JP3990930B2 - 加熱調理機 - Google Patents

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    • A47J27/14Cooking-vessels for use in hotels, restaurants, or canteens
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば茹で調理や蒸し調理等に利用される加熱調理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の調理機、例えば業務用の茹麺機として、シンクに配備された複数の加熱槽としての湯槽のそれぞれに対応してヒータ等の加熱源を配置し、各加熱源により対応する加熱槽内の湯を加熱して沸騰させるようになっているものが知られている。
【0003】
このような茹で麺機を用いて茹麺調理を行う場合、調理人が食材である生麺を入れたテボと称される麺籠を湯槽内の沸騰した湯の中に浸漬し、麺が茹で上がった頃合いを見計らって麺籠を湯槽から引き上げて食材を丼等に移している。また、麺を茹でる時は、加熱源の加熱出力を略最大にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の茹麺調理機は、加熱源による加熱出力の制御を人的操作に依存している構成であるので、麺が茹で上がって麺籠を湯槽から引き上げる度に、調理人が意識的にヒータ等の出力調整つまみを操作して加熱源の出力を落とすことは、甚だ面倒であり、麺を茹でていないときであっても、加熱源を最大の加熱出力状態のまま放置しているのが通例である。このため、湯槽内の湯を加熱するための電気消費等の無駄が多く、ランニングコストが高くなっている。
【0005】
とくに、複数の湯槽を有している業務用の茹麺調理機では、複数の湯槽をお客の注文数に応じて使い分けする状況が続くので、調理人が麺籠を湯槽から引き上げる度に、不使用時の湯槽に対応するヒータ等を閉成操作することはほとんどなく、前記ガス燃料の浪費は多大なものとなっていた。
【0006】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、加熱槽不使用時の加熱出力を自動調整してランニングコストを抑制できる加熱調理機を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、調理機本体に設置された加熱槽と、前記加熱槽内の加熱媒体を加熱する加熱手段と、下方へ向かって延びる被載置片部を有し、食材を収容して加熱槽内での調理に使用される調理容器と、前記加熱槽の近傍に上下方向へ変移可能に配設されて、所定待機位置に前記調理容器が置かれた際に、前記載置片部を介して該調理容器の荷重を受ける容器荷重受けロッドと、前記容器荷重受けロッドを弾性支持するばねを有するとともに、容器荷重受けロッドが調理容器の荷重を受けた際に、該容器荷重受けロッドを前記ばねのばね力に抗して下降変移させることによって、前記調理容器を加熱槽内の所定調理位置まで自重降下させ、前記調理容器の荷重が容器荷重受け体から解放された際には、前記容器荷重受けロッドを前記ばねのばね力で前記待機位置に上昇復帰させる弾性支持手段と、前記容器荷重受けロッドの変移に応動して、調理容器が前記所定調理位置まで自重下降した際に、前記加熱手段による加熱出力を増大させ、前記容器荷重受けロッドの復帰動作に伴って前記加熱手段による加熱出力を減少させる加熱出力調整手段と、前記容器荷重受けロッドに該ロッドの軸方向に移動可能に螺着されるとともに、前記ばねの上端を受けるばね座を構成し、回転操作によって前記ロッドの軸方向へ移動することによって前記ばねのばね力を調整する操作体と、を備えていることを特徴とする加熱調理機によって解決される。
【0008】
この加熱調理機では、食材を入れた調理容器を加熱槽へ挿入操作しながら該調理容器を所定待機位置に置けば、調理容器における被載置片部を介して該調理容器の荷重が容器荷重受けロッドにかかり、弾性支持手段が容器荷重受けロッドを弾性力に抗して下降変移させることによって前記調理容器が前記加熱槽内の所定調理位置まで自重降下する。一方、調理容器が前記所定調理位置まで下降されるに伴って、前記加熱出力調整手段により前記加熱手段による加熱出力が自動的に増大され、前記湯の沸騰状態で食材に適正な加熱調理が施される。そして、食材が十分調理されたの見計らって調理容器を加熱槽から取り出し、調理容器の容器荷重受けロッドへの荷重を開放すると、前記容器荷重受けロッドが前記弾性支持手段の弾性力により所定待機位置に自動的に復帰する。この容器荷重受けロッドの復帰に伴って加熱出力調整手段により前記加熱手段による加熱出力が自動的に減少される。したがって、加熱に係わる熱エネルギーの節約がなされ、ランニングコストの大幅な削減が可能となる。
【0009】
また、前記加熱手段は、前記加熱槽の下方に配置されたガスバーナからなり、前記ガスバーナによる燃焼ガスを加熱槽の周壁外面に向かわせる隔壁が加熱槽を取り囲んで配設され、前記加熱槽と隔壁との間の燃焼ガス通路に臨んで、加熱槽の周壁外面にフィンが設けられている構成としても良い。
【0010】
この場合は、ガスバーナによる火炎や燃焼ガスが外側方向へ逃げるのが防止される一方、フィンが燃焼ガスに接触するから、加熱効率が高められる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、この発明の一実施形態にかかる加熱調理器としての茹麺機を示す全体の外観斜視図、図2は同じく一部破断正面図、図3は一部破断側面図である。
【0013】
図1〜図3において、この茹麺機は、茹麺機本体1と、食材としての麺Mを入れる容器である麺籠2と、湯Wを収容する加熱槽としての湯槽4と、加熱手段としてのガスバーナ5と、弾性支持手段6と、容器荷重受けロッド66と、加熱出力調整手段8とを備えている。
【0014】
前記茹麺機本体1は、SUS等の難錆金属材からなる筐体部11、筐体部11の後側に配備された排気筒13と、排気筒13の下部に配備された制御ボックス12とからなり、この本体1の下面の4隅には、安定姿勢で設置するために高さ調整可能な支持脚14がそれぞれ設けられている。
【0015】
前記筐体部11の上壁は、シンク部11Aとして僅かに凹入されており、このシンク部11Aの底面であるシンク面11a上には、僅かな間隙を存して天蓋11bが着脱可能に配設されている。
【0016】
前記天蓋11bには、例えば前後左右に略均等的に配列されて、麺籠2の挿通が可能な大きさの複数の円形開口11cが形成されており、また、前記シンク面11aにも、図4に示すように、円形開口11cの位置に合わせて前記湯槽4に通じる開口11dが形成されている。
【0017】
前記麺籠2は、例えば耐熱性の金属網材により長笊形に成形されており、湯槽4内への挿入を妨げない把手21を有する他に、周壁には、前記容器荷重受けロッド66に荷重を付与するために、先端が下方へ向かって延びる逆L字形の被載置片部22が設けられている。なお、茹で調理の他に、蒸し調理等の加熱調理の種類に応じて、この麺籠2を他の食材容器に代えればよい。
【0018】
前記湯槽4は、図4に示すように、耐熱性金属から有底筒形に形成されており、前記開口11cにそれぞれ対応して配設されるとともに、各上端部が前記シンク面11aの下面に溶接等で固定されている。
【0019】
前記湯槽4の周囲には、図4に示すように、前記ガスバーナ5からの火炎や燃焼ガスが周辺に逃げるのを阻止する隔壁42が近接して設けられており、湯槽4の周壁4aと前記隔壁42との間の空間48が、ガスバーナ5からの火炎や燃焼ガスの流通路となっている。また、前記シンク面11aの下部における湯槽4の周りの空間は、図2に示すように、隔壁が存在することなく前記排気筒13に通じる排気路43として構成されている。
【0020】
前記湯槽4の周壁4aの外面には、図4に示すように、湯槽4の周壁4aと前記隔壁42との間の燃焼ガス流通空間48に臨む態様で、多数の耐熱性のフィン41が形成されている。この実施形態では、前記ガスバーナ5からの火炎や燃焼ガスを該周壁4a外面に沿って旋回させながら上方へ案内するように、フィン41は筒軸に対して傾斜して配列されるとともに、前記周壁4aの外面に溶接等で固定されている。また、ガスバーナ5からの火炎や燃焼ガスの前記フィン41による旋回を促進するために、ガスバーナ5として、火炎を炎口から斜め上方に噴出し、噴出した燃焼ガスを旋回状態に進行させる旋回流バーナが使用されている。なお、前記フィン41の高さは、前記隔壁42に略近接する程度に設定されている。
【0021】
前記本体1には、前記湯槽4内への給水経路15が設けられており、この給水経路15は、図示しない蛇口ハンドルにより開閉操作される。この給水経路15の途中配管15aは、高温の排気ガスとの熱交換で加熱されるように、図3に示すように、前記排気筒13内で螺旋状ないしは蛇行状に配列されている。前記熱交換により、排気ガスの熱エネルギーの有効利用が図られる。
【0022】
前記排気筒13の前面には、シンク部11Aの上側に位置して給湯蛇口16,16が設けられており、これら給湯蛇口16,16には、前記給水系路15における蛇行部15aの下流端が接続されている。なお、給湯蛇口16は1個でも良い。各給湯蛇口16,16の下方位置において、前記天蓋11bには、給湯孔18,18が形成されている。前記給湯蛇口16,16からの加熱媒体としての湯Wは、前記給湯孔18,18を通ってから前記シンク面11aと天蓋11bとの間を経て開口11dから前記各湯槽4に供給される。
【0023】
前記シンク部11Aの前端には、図3に示すように、前記シンク面11a上に湯Wが溢れた場合に、その湯Wを受けて垂直排水管47に流すための樋部19が配設されている。
【0024】
前記湯槽4の底壁には、別の排水管44の上流端が接続される一方、排水管44の下流端は、集合排水管45に接続されている。この集合排水管45には、排水バルブ46が設けられており、前記筐体11の前面に設けられた操作ハンドル17を操作して排水バルブ46を開放すれば、湯槽4内の湯Wが前記排水管44から集合排水管45経て所定部位に排出される。
【0025】
前記ガスバーナ5は、湯槽4内の湯Wを加熱させるものであり、ここでは、図4に示すようにC形の旋回流ガスバーナが使用されており、前記湯槽4の下方に配置されている。また、この環状ガスバーナ5の中心を貫通して、前記排水管44が上下に延びている。
【0026】
前記筐体11内には、図4に示すように、前記ガスバーナ5への燃料ガスを供給するためのガス供給路配管51が配設されており、この配管51の途中には、シリンダ形の開閉バルブ52が設けられている。
【0027】
このバルブ52のプランジャ52aには、図4および図5(A),(B)に示すように、円筒形のカップリング部材55が外嵌されており、このカップリング部材55には、前記プランジャ52aに対して磁気吸引力で結合する複数の永久磁石56が管軸周りに等配されて埋設されている。このカップリング部材55を管軸方向へ変移させることにより、前記バルブ52のプランジャ52aを進退駆動でき、ひいてはバルブ52を開閉できるように構成されている。
【0028】
また、前記ガスバーナ5の上方には、湯槽4内の湯を予備加熱すると共に、4個のガスバーナ5の点火を共用させるために、平面形状がU字形のパイロットバーナ53が配設されている。また、前記筐体11の前面には、パイロットバーナ53を点火させるための点火つまみ54が装着されている。
【0029】
つまり、前記点火つまみ53をONさせると、パイロットバーナ53が点火し、この状態で前記カップリング部材54を介してバルブ52を開放させると、各ガスバーナ5に燃料ガスが供給され、その供給された燃料ガスが燃焼する。
【0030】
なお、前記筐体11の前面には、ガスの点火状態や燃焼状態を視認することができる窓部57が設けられており、窓部57は、シャッター57aで閉じられるようになっている。
【0031】
前記容器荷重受けロッド66は、シンク部11Aから前記開閉バルブ52の配設位置付近に達する程度の長さの金属棒からなり、図6に示すように、各湯槽4の近傍に位置して前記筐体11に対して固定されたガイド管体65に上下方向へ変移可能に挿通されている。
【0032】
前記容器荷重受けロッド66の上端には、調理人が湯槽4内の麺籠3を入れるために、前記シンク部11Aの所定待機位置に麺籠2を置いた際に、前記被載置片部22の先端を載置しやすくさせるためのボタン形の載置面部3が設けられており、この載置面部3は、上側ばね座を兼用している。
【0033】
前記ガイド管体65は、その上端開口65cが前記天蓋11b上に僅かに突出する高さレベル位置に設定されており、また、このガイド管体65の上端部65aは、下端部65bよりも拡径されており、その拡径された内側段部は、下側ばね座67として構成されている。
【0034】
前記上側ばね座を兼務する載置面部3と前記下側ばね座67との間に、容器荷重受けロッド66を弾性支持するコイルばね68が配置されており、このコイルばね68および上下のばね座3,67等により、前記弾性支持手段6が構成されている。
【0035】
このコイルばね68のばね力は、前記麺Mを入れた麺籠2の荷重が前記載置部3に付与されると、前記容器荷重受けロッド66がばね力に抗して下降変移する程度に設定されている。つまり、麺Mを入れた麺籠2における被載置片部22の先端が前記載置面部3に載置されるに伴って、前記容器荷重受けロッド66がコイルばね68のばね力に抗して下降変移することにより、麺籠2を湯槽4内の所定調理位置まで自重下降されるようになっている。
【0036】
なお、前記載置面部3は、前記ガイド管体65の上端開口65cから僅かに下がった高さレベル位置に設定されており、調理者によって前記麺籠2が湯槽4内に挿入させる際に、被載置片部22の先端を前記ガイド管体65の上端開口65c内に僅かに挿入することにより、この被載置片部22を介して麺籠2の荷重が付与される。
【0037】
また、ガイド管体65の上端開口端部65dは、上方に向かって末広がる円錐形に形成されており、前記麺籠2における被載置片部22の先端を前記載置面部3までガイドする。
【0038】
前記加熱出力調整手段8は、前記容器荷重受けロッド66の下端部66bに連結されたカム板81と、カム板81により駆動される加熱出力操作部材としてのバルブ駆動レバー82とを備えている。
【0039】
カム板81には、前記スライダ64の変移力を前記バルブ52のプランジャ52aの進退操作方向へ変移させるカム溝83が形成されている。このカム溝83は、全体の正面形状が図6に示すように、略S字形であり、そのカム溝83の上部側83aは、前記バルブ52のプランジャ52aが進出して開放動作するように、駆動レバー82を図5の右方向へ引っ張るガイド用として、また、下部側83bは、前記バルブ52のプランジャ52aが後退して閉成動作するように、駆動レバー82を図5の左方向へ押し込むガイド用として構成されている。
【0040】
次に、上記構成による茹麺機の動作を説明する。
【0041】
ここでは、一つの湯槽4を使う場合を代表して説明する。
【0042】
まず、排水バルブ46を閉成してから図示しない給水ハンドルを開放操作すれば、外部から取り込まれて給水経路15を経た湯Wが蛇口16から供給される。この湯Wは、給湯孔18を通してシンク面11aに至り、このシンク面11aの開口11dから湯槽4内に供給されるので、湯槽4内に湯Wを所定レベルまで満たすことができる。この後、パイロットバーナ点火つまみ54を操作すれば、パイロットバーナ53が点火され、湯槽4内の湯Wは所定の温度まで予備加熱される。
【0043】
そして、調理人が麺Mを入れた麺籠2を前記シンク部11Aにおける開口11cに挿入操作するとともに、その麺籠2における被載置片部22の先端を前記ガイド管体65の上端開口65c内に挿入させると、その被載置片部22の先端が図6の一点鎖線で示すように、前記容器荷重受けロッド66の上端の載置面部3上に載置される。
【0044】
前記麺籠2における被載置部22の先端が載置面部3上に載置されると、容器荷重受けロッド66が麺籠2の荷重を受け、前記コイルばね68のばね力に抗して下降変移するので、前記麺籠2が自重降下して湯槽4内の所定調理位置にセットされる。
【0045】
つまり、麺Mの入った前記麺籠2を容器載置部材3に載置するだけで、麺籠2がその自重により自動的に湯槽4内の所定調理位置まで下降変移し、麺Mが湯Wに十分浸漬された状態になる。
【0046】
一方、前記容器荷重受けロッド66の下降変移に伴って、カム板81も下方変移するので、このカム板81のカム溝83に係合されているバルブ駆動レバー82の先端部82aが前記カム溝83の上部側83aでガイドされて図5(B)に示すように、右方向へ引っ張られる。このため、前記カップリング部材55を介してバルブ52のプランジャ52aが引っ張られ、ガス開閉バルブ52を開放させる。
【0047】
ガスバーナ5の開閉バルブ52が開放されると、開閉バルブ52からガスバーナ5に供給されたガスにパイロットバーナ53により点火して燃焼し、前記湯槽4内の湯Wが加熱されて沸騰するので、麺籠2内の麺Mが茹でられる。調理人は、麺Mの茹で上がりまでの時間経過を待てばよい。
【0048】
なお、ガスバーナ5による火炎や燃焼ガスが湯槽4の外方へ逃げようとしても、前記湯槽4の周囲の隔壁42によって阻止される一方、湯槽4の周壁4aのフィン41によって周壁外面に沿って旋回上昇するので、加熱効率が良くなり、湯Wの沸騰が早く、麺Mの良好な茹で上りが保証される。
【0049】
麺Mの茹で上がりを見計らって調理人が前記開口11cから僅かに出ている麺籠2の把手21を掴んで該麺籠2を湯槽4内から引き上げる。これにより、前記容器荷重受けロッド66に対する荷重が解放されるので、この容器荷重受けロッド66は、コイルばね68のばね力により上昇変移し、待機位置に復帰される。
【0050】
一方、前記容器荷重受けロッド66の上昇変移に伴って、カム板81も上昇変移するので、このカム板81のカム溝83の上部側83aに係合されているバルブ駆動レバー82の先端部82aが前記カム溝83の下部側83bでガイドされて図5(A)に示すように、左方向へ駆動される。このため、前記カップリング部材55を介してバルブ52のプランジャ52aが後退し、旋回ガスバーナ5の開閉バルブ52が閉成され、次の茹麺までの待機状態になる。開閉バルブ52の閉成により、ガスバーナ5の燃焼は停止する。
【0051】
このように、麺Mが茹で上がって調理者が前記麺籠2を引き上げると、容器荷重受けロッド66が自動復帰する一方、前記開閉バルブ52も自動的に閉成されるので、調理者が茹で上がった麺Mを取り出す度に開閉バルブ52を操作しなくても、燃料ガスの消費を節約することができる。
【0052】
なお、茹で調理をしないときは、容器2の下端部を湯槽4内に挿入した状態で、被載置片部22を天蓋11bの開口11cの周縁に係合させておけば良い。
【0053】
ところで、前記調理容器2の重量に応じて前記コイルばね68のばね力を調整できるようにしてもよい。例えば図7に示すように、前記容器荷重受けロッド66の上端に雄ねじ部91を形成し、内周面に雌ねじ部雌ねじ部92が形成された有頭筒形の操作体93を前記雄ねじ部91に螺着して、この操作体93の下壁で構成された上側ばね座93aと前記下側ばね座67との間に前記コイルばね68を配置し、この操作体93の上壁を前記載置面部3として構成する。これにより操作体93を工具等で回転操作することにより、前記コイルばね68のばね力が調整される。
【0054】
また、前記実施形態では、容器荷重受けロッド66をコイルばね68で支持する例で説明したが、これに限らず、例えば引っ張りばねを使ったり、その他の弾性体を使っても良い。
【0055】
また、ガイド管体65の上端部を蛇腹状の弾性筒体で被覆すると共に、この弾性筒体の上部裏面にロッド66の上端を固定して、弾性筒体を介してロッドに麺入り容器の加重を加える構成としても良い。この場合は、ガイド管体65の内部に湯Wが侵入するのを防止できる。
【0056】
なお、前記加熱手段5としてガスバーナを使用するものに限らず、例えばヒータを使用しても、同様の効果を奏することができる。
【0057】
図8は、この発明の他の実施形態を示すものであり、隣り合う湯槽4の近傍部位を、湯槽外面のフィン41を省略して示す斜視図である。
【0058】
この実施形態では、複数個の湯槽4のうち、少なくとも2個の湯槽の下部同士が連通パイプ4aで局部的に連通されるとともに、各湯槽4の底部にそれぞれ排水管44が設けられるのではなく、連通された湯槽4には、排水管44が設けられているものと設けられていないものが存在している。この実施形態では、4個の湯槽4のすべてがそれぞれ連通パイプ4aで連通されるとともに、1個の湯槽にのみ排水管44が設けられている。なお、他の構成は、図1〜7に示した実施形態と同じである。
【0059】
このような構成によって、1個の湯槽4に給水されたお湯は、連通パイプ4aによってすべての湯槽4にも供給され、各湯槽4内のお湯を等量に設定できる。しかも、お湯の排水時には、排水管44が設けられていない湯槽内のお湯は連通パイプ4aを通って排水管44が設けられている湯槽に流れ込んでいき、排水管44から排水される。このため、各湯槽4から排水管44に至るまでの経路長は長くなるから、排水管44が設けられていない湯槽内に麺の一部が残留しているような場合には、麺が排水管44から排出されにくくなり、排水管44に麺が流れ込んで目詰まりを生じるというような不都合を抑制できる。しかも、排水管44が設けられていない湯槽4については、その下方に配置されるバーナー5の位置や形状を排水管44と無関係に選択できるから、もっとも加熱効率の良い位置や形状を選択でき、全体の加熱効率が向上する。
【0060】
なお、湯槽4の下部同士を連通パイプ4aで連通するのではなく、図9に示すように、湯槽4の周方向の一部において高さ方向の全体にわたって形成された連通部4bにより湯槽同士を連通しても、同様の効果を得ることができる。
【0061】
図10は、この発明のさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態では、各湯槽4を、大きな矩形のシンク400の内部を例えば十字状の仕切り401により仕切ることにより形成したものである。また、前記シンク400の周囲を取り囲んで隔壁42が形成されるとともに、シンク400の外面には、シンク400と隔壁42間の、燃焼ガスの流通路である空間48に臨んで、フィン41が形成されている。なお、各湯槽4の下方には、前述した実施形態と同様に、それぞれバーナー5が配置されている。このような構成によっても、加熱効率を増大することができる。
【0062】
この場合、バーナー5の配置空間も、各湯槽毎に仕切られるのが、隣のバーナーの燃焼ガスによる熱的影響を防止する観点から望ましい。また、隣の湯槽4からの熱移動を可及的に阻止して、隣の湯槽4による熱的影響を防止し、各湯槽毎の独立した加熱制御を実現するため、各湯槽を仕切る仕切り401、各バーナーの配置空間を仕切る仕切りは、断熱材によって構成するのが望ましい。さらに、図10に、1つの湯槽4について代表的に示すように、バーナー5をシンク400の内方寄りの位置に配置するとともに、湯槽4の裏面に、バーナー5からの燃焼ガスを湯槽(シンク)4の外面に向かわせるフィン402を形成して、加熱効率を増大させるものとしても良い。
【0063】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、食材を入れた調理容器を湯槽内に挿入しつつ該調理容器における被載置片部を所定待機位置に載置すれば、調理容器の荷重が受けた容器荷重受けロッドが弾性力に抗して下降変移することよって、調理容器を前記湯槽内の所定調理位置まで自重降下させる一方、加熱出力を増大させ、また、前記湯槽から調理容器を引き上げれば、容器荷重受けロッドが自動的に上昇復帰する一方、加熱出力が自動的に減少される構成であるので、調理者が調理容器を取り出す度に敢えて加熱調整したりしなくても、加熱のためのエネルギーの浪費を抑制でき、もって、ランニングコストの低減を図ることができる。
【0064】
請求項2に係る発明によれば、加熱手段としてのガスバーナを使用し、ガスバーナによる燃焼ガスを加熱槽の周壁外面に向かわせる隔壁が加熱槽を取り囲んで配設され、前記加熱槽と隔壁との間の燃焼ガス通路に臨んで、加熱槽の周壁外面にフィンが設けられているので、加熱効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる加熱調理機が適用された茹麺機の全体を示す外観斜視図である。
【図2】同じく茹麺機の一部破断正面図である。
【図3】同じく茹麺機の一部破断側面図である。
【図4】同じく茹麺機における湯槽およびその周辺を示す斜視図である。
【図5】(A)同じく茹麺機における加熱出力調整手段をガス開閉バルブの開放駆動状態で示す正面図である。
(B)同じく加熱出力調整手段をガス開閉バルブの閉成駆動状態で示す正面図である。
【図6】同じく茹麺機における荷重受け体および弾性支持手段等を示す断面図である。
【図7】弾性支持手段の弾性力を調整可能な機構の一例の説明図である。
【図8】この発明の他の実施形態を示すものであり、隣り合う湯槽の近傍部位を、湯槽外面のフィンを省略して示す斜視図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、隣り合う湯槽の近傍部位を、湯槽外面のフィンを省略して示す斜視図である。
【図10】この発明のさらに他の実施形態を示すものであり、湯槽の形成態様を変更した状態の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・調理機本体
2・・・・・・・・・・・・調理容器
4・・・・・・・・・・・・湯槽(加熱槽)
4a・・・・・・・・・・・湯槽周壁
5・・・・・・・・・・・・加熱手段(ガスバーナ)
6・・・・・・・・・・・・弾性支持手段
8・・・・・・・・・・・・加熱出力調整手段
22・・・・・・・・・・・被載置片部
41・・・・・・・・・・・フィン
42・・・・・・・・・・・隔壁
66・・・・・・・・・・・容器荷重受けロッド
82・・・・・・・・・・・加熱出力操作部材
M・・・・・・・・・・・・食材
W・・・・・・・・・・・・湯(加熱媒体)

Claims (2)

  1. 調理機本体に設置された加熱槽と、
    前記加熱槽内の加熱媒体を加熱する加熱手段と、
    下方へ向かって延びる被載置片部を有し、食材を収容して加熱槽内での調理に使用される調理容器と、
    前記加熱槽の近傍に上下方向へ変移可能に配設されて、所定待機位置に前記調理容器が置かれた際に、前記載置片部を介して該調理容器の荷重を受ける容器荷重受けロッドと、
    前記容器荷重受けロッドを弾性支持するばねを有するとともに、容器荷重受けロッドが調理容器の荷重を受けた際に、該容器荷重受けロッドを前記ばねのばね力に抗して下降変移させることによって、前記調理容器を加熱槽内の所定調理位置まで自重降下させ、前記調理容器の荷重が容器荷重受け体から解放された際には、前記容器荷重受けロッドを前記ばねのばね力で前記待機位置に上昇復帰させる弾性支持手段と、
    前記容器荷重受けロッドの変移に応動して、調理容器が前記所定調理位置まで自重下降した際に、前記加熱手段による加熱出力を増大させ、前記容器荷重受けロッドの復帰動作に伴って前記加熱手段による加熱出力を減少させる加熱出力調整手段と、
    前記容器荷重受けロッドに該ロッドの軸方向に移動可能に螺着されるとともに、前記ばねの上端を受けるばね座を構成し、回転操作によって前記ロッドの軸方向へ移動することによって前記ばねのばね力を調整する操作体と、
    を備えていることを特徴とする加熱調理機。
  2. 前記加熱手段は、前記加熱槽の下方に配置されたガスバーナからなり、
    前記ガスバーナによる燃焼ガスを加熱槽の周壁外面に向かわせる隔壁が加熱槽を取り囲んで配設され、前記加熱槽と隔壁との間の燃焼ガス通路に臨んで、加熱槽の周壁外面にフィンが設けられている請求項1に記載の加熱調理機。
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