JP3989791B2 - 高温排ガス処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の焼却残渣を溶融炉で溶融する際に発生する高温排ガスを減温処理する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の焼却残渣を溶融炉で溶融する際に発生する1000℃以上もの高温排ガスを減温処理する方法として、水噴射や空気噴射等の方法が用いられている。この場合、排ガス中の有害物質であるダイオキシン類の再合成が300〜400℃で著しいことから、排ガスは減温装置内で200℃以下の温度にまで冷却されることが必要となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、高温排ガス中には付着性のある塩類が多く含まれており、大量に水を噴射すると、未蒸発水が発生して減温装置内壁への水付着による塩類の固着が問題となる。このため、噴射した水を十分に蒸発させようとすると、減温装置が大型化するといった問題が生じるし、噴射した水が足りないと、高温排ガスが減温装置で十分に減温されないままダスト排出装置に入り、そのダスト排出装置が損傷するといった新たな問題が生じる。
【0004】
例えば特許第3257466号公報に開示された技術では、排ガスが上昇流の時、冷却水を上向きに供給することにより、冷却水の減温装置内面への付着を防ぐことを図っているが、溶融炉からの高温排ガスでは、排ガス量に対する水噴射量が多量となりその蒸発に時間がかかる。このため、冷却水の一部が減温装置内面に到達してしまい塩類固着の原因になる。すなわち塩類の融点近傍である700〜800℃の温度領域では、半溶融状態の塩類の減温装置内面への固着は非常に強く、その固着物は容易には脱落しない。しかし、水の蒸発速度の制限から、このような温度領域が生じるのは避けられない。また水噴射量が少ないと、高温排ガスによりダスト排出装置の損傷速度が速くなる。
【0005】
一方、特許第3202453号公報に開示された空気冷却のみによる方法では、冷却後の排ガス量が5倍以上にもなり、排ガス処理の下流工程が大型化してしまうといった問題がある。また、特開平10−267256号公報に開示されたように、高温排ガスを旋回ベーンで旋回させつつ液噴射で冷却させる方法では、溶融排ガスのように高温で少ない排ガスでは十分な旋回が得られず、また旋回ベーンへの塩類固着が問題となる。
【0006】
本発明は以上のような従来の高温排ガス処理における課題を考慮してなされたものであり、溶融炉から発生する高温排ガスを効率的に減温処理することのできる高温排ガス処理方法及びその装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の焼却残渣を溶融炉で溶融する際に発生する高温排ガスを減温処理する装置において、上下に延びる円筒状に形成された装置本体と、この装置本体内に旋回流を形成するように冷却ガスを供給する冷却ノズルと、この冷却ガスに随伴するように冷却水を供給する冷却水ノズルと、この冷却水を随伴させた冷却ガスに混合することにより減温処理する高温排ガスを、上記旋回流をとめないように供給する高温排ガスノズルとを備え、前記装置本体内の底部には、ダストを排出するための排出口と、前記底部の直径に沿って伸び、この底部に沿って回転することでダストを掻き寄せて前記排出口から排出するダスト排出手段と、が設けられ、前記高温排ガスノズルは、前記装置本体下部の周方向の接線に沿わせて設けられ、前記冷却ノズルは複数あって、各冷却ノズルを装置本体下部における高温排ガスノズルの高さ以下の高さ位置で、かつ、同装置本体下部の周方向に対して傾斜させた状態で設けたことを特徴とするものである。
【0008】
なお、上記焼却残渣には、焼却灰と、飛灰と、焼却灰及び飛灰の混合灰とが含まれる。
【0009】
これらの構成によれば、減温装置内に旋回流を形成するように冷却ガスが供給されるとともに、この冷却ガスに随伴するように冷却水が供給され、この冷却水を随伴させた冷却ガスに、上記旋回流をとめないように、高温排ガスが混合されることにより、減温装置内で高温排ガスが減温処理されるので、溶融炉からの高温排ガスのように、少量で高温の排ガスに対しても、冷却ガスの旋回流によって高温排ガスが旋回されるようになる。したがって、高温排ガスと冷却水を随伴させた冷却ガスと混合体の減温装置内での滞留時間が稼がれるとともに、旋回による攪拌作用が生じるので、高温排ガスは効率的に減温処理される。
【0010】
また、冷却ガスと冷却水との両者による冷却を採用しているので、冷却ガスのみによる減温処理方法に比べて噴射水量が少なくて済み、かつ、その噴射水は旋回流の中で完全に蒸発してしまい、未蒸発水による減温装置内壁への塩類固着が発生しにくくなる。
【0011】
その結果、減温装置の大型化が防止され、また減温装置からダストを排出するためのダスト排出装置を設けた場合でも、そのダスト排出装置が高温排ガスにより損傷するといった問題が生じなくなる。
【0012】
なお、請求項1にいう「上記旋回流をとめないように、この冷却水を随伴させた冷却ガスに高温排ガスを混合する」や、請求項2にいう「上記旋回流をとめないように供給する」とは、高温排ガスの供給方向が旋回流をとめない方向であることを意味するものであり、当該高温排ガスの供給方向は、前記旋回流に沿う方向であってもよいし、この旋回流に対して略直交する方向であってもよい。
【0013】
また、装置本体を上下に延びる円筒状に形成し、この装置本体下部の周方向の接線に沿わせて高温排ガスノズルを設けたこととすれば、この高温排ガスは冷却ガスの旋回流をとめないように供給される。したがって、溶融炉からの高温排ガスのように小量の排ガスであって、その旋回力が小さい場合であっても、冷却ガスの旋回流でアシストされてより強力な旋回上昇流が得られる。
【0014】
また、冷却ガスノズルは複数あって、各冷却ガスノズルを装置本体下部における高温排ガスノズルの高さ以下の高さ位置で、かつ、同装置本体下部の周方向に対して傾斜させた状態で設けたこととすれば、装置本体内で冷却ガスの旋回流が維持され、これに伴い、高温排ガスの旋回上昇流も維持される。
【0015】
また、前記装置本体内の底部には、ダストを排出するための排出口と、前記底部の直径に沿って伸び、この底部に沿って回転することでダストを掻き寄せて前記排出口から排出するダスト排出手段と、を設けたこととすれば、前記装置本体の内面に付着したダストを掻き寄せて、装置本体から排出することができる。
【0016】
請求項2記載の発明のように、冷却ガスノズルの一部は、装置本体の高温排ガスノズルの近傍に設けたこととすれば、装置本体の高温排ガス入口付近で高温排ガスが冷却ガスと接触して減温されるので、装置本体内での局部的な温度上昇がなくなる。
【0017】
請求項3記載の発明のように、冷却水ノズルは、装置本体下部における冷却ガスノズルの高さ以上の高さ位置で、かつ、上向きとなるように設けたこととすれば、冷却水は冷却ガスに随伴して旋回する間に高温排ガスと接触して完全に蒸発してしまうので、装置本体の内壁に未蒸発水が付着することがなくなる。
【0018】
請求項4記載の発明のように、前記ダスト排出手段は、装置本体の内面に沿うように回転して付着したダストを掻き取る垂直部分を有することとすれば、装置本体の内壁に付着したダストを確実に掻き取ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の高温排ガス処理方法に使用される廃棄物焼却残渣溶融処理設備の全体構成を模式的に示したものである。なお、特に明示していない限り、同図中の破線付き矢印は灰、溶融スラグ及びダストの流れを示し、実線付き矢印は排ガスの流れを示している。
【0021】
同図において、焼却残渣としての灰は、灰定量供給装置1の灰受入ホッパ2に投入される。灰定量供給装置1は、例えばスクリューコンベヤで、灰を定量的に溶融炉としてのプラズマ溶融炉3に供給する。
【0022】
プラズマ溶融炉3では、プラズマトーチ4により発生させた高温プラズマによって灰の溶融が行われる。プラズマトーチ4は、上下に移動可能かつ前後左右に揺動可能となっており、プラズマ溶融に最適なトーチ位置を設定できる。その溶融スラグは溶融排ガスとともにプラズマ溶融炉3の炉出口5より抜き出され、プラズマ溶融炉3に直結(下流側に)された二次燃焼室6に導かれる。
【0023】
二次燃焼室6では、その炉頂部のバーナ6aから(必要に応じ上記炉出口5からも)適宜ブタン等の助燃剤が供給されて二次燃焼が行われ、その下部7から抜き出された溶融スラグは、スラグ冷却装置8の水槽を潜らせてその温度を低下させた後にスラグバンカ9に導かれる。
【0024】
一方、二次燃焼室6の側部10から抜き出された排ガス(高温排ガスに相当する。)は、さらに減温装置としての溶融排ガス冷却室11で、詳しくは後述するように冷却水と冷却空気とが供給されることによって、その温度が下げられる。そして、低温化された排ガスは、例えば消石灰でアルカリ調整された後、集じん機12で除塵される。浄化された排ガスは次いで誘引送風機13を経て図示しないごみ焼却炉に導かれる。
【0025】
なお、溶融排ガス冷却室11の下部14から抜き出されたダストは、集じん器12の下部15から抜き出されたダストとともに、溶融飛灰貯留槽16に一旦貯留された後に、図示しない灰固化設備に導かれる。
【0026】
次に、本発明の特徴となる溶融排ガス冷却室11について説明する。図2は溶融排ガス冷却室の縦断面図、図3は同横断面図であって、(a)は図2におけるA−A線断面図、(b)は図2におけるB−B線断面図、(c)は図2におけるC−C線断面図である。
【0027】
両図において、溶融排ガス冷却室11の上下に延びる円筒状に形成された装置本体1101の下部から冷却用の空気(冷却ガスに相当する。)を、冷却空気ヘッダ1102を経由させ、装置本体1101の下記高温排ガスノズル1105の高さ以下の高さ位置で、かつ、傾斜状態で設けた複数の冷却空気ノズル(冷却ガスノズルに相当する。)1103から、この装置本体1101の周方向の接線に対して10〜80°の範囲で、好ましくは60°で供給する。この冷却空気は、装置本体1101の底部のダスト掻寄機(ダスト排出装置に相当する。)1104を冷却する役割をも果たす。
【0028】
プラズマ溶融炉3の二次燃焼室6から排出された高温排ガスを、冷却水を随伴させた冷却空気の旋回流をとめないように装置本体1101の周方向の接線に沿って設けた高温排ガスノズル(排ガス入口ノズル)1105から供給し、その下部から上昇してくる冷却空気と混合させて冷却し、装置本体1101の上部に設けた減温排ガスノズル(排ガス出口ノズル)1106から排出する。プラズマ溶融炉3の二次燃焼室6からの高温排ガス量は、ごみ焼却炉からの排ガス量と比べて少ないため、ダクト系を大きくすると十分な旋回力が得られないが、冷却空気ノズル1103からの冷却空気と混合することにより、十分な旋回力を維持することができるようになる。
【0029】
このため、高温排ガスの流速は2〜15m/secと幅広くとることができる。なお、飛灰等の塩類の多い灰の溶融排ガスに関しては、高温排ガスの流速は5m/sec程度の流速として高温排ガスノズル1105のノズル径を大きくすることが、塩類析出によるノズル閉塞を防止する上で好ましい。
【0030】
冷却空気と混合された高温排ガスは、装置本体1101内で旋回上昇流を形成する。適当な旋回上昇流を形成するためには、冷却空気と混合された高温排ガスの空塔速度(溶融排ガス冷却室内の高温排ガスと冷却ガスを合わせた速度)を0.5m/sec以上とすることが望ましい。冷却空気ノズル1103の高さ以上の高さ位置で、かつ、上向きに設けた冷却水ノズル1107から冷却水を仰角20〜70°で、好ましくは65°で噴霧する。高温排ガスは旋回上昇流を形成しているため、噴霧された水はこの旋回上昇流に同伴され、途中で完全に蒸発してしまい、噴霧方向と対面する装置本体1101の内壁に到達することがなくなる。なお、噴霧水量は、減温排ガスノズル1106に挿入された温度計1106aの検出温度に基づいて制御される。
【0031】
また、この場合には、噴霧水を蒸発するのに十分な滞留時間を得ることができるため、この完全蒸発に要する溶融排ガス冷却室11の装置本体1101の高さを低くでき、コンパクト化できる。また、冷却空気の供給量は、冷却空気ノズル1103と冷却水ノズル1107との間の高さ位置に挿入された温度計1103aに基づいて制御される。具体的には、冷却空気と高温排ガスとの混合後の温度が400〜500℃になるようにすることにより、装置本体1101の内壁への塩類の固着が生じやすい、700〜900℃の温度領域を回避して、この塩類固着を防止することができる。
【0032】
さらに、高温排ガスを冷却する場合には、高温排ガスが流入してきた高温排ガスノズル1105近傍の冷却空気ノズル1108から冷却空気の一部を供給することによって、装置本体1101内に高温排ガスによる局所的な高温部ができるのを避けることができる。1109は他の冷却空気ヘッダ、1110はその冷却空気ノズルである。
【0033】
なお、ダスト掻寄機1104は、装置本体1101の内面に付着したダストを掻き寄せて、装置本体1101の底部のダスト排出口1111から排出するダスト排出装置の一種であって、このダスト排出のために、ダスト掻寄機1104のモータ1104aで長尺の掻寄本体1104bが回転駆動される。この掻寄本体1104bの下部には複数の傾斜翼が植設されており、その両端には装置本体1101の内面に沿うように回転する垂直部分1104cを設けている。これにより、装置本体1101の内壁に付着したダストを確実に掻き取ることができる。
【0034】
以下、溶融排ガス冷却室11の動作についての実験結果を説明する。このときの溶融排ガス冷却室11に入る高温排ガス等の性状は、図4に示す通りである。
【0035】
図5は噴霧冷却水の軌跡を示すものであって、同図に示すように、噴霧された冷却水(噴霧時の水滴径:約120μm)は冷却空気の旋回流に随伴して旋回する間に次第にその水滴径が減少していき、内面に付着することなく、蒸発が完了している。
【0036】
図6は溶融排ガス冷却室の縦断面における温度分布を示すものであって、同図に示すように、高温排ガスノズル1105から装置本体1101内に入った高温排ガス(入口での温度:800〜1000℃)は急激に300℃以下にまで冷却されている。これにより、装置本体1101の高温排ガス入口付近での局部的な温度上昇がなくなり、装置本体1101の長寿命化が図られる。
【0037】
以上のように、本実施形態によれば、溶融排ガス冷却室11内に旋回流を形成するように冷却空気ノズル1103から冷却空気が供給されるとともに、この冷却空気に随伴するように冷却水ノズル1107から冷却水が供給される。そして、この冷却水を随伴させた冷却ガスの旋回流に、高温排ガスノズル1105から高温排ガスが上記旋回流をとめないように、旋回流に沿った方向から供給されて混合させられることにより、溶融排ガス冷却室11内で高温排ガスが減温処理されるので、プラズマ溶融炉3の二次燃焼室6からの高温排ガスのように少量で高温の排ガスに対しても、冷却ガスの旋回流によってその旋回がアシストされ、十分な旋回流が得られるようになる。したがって、高温排ガスと冷却水を随伴させた冷却ガスと混合体の溶融排ガス冷却室11内での滞留時間が稼がれるとともに、旋回による攪拌作用が生じるので、高温排ガスは効率的に減温処理される。
【0038】
また、本実施形態では、冷却ガスと冷却水との両者による冷却を採用しているので、冷却水のみによる減温処理方法と比べて、噴射水量が少なくて済み、かつ、その噴射水は旋回流の中で完全に蒸発してしまい、未蒸発水による溶融排ガス冷却室11の装置本体1101の内壁への塩類固着が発生しにくくなる。
【0039】
その結果、溶融排ガス冷却室11の大型化が防止され、また溶融排ガス冷却室11の底部に設けたダスト掻寄機1104が高温排ガスにより損傷するといった問題が生じなくなる。
【0040】
なお、上記実施形態では、溶融排ガス冷却室11の装置本体1101での周方向の接線に沿って高温排ガスノズル1105を設けるとともに、冷却空気ノズル1103をこの高温排ガスノズル1105の高さ以下の高さ位置に設けているが、例えば配置の都合により、高温排ガスノズル1105を装置本体1101の底部に設けることとしてもよい。その場合でも、冷却水を随伴した冷却空気の旋回流をとめないので、この旋回によって、高温排ガスの旋回上昇流が得られる。ただし、上記のように、冷却水を随伴した冷却空気の旋回流に沿った方向から高温排ガスを供給する方が、より強力な旋回上昇流が得られるので、減温処理上は好ましいものとなる。
【0041】
また、上記実施形態では、冷却ガスとして冷却空気を使用しているが、冷却作用を有するその他のガスを使用することとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の発明によれば、溶融炉からの高温排ガスのように、少量で高温の排ガスに対しても、冷却ガスの旋回流によって高温排ガスが旋回されるようになるので、その高温排ガスを効率的に減温処理することができる。
【0043】
また、冷却ガスと冷却水との両者による冷却を採用しているので、噴射水量が少なくて済み、かつ、その噴射水は旋回流の中で完全に蒸発してしまい、未蒸発水による減温装置内壁への塩類固着が発生しにくくなる。
【0044】
その結果、減温装置のコンパクト化を図り、また減温装置からダストを排出するためのダスト排出装置を設けた場合でも、そのダスト排出装置が高温排ガスにより損傷するといった問題をなくすことができる。
【0045】
また、溶融炉からの高温排ガスのように小量の排ガスであっても、この高温排ガスを冷却ガスの旋回流でアシストして旋回上昇流とすることができる。
【0046】
また、装置本体内で冷却ガスの旋回流を容易に維持することができ、これに伴い、高温排ガスの旋回上昇流をも容易に維持することができる。
【0047】
請求項2記載の発明によれば、装置本体の高温排ガス入口付近での局部的な温度上昇をなくすことによって、装置本体の長寿命化を図ることができる。
【0048】
請求項3記載の発明によれば、冷却水は冷却ガスに随伴して旋回する間に高温排ガスと接触して完全に蒸発してしまうので、装置本体の内壁に未蒸発水が付着することがなくなる。したがって、装置本体の内壁への塩類固着を防止することができる。
【0049】
請求項4記載の発明によれば、装置本体の内壁に付着したダストを確実に掻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る高温排ガス処理方法が適用される廃棄物焼却残渣溶融処理設備の構成を示す説明図である。
【図2】 溶融排ガス冷却室の縦断面図である。
【図3】 溶融排ガス冷却室の横断面図であって、(a)は図2におけるA−A線断面図、(b)は図2におけるB−B線断面図、(c)は図2におけるC−C線断面図である。
【図4】 溶融排ガス冷却室の実験条件を示す図である。
【図5】 実験による溶融排ガス冷却室内の噴霧水の軌跡を示す図である。
【図6】 実験による溶融排ガス冷却室内の温度分布を示す図である。
【符号の説明】
4 プラズマ溶融炉(溶融炉に相当する。)
11 溶融排ガス冷却室(減温装置に相当する。)
1101 装置本体
1102 冷却空気ヘッダ
1103 冷却空気ノズル(冷却ガスノズルに相当する。)
1104 ダスト掻寄機
1105 高温排ガスノズル
1106 減温排ガスノズル
1107 冷却空気ノズル
1108 冷却水ノズル
Claims (4)
- 都市ゴミ及び/又は産業廃棄物の焼却残渣を溶融炉で溶融する際に発生する高温排ガスを減温処理する装置において、
上下に延びる円筒状に形成された装置本体と、
この装置本体内に旋回流を形成するように冷却ガスを供給する冷却ノズルと、
この冷却ガスに随伴するように冷却水を供給する冷却水ノズルと、
この冷却水を随伴させた冷却ガスに混合することにより減温処理する高温排ガスを、上記旋回流をとめないように供給する高温排ガスノズルとを備え、
前記装置本体内の底部には、ダストを排出するための排出口と、前記底部の直径に沿って伸び、この底部に沿って回転することでダストを掻き寄せて前記排出口から排出するダスト排出手段と、が設けられ、
前記高温排ガスノズルは、前記装置本体下部の周方向の接線に沿わせて設けられ、
前記冷却ノズルは複数あって、各冷却ノズルを装置本体下部における高温排ガスノズルの高さ以下の高さ位置で、かつ、同装置本体下部の周方向に対して傾斜させた状態で設けたことを特徴とする高温排ガス処理装置。 - 冷却ガスノズルの一部は、装置本体の高温排ガスノズルの近傍に設けたことを特徴とする請求項1記載の高温排ガス処理装置。
- 冷却水ノズルは、装置本体下部における冷却ガスノズルの高さ以上の高さ位置で、かつ、上向きとなるように設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の高温排ガス処理装置。
- 前記ダスト排出手段は、装置本体の内面に沿うように回転して付着したダストを掻き取る垂直部分を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高温排ガス処理装置。
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