JP3991142B2 - 熱間薄板圧延ライン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常長さのスラブおよび長尺スラブを圧延する熱間薄板圧延ラインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の通常のスラブの長さは最大でも12m程度である。一方最近では連続鋳造設備により100mを越える長尺スラブも生産されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来通常長さのスラブと長尺スラブとの両方を熱間薄板圧延する設備がなく、この設備が望まれていた。また長尺スラブの場合、1個のスラブから板幅、板幅と板厚の異なる薄板毎に巻取ったコイルを製造する設備がなく、この設備が望まれていた。
【0004】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたもので、通常長さのスラブと長尺スラブとの両方を熱間薄板圧延する設備を提供することを目的とする。また1個の長尺スラブから板幅、板幅と板厚の異なる薄板を巻取ったコイルを製造する設備を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、上流から供給されるスラブを加熱する加熱炉と、この加熱炉の下流側に設けられた少なくても1台の第1粗ミルと、この第1粗ミルの下流側に設けられた厚み圧下プレスと、この厚み圧下プレスの下流側に設けられた少なくても1台の第2粗ミルと、この第2粗ミルの下流側に設けられた複数台の仕上ミルと、この仕上ミルの下流側に設けられた走間シャーと、この走間シャーの下流側に設けられた巻取機と、を備える。
【0006】
通常長さのスラブに対しては、加熱炉、第1粗ミルと第2粗ミル、仕上ミル、巻取機を用い、長尺スラブに対しては、圧延ラインに入る前に加熱された状態で入ってくるので、加熱炉は用いず、厚み圧下プレスまたは厚み圧下プレスと第2粗ミルまたは第1粗ミルと厚み圧下プレスと第2粗ミル、仕上ミル、走間シャー、巻取機を用いる。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1において、通常長さのスラブの場合は、前記加熱炉で加熱後前記第1粗ミルまたは前記厚み圧下プレスで粗圧延し、前記第2粗ミルで粗圧延後仕上ミルで仕上げ圧延して前記巻取機で巻取り、長尺スラブの場合は、前記厚み圧下プレスまたは前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルまたは前記第1粗ミルと前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルで粗圧延し、前記仕上ミルで仕上げ圧延後前記巻取機で巻取り前記走間シャーにより所定長さで切断する。
【0008】
通常長さのスラブの場合、第1粗ミルを使用する場合、通常はリバース圧延も使用し複数パスで圧延するが、厚み圧下プレスでは1パスで圧下する。長尺スラブの場合、粗圧延は厚み圧下プレスまたは厚み圧下プレスと第2粗ミルまたは第1粗ミルと厚み圧下プレスと第2粗ミルのいずれかを粗圧延で達成すべき板厚に応じて選択する。また1つのコイルでは巻取りきれないので、複数のコイルに巻取るため走間シャーを用いる。
【0009】
請求項3の発明では、前記加熱炉と前記第1粗ミルとの間に幅圧下プレスを設ける。
【0010】
幅圧下プレスを設けることにより板幅の異なる薄板のコイルを製造することができる。
【0011】
請求項4の発明では、前記幅圧下プレスと、前記厚み圧下プレスまたは前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルまたは前記第1粗ミルと前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルと、前記仕上ミルとで板幅および/または板厚の異なる薄板を圧延し、その異なる薄板ごとに前記巻取機で巻取り前記走間シャーで切断する。
【0012】
1個のコイルに巻き取れない場合、複数個のコイルに分けて圧延した薄板を巻き取ることになる。この巻き取るコイル毎に巻き取る薄板の幅、または幅と板厚を変えて圧延できる。幅圧下プレスによりスラブの幅をコイル1個に巻き取る分ごとに所望の幅に圧下する。またその幅となるスラブの長さに応じた長さにわたり、厚み圧下プレスまたは厚み圧下プレスと第2粗ミルまたは第1粗ミルと厚み圧下プレスと第2粗ミルとを用いてコイルで巻き取る薄板が所望の板厚となるよう圧下や圧延を行う。これにより1個のスラブから、板幅、板幅と板厚の異なるコイルを複数製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態の熱間薄板圧延ラインを示す。被圧延材1のスラブは図の左側から入り、右側に流れてゆく。圧延対象のスラブは最大12m程度の通常スラブと、連続鋳造され100m程度のものも使用される長尺スラブである。通常スラブは直角に曲がる矢印で示す経路で加熱炉2に搬入され、加熱された後圧延ラインに入る。長尺スラブは図示しない加熱炉で加熱された後、圧延ラインに搬入されてくる。加熱炉2の出側には幅圧下プレス3が設けられスラブの板幅をスラブを搬送しながら圧下し所望の板幅とする。幅圧下プレス3は片幅0〜300mm程度の圧下が可能であるが、さらに大きな値までも圧下可能である。幅圧下プレス3の出側には第1粗ミル4が設けられている。第1粗ミル4にはその入側に竪形ロールよりなり入ってくるスラブ幅を片幅0〜50mm程度圧下する幅サイジングロール4aが設けられている。
【0014】
第1粗ミル4の出側には厚み圧下プレス5が設けられ、スラブの厚みをスラブを搬送しながら大幅に圧下する。厚み圧下プレス5の出側には第2粗ミル6が設けられている。台数は図では2台の場合を示すが、粗圧延する厚みに応じて台数は決められる。第2粗ミル6にもそれぞれ幅サイジングロール6aが入側に設けられている。なお、第1粗ミル4、第2粗ミル6にはリバース機能を設けてもよい。第2粗ミル6の出側には複数台、通常5〜7台からなる仕上ミル7が設けられている。仕上ミル7の出側には被圧延材1をその搬送中に切断する走間シャー8が設けられ、この出側に被圧延材1をコイルに巻き取る巻取機9が設けられている。巻取機9は交互に巻き取りできるように2台設けられている。
【0015】
図2は幅圧下プレス3の一例であり、平面図を示す。幅圧下プレス3は、偏心運動するクランク3aと、この偏心によりスラブの板幅方向左右、スラブ流れ方向前後に揺動する大きな重量のスライダー3bと、このスライダー3bに取付けられた金型3cとを備える。スライダー3bの左右方向の動きでスラブ幅を圧下するが、この圧下中にスラブ流れ方向に移動することにより、搬送されているスラブを停止させることなく連続的に圧下することができる。
【0016】
図3は厚み圧下プレス5の一例を示し、側面図を示す。厚み圧下プレス5は、偏心運動するクランク5aと、この偏心動作を金型5cに伝達する連結材5bと、スラブを圧下する金型5cおよび金型5cを水平に保持するシリンダ5dとからなる。金型5cは偏心運動による上下運動で圧下するとともにフラブ流れ方向にも偏心運動するので、圧下しながらスラブを停止することなく連続的に搬送することができる。
【0017】
次に動作について説明する。通常スラブの場合は、加熱炉2から圧延ラインに搬入されると、第1粗ミル4で厚みを圧下後、第2粗ミル6で圧下し、30mm前後にした後、仕上ミル7で所定の薄板、例えば1.5mmにした後、巻取機9でコイルに巻き取る。なお、スラブの厚みによっては、第1粗ミル4をリバース圧延機とし使用する。また第1粗ミル4に代えて厚み圧下プレス3を使用してもよく、両者は何れかが故障したとき代替えとして使用することができる。
【0018】
長尺スラブの場合は、上流側の図示しない装置で加熱された長尺スラブが圧延ラインに搬入される。スラブの厚みに応じて第1粗ミル4と第2粗ミル6は使用するが、厚み圧下プレス5は必ず使用する。なお長尺スラブではその長さ故にリバース圧延はできない。粗圧延後、仕上ミル7で仕上げ圧延を行い、所定の薄板とした後巻取機9で巻取り、所定のコイル径になったとき、走間シャー8で切断し、もう一方の巻取機9への巻取りを開始する。以上のようにスラブの長さが変わっても、これに応じた圧延を適切に行うことができる。
【0019】
以上の圧延は製品となる薄板の板幅を一定とし、板厚は粗圧延で調整することにより異なる厚みの薄板を製作する場合であるが、幅圧下プレス3を用いることにより、板幅の異なる薄板を製作することができる。幅圧下プレス3では、コイル1個の長さに相当するスラブ長さ毎のスラブ幅を決めて圧下作業を行う。
【0020】
図4は製品となる薄板の板幅と板厚が異なる被圧延材1を模式的に示したもので、それぞれの幅Wや厚みtごとにコイルに巻き取って切断する。なお、1個のスラブを圧延中、このような幅、厚みの変更が可能であることは長尺スラブの場合、特に有益である。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明は、粗ミルや仕上ミル、厚み圧下プレスや幅圧下プレス、走間シャーや巻取機を適切に配置することにより、通常スラブと長尺スラブのいずれの圧延も適切に行うことができる。また連続して圧延しながら板厚、板幅の変更が可能で、この変更のある薄板毎にコイルに巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の熱間薄板圧延ラインを示す図である。
【図2】幅圧下プレスの一例を示す図である。
【図3】厚み圧下プレスの一例を示す図である。
【図4】製品となる薄板の板幅と板厚が異なる被圧延材を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 被圧延材
2 加熱炉
3 幅圧下プレス
3a クランク
3b スライダー
3c 金型
4 第1粗ミル
4a 幅サイジングロール
5 厚み圧下プレス
5a クランク
5b 連結材
5c 金型
5d シリンダ
6 第2粗ミル
6a 幅サイジングロール
7 仕上ミル
8 走間シャー
9 巻取機

Claims (4)

  1. 上流から供給されるスラブを加熱する加熱炉と、この加熱炉の下流側に設けられた少なくても1台の第1粗ミルと、この第1粗ミルの下流側に設けられた厚み圧下プレスと、この厚み圧下プレスの下流側に設けられた少なくても1台の第2粗ミルと、この第2粗ミルの下流側に設けられた複数台の仕上ミルと、この仕上ミルの下流側に設けられた走間シャーと、この走間シャーの下流側に設けられた巻取機と、を備えたことを特徴とする熱間薄板圧延ライン。
  2. 通常長さのスラブの場合は、前記加熱炉で加熱後前記第1粗ミルまたは前記厚み圧下プレスで粗圧延し、前記第2粗ミルで粗圧延後仕上ミルで仕上げ圧延して前記巻取機で巻取り、長尺スラブの場合は、前記厚み圧下プレスまたは前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルまたは前記第1粗ミルと前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルで粗圧延し、前記仕上ミルで仕上げ圧延後前記巻取機で巻取り前記走間シャーにより所定長さで切断することを特徴とする請求項1記載の熱間薄板圧延ライン。
  3. 前記加熱炉と前記第1粗ミルとの間に幅圧下プレスを設けたことを特徴とする請求項1記載の熱間薄板圧延ライン。
  4. 前記幅圧下プレスと、前記厚み圧下プレスまたは前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルまたは前記第1粗ミルと前記厚み圧下プレスと前記第2粗ミルと、前記仕上ミルとで板幅および/または板厚の異なる薄板を圧延し、その異なる薄板ごとに前記巻取機で巻取り前記走間シャーで切断することを特徴とする請求項3記載の熱間薄板圧延ライン。
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