JP2016182654A - 工作機械及びこの工作機械の制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この工作機械の制御装置は、前記回転手段と、前記送り手段と、前記振動手段とを駆動制御し、前記ワークと前記切削工具との相対回転と、前記ワークに対する前記切削工具の前記加工送り方向への前記往復振動を伴う送り動作とによって前記工作機械に、前記ワークの加工を実行させる。
工作機械100は、回転手段としての主軸110と、刃物台としての切削工具台130Aとを備えている。
主軸110の先端にはワーク保持手段としてのチャック120が設けられている。
チャック120を介して主軸110にワークWが保持される。
主軸110は、図示しない主軸モータの動力によって回転駆動されるように主軸台110Aに支持されている。
主軸110は、主軸台110Aを介してZ軸方向送り機構160によって、前記Z軸方向に移動する。
Z軸方向送り機構160は、主軸110をZ軸方向に移動させる主軸移動機構を構成している。
Z軸方向ガイドレール162に、Z軸方向ガイド164を介してZ軸方向送りテーブル163がスライド自在に支持されている。
Z軸方向送りテーブル163側にリニアサーボモータ165の可動子165aが設けられ、ベース161側にリニアサーボモータ165の固定子165bが設けられている。
Z軸方向送りテーブル163の移動によって主軸台110AがZ軸方向に移動し、主軸110のZ軸方向への移動が行われる。
切削工具台130Aは、工作機械100のベッド側に、X軸方向送り機構150及び図示しないY軸方向送り機構によって、前記Z軸方向に直交するX軸方向と、前記Z軸方向及びX軸方向に直交するY軸方向とに移動自在に設けられている。
本実施例では、図示しないY軸方向送り機構が、切屑の分断に際して、切削工具130を切り込み方向であるX軸方向と交差する方向であるY軸方向にワークWに対して相対的に移動させる移動手段である。
X軸方向送り機構150とY軸方向送り機構とによって、切削工具台130Aを主軸110に対して前記X軸方向及びY軸方向に移動させる刃物台移動機構が構成されている。
X軸方向ガイドレール152に、X軸方向ガイド154を介してX軸方向送りテーブル153がスライド自在に支持されている。
リニアサーボモータ155の駆動によってX軸方向送りテーブル153が、X軸方向に移動駆動される。
なおY軸方向送り機構は、X軸方向送り機構150をY軸方向に配置したものであり、X軸方向送り機構150と同様の構造であるため、構造についての詳細な説明は割愛する。
切削工具台130Aは、X軸方向送りテーブル153の移動駆動によってX軸方向に移動し、Y軸方向送り機構が、Y軸方向に対して、X軸方向送り機構150と同様の動作をすることによって、Y軸方向に移動する。
この場合、前記送り手段が、切削工具台130AをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる刃物台移動機構から構成され、固定的に位置決めされて回転駆動される主軸110に対して、切削工具台130Aを移動させることによって、前記切削工具130をワークWに対して加工送り動作させることができる。
この場合、前記送り手段が、主軸台110AをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる主軸台移動機構から構成され、固定的に位置決めされる切削工具台130Aに対して、主軸台110Aを移動させることによって、前記切削工具130をワークWに対して加工送り動作させることができる。
また、本実施例では、切削工具130に対してワークWを回転させる構成としたが、ワークWに対して切削工具130を回転させる構成としてもよい。
制御部C1は、各送り機構を振動手段として、各々対応する移動方向に沿って往復振動させながら、主軸台110A又は切削工具台130Aを各々の方向に移動させるように制御する振動制御手段を備えている。
切削工具130がワークWを加工して加工済みとなった面がワーク加工面W1である。
なお正弦曲線状の波形の谷を通過する仮想線(1点鎖線)において、主軸位相0°から360°まで変化したときの位置の変化量が、前記送り量を示す。
図4に示されるように、ワークWの1回転当たりの主軸台110A(主軸110)又は切削工具台130Aの振動数Nが、3.5回(振動数N=3.5)を例に説明する。
切削加工時にワークWから生じる切屑は、前記空振り動作によって順次分断される。
工作機械100は、切削工具130の切削送り方向に沿った前記往復振動によって切屑を分断しながら、ワークWの外形切削加工を円滑に行うことができる。
言い換えると、ワーク周面のn+1回転目(nは1以上の整数)における復動時の切削工具130の軌跡が、ワーク周面のn回転目における切削工具130の軌跡まで到達すればよい。
図4に示されるように、n+1回転目とn回転目のワークWにおける切削工具130により旋削される形状の位相が一致(同位相)とならなければよく、必ずしも180°反転させる必要はない。
ワークWの1回転で1回より少ない振動(0<振動数N<1.0)を行うように設定することもできる。
この場合、1振動に対して1回転以上主軸110が回転する。
主軸台110A(主軸110)又は切削工具台130A(切削工具130)の往復振動は、前記指令時間単位に基づく所定の周波数で動作が可能となる。
例えば、制御部C1によって1秒間に250回の指令を送ることが可能な工作機械100の場合、制御部C1による動作指令は、1÷250=4(ms)周期(指令時間単位毎)で行われる。
すなわち、制御部C1が、切屑の分断に際して、図示しないY軸方向送り機構を制御して切削工具130を前記切り込み方向と交差する方向であるY軸方向にワークWに対して相対的に移動させる。
これにより、切削工具130の刃先131においてワーク加工面W1に対して垂直な面と刃先131の刃面とが成す刃面の角度を刃面角とすると、図6(A)に示すように、振動切削中において切削工具130がワーク未加工箇所W2を加工して切屑が発生しているときの前記刃面角α1が0°であったが、切屑が分断される直前に、図6(B)に示すように、前記刃面角α2がα1より大きくなる。
その後、制御部C1は、切削工具130を切り込み方向と交差する方向であるY軸方向において切り込み方向と交差する方向に移動する前の位置へ移動してから加工送り方向において切削工具130をワーク未加工箇所W2を加工し、上述した動作を繰り返すように振動手段を制御する。
これにより、空振り動作の間に切削工具130が完全にワークWから離間している間は切削工具130がワークWから応力を受けない。
その結果、切削工具130の負担を軽減して切削工具130の刃先131が欠損してしまうことを回避して切削工具130の寿命を長くすることができる。
さらに、切削工具130の刃先131とワークWとの間に切削油が入りやすくなるため、切削油の効果を高めることができる。
言い換えると、往動時の切削加工部分と復動時の切削加工部分とが重複するように制御したが、往動時の切削加工部分と復動時の切削加工部分とが接するように制御してもよい。
これによって、1振動において切削工具130の往動時の切削加工部分に、復動時の切削加工部分が理論上「点」として含まれ、復動中に切削工具130がワークWを切削しない所謂、空振り動作が「点」で生じることにより、切削加工時にワークWから生じる切屑は、前記空振り動作(往動時の切削加工部分と、復動時の切削加工部分とが接する点)によって順次分断される。
110 ・・・ 主軸
110A・・・ 主軸台
120 ・・・ チャック
130 ・・・ 切削工具
130A・・・ 切削工具台
131 ・・・ 刃先
150 ・・・ X軸方向送り機構
151 ・・・ ベース
152 ・・・ X軸方向ガイドレール
153 ・・・ X軸方向送りテーブル
154 ・・・ X軸方向ガイド
155 ・・・ リニアサーボモータ
155a・・・ 可動子
155b・・・ 固定子
160 ・・・ Z軸方向送り機構
161 ・・・ ベース
162 ・・・ Z軸方向ガイドレール
163 ・・・ Z軸方向送りテーブル
164 ・・・ Z軸方向ガイド
165 ・・・ リニアサーボモータ
165a・・・ 可動子
165b・・・ 固定子
C ・・・ 制御装置
C1 ・・・ 制御部
W ・・・ ワーク
W1 ・・・ ワーク加工面
W2 ・・・ ワーク未加工箇所
Claims (4)
- ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する切削工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段と刃物台との相対移動によってワークに対して切削工具を所定の加工送り方向に送り動作させる送り手段と、前記ワーク保持手段と刃物台とを加工送り方向に沿って相対的に振動させる振動手段と、前記ワークと切削工具とを相対的に回転させる回転手段とを備え、
前記往復振動の往動時の切削加工部分と、復動時の切削加工部分とを重複させて、前記切削工具を加工送り方向に沿って往復振動させながら加工送り方向に相対的に送るように振動手段と回転手段とを連係して駆動制御し、前記ワークと前記切削工具との相対回転と、前記ワークに対する前記切削工具の前記加工送り方向への前記往復振動を伴う送り動作とによって、前記重複部分で切屑を分断しながらワークの加工を実行させる工作機械であって、
前記切屑の分断に際して、前記切削工具を前記切り込み方向と交差する方向に前記ワークに対して相対的に移動させる移動手段を設ける構成とした工作機械。 - 前記移動手段を、前記往動時と復動時の切削加工部分の重複開始時に、前記移動を行う構成とした請求項1に記載の工作機械。
- 前記移動手段を、前記回転手段の回転方向に沿って前記切削工具を移動させる構成とした請求項1または請求項2に記載の工作機械。
- ワークを保持するワーク保持手段と、前記ワークを切削加工する切削工具を保持する刃物台と、前記ワーク保持手段と刃物台との相対移動によってワークに対して切削工具を所定の加工送り方向に送り動作させる送り手段と、前記ワーク保持手段と刃物台とを加工送り方向に沿って相対的に振動させる振動手段と、前記ワークと切削工具とを相対的に回転させる回転手段とを備えた工作機械に設けられ、
前記往復振動の往動時の切削加工部分と、復動時の切削加工部分とを重複させて、前記切削工具を加工送り方向に沿って往復振動させながら加工送り方向に相対的に送るように振動手段と回転手段とを連係して駆動制御し、前記ワークと前記切削工具との相対回転と、前記ワークに対する前記切削工具の前記加工送り方向への前記往復振動を伴う送り動作とによって、前記重複部分で切屑を分断しながらワークの加工を実行させる工作機械の制御装置であって、
前記切屑の分断に際して、前記切削工具を前記切り込み方向と交差する方向に前記ワークに対して相対的に移動させる移動手段を設ける構成とした工作機械の制御装置。
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