え水を加えた系についても実験を行った。結果を図7に示す。
図7に示すように、水をインジェクションした系においては、3H−インドキシル硫酸の取り込みはほとんど観察されなかったが、cRNAをインジェクションした系においては、3H−インドキシル硫酸の細胞内への取り込み量は経時的に比例して直線的に増加した。なお、プロベネシドの添加により、3H−インドキシル硫酸の細胞内への取り込み量は減少した。なお、推定Kmは25.5μMであり、Vmaxは5.5pmol/hr/eggであった。
実施例7
本発明の薬物トランスポーターに対する抗体を作成した。免疫源としては、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)と配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の1380番目のグルタミン酸から1579番目のグルタミン酸までのペプチドとを融合させた融合タンパク質を抗原として用いた。免疫動物としては、ウサギ(日本白色種)の生後半年以内のものを用いた。
免疫は、抗原0.2mg〜0.4mgを生理食塩水に溶解した抗原溶液を、2週間おきに4回〜7回、背皮内に投与した。初回免疫のみ、完全フロイントアジュバント(FCA)を用い、その後の免疫には全て、不完全フロイントアジュバント(FIA)を用いた。最終免疫の10日後に抗血清を集め、飽和硫酸アンモニウム溶液で塩析し、次いで生理食塩加リン酸緩衝液(pH7.4)で透析を行い、塩析抗体を得た。
次いで、マルトース結合タンパク質(MBP)と配列番号:1で表わされるアミノ酸配列の1380番目のグルタミン酸から1579番目のグルタミン酸までのペプチドとを融合させた融合タンパク質を精製し、その融合タンパク質溶液を、0.5M食塩加炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8.3)で置換した後、NHS−activatedセファロース(アマシャム社製)樹脂カラムに注入添加して樹脂に固定化した。樹脂上の未反応活性基は0.5Mモノエタノールアミン溶液(pH8.3)で不活化させた。次いで、塩析抗体溶液をカラムに注入添加し、樹脂量の6倍容分の生理食塩加リン酸緩衝液(pH7.4)で洗浄した後、0.1Mグリシン塩酸(pH2.7)溶液を樹脂量の5倍容分を注入添加した。カラムより溶出された溶液を分取して直ちに1Mトリス溶液(pH9.0)で中和した後、生理食塩加リン酸緩衝液(pH7.4)に透析し、特異抗体を得た。
なお、全ての工程において、抗体の力価、特異性は、ELISA法により確認した。
以上詳述した通り、本発明の薬物トランスポーターをコードするDNAは、本発明の薬物トランスポーターの活性を阻害する(促進する)化合物をスクリーニングすることができる。また、本発明の薬物トランスポーターは、本発明の薬物トランスポーターの活性を促進又は阻害する化合物のスクリーニングのための試薬として有用である。さらに、有機アニオン性薬剤の薬剤耐性克服剤として有用である。
また、本発明の薬物トランスポーターは尿毒素の一種であるインドキシル硫酸の輸送能を有しており、本発明の薬物トランスポーターを発現した上皮細胞が得られれば、ホロファイバーへの培養により、通常の血液透析で除去しにくい(蛋白結合率が高い)尿毒素除去が行える可能性がある。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの卵母細胞への摂取量のタイムコースを示す図である。
図2は、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの摂取量のミカエリス−メンテン式である。
図3は、本発明の薬物トランスポーターのハイドロパシー解析の結果を示す図である。
図4は、ATP濃度による 14C−エストラジオール−β−グルクロニドの卵母細胞への摂取量の影響を示す図である。
図5は、各種化合物による、14C−エストラジオール−β−グルクロニドの卵母細胞への摂取の阻害効果を示す図である。
図6は、各種化合物の、卵母細胞への摂取量を示す図である。
図7は、3H−インドキシル硫酸の卵母細胞への摂取量のタイムコース及びプロベネシドによる3H−インドキシル硫酸の卵母細胞への摂取の阻害効果を示す図である。
Claims (4)
- 細胞が付着したホローファイバーを備えてなる体外循環型人工臓器であって、上記細胞が、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む、薬物トランスポーター活性又は有機アニオン輸送活性を有するタンパク質、又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、薬物トランスポーター活性又は有機アニオン輸送活性を有するタンパク質をコードするDNAを含有する組換ベクターで形質転換された形質転換体である、体外循環型人工臓器。
- 上記DNAが、配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNA、又は配列番号:2で表わされるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む、薬物トランスポーター活性又は有機アニオン輸送活性を有するタンパク質、又は配列番号:1で表わされるアミノ酸配列において、1〜20個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、薬物トランスポーター活性又は有機アニオン輸送活性を有するタンパク質をコードするDNAである、請求項1に記載の体外循環型人工臓器。
- 腎機能不全患者に適用される、請求項1又は2に記載の体外循環型人工臓器。
- 肝機能不全患者に適用される、請求項1又は2に記載の体外循環型人工臓器。
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