JP3989790B2 - プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents

プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は極めて優れた成形性を有し、厳しいプレス加工が可能であるフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェライト系ステンレス鋼は、厨房用や家電用等、大半はプレス成形して用いられている。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼の代表鋼種であるSUS304に比べて成形性が著しく劣るため、プレス加工時の割れ等の問題が生じ易い。
【0003】
この問題を解決するためにフェライト系ステンレス鋼の成形性を向上させる方法が検討されており、「ステンレス鋼便覧第3版(ステンレス協会編、1995年)」の931頁に、C及びNを減じ、さらにC,Nを炭窒化物として固定するに足る適正量のTi,Nb,Zr等を添加する方法が報告されている。
また、このような成分の最適化では成形性が不十分である場合には、熱間圧延において圧下率、摩擦係数、速度等を規定する方法が特開平10−330887号公報に開示されている。
【0004】
また、成形性を向上させる手法として、「プレス成形難易ハンドブック第2版(中川威雄監修、薄鋼板成形技術研究会編、1997年)」に、鋼板表面に潤滑油を塗布する方法及び鋼板に潤滑性の優れた表面皮膜を形成する方法が報告されている。このように鋼板表面の潤滑性を向上させることにより、成形性が向上することが確認されている。
【0005】
最近の手法として、破断伸び及びランクフォード値(以下、r値)を向上させ、さらにアクリル樹脂またはウレタン樹脂を塗布し、素材の特性と潤滑皮膜の両者を組み合わせたステンレス鋼板が、特開平14−60972号公報及び特開平14−60973号公報に開示されている。r値は、r=ln(W/W0 )/ln(t/t0 )として求められる。ここで、W及びt並びにW0 及びt0 はそれぞれ、引張塑性変形後の試験片の幅及び板厚並びに引張塑性変形前の試験片の幅及び板厚である。
【0006】
しかし、従来のフェライト系ステンレス鋼板では、鋼板の圧延方向(以下、L方向)と垂直方向(以下、C方向)のr値は2.1に達するが、rave =(rL +2×rD +rC )/4によって求められる値rave を1.9に向上させることは非常に困難であった。
ここで、rL 、rD 及びrC はそれぞれ、L方向、L方向と45°の方向(以下、D方向)及びC方向をそれぞれ長手とした試験片を用いて引張試験を行い、それぞれの方向について求めたr値である。
【0007】
しかし、このような潤滑とr値の向上の組み合わせによっても、フェライト系ステンレス鋼を使用するには形状が複雑であるため、成形加工できない用途が増えており、成形性をさらに高めることが要求されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、極めて厳しい加工が可能であるプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、深絞り成形性に及ぼすステンレス鋼板のr値及び鋼板表面の摩擦係数の影響を詳細に調査した。その結果、鋼板表面の摩擦係数が0.08以下になるように潤滑性を有する表面皮膜を形成すると、r値の向上による深絞り性の改善が極めて顕著になり、特にr値の異方性を考慮した平均値であるrave が1.9以上になると、従来は不可能であったレベルの成形が可能になることを見出した。
【0010】
本発明は上記知見に基づくものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、
C :0.001〜0.01%、
N :0.001〜0.011%、
Cr:10〜20%、
Si:0.01〜1.0%、
Mn:0.01〜1.0%、
P :0.025%未満、
S :0.01%未満、
Al:0.002〜0.1%、
Ti,Nb,Zrの中から選ばれる1種又は2種以上の元素:
それぞれ0.05〜0.48%
を含有し、且つ下記(3)式を満足し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
摩擦係数μが0.08以下である表面皮膜を有し、下記(1)式のrave が1.9以上であり、限界絞り比が2.50以上であることを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
ave =(rL +2×rD +rC )/4 ・・・(1)
ここで、rL 、rD 及びrC は鋼板の圧延方向、圧延方向に対して45°の方向及び圧延方向と垂直方向をそれぞれ長手とした試験片を用いて引張試験を行い、それぞれの方向について下記(2)式に従って求めたr値。
r=ln(W/WO )/ln(t/tO ) ・・・(2)
ここで、W及びt並びにWO 及びtO はそれぞれ、引張塑性変形後の試験片の幅及び板厚並びに引張塑性変形前の試験片の幅及び板厚。
Ti/48+Nb/93+Zr/91≧2(C/12+N/14)・・(3)
【0012】
(2)質量%で、Mg:0.0001〜0.01%をさらに含有することを特徴とする前記(1)に記載のプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
(3)質量%で、B :0.0005〜0.005%
をさらに含有することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載のプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
(4)質量%で、
Cu:0.1〜3%、 V :0.1〜3%
の1種又は2種をさらに含有することを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
【0013】
(5)前記(1)〜()のいずれか1項に記載の鋼板を製造するに際し、熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、さらに総圧延率R0 が70%以上の冷間圧延及び最終焼鈍を施すことを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(6)前記(1)〜()のいずれか1項に記載の鋼板を製造するに際し、熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、さらに冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を実施する工程において、中間焼鈍前後の冷間圧延の総圧延率R0 が70%以上であり、中間焼鈍前の冷間圧延の圧延率R1 及び中間焼鈍後の冷間圧延の圧延率R2 がR2 ≧6/5・R1 の関係を満足することを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(7)前記(1)〜()のいずれか1項に記載の鋼板を製造するに際し、熱間圧延後、熱延板焼鈍を行うことなく、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を実施する工程において、中間焼鈍前後の冷間圧延の総圧延率R0 が70%以上であり、中間焼鈍前の冷間圧延の圧延率R1 及び中間焼鈍後の冷間圧延の圧延率R2 がR2 ≧6/5・R1 の関係を満足することを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、フェライト系ステンレス鋼を用いて成分及び製造プロセスを制御してr値を変化させ、さらに種々の摩擦係数を有する表面皮膜を形成した鋼板の深絞り成形性を調査した。r値は、L方向、C方向及びD方向を長手とするJIS13号B引張試験片を採取して板幅及び板厚を測定し、15%の引張塑性歪を与えた後、再び板幅及び板厚を測定して算出した。深絞り成形性の指標であるLDRは、TZP試験によって評価した。
【0015】
TZP試験は、初期のしわ抑え力で一定速度でポンチを押し込み、成形荷重がピークを経て減少に転じた時点で、ポンチを止め、しわ抑え力を増加させた後に再びポンチを押し込み破断させる試験方法である。成形荷重が減少に転じた際の荷重が最大成形荷重であり、しわ抑え力を増加した後、破断させた際の荷重が破断荷重である。TZP値は(Pb −Pm )/Pb ×100(%)で求めた。ここでPb は破断荷重、Pm は最大成形荷重である。
【0016】
TZP試験の条件は、ポンチ径:φ50mm、ポンチ肩R:5R、ダイス径:φ51.9mm、ダイス肩R:5R、しわ抑え力:(初期)0.5T、(最大荷重後)10T、ポンチ押し込み速度:20mm/min、ブランク径:φ80〜170mm、である。なお、表面皮膜の無い鋼板には、動粘度:1200mm2 /s(40℃)の潤滑剤を塗布してTZP試験を行った。
【0017】
深絞り性は、ブランク径をポンチ径で除した値DR(Drawing Ratio 、絞り比)に対してTZP値をプロットし、得られた直線を外挿してTZP値が0になるDRを求め、これをLDR(Limited Drawing Ratio 、成形限界絞り比)として評価した。
【0018】
また、鋼板表面の摩擦係数はバウデン試験で調査した。これは「日本塑性加工学会編塑性加工技術シリーズ3」プロセストライボロジー66、67頁に報告されているように、鋼球と板の往復すべりを利用する点接触形式の摩擦試験である。今回の試験では、いずれも荷重100g、φ10mmのステンレス球を用いて、摺動速度150mm/minで測定した。
【0019】
ave 及び鋼板表面の摩擦係数によるLDRの変化を図1に示す。表面皮膜の無い鋼板表面の摩擦係数は0.25で、潤滑性が良好である表面皮膜を有する鋼板の表面の摩擦係数は0.07であった。摩擦係数が0.25であるフェライト系ステンレス鋼板では、rave を2.4に向上させても、LDRは2.4程度である。また、rave が1.6未満では摩擦係数を0.07に低減しても、摩擦係数0.25の鋼板に比べて、LDRが約0.1向上する程度であり、表面の摩擦係数の低減による成形性向上効果が小さい。
ところが、rave が1.6以上になると表面の摩擦係数を0.07に低減させる効果が顕著になり、rave が1.9程度になるとLDRが2.50を超え、rave が2.4程度になるとLDRが約2.7に向上することが判明した。
【0020】
ave が1.6以上、特に1.9以上になると、従来技術からの予想を超える成形性が得られる原因については、以下のように考えられる。
円形サンプルを円筒深絞りする際には、図2及び図3に示したように、フランジ部が縮んで流入するための縮みフランジ抵抗Fsと鋼板がダイスに接触して変形しながら流入するために生じる摩擦抵抗Ffが働く。
【0021】
Fs+Ffが材料パンチ肩部の破断抵抗Fpより小さい場合には、材料の流入が進行し、Fp=Fs+Ffとなった時点で破断が生じる。材料のr値が高いとFsが小さくなるため、全抵抗に占めるFfの割合が高くなる。
摩擦抵抗Ffは材料とダイス間の摩擦係数で決定されるため、r値の向上によってFsが小さくなると、摩擦係数低減による成形性向上効果が大きくなる。また、r値には異方性があり、r値が低い方向で破断し易くなる。従って、異方性を考慮した平均値であるrave が低いと、r値による深絞り性の改善の効果が小さくなる。
【0022】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、成分について説明するが、成分量は質量%である。
C及びN:C及びNは多量に添加すると成形性を低下させ、r値を向上させることが困難となるため、上限はそれぞれC:0.01%及びN:0.011%とした。
下限は精錬コストを考慮し、C及びNとも0.001%とした。
【0023】
Cr:Crはステンレス鋼の基本的特性である耐食性を確保するために必要な元素であり、10%以上で耐食性が著しく向上するため、これを下限とした。また、20%超添加すると材料が硬質化し、成形性が劣化するため、20%を上限とした。
【0024】
Si:Siは脱酸元素として用いられる元素であり、1.0%を超えると成形性が著しく低下するため、1.0%を上限とした。また精錬工程でのコストを考慮すると、通常0.01%を含有するため、これを下限とした。
【0025】
Mn:Mnを多量に添加すると成形性が劣化するため、1.0%を上限とした。また下限は精錬工程コストを考慮し、0.01%とした。
【0026】
P:Pは多量に添加すると成形性が低下するため、0.025%未満とした。好ましくは0.018%未満である。また下限は特に規定しないが、0.01%未満にすると精錬工程での大きなコスト増加を招くため、0.01%を下限とすることが好ましい。
【0027】
S:Sは多量に添加すると耐食性を劣化させるため0.01%未満とした。下限は特に規定しないが、精錬工程でのコストを考慮すると、通常含有する0.0001%とする。
【0028】
Al:Alは脱酸元素として用いられるが、多量の添加は成形性を劣化させるため、上限を0.1%とした。また、不純物として通常0.002%含有するため、これを下限とした。
【0029】
Ti,Nb,Zr:これらの元素は炭窒化物を形成して深絞り性を向上させる元素である。その効果が発揮されるのは1種または2種以上で、それぞれ0.05%以上添加した場合であり、これを下限とした。しかし多量の添加は材料の硬質化及び成形性劣化を招くため、それぞれ0.48%を上限とした。
また鋼中の固溶炭素及び窒素を低減するためには、下記(3)式を満たす量の添加が必要である。
Ti/48+Nb/93+Zr/91≧2(C/12+N/14)・・(3)
【0030】
以下、さらに選択的に添加できる元素について説明する。
Mg:Mgは溶接部の組織を微細とし、溶接部の成形性を向上させる元素である。溶接部の成形が必要な場合に選択元素として添加しても良い。溶接部の成形性向上効果は0.0001%以上で発揮されるため、これを下限とした。原料コストから上限を0.01%とした。
【0031】
B:Bは二次加工性を向上させる元素である。成形が複数工程になる場合、添加しても良い。二次加工性の向上効果は0.0005%以上で認められるため、これを下限とした。一方、0.005%超を添加した場合には、材料が硬質化し、成形性が劣化する場合があるため、0.005%を上限とした。
【0032】
Cu,V:これらの元素は耐食性を向上させる元素であり、材料が厳しい腐食環境に晒される場合には添加しても良い。耐食性の向上効果は、それぞれ0.1%以上で発揮されるため、これを下限とした。それぞれ、3%を超えて添加すると原料コストが大幅に増加するだけでなく、成形性が低下するため、3%を上限とした。
【0033】
鋼板の異方性を考慮した平均r値rave は1.9以上とする必要があり、これを満足しない場合には、高い成形性が得られない。r値は、ステンレス鋼板より、L方向、C方向及びD方向を長手とするJIS13号B引張試験片を採取して板幅及び板厚を測定し、それぞれ、15%の引張塑性変形を与えた後、再び板幅及び板厚を測定して、引張塑性変形前後の板幅/板厚の歪比からr=ln(W/W0 )/ln(t/t0 )によって求める。ここで、W及びtは15%塑性変形後、W0 及びt0 は変形前のそれぞれ試験片の幅と厚みである。
【0034】
ave はL、C及びD各方向のr値、rL 、rC 及びrD から、rave =(rL +2×rD +rC )/4に従って求めれば良い。上限は規定しないが、現状の技術では2.8程度である。
また、r値はC方向で最も高くなるが、これを2.15以上にすることが好ましい。C方向のr値は、現在の技術では、3.3程度が上限である。
【0035】
鋼板には摩擦係数μが0.08以下である表面皮膜を有することが必要である。μが0.08を超える場合には、十分な成形性が得られない。下限は規定しないが、製造コスト及びプレス成形の作業性を考慮すると、μを0.03より小さくすることは難しい。
【0036】
鋼板の表面皮膜は、プレス成形時の作業性を考慮し、固体潤滑皮膜であることが好ましい。特に、樹脂系の固体潤滑皮膜を塗布する場合には、種類、厚み及びワックス等の添加によって摩擦係数を調整することが可能である。固体潤滑皮膜は常温で固体を有する皮膜と定義され、前述の摩擦係数を満足すれば、有機系の皮膜でも無機系の皮膜でも良い。
【0037】
有機系ではウレタン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、ポリエステル系、エポキシ系等が有り、無機系ではケイ酸塩系、酸化チタン系、リン酸塩系、クロメート系、ジルコネート系等の種類がある。有機系では、皮膜厚さは0.5〜10μmであり、樹脂固形分に対してフッ素系、ポリエチレン系等のワックスを0.5〜30%添加していることが好ましい。無機系では、付着量が10〜500mg/m2 が適当である。
【0038】
これらは、いかなる方法で被覆しても良く、たとえば塗布、スプレー塗布、また有機系では広く用いられているロールコート、カーテンコートなども使用できる。また、本発明の表面皮膜は摩擦係数の低減を目的としているため、塗布方法だけでなく乾燥及び焼付けにも十分注意する必要がある。また皮膜に、耐食性、耐汚染性、意匠性など、さらなる機能を兼備するために、防錆顔料、金属粉末などを添加できる。ただし、この場合も表面の摩擦係数が本発明の条件を満たすことが前提である。従って、多層皮膜とし最上層が本発明の要件を満たすようにしても良く、コストが高くなるが、付加価値は極めて高くなる。
【0039】
また成形限界絞り比LDRは2.50以上と規定しているが、このLDRの下限値はr
aveが1.9以上であるフェライト系ステンレス鋼板に、摩擦係数が0.08以下である表面皮膜を形成した本発明によってはじめて達成できたものである。
【0040】
本発明のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法について説明する。
本発明では、フェライト系ステンレス鋼の鋼片を熱間圧延し、その後熱延板焼鈍、冷間圧延、中間焼鈍及び最終焼鈍を組み合わせて製造する。
冷間圧延の総圧延率R0 は、熱延板の板厚をth 、最終焼鈍前の冷延板の板厚をtc とした際に100・(1−tc /th )で求められる。中間焼鈍前の冷間圧延の圧延率R1 は、中間焼鈍前の冷間圧延後の板厚をtm としたときにR1 =100・(1−tm /th )で、また中間焼鈍後の冷間圧延の圧延率R2 は、R2 =100・(1−tc /tm )で求められる。
【0041】
ave を向上させるには、R0 大きくすることが重要である。それに加えて、中間焼鈍を施す、さらには熱延板焼鈍を省略することによって冷間圧延前の結晶粒径を微細化し、R2 をR1 よりも大きくすることによって極めて高いrave が得られる。
【0042】
まず、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法であるが、この方法では、rave を高めるためにR0 を70%以上とする。鋼板のrave を高める方位は、主として{111}<112>近傍の方位であり、R0 を70%以上にすることにより、再結晶後に{111}<112>方位が十分に集積し、rave を1.9以上にすることができる。この理由は、R0 を70%以上にすると、圧延集合組織として圧延方向に<011>が揃う、いわゆるα繊維組織が発達し、この中の安定方位である{112}<011>が再結晶時に{111}<112>再結晶粒に蚕食されるためである。一方、R0 が70%未満であると、{112}<011>方位粒が十分に発達しないため、{111}<112>方位の集積が不十分になり、rave が低下する。
【0043】
次に、熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す製造方法であるが、この製造方法では、前述の熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法よりもrave がさらに向上する。
この理由は、rave の高い方位である{111}<112>再結晶粒が、粒界から生じることに起因すると考えられる。中間焼鈍で一度微細な再結晶組織が得られると、最終焼鈍時に{111}<112>再結晶粒生成場所として働くと考えられる粒界の面積が増加し、{111}<112>方位が集積するためと考えられる。
0 ≧70%及びR2 ≧6/5・R1 を満足しない場合は、前述の熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法よりも高いrave は得られない。これは、R2 が低いと十分なα繊維組織が得られないことに起因すると考えられる。なお、R1 及びR2 は、それぞれ30%以上及び50%以上とすることが好ましい。
【0044】
さらに、熱間圧延後、焼鈍を行うことなく、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を実施する製造方法では、前述の熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法並びに熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法よりも、さらに高いrave が得られる。
この原因については、熱延板焼鈍工程を省略することによって中間焼鈍前の歪が蓄積され、中間焼鈍での再結晶が促進されて結晶粒が微細化し、最終焼鈍時に{111}<112>方位が集積するためと考えられる。
なお、R0 ≧70%及びR2 ≧6/5・R1 を満足しない場合は、前述の熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法並びに熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法よりも、高いrave が得られない。なお、R1 及びR2 は、それぞれ30%以上及び50%以上とすることが好ましい。
【0045】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
表1に示すフェライト系ステンレス鋼を溶製し、80〜120mm厚の鋼片とした。これらの鋼片を1000〜1250℃に加熱し、熱間圧延を施して板厚3〜7mmの熱延板とした。熱間圧延の終了温度は700〜950℃の範囲とし、巻取り温度は500〜850℃の範囲とした。熱延板焼鈍、冷間圧延、中間焼鈍の組み合わせによって板厚0.3〜2mmの鋼板を作製し、最終焼鈍を施した。
【0046】
熱延板焼鈍、中間焼鈍及び最終焼鈍は、850〜1000℃の範囲で行った。熱延板の板厚th 、最終焼鈍前の冷延板の板厚tc より、冷間圧延の総圧延率R0 =100・(1−tc /th )を計算し、th 及び中間焼鈍前の冷間圧延後の板厚tm より、中間焼鈍前の冷間圧延の圧延率R1 =100・(1−tm /th )を、さらに中間焼鈍後の冷間圧延の圧延率R2 =100・(1−tc /tm )を計算した。R1 及びR2 の範囲は、それぞれ30〜80%及び40〜85%の範囲とした。
【0047】
表2に製造方法、R0 及びR2 /R1 を示した。製造方法のaは、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法であり、bは、熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を施す方法であり、cは、熱間圧延後、焼鈍を行うことなく、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を実施する製造方法である。
【0048】
これらのステンレス鋼板より、L方向、C方向及びD方向を長手とするJIS13号B引張試験片を採取して板幅及び板厚を測定し、それぞれ、15%の引張塑性変形を与えた後、再び板幅及び板厚を測定して、引張塑性変形前後の板幅/板厚の歪比からr=ln(W/W0 )/ln(t/t0 )によってr値を求めた。ここで、W及びtは15%塑性変形後、W0 及びt0 は変形前のそれぞれ試験片の幅と厚みである。さらにL、C及びD各方向のr値、rL 、rC 及びrD から、rave =(rL +2×rD +rC )/4によってrave を求めた。
【0049】
各鋼板の表面に固体潤滑皮膜(アクリル系、エポキシ系、エポキシ/ウレタン系、ウレタン/ポリエチレン系、アクリル/ウレタン系)を塗布し、摩擦係数をバウデン試験より求めた。さらに、深絞り性はTZP試験によって、LDRを求めて評価した。TZP試験の条件は、ポンチ径:φ50mm、ポンチ肩R:5R、ダイス径:φ51.9mm、ダイス肩R:5R、しわ抑え力:0.5T、ポンチ押し込み速度:20mm/min、ブランク径:90〜170mmとした。
【0050】
製造条件及び特性を表2に示す。製造No.2,10,19,20,23,25,26は、本発明の範囲であり、極めて高い成形性を示し、LDRが2.50以上を示す。
一方、製造No.31は、R0 が本発明の範囲よりも低いため、rave が低く、LDRが低下している。また、製造No.38は、R2 /R1 が本発明の範囲よりも低いためrave が低く、LDRが低下している。製造No.34及び37は、表面の摩擦係数μが本発明の範囲より低く、LDRが低下している。製造No.41〜44は、成分が本発明の範囲外であるため、LDRが低下している。
【0051】
【表1】
Figure 0003989790
【0052】
【表2】
Figure 0003989790
【0053】
【発明の効果】
本発明により、成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を提供できる。本発明のフェライト系ステンレス鋼板は深絞り性に極めて優れており、これまでは使用できなかった部品への適用が可能になり、またプレス加工の工程を省略できるなど、産業上の価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】rave 及び鋼板表面の摩擦係数によるLDRの変化を示す図。
【図2】深絞り成形を示す模式図。
【図3】深絞り成形を示す模式図(断面図)。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C :0.001〜0.01%、
    N :0.001〜0.011%、
    Cr:10〜20%、
    Si:0.01〜1.0%、
    Mn:0.01〜1.0%、
    P :0.025%未満、
    S :0.01%未満、
    Al:0.002〜0.1%、
    Ti,Nb,Zrの中から選ばれる1種又は2種以上の元素:
    それぞれ0.05〜0.48%
    を含有し、且つ下記(3)式を満足し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
    摩擦係数μが0.08以下である表面皮膜を有し、下記(1)式のrave が1.9以上であり、限界絞り比が2.50以上であることを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
    ave =(rL +2×rD +rC )/4 ・・・(1)
    ここで、rL 、rD 及びrC は鋼板の圧延方向、圧延方向に対して45°の方向及び圧延方向と垂直方向をそれぞれ長手とした試験片を用いて引張試験を行い、それぞれの方向について下記(2)式に従って求めたr値。
    r=ln(W/WO )/ln(t/tO ) ・・・(2)
    ここで、W及びt並びにWO 及びtO はそれぞれ、引張塑性変形後の試験片の幅及び板厚並びに引張塑性変形前の試験片の幅及び板厚。
    Ti/48+Nb/93+Zr/91≧2(C/12+N/14)・・(3)
  2. 質量%で、
    Mg:0.0001〜0.01%をさらに含有することを特徴とする請求項に記載のプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  3. 質量%で、
    B :0.0005〜0.005%をさらに含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  4. 質量%で、
    Cu:0.1〜3%、 V :0.1〜3%
    の1種又は2種をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の鋼板を製造するに際し、熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、さらに総圧延率R0 が70%以上の冷間圧延及び最終焼鈍を施すことを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の鋼板を製造するに際し、熱間圧延後に熱延板焼鈍を施し、さらに冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を実施する工程において、中間焼鈍前後の冷間圧延の総圧延率R0 が70%以上であり、中間焼鈍前の冷間圧延の圧延率R1 及び中間焼鈍後の冷間圧延の圧延率R2 がR2 ≧6/5・R1 の関係を満足することを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の鋼板を製造するに際し、熱間圧延後、熱延板焼鈍を行うことなく、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延及び最終焼鈍を実施する工程において、中間焼鈍前後の冷間圧延の総圧延率R0 が70%以上であり、中間焼鈍前の冷間圧延の圧延率R1 及び中間焼鈍後の冷間圧延の圧延率R2 がR2 ≧6/5・R1 の関係を満足することを特徴とする、プレス成形性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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