JP4022103B2 - 熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法 - Google Patents

熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シートバーを1本ずつ圧延する従来のバッチ圧延では、ストリップの先端が仕上げ圧延機を通過するときに、または圧延したストリップの先端が巻取装置に巻き付くと同時に仕上げ圧延機の出側ストリップ速度を昇速し、その後、ストリップの温度制御或いは圧延機の能力の範囲で可能な定常速度の圧延を行い、ストリップの尾端が仕上げ圧延機を抜ける頃に出側ストリップ速度を減速し、仕上げ圧延機を通過したストリップをランアウトテーブルで冷却した後で、巻取装置で巻き取るようにしている。
【0003】
上述のようなバッチ圧延では、ストリップ先端の仕上げ圧延機の出側ストリップ速度は通常700〜800m/分程度で圧延が行われていた。これは、ストリップの先端がランアウトテーブル上を通過する際に、飛び跳ねる(ウェービング)のを防止するためである。ストリップの尾端については、上記尾端が仕上げ圧延機を抜けてからのストリップの飛び跳ねを防止するとともに、巻取装置内で尾端が遠心力によりラッパロールあるいはそれらに付属するエプロンに叩きつけられて引きちぎれないようにするためである。
【0004】
ところで、上記仕上げ圧延機の入側で接合機によって複数のシートバーを互いに接合して接合シートバーを生成し、上記生成した接合シートバーを上記仕上げ圧延機によって連続的に圧延し、次いで、仕上げ圧延機を通過した接合ストリップをランアウトテーブルで冷却した後、ストリップシャーで切断し、上記切断されたストリップを巻取装置で巻き取るようにしたエンドレス圧延では、上記ストリップシャーを通過するまではストリップが接合されて連続しているため、接合1本目の最先端部以外においてはストリップ先端のウェービングの問題はなくなる。
【0005】
また、ストリップの尾端のひきちぎれに関しては種々の技術が開発されていることにより(例えば、特開平6−198331号公報に記載のエンドレス圧延における巻取方法)、仕上げ圧延機の出側ストリップ速度が1000〜1200m/分まで高速化が可能となり、同時に巻取装置前でのストリップシャーによるストリップの切断時も1200m/分の速度で処理することが可能となった。
【0006】
これらの状況から、エンドレス圧延では、仕上げ圧延機の出側ストリップ速度が1000〜1200m/分の一定速度で圧延する方法がとられており、これにより、仕上げ圧延機出側温度(FDT)や巻取温度(CT)などの温度精度を向上させることが可能になった。
【0007】
しかしながら、かかる従来のエンドレス圧延においては、仕上げ圧延機の出側ストリップ速度が1000〜1200m/分の一定速度で全長を圧延すると生産性が低下してしまう場合があった。
【0008】
特に1.6mm以下の薄物圧延では、先行材尾端が仕上げ圧延機を抜けてから後行材先端が仕上げ圧延機に噛み込むまでの時間が0秒となる効果があっても総トン数が稼げないため生産性が充分に向上しないという不都合があった。
【0009】
このような不都合を解消するために、特開平10−94810号において、巻取装置前でのストリップシャーによる接合ストリップの切断速度制限を満足させ、それ以外の領域では最大限に出側圧延速度を昇速して薄物圧延における生産性を充分に向上させるようにした「エンドレス圧延における仕上げ圧延機の速度制御方法」が提案された。
【0010】
上述した特開平10−94810号に記載された「エンドレス圧延における仕上げ圧延機の速度制御方法」では、薄物のストリップの生産効率を向上させるために、巻取装置前でのストリップシャーによる接合ストリップの切断速度制限及び仕上げ圧延機の入側での接合機によるシートバーの接合速度制限を満足するように仕上げ圧延機の出側ストリップ速度を減速し、それ以外では該出側ストリップ速度を最大速度(薄物の場合で約1400〜1700m/分)に昇速するようにしている。
【0011】
すなわち、従来のストリップシャーによる接合ストリップの切断速度は、ストリップ厚に関係なく、通常、1200m/分程度であった。したがって、接合部あるいはその近傍に設定される切断点が仕上げ圧延機(仕上げ圧延機内も含む)からストリップシャーの間の所定位置を通過するたびに仕上げ圧延機7の出側ストリップ速度を最大速度から1200m/分程度以下に減速し、該切断終了後に出側ストリップ速度を最大速度に昇速するようにしていた。
【0012】
具体的には、仕上げ圧延機からストリップシャーの間の所定位置に接合部検出センサ(図示せず)を配置して、上記センサにより得られた検出信号に基づいてコントローラ(図示せず)が仕上げ圧延機に対して、切断速度制限を満足(1200m/分程度)するように減速補正していた。そして、ストリップの切断終了後、コイラー巻付完了検出信号に基づいてコントローラが仕上げ圧延機に対する速度指令を増速補正して出側ストリップ速度を最大速度に復帰させるようにしていた。
【0013】
上述のように、上記特開平10−94810号に記載されている「エンドレス圧延における仕上圧延機の速度制御方法」では、ストリップシャーによる接合ストリップの切断速度制限を満足するとともに、上記接合ストリップの切断完了後の出側ストリップ速度の昇速時において、上記出側ストリップ速度が最大速度になった場合に、入側シートバー速度が接合機によるシートバーの接合速度の上限より大きくなる時には、かかる切断速度制限に加えて接合速度制限をも満足しつつ、それら以外の領域では出側ストリップ速度を最大限に昇速することができるようにして、圧延時間を短くして薄物圧延における生産性を向上させるようにしていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記エンドレス圧延における仕上げ圧延機の速度制御方法によれば、圧延時間が短くなって薄物圧延における生産性を充分に向上させることができるという効果が得られる。しかしながら、仕上げ圧延機の出側速度を加減速すると、ストリップの仕上げ圧延機の出側温度が急速に変化してしまう不都合が発生する。
【0015】
例えば、1.6mm厚程度以下の薄物は、10m/分の速度変化で0.8〜1.0℃程度の出側温度変化が発生する。上記のような温度変化が発生すると、ストリップの変形抵抗が増加して圧延荷重が増大したり、ストリップ厚や形状変化を引き起こしてしまったりする問題があった。
【0016】
本発明は上述の問題点にかんがみてなされたもので、熱間仕上げ圧延における生産性を充分に向上させながら仕上げ圧延機の出側温度変化を低減できるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法は、複数のシートバーを接合機によって接合して形成したシートバーから仕上げ圧延機によって圧延したストリップをランアウトテーブルで冷却した後にストリップシャーで切断し、上記切断されたストリップを巻取装置で巻き取るようにした熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法において、切断前のストリップの最先端部と最尾端部以外は上記ストリップの特性、即ち品質上規制される仕上げ圧延機の出側ストリップ温度(圧延完了温度)の上限値を超えない速度、且つ上記仕上げ圧延機の圧延能力、即ち仕上げ圧延機の駆動モーターの最高回転数を越えない速度、さらに上記巻取装置で巻き取られたコイルのコイル巻取り後に行なわれる処理能力、に基づいて設定される略一定の高速度で上記熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御を行うようにしたことを特徴とする。
また、本発明の他の特徴とするところは、上記略一定の高速度は、上記巻取装置を構成するマンドレルの機械的回転強度限界に基づいて設定されることを特徴とする請求項に記載の熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法。上記ストリップは、複数のシートバーを接合機によって互いに接合して形成したことを特徴とする。
また、本発明のその他の特徴とするところは、上記巻取装置を構成するマンドレルとラッパーロールとの間に進入してきたストリップをコイル状に巻き取る際に、上記ストリップが1200m/分以上の高速で進入してくる高速圧延時においては、コイルが1巻き以上形成されたタイミングで上記マンドレルの径を拡大状態から過拡大状態に動作させるにあたり、8mm以上過拡大するようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照しながら本発明の熱間仕上げ圧延における速度制御方法の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る熱間仕上げ圧延における速度制御方法の第1の実施の形態を示すエンドレス圧延設備の概略図である。
【0019】
図1において、符号1は加熱炉であり、上記加熱炉1から圧延ライン上に供給されたスラブ2は粗圧延機3によって粗圧延がなされてシートバー4とされる。そして、上記粗圧延機3によって順次粗圧延されたシートバー4は、所定の速度で搬送されつつ接合機5によって長手方向に互いに接合される。
【0020】
次いで、上記接合機5によって接合された複数のシートバー4は、接合シートバー6となって仕上げ圧延機7によって連続的に仕上げ圧延され、仕上げ圧延機7を通過後は接合ストリップ8となる。
【0021】
上記接合ストリップ8は、ランアウトテーブル9によって冷却された後、ストリップシャー10で切断される。上記のようにして切断されたストリップ11は、2台の巻取装置12a,12bによって交互に巻き取られる。
【0022】
ここで、本実施の形態では、エンドレス圧延の操業において、生産性を最大限に向上させるとともに、ストリップの仕上げ圧延機の出側温度が急速に変化してしまう不都合を防止するようにしたものである。このような目的を達成するために、本実施の形態においては、切断前のストリップの最先端部と最尾端部以外は、図6(b)に示すように、ストリップ接合部が熱間圧延ラインのどこにあっても接合シートバー8を1200〜1700m/分の間の設定速度で略一定(設定速度ないし設定速度−100m/分の速度変動の範囲内で)に維持するように圧延している。
【0023】
すなわち、上述した特開平10−94810号に記載の「エンドレス圧延における仕上げ圧延機の速度制御方法」の場合には、接合ストリップ8の先端がランアウトテーブル9上を通過する際に、飛び跳ねる(ウェービング)現象が生じないエンドレス圧延の利点を生かして、仕上げ圧延機7の圧延速度を可及的に高速度で操業することにより、生産性を向上させるようにしていた。
【0024】
そして、熱間圧延ラインの速度を高速化する際のネック速度として、ストリップシャー10の切断速度や接合機5の接合速度をネック速度とし、上記ストリップシャー10の切断速度や接合機5の接合速度に合わせて熱間圧延ラインの運転速度を加減速することにより生産性を向上させるようにしていた。この結果、ストリップの仕上げ圧延機の出側温度が急速に変化してしまう不都合が発生していた。
【0025】
それに対し、本実施の形態の熱間圧延ラインにおける速度制御方法は、上述したように、接合部が熱間圧延ラインのどこにあっても接合シートバー6を一定の高速度で圧延するようにして、ストリップの仕上げ圧延機の出側温度を一定にできるようにしている。
【0026】
すなわち、本実施の形態においては、上記ストリップシャー10の切断速度や接合機5の接合速度を熱間圧延ラインの速度ネックとしてみなさないで、後述する(1)〜(3)を熱間圧延ラインを高速化する際の速度ネックとするようにしている。これにより、不必要に熱間圧延ラインの減速及び加速を行うことなく略一定の高速度で圧延を行うようにしている。
【0027】
上記略一定の高速度で操業する際の速度ネックとして、本実施の形態においては、(1)ストリップの特性或いは仕上げ圧延機7の能力の範囲で定めた一定高速度、(2)コイル巻取後に行われる処理能力の範囲(搬送ピッチ)で定めた一定高速度、(3)マンドレルの機械的回転強度限界の範囲で定めた一定高速度
などに基づいて上記一定高速度を決定している。
【0028】
上記(1)ストリップの特性あるいは仕上げ圧延機7の能力範囲で定めた一定高速度とは、品質上規制される仕上げ圧延機7の出側ストリップ温度(圧延完了温度)の上限値を超えない速度であること、または仕上げ圧延機7の駆動モーターの最高回転数を超えない速度である。
上記(2)コイル巻取後に行われる処理能力の範囲で定めた一定高速度とは、巻取装置12a,12bによって切断されたストリップ11を巻き取った後で、コイルを倉庫等の他の場所に搬送するときに、一般的に、コイルをコンベア上に1個ずつ搭載して移動させる。
【0029】
この際に、複数のコンベアを乗り継ぎして移動させるが、各コンベア間のコイルの移載、それからコンベアラインにあるコイルの秤量工程、結束工程、マーキング工程における動作時間(シーケンスタイム)から搬送ピッチが定まる。すなわち、これらの作業工程時間よりも早くなるような高速度で圧延されて巻取装置12a,12bに払い出されると、搬送ラインが渋滞してしまってコイルをスムースに搬送できなくなってしまうことになる。
【0030】
上記(3)のマンドレルの機械的回転強度限界の範囲で定めた一定高速度とは、マンドレルの構造上、高速回転時には機械強度の問題があるために、通常、上限速度を400〜800rpmと設定している。コイルを巻き取る前の空転状態において回転速度(rpm)は一番高速状態であり、切断されたストリップ11の先端が巻き付いた後は、コイルが巻き太って行くために回転速度を下げて行くように制御している。
【0031】
本実施の形態においては、上述のようにして熱間圧延における速度を一定高速度に制御しているので、熱間仕上げ圧延における生産性を充分に向上させながら仕上げ圧延機の出側温度の変化を充分に低減することができる。これにより、ストリップ11の温度のみならず、温度むらによって生じる板厚や形状の変化を防ぐことができて、均等な品質のストリップを製造することができる効果が得られる。なお、仕上げ圧延機7の入側に誘導加熱等のシートバー過熱装置を付設した熱間圧延ラインにおいても、上記と同様な効果が得られる。
また、上述した実施の形態は、仕上げ圧延前に複数のシートバーを接合するエンドレス圧延の場合であるが、複数のシートバーを接合せずに1本のシートバーから仕上げ圧延後にストリップシャーにて長手方向に2本以上に複数分割して巻き取る場合においても適用できることはいうまでもない。
【0032】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
上記したように、熱間圧延における速度を一定高速度に制御するようにした場合、切断されたストリップ11を従来のマンドレルMDに巻き取るようにすると、コイルを1巻き形成した時点におけるたるみ量が大きくなり、完全に巻き付くまでに多くの時間がかかってしまうことにより、巻き形状(テレスコープ)が悪くなり、歩留まりロスが発生する不都合があった。以下、これについて説明する。
【0033】
図2は、ストリップ11がマンドレルに1巻巻き取られる様子を示す図である。図2において、MDはマンドレル、WR1は第1のラッパーロール、WR2は第2のラッパーロール、WR3は第3のラッパーロール、WR4は第4のラッパーロールである。また、AP1は第1のラッパーロールエプロン、AP2は第2のラッパーロールエプロン、AP3は第3のラッパーロールエプロン、AP4は第4のラッパーロールエプロンである。
【0034】
また、図3は本実施の形態におけるマンドレルMDの径変化機構の一例を示したものである。図3において、31はマンドレルMDを拡張するための油圧シリンダ、32はマンドレルMDの径をコントロールための量を測定検出する変位計、33は上記油圧シリンダ31への給油制御用サーボ弁、34は制御装置であり、マンドレルMDの径、マンドレルMDの拡大指令、マンドレルMDの過拡大速度、第1〜第4のラッパーロールWR1、WR2、WR3、WR4の開放指令等を演算するためのものである。
【0035】
上記のように構成された切断されたストリップ11の巻取装置(ダウンコイラ)12に、切断されたストリップ11が巻き取られ、各ラッパーロールWR1〜WR4が開放される経過は以下のように行われる。
【0036】
先ず、巻取装置12に到着した切断されたストリップ11は、拡大径(ストリップの進入を待機している径)となっているマンドレルMDと第1のラッパーロールWR1とに挟まれた状態で、マンドレルMDの周囲にコイルを形成して行く。
【0037】
そして、コイルが図2に示すように、切断後のストリップ先端がマンドレルMDを1週してラッパーロールWR1直下に達した、1巻き形成された時点で制御装置34より過拡大指令が発せられ、サーボ弁33に対して拡縮用ピストンロッド35を拡大方向に動作させるように動作指令が出される。これにより、マンドレルMDの径は拡大径よりも更に過拡大して行き、油圧シリンダ31の拡大方向ストロークエンド、すなわち、過拡大限度に向かって行く。この過拡大動作が始まると同時に、制御装置34は変位形32の信号を見てマンドレルMDの径変化が終了したことを判定する。
【0038】
マンドレルMDの過拡大動作が終了し、マンドレルMDの径変化が無くなった時点はコイルとマンドレルMD間のギャップは無くなり、コイルはマンドレルMDと一体的に回転するようになる。したがって、これ以降はラッパーロールWR1〜WR4がコイルを押し付けていることは不要となったのであるから、制御装置34からラッパーロールWR1〜WR4の開放指令を発信する。
【0039】
上述のように、マンドレルMDを積極的に過拡大することによってラッパーロールWR1〜WR4によってコイルをマンドレルMDに押し付ける巻き数を必要最小限にすることができる。そして、ラッパーロールWR1〜WR4を開放した後は、図4に示すように、切断されたストリップ11の巻取が完了した時点で制御装置34からサーボ弁33に対して拡縮用ピストンロッド35がマンドレルMDの縮小限度に位置するように動作指令が出される。その後、コイルの取り出しが行われ、それが終了すると次の切断されたストリップ11の巻取に備えてマンドレルMDの径を拡大径にしておく。
【0040】
上述した動作は基本的な動作であるが、図2に示すように、実際の操業時においてはマンドレルMDの径と1巻き目のコイルアイ(シェル)とは一致せず、たるみが生じている。すなわち、これらの周長が同じではなく、たるみΔlが存在している。
【0041】
上記Δlは、2巻き目以降でゼンマイを巻くように徐々に吸収(マンドレルMDにより巻き上げられ)されて行き、Δl=0になった時点で切断されたストリップ11がマンドレルMDに巻き付いたと言う。上述したマンドレルMDの過拡大機能とは、上記Δlを早期に解消するためにマンドレルMDの径を拡大するためのものである。
【0042】
上記たるみ量Δlに関し、バッチ圧延の場合には、仕上げ圧延機7の出側において板速度は700〜1200m/分程度で圧延が行われていたので、図5に示すように、たるみ量Δlは約25〜30mmであった。
【0043】
それに対し、連続圧延で高速操業した場合、例えば、1000〜1700m/分程度で圧延した場合には、切断されたストリップ11がダウンコイラに進入する速度が速いために、たるみ量Δlは約70mm程度に増大している。
【0044】
よって、低速度で圧延を行う場合においては、上記ダウンコイラにおけるマンドレルMDの過拡大代(ΔD)は、ΔD=(25〜30mm)/πから、ΔD=8〜10mm程度である。
【0045】
一般的には、巻き付け開始時にはマンドレルMDの拡大径は762mmで設定されており、上記マンドレルMDの過拡大代ΔD=8mm程度で行われていた。しかしながら、上述したような実施の形態のように、略一定の高速度で運転する場合には、上記たるみ量Δlはかなりばらつき、25〜70mm程度の範囲になる。このため、上記マンドレルMDの過拡大代ΔD=8mm以上保有することが必要である。
【0046】
この場合、マンドレルMDの径がφ750〜φ773mmの範囲で、ラッパーロールWR1〜WR4の本数及び配置、マンドレルMDとラッパーロールエプロンとの隙間などを考慮して、マンドレルMDの拡大代ΔD=8〜22mmの範囲で選択するのが良い。
【0047】
上述のように、過拡大可能代を8mm以上とすることにより、略一定の高速度で熱間圧延ラインを動かしてもコイルの巻き形状が悪くなるのを防止することができ、歩留まりロスを最小限に抑えることができる。
【0048】
なお、以上に説明した本実施形態の熱間圧延ラインにおける速度制御方法は、CPU、RAM及びROMなどで構成されるコンピュータシステムによって制御されるものであり、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、複数のシートバーを接合機によって接合して形成したシートバーから仕上げ圧延機によって圧延したストリップをランアウトテーブルで冷却した後にストリップシャーで切断し、上記切断されたストリップを巻取装置で巻き取るようにした熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法において、切断前のストリップの最先端部と最尾端部以外は上記ストリップの特性、即ち品質上規制される仕上げ圧延機の出側ストリップ温度(圧延完了温度)の上限値を超えない速度、且つ上記仕上げ圧延機の圧延能力、即ち仕上げ圧延機の駆動モーターの最高回転数を越えない速度、さらに上記巻取装置で巻き取られたコイルのコイル巻取り後に行なわれる処理能力、に基づいて設定される略一定の高速度で上記熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御を行うようにしたので、ストリップを略一定の高速度で圧延することができ、且つ上記仕上げ圧延機の出側におけるストリップの温度を一定にすることができる。これにより、熱間仕上げ圧延における生産性を充分に向上させることができるとともに、温度むらによって生じる板厚や形状の変化を防いで、均等な品質のストリップを製造することができる。
【0050】
また、本発明の他の特徴によれば、マンドレルの過拡大可能代を8mm以上としたので、熱間圧延ラインを略一定の高速度で動かしてもコイルの巻き形状が悪くなるのを防止することができ、歩留まりロスを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、本発明を適用する熱間圧延ラインの概略構成を示す図である。
【図2】ストリップ巻取装置の構成、及び切断されたストリップがストリップ巻取装置に進入する様子を示す図である。
【図3】マンドレルの縮小及び拡大機構の概略を示す図である。
【図4】マンドレルの径を制御する様子を示す図である。
【図5】ストリップの巻取速度とたるみ量との関係を示す図である。
【図6】熱間圧延ラインにおける速度制御方法を示し、従来の速度制御方法と本実施の形態の速度制御方法との相違を説明する図である。
【符号の説明】
1 加熱炉
2 スラブ
3 粗圧延機
4 シートバー
5 接合機
6 接合シートバー
7 仕上げ圧延機
8 接合ストリップ
9 ランアウトテーブル
10 ストリップシャー
11 切断されたストリップ
12a,12b 巻取装置

Claims (3)

  1. 複数のシートバーを接合機によって接合して形成したシートバーから仕上げ圧延機によって圧延したストリップをランアウトテーブルで冷却した後にストリップシャーで切断し、上記切断されたストリップを巻取装置で巻き取るようにした熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法において、
    切断前のストリップの最先端部と最尾端部以外は上記ストリップの特性、即ち品質上規制される仕上げ圧延機の出側ストリップ温度(圧延完了温度)の上限値を超えない速度、且つ上記仕上げ圧延機の圧延能力、即ち仕上げ圧延機の駆動モーターの最高回転数を越えない速度、さらに上記巻取装置で巻き取られたコイルのコイル巻取り後に行なわれる処理能力、に基づいて設定される略一定の高速度で上記熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御を行うようにしたことを特徴とする熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法。
  2. 上記略一定の高速度は、上記巻取装置を構成するマンドレルの機械的回転強度限界に基づいて設定されることを特徴とする請求項に記載の熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法。
  3. 上記巻取装置を構成するマンドレルとラッパーロールとの間に進入してきたストリップをコイル状に巻き取る際に、上記ストリップが1200m/分以上の高速で進入してくる高速圧延時においては、コイルが1巻き以上形成されたタイミングで上記マンドレルの径を拡大状態から過拡大状態に動作させるにあたり、8mm以上過拡大するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の熱間圧延ラインにおける熱間仕上げ圧延機の出側ストリップの速度制御方法。
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