JP2013176820A - テーパ孔の放電加工方法および放電加工装置 - Google Patents

テーパ孔の放電加工方法および放電加工装置 Download PDF

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文寛 中野
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Abstract

【課題】入口側から出口側へ縮径するテーパ孔を、放電加工によりワークに高速かつ高精度に形成する。
【解決手段】ワークWに対向する電極ガイド2に細長形状の電極3を挿通保持し、電極ガイドを揺動回転可能かつ揺動径を変更可能とする偏芯装置4を設ける。電極3をワークWに送りながら、加工されるテーパ孔W1の中心軸周りに揺動回転させるとともに、偏芯装置4により設定される揺動径を、加工深さに応じて徐々に小さくすることにより、入口側から出口側へ向けて縮径するテーパ孔を加工する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料噴射装置用の噴射ノズル等に形成される微細なテーパ孔を加工するための放電加工方法と放電加工装置に関するものである。
車両エンジンの燃料噴射装置において、噴射ノズルの噴孔やオリフィス部材に形成される微細孔の加工方法として、放電加工が採用されている。放電加工は、被加工物である金属製のワークと、放電電極との間に電圧を印加し、放電を発生させてワークを溶融加工する方法で、微細加工に適している。
図11は、一般的な放電加工により、被加工物(ワーク)100に孔101を形成する方法を示している。ワーク100の上方には、電極ガイド103に保持される棒状の電極102が対向位置しており、これを軸方向に往復動させて放電と短絡を繰り返すことによって、ワーク100の板面を垂直に貫通する孔101を形成する。この場合、電極形状がそのままワーク100に転写されることになり、電極102径よりわずかに大きい一定径の孔101が加工される。
一方、噴射ノズルの噴孔等をテーパ孔で形成したものがあり、テーパ孔の精密加工方法として、例えば特許文献1が提案されている。特許文献1の加工方法は、棒状電極の上端部を電極ホルダで保持し、棒状電極の下端部をワークの直上位置において電極ガイドで軸支する。そして、電極ガイドの上方の水平面において、電極に円運動を与える偏心ガイドを設け、電極軸支部を支点とする円運動を与えながら、電極をワークに対して給送する。これにより、入口から出口へ向けて孔径が大きくなるテーパ孔を形成する。
特開2010−131689号公報
しかしながら、特許文献1は、入口から出口へ向けて孔径が大きくなる逆テーパ孔の加工方法であり、入口から出口へ向けて孔径が小さくなるテーパ形状には対応していない。また、テーパ孔のより精密な加工が要求されているが、特許文献1の方法を応用して、加工方向へ縮径するテーパ形状を精度よく加工すること、特に高速化することは、以下の点で難しい。
一般に放電加工では、放電と短絡の繰り返しによる電極の縦振動(Z軸の往復動作)が必要となるが、特許文献1の方法では、偏心ガイドを用いて電極を加工部上方で曲げており、曲げた根元で駆動をかけることになる。この時、電極は偏心ガイドと軸支部により加工孔方向に案内されるが、フリーになる先端部分が暴れやすいために、テーパ形状の制御が容易でない。さらに、加工時間短縮へ向けて電極の往復動作を高速化しようとすると、曲げた電極の先端が安定せず、精度よく高速に追従させることは極めて難しい。また、曲げた電極の軸が加工孔の軸に対して傾斜しているため、電極の往復動作により加工孔の側面と干渉するおそれから振幅量が制限され、十分な距離が取れないので短絡状態が解消させるのも難しい。
本発明は、このような実情に着目したものであり、ワークに入口側から出口側へ径が小さくなる微小なテーパ孔を形成するための放電加工方法および放電加工装置において、高速化による加工時間の短縮が可能であり、しかも電極の振れ等を抑制して安定に動作させ、加工形状のバラツキを小さくして加工精度を向上させ、高効率で高品質なテーパ孔加工を実現することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、テーパ孔が加工されるワークに対向する電極ガイドに細長形状の電極を挿通支持し、上記電極と上記ワークとの間に放電を生起する放電加工方法において、
上記電極ガイドを揺動回転可能かつ揺動径を変更可能として、上記電極ガイドに支持される上記電極を、上記テーパ孔の中心軸周りに所定の揺動径で回転させるとともに、軸方向に送りながら加工深さに応じて上記揺動径を徐々に小さくすることにより、入口側から出口側へ向けて縮径するテーパ孔を加工することを特徴とする方法である。
本発明の請求項2に記載の方法では、上記テーパ孔形状に基づいて設定される上記揺動径を、上記電極の消耗量に応じて補正する。
本発明の請求項3に記載の方法では、上記揺動径の補正量を、加工深さが深くなるほど大きくする。
本発明の請求項4に記載の発明は、上記放電加工方法を実現するための放電加工装置であり、
上記電極ガイドと一体的に回転可能に設けられ、上記電極ガイドを上記テーパ孔の中心軸周りに揺動回転可能とする回転部材と、
上記回転部材の軸と直交する方向に移動可能な可動ブロックと、
上記電極ガイドと一体に設けられ、上記可動ブロックの移動に伴い上記回転部材の軸と直交する方向に移動可能な従動ブロックと、
上記可動ブロックを所定の移動量で移動させ、上記従動ブロックとともに上記電極ガイドを追従して移動させることにより、上記電極ガイドを上記テーパ孔の中心軸に対して偏芯させる駆動手段と、を備える。
そして、上記電極ガイドに支持される上記電極を軸方向に送りながら加工深さに応じて上記可動ブロックの移動量を変更し、上記電極ガイドの偏芯量を徐々に小さくすることにより、入口側から出口側へ向けて縮径するテーパ孔を加工する装置である。
本発明の請求項5に記載の装置は、上記駆動手段による上記可動ブロックの移動量を制御し、上記テーパ孔形状に基づいて設定される上記電極ガイドの偏芯量を、上記電極の消耗量に応じて補正し、補正された偏芯量となるように、上記駆動手段による上記可動ブロックの移動量を制御する制御手段を備える。
本発明の請求項1に記載の放電加工方法によれば、細長形状の電極が挿通支持される電極ガイドを揺動回転可能かつ揺動径を変更可能として、電極に揺動動作を与え、その揺動径を加工の進行に応じて徐々に小さくする。この時、電極を保持する電極ガイドを揺動回転させるので、電極ガイドに対して電極が傾斜する従来方法のように、往復動させても電極の先端が振れ回ることがなく、高速化が可能で加工孔の内周面とも干渉しない。したがって、電極の動作が安定し、加工方向に径が小さくなるテーパ孔を容易に形成することができ、テーパ形状に応じて揺動径を変更しながら加工を進めるので、加工形状のバラツキを小さくして、高速かつ精度よく所望のテーパ孔を加工することができる。
好適には、加工の進行とともに電極が消耗するので、これを考慮して揺動径を補正すれば、加工精度が向上する(請求項2)。具体的には、加工深さが深くなるほど電極消耗量が増加するので、揺動径の補正量も大きくすることで、所望のテーパ角度のテーパ孔をより精度よく形成することができる(請求項3)。
本発明の請求項4に記載の放電加工装置によれば、電極ガイドを回転部材と一体回転可能とするとともに、電極ガイドと一体の従動ブロックを、可動ブロックが回転軸と直交する方向に移動させることで、電極ガイドが偏芯する。したがって、可動ブロックの移動量を調整し、電極ガイドに挿通支持される電極を送りながら、偏芯量を徐々に小さくしていくと、加工方向に径が小さくなるテーパ孔を容易に形成することができる。偏芯量は、電極ガイドの回転や電極の送りと独立に制御できるので、電極の動作が安定し、高速かつ精度よく所望のテーパ孔を加工することができる。
好適には、加工の進行とともに電極が消耗するので、電極消耗量に応じて偏芯量を補正し、これに応じて制御手段が、駆動手段を駆動して可動ブロックの移動量を変更することで、所望のテーパ角度のテーパ孔をより精度よく形成することができる(請求項5)。
(a)、(b)は、本発明の放電加工方法を説明するための概略図、(c)は、本発明の放電加工方法に基づく放電加工工程を示す模式的な図である。 (a)は、本発明の放電加工方法により被加工物に形成されるテーパ孔形状を示す概略断面図、(b)は、テーパ孔の具体的形状例を示す概略断面図である。 (a)は、本発明の放電加工方法における補正方法を説明するための図で、加工深さと揺動径の関係を示す図、(b)は、放電加工における補正を行わない場合の加工孔形状例を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態における放電加工装置の主要部である放電加工ユニットの正面図である。 本発明の第1実施形態における放電加工ユニットの偏芯装置の拡大断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第1実施形態における放電加工ユニットの偏芯装置の側面図である。 本発明の第1実施形態における放電加工装置の全体斜視図である。 本発明の第1実施形態における放電加工装置を用いた放電加工工程を説明するためのフローチャートである。 (a)、(b)は、本発明の第2実施形態における放電加工ユニットの正面図および側面図である。 本発明の第2実施形態における放電加工装置を用いた放電加工工程を説明するためのフローチャートである。 (a)、(b)は、従来の放電加工装置による放電加工方法を説明するための図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1〜3は、本発明の放電加工方法の基本工程を説明するための模式的な図であり、図4〜6は本発明の放電加工方法を実現するための放電加工装置の具体的構成例である。図2(a)に示すように、本発明の放電加工方法は、種々の被加工物(ワーク)Wに、加工方向に縮径するテーパ孔W1を加工するための方法である。本発明で加工するテーパ孔W1は、ワークWの一定厚の板面を貫通して形成され、上面側から下面側へ向けて徐々に開口径が小さくなる円錐面状の内周面を有している。
加工対象となるワークWは、特に制限されず、放電電極を用いた細孔加工が可能な任意の金属製ワークに適用することができる。図2(b)のように、ワークWの加工部が曲面状であってもよい。このようなワークWおよびテーパ孔W1としては、例えば、車両用燃料噴射ノズルの噴孔加工があり、曲面状のノズルボディB先端面に、噴孔B1としてのテーパ孔W1が加工されることになる。この場合、使用される電極径は、例えばφ0.1mm程度であり、加工されるテーパ孔W1形状は、例えば、直径Rがφ0.11〜0.24mm(小径側〜大径側)、加工深さ(ワーク厚さ)Dが0.3〜0.6mm、テーパ角は最大25°程度である。
図1(a)〜(c)に示す本発明の放電加工方法では、上下方向を板厚方向とするワークWの上方に電極ガイド2に対向配置し、電極ガイド2に挿通保持した電極3と、ワークとの間に放電を生起することによって、細孔加工を行なう。電極3は、細長形状の金属線であり、電極ガイド2の先端面からワークW方向に突出している。図1(a)は放電加工方法の概要を模式的に示すもので、電極3は、例えば超音波モータを用いた送り機構により、加工方向へ送られ、放電、短絡、引き上げの動作を繰り返す。また、電極3は、放電による消耗を均一とするため、通常公知の自転機構により、軸芯周りに回転しながら送られる。
この時、本発明では、電極3にさらに揺動動作を与え、かつ電極3の揺動径Rを、加工深さDに応じて徐々に小さくすることで、所望の傾きaを有するテーパ形状とする。図1(b)は、放電加工中の加工孔と電極3の関係を示しており、電極3の軸芯を加工孔中心に対して偏芯させ、加工孔中心周りに電極3が所定の偏芯量(揺動径R)で公転する。すなわち、電極3の径に対して揺動径Rを調整することで、電極3の径より大きい所望の加工孔を形成することができる。
したがって、図1(c)に示すように、左図から右図へ放電加工が進行するのに伴い、電極3の偏芯量を変更することで、加工孔径が徐々に小さくなる所望のテーパ孔W1を形成することができる。電極3に揺動動作を与える方法としては、揺動径Rを任意に設定可能な偏芯機構を設け、加工の進行とともに揺動径Rを変更する方法や、サーボモータを用いたXY軸方向の駆動機構を設け、円弧補間により所望の揺動径Rで回転させる方法を採用することができる。これらの具体的構成例については、放電加工装置の実施形態として後述する。
好適には、電極3の偏芯量(揺動径R)を変更する際に、電極3の消耗を考慮した補正を行なうとよい。図1(c)に示すように、放電加工が進むと電極3が消耗して外径が小さくなる。このため、消耗前の電極3に基づいて偏芯量(揺動径R)を設定すると、所望のテーパ孔W1形状が得られない。例えば、図3(a)中に点線で示すように、加工深さDに対して一定の割合で揺動径Rを小さくしていくと、テーパ孔W1の傾きaを一定とすることができず、図3(b)のように、加工の進行側で加工径が小さくなり、テーパ孔W1の加工精度が低下する場合があることが判明した。
そこで、本発明の放電加工方法では、加工量・径の変動に応じた偏芯量(揺動径R)の補正制御を行いながら、所望のテーパ孔W1形状に仕上げるようにする。一般には、電極3が消耗すると、加工量が減少し、加工孔径が小さくなるので、図3(b)中に実線で示すように、加工深さDが大きくなるほど偏芯量(揺動径R)の補正量が大きくなり、偏芯量(揺動径R)が緩やかに減少するように設定する。具体的には、実際に使用する電極3の放電加工プロファイルにより電極消耗量を算出し、電極3の基本の揺動径Rに対して、加工深さDに応じた補正量を予め設定しておき、この補正量に基づく放電加工を実施するとよい。
次に、本発明の放電加工方法を実現する放電加工装置の第1実施形態について説明する。図4は、放電加工装置の主要部である放電加工ユニット11であり、基枠12に対して上下方向(Z軸方向)および水平方向(X軸方向)に移動可能に支持されている。基枠12の上方には、図示を略す電極の上端側を支持する主軸13が配置され、主軸13が固定されるスライド部材14を、上下調整用モータM1によって上下動させることにより、ユニット上下位置を調整可能となっている。また、基枠12上には、ユニットX軸方向(図の左右方向)の位置を調整するX軸調整モータM2、電極をその軸周りに自転させる電極回転用モータM3、電極ガイド位置検出センサSが配置されている。
基枠12の下方には、電極の下端側を支持するとともに所定の偏芯量で回転させる電極偏心装置4と、放電加工時に電極をワークに対して送り出すための電極上下用超音波モータM4が配置されている。電極偏心装置4は、主軸13の下方に位置する電極ガイド2を備えるガイド部5と、電極ガイド2の偏芯量を調整するカム43、カム43を駆動する偏芯用モータM5および電極公転用モータM6を有している。超音波モータM4は、電極を高速で上下方向に往復駆動可能な公知の構成を有し、その他の各モータは、例えばサーボモータからなる。
図5に拡大して示すように、電極偏心装置4のガイド部5は、電極ガイド2の上方に一体的に設けた筒状の回転部材51と、回転部材51を回転可能に支持する軸受部材52を備える。回転部材51の上端部は、軸受部材52が支持されるベース部材53上に突出し、その周りに配設したプーリ54と、電極公転用モータM5の出力軸周りに配設したプーリ55との間に、ベルト56が懸架されている。
電極ガイド2は、ガイド本体21内に、電極3が挿通支持される小径穴を設けたガイド部材22を収容したもので、ガイド本体21およびガイド部材22の下端外周をテーパ状として、ワークとの干渉を回避している。ガイド部材22上方の電極ガイド2内および回転部材51の筒内には、電極3を案内するガイド穴57が形成される。ガイド部材22は、絶縁性のセラミック等よりなり、ガイド本体21の下端開口から図示しないワークへ向けて突出する電極3の外周を絶縁保持している。
回転部材51の下端部は、径方向に拡がる大径部となっており、その内部に、可動ブロック41と、電極ガイド2と一体の従動ブロック23を保持している。可動ブロック41と上方の回転部材51との間にはクリアランスが形成されて、上下動可能となっており、従動ブロック23は回転部材51の大径部内に挟持されて、上下方向の移動が規制されている。
可動ブロック41および従動ブロック23の外方には、ガイドホルダ42が配置される。ガイドホルダ42の外周側底面には、偏芯用モータM4の出力軸の先端に一体に設けたカム43が当接し、ガイドホルダ42の内周側底面には、カムフォロア44が当接している。図6(b)にカム43の形状例を示すように、カム43は外周に変曲部を有する略円板状で、この外周面をカムフォロア44が最上部位置で軌道し、カム形状(曲線)に沿ってガイドホルダ42およびカムフォロア44が上下動するようになっている。カムフォロア44は、可動ブロック41の外側面に固定され、カムフォロア44とともに可動ブロック41も、回転部材51の大径部内で上下動する。これらカム43、カムフォロア44、偏芯用モータM4が、可動ブロック41の駆動手段を構成する。
可動ブロック41と、従動ブロック23は、対向端面が相重なる傾斜面となっており、可動ブロック41が上方へ移動すると、従動ブロック23の対向端面が押されて、図の右方へ移動する。この時、従動ブロック23と一体の電極ガイド2も電極3とともに図の右方へ押され、主軸13に対して偏芯する。この状態で電極公転用モータM6を駆動すると、所定の偏芯量で電極3を公転させることができる(図6(a))。これにより、カム43の回転位置に応じて、可動ブロック41を上下動させ、電極3を左右方向に移動させて、偏芯量を調整することができる。したがって、偏芯量が徐々に小さくなるように、偏芯用モータW4の駆動を制御することで、加工方向へ徐々に径が小さくなるテーパ孔を加工することができる。
図7は、本実施形態の放電加工ユニット11を用いた放電加工装置1の全体構成例であり、ここでは、2つの放電加工ユニット11と、その下方に配置されるワーク受けユニット15を備えている。ワーク受けユニット15は、基枠12を支持する基台16に設けたテーブルT上に、2つのワーク受け部16を有し、その直上に各放電加工ユニット11の電極ガイド2が位置している。したがって、ワーク受け部16にワークWを載置して、各放電加工ユニット11を位置決めし、ワークWを載置して、各放電加工ユニット11の直下に、それぞれワークW受け部18を対向配置している。
放電加工装置1の放電加工ユニット11およびワーク受けユニット15は、制御部6に接続され、制御部6は、放電加工ユニット11の上下調整用モータM1、X軸調整モータM2、電極回転用モータM3、電極上下用超音波モータM4、偏芯用モータM5、電極公転用モータM6、その他各部の制御を行なって放電加工を実施する。この制御部6による放電加工制御の一例を、図8のフローチャートに基づいて説明する。
図8において、放電加工制御をスタートすると、まずステップ1で、放電加工ユニット11のX軸調整モータM2を駆動してX軸方向の位置決めを行い、さらに上下調整用モータM1を駆動してZ軸方向の位置決めを行う。次に、ステップ2で、偏芯装置4の偏芯用モータM5を駆動して、電極3の偏芯量を調整する。この電極偏心量は、テーパ孔W1の最大径、すなわち加工を開始するワークWの上面における加工径に対応するもので、図3(a)に示した揺動径−加工深さの関係に基づいて、予め設定されている。そして、ステップ3で、電極公転用モータM6を駆動して所定の偏芯量で電極3を公転させるとともに、電極回転用モータM3を駆動して電極3を自転させる。
さらに、放電加工を開始するために、ステップ4で、電極上下用超音波モータM4を駆動して、電極3を下降させる。電極3には図示しない放電電源から所定の電圧が印加されており、電極3とワークWとの間に放電が生じる。ステップ5、6では、電極3を引き続き下降させ、短絡が生じたら、電極3を上昇させる。これらステップ4〜6を繰り返すことで、放電加工を継続する。
同時に、ステップ7で、電極ガイド位置検出センサSを用いて、電極ガイド位置を検出する(本実施形態では、電極ガイド位置と実績値に基づいて加工深さを推定する手法を用いるものとする)。次いで、ステップ8で、電極ガイド位置(加工深さ)に応じて電極3の偏芯量を可変させる。具体的には、上述した図6(a)の揺動径−補正量曲線に基づいて、加工深さに対応する基本の偏芯量に対して、電極の消耗を考慮した補正量を加え、加工深さが深くなるほど補正量が大きくなるように偏芯量(揺動径R)を設定し、偏芯装置4の偏芯用モータM5を駆動する。そして、ステップ9で、電極ガイド位置(加工深さ)が目標に到達したか否かを検出し、肯定判定されたら放電加工を終了する。ステップ9が否定判定されたら、ステップ7へ戻り、以降のステップを繰り返す。
このように、本実施形態の放電加工装置1は、偏芯装置4を設けたことで、XY軸の複合動作である揺動動作を1軸だけで行なうことができる。そして、電極3の下降によりワークWを徐々に削り込むと同時に、偏芯装置4の偏芯用モータM5によりカム43をゆっくりと回転させて、電極3の偏芯量(揺動径)を徐々に小さくすることができる。さらに、電極3の消耗を考慮して偏芯量(揺動径)を補正制御するので、加工精度が大きく向上する。また、電極3の往復動作および上下動作には、高速往復動作が可能な超音波モータM4を用い、加工時間に対する放電時間を増やし火花率を多くして、加工時間を短縮することができる。したがって、所望のテーパ形状のテーパ孔W1を、精度よく高速で加工することができる。
図9、10は、本発明の放電加工装置1の第2実施形態である。第1実施形態の装置が、偏芯装置4を搭載しているのに対して、図9(a)、(b)に示す本実施形態の放電加工ユニット11は、X軸、Z軸方向の位置調整を行うX軸調整モータM2、上下調整用モータM1、自転用の電極回転モータM3に加えて、Y軸方向の位置調整を行うためのY軸調整モータM7を備えている。電極3の下端側は電極ガイド2に挿通支持され、電極上下用超音波モータM4で放電加工時の電極送りを制御する構成は同様であるが、電極3を偏芯回転させるためのカム機構、公転機構を備える電極偏芯装置4は配設していない。放電加工装置1のワーク受けユニット15の構成は、第1実施形態と同様であり、省略している。
本実施形態の放電加工装置1では、X軸調整モータM2、Y軸調整モータM7を用いて円弧補間を行うことにより、電極3の揺動動作を行なう。具体的には、電極ガイド2に挿通支持された電極3を、X軸、Y軸方向の円弧補間により円弧運動させ、ワークWに加工されるテーパ孔W1の中心軸の周りに回転させる。この円弧運動の径を、加工深さに応じて制御することにより、所望のテーパ孔W1を形成することができる。本実施形態における制御部6の放電加工制御の一例を、図10のフローチャートに基づいて説明する。
図10において、ステップ11で、放電加工ユニット11のX軸調整モータM2を駆動してX軸方向の位置決めを、上下調整用モータM1を駆動してZ軸方向の位置決めを行う。次に、ステップ12で、電極回転用モータM3を駆動して電極3を自転させる。そして、ステップ13で、X軸調整モータM2、Y軸調整モータM7を駆動し、XY軸の円弧補間を行って、電極3を所定の加工径(円弧径)となるように円弧動作させる。
さらに、ステップ14〜16で、電極上下用超音波モータM4を駆動して、電極3の下降、放電、短絡、電極3の上昇を繰り返すことで、放電加工を継続する。同時に、ステップ17で、電極ガイド位置検出センサSを用いて、電極ガイド位置を検出する。次いで、ステップ18で、電極ガイド位置(加工深さ)に応じて電極3の円弧径を可変させる。そして、ステップ19で、電極ガイド位置(加工深さ)が目標に到達したか否かを検出し、肯定判定されたら放電加工を終了する。ステップ19が否定判定されたら、ステップ17へ戻り、以降のステップを繰り返す。
第1実施形態では、偏芯装置4を設けて電極3の先端側で偏芯を行うようにしたが、このように上部側から、電極3を支持する電極ガイド2がXY平面内で相対回転するように2軸制御して、電極3に揺動動作を与えることもできる。この場合、X軸とY軸を各々補正できるので、加工孔の芯ずれや真直度に対しても補正制御することができる。また、電極ガイド2を含むガイド部を、駆動部である超音波モータM4に近接位置させることができるので、従来のように電極の先端が暴れるおそれがない。
以上のように、本発明によれば、ワークに入口側から出口側へ径が小さくなる微小なテーパ孔を、高精度に加工することができる。このようなテーパ孔は、燃料噴射ノズルの噴孔に限らず、各種装置用ノズルの噴孔、オリフィス部材、弁部材、フィルタ部材、その他種々の部材に形成することができ、高い加工精度を実現して品質を向上させることができる。
W ワーク
M4 偏芯用モータ(駆動手段)
1 放電加工装置
11 放電加工ユニット
2 電極ガイド
23 従動ブロック
3 電極
4 偏芯装置
41 可動ブロック
43 カム(駆動手段)
44 カムフォロア(駆動手段)
5 ガイド部
51 回転部材
6 制御部

Claims (5)

  1. テーパ孔が加工されるワークに対向する電極ガイドに細長形状の電極を挿通支持し、上記電極と上記ワークとの間に放電を生起する放電加工方法において、
    上記電極ガイドを揺動回転可能かつ揺動径を変更可能として、上記電極ガイドに支持される上記電極を、上記テーパ孔の中心軸周りに所定の揺動径で回転させるとともに、軸方向に送りながら加工深さに応じて上記揺動径を徐々に小さくすることにより、入口側から出口側へ向けて縮径するテーパ孔を加工することを特徴とするテーパ孔の放電加工方法。
  2. 上記テーパ孔形状に基づいて設定される上記揺動径を、上記電極の消耗量に応じて補正する請求項1記載のテーパ孔の放電加工方法。
  3. 上記揺動径の補正量を、加工深さが深くなるほど大きくする請求項1または2記載のテーパ孔の放電加工方法。
  4. テーパ孔が加工されるワークに対向する電極ガイドに細長形状の電極を挿通支持し、上記電極と上記ワークとの間に放電を生起する放電加工装置において、
    上記電極ガイドと一体的に回転可能に設けられ、上記電極ガイドを上記テーパ孔の中心軸周りに揺動回転可能とする回転部材と、
    上記回転部材の軸と直交する方向に移動可能な可動ブロックと、
    上記電極ガイドと一体に設けられ、上記可動ブロックの移動に伴い上記回転部材の軸と直交する方向に移動可能な従動ブロックと、
    上記可動ブロックを所定の移動量で移動させ、上記従動ブロックとともに上記電極ガイドを追従して移動させることにより、上記電極ガイドを上記テーパ孔の中心軸に対して偏芯させる駆動手段と、
    を備えており、上記電極ガイドに支持される上記電極を軸方向に送りながら加工深さに応じて上記可動ブロックの移動量を変更し、上記電極ガイドの偏芯量を徐々に小さくすることにより、入口側から出口側へ向けて縮径するテーパ孔を加工することを特徴とする放電加工装置。
  5. 上記駆動手段による上記可動ブロックの移動量を制御し、上記テーパ孔形状に基づいて設定される上記電極ガイドの偏芯量を、上記電極の消耗量に応じて補正し、補正された偏芯量となるように、上記駆動手段による上記可動ブロックの移動量を制御する制御手段を備える請求項4記載の放電加工装置。
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