JP3991477B2 - 空気調和機の室内ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、吸い込んだ室内の空気を熱交換して吹き出す空気調和機の室内ユニットに関するものであり、特に、吹き出し口を2つ有する、2方向吹出しの空気調和機の室内ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の技術における、2方向吹出しの天井埋込み型空気調和機の室内ユニットの構成を示した構成図である。図8において、1は室内ユニットを囲う外郭部材、3、4は熱交換器、6、7は横流ファン、10、11は熱交換器を支持し流れ落ちる凝縮水を受けるドレンパン、13は室内空気を吸い込む吸入口、15、16は熱交換した調整空気を吹き出す吹き出し口、18は吸い込み風路、20、21は吹き出し風路である。室内ユニットは横流ファン6、7に対して、熱交換器3、4を一つずつ配置している。
【0003】
動作を説明する。横流ファン6は反時計回りに、横流ファン7は時計回りに回転する。室内ユニットでは吸入口13から室内空気を吸込み、左右に設置されている熱交換器3、4にて冷却、若しくは加熱され、吹き出し口15、16より調和空気を室内に吹出す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
2方向吹出しの天井埋込み型空気調和機の室内ユニットにおいては、部屋をゾーンに分けて空調する場合に、2つのファンの回転数を変えることで左右の吹出し口からの風量を変化させ、一方の風量を他方の風量よりも多くすることが行われている。一方、従来の2方向吹出しの天井埋込み型空気調和機の室内ユニットでは、二つの吹き出し口15、16から吹出される調和空気は、共通の一つの吸入口13から吸入されていた。そのため、共通の吸入口から吸い込まれた空気は、回転数の高い方のファンに集まってしまい、回転数の低い方への空気が十分に流入せず、回転数の低いファンからの吹き出される風量を十分に確保できないため、空気調和機の熱交換性能を悪化させるという問題があった。
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、室内の条件に応じて効率的に室内の空調を行う室内ユニットを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、吸入した空気を第1の吹き出し口と第2の吹き出し口から排出する空気調和機の室内ユニットにおいて、それぞれ異なるとともに異なる回転数にすることが可能な第1のファン、第2のファンと、それぞれ異なる前記第1の吹き出し口、第2の吹き出し口と、それぞれ異なる第1の熱交換部、第2の熱交換部と、それぞれ異なる第1の吸入口、第2の吸入口とを有し、前記第1の熱交換部は前記第1の吸入口から吸入された空気を熱交換し、前記第2の熱交換部は前記第2の吸入口から吸入された空気を熱交換し、前記第1のファンは、前記第1の吸入口から吸入され、前記第1の熱交換部が熱交換した空気を前記第1の吹き出し口へ送り前記第1のファンよりも回転数が低い前記第2のファンは、前記第1の吸入口から吸入され、前記第1の熱交換部が熱交換した空気を前記第2の吹き出し口へ送り、かつ前記第2の吸入口から吸入され、前記第2の熱交換部が熱交換した空気を前記第2の吹き出し口へ送る、ことを特徴とするものである。
【0006】
第2の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第1の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1及び第2の熱交換部とは異なる第3の熱交換部と、前記第1及び第2の吸入口とは異なる第3の吸入口とを有し、前記第3の熱交換部は前記第3の吸入口から吸入された空気を熱交換し、前記第1のファンは、前記第3の吸入口から吸入され、前記第3の熱交換部が熱交換した空気を前記第1の吹き出し口へ送ることを特徴とするものである。
【0007】
第3の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第2の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1、第2及び第3の吸入口と前記第1及び第2の吹き出し口は前記空気調和機の室内ユニットの同一側面に並列に設けられ、前記第1の吸入口は、前記第1の吹き出し口と第2の吹き出し口の間に設けられ、前記第2の吸入口は、前記第1の吸入口と第2の吹き出し口の間に設けられ、前記第3の吸入口は、前記第1の吸入口と第1の吹き出し口の間に設けられたことを特徴とするものである。
【0008】
第4の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第2もしくは第3の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1の熱交換部は第4及び第5の熱交換部を有し、前記第1及び第2のファンは横流ファンであり、前記第2の熱交換部は、前記第2の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第2の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第3の熱交換部は、前記第3の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第3の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第4の熱交換部は、前記第1の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第1の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第5の熱交換部は、前記第1の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第1の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第3の熱交換部の吸入口側端部と前記第4の熱交換部の吸入口側端部との距離は、前記第3の熱交換部の反対側端部と前記第4の熱交換部の反対側端部との距離よりも小さく、前記第2の熱交換部の吸入口側端部と前記第5の熱交換部の吸入口側端部との距離は、前記第2の熱交換部の反対側端部と前記第5の熱交換部の反対側端部との距離よりも小さいことを特徴とするものである。
【0009】
第5の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第1、第2、第3又は第4の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1の吹き出し口より吹き出される風量と前記第2の吹き出し口より吹き出される風量とは異なることを特徴とするものである。
【0010】
第6の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、前記第5の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1のファンの径と前記第2のファンの径とは異なることを特徴とするものである。
【0011】
第7の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第2、第3、第4、第5又は第6の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1の熱交換部は第4及び第5の熱交換部を有し、前記第1のファンは、前記第4の熱交換部により熱交換された空気を前記第1の吹き出し口に送り、前記第2のファンは、前記第5の熱交換部により熱交換された空気を前記第2の吹き出し口に送り、前記第3及び第4の熱交換部の熱交換面積の和は、前記第2及び第5の熱交換部の熱交換面積の和とは異なることを特徴とするものである。
【0012】
第8の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第1、第2、第3、第4、第5、第6又は第7の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記空気調和機の室内ユニットは、第1の風路と当該第1の風路とは異なる第2の風路を有し、前記第1の吸入口から吸入された空気は、前記第1の風路を通って前記第1のファンに送られ、前記第2の風路を通って前記第2のファンに送られることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の一実施の形態である、天井埋込み型空気調和機の室内ユニットの概略を示す構成図である。図は横流ファンの回転軸に垂直な面での断面図である。室内ユニットは下部開口の箱状の外殻部材1を有し、外殻部材1は全体を板材と断熱材との積層構造体により構成されている。
外殻部材1内には室内空気を熱交換する平板状の熱交換器2、3、4、5が設けられている。
【0014】
これらの熱交換器は、断面において、相互に屈折して配置され、W字状に配置されている。熱交換器2、3と熱交換器4、5のV字形の配置部間には、円筒状の横流ファン6、7がそれぞれ配置されており、横流ファン6、7は両側をそれぞれ熱交換器2、3と熱交換器4、5に挟まれて室内ユニットに配置されている。熱交換器2、3と熱交換器4、5は、横流ファン6、7の間の中心面に関して対称に配置されている。8、9は、熱交換器を指示するスタビライザであり、10、11は熱交換器を支持すると同時に、熱交換器から流れ落ちる凝縮水を受けるドレンパンである。
【0015】
上記の熱交換器は、各々の熱交換器の一側面が、それぞれファンに対向するファン対向面を形成する。31〜34は、各熱交換器2〜5のファン対向面である。各熱交換器2〜5は、ドレンパン10、11により支持されれた吸入口側に近い吸入口側端部35、37、39、41と、その反対側で吸入口側より遠く、外郭部材1もしくはスタビライザ8、9により支持されれる反対側端部36、38、40、42をそれぞれ有している。熱交換器2の吸入口側端部31と熱交換器3の吸入口側端部37との距離は、熱交換器2の反対側端部36と熱交換器3の反対側端部38との距離よりも近い。
【0016】
又、熱交換器4の吸入口側端部39と熱交換器5の吸入口側端部41との距離は、熱交換器4の反対側端部40と熱交換器5の反対側端部42との距離よりも近く配置されている。又、熱交換器3の吸入口側端部37と熱交換器4の吸入口側端部39との距離は、熱交換器3の反対側端部38と熱交換器4の反対側端部40との距離よりも遠く配置されている。
スタビライザー8は熱交換器2の反対側端部36を支持すると同時に、室内空気の風路17と調和空気の風路20を区画している。スタビライザー9は熱交換器5の反対側端部42を支持すると同時に、室内空気の風路19と調和空気の風路21を区画している。風路とは空気が流れる空間を言う。
【0017】
ドレンパン10とスタビライザー8にて室内は、室内空気を吸い込む吸入口12を区画する吸入口12の端部を構成し、ドレンパン10とドレンパン11は室内より室内空気を吸い込む吸入口13を区画する吸入口13の端部を構成する。又、ドレンパン11とスタビライザー9は室内より室内空気を吸い込む吸入口14を区画する吸入口14の端部を構成する。
外殻部材1とスタビライザー8は、調和空気を室内に吹き出す吹き出し口15を区画する出す吹き出し口15の端部を構成し、外殻部材1とスタビライザー9は、調和空気を室内に吹き出す吹き出し口16を区画する吹き出し口16の端部を構成している。各吹き出し口と吸入口は、室内ユニットの一側面であって、室内に向けられた室内側側面に設けられいる。
【0018】
動作について説明する。図1において、横流ファン6は反時計廻り方向へ、横流ファン7は時計廻り方向へそれぞれ回転駆動して、熱交換器から受けた調和空気を吹き出し口に送出する。
横流ファン6の回転により吸入口12から吸い込まれた室内空気は、風路17を通り、熱交換器2にて冷却若しくは加熱され、調和空気の風路20を通り、吹き出し口15より調和空気として室内に吹出される。同様に、横流ファン6の回転により、吸入口13から吸い込まれた室内空気は、風路18を通り、熱交換器3にて冷却若しくは加熱され、調和空気の風路20を通り、吹き出し口15より室内に吹出される。
【0019】
一方、横流ファン7の回転により、吸入口14から吸い込まれた室内空気は、風路19を通り、熱交換器5にて冷却若しくは加熱され、調和空気の風路21を通り、吹き出し口16より調和空気を室内に吹出される。同様に、横流ファン7の回転により、吸入口13から吸い込まれた室内空気は、風路18を通り、熱交換器4にて冷却若しくは加熱され、調和空気の風路21を通り、吹き出し口15より調和空気を室内に吹出される。
【0020】
以上のように、本実施の形態においては、3つの吸入口それぞれに対応した熱交換器が設けられ、それぞれの熱交換器のファンに対するファン対向面が相互に屈折して配置されW字形を形成しているので、従来の、1つの吸入口に2つの熱交換器を配置した室内ユニットと比較して、熱交換面積を増加することができ、室内ユニットにおける熱交換の大容量化を実現することが可能となる。
又、従来の室内ユニットと同等の能力の室内ユニットを作製する場合に、従来の室内ユニットと同一熱交換面積を得る場合には熱交換器の寸法を短縮することが可能となり、ユニットの小型化を図ることができ、大きな熱交換面積、吸込面積を得つつ、ユニットの小型化を実現できる。
【0021】
さらに、室内をゾーンに分けて空調する場合等のために、2つのファンの回転数を変えて、2つの吹き出し口からの風量に差を設ける場合、2つのファンに共通の吸入口13から吸い込まれた空気は、回転数の高い方のファンに集まるが、吸入口13の他に、各ファンに専用の吸入口12、14を設けたので、回転数の低い方のファンにも専用の吸入口から十分な室内空気が送られ、熱交換能力を下げることなく室内の条件に応じて効率的に室内の空調を行うことが可能となる。
【0022】
尚、この実施の形態において、吸入口12が第3の吸入口、吸入口13が第1の吸入口を構成し、吸入口14が第2の吸入口を構成する。吹き出し口15が第1の吹き出し口を構成し、吹き出し口16が第2の吹き出し口を構成する。横流ファン6が第1のファンもしくは横流ファンを構成し、横流ファン7が第2のファン、もしくは横流ファンを構成する。
熱交換器2、5のそれぞれが、第3、第2の熱交換部を構成し、熱交換器3及び4により第1の熱交換部を構成する。さらに、熱交換器3が第4の熱交換部を、熱交換器4が第5の熱交換部を構成する。吸入口側端部35、37、39、41のそれぞれが、第3、第4、第5、第2の熱交換部の吸入口側端部を構成し、反対側端部36、38、40、42のそれぞれが、第3、第4、第5、第2のの熱交換部の吸入口側端部を構成する。これらの構成は、一例にすぎないことは言うまでもない。
【0023】
尚、室内ユニットは天井に埋めこむことなく、天井に据え付けても良いし、壁に設置してもよい。複数の熱交換器を用いて配置するのではなく、一体化されたW字状の熱交換器や、2つのV字状の熱交換器を用いてもよく、吸入口13は二つ以上に分割されていてもよい。又、吹き出し口は2以上有するものでもよい。熱交換器は平板状ではなく屈曲したものでもよい。これらの点は以下の実施の形態において同様である。
【0024】
実施の形態2.
本実施の形態は、実施の形態1において、熱交換器2と吸入口12を取り除いたものである。図2はこの実施の形態における天井埋込み型空気調和機の室内ユニットの概略を示す構成図である。熱交換器3、4、5のファン対向面を相互に屈折させてをN字形に配置し、スタビライザー8と熱交換器3の上方に横流ファン6を、熱交換器4と熱交換器5の上方に横流ファン7を配置している。
熱交換器4の吸入口側端部39と熱交換器5の吸入口側端部との距離41は、熱交換器4の反対側端部40と熱交換器5の反対側端部42との距離よりも近く配置されている。又、熱交換器3の吸入口側端部37と熱交換器4の吸入口側端部39との距離は、熱交換器3の反対側端部38と熱交換器4の反対側端部40との距離よりも遠く配置されている。スタビライザー8は熱交換器3の吸入口側端部37を支持している。他の構成は、図1と同様であり、説明を省略する。動作についても、実施の形態1と略同様であり、説明を省略する。
【0025】
以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1の奏する効果に加え、吸入口12と熱交換器2を取り除き、熱交換器3、4、5をN字形に配置したので、実施の形態1よりも製品寸法を短くすることが可能になり、ユニットのさらなる小型化を図ることができる。また、スタビライザー8が吸込風路を形成していないためスタビライザーに断熱を施すことにより吹出風路の露付を防ぐことができる。
【0026】
又、本実施の形態における室内ユニットを室内の入り口付近に据付けた場合に、吹き出し口16を室内の入り口に向けて設置することにより、従来の室内ユニットでは室内外への出入りにより室内温度が変化してしまうが、本形態における室内ユニットでは、温度の低い調和空気を室内出入り口に向けて吹出すことにより室内温度の変化を少なくすることができる。
【0027】
実施の形態3.
本実施の形態は、実施の形態1において、熱交換器3、4の形状を変えたものである。図3はこの実施の形態における室内ユニットの概略を示す構成図である。熱交換器3、4の相当部は、それぞれ熱交換器3a、3b、4a、4bにより構成されている。熱交換器3a、3bは、ファンに対向する対向面が相互に屈折して配置され、熱交換器4a、4bも相互に屈折して配置され、共にくの字状を形成している。
【0028】
各熱交換器3a、3b、4a、4bは、吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で吸入口側より遠い反対側端部を有している。熱交換器3aの吸入口側端部と熱交換器3bの反対側端部との距離は、熱交換器3aの反対側端部と熱交換器3bの吸入口側端部との距離よりも大きい。又、熱交換器4aの吸入口側端部と熱交換器4bの反対側端部との距離は、熱交換器4aの反対側端部と熱交換器4bの吸入口側端部との距離よりも大きくなるように配置されている。
他の構成及び、動作は実施の形態1における説明と同様であり、説明を省略する。
【0029】
以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1の奏する効果に加え、熱交換器3、4を分割してくの字形に配置することにより実施の形態1の熱交換器3、4より熱交換面積を増やすことができ、吸込風路18より熱交換器3、4を通過する室内空気の量は実施の形態1よりも大きくなるので、大容量の熱交換器を搭載することができる。
尚、熱交換器2、5を3つ以上に分割することにより、実施の形態1の熱交換器より熱交換面積を増やすことができ、さらに室内ユニットの大容量化を実現できる。また、室内ユニットの構成において、熱交換器3、4、それぞれを2分割以上しても同様の効果を得ることができる。
【0030】
実施の形態4.
本実施の形態は、実施の形態1において、熱交換器の大きさを変化させたものである。図4はこの実施の形態の室内ユニットの構成を示す構成図である。図において、熱交換器2と熱交換器5は同じ大きさであり、熱交換器3は熱交換器4よりも大きな構成となっている。その他の構成及び動作については実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
以上のように、本実施の形態においては、吹き出し口15に調整空気を送出する熱交換器の熱交換面積が、吹き出し口16に調整空気を送出する熱交換機の熱交換面積よりも大きいように構成されているので、吹き出し口15から吹き出される調和空気は吹き出し口16より吹き出される調和空気よりも冷却され、温度が低くなる。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1の奏する効果に加え、本実施の形態における室内ユニットを室内の入り口付近に据付けた場合に、吹き出し口15を室内の入り口に向けて設置することにより、従来の室内ユニットでは室内への出入りにより室内温度が変化してしまうが、本形態における室内ユニットではより冷却された調和空気を室内出入り口に向けて吹出すことにより室内温度の温度むらを少なくすることが可能となる。
【0032】
尚、吹き出し口15から吹き出される調和空気が吹き出し口16より吹き出される調和空気よりも冷却されたもにするには、吸入口の数はいくつでもよく、配置もW字状に限らずどのような配置でもよい。また、熱交換器の大きさに差を設けるのではなく、熱交換器の数や、単位熱交換面積あたりの熱交換能力のことなる熱交換器を配置してもよい。さらに、ファンと熱交換機の配置は、ファンの後ろに熱交換機を配置してもよい。つまり、ファンにより送出された空気を熱交換器が熱交換するように配置してもよい。
【0033】
実施の形態5.
本実施の形態は、実施の形態1において、横流ファン6、7の径を変化させたものである。図5はこの実施の形態に係る室内ユニットの構成図である。図において、横流ファン6の半径よりも横流ファン7の半径の方が大きい構成となっている。その他の構成は実施の形態1の相当部を構成し説明を省略する。
【0034】
動作について説明する。基本的動作は実施の形態1と同様である。実施の形態1においては風路20、21より吐出される調和空気の量が均等に吹き出しているが、実施の形態5において横流ファン6、7の径を変化させることにより、左右の調和空気の吹出量を変化させることができる。
以上のように、本実施の形態においては、横流ファン6の半径よりも横流ファン7の半径の方が大きい構成となっているので、吹き出し口16からの吹出風量が吹き出し口15からの吹出風量よりも多い。
【0035】
これにより、実施の形態1の奏する効果に加え、従来室内の中央部に設置していた室内ユニットを室内中央部以外の場所に設置した場合でも調和空気を実施の形態1よりも遠くへ吹出すことができる。特に、室内の端に設置した場合でも、室内全体をより均一的に調整することが可能となる。
【0036】
又、2つのファンの径に差を設けて、2つの吹き出し口からの異なる風量の空気を吹き出す場合、2つのファンに共通の吸入口13から吸い込まれた空気は、径の大きい方のファンに集まるが、吸入口13の他に、各ファンに専用の吸入口12、14を設けたので、径の小さい方のファンにも専用の吸入口から十分な室内空気が送られ、熱交換能力を下げることなく室内の条件に応じて効率的に室内の空調を行うことが可能となる。
【0037】
尚、本実施の形態では、吹き出し口の風量を変化させることができるが、熱交換器2、3と熱交換器4、5の熱交換面積が同じために風路20、21より吐出される調和空気の温度に差が生じ、温度むらが生じてしまう。それを解決するために風路20、21より吐出される調和空気の量に応じて熱交換器2、3と熱交換器4、5の大きさを変化させることにより解決することができる。つまり、吹き出し口から吹き出される風量に比例して、熱交換器の大きさを決定する。
【0038】
2つの吹き出し口から吹き出される風量に、2倍の差がある場合は、熱交換器も2倍の熱交換面積の差を設けることにより、温度むらをほぼ解消することが可能となる。
又、2つの吹き出し口から異なる風量の空気を吹き出すためには、吸入口の数はいくつでもよく、配置もW字状に限らずどのような配置でもよい。また、ファンの大きさに差を設けるのではなく、回転速度のことなるファン等を配置してもよい。さらに、ファンと熱交換機の配置は、ファンの後ろに熱交換機を配置してもよい。つまり、ファンにより送出された空気を熱交換器が熱交換するように配置でもよい。
【0039】
実施の形態6.
本実施の形態は、実施の形態1において、外殻部材1により横流ファン6、7の間に仕切板22を形成したものである。この仕切板22により、2つの異なる風路が形成される。吸入口3から吸入された空気は、片方の風路23を通って横流ファン6へ送られ、もう片方の風路24を通って横流ファン7に送られる。
実施の形態1と同様に作動させると、仕切板22により、吸入口3から吸入された室内空気を熱交換器3、4へ均等に通過させることができる。このことより、空気の乱流が生じづらくなり、吸入口3から吸込まれた室内空気を熱交換器3、4へスムーズに誘導することができる。
【0040】
以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1の奏する効果に加え、横流ファン6、7の間に仕切板22を形成し、それぞれの横流ファンに対応する風路を仕切板22により形成したので、室内空気を熱交換器3、4にスムーズに誘導することができ、静音化を図ることができる。また、図7に示すように、仕切板形状に湾曲を持たせて風路を形成することにより、室内空気を熱交換器3、4にさらにスムーズに誘導することができ、空気調和機のさらなる静音化を図ることができる。
尚、この実施の形態においては、風路23、24がそれぞれ、第1、第2の風路を構成する。
【0041】
【発明の効果】
第1の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、吸入した空気を第1の吹き出し口と第2の吹き出し口から排出する空気調和機の室内ユニットにおいて、それぞれ異なるとともに異なる回転数にすることが可能な第1のファン、第2のファンと、それぞれ異なる前記第1の吹き出し口、第2の吹き出し口と、それぞれ異なる第1の熱交換部、第2の熱交換部と、それぞれ異なる第1の吸入口、第2の吸入口とを有し、前記第1の熱交換部は前記第1の吸入口から吸入された空気を熱交換し、前記第2の熱交換部は前記第2の吸入口から吸入された空気を熱交換し、前記第1のファンは、前記第1の吸入口から吸入され、前記第1の熱交換部が熱交換した空気を前記第1の吹き出し口へ送り前記第1のファンよりも回転数が低い前記第2のファンは、前記第1の吸入口から吸入され、前記第1の熱交換部が熱交換した空気を前記第2の吹き出し口へ送り、かつ前記第2の吸入口から吸入され、前記第2の熱交換部が熱交換した空気を前記第2の吹き出し口へ送る、ことを特徴とするものであるので、室内の条件に応じて効率的に室内の空調を行う室内ユニットを得ることが可能となる。
【0042】
第2の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第1の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1及び第2の熱交換部とは異なる第3の熱交換部と、前記第1及び第2の吸入口とは異なる第3の吸入口とを有し、前記第3の熱交換部は前記第3の吸入口から吸入された空気を熱交換し、前記第1のファンは、前記第3の吸入口から吸入され、前記第3の熱交換部が熱交換した空気を前記第1の吹き出し口へ送ることを特徴とするものであるので、室内の条件に応じて効率的に室内の空調を行う室内ユニットを得ることが可能となる。
【0043】
第3の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第2の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1、第2及び第3の吸入口と前記第1及び第2の吹き出し口は前記空気調和機の室内ユニットの同一側面に並列に設けられ、前記第1の吸入口は、前記第1の吹き出し口と第2の吹き出し口の間に設けられ、前記第2の吸入口は、前記第1の吸入口と第2の吹き出し口の間に設けられ、前記第3の吸入口は、前記第1の吸入口と第1の吹き出し口の間に設けられたことを特徴とするものであるので、室内の条件に応じて効率的に室内の空調を行う室内ユニットを得ることが可能となる。
【0044】
第4の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第2もしくは第3の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1の熱交換部は第4及び第5の熱交換部を有し、前記第1及び第2のファンは横流ファンであり、前記第2の熱交換部は、前記第2の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第2の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第3の熱交換部は、前記第3の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第3の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第4の熱交換部は、前記第1の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第1の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第5の熱交換部は、前記第1の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第1の吸入口から遠い反対側端部を有し、前記第3の熱交換部の吸入口側端部と前記第4の熱交換部の吸入口側端部との距離は、前記第3の熱交換部の反対側端部と前記第4の熱交換部の反対側端部との距離よりも小さく、前記第2の熱交換部の吸入口側端部と前記第5の熱交換部の吸入口側端部との距離は、前記第2の熱交換部の反対側端部と前記第5の熱交換部の反対側端部との距離よりも小さいことを特徴とするものであるので、特に、大きな熱交換面積、吸込面積を得つつ、小型化を図れる空気調和機の室内ユニットを得ることが可能となる。。
【0045】
第5の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第1、第2、第3又は第4の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1の吹き出し口より吹き出される風量と前記第2の吹き出し口より吹き出される風量とは異なることを特徴とするものであるので、特に、部屋の温度むらを少なくすることができる空気調和機の室内ユニットを得ることが可能となる。
【0046】
第6の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、前記第5の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1のファンの径と前記第2のファンの径とは異なることを特徴とするものであるので、特に、部屋の温度むらを少なくすることができる空気調和機の室内ユニットを得ることが可能となるので、特に、部屋の温度むらを少なくすることができる空気調和機の室内ユニットを得ることが可能となる。
【0047】
第7の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第2、第3、第4、第5又は第6の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記第1の熱交換部は第4及び第5の熱交換部を有し、前記第1のファンは、前記第4の熱交換部により熱交換された空気を前記第1の吹き出し口に送り、前記第2のファンは、前記第5の熱交換部により熱交換された空気を前記第2の吹き出し口に送り、前記第3及び第4の熱交換部の熱交換面積の和は、前記第2及び第5の熱交換部の熱交換面積の和とは異なることを特徴とするものであるので、特に、部屋の温度むらを少なくすることができる空気調和機の室内ユニットを得ることが可能となる。
【0048】
第8の発明に係る空気調和機の室内ユニットは、第1、第2、第3、第4、第5、第6又は第7の発明に係る空気調和機の室内ユニットにおいて、前記空気調和機の室内ユニットは、第1の風路と当該第1の風路とは異なる第2の風路を有し、前記第1の吸入口から吸入された空気は、前記第1の風路を通って前記第1のファンに送られ、前記第2の風路を通って前記第2のファンに送られることを特徴とするものであるので、特に、空気調和機の室内ユニットの静音化を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態1を示す断面図である。
【図2】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態2を示す断面図である。
【図3】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態3を示す断面図である。
【図4】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態5を示す断面図である。
【図5】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態6を示す断面図である。
【図6】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態7を示す断面図である。
【図7】 この発明における天井埋込型空気調和機の室内ユニットの実施の形態7を示す断面図である。
【図8】 従来の天井埋込型空気調和機の室内ユニットの断面図である。
【符号の説明】
1 外殻部材、2、3、4、5 熱交換器、6、7 横流ファン、8、9 スタビライザー、10、11 ドレンパン、12、13、14 吸入口、15、16 吹き出し口、17、18、19、23、24 吸込風路、20、21 吹出風路、22、23 仕切板、35、37、39、41 吸入口側端部、36、38、40、42 反対側端部

Claims (8)

  1. 吸入した空気を第1の吹き出し口と第2の吹き出し口から排出する空気調和機の室内ユニットにおいて、
    それぞれ異なるとともに異なる回転数にすることが可能な第1のファン、第2のファンと、
    それぞれ異なる前記第1の吹き出し口、第2の吹き出し口と、
    それぞれ異なる第1の熱交換部、第2の熱交換部と、
    それぞれ異なる第1の吸入口、第2の吸入口とを有し、
    前記第1の熱交換部は前記第1の吸入口から吸入された空気を熱交換し、
    前記第2の熱交換部は前記第2の吸入口から吸入された空気を熱交換し、
    前記第1のファンは、前記第1の吸入口から吸入され、前記第1の熱交換部が熱交換した空気を前記第1の吹き出し口へ送り
    前記第1のファンよりも回転数が低い前記第2のファンは、前記第1の吸入口から吸入され、前記第1の熱交換部が熱交換した空気を前記第2の吹き出し口へ送り、かつ前記第2の吸入口から吸入され、前記第2の熱交換部が熱交換した空気を前記第2の吹き出し口へ送る、
    ことを特徴とする空気調和機の室内ユニット。
  2. 前記空気調和機の室内ユニットは、
    前記第1及び第2の熱交換部とは異なる第3の熱交換部と、
    前記第1及び第2の吸入口とは異なる第3の吸入口とを有し、
    前記第3の熱交換部は前記第3の吸入口から吸入された空気を熱交換し、
    前記第1のファンは、前記第3の吸入口から吸入され、前記第3の熱交換部が熱交換した空気を前記第1の吹き出し口へ送る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機の室内ユニット。
  3. 前記第1、第2及び第3の吸入口と前記第1及び第2の吹き出し口は前記空気調和機の室内ユニットの同一側面に並列に設けられ、
    前記第1の吸入口は、前記第1の吹き出し口と第2の吹き出し口の間に設けられ、
    前記第2の吸入口は、前記第1の吸入口と第2の吹き出し口の間に設けられ、
    前記第3の吸入口は、前記第1の吸入口と第1の吹き出し口の間に設けられたことを特徴とする、請求項2に記載の空気調和機の室内ユニット。
  4. 前記第1の熱交換部は第4及び第5の熱交換部を有し、
    前記第1及び第2のファンは横流ファンであり、
    前記第2の熱交換部は、前記第2の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第2の吸入口から遠い反対側端部を有し、
    前記第3の熱交換部は、前記第3の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第3の吸入口から遠い反対側端部を有し、
    前記第4の熱交換部は、前記第1の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第1の吸入口から遠い反対側端部を有し、
    前記第5の熱交換部は、前記第1の吸入口に近い吸入口側端部と、その反対側で前記第1の吸入口から遠い反対側端部を有し、
    前記第3の熱交換部の吸入口側端部と前記第4の熱交換部の吸入口側端部との距離は、前記第3の熱交換部の反対側端部と前記第4の熱交換部の反対側端部との距離よりも小さく、
    前記第2の熱交換部の吸入口側端部と前記第5の熱交換部の吸入口側端部との距離は、前記第2の熱交換部の反対側端部と前記第5の熱交換部の反対側端部との距離よりも小さいことを特徴とする、
    請求項2もしくは3に記載の空気調和機の室内ユニット。
  5. 前記第1の吹き出し口より吹き出される風量と前記第2の吹き出し口より吹き出される風量とは異なることを特徴とする請求項1、2、3もしくは4に記載の空気調和機の室内ユニット。
  6. 前記第1のファンの径と前記第2のファンの径とは異なることを特徴とする請求項5に記載の空気調和機の室内ユニット。
  7. 前記第1の熱交換部は第4及び第5の熱交換部を有し、
    前記第1のファンは、前記第4の熱交換部により熱交換された空気を前記第1の吹き出し口に送り、
    前記第2のファンは、前記第5の熱交換部により熱交換された空気を前記第2の吹き出し口に送り、
    前記第3及び第4の熱交換部の熱交換面積の和は、前記第2及び第5の熱交換部の熱交換面積の和とは異なることを特徴とする請求項2、3、4、5もしくは6に記載の空気調和機の室内ユニット。
  8. 前記空気調和機の室内ユニットは、第1の風路と当該第1の風路とは異なる第2の風路を有し、
    前記第1の吸入口から吸入された空気は、前記第1の風路を通って前記第1のファンに送られ、前記第2の風路を通って前記第2のファンに送られることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の空気調和機の室内ユニット。
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