JP3992896B2 - 無堰多孔板、無堰多孔板塔、および蒸留方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無堰多孔板、無堰多孔板塔および蒸留方法に関するものであり、詳しくは、(メタ)アクリル酸などの易重合性化合物または易重合性化合物含有液(以下、単に「易重合性化合物」と表現する場合もある)を、重合物の生成を効果的に防止して、長期にわたり安定して蒸留することができるようにした無堰多孔板、およびこの無堰多孔板を設けてなる無堰多孔板塔、並びにこの無堰多孔板塔を用いる蒸留方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、(メタ)アクリル酸およびそのエステルなどといった易重合性化合物を、その重合を防止することを目的として、酸素や重合防止剤の存在下に蒸留、精製して、製品とすることは工業的に広く行われている。また、この蒸留に無堰多孔板およびこれを用いた無堰多孔板塔が用いられることも公知である。
【0003】
上記無堰多孔板塔に用いる無堰多孔板には、サポートビームやサポートリングとの固定に用いられるクランプ、ボルトなどのための穴を除いては、全面にほぼ均一に孔が設けられている。この孔の形成(開孔)には、通常、パンチングプレス、ドリルなどが用いられている。また、上記無堰多孔板では、処理能力向上のために、孔径、孔型、板厚、開孔率などの規定が重要であり、さらに無堰多孔板を無堰多孔板塔に設置した際には、板間隔や水平公差などの規定が重要であることが知られている(橋本他,「無堰多孔板トレイの特性」化学工学,第34巻,567-571,1970、および『蒸留工学ハンドブック』朝倉書店,1966)。
【0004】
しかしながら、上記従来の無堰多孔板塔を用いて(メタ)アクリル酸などを蒸留すると重合物が生成する場合があるため、運転を中止して人為的あるいは化学的にこれら重合物を除去しなければならないという問題点が生じる。
【0005】
そこで、上記問題点を解決するために、無堰多孔板塔を用いた蒸留に際してのさらなる重合防止対策として、次の各状態を実現させる技術が提案されている。これら各技術は、上記重合防止剤(安定剤)による重合防止効果をより確実とするものである。
【0006】
まず、第1の状態は、無堰多孔板塔内を易重合性化合物含有液で濡らした状態である。これは、上記重合防止剤が主として液相部(液体部分)に存在し、気相部(気体部分)では少なくなるので、気液接触させることにより気相部を常に重合防止剤に接触させるためである。
【0007】
上記第1の状態を実現させる技術としては、具体的には、多孔板の塔壁面近くの孔径を大きくしたり、スリット状にしたりすることで塔壁面と多孔板の裏側を液体で完全に濡らす方法(米国特許第 3,717,553号公報)が挙げられる。
【0008】
また、この第1の状態を実現させる技術に相反する技術であるが、塔壁における重合防止に関する技術として、塔壁の温度を気相部よりも高く保つためにジャケットを設置し、塔壁において、重合防止剤が含まれていない気体が凝縮して重合することを防止する方法(米国特許第 3,988,213号公報)がある。
【0009】
次に、第2の状態は、気体および/または液体の偏流や滞留を回避する状態である。これは、偏流や滞留により重合防止剤が十分に分散せず偏在することを防止するためである。
【0010】
上記第2の状態を実現させる技術としては、具体的には、サポートリング(多孔板支持部材)に穴を開け、該サポートリング上の液体を速やかに流下させる方法(日本国特許出願:特開平10-212249 号公報、欧州特許出願:0 856 343 A1号公報)、あるいは、無堰多孔板と塔壁との間を1〜15mm開けることで、塔壁付近の液体の滞留を防止する方法(日本国特許出願:特開平10-76103号公報)が挙げられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各技術では、ある程度は重合物の生成を防止できるものの、その効果は未だ不十分である。すなわち、上記従来の技術においては、多孔板や塔内に特定の構成を加えることで、上記第1の状態および第2の状態の何れかを満たすことについては考慮されているものの、上記各状態の双方を、同時かつ確実に実現することについては何ら考慮されていなかった。
【0012】
また、たとえば上記ジャケットを設置する方法の場合は、大きな設備投資が必要である上に、温度管理を厳密にしなければならないという問題がある。そのため、実用上、好ましい技術ではない。また、このジャケット設置する方法では、気体の凝縮を防止するために、塔壁を濡れていない(乾いている)状態としている。そのため、第1の状態とは相反する状態を実現させるものとなっている。
【0013】
そのため、上記第1の状態および第2の状態を同時かつ確実に実現させることによって、より一層効果的に重合物の生成を防止し、長期にわたって安定した蒸留を実施できるような蒸留技術が望まれている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、(メタ)アクリル酸などの易重合性化合物を蒸留する場合に、重合物の生成を効果的に防止して長期にわたり安定して蒸留を行えるようにした、特に(メタ)アクリル酸などの易重合性化合物の蒸留に好適な無堰多孔板、無堰多孔板塔、および蒸留方法を提供することにある。
【0015】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、無堰多孔板の孔径、板厚、開孔率に加えて孔の間隔を特定範囲に規定すること、および、該無堰多孔板を設けてなる無堰多孔板塔において、各無堰多孔板の設置間隔、傾き(水平公差)に加えて、同一棚に複数枚の無堰多孔板を使用した際に、最も近接した2つの孔の間隔を特定範囲に規定すること、並びに、該無堰多孔板塔を用いてなされる蒸留を特定条件下に行うことによって、上記第1の状態および第2の状態の双方を確実に実現することが可能になり、その結果、重合物の生成を効果的に防止して長期にわたり安定して蒸留を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
すなわち、本発明にかかる無堰多孔板は、上記の課題を解決するために、次の条件(a)〜(d)を満たすものである。
【0017】
(a)孔径dが10〜25mmの範囲内である。
【0018】
(b)隣接する2つの孔の中心間隔が1.2d〜3dの範囲内にある。
【0019】
(c)板厚が2〜8mmの範囲内にある。
【0020】
(d)開孔率が10〜30%である。
【0021】
上記無堰多孔板は、加えて、次の各条件を満たしていることが好ましい。
【0022】
(e)多孔板1の表面が実質的に平坦である。
【0023】
(f)各孔2の上下孔縁の少なくとも一方に曲面を形成する。
【0024】
また、本発明にかかる無堰多孔板塔は、上記無堰多孔板の2枚以上を、下記条件を満たす条件下で設けてなるものである。
【0025】
(g)塔径をDとして、無堰多孔板の設置間隔を0.1D〜0.5Dの範囲内とする。
【0026】
(h)各多孔板の水平公差が8mmを超えないようにする。
【0027】
(i)同一棚に複数枚の無堰多孔板を使用する場合、隣接した無堰多孔板における最も近接した2つの孔の間隔を50〜150mmの範囲内とする。
【0028】
上記無堰多孔板塔は、加えて次の条件を満たしていることが好ましい。
【0029】
(j)隣接する上下の棚における2枚の無堰多孔板において、ブラインド率を0.2以上とする。
【0030】
さらに、本発明にかかる蒸留方法は、上記無堰多孔板を用いて易重合性化合物または易重合性化合物含有液を蒸留する方法であり、特に、下記各条件を満たすことが好ましい。
【0031】
(k)濡れ液量が塔断面積に対して0.3m3 /m2 ・h以上、好ましくは1m3 /m2 ・h以上となる。
【0032】
(m)濡れ液量が全孔2…の合計面積に対して1m3 /m2 ・h以上、好ましくは3m3 /m2 ・h以上となる。
【0033】
上記各条件を満たすような、特定の無堰多孔板あるいは無堰多孔板塔を用いて易重合性化合物を蒸留すると、少なくとも次の各作用が得られる。
【0034】
(1)気体や液体の流れが均一となって無堰多孔板上の液体の濃度勾配や重合防止剤濃度の不均一がなくなる。
【0035】
(2)気体や液体が偏流せずに円滑に流通し、かつ滞留時間が短くなる。
【0036】
(3)重合防止剤を含んだ液体で無堰多孔板や塔壁が濡らされるため、内部がほぼ完全に濡らされ、乾いている部分がなくなる。
【0037】
(4)無堰多孔板上での液体の滞留がなくなる。
【0038】
本発明によれば、上記各作用などが得られる結果、上記第1の状態および第2の状態の双方を同時かつ確実に実現することが可能になり、重合物の形成を効果的に防止することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の説明では、無堰多孔板を単に「多孔板」と表現し、無堰多孔板塔を単に「塔」と表現する場合がある。
【0040】
図1は、本発明にかかる無堰多孔板1の一実施態様を示した説明図である。図1に示すように、本発明にかかる多孔板1には、複数個の孔2…が、下記条件(b)を満たす範囲内で実質的に均一な径となるようにして、相互に実質的に等間隔に設けられている。そして、この孔2…に関して、次の各条件が規定されている。
【0041】
(a)孔径dは10〜25mmの範囲内であり、好ましくは12〜22mmの範囲内である。
【0042】
(b)隣接する2つの孔2・2の中心間隔L1は、1.2d〜3dの範囲内であり、好ましくは、1.5d〜2.5dの範囲内である。
【0043】
(c)板厚は2〜8mmの範囲内であり、好ましくは2〜4mmの範囲内である。
【0044】
(d)開孔率は10〜30%の範囲内であり、好ましくは12〜27%の範囲内である。
【0045】
本発明における「開孔率」とは、多孔板1を設ける塔(無堰多孔板塔)の横断面積に対する多孔板1の全ての孔2…の合計面積の割合(パーセンテージ)を意味する。つまり、上記開孔率は、全孔2…(全ての孔2…をまとめて「開口部」と表現する)の合計面積をPとし、多孔板1を設ける塔の横断面積をQとすると、次式で表される。
【0046】
開孔率(%)=(P/Q)×100
なお、多孔板1の端部では、上記条件(a)・(b)を満たす孔2を設けるに十分なスペースがない場合もあるが、このような場合には、上記条件を満たさない小さな孔を設けてもよい。これにより、多孔板1の端部にまで気液を流動させることができるため、液体の滞留を防止して、重合物の生成を防止することができる。
【0047】
上記条件(a)〜(d)を満たす多孔板1を設けてなる塔を用いて易重合性化合物を蒸留すると、重合物の形成を効果的に防止することができる。その理由について、以下に説明する。
【0048】
開孔率を一定とした場合、孔径dが10mm未満では、液体が孔2…から落ちにくくなって重合が起こりやすくなる。また25mmを超えると、孔2・2の間隔が大きくなり過ぎて液体が滞留し、重合が起り易くなる。
【0049】
隣接する孔2・2の中心間隔L1が1.2d未満では、気液の流動状態が悪くなる。また3dを超えると孔2・2の間隔が大きくなりすぎて液体が滞留し、重合が起り易くなる。
【0050】
板厚が2mm未満では、多孔板1の振動により多孔板1上に液勾配が生じ、部分的に乾きやすくなる。また8mmを超えると、孔2内部に液体が滞留して、重合が起こりやすくなる。
【0051】
さらに孔径を一定とした場合、開孔率が10%未満では液体が滞留して重合が起りやすくなる。また30%を超えると流動状態が悪くなって重合が起りやすくなる。
【0052】
本発明にかかる無堰多孔板1を用いる技術においては、易重合性化合物を気液接触させる場合に、多孔板1上にある程度液体を貯めた状態で、しかも孔2から液体をある程度降下させ、かつ、孔2から気体を上昇させなければならない。つまり、孔2を介しての液体および気体の流通を適切な状態に制御する必要があるが、従来では、この制御が非常に困難であった。
【0053】
本発明においては、上記条件(a)〜(d)の全てを満たすことによって、孔2を介しての液体の降下と気体の上昇とを良好な状態に制御して、気液接触をより確実に実施することができる。しかも、このような孔2を介しての気液の流通が適切に制御されると、多孔板1上に適切に液体が貯められることになるので、多孔板1上での液体の存在にムラがなくなり、該多孔板1を備える無堰多孔板塔内が液体で十分に濡らされることになる。
【0054】
すなわち、本発明では、上記(a)〜(d)の条件を満たす多孔板1を用いているので、該多孔板1を備える無堰多孔板塔内を液体で濡らした第1の状態と、気体や液体の偏流や滞留を回避する第2の状態とを何れも同時に確実に実現させることができる。そのため、重合防止効果をより一層向上させることが可能となる。
【0055】
ここで、多孔板1の孔2…は、上述した通り、パンチングプレスやドリルなどにより開けられるので、開孔後の孔縁2aには、図2(a)に示すように、反りが生じる。しかしながら、このような反りによる突起2bをそのままにしておくと、液体が滞留して重合が起りやすくなる。
【0056】
そこで、本発明にかかる多孔板1においては、上記突起2bを除去することが好ましく、図2(b)に示すように、孔縁2aの上端および下端の一方、あるいは両方に、曲面を形成することがより好ましい。なお、この曲面のサイズおよび形状は、液体の降下を促進するようなサイズおよび形状であれば特に限定されるものではなく、たとえば図2(d)に示すような、孔縁2aの角部を面取りした角張った形状も包含する。さらに、上記曲面は形成されることが好ましいけれども、図2(e)に示すように、孔縁2aの上下端ともに平坦になっており、曲面が形成されていなくても構わない。
【0057】
このように、本発明にかかる無堰多孔板1においては、上記(a)〜(d)の条件に加えて、さらに、次の条件(e)・(f)の少なくとも一方を満たすことが好ましい。これによって、上記第1および第2の状態がより確実に実現されるので、易重合性化合物の蒸留に際して、重合物の形成がより効果的に防止される。
【0058】
(e)多孔板1の表面が実質的に平坦である。
【0059】
(f)各孔2の上下孔縁の少なくとも一方に曲面を形成する。
【0060】
なお、上記条件(a)〜(f)の中でも、特に条件(b)が満たされていることが好ましい。これによって、本発明にかかる無堰多孔板1は十分な効果を発揮し得る。
【0061】
次に、本発明にかかる無堰多孔板塔について説明する。本発明にかかる無堰多孔板塔3は、図3に示すように、2枚以上の上記多孔板1…を複数の棚状に設置したものであり、これら多孔板1…の設置においては、次の各条件が規定されている。
【0062】
(g)塔径をDとして、多孔板1・1の設置間隔Hを0.1D〜0.5Dの範囲内とする。
【0063】
(h)各多孔板1の水平公差が8mm、好ましくは4mmを超えないようにする。すなわち、水平公差が8mm未満が好ましく、4mm未満がより好ましい。
【0064】
(i)同一棚に複数枚の多孔板1を使用する場合、隣接した多孔板1における最も近接した二つの孔2・2の中心間隔L2を50〜150mmの範囲内、好ましくは50〜100mmの範囲内とする。
【0065】
なお、図3では、塔3の上から1段目の棚とし、かつ、奇数段目の棚の多孔板1を1aとし、偶数段目の棚の多孔板1を1bとしている。
【0066】
また、図3に示すように、塔3側面にフィード入口3a、蒸気入口3b、および還流口3cが設けられ、塔3の頂部には、蒸気出口3dが、塔3の底部には、液体出口3eが設けられている。図3では、フィード入口3aは、塔3の中段に配置され、最上段の多孔板1の上に還流口3cが、最下段の多孔板の下に蒸気入口3bが配置されている。
【0067】
フィ−ド入口3aは、易重合性化合物を供給するためのものであり、易重合性化合物の液組成によって、塔3の頂部から中段、底部の何れかに設けられるようになっている。蒸気出口3dは、図示しないコンデンサーに接続されている。この蒸気出口3dから排出される易重合性化合物の蒸気(気体)は、コンデンサーで凝縮され、一部が抜出され、残りが還流口3cから再投入される。
【0068】
液体出口3eは、図示しないリボイラーに接続されている。この液体出口3eからは、塔3内の易重合性化合物(液体)が一部抜出され、リボイラーに送られる。リボイラーでは、液体を再沸騰させ、少なくとも気液混合状態として蒸気入口3bから塔3内へ再投入する。
【0069】
なお、上記易重合性化合物の気体や液体を供給したり再投入する構成は、これに限定されるものではなく、従来から用いられている種々の構成を用いることができる。
【0070】
塔3の上下方向における多孔板1・1の設置間隔H(図3参照)が0.1D(すなわち塔径の10%)未満では、気体の偏流が生じて重合が起こりやすくなる。また0.5D(すなわち塔径の50%)を超えると、気体の滞留時間が長くなりすぎて気相部での重合が起こりやすくなる。
【0071】
多孔板1の水平公差が8mmを超えると、多孔板1上での液勾配が大きくなり、気体や液体の偏流が大きくなって、重合が起りやすくなる。なお、水平公差とは、多孔板1の最高点と最低点との差を意味する。この水平公差は水マノメータを用いて常法にしたがって測定される。
【0072】
本発明にかかる多孔板1の形状については特に制限がなく、図1に示したような円形の他に、半円形、欠円形、扇形、四角形などの形状でもよい。
【0073】
上記無堰多孔板塔3の塔径が大きくなると、図4に示すように、通常、マンホールからの搬入を考慮して、同一棚に2枚以上の多孔板1が設けられる。換言すれば、大面積多孔板11が複数の多孔板1…からなっている。この際の多孔板1はそれぞれ同一形状であってもよく、あるいは異なる形状、例えば欠円形と四角形との組み合わせであってもよい。
【0074】
なお、図4では、17枚の略長方形状の多孔板1…(それぞれ大きさは異なる)と、4枚の略三角形状の多孔板1…との計21枚の多孔板1…から1つの円形の大面積多孔板11が形成されている。また、説明の便宜上、図4においては、孔2…の記載を省略している。さらに、上記多孔板1…は、支持部材としてのサポートリング4a(図中環状部位)やサポートビーム4b(図中横方向の線状部位)によって支持されているが、これら支持部材に対応する領域や、多孔板1の端部同士を重ね合わせた領域1d(図中縦方向の線状部位)については、図4では破線で示している。なお、上記各領域をまとめて固定領域とする。加えて、図4における最外部が塔壁3fである。
【0075】
上記のように同一棚に2枚以上の多孔板1が設けられる場合には、図5(a)に示すように、サポートリング4aおよびサポートビーム4b(支持部材)上に個々の多孔板1…が載置される。そして、各多孔板1・1間の接続部1cでは、多孔板1の端部同士が略密接となっており、さらにこの密接状態を保持するためにクランプ5aおよびボルト−ナット5b(固定部材)によってサポートリング4aおよびサポートビーム4bに固定されている。なお、図5(a)では、説明の便宜上、多孔板1に形成されている孔2…の配列を菱形または三角形の模様として記載している。この模様における頂点は孔の中心の位置を示している。また、図5(a)における最外部は塔壁3fである。
【0076】
上記サポートリング4aは、塔壁に固定配置され、大面積多孔板11の辺縁部となる多孔板1…を支持し、上記サポートビーム4bは、塔断面を架橋するように配置され、上記接続部1cを支持する。また、上記クランプ5aはサポートリング4aに多孔板1を固定し、上記ボルト−ナット5bは、サポートビーム4bに多孔板1を固定する。
【0077】
さらに、上記のように同一棚に2枚以上の多孔板1…を設ける場合には、図5(b)にも示すように、接続部1cを介して隣接した多孔板1・1における最も近接した2つの孔2・2の中心間隔L2(接続部1cを介して隣接する孔2・2の中心間隔L2)を、50〜150mmの範囲内、好ましくは50〜100mmの範囲内とするように設定することが好ましい。
【0078】
つまり、図4に示す、同一棚に複数枚の多孔板1…が設置されている構成では、各多孔板1・1間の接続部1cは、図4および図5(a)におけるA−A線矢視断面図である図6(b)や、図4および図5(a)におけるB−B線矢視断面図である図6(a)に示すように、上面が略水平となっているサポートビーム4b上に、各多孔板1の端部を載置するか、各多孔板1の端部同士を重ねるかなどといった構成とした上で、さらに多孔板1・1が動かないように、ワッシャー5cを介してボルト−ナット5bで固定している。なお、図4における領域1dに相当する領域は、図6(a)において、ボルト−ナット5bで固定されている多孔板1・1の重ね合わせ部位に相当する。
【0079】
すなわち、複数の多孔板1…を接続するためには、各多孔板1の端部に、サポートビーム4bなどの支持部材上に載置してボルト−ナット5bなどの固定部材で固定したり、多孔板1の端部同士を重ねて固定部材で固定するための固定領域が確保されるよう考慮する必要がある。
【0080】
そのため、多孔板1・1の間にある程度の間隔を確保する必要があるため、隣接した多孔板1における最も近接した二つの孔2・2の中心間隔L2を上記の範囲内に限定することが好ましい。したがって、中心間隔L2が150mmを超えると、多孔板1上で液体が滞留して重合が発生しやすくなるので好ましくない。また、50mm未満では、各多孔板1の固定が不十分になり、大面積多孔板11などの強度が十分でないなどの問題が生じるため好ましくない。
【0081】
なお、前記のように、条件(a)・(b)を満たさない孔を設ける場合には、条件(a)・(b)を満たす孔2…と、条件(a)・(b)を満たさない孔との中心間隔が150mmを超えないようにする。つまり、一方の多孔板1の孔2と他方の多孔板1の孔との間隔をできる限り短くする。
【0082】
上記の2枚以上の多孔板1…を上記条件(g)〜(i)を満たすように設けてなる無堰多孔板塔3を用いて易重合性化合物の蒸留を行うと、前述したように、多孔板1における孔2を介しての気液の流通がより良好に制御される。しかも、複数の多孔板1…を棚状に設けた場合の各棚についても条件を規定しているので、塔3内を確実に濡らした状態とすることができる。
【0083】
そのため、上記条件(g)〜(i)全てを満たすと、塔3内を液体で濡らした第1の状態と、気体や液体の偏流や滞留を回避する第2の状態とを何れも確実に実現させることができる。そのため、気液接触させることにより気相部を常に重合防止剤に接触させることができるとともに、偏流や滞留が回避されることにより重合防止剤が十分分散して重合防止効果をより一層向上させることが可能となる。その結果、重合物の生成を効果的に防止することができる。
【0084】
本発明にかかる無堰多孔板塔3においては、2枚以上の上記多孔板1…を、次に定義するブラインド率が0.2以上、好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.6以上となるように設置する条件(j)を満たしていることがより好ましい。
【0085】
たとえば、図7に示すように、上方の多孔板1の孔2…(図中実線で示す)と下方の多孔板1の孔2…(図中点線で示す)とが部分的に重なりあっている状態とする。このとき、互いの多孔板1・1において孔2…の面積が重なりあった部分(同図において斜線で示す部分)と、重なりあっていない部分とが生じる。そして、本発明においては、上下2枚の隣接する多孔板1・1の一方において、全ての孔2…(開口部)の合計面積に対する他方の多孔板1の孔2…と重なりあっていない面積をブラインド率という。
【0086】
つまり、本発明の「ブラインド率」とは、隣接する上下2枚の多孔板1・1に関して、上方の多孔板1の孔2と下方の多孔板1の孔2とが重なりあっている部分(図中斜線部分)の合計面積をSとし、上方および下方の多孔板1・1のうち、全ての孔2…の合計面積が小さい多孔板1における、全ての孔2…の合計面積をTとすると、次式で定義されるものである。
【0087】
ブラインド率=1−(S/T)
本発明では、上述したように、ブラインド率が0.2以上であることが好ましい。ブラインド率が0.2未満では、気体や液体に同一箇所で偏流が生じて、重合が起りやすくなる。特に、隣接する上下2つの棚にそれぞれ孔径、2つの孔2・2の中心間隔、開孔率が同一の多孔板1をすべて孔2が相対するように設けると、上方の多孔板1の孔2と下方の多孔板1の孔2とはすべて重なりあった状態となり、さらに偏流が生じ易くなるので好ましくない。
【0088】
このように、本発明にかかる無堰多孔板塔3は、上記条件(a)〜(d)、好ましくはさらに条件(e)、より好ましくはさらに条件(f)を満たす、2枚以上の多孔板1…を、上記条件(g)〜(i)を満たし、より好ましくは、上記条件(j)を満たすように設けてなっている。そのため、易重合性化合物を蒸留する際の重合物の生成を効果的に防止できる。
【0089】
ここで、図4に示すような、大面積多孔板11が、本発明にかかる無堰多孔板塔3に複数枚設置されているとする。このとき、上記条件(j)を満たすためには、たとえば、図8に示すように、奇数段目の棚の大面積多孔板11a(図3における多孔板1aに相当)の設置方向に対して、偶数段目の棚の大面積多孔板11b(図3における多孔板1bに相当)の設置方向を約90°回転させておくことが好ましい。
【0090】
なお、上記条件(j)を満たすために設定される設置方向の回転角度は、大面積多孔板11を形成する各多孔板1…の形状によって適宜選択されるものであり、特に限定されない。すなわち、約90°の回転角度は、図4に示すように、1枚の円形の大面積多孔板11が、主として複数の略長方形状の多孔板1…によって形成されている場合に好適なものであり、多孔板1…の形状が異なれば、好ましい回転角度も適宜異なる。したがって、本発明においては、上記条件(j)を満たすためには、大面積多孔板11(すなわち多孔板1…)の設置方向を回転させるように変化させればよく、その具体的な角度は限定されない。
【0091】
また、本発明では、前述した各条件を満たす2枚以上の多孔板1…を、少なくとも条件(i)または(j)を満たすように設けてもよい。これによっても、本発明にかかる無堰多孔板塔3は十分な効果を発揮し得る。
【0092】
本発明にかかる蒸留方法は、上記の無堰多孔板塔3を用いて易重合性化合物の蒸留を行うものである。したがって、本発明にかかる蒸留方法は、上記条件(a)〜(d)、好ましくはさらに条件(e)、あるいはさらに好ましくは条件(f)を満たす無堰多孔板1を2枚以上、上記条件(g)〜(i)、好ましくは条件(j)を満たすように設けてなる無堰多孔板塔3を用いて行うものである。
【0093】
本発明にかかる蒸留方法は、易重合性化合物ないしは易重合性化合物含有液の蒸留に好適に用いられるものである。上記易重合性化合物の代表例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル、たとえば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルなどを挙げることができる。本発明における蒸留には、粗製の易重合性化合物を蒸留して精製する操作、易重合性化合物含有液から所定の化合物を分離除去するための蒸留操作などが含有される。
【0094】
なお、本発明における「蒸留」とは、上記易重合性化合物の蒸留操作、放散操作および吸収操作を包含する。本発明にかかる無堰多孔板塔3は、特に、上記蒸留操作に好適に用いられるものである。
【0095】
本発明にかかる蒸留方法においては、次の各条件(k)・(m)の少なくとも一方、好ましくは(k)かつ(m)となる条件で行うことが非常に好ましい。
【0096】
(k)濡れ液量が塔断面積に対して0.3m3 /m2 ・h以上、好ましくは1m3 /m2 ・h以上となる。
【0097】
(m)濡れ液量が全孔2…の合計面積に対して1m3 /m2 ・h以上、好ましくは3m3 /m2 ・h以上となる。
【0098】
これによって、重合物の形成をより効果的に防止することができる。ここで、上記濡れ液量とは、1枚の多孔板1上に供給される単位時間当たりの液量[m3 ]を塔断面積または全孔2…の合計面積で割った値である。
【0099】
濡れ液量が塔断面積に対して0.3m3 /m2 ・h未満、あるいは全孔2…の合計面積に対して1m3 /m2 ・h未満となると、乾き部が生じることで安定剤の不均一が発生して重合が起こりやすくなる。
【0100】
つまり、本発明の蒸留方法においては、上記(k)または(m)の条件を満たすと、塔3内を確実に濡らした状態とすることができる上に、濡れ液量が適切であるため、多孔板1上に適切な量の液体が貯められるので、孔2を介しての気液の流動も適切となる。そのため、上記条件(k)および/または(m)を満たすと、塔3内を液体で濡らした第1の状態と、気体や液体の偏流や滞留を回避する第2の状態とを何れも確実に実現させることができるので、重合物の生成をより一層効果的に防止することができる。
【0101】
以下、より具体的な実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、次に示す実施例および比較例は、上記条件(a)〜(k)および(m)の全ての条件を満たしたベストモードを示すものであり、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。つまり、本発明では、蒸留に関わる種々の選択肢に応じて、上述したように、少なくとも上記各条件の中の必須条件を満たしていればよい。
【0102】
〔実施例1〕
(a)孔径d=18mm、
(b)隣接する孔の中心間隔L1=32mm、
(c)板厚=3mm、
(d)開孔率=18%、
の各条件を満たし、
さらに、図2(b)に示すように、孔2の上孔縁が平坦であるとともに、下孔縁に曲面が形成されている(すなわち、条件(e)・(f)を満たす)無堰多孔板を用い、これを、
(g)多孔板の設置間隔H=0.25(塔径の25%)、
(h)水平公差=3mm、
(i)隣接した多孔板における最も近接した2つの孔の中心間の距離L2=80mm、
(j)ブラインド率=0.65
で設置した無堰多孔板塔を用い、
(k)濡れ液量(対塔断面積)=1.0m3 /m2 ・h、
(m)濡れ液量(対全孔の合計面積)=5.0m3 /m2 ・h
の条件でアクリル酸の蒸留を行った。
【0103】
すなわち、アクリル酸85重量%、酢酸14重量%の液を塔中棚よりフィードし、棚の段数30段、塔頂絶対圧力5.3kPa(40mmHg)、塔頂温度44℃の条件で、2カ月連続運転した。なお、重合禁止剤としてハイドロキノンを使用し、塔頂ベーパーに対して100ppmとなるように塔頂より添加した。また、酸素含有ガスを塔底より、一定量塔内に供給した。運転終了後、内部を点検し結果を表1に示した。
【0104】
〔比較例1〜13〕
実施例1において、30段の無堰多孔板の中の5段について、条件(a)〜(d)、孔の表面形状(すなわち条件(e)・(f))、無堰多孔板塔の条件(g)〜(j)、並びに蒸留の条件(k)・(m)を表1の下線部に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてアクリル酸の蒸留を行った。その結果を表1にまとめてに示す。なお、蒸留の条件(m)については、条件(k)の濡れ液量および条件(d)の開孔率から、次の式にて算出することができる。
【0105】
条件(m)=(濡れ液量)/{(開孔率)/100}
【0106】
【表1】
【0107】
上記表から明らかな通り、本発明における各条件を満たすアクリル酸の蒸留では、重合物の発生は1kg未満となっているが、各条件を満たさない場合には、2.5kgを超える重合物が発生している。
【0108】
以上のように、上記各条件を満たした本発明にかかる無堰多孔板および無堰多孔板塔を用いることにより、あるいは本発明にかかる蒸留方法により、第1の状態および第2の状態が同時かつ確実に実現できるため、易重合性化合物あるいは易重合性化合物含有液を、重合物の生成を効果的に防止して、長期にわたり安定して蒸留することができる。
【0109】
【発明の効果】
本発明にかかる無堰多孔板、無堰多孔板塔、および蒸留方法は、上記各条件を満たしてなるものである。そのため、前述した第1の状態(塔内を濡らした状態)および第2の状態(気体および/または液体の偏流や滞留を回避する状態)の双方を同時かつ確実に実現することが可能になり、重合物の形成を効果的に防止して長期間にわたり安定した蒸留を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る無堰多孔板の構成を示す断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1に示す無堰多孔板における孔の断面形態のバリエーションを示す説明図である。
【図3】図1に示す無堰多孔板を備える本発明にかかる無堰多孔板塔の断面構成の一例を示す説明図である。
【図4】同一棚に複数枚の無堰多孔板を使用して大面積多孔板を形成した状態を示す説明図である。
【図5】(a)は、図4に示す無堰多孔板塔において、同一棚に複数枚の多孔板を使用する場合に、隣接した多孔板の接続部の構成を示す説明図であり、(b)は、隣接した多孔板における最も近接した2つの孔の中心間隔(L2)を示す説明図である。
【図6】(a)・(b)は、多孔板間の接続部の構成を示す説明図であり、(a)が、図4および図5(a)に示す大面積多孔板におけるA−A矢視断面図に対応し、(b)が、図4および図5(a)に示す大面積多孔板におけるB−B矢視断面図に対応する。
【図7】図3に示す無堰多孔板塔において、ブラインド率の基準となる上方および下方の多孔板の孔の重なり部分を示す説明図である。
【図8】図4に示す大面積多孔板において、奇数段目の棚に対する偶数段目棚の設置方向を示す説明図である。
【符号の説明】
1 無堰多孔板(多孔板)
1c 接続部
2 孔
2a 孔縁
2b 突起
3 無堰多孔板塔(塔)
4a サポートリング(支持部材)
4b サポートビーム(支持部材)
5a クランプ(固定部材)
5b ボルト−ナット(固定部材)
11 大面積多孔板
Claims (6)
- 複数個の孔が形成されている無堰多孔板において、
孔径をdとした場合に、下記条件(a)〜(f)
(a)孔径dが10〜25mmの範囲内である
(b)隣接する2つの孔の中心間隔が1.2d〜3dの範囲内である
(c)板厚が2〜8mmの範囲内にある
(d)開口率が10〜30%である
(e)無堰多孔板表面が平坦である
(f)各孔の孔縁における上下の少なくとも一方に曲面を形成する
を満たすことを特徴とする無堰多孔板。 - 上記条件(b)が下記条件(b’)
(b’)隣接する2つの孔の中心間隔が1.2d〜2.5dの範囲内である
であることを特徴とする請求項1記載の無堰多孔板。 - 上記条件(b)が下記条件(b”)
(b”)隣接する2つの孔の中心間隔が1.5d〜2.5dの範囲内である
であることを特徴とする請求項1記載の無堰多孔板。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の無堰多孔板を複数枚棚状に設置してなる無堰多孔板塔であって、
下記条件(g)〜(j)
(g)塔径をDとして、無堰多孔板の設置間隔が0.1D〜0.5Dの範囲内である
(h)各多孔板の水平公差が8mm以下である
(i)同一棚に複数枚の無堰多孔板を使用する場合、隣接した無堰多孔板における最も近接した2つの孔の中心間隔が50〜150mmの範囲内である
(j)隣接する上下の棚における2枚の無堰多孔板のブラインド率が0.2以上である
を満たすことを特徴とする無堰多孔板塔。 - 上記請求項4に記載の無堰多孔板塔を用いて、易重合性化合物または易重合性化合物含有液を蒸留することを特徴とする蒸留方法。
- さらに、濡れ液量が塔断面積に対して0.3m 3 /m 2 ・h以上である条件、および/または、濡れ液量が全孔の合計面積に対して1m 3 /m 2 ・h以上である条件を満たすことを特徴とする請求項5記載の蒸留方法。
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