JP3991211B2 - 放電加工装置および放電加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加工部材に加工穴を形成する放電加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電極と被加工部材との間に高電圧を加えて放電させ、被加工部材に加工穴を形成する放電加工装置が知られている。放電加工装置を用いて被加工部材を高精度に加工するため、放電加工中の電極の振れを防止することが必要である。放電加工中の電極の振れを防止するため、被加工部材近傍において案内部材により電極を案内する構成が公知である。
特開平6−91436号公報に開示される放電加工装置は、電極を案内する案内部材を被加工部材に当接することにより、放電加工中の電極の振れを防止し、高精度に被加工部材を加工しようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
被加工部材を高精度に加工するためには、放電加工中の電極の振れを防止するとともに、被加工部材に対し電極、つまり案内部材を高精度に位置決めしなければならない。しかしながら、被加工部材に案内部材を当接するだけでは、被加工部材に案内部材を高精度に位置決めすることは困難である。さらに、被加工部材に対し案内部材を高精度に位置決めできても、案内部材に製造誤差が生じていると、被加工部材に対し電極を高精度に位置決めできないという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、被加工部材に対する電極の位置決めを容易に行う放電加工装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、案内部材に製造誤差があっても、高精度に被加工部材を加工する放電加工装置および放電加工方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の放電加工装置によると、放電加工する加工穴に向かうにしたがい縮径する円錐凹面を被加工部材に形成し、円錐凹面と当接することにより円錐凹面と中心を合わせる傾斜面を案内部材の加工穴側端部に形成している。被加工部材の円錐凹面に案内部材の傾斜面を当接させ加工穴側に向けて案内部材を押し込むと、円錐凹面に傾斜面が案内され被加工部材に対し案内部材が位置決めされるので、被加工部材の円錐凹面と案内部材の傾斜面との中心を合わせることができる。被加工部材に対し案内部材を高精度に容易に位置決めすることができるので、被加工部材に対し電極を高精度に位置決めし、加工穴を高精度に形成できる。
【0006】
本発明の請求項4記載の放電加工装置あるいは請求項 5 記載の放電加工方法によると、案内部材に形成する傾斜面を被加工部材と同じ傾斜角度を有する円錐凸面にすることにより、円錐凹面と円錐凸面とが面接触し、円錐凹面に対し円錐凸面の位置がずれにくい。したがって、被加工部材の円錐凹面と案内部材の円錐凸面との中心を確実に合わせることができる。さらに、被加工部材の円錐凹面と案内部材の円錐凸面とが面接触するので、円錐凸面を有する案内部材が傾きにくい。案内部材に案内される電極も傾きにくいので、加工穴の変形を防止できる。さらに、案内部材に円錐凸面を形成することは容易である。
【0007】
被加工部材の円錐凹面と案内部材の傾斜面とを当接させることにより円錐凹面と傾斜面との中心合わせをしても、例えば電極を往復移動可能に収容する案内部材の貫通孔と傾斜面との中心がずれていると、貫通孔と円錐凹面との中心はずれる。すると、貫通孔に収容されている電極により放電加工される加工穴の中心は円錐凹面の中心からずれる。本発明の請求項1記載の放電加工装置あるいは請求項2記載の放電加工方法によると、放電加工中に案内部材を回転することにより、例えば電極を往復移動可能に収容する案内部材の貫通孔と傾斜面との中心がずれていると、案内部材の貫通孔は被加工部材の円錐凹面および案内部材の傾斜面の中心を軸として公転する。案内部材の貫通孔に収容されている電極も被加工部材の円錐凹面および案内部材の傾斜面の中心を軸として公転するので、放電加工により形成される加工穴の中心は被加工部材の円錐凹面の中心とほぼ一致する。
本発明の請求項1記載の放電加工装置あるいは請求項2記載の放電加工方法によると、放電加工中、電極を回転することにより、電極に製造誤差があっても、断面円形状の加工穴を高精度に形成できる。
【0008】
案内部材と電極とを同一方向に回転すると、案内部材と電極との回転速度が一致することがある。前述したように案内部材の貫通孔と傾斜面との中心がずれており案内部材の傾斜面の中心を軸として電極が公転するとき、案内部材と電極とが同一方向に回転し案内部材と電極との回転速度が一致すると、電極の外周側面の特定箇所が常に径方向外側を向き、加工穴の内周側面と向き合う。放電は放電ギャップの小さいところで発生するので、加工穴の内周側面と向き合う電極の特定箇所が加工穴の内周側面と放電し、電極の特定箇所が消耗する。電極の特定箇所が消耗すると、電極の特定箇所と加工穴との放電ギャップが大きくなるので、加工穴が変形するとともに、加工穴の径が小さくなる。
【0009】
この課題を解決するため本発明の請求項1記載の放電加工装置または請求項2記載の放電加工方法によると、案内部材の回転方向と反対方向に電極を回転する。案内部材の貫通孔と傾斜面との中心がずれており、案内部材の傾斜面の中心を軸として電極が公転するとき、電極の外周側面の周方向に異なる箇所が順次加工穴の内周側面と向き合う。電極の外周側面の周方向に異なる箇所が順次加工穴の内周側面と放電するので、電極の特定箇所が消耗することを防止し、加工穴の変形を防止する。
【0010】
また、案内部材に対する電極の相対回転速度は、互いに反対方向に回転しているので速度の和になる。案内部材の回転速度を遅くしても、案内部材に対し電極は所望の相対回転速度を得ることができるので、被加工部材の円錐凹面と摺動する案内部材の傾斜面の摩耗を低減できる。
【0011】
案内部材が回転することにより電極が公転するとき、つまり公転する先に位置する加工穴の内周側面と電極とが向き合うとき、単位時間当たりに放電加工により除去される被加工部材の除去量、つまり加工速度よりも電極の公転速度が早いと、電極が被加工部材と接触し、被加工部材と電極との間で放電が生じない。本発明の請求項3記載の放電加工方法によると、案内部材を回転中、被加工部材と電極との間に生じる放電電圧を検出しながら案内部材の回転速度をフィードバック制御する。例えば被加工部材と電極との間に生じる放電電圧が0になると、案内部材の回転速度が早すぎ被加工部材に電極が接触している可能性があるので、案内部材の回転速度を低下する。このようにして電極と被加工部材との間に回転方向に形成される間隙を最適にするように案内部材の回転速度を調整できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図に基づいて説明する。
本発明の一実施例による放電加工装置を図1に示す。被加工部材としてのワーク10は、例えばインジェクタの噴孔形成前のボディであり、放電加工中、加工液中に浸されている。加工液として、例えば水や油が用いられる。ワーク10には、放電加工により形成する加工穴12に向けて縮径する円錐凹面11が形成されている。案内部材としての電極ガイド20は、ワーク10の収容孔14に収容されている。電極ガイド20は、細長い円筒状の電極30を往復移動可能に収容し、加工穴12に向けて電極を案内する貫通孔20aを有している。電極ガイド20は、電極回転手段としてのモータ50からトルクを受け回転する。
【0013】
電極ガイド20は、モータ50からトルクを受けるギヤ21と、ワーク10の内周壁と接触する絶縁部22、23と、軸方向に離れている両絶縁部を接続している小径案内部25とを有している。円錐凹面11側に位置している絶縁部23は、円錐凹面11と当接する傾斜面としての円錐凸面24を有している。円錐凸面24の傾斜角度は円錐凹面11と同じである。
【0014】
絶縁部22の外周壁に加工液流路22aが形成され、円錐凸面24を含む絶縁部23の外周壁に加工液流路23a、24aが形成されている。加工液流路22a、23a、24aは、放電加工中に、絶縁部22、23とワーク10の内周壁とが接触している状態で電極30の先端31側に加工液が流れるように形成されている。電極30は細長い円筒状であり、直径位置に板状の連結部32を有している。
【0015】
放電ヘッド40は、電極30に放電電圧を加えるとともに、電極30を固定しかつ回転するものである。放電ヘッド40は、案内部材回転手段としての回転駆動部41と電極30を固定するチャック42とを有している。チャック42は回転駆動部41から駆動力を受け電極30とともに回転する。放電ヘッド40には、電極30内の加工液を吸引する加工液吸引管43が接続されている。
【0016】
次に、放電加工方法について説明する。
(1) 図2に示すように、電極ガイド20に電極30を挿入していない状態でワーク10内に電極ガイド20を挿入する。絶縁部23の円錐凸面24とワーク10の円錐凹面11との傾斜角度が同一であるから、円錐凹面11に円錐凸面24を当接させながら円錐凹面11に向けて電極ガイド20を押し込むことにより、ワーク10に対し電極ガイド20が位置決めされ、円錐凹面11と円錐凸面24との中心を容易に合わせることができる。また、円錐凹面11と円錐凸面24との傾斜角度が同じであるから、円錐凹面11と円錐凸面24との中心を合わせると円錐凹面11と円錐凸面24とが面接触する。円錐凹面11に対し円錐凸面24の位置がずれにくいので、円錐凸面24を有する電極ガイド20が傾きにくい。
【0017】
(2) 円錐凹面11と円錐凸面24との中心を合わせた状態で、電極ガイド20に電極30を挿入しチャック42で固定する。前述したように電極ガイド20が傾きにくいので、電極ガイド20内に収容される電極30も傾きにくい。
(3) 放電加工中、加工液流路22a、収容孔14、加工液流路23a、24aを通り図3に示すように電極30の先端31側に供給された加工液は、電極30内を通り加工液吸引管43により吸引される。このとき、図3に示すように、放電加工により発生する加工くず200は、加工液とともに電極30内を通り加工液吸引管43により吸引される。
【0018】
また放電加工中、電極ガイド20と電極30とを図1に示すように反対方向に回転する。図4の(A)に示すように、電極ガイド20の貫通孔20aと円錐凸面24との中心がずれていると、貫通孔20aに収容されている電極30と円錐凹面11との中心がずれている。この状態で図4の(A)に示すように、放電加工中に電極ガイド20を回転すると、図4の(B)に示すように電極30の先端31は円112上を公転する。貫通孔20aの中心と円錐凸面24の中心とのずれ量、つまり図5に示すように電極30の先端31の中心110と円錐凹面11の中心100とのずれ量をdとすると、図4の(B)に示す円112の直径は2dである。加工穴12の内径は先端31の直径に2dを加えた大きさにほぼ一致する。したがって、電極30の先端31により形成される加工穴12の中心120は円錐凹面11の中心100とほぼ一致する。
【0019】
電極ガイド20の貫通孔20aと円錐凸面24との中心がずれており、電極ガイド20の貫通孔20aに収容されている電極30が電極ガイド20の円錐凸面24の中心を軸として公転するとき、電極30の先端31の外周側面31aは周方向の異なる箇所が順次加工穴12の内周側面と向き合い加工穴12の内周側面と放電する。電極ガイド20と電極30とを反対方向に回転することにより、電極30の特定箇所が消耗することを防止し、加工穴12の変形を防止する。
【0020】
また、電極ガイド20に対する電極30の相対回転速度は、互いに反対方向に回転しているのでそれぞれの回転速度の和になる。電極ガイド20の回転速度を遅くしても、電極ガイド20に対し電極30は所望の相対回転速度を得ることができるので、ワーク10の円錐凹面11と摺動する電極ガイド20の円錐凸面24の摩耗を低減できる。
【0021】
また放電加工中、電極30とワーク10との間に加わる放電電圧の平均値を検出し、放電ヘッド40の回転速度と、放電ヘッド40の図1の下方に向かう移動量、つまり電極30の送り量とを調整する。電極30がワーク10に接触すると放電電圧は0になるので、放電電圧の平均値が所定値よりも低下すると、電極30がワーク10に接触していると判断する。電極30の軸方向への送り速度が速すぎると電極30の先端31は加工穴12の底に接触する。また、電極30を公転させる電極ガイド20の回転速度が速すぎると、図5に示すように電極30の先端31の外周側面31aと電極30の公転先に位置する加工穴12の内周側面とが接触する。しかし、平均電圧の低下だけでは、電極30の送り速度あるいは電極ガイド20の回転速度のいずれが原因で電極30がワーク10に接触しているのか区別できない。
【0022】
そこで、電極30の送りおよび電極ガイド20の回転を停止し、電極30を送り方向とは逆方向に僅かに戻すとともに、電極ガイド20を反対の回転方向に僅かに戻す。これにより、加工穴12と電極30とを離す。そして、電極30の送り速度および電極ガイド20の回転速度を停止前よりも低減して電極ガイド20の回転と電極30の送りを再開する。
(4) 放電ヘッド40が図1の下方に所定量移動すると、加工穴12の加工が終了したと判断する。加工穴12を形成後、さらに放電加工等により噴孔16を形成する。
【0023】
本実施例のように、円錐凹面11と円錐凸面24との中心を合わせるために円錐凹面11および円錐凸面24を同じ傾斜角度に加工することは容易である。しかし、電極30を挿入する電極ガイド20の貫通孔20aと円錐凸面24との中心は、前述したように僅かではあるが製造時にずれが生じることがある。円錐凹面11と円錐凸面24との中心が一致していても、貫通孔20aの軸中心が円錐凸面24の中心からずれた状態で電極ガイド20を回転させずに放電加工を行うと、電極30により放電加工される加工穴12の中心は円錐凹面11の中心からずれる。製造誤差により貫通孔20aの軸中心が円錐凸面24の中心からずれる大きさは僅かである。
【0024】
しかし、例えば図6に示すように、放電加工により形成した加工穴12により燃料室70を形成し、この燃料室70にノズルニードル60の先端部64が突き出しているインジェクタにおいて、貫通孔20aの軸中心が円錐凸面24の中心からずれることにより放電加工される加工穴12の中心が円錐凹面11の中心からずれると、加工穴12を形成後に形成される噴孔16から噴射する燃料噴射量を高精度に制御できない。これは、加工穴12の中心が円錐凹面11の中心、つまり先端部64の中心からずれていると、ノズルニードル60の当接部62が円錐凹面11から離座したとき、先端部64の外周側面と噴孔16の入口との間に形成される通路面積がばらつき、噴孔16からの噴射量がばらつくからである。
【0025】
そこで本実施例では、図4に示すように、放電加工中に電極ガイド20を回転することにより、電極30の先端31が円112上を公転する。したがって、電極30の先端31により形成される加工穴12の中心120は円錐凹面11の中心100とほぼ一致する。ワーク10の円錐凹面11と心合わせを行う本実施例の円錐凸面24のような位置合わせ手段を持たない電極ガイドで電極30を案内する従来の放電加工に比べ、本実施例では、図7に示すように円錐凹面11の中心に対する加工穴12の中心の振れが非常に小さくなる。したがって、図6に示すインジェクタにおいて、円錐凹面11の中心、つまりノズルニードル60の先端部64の中心と加工穴12の中心とがほぼ一致し、燃料噴射量を高精度に制御できる。
【0026】
しかし、電極ガイド20の回転速度が早すぎると、加工穴12を放電加工する加工速度、つまり放電により単位時間当たりに除去されるワーク10の除去量が電極ガイド20の回転速度についていけず、電極30がワーク10と接触する。本実施例では、放電加工中の放電電圧の平均電圧を検出することにより、電極30とワーク10との間に回転方向に形成される間隙を最適に保持し、電極30がワーク10と接触しないように、電極ガイド20の回転速度を調整する。
【0027】
また本実施例では、円錐凹面11の傾斜角度と円錐凸面24の傾斜角度とを同一にしているので、円錐凹面11と円錐凸面24との中心を容易に合わせることができる。さらに、円錐凹面11と円錐凸面24との中心を合わせると円錐凹面11と円錐凸面24とが面接触するので、円錐凹面11に対し円錐凸面24、つまり電極ガイド20の位置がずれにくく、電極ガイド20が傾きにくい。したがって、電極ガイド20に案内される電極30も傾きにくいので、加工穴12の変形を防止できる。
【0028】
また本実施例では、放電加工中、電極30の先端31側に供給された加工液は、加工液吸引管43により電極30内を通り吸引される。図3に示すように、放電加工で発生する加工くず200は電極30の先端31の外周側面31aに回らず、電極30内に吸引される。加工くず200が電極30内に吸引されず先端31の外周側面31aに移動すると、加工くず200を介し先端31と加工済みの加工穴12との間で二次放電が発生する。すると、加工済みの加工穴12がさらに加工されるので、加工穴12の径が拡大したり、加工穴12の形状が歪むことにより加工穴12の加工精度が低減する。加工くず200が先端31と加工済みの加工穴12との間に移動せず電極30内に吸引されるので、加工穴12の加工精度が向上する。
【0029】
本実施例では、円錐凹面11と円錐凸面24とを当接させ、さらに電極ガイド20を回転しながら放電加工を行うことにより、加工穴12の加工位置を高精度に調整したが、電極30を収容する貫通孔20aの加工精度が高ければ、放電加工中に電極ガイド20を回転することなく加工穴12を形成してもよい。
【0030】
本実施例では、電極30の特定箇所が消耗しないように電極ガイド20と電極30とを反対方向に回転した。これに対し、電極ガイド20と電極30とが同じ回転速度にならず、電極30の特定箇所が加工穴12の内周側面と向き合い加工穴12と放電しないのであれば、電極ガイド20と電極30とを同一方向に回転してもよい。また本実施例では、電極30の断面形状が変形していても加工穴12が円形に加工されるように、電極30を回転することにより先端31の周方向に異なる箇所が順次加工穴12の内周側面と向き合い放電するようにしている。これに対し、電極30が円形状に高精度に形成されていれば、電極30を回転することなく加工穴12を形成してもよい。
【0031】
また本実施例では、ワーク10の円錐凹面11と同じ傾斜角度を有する円錐凸面24を電極ガイド20に形成し、円錐凹面11に円錐凸面24が当接し円錐凹面11と円錐凸面24との中心を合わせた状態で放電加工することにより、加工穴12の振れを低減している。これに対し、円錐凸面24と円錐凹面11とを異なる傾斜角度にしてもよい。異なる傾斜角度であっても、円錐凹面11に電極ガイド20が案内されるので、円錐凹面11と円錐凸面24との中心を合わせることができる。また、電極ガイドの先端を例えば半球状の凸曲面にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施例による放電加工装置を示す構成図であり、(B)はボディを除いたB方向矢視図である。
【図2】ボディに挿入される案内部材の動きを示す説明図である。
【図3】電極先端周囲の加工液の流れを示す説明図である。
【図4】(A)は案内部材および電極の動きを示す説明図であり、(B)はボディの円錐凹面と加工穴の中心を示す説明図である。
【図5】円錐凹面に対する電極先端部のずれを示す説明図である。
【図6】放電加工後のインジェクタの噴孔周囲を示す断面図である。
【図7】本実施例および従来例の加工穴の振れ率を示す特性図である。
【符号の説明】
10 ボディ(被加工部材)
11 円錐凹面
16 噴孔
20 電極ガイド(案内部材)
20a 貫通孔
24 円錐凸面(傾斜面)
30 電極
40 放電ヘッド
41 回転駆動部(案内部材回転手段)
50 モータ(電極回転手段)
Claims (5)
- 被加工部材と、
前記被加工部材との間で放電を発生し、前記被加工部材に加工穴を形成する電極と、
前記電極を軸方向に往復移動可能に収容し、前記加工穴に向け前記電極を案内する案内部材とを備え、
前記加工穴に向かうにしたがい縮径する円錐凹面を前記被加工部材に形成し、前記円錐凹面と当接することにより前記円錐凹面と中心を合わせる傾斜面を前記案内部材の前記加工穴側端部に形成し、
前記案内部材を回転する案内部材回転手段と、前記案内部材と反対方向に前記電極を回転する電極回転手段とを備えることを特徴とする放電加工装置。 - 被加工部材と、
前記被加工部材との間で放電を発生し、前記被加工部材に加工穴を形成する電極と、
前記電極を軸方向に往復移動可能に収容し、前記加工穴に向け前記電極を案内する案内部材とを備え、
前記加工穴に向かうにしたがい縮径する円錐凹面を前記被加工部材に形成し、前記円錐凹面と当接することにより前記円錐凹面と中心を合わせる傾斜面を前記案内部材の前記加工穴側端部に形成している放電加工装置を用いた放電加工方法であって、
放電加工中、前記案内部材を回転し、
放電加工中、前記案内部材の回転方向と反対方向に前記電極を回転することを特徴とする放電加工方法。 - 被加工部材と、
前記被加工部材との間で放電を発生し、前記被加工部材に加工穴を形成する電極と、
前記電極を軸方向に往復移動可能に収容し、前記加工穴に向け前記電極を案内する案内部材とを備え、
前記加工穴に向かうにしたがい縮径する円錐凹面を前記被加工部材に形成し、前記円錐凹面と当接することにより前記円錐凹面と中心を合わせる傾斜面を前記案内部材の前記加工穴側端部に形成している放電加工装置を用いた放電加工方法であって、
放電加工中、前記案内部材を回転し、
前記案内部材を回転中、前記被加工部材と前記電極との間に生じる放電電圧を検出しながら前記案内部材の回転速度をフィードバック制御し、前記被加工部材と前記電極との間に回転方向に形成される間隙を調整することを特徴とする放電加工方法。 - 前記傾斜面は前記円錐凹面と同じ傾斜角度を有する円錐凸面であることを特徴とする請求項1記載の放電加工装置。
- 前記傾斜面は前記円錐凹面と同じ傾斜角度を有する円錐凸面であることを特徴とする請求項 2 または 3 記載の放電加工方法。
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JP2001323269 | 2001-10-22 | ||
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Publications (2)
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