JP2018161735A - 工作機械の制御装置および工作機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動切削加工において、切削油を入り込みやすくする工作機械の制御装置および工作機械を提供する。【解決手段】ワークと切削工具との相対的な回転と、ワークの切削送り方向へのワークと切削工具との相対的な移動と、所定位置を回転中心とした、ワークの切削送り方向への該ワークに対する前記切削工具の前進と後退による揺動とを制御する制御手段(制御部181で例示)により、ワークを振動切削加工する工作機械の制御装置180である。制御手段は、回転中心からワークに対して引いた切削送り方向に対する垂線を、切削工具の揺動範囲を二等分する中心線よりも切削工具の揺動範囲の最前進位置側となるように設定して切削工具を揺動させる揺動調整手段(振動調整部191で例示)を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、工作機械の制御装置および工作機械に関する。
工具でワークを旋削する場合、いわゆる流れ形の連続的な切屑が生成されて周囲に排出される。この連続的な切屑がワークや工具に巻きつくと、ワークや工具の損傷を招く。そのため、例えば特許文献1には、ワークを工具に対して往復移動(揺動)させ、切屑を分断した切粉の状態で排出可能な振動切削加工の手法が開示されている。
実開昭48−98779号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の手法では、切削工具による振り角の中心線を、回転中心からワークに引いた切削送り方向に対する垂線に一致させることが開示されている。ワークの加工精度の向上や工具寿命の向上を図るには、ワークと切削工具との間に切削油を入り込みやすくすることが望まれる。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、振動切削加工において、切削油を入り込みやすくする工作機械の制御装置および工作機械を提供することを目的とする。
本発明は、第1に、ワークと切削工具との相対的な回転と、該ワークの切削送り方向への該ワークと前記切削工具との相対的な移動と、所定位置を回転中心とした、前記ワークの切削送り方向への該ワークに対する前記切削工具の前進と後退による揺動とを制御する制御手段により、前記ワークを振動切削加工する工作機械の制御装置あって、前記制御手段は、前記回転中心から前記ワークに対して引いた切削送り方向に対する垂線を、前記切削工具の揺動範囲を二等分する中心線よりも前記切削工具の揺動範囲の最前進位置側となるように設定して前記切削工具を揺動させる揺動調整手段を有することを特徴とする。
第2に、前記揺動調整手段は、前記垂線を、前記切削工具の前記揺動範囲の角度のうち、非切削時の半分の角度だけ、前記中心線よりも前記切削工具の揺動範囲の最前進位置側となるように設定することを特徴とする。
第3に、前記揺動調整手段は、前記垂線を、前記切削工具の前記揺動範囲の角度のうち、切削時の角度の中心となるように設定することを特徴とする。
第4に、上記いずれかの工作機械の制御装置を備えた工作機械であることを特徴とする。
本発明は以下の効果を得ることができる。
(1)回転中心からワークに対して引いた切削送り方向に対する垂線を、切削工具による振り角の中心線よりも切削工具の最前進位置寄りにずらしており、切削工具の後退時には工具先端とワークとの隙間を大きくすることができる。この隙間を利用して切削油の入り込みを促進できるので、ワークの加工精度の向上、および工具寿命の向上を図ることができる。
(2)回転中心からワークに対して引いた切削送り方向に対する垂線を、切削工具の揺動範囲の角度のうち非切削時の半分の角度だけ、振り角の中心線よりも最前進位置寄りにずらせば、切削工具の前進時にワークとの隙間を小さくしつつ、切削工具の後退時にはワークとの隙間を大きくすることができる。この結果、ワークの加工精度の向上、および工具寿命の向上をより一層達成できる。
(3)回転中心からワークに対して引いた切削送り方向に対する垂線を、切削工具の揺動範囲の角度のうち切削時の角度の中心となるように設定すれば、切削工具の前進時にワークとの隙間を小さくしつつ、切削工具の後退時におけるワークとの隙間を大きくすることができる。この結果、ワークの加工精度の向上、および工具寿命の向上をより一層達成できる。
(4)ワークの加工精度の向上、および工具寿命の向上を図ることが可能な工作機械を提供することができる。
本発明の一実施例による工作機械の概略を示す図である。 切削工具とワークとの関係を示す概略図である。 切削工具の往復移動および位置を説明する図である。 主軸のn回転目、n+1回転目、n+2回転目の各回転時の刃先経路の関係を示す図である。 制御装置の構成図である。 切削工具の刃先経路と揺動範囲の関係を示す図である。 切削幅、非切削幅の算出を説明する図である。 前進位置角度および後退位置角度の算出を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の工作機械の制御装置および工作機械について説明する。図1に示すように、工作機械100は、主軸110と、ワークWを振動切削加工(以下、加工と称する)するバイト等の切削工具130と、制御装置180とを備えている。
主軸110の先端にはチャック120が設けられており、ワークWはチャック120を介して主軸110に保持されている。主軸110は、主軸台110Aに回転自在に支持され、例えば主軸台110Aと主軸110との間に設けられた主軸モータ(例えばビルトインモータ)の動力によって回転する。
切削工具130は切削工具台130Aに装着されている。
工作機械100のベッドには、Z軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150、B軸回動機構170が設けられている。
Z軸方向送り機構160は、ベッドと一体のベース161と、Z軸方向送りテーブルをスライド自在に支持するZ軸方向ガイドレールとを備えている。Z軸方向送りテーブルが、リニアサーボモータ(いずれも図示省略)の駆動によって図示のZ軸方向(ワークWの回転軸線方向に一致する)に沿って移動すると、切削工具台130AがZ軸方向に移動する。
X軸方向送り機構150は、例えばZ軸方向送り機構160を介して工作機械100のベッドに搭載されており、X軸方向送りテーブルをスライド自在に支持するX軸方向ガイドレールを備えている。X軸方向送りテーブルが、リニアサーボモータ(いずれも図示省略)の駆動によって図示のZ軸方向に対して直交するX軸方向に沿って移動すると、切削工具台130AがX軸方向に移動する。
B軸回動機構170は、例えばZ軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150を介して工作機械100のベッドに搭載されており、B軸回動テーブルを回転自在に支持するベースを備えている。B軸回動テーブルが、リニアサーボモータ(いずれも図示省略)の正逆転駆動によって、所定の回転中心(例えば図2にBで示す)の回りを揺動すると、切削工具台130Aが、XZ平面内で切削送り方向(例えばZ軸方向)に沿って前進と後退を繰り返す。
なお、Y軸方向送り機構を工作機械100に設けてもよい。Y軸方向は図示のZ軸方向およびX軸方向に直交する方向である。Y軸方向送り機構もリニアサーボモータによって駆動可能なY軸方向送りテーブルを有する。Y軸方向送り機構をZ軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150を介して工作機械100のベッドに搭載し、Y軸方向送りテーブルに切削工具台130Aを搭載すると、切削工具130をZ軸方向、X軸方向に加えてY軸方向にも移動させることができる。Z軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150をY軸方向送り機構を介して工作機械100のベッドに搭載してもよい。
主軸110の回転、および、B軸回動機構170、Z軸方向送り機構160、X軸方向送り機構150やY軸方向送り機構(以下、B軸回動機構170等と称する)の移動は、制御装置180で制御される。制御装置180は、主軸モータを駆動してワークWを切削工具130に対して図2の矢印方向に回転させ、Z軸方向送り機構160を駆動して切削工具130をワークWに対して図2のZ軸の正方向に移動させ、B軸回動機構170を駆動して切削工具130をワークWに対して図2のZ軸の正方向および負方向に揺動させる。
切削工具台130Aが移動できるように説明したが、本発明はこの例に限定されない。主軸台110Aを図2のZ軸の負方向に移動できるようにする、あるいは、主軸台110AをX、Y、Z軸方向に移動可能にしてもよい。もしくは、主軸台110Aと切削工具台130Aの両方が移動できるようにしてもよい。
B軸回動機構170等にリニアサーボモータを用いた例を挙げて説明したが、公知のボールネジとサーボモータを用いてもよい。
図2では、例えば、ワークWが切削工具130に対して回転し、切削送り方向がZ軸方向と平行であり、正方向に進行する場合を示し、切削工具130がワークWに対してZ軸方向に移動し、かつ、回転中心Bに対してZ軸方向に揺動する例を示している。
制御装置180は、切削工具130をZ軸の正方向に向けて所定の前進量で移動(往動)させた後、切削工具130をZ軸の負方向に向けて所定の後退量で移動(復動)させる。これにより、図3に示すように、切削工具130をワークWに対して前進量と後退量との差(進行量)だけ送ることができる。
詳しくは、ワークWは、主軸モータにより、所定の方向に回転される。一方、切削工具130は、Z軸方向送り機構160によりZ軸の正方向に送られながら、B軸回動機構170によりZ軸の正方向への往動とZ軸の負方向への復動とを繰り返しており、ワークWの1回転分、すなわち、主軸位相0°から360°まで変化する間の上記進行量の合計が送り量になる。
これにより、ワークWの周面は、切削工具130によって正弦曲線状に加工される。図4は、ワークWが1回転する間に切削工具130が往復移動する回数(回転毎の振動回数Dともいう)が3.5(回/r)の例を示す。
切削工具130で加工された、主軸110のn(nは1以上の整数)回転目におけるワークWの周面形状(図4に実線で示す)と、主軸110のn+1回転目におけるワークWの周面形状(図4に破線で示す)とは、振動の位相が反転しており、主軸位相方向(図4のグラフの横軸方向)でずれている。詳しくは、各正弦曲線状の波形が逆になっているので、同じ主軸位相において、図4に破線で示したワークWの周面形状の谷の最低点(切削工具130における山の最高点)の位置が、図4に実線で示したワークWの周面形状の山の最高点(切削工具130における谷の最低点)の位置に対向している。
この結果、切削工具130の刃先軌跡は、今回の往復動時の加工部分と次回の復往動時の加工部分とが重複し、例えば主軸110のn+1回転目におけるワークWの周面形状に、主軸110のn回転目におけるワークWの周面形状が含まれるので、切削工具130にはワークWを加工しない空振り動作が生じる。この空振り動作時に、ワークWから生じた切屑は分断されて切粉(chips)になる。このように、工作機械100は切粉を生成しながらワークWの外形を加工する。
回転毎の振動回数Dは、例えば1.1や1.25(回/r)等とすることができ、また1(回/r)よりも小さな値に設定することもできる。振動回数Dを1(回/r)よりも小さな値、例えば0.5に設定した場合、主軸110がZ軸方向で1往復する間に、主軸110は2回転する。
図5に示されるように、制御装置180は、制御部181、入力部182、記憶部183を有し、これらはバスを介して接続される。
制御部181は、CPU等からなり、各モータの作動を制御するモータ制御部190と、Z軸方向送り機構160の送りやB軸回動機構170の揺動を設定する振動調整部191とを備える。なお、制御部181が本発明の制御手段に相当し、振動調整部191が本発明の揺動調整手段に相当する。
制御部181は、記憶部183の例えばROMに格納されている各種プログラムやデータをRAMにロードし、各種プログラムを実行することにより、モータ制御部190、振動調整部191を介して、工作機械100の動作を制御することができる。
切削工具130の往復移動は、所定の指令周期Tに基づく振動周波数fで実行される。なお、振動周波数fは振動回数Dと主軸110の回転数Rから決定される。
制御部181が、例えば入力部182の入力値あるいは加工プログラムに基づいて所定の振動波形を得ることができる。詳しくは、図6に示す、ワークWが1回転する間に切削工具130が往復移動する回数(回転毎の振動回数D)が1.5(回/r)の例を用いて説明する。切削工具130は、Z軸方向に送られつつ、回転中心Bを基準として最前進位置Eと最後退位置Gとの間を振り子のように動作する。切削工具130の前進(GからEへ)と後退(EからGへ)によって、Z軸方向に沿って前後に往復移動するので、主軸110(ワークW)のn回転目の加工領域(図6に実線で示す)、n+1回転目の加工領域(図6に破線で示す)、n+2回転目の加工領域(図6に1点鎖線で示す)が得られる。
Z軸方向において、最前進位置Eと最後退位置Gとの距離が、振動波形の振幅Q*Fであり、Qは振幅送り比率(無次元数)であり、Fは送り量(mm/r)である。
切削工具130の前進時と後退時にワークWと切削工具130の接触している期間が、例えば、図6に破線で示したn+1回転目の加工領域と図6に1点鎖線で示したn+2回転目の加工領域とが重複しない期間(ワークWの削り時;領域200で示す)に該当する。このワークWの削り時は、主軸位相θ1からθ3までに相当し、切削工具130が最前進位置Eに到達すると、工具位置Z2になる。
一方、切削工具130の前進時と後退時にワークWと切削工具130の接触していない期間が、例えば、図6に破線で示したn+1回転目の加工領域と図6に1点鎖線で示したn+2回転目の加工領域とが重複する期間(切削工具130の空振り時;領域201で示す)に該当する。この切削工具130の空振り時は、主軸位相θ3からθ5までに相当し、切削工具130が最後退位置Gに到達すると、工具位置Z4になる。
振動調整部191は、上記のような切削工具130の刃先経路と揺動範囲との関係に基づき、ワークWの加工精度の向上や工具寿命の向上を図るために、切削工具130の揺動範囲の振幅中心位置Cを、切削工具130の回転中心BからワークWに引いた切削送り方向に対する垂線の足Hとは異なる位置に設定している。
詳しくは、図6で説明した切削工具130の刃先経路について、まず、図6に1点鎖線で示したn+2回転目の加工領域と図6に破線で示したn+1回転目の加工領域との交点になる主軸位相θ1、θ3、θ5を求める。
ここで、送り量Fの大きさを考慮すると、波形の右上がりの傾きは無視できるので、図6で説明した波形は、図7に当該波形(1点鎖線で示す)や1周前波形(破線で示す)で表されるような、傾きの無い水平方向に進む波形に近似できる。また、計算を容易にするために、振動波形は、主軸位相0°の場合に切削工具130が最後退位置Gに到達しているものと考える。
図6に1点鎖線で示したn+2回転目の加工領域を基準の振動波形とする(図7に当該波形で示す)。このn+2回転目の加工領域と図6に破線で示したn+1回転目の振動波形(図7に1周前波形で示す)の加工領域に着目し、当該波形を左辺に、1周前波形を右辺にそれぞれ表すと、当該波形と1周前波形との交点は数1から求められる。
数1から求めた主軸位相θ1、θ3、θ5が当該波形と1周前波形との交点になる。
求めた主軸位相θ1からθ3までがワークWの削り時(図6の領域200)に相当し、主軸位相θ1(θ3)における切削工具130の工具位置Z3を求めることができる。そして、工具位置Z3と当該波形とから、最前進位置Eにおける切削工具130の工具位置Z2を求めることができる。図7に示すように、工具位置Z3からZ2までの距離が切削時の幅A’であり、切削工具の揺動範囲の角度のうち、切削時の角度に相当する。
一方、求めた交点θ3からθ5までが切削工具130の空振り時(図6の領域201)に相当し、工具位置Z3と当該波形とから、最後退位置Gにおける切削工具130の工具位置Z4を求めることができる。図7に示すように、工具位置Z3からZ4までの距離が非切削時の幅Aに相当する。なお、非切削時の幅Aと上記の切削時の幅A’との和が振幅Q*Fになる。
続いて、図8に示すように、回転中心BからワークWに引いた切削送り方向に対する垂線の足Hとし、この直線BHと回転中心Bから最前進位置Eに引いた直線BEとのなす角(以下、前進位置角度と称する)θfとし、この直線BHと回転中心Bから最後退位置Gに引いた直線BGとのなす角(以下、後退位置角度と称する)θbとする。
この場合、振動調整部191は、後退位置角度θbが前進位置角度θfよりも大きくなるように設定している。
このように、直線BHに対する切削工具130の後退時の揺動範囲(後退位置角度θb)を、直線BHに対する切削工具130の前進時の揺動範囲(前進位置角度θf)よりも広くしており、切削工具130の後退時(特に図8のHからGへ)には工具先端とワークとの隙間を大きくすることができる。この隙間を利用して切削油の入り込みを促進できるので、ワークの加工精度の向上、および工具寿命の向上を図ることができる。
また、切削工具130の揺動範囲は、従来技術のようなカムの形状によって決定されず、加工パラメータの入力等によって容易に変更できる。
一方、上記振動調整部191の設定内容は、切削工具130の振り子角度を二等分する中心線(図8に直線BCで示す)を、上記の直線BHよりも最後退位置G側にずれた位置に設定していると考えることができる。切削工具130の揺動範囲の振幅中心位置Cを最後退位置G寄りにずらせば、切削工具130の後退時(特に図8のHからGへ)には工具先端とワークとの隙間を大きくすることができるからである。
そして、ワークWの加工精度を最も良好にするためには、上記の切削時の幅A’に着目すると、直線BHを切削時の幅A’を二等分した位置にすればよい。直線BHが切削時の幅A’の中点を通るように前進位置角度θfを設定すれば、切削工具130の前進時(特に図8のHからEへ)にはワークWとの隙間を小さくしつつ、切削工具130の後退時(特に図8のHからGへ)におけるワークWとの隙間を大きくすることができるからである。
上記説明を換言すると、回転中心BからワークWに引いた切削送り方向に対する垂線の足Hを、切削工具の揺動範囲の角度(θf+θb)のうち、切削時の幅A’の中心の角度となるように設定していることになる。
これに対して、上記の非切削時の幅Aに着目すると、回転中心BからワークWに引いた切削送り方向に対する垂線の足Hを、切削工具130の振幅中心位置Cに対して、切削工具の揺動範囲の最前進位置E側となるように切削工具130の送り方向(Z軸の正方向)とは逆向きに、非切削時の幅Aの半分(つまり、A/2)だけずらせばよい。
つまり、回転中心BからワークWに引いた切削送り方向に対する垂線の足Hを、切削工具の揺動範囲の角度(θf+θb)のうち、切削工具の揺動範囲を二等分する中心線よりも、非切削時の幅Aが半分となる角度だけ、最前進位置E側となるように設定していることになる。
詳しくは、回転中心Bと最前進位置E(最後退位置G)とを結んだ直線BE(直線BG)の長さをLとすると、図8に示すように、振幅中心位置Cが、直線BHからA/2だけ最後退位置G寄りにずれたことになり、前進位置角度θfは数2、後退位置角度θbは数3からそれぞれ求めることができる。なお、上記のように、Q*F=A+A’であることから、数2の(Q*F/2−A/2)は切削時の幅A’の半分(つまり、A’/2)に相当する。
この場合に、切削工具130の前進時(特に図8のHからEへ)におけるワークWとの隙間Gfは数4、切削工具130の後退時(特に図8のHからGへ)におけるワークWとの隙間Gbは数5からそれぞれ求めることができる。
より具体的には、直線BE(直線BG)の長さLが50(mm)、振幅Q*Fが0.06(mm)、非切削時の幅Aが0.015(mm)の例を挙げて説明すると、従来技術のように振幅中心位置Cが直線BH上にあった場合には、前進位置角度θfは0.034(deg)、後退位置角度θbが−0.034(deg)となり、切削工具130とワークWとの隙間は0.009(μm)であった。
これに対し、本実施形態の場合には、前進位置角度θfが0.017(deg)となり、切削工具130の前進時におけるワークWとの隙間Gfは0.002(μm)となるので、ワークWの表面がより微少な凹凸になることが分かる。また、後退位置角度θbは−0.052(deg)となり、切削工具130の後退時におけるワークWとの隙間Gbは0.021(μm)となるので、切削油の入り込みをより一層促進できることが分かる。
100 ・・・ 工作機械
110 ・・・ 主軸
110A・・・ 主軸台
120 ・・・ チャック
130 ・・・ 切削工具
130A・・・ 切削工具台
150 ・・・ X軸方向送り機構
151 ・・・ ベース
160 ・・・ Z軸方向送り機構
161 ・・・ ベース
170 ・・・ B軸回動機構
180 ・・・ 制御装置
181 ・・・ 制御部
182 ・・・ 入力部
183 ・・・ 記憶部
190 ・・・ モータ制御部
191 ・・・ 振動調整部

Claims (4)

  1. ワークと切削工具との相対的な回転と、該ワークの切削送り方向への該ワークと前記切削工具との相対的な移動と、所定位置を回転中心とした、前記ワークの切削送り方向への該ワークに対する前記切削工具の前進と後退による揺動とを制御する制御手段により、前記ワークを振動切削加工する工作機械の制御装置あって、
    前記制御手段は、前記回転中心から前記ワークに対して引いた切削送り方向に対する垂線を、前記切削工具の揺動範囲を二等分する中心線よりも前記切削工具の揺動範囲の最前進位置側となるように設定して前記切削工具を揺動させる揺動調整手段を有する、工作機械の制御装置。
  2. 前記揺動調整手段は、前記垂線を、前記切削工具の前記揺動範囲の角度のうち、非切削時の半分の角度だけ、前記中心線よりも前記切削工具の揺動範囲の最前進位置側となるように設定する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
  3. 前記揺動調整手段は、前記垂線を、前記切削工具の前記揺動範囲の角度のうち、切削時の角度の中心となるように設定する、請求項1に記載の工作機械の制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の工作機械の制御装置を備えた工作機械。
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