JP3991478B2 - 電源回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載されたバッテリの電圧を予め定められた設定電圧にまで下げて、自動車用電子制御装置内のマイクロコンピュータ等の電源供給対象に供給する電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、定格が12Vのバッテリを搭載した自動車に用いられる電子制御装置(以下、12V系の自動車用電子制御装置という)においては、図4(A)に示すように、バッテリの電圧(詳しくは、バッテリのプラス端子の電圧であり、以下「バッテリ電圧」ともいう)VB に接続される電源端子JINから、当該電子制御装置装置内に設けられた電源供給対象としてのマイクロコンピュータ等の処理回路12へ至る電源供給経路上に、直列に接続されたトランジスタ(この例ではPNPトランジスタ)Tr2と、そのトランジスタTr2から処理回路12へ出力される電圧が予め定められた設定電圧VC (この例では5V)となるように、上記トランジスタTr2のベース電流を制御する電源IC10とを備えたシリーズ型の電源回路により、バッテリ電圧VB を設定電圧VC にまで下げて処理回路12へ動作電圧として供給するようにしている。
【0003】
つまり、図4(A)に例示する電源回路では、PNPトランジスタTr2のエミッタが電源端子JINを介してバッテリ電圧VB に接続されると共に、該トランジスタTr2のコレクタが処理回路12に接続されており、そのトランジスタTr2は、自己のコレクタから処理回路12へ出力される電圧が常に設定電圧VC (5V)となるように、電源IC10によってリニアに動作させられる。
【0004】
そして、こうした12V系の自動車用電子制御装置に用いられる電源回路(12V系の電源回路)では、一般に、定格12Vのバッテリの電圧変動範囲が、設計仕様上12V±4V(=8V〜16V)程度に定められているため、トランジスタTr2としては、バッテリ電圧VB が12V系の最大電圧である16Vの場合でも電力的に耐え得るようなものが選択される。
【0005】
具体例を挙げて説明すると、設定電圧VC が5Vであり、トランジスタTr2に流れる電流(即ち、処理回路12での消費電流)iの最大値が200mAであるとすると、バッテリ電圧VB が16Vの場合に、トランジスタTr2のコレクタ−エミッタ間電圧VCE2 が最大の11V(=16V−5V)となって、そのトランジスタTr2の消費電力は2.2W(=200mA×11V)となる。よって、トランジスタTr2としては、消費電力が2.2Wに所定の余裕分αを加えた電力(=2.2W+α)の場合でも耐え得るように選択され、場合によっては、ヒートシンクを付加する等の放熱対策が行われることとなる。
【0006】
一方、定格が24Vのバッテリを搭載した自動車に用いられる電子制御装置(以下、24V系の自動車用電子制御装置という)においては、定格24Vのバッテリの電圧変動範囲が、設計仕様上24V±8V(=16V〜32V)程度に定められているため、図4(A)の12V系の電源回路をそのまま使用することができない。
【0007】
つまり、上記12V系の電源回路を構成するトランジスタTr2のエミッタに、定格24Vのバッテリの電圧VB (=16V〜32V)を直接与えるようにすると、トランジスタTr2の消費電力及び発熱が、設計上想定された値よりも大幅に増加してしまうからである。
【0008】
そこで、従来より、24V系の自動車用電子制御装置においては、図4(B)に示すように、図4(A)の12V系の電源回路に対して、NPNトランジスタTr1,ツェナーダイオードZD,及び抵抗R1からなるプリレギュレート回路を追加した電源回路を用いている。即ち、図4(B)に示す24V系の電源回路は、図4(A)の12V系の電源回路に対して、バッテリ電圧VB に接続される電源端子JINとトランジスタTr2のエミッタとの間に、コレクタが電源端子JINに接続され、エミッタがトランジスタTr2のエミッタに接続されたNPNトランジスタTr1を追加すると共に、そのトランジスタTr1のベースと接地電位(=0V)との間に、アノードを接地電位側にしてツェナーダイオードZDを設け、更に、電源端子JINとトランジスタTr1のベースとの間に、トランジスタTr1のベース電流とツェナーダイオードZDに流れる電流とを制限するための抵抗R1を接続するようにしている。
【0009】
そして、この24V系の電源回路では、上記ツェナーダイオードZDのツェナー電圧を、定格12Vのバッテリの最大電圧である16VよりもトランジスタTr1のベース−エミッタ間電圧(約0.6V)の分だけ高い値(=16V+0.6V)に設定しておくことにより、電源端子JINに印加される定格24Vのバッテリの電圧VB (=16V〜32V)を、トランジスタTr1によって16Vにまで低下させてトランジスタTr2のエミッタに供給するようにしている。
【0010】
つまり、図4(B)に示す24V系の電源回路では、バッテリ電圧VB から電源供給対象としての処理回路12へ至る電源供給経路上に、2つのトランジスタTr1,Tr2を直列に接続すると共に、その2つのトランジスタTr1,Tr2のうちでバッテリ電圧VB 側に接続された前段のトランジスタTr1から後段のトランジスタTr2へ、ツェナーダイオードZDの作用によってバッテリ電圧VB を16Vにまで低下させたプリレギュレート電圧が出力されるようにし、更に、後段のトランジスタTr2が前段のトランジスタTr1から出力される16Vの電圧を設定電圧VC (=5V)にまで下げて処理回路12へ出力するように、電源IC10が後段のトランジスタTr2を動作させるようにしている。
【0011】
そして、このような24V系の電源回路を採用すれば、24V系の自動車用電子制御装置に対して、12V系の自動車用電子制御装置に設けられた回路(バッテリ12V系の回路)及びその構成部品をそのまま流用することができ、有利である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4(B)に示した従来の24V系の電源回路では、図5に示すように、バッテリ電圧VB の変動(16V〜32V)に対して、前段のトランジスタTr1のコレクタ−エミッタ間電圧VCE1 は、ほぼVB −16V(=バッテリ電圧VB −プリレギュレート電圧=0V〜16V)となり、後段のトランジスタTr2のコレクタ−エミッタ間電圧VCE2 は、常に約11V(=16V−5V=プリレギュレート電圧−設定電圧VC )となり、各トランジスタTr1,Tr2の消費電力が一方に偏ってしまうという欠点がある。
【0013】
例えば、両トランジスタTr1,Tr2に流れる電流(即ち、処理回路12での消費電流)iが200mAであるとすると、バッテリ電圧VB が16Vの時には、トランジスタTr1の消費電力はほぼ0W(=200mA×0V)となり、トランジスタTr2の消費電力は約2.2W(=200mA×11V)となる。また、バッテリ電圧VB が32Vの時には、トランジスタTr1の消費電力が約3.2W(=200mA×16V)となり、トランジスタTr2の消費電力は約2.2Wのままである。
【0014】
つまり、図4(B)に示した従来の電源回路では、バッテリ電圧VB を前段のトランジスタTr1により常に一定電圧(=16V)にプリレギュレートして後段のトランジスタTr2へ供給するようにしているため、バッテリ電圧VB が変動しても後段のトランジスタTr2の消費電力は一定となり、バッテリ電圧VB の変動に伴う両トランジスタTr1,Tr2での総消費電力の変動分は、前段のトランジスタTr1だけが受け持つこととなる。
【0015】
このため、図4(B)に示した従来の電源回路では、前段のトランジスタTr1の最大消費電力(即ち、バッテリ電圧VB が最大の時の消費電力)が非常に大きな値(上記例では約3.2W)となってしまう。よって、前段のトランジスタTr1として、より大きな消費電力に耐え得るトランジスタを用いる必要が生じ、後段のトランジスタTr2と同等のトランジスタを用いることができなくなる。
【0016】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、24V系の自動車用電子制御装置に用いるのに極めて好適な電源回路を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の電源回路は、図4(B)に示した従来の24V系の電源回路と同様に、自動車に搭載されたバッテリの電圧(バッテリ電圧)VB から自動車用電子制御装置内に設けられた電源供給対象へ至る電源供給経路上に直列に接続された2つのトランジスタを備えている。そして、本発明の電源回路においても、前記2つのトランジスタのうちでバッテリの電圧VB 側に接続された前段のトランジスタから電源供給対象側に接続された後段のトランジスタへ、バッテリの電圧VB を低下させた電圧(プリレギュレート電圧)を出力し、後段のトランジスタは、前段のトランジスタから出力される電圧を予め定められた設定電圧VC にまで下げて電源供給対象へ出力するように、電圧制御手段によって動作させられる。
【0018】
ここで特に、本発明の電源回路では、バッテリの電圧VB と、後段のトランジスタから電源供給対象へ出力される電圧(即ち、設定電圧VC )との間に、2つの抵抗が直列に接続されている。そして、前段のトランジスタは、前記電源供給経路にてコレクタがバッテリの電圧VB 側に接続され、エミッタが後段のトランジスタ側に接続されたNPNトランジスタであり、その前段のトランジスタのベースが、前記2つの抵抗同士の接続点に接続されている。
【0019】
このような本発明の電源回路においては、前記2つの抵抗のうちで、バッテリ電圧VB 側の抵抗の抵抗値をmとし、後段のトランジスタから電源供給対象へ出力される設定電圧VC 側の抵抗の抵抗値をnとすると、前段のトランジスタとしてのNPNトランジスタのベースには、下記の式1に示すように、バッテリ電圧VB と設定電圧VC とを前記2つの抵抗によりm対nに分圧した電圧VBASEが印加されることとなり、前段のトランジスタのエミッタの電圧であって、該前段のトランジスタから後段のトランジスタへ出力されるプリレギュレート電圧は、上記分圧電圧VBASEより前段のトランジスタのベース−エミッタ間電圧(約0.6V)だけ低い電圧(=VBASE−0.6V)となる。
【0020】
【数1】
VBASE=(VB −VC )×n/(m+n)+VC …式1
このため、前段のトランジスタでの電圧降下(即ち、前段のトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧であり、延いては、前段のトランジスタの消費電力)と、後段のトランジスタでの電圧降下(延いては、後段のトランジスタの消費電力)との比は、バッテリ電圧VB が変動しても常にほぼm対nとなる。
【0021】
つまり、前段のトランジスタのベース−エミッタ間電圧を無視すれば、両トランジスタでの電圧降下及び消費電力の比は、常に前記2つの抵抗の抵抗比(m対n)となり、バッテリ電圧VB の変動に伴う両トランジスタでの総消費電力(即ち、当該電源回路での総消費電力)の変動分は、前段のトランジスタと後段のトランジスタとの両方が、m対nに受け持つこととなる。
【0022】
よって、本発明の電源回路によれば、当該電源回路での総消費電力を2つのトランジスタにm対nで分散させることができ、その結果、図4(B)に示した従来の電源回路のように、バッテリ電圧VB が最大の時に前段のトランジスタの消費電力が非常に大きくなってしまうことを防止することができる。このため、前段のトランジスタとして、消費電力が小さいものを選択することができるようになり、例えば後段のトランジスタと同等のトランジスタを用いることができるようになる。そして、総消費電力が一定の比率(m対n)で両トランジスタに分散されるため、各トランジスタの信頼性も向上させることができる。
【0023】
また、本発明の電源回路によれば、バッテリ電圧VB の変動に対する各トランジスタの消費電力の変化状態が同じになるため、各トランジスタの選定や放熱設計が容易になる。
また更に、図4(B)に示した従来の電源回路では、後段のトランジスタの消費電力がバッテリ電圧VB に拘わらず常に一定であったが、本発明の電源回路では、バッテリ電圧VB の低下に伴い後段のトランジスタの消費電力も小さくなるため、発熱を考慮した放熱設計の面で有利である。つまり、バッテリ電圧VB は、通常、定格電圧付近で変動し、長時間に亘って最大電圧付近になることはないため、本発明の電源回路のように、バッテリ電圧VB の変動に応じて後段のトランジスタの消費電力も変動するようになれば、後段のトランジスタの発熱量が低下する期間を稼ぐことができ、放熱対策及び信頼性の面で有利である。
【0024】
ところで、前記2つの抵抗の抵抗値を、請求項2に記載の如く同じ値に設定すれば、前段のトランジスタと後段のトランジスタとの消費電力を1対1にして、当該電源回路での総消費電力を2つのトランジスタに全く均等に分散させることができ、より効果的である。
【0025】
但し、例えば、前段のトランジスタのエミッタから前記電源供給対象以外の別の回路で用いる電流を取り出すように構成した場合には、前段のトランジスタに流れる電流の方が後段のトランジスタに流れる電流よりも大きくなって、前段のトランジスタの方が後段のトランジスタよりも発熱面で厳しくなる。また例えば、各トランジスタの自動車用電子制御装置内での実装位置によっては、一方のトランジスタの放熱性が他方のトランジスタの放熱性よりも小さくなり、発熱バランスが均等にならない場合もある。よって、上記各例のような場合には、発熱面でより厳しい方のトランジスタの消費電力が小さくなるように、前記2つの抵抗の抵抗比を調整すれば良い。そして、このような場合でも、本発明の電源回路によれば、2つの抵抗の抵抗比を変えるだけで、2つのトランジスタの消費電力のバランスを調整することができ、電力設計が非常に容易となる。
【0026】
一方、後段のトランジスタとしては、請求項3に記載のように、PNPトランジスタを用い、その後段のトランジスタのエミッタを前段のトランジスタのエミッタに接続すると共に、その後段のトランジスタのコレクタを電源供給対象に接続するように構成すれば、電源供給対象へ容易に設定電圧VC を供給できる点で有利である。
【0027】
つまり、後段のトランジスタとして、仮にNPNトランジスタを用いた場合には、その後段のトランジスタのコレクタが前段のトランジスタのエミッタに接続されると共に、その後段のトランジスタのエミッタが電源供給対象に接続されることとなるが、この場合に後段のトランジスタを動作させるためには、そのベースに設定電圧VC よりも高い電圧を与えなければならない。これに対して、請求項3に記載の如く後段のトランジスタとしてPNPトランジスタを用いれば、その後段のトランジスタは、ベースに設定電圧VC よりも低い電圧が与えられた状態で動作可能であるため、電圧制御手段の構成が簡単になる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。
まず図1は、本発明が適用された実施形態の電源回路の構成を表す回路図である。
【0029】
尚、本実施形態の電源回路は、図4(B)に示した従来の電源回路と同様に、定格が24Vのバッテリを搭載した自動車に用いられる電子制御装置(24V系の自動車用電子制御装置)に設けられ、16Vから32Vまでの範囲で変動するバッテリ電圧VB を5Vの設定電圧VC にまで下げて、その設定電圧VC を上記電子制御装置内に設けられた電源供給対象としてのマイクロコンピュータ等の処理回路12へ動作電圧として供給するものである。また、図1において、図4(B)に示した従来の電源回路と同じ役割の部品については、同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の電源回路は、図4(B)に示した従来の電源回路と比較して、ツェナーダイオードZDを備えておらず、また、バッテリ電圧VB に接続される電源端子JINと前段のNPNトランジスタTr1のベースとの間には、抵抗R1に代えて抵抗Raが接続されている。そして更に、前段のNPNトランジスタTr1のベースと、後段のPNPトランジスタTr2のコレクタとの間に、抵抗Rbが接続されている。
【0031】
つまり、本実施形態の電源回路では、バッテリ電圧VB と、後段のPNPトランジスタTr2から処理回路12へ出力される設定電圧VC (=5V)との間に、2つの抵抗Ra,Rbが直列に接続されていると共に、前段のNPNトランジスタTr1のベースが、2つの抵抗Ra,Rb同士の接続点に接続されている。
【0032】
そして、本実施形態の電源回路において、前段のNPNトランジスタTr1には抵抗Raを介してベース電流が供給されるが、その抵抗Raの抵抗値は、24V系のバッテリ電圧VB が最低電圧である16Vの場合でも、前段のNPNトランジスタTr1が処理回路12での消費電流iを十分に流すことができる値に設定されている。そして更に、抵抗Rbの抵抗値は、前段のNPNトランジスタTr1のエミッタから後段のPNPトランジスタTr2のエミッタへ出力されるプリレギュレート電圧(バッテリ電圧VB を低下させた電圧)が、バッテリ電圧VB と設定電圧VC との中間電圧となるように、抵抗Raの抵抗値と同じ値に設定されている。
【0033】
例えば、バッテリ電圧VB が16Vで、処理回路12での消費電流iが200mAで、前段のNPNトランジスタTr1の直流増幅率(hFE)が400であるとすると、前段のNPNトランジスタTr1のベース電流は0.5mA以上必要となり、その0.5mA以上のベース電流を確保しようとすると、抵抗Raの抵抗値は11kΩ以下となる。そして、抵抗Rbに流れる電流Irbを、NPNトランジスタTr1のベース電流よりも十分に大きく、且つ、消費電流iよりも十分に小さくすることを前提として10mA程度とすると、抵抗Raの抵抗値と抵抗Rbの抵抗値は、共に550Ωとなる。但し、抵抗Ra,Rbとして、一般に販売されている固定抵抗器を用いる場合には、あらゆる抵抗値のものがあるわけではないので、両抵抗Ra,Rbの抵抗値は、上記例のような設計思想で適宜選択すれば良い。
【0034】
尚、本実施形態では、後段のPNPトランジスタTr2から処理回路12へ出力される電圧が設定電圧VC となるように、上記PNPトランジスタTr2のベース電流を制御する電源IC10が、電圧制御手段に相当している。
以上のように構成された本実施形態の電源回路において、前段のNPNトランジスタTr1のベースには、バッテリ電圧VB と設定電圧VC とを2つの抵抗Ra,Rbにより1対1に分圧した電圧「(VB −5V)/2+5V」が印加されることとなり、前段のNPNトランジスタTr1のエミッタの電圧であって、該トランジスタTr1から後段のPNPトランジスタTr2へ出力されるプリレギュレート電圧は、上記分圧電圧「(VB −5V)/2+5V」より前段のNPNトランジスタTr1のベース−エミッタ間電圧(約0.6V)だけ低い電圧「(VB −5V)/2+5V−0.6V」となる。
【0035】
このため、前段のNPNトランジスタTr1のベース−エミッタ間電圧を無視すれば、図2に示すように、前段のNPNトランジスタTr1のコレクタ−エミッタ間電圧VCE1 と、後段のPNPトランジスタTr2のコレクタ−エミッタ間電圧VCE2 とは、バッテリ電圧VB の変動(16V〜32V)に対して常に1対1となり、両方共に同じ値(=(VB −5V)/2)となる。
【0036】
よって、両トランジスタTr1,Tr2での消費電力は常に同じになり、バッテリ電圧VB の変動に伴う両トランジスタTr1,Tr2での総消費電力(即ち、当該電源回路での総消費電力)の変動分は、前段のNPNトランジスタTr1と後段のPNPトランジスタTr2との両方が、1対1に受け持つこととなる。
【0037】
従って、本実施形態の電源回路によれば、当該電源回路での総消費電力を2つのトランジスタTr1,Tr2に全く均等に分散させることができ、その結果、図4(B)に示した従来の電源回路のように、バッテリ電圧VB が最大の時に前段のNPNトランジスタTr1の消費電力が非常に大きくなってしまうことを防止することができる。このため、前段のNPNトランジスタTr1として、消費電力が小さいものを選択することができるようになり、例えば後段のPNPトランジスタTr2と同等のトランジスタを用いることができるようになる。そして、総消費電力が両トランジスタTr1,Tr2に均等に分散されるため、各トランジスタTr1,Tr2の信頼性も向上させることができる。
【0038】
また、本実施形態の電源回路によれば、図2からも分かるように、バッテリ電圧VB の変動に対する各トランジスタTr1,Tr2の消費電力の変化状態が同じになるため、各トランジスタTr1,Tr2の選定や放熱設計が容易になる。
また更に、本実施形態の電源回路では、バッテリ電圧VB の低下に伴い後段のPNPトランジスタTr2の消費電力も小さくなるため、発熱を考慮した放熱設計の面で有利である。つまり、バッテリ電圧VB は、通常、定格電圧付近で変動し、長時間に亘って最大電圧付近になることはないため、図4(B)に示した従来の電源回路と比較して、後段のPNPトランジスタTr2の発熱量が低下する期間を稼ぐことができ、放熱対策及び信頼性の面で有利である。
【0039】
尚、本実施形態の電源回路において、NPNトランジスタTr1のベース−エミッタ間電圧を無視して説明すると、バッテリ電圧VB が16Vまで低下した場合でも、PNPトランジスタTr2のエミッタに供給されるプリレギュレート電圧は、10.5Vとなり、定格12Vのバッテリの場合の最小電圧である8Vを十分に越えているため、問題なく動作する。
【0040】
また、バッテリ電圧VB が32Vまで上昇した場合のプリレギュレート電圧は、18.5Vとなり、定格12Vのバッテリの場合の最大電圧である16Vを若干越えるが、前述したPNPトランジスタTr2の余裕分αで吸収することができ、大きな問題とはならない。そして、この場合、図4(B)に示した従来の電源回路では、前段のNPNトランジスタTr1のコレクタ−エミッタ間電圧VCE1 が16Vとなるのに対して、本実施形態の電源回路では13.5Vとなるため、前段のNPNトランジスタTr1の消費電力が小さくなり、その結果、両トランジスタTr1,Tr2として同等のものが使用できるようになる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態の電源回路において、バッテリ電圧VB が32Vまで上昇した場合のプリレギュレート電圧をどうしても16V以下に抑えたい場合には、図4(B)に示した従来の電源回路と同様に、前段のNPNトランジスタTr1のベースと接地電位(=0V)との間に、アノードを接地電位側にしてツェナーダイオードを設けるようにしても良い。
【0042】
一方、上記実施形態の電源回路では、2つの抵抗Ra,Rbの抵抗値を同じ値に設定したが、両抵抗Ra,Rbの抵抗値の比は、適宜設定することができる。
例えば、図3に示す如く、自動車用電子制御装置内において、前段のNPNトランジスタTr1が単独でヒートシンク21に取り付けられ、後段のPNPトランジスタTr2がアクチュエータを駆動する駆動用トランジスタTr3と一緒に他のヒートシンク22に取り付けられるといった具合に、後段のPNPトランジスタTr2の方が前段のNPNトランジスタTr1よりも放熱性の面で厳しくなるような場合には、後段のPNPトランジスタTr2の方が前段のNPNトランジスタTr1よりも消費電力が小さくなるように、抵抗Rbの抵抗値を抵抗Raの抵抗値よりも小さく設定すれば良い。
【0043】
また例えば、前段のNPNトランジスタTr1のエミッタから処理回路12以外の別の回路で用いる電流を取り出すように構成した場合には、前段のNPNトランジスタTr1に流れる電流の方が後段のPNPトランジスタTr2に流れる電流よりも大きくなるため、このような場合には、両トランジスタTr1,Tr2の消費電力が同じになるように、抵抗Raの抵抗値を抵抗Rbの抵抗値よりも小さく設定すれば良い。
【0044】
一方更に、後段のトランジスタTr2としては、NPNトランジスタジスを用いることもできる。但し、上記実施形態のように、後段のトランジスタTr2としてPNPトランジスタを用いれば、その後段のトランジスタTr2は、ベースに設定電圧VC よりも低い電圧が与えられた状態で動作可能であるため、電圧制御手段としての電源IC10の構成が簡単になり有利である。
【0045】
また、電源供給対象としての処理回路12は、マイクロコンピュータに限るものではなく、他の論理回路等、所定の動作電圧を受けて動作する様々な回路が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の電源回路の構成を表す回路図である。
【図2】 実施形態の電源回路の作用を説明する説明図である。
【図3】 実施形態の電源回路の自動車用電子制御装置における実装状態を説明する模式図である。
【図4】 従来の電源回路の構成を表す回路図である。
【図5】 従来の電源回路の問題点を説明する説明図である。
【符号の説明】
JIN…電源端子 Tr1…NPNトランジスタ(前段のトランジスタ)
Tr2…PNPトランジスタ(後段のトランジスタ) Ra,Rb…抵抗
10…電源IC 12…処理回路 21,22…ヒートシンク
Tr3…駆動用トランジスタ

Claims (3)

  1. 自動車に搭載されたバッテリの電圧から自動車用電子制御装置内に設けられた電源供給対象へ至る電源供給経路上に直列に接続された2つのトランジスタを備えると共に、前記2つのトランジスタのうちで前記バッテリの電圧側に接続された前段のトランジスタから前記電源供給対象側に接続された後段のトランジスタへ、前記バッテリの電圧を低下させた電圧を出力するように構成され、
    更に、前記後段のトランジスタが、前記前段のトランジスタから出力される電圧を予め定められた設定電圧にまで下げて前記電源供給対象へ出力するように、前記後段のトランジスタを動作させる電圧制御手段を備えた電源回路において、
    前記バッテリの電圧と前記後段のトランジスタから前記電源供給対象へ出力される電圧との間に直列に接続された2つの抵抗を備えると共に、
    前記前段のトランジスタは、前記電源供給経路にてコレクタが前記バッテリの電圧側に接続され、エミッタが前記後段のトランジスタ側に接続されたNPNトランジスタであり、該前段のトランジスタのベースが、前記2つの抵抗同士の接続点に接続されていること、
    を特徴とする電源回路。
  2. 請求項1に記載の電源回路において、
    前記2つの抵抗の抵抗値が同じ値に設定されていること、
    を特徴とする電源回路。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電源回路において、
    前記後段のトランジスタは、PNPトランジスタであり、該後段のトランジスタのエミッタが前記前段のトランジスタのエミッタに接続され、前記後段のトランジスタのコレクタが前記電源供給対象に接続されていること、
    を特徴とする電源回路。
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