JP3993090B2 - 水噴射式織機の緯入れノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水噴射式織機の緯入れノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
緯入れノズルから噴射される圧力水の拡散を削減するため、整流部材を始めニードルやノズル本体など各部の形状は、改良が繰り返されており、例として後記特許文献1〜3が挙げられる。水噴射式織機の緯入れノズルは、緯糸を通過させる導糸孔が形成されたニードル、ニードルを挿入するための中空部を有するとともに外周面との間で連通する給水孔を有するノズル本体、ニードルの外周面とノズル本体の内周面とにより画定される環状室が設けられるとともに、環状室と噴射孔との間の位置でノズル本体内部に組み込まれ、噴射される圧力水の流れを整える整流部材などから構成される。
【0003】
整流部材内部は、円周方向に間隔をおいて配置される整流フィンが複数設けられて、隣接する整流フィンにより画定される整流溝を複数有している。圧力水は外部のポンプから送水路を通して供給され、ノズル本体の外周面から、ニードルとノズル本体との間に形成される環状室に流入して、さらに整流部材を通過した後に、ニードル先端部に位置する緯糸を取り込んで経糸の開口内に緯入れされる。
【0004】
緯入れノズルから噴射されたジェット水流が拡散により、経糸に衝突して織布に損害を与える恐れがあるため、緯入れノズル内の圧力水には高い直進性が要求されるが、緯入れノズルに流れ込む圧力水は激しい乱流で多様な速度成分を持ち、これらが噴射後の拡散を促進するため、何らかの対策が必要である。環状室に隣接して配置される整流部材は、圧力水の流れを整えるため、ノズル軸線方向およびノズル軸線の半径方向に延在する整流フィンが、円周方向に間隔をおいて複数が並び設けられており、隣接する整流フィンから構成される整流溝を圧力水が通過することで、乱流成分が除去される。このように整流部材は、ジェット水流の直進性を向上させるために設けてある。これに対し特許文献4には、特許文献1〜3に記したニードル、ノズル本体、および整流フィンを有してなる、同様の水噴射式織機の緯入れノズルで、ノズル本体の内周と隣接する整流フィンとから画定される整流溝が、ノズルの中心(軸線)に対して偏心させた方向に形成された水噴射式織機の緯入れノズルが開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実公平2−17025号公報(第1図)
【特許文献2】
特公平4−18053号公報(第3図)
【特許文献3】
特開平10−130997号公報(第2図)
【特許文献4】
特開平4−11048号公報(第6図、第7図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれら特許文献1〜3のいずれの技術も、整流フィンや整流溝が、ノズル軸線方向に沿って形成されるため、各整流溝を通過した圧力水が、ニードル外周に激しく衝突しながら合流するため乱流が発生し、噴射後のジェット水流の拡散が大きいという問題がある。また特許文献4の技術によれば、整流溝がノズル軸線に対して偏心するように設けられるため、整流溝を通過した圧力水に、ノズル軸線の周りを旋回するような速度成分が与えられて噴射されるため、この旋回による遠心力で拡散が促進される問題がある。しかも水流全体が旋回するため、旋回する水の量が多く、噴射されたジェット水流に遠心力が作用する結果、全体としてまとまりのない水流になり、実用的な緯入れノズルとは言えなかった。
【0007】
本発明はこうした実状を基に開発されたもので、緯糸を搬送するためのジェット水流の拡散を極力防止して、織布の生産性を向上できる水噴射式織機の緯入れノズルの提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を克服するため、本発明はその共通部分として、導糸孔が形成されたニードルと、ニードルを挿入するための中空部を形成するとともに外周面との間で連通する給水孔を有するノズル本体と、前記ニードルの外周面とノズル本体の内周面とにより形成されて前記給水孔に連通して緯入れ用圧力水が供給される環状室と、これに通じる噴射孔とが設けられるとともに、前記環状室と噴射孔との間に整流フィンが配置される水噴射式織機の緯入れノズルにおいて、前記整流フィンは、ノズル本体の内周面にその円周方向に間隔をおいて、かつ前記ニードルの外周面およびノズル軸線方向に延在するように複数並び設けられるとともに、ノズル本体の内周面と隣接する整流フィンとから画定される整流溝の底部は、ノズル本体の内周面の母線と同じ方向に延在しており、かつ整流フィンの中心線の少なくとも一部が半径方向に対して角度を有するように、整流フィンの側面が延在していることを特徴とする水噴射式織機の緯入れノズルを使用するもので、噴射されたジェット水流の拡散を抑制することが可能である。
【0009】
緯入れノズルは、概ね円筒形状で緯糸を通過させるための導糸孔が両端を貫通しているニードルと、同様に概ね円筒形状でニードルを挿入するための中空部を持つノズル本体などから構成され、ニードルがノズル本体の中空部に収容された状態において、ニードルの外周面とノズル本体の内周面との間には、断面がリング状の環状室が形成される。また外部に設置されたポンプから供給される緯入れ用圧力水は、送水路を通過してから、ノズル本体の外周面と内周面との間を連通する給水孔を経て環状室に到達して、その後に噴射孔からジェット水流が経糸の開口部へ噴射されるが、環状室と噴射孔の間には、圧力水の流れを整えるための整流フィンが配置されている。
【0010】
整流フィンは、ノズル本体の内周面にその円周方向に間隔をおいて、かつニードルの外周面およびノズル軸線方向に延在するように、複数並び設けられているため、環状室を通過した圧力水は、整流フィンによりノズル軸線に対する円周方向の速度成分が吸収され、噴射後のジェット水流の直進性が向上する。なお隣接する整流フィン側面とノズル本体の内周面から画定される圧力水の通過経路である整流溝は扇形であり、この弧に相当する部位を底部と呼ぶ。本発明において、この整流溝底部は、ノズル本体の内周面の母線と同じ方向に延在しており、かつ整流フィンの中心線の少なくとも一部が、半径方向に対して角度を有するように整流フィンの側面を延在させて、従来は実現不可能であった挙動を緯入れノズル内の圧力水に与えることができる。
【0011】
噴射されるジェット水流のまとまりを向上させる対策は、前記した特許文献1〜4のような先行技術が既に公開されているが、この場合は整流フィンを通過した後の圧力水が合流する際の衝突で流れが乱れたり、ノズル軸線の円周方向に対して全体が旋回する水流になり、遠心力により拡散が進むなどの問題がある。本発明では、整流溝の底部近傍を流れる圧力水は、ノズル本体内周面の母線方向に流れることで前記のような旋回を伴う速度成分を持たないが、これよりノズル軸線に近い内側を流れる圧力水は、整流フィンの厚みの中心線がノズル軸線の半径方向に対して角度を有するように整流フィンの側面を延在させているため、旋回を伴う速度成分を持ち、この旋回によりニードルの外周面との衝突が緩和される上に、噴射後に底部近傍を通過した、旋回を伴う速度成分を持たない流れが、内側の旋回を伴う流れを包み込みながら合流することで、全体としてまとまりのあるジェット水流になる。
【0012】
環状室から噴射孔までの区間を圧力水が進行する場合、噴射後に所定の流速を確保するため、圧力水の通過経路の断面積を段階的に縮小する必要がある。整流溝を通過する圧力水に、前記のような旋回を伴う速度成分を付加することから、断面積の縮小を急激に行うと流れが乱れる恐れがあり、対策の一つとして、整流溝の底部は、噴射孔側に進むに連れて半径方向に縮径するような内周面(内向き誘導面)に設けることが望ましい。具体的には整流溝の底部を円錐面で構成して、圧力水の進行に合わせて断面積を徐々に減らすようノズル軸線に接近する勾配を設けて、円錐の底面側から透過する圧力水が円錐の頂部側に進むに連れて、断面積が徐々に縮小されて滑らかに速度を増加できる。
【0013】
整流溝の底部を流れる圧力水には、ノズル軸線方向に直進する速度成分だけを与えて、一方でこれより内側ではノズル軸線の円周方向に進む速度成分を付加することで、まとまりのよい水流の噴射を実現できるが、これら二種類の水流の組み合わせ方法は、織機の仕様やニードルやノズル本体の形状など、様々な要因で異なるため、都度変更できることが望ましい。そこで請求項1記載の発明は、整流フィンの中心線が、ノズル軸線から所定の半径以遠においては半径方向に延在するとともに、前記所定の半径以内においては、前記半径方向に対して角度を有するように整流フィンの側面を延在させることで、緯入れノズル内の圧力水の挙動をより精密に制御することにより、全体としてまとまりのあるジェット水流を噴射することが可能になる。
【0014】
整流フィンの側面全体が、半径方向に対して角度を有している場合、ノズル軸線に対する円周方向の速度成分が過大になり、噴射後のジェット水流が拡散しやすくなる可能性があり、これを制限するため整流フィンの中心線が、ノズル軸線から所定の半径以遠(外側)においては、半径方向に延在している従来と同様の形態とした上で、これよりノズル軸線に近い側(内側)においては、整流フィンの厚みの中心線が半径方向に対して角度を有するように整流フィンの側面を延在させると、円周方向の速度成分を含む圧力水の割合を制限でき、噴射後のジェット水流のまとまりが維持される。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様に、円周方向の速度成分が付加される圧力水を制限するためのもので、整流フィンは、ノズル軸線方向に前端部から所定長さ以内において、前記整流フィンの中心線が半径方向に対して角度を有するように、かつそれ以遠においては、前記中心線が半径方向になるように整流フィンの側面が延在していることを特徴としている。整流フィンは、基本的にノズル軸線方向に延在しているが、圧力水の入り口側に当たる前端部から所定の長さの区間だけを請求項1記載の発明と同様に、整流フィンの厚みの中心線が半径方向に対して角度を有するように整流フィンの側面を延在させると、円周方向の速度成分を持つ圧力水の割合を制限でき、噴射後のジェット水流のまとまりが維持される。
【0016】
請求項1および請求項2記載の発明を有効に利用することで、噴射孔から全体にまとまりのあるジェット水流が噴射されるが、それぞれを単独で使用する以外に、双方の構造を同時に取り入れることも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1(イ)は、本発明による水噴射式織機の緯入れノズル1の形状を示す側断面図で、ニードル2は、導糸孔11がノズル軸線8方向に貫通しており、かつ外径部分を導糸方向に段差状に細くした上で、これより先端部までを先細り形状としている。ノズル本体3は、噴射孔20よりも右側の内径を段差状に狭くして形成された中空部を有するとともに、段差状の底部に整流フィン9が組み込まれた整流部材4を一体に収容している。
【0019】
そしてニードル2は、ノズル本体3の軸線に一致するように中空部29に挿入されて、ニードル2の段差状の外周面27とノズル本体3の内周面28とにより環状室15が設けられる一方、ニードル2の外周面27と整流フィン9の先端面26との間に環状流路24を構成する。またニードル2は、整流部材4の端部よりも突出しており、整流部材4の先端部において噴射孔20を構成している。なおニードル2は、緯糸7の入り口側でノズル本体3とネジで結合され、圧力水の漏えいを防止するため、ニードル2とノズル本体3の境界は、Oリングで密閉されている。さらに圧力水の漏えいを防止するため、ノズルホルダ5やノズルキャップ17との境界もOリングで密閉されている。
【0020】
ノズル本体3の外周には、外部のポンプから供給される圧力水が流れる送水路16を持つノズルホルダ5が、ノズル本体3にねじ込まれたノズルキャップ17により固定されている。送水路16からの圧力水は、ノズル本体3の外周部で送水路16に対応する位置に全周に渡って設けられた環状溝6から、ノズル本体3の外周面に円周方向に等間隔に設けられ、内外を貫通している給水孔12を通過した後に、ニードル2の外周面27とノズル本体3の内周面28との間の空間である環状室15に流入する。環状室15内に透過した圧力水は乱流が生じるものの、これを整えるため整流部材4内部を通過した後、噴射孔20からジェット水流として外部に噴射され、ニードル2の先端部に位置する緯糸7を取り込んで、経糸の開口内に緯入れされる。
【0021】
整流部材4は、ノズル軸線8方向に進むにつれてノズル軸線8寄りに縮径される底部25である内向き誘導面(内周面)14が形成される一方、内向き誘導面14では、半径方向ならびに軸線方向に延在し、かつ内周方向に間隔をおいて複数の整流フィン9が並び設けられる。整流フィン9は、半径方向19においてニードル2の外周面27に達する手前まで延在しており、整流フィン9を側面22から見ると三角形状である。なお整流フィン9の先端面26とニードル2の外周面27は接触しておらず、この間には障害物のない環状流路24が確保されている。本図では整流フィン9を整流部材4の内周面から延在させているが、整流部材4を使用しない場合、ノズル本体3の内周面から直接延在させるなど、多用な形態が可能で、また整流フィン9とニードル2の外周面27に環状流路24を確保せずに、双方を接触させる場合もある。
【0022】
図1(ロ)は、図1(イ)のA−A断面図であり、整流部材4の内向き誘導面14から整流フィン9が等間隔で放射状に配置され、図のように半径方向19に延在していると同時に、紙面を裏側へ貫くノズル軸線8方向へも延在している。圧力水の流路となる整流溝13は、隣接する整流フィン9の側面22と整流溝13の底部25(内向き誘導面14)で画定されており、ノズル軸線8側は環状流路24に解放されている。また整流フィン9の前端部23の中心線21が、半径方向19に対して角度を有するよう、側面22も同様に交角を有している。
【0023】
図2は、本発明の整流フィン9を圧力水が流入する前端部23から見た斜視図で、実際の整流部材4は環状だが、説明のため一部を切り出して描いている。整流溝13の底部25は、内向き誘導面14の母線18方向に延在しており、整流フィン9の前端部23の中心線21は、半径方向19に対して一致するのではなく、交角を有している。なお図中の二点鎖線は、半径方向19に対して交角を有していない従来形態の整流フィンである。整流フィン9は、前端部23から圧力水の下流方向に延在しており、最終的には先端面26が内向き誘導面14と一体化して消失するが、これまでの全区間において、整流フィン9の厚みの中心線21が半径方向19に対して交角を有するよう、側面22も同様に交角を有している。
【0024】
整流フィン9の構成を図2のような形態にした場合の圧力水の挙動を、図3に示す。環状室15から整流溝13に進入する圧力水において、図3(イ)の側断面図に示すように、整流溝13の底部25付近を流れる水流Aと、整流フィン9の先端面26付近を流れる水流Bを想定する。水流Aは、内向き誘導面14の母線18と同一方向に移動するため、ノズル軸線8方向の速度成分を持つのに対して、水流Bは、整流フィン9の側面22の作用で、ノズル軸線8の円周方向に進む速度成分も有している。
【0025】
図3(ロ)は、図3(イ)のB−B端面図上に、水流Bの速度成分を示したもので、図3(イ)に示す地点αから整流溝13の内部に進入した圧力水は、整流フィン9の側面22の作用により地点βでは、ノズル軸線8の円周方向の速度成分Vθが付加される。この速度成分Vθは、ノズル軸線8から遠ざかる方向でニードル2の外周に衝突した場合も、入射角度が大きくなるため反発が軽減される。また整流部材4を通過して合流された水流は、内側部分のみが旋回する速度成分を有する。このような圧力水を噴射孔20から噴射して発生するジェット水流は、旋回する水の量が少なく、内側部分で旋回する水流に遠心力が作用したとしても、その影響力は小さい。つまり水流Bに対し、水流Aは外側から取り囲むように合流するため、噴射孔20から噴射されたジェット水流は、全体的に見てまとまりのある水流となって噴射される。
【0026】
本発明による整流溝13の構造は、図2に示す形態以外にも多様であり、その一例を図4に示す。この場合は整流フィン9の厚みの中心線21が、半径方向19に対して交角を有している範囲を、ノズル軸線8から特定の半径以内の区間Lに限定して、これより外側では従来形態に一致させている。この区間Lの範囲は、中心線21が前記の交角を有しているため、整流フィン9の側面22も同様に交角を有しており、図中の点線(整流フィン9の側面22に描かれている)は、この境界線を示している。
【0027】
半径方向19において、区間Lとそれ以外の区間の長さの比率は限定されず、区間Lが先端面26近傍限定の短区間の場合や、整流溝13の底部25近傍まで続く場合など多様である。そのほか図中の二点鎖線は、半径方向19に対して交角を有していない従来形態の整流フィンを示している。なお図示例では、整流フィン9の中心線21が半径方向19に対して角度を有している区間では、同じ角度とされるが、複数の異なる角度とすることもできる。例えば軸心方向に近づくにつれて、半径方向19に対して段階的に角度を増すように整流フィン9を形成してもよい。
【0028】
図5も図2の別形態例を示しており、整流フィン9の厚みの中心線21が、半径方向19に対して交角を有している範囲を、ノズル軸線8方向において整流フィン9の前端部23から区間Kに限定しており、これ以遠は従来形態に一致させている。なお整流フィン9の側面22に描かれている点線は、前記の交角を有している範囲とそれ以外の境界線を示している。また図4の場合と同様に、区間Kとそれ以外の区間の長さの比率は限定されない。そのほか図中の二点鎖線は、半径方向19に対して交角を有していない従来形態の整流フィンを示している。
【0029】
図6も図2の別形態例を示しており、整流フィン9の側面22を半径方向19に対して湾曲させた構造で、その結果整流フィン9の厚みの中心線21も同様に湾曲しており、半径方向19に対して角度を有している。この形態は、半径方向19との交角が中心に向かうに連れて大きくなることが特徴であり、湾曲させる際の曲率半径や曲線の種類などは限定されない。なお図中の二点鎖線は、半径方向19に対して交角を有していない従来形態の整流フィンを示している。
【0030】
これまでに示した各図は、整流フィン9の厚さが概ね一定だったが、必ずしもこれに限定されることはなく、整流フィン9の先端面26に向かうにつれて、厚さが縮小していく図7のような形態も可能である。この場合は、一枚の整流フィン9の両側面22を、半径方向19に対して異なる角度で延在させて、整流フィン9の厚みの中心線21が、半径方向19に対して角度を有する形態になる。
【0031】
本発明の実施形態はこれら以外にも、図8(イ)の整流部材4周辺の側断面図に示すような、整流フィン9が前端部23から噴射孔20まで連続している場合もある。また図8(ロ)に示すような、整流部材4内周の整流溝13の底部25をノズル軸線8と平行に構成し、整流部材4の下流側にオリフィス10を隣接させて、オリフィス10内周面に傾斜を設けることで圧力水を絞り込む構造も実施可能である。
【0032】
本発明において、緯入れノズル1の形状を始めとして、給水孔12の数や整流フィン9の形状や大きさ、整流溝13の数量や間隔や断面形状などの各種諸元は一切限定されることはなく、また複数個確保される整流溝13の断面形状は、全てを同一とする必要はなく、図8(ハ)に示す整流部材4のように、二種類の形状の異なる整流フィン9を交互に配置するなどの形態が可能である。
【0033】
【発明の効果】
請求項1,2記載の発明により、緯入れ用圧力水が整流溝を通過する際、整流溝の底部を流れる圧力水にはノズル軸線方向の速度成分が、また整流フィンの先端面付近を通過する圧力水にはノズル軸線の円周方向の速度成分が加わり、この円周方向の速度成分によりニードル外周面との衝突が緩和され、さらに外側を流れる円周方向の速度成分を持たない圧力水に包み込まれることで、拡散の少ないまとまりのあるジェット水流として外部に噴射されるため、経糸の開口量を削減した場合も、圧力水が経糸を直撃することがなく、織布の生産性が向上する。
【0035】
請求項1,2記載の発明により、整流フィンの先端面付近を通過する圧力水の円周方向に進む速度成分が自在に調整できるため、織布条件などの違いに対して最適化された緯入れノズルの提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)(ロ)本発明による緯入れノズルの構成を示す図で、(イ)は側断面図で、(ロ)は図1(イ)のA−A断面図である。
【図2】本発明による整流フィンなどを含む整流部材の構造例を示す斜視図で、環状の整流部材の一部を切り抜いて作図してある。
【図3】(イ)(ロ)圧力水が整流溝を通過する際の挙動を示す図で、(イ)は整流部材周辺の側断面図で、(ロ)は図3(イ)のB−B端面図である。
【図4】本発明による整流フィンなどを含む整流部材の構造例を示す斜視図で、環状の整流部材の一部を切り抜いて作図したもので、整流フィンを屈曲させる範囲を半径方向の一部(区間L)に限定した形態である。
【図5】本発明による整流フィンなどを含む整流部材の構造例を示す斜視図で、環状の整流部材の一部を切り抜いて作図したもので、整流フィンを屈曲させる範囲をノズル軸線方向の一部(区間K)に限定した形態である。
【図6】本発明による整流フィンなどを含む整流部材の構造例を示す斜視図で、環状の整流部材の一部を切り抜いて作図したもので、整流フィンの側面を円弧状に湾曲させた形態である。
【図7】本発明による整流フィンなどを含む整流部材の構造例を示す斜視図で、環状の整流部材の一部を切り抜いて作図したもので、整流フィンが先端面に向かうにつれて厚みが減少する形態である。
【図8】(イ)(ロ)(ハ)本発明の実施形態例を示しており、(イ)は整流フィンが前端部から噴射孔まで連続している場合の整流部材近傍の側断面図で、(ロ)は整流部材に加えオリフィスを使用した場合の整流部材近傍の側断面図で、(ハ)は二種類の形状の異なる整流フィンを交互に配置した構造の整流部材を、この前端部から見た形状を示す。
【符号の説明】
1 緯入れノズル
2 ニードル
3 ノズル本体
4 整流部材
5 ノズルホルダ
6 環状溝
7 緯糸
8 ノズル軸線
9 整流フィン
10 オリフィス
11 導糸孔
12 給水孔
13 整流溝
14 内周面(内向き誘導面)
15 環状室
16 送水路
17 ノズルキャップ
18 (内向き誘導面の)母線
19 (ノズル軸線に対しての)半径方向
20 噴射孔
21 (整流フィンの)中心線
22 (整流フィンの)側面
23 (整流フィンの)前端部
24 環状流路
25 (整流溝の)底部
26 (整流フィンの)先端面
27 (ニードルの)外周面
28 (ノズル本体の)内周面
29 (ノズル本体の)中空部

Claims (2)

  1. 導糸孔(11)が形成されたニードル(2)と、ニードル(2)を挿入するための中空部(29)を形成するとともに外周面との間で連通する給水孔(12)を有するノズル本体(3)と、前記ニードル(2)の外周面(27)とノズル本体(3)の内周面(28)とにより形成されて前記給水孔(12)に連通して緯入れ用圧力水が供給される環状室(15)と、これに通じる噴射孔(20)とが設けられるとともに、前記環状室(15)と噴射孔(20)との間に整流フィン(9)が配置される水噴射式織機の緯入れノズルにおいて、
    前記整流フィン(9)は、ノズル本体(3)の内周面(14)にその円周方向に間隔をおいて、かつ前記ニードル(2)の外周面(27)およびノズル軸線(8)方向に延在するように複数並び設けられるとともに、
    ノズル本体(3)の内周面(14)と隣接する整流フィン(9)とから画定される整流溝(13)の底部(25)は、ノズル本体(3)の内周面(14)の母線(18)と同じ方向に延在しており、
    かつ整流フィン(9)の中心線(21)の少なくとも一部が半径方向(19)に対して角度を有するように、整流フィン(9)の側面(22)が延在し、
    前記整流フィン(9)の中心線(21)が、ノズル軸線(8)から所定の半径以遠においては半径方向(19)に延在するとともに、前記所定の半径以内においては、前記半径方向(19)に対して角度を有するように整流フィン(9)の側面(22)が延在していることを特徴とする水噴射式織機の緯入れノズル。
  2. 導糸孔(11)が形成されたニードル(2)と、ニードル(2)を挿入するための中空部(29)を形成するとともに外周面との間で連通する給水孔(12)を有するノズル本体(3)と、前記ニードル(2)の外周面(27)とノズル本体(3)の内周面(28)とにより形成されて前記給水孔(12)に連通して緯入れ用圧力水が供給される環状室(15)と、これに通じる噴射孔(20)とが設けられるとともに、前記環状室(15)と噴射孔(20)との間に整流フィン(9)が配置される水噴射式織機の緯入れノズルにおいて、
    前記整流フィン(9)は、ノズル本体(3)の内周面(14)にその円周方向に間隔をおいて、かつ前記ニードル(2)の外周面(27)およびノズル軸線(8)方向に延在するように複数並び設けられるとともに、
    ノズル本体(3)の内周面(14)と隣接する整流フィン(9)とから画定される整流溝(13)の底部(25)は、ノズル本体(3)の内周面(14)の母線(18)と同じ方向に延在しており、
    かつ整流フィン(9)の中心線(21)の少なくとも一部が半径方向(19)に対して角度を有するように、整流フィン(9)の側面(22)が延在し、
    前記整流フィン(9)は、ノズル軸線(8)方向に前端部(23)から所定長さ以内において、前記整流フィン(9)の中心線(21)が半径方向(19)に対して角度を有するように、かつそれ以遠においては、前記中心線(21)が半径方向(19)になるように整流フィン(9)の側面(22)が延在していることを特徴とする水噴射式織機の緯入れノズル。
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