JP3988965B2 - プロッタおよび図形作成方法 - Google Patents

プロッタおよび図形作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロッタに係り、特に、直線を太線に変換する際に、高速に且つ精度よく太線を構成する各点の座標を導きだす手段、及び太線端部の円形処理を高速に且つ精度よく行う手段を有するプロッタ(以下、図形作成装置ともいう)およびその図形作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1)太線作画について
通常、太線を構成する各点の座標は実数演算で求めていることが多い。一方、プロッタなどの作画座標点は通常整数値である。したがって、太線を構成する各点を求めるときはより正確な値を求めるため実数型で演算を行うが、小数点付きの正確な各点(座標値〉が求められても作画座標点にするときに整数値に変換されて使用されている。
【0003】
プロッタなどの制御を司るCPUは、コスト的な制約から安価なCPUが使われていることが多く、実数型の演算に対してはそれをソフトウエア処理で行っていることが多い。
【0004】
2)端部の円形作画について
通常、直線(太線)の端部の円形処理を行うときは、その端部に想定された円の弦(円の弧の両端を結ぶ線)の長さを求めて作画することが多く、弦の長さは実数演算で求めていることが多い。1)でも記述した様に一般的にプロッタなどの作画座標点は整数値となっていることが多く、小数点付き正確各点(座標値)を求めても整数値に変換されて使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
1)CPUに浮動小数点演算プロセッサを内蔵しているコンピュータや浮動小数点演算専用プロセッサを持っているコンピュータでは、CPUが実数演算処理をしているので実数演算処理と整数値演算との処理速度はあまり変わらない。しかし、前述のようにプロッタなどのCPUはコスト的制約から安価なCPUが使われているため、浮動小数点演算プロセッサ等を内蔵していないことが多く、実数を含む実数演算処理をおこなう場合の多くはソフトウエア処理で行っているため処理速度が著しく遅くなる。
【0006】
2)直線端部の円形処理は作画ドット数が太線作画より少ないため太線作画ほど影響はないが、1)と同じ理由から処理速度が遅くなる。
【0007】
そこで、本発明は、浮動小数点演算プロセッサを内蔵していないCPUを用いた場合でも、作画の精度を下げることなく処理の高速化を実現することができる図形作成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による図形作成装置は、2つの端点座標で定まる直線を、所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線に変換する機能を有する図形作成装置であって、作画すべき直線の2つの端点の座標を得る手段と、与えられた直線の傾き情報と太線の幅情報に対応して、前記直線の各端点からの前記4つの頂点座標のうちの2つの頂点までの相対的なX,Y変位座標量を前記2つの頂点について別個に決定し予め格納した太線相対位置テーブルと、作画すべき直線が与えられたとき、その直線の傾きと太線の幅とに基づいて前記太線相対位置テーブルを参照し、前記相対的なX,Y変位座標量を求め、当該直線の2つの端点の座標に対して前記X,Y変位座標量を加算することにより前記4つの頂点座標を求める手段と、該求められた4つの頂点座標に基づいて太線を作画する手段とを備える。
【0009】
また、本発明による図形作成方法は、2つの端点座標で定まる直線を、所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線に変換する機能を有する図形作成方法であって、作画すべき直線の2つの端点の座標を得る工程と、与えられた直線の傾き情報と太線の幅情報に対応して、前記直線の各端点からの前記4つの頂点座標のうちの2つの頂点までの相対的なX,Y変位座標量を前記2つの頂点について別個に決定し予め格納した太線相対位置テーブルを用意し、作画すべき直線が与えられたとき、その直線の傾きと太線の幅とに基づいて前記太線相対位置テーブルを参照して前記相対的なX,Y変位座標量を求め、当該直線の2つの端点の座標に対して前記X,Y変位座標量を加算することにより前記4つの頂点座標を求める工程と、該求められた4つの頂点座標に基づいて太線を作画する工程とを備える。
このように、太線相対位置テーブルの値を使用することにより実数演算をおこなう回数を減らし処理速度を向上させることができる。かつ、前記直線の各端点からの前記4つの頂点座標のうちの2つの頂点までの相対的なX,Y変位座標量を前記2つの頂点について別個に決定するので、太線の傾きや中心座標点を極力変えないようにしながら、より正確な太線幅の太線を作画することができる。
【0010】
好ましくは、前記太線相対位置テーブルは、直線の傾きとして360度を8分割した45゜の範囲内についてのみの絶対値データを格納しており、与えられた直線の傾きの範囲がどの分割範囲内にあるかに応じて前記絶対値データの符号を決定し、どの分割範囲内にあるかに応じて前記X,Y変位座標量を互いに置換して用いる。これによって、太線相対位置テーブルのテーブルサイズを小さくすることができる。
【0011】
より具体的には、前記第1の範囲をN分割したときの前記傾き情報の値をKとすると、まず、次式で表される角度ATを求め、
AT=(PEx−PSx)/(PEy−PSy)
(ここに、PSxは開始座標点のx座標値、PSyは開始座標点のy座標値、PExは終了座標点のx座標値、PEyは終了座標点のy座標値)
次に、このATの符号が正か負かおよびATの値が1より大きいか否かの4つの場合に応じて、次の4式のいずれかによりK値(小数は整数化)を求める。
【0012】
K=N*AT
K=N/AT
K=N/(AT*(−1))
K=N*(AT*(−1))
本発明による他の図形作成装置は、所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線の端部を当該幅と等しい直径の円形形状とする機能を有する図形作成装置であって、作画すべき円形の直径および中心点座標を得る手段と、作図対象となる円の各直径値毎に、その円の中心線上の各点から、その中心線に直交する弦の第1および第2の端点までの距離を整数値として別個に決定し格納した円形相対位置テーブルと、端部を円形形状とすべき太線の幅および円の中心座標に基づいて、円の中心線上にある円周上の1点の座標を求め、この1点から中心線上の各点を順次辿って、当該各点からその点を通る前記弦の第1及び第2の端点の相対位置を前記円形相対位置テーブルを参照して求めることにより、円周上のすべての点の座標を決定する円周座標決定手段とを備える。
【0013】
本発明による他の図形作成方法は、所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線の端部を当該幅と等しい直径の円形形状とする機能を有する図形作成方法であって、作画すべき円形の直径および中心点座標を得る工程と、作図対象となる円の各直径値毎に、その円の中心線上の各点から、その中心線に直交する弦の第1および第2の端点までの距離を整数値として別個に決定し格納した円形相対位置テーブルを用意し、端部を円形形状とすべき太線の幅および円の中心座標に基づいて、円の中心線上にある円周上の1点の座標を求め、この1点から中心線上の各点を順次辿って、当該各点からその点を通る前記弦の第1及び第2の端点の相対位置を前記円形相対位置テーブルを参照して求めることにより、円周上のすべての点の座標を決定する円周座標決定工程とを備える。
このように、太線端部作画用の円形相対位置テーブルを用いることにより、実数演算を行うことなく端部円形の円周座標を迅速に求めることができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実際について詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態に係る図形作成装置は、インクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジの走査を伴うインクジェット記録方式のプロッタ装置に適用したものである。
【0016】
図1に示すように、このプロッタ装置は、上位のホストコンピュータ装置11から入力画像データを受信するためのデータ通信部1と、このデータ通信部1により受信した入力画像データを、一旦記憶するためのリングバッファである入力バッファメモリ2と、本プロッタ装置全体の制御を行うデータ解析部3と、本プロッタ装置の操作パネルを含み、各種修飾情報等の入力を行うための入力部5と、この入力部5からの入力情報等を検出し、これを上記データ解析部3に供給する入力検知部4とを有している。
【0017】
プロッタ装置は、さらに、本装置の制御プログラム、後述するテーブル、1バンド分の印字画像データを記憶するバンドバッファ、その他各種の作業データ、パラメータ等が記憶される記憶部6と、プロットを行う画像等を事前に表示してそのレイアウトの確認を行うことができる表示部8と、この表示部8の画像表示制御等を行う表示制御部7と、上記入力画像データに応じた画像をプロットする印字部(プリントエンジン)10と、この印字部10の印字を制御する印字制御部9とを有している。記憶部6は、例えば半導体メモリの他、光磁気ディスク、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスク等)等を含みうる。
【0018】
より具体的には、図1に示した主としてデータ解析部3の機能および装置全体の制御の機能を、CPU(中央演算回路)を用いた公知のハードウェア構成(図示せず)で実現できる。
【0019】
本プロッタ装置は、図2のフローチャートに示すように、データ通信部lが入力画像データを受信し(S101)、これを入力バッファメモリ2に一旦記憶する。次に、データ解析部3は、この入力バッファメモリ2に記憶された入力画像データを読み出し、該入力画像データに含まれる単線分(ベクタ)の端点(始点および終点)(ベクトルデータ)を求める(S102)。
【0020】
さらに、データ解析部3は、これらのベクトルデータをディスプレイリストと呼ばれる中間コードに変換する(S103)。この中間コードは記憶部6に格納される。中間コードは入力画像全体について格納しても、あるいは、続くベクタ・ラスタ変換処理時に必要な容量分だけ一時的に格納するようにしてもよい。中間コード内で使用される座標を表わす数値は、実際に印字を行うために印字ドットによる単位系を用いる。ディスプレイリストの作成では、中間コードに対して、直線の修飾情報の各線分への反映を行う。すなわち、ベクトルデータの座標値に基づいて、バンド毎に実際に印字する線分の輪郭の座標を算出する。
【0021】
さらに、データ解析部3は、このようにして求められた中間コードをラスタデータに変換して、印字部10へ供給する(S105)。
【0022】
中間コードは、たとえば、各バンドについて、バンド番号と、そのバンドに含まれる各ベクタの輪郭(アウトライン)の水平セグメントの個数(1,2等)と、各セグメントの頂点の座標データとにより構成される。
【0023】
中間コードは、このように四角形の集合となるため、各四角形の4頂点の座標がつのデー単位となる。1点の座標データは、(x座標)と(y座標)からなるため、計8個の数値で表わされる(この8個の数値からなるデータ単位をDL(Display List)と呼ぶ)。したがって、中間コードは、実用紙上のンド番号とバンド内に存在するDL数とDLデータとの組を用紙上のバンド数だけ繰り返して記述したシーケンシャルデータである。
【0024】
本発明における直線の太線化処理は、S103のディスプレイリスト作成処理の前提処理として行われる。
【0025】
今、図15により、始点PSで終点PEで定義される直線を、太線を定める長方形の4頂点P1,P2,P3,P4を有する太線に変換する場合を考える。
【0026】
(太線相対位置テーブル作成)
図3は、本実施の形態において太線相対位置テーブルを作成する処理フローの概要を示している。一旦、太線相対位置テーブルが作成された後は、この内容を記憶部6内のROM等に予め記憶しておくことにより、以後は特にテーブル内容を変更する場合以外、この処理を実行する必要はない。
【0027】
以下、説明のために、太線幅値Wiは3から31までの整数値を取り、傾き値Ajは45゜の範囲に対応して0〜64の整数値を取ることにする。この整数値は、X値64に対するY数値0〜64の傾きに相当する。すなわち、45度範囲内の相対的な傾き角度は、Ajが0のとき0゜、Ajが1のとき45゜である。
【0028】
図3において、与えられた太線幅値Wiを取得する(S1)。Wの添字のiは太線幅値の序数を表す変数であり、その太線幅値がi番目であることを意味する。S2において、傾き値Ajを取得する。Aの添字のjは、傾き値の序数を表す変数であり、j番目であることを意味する。
【0029】
本実施の形態では、直線を定義する基本的な情報として外部から始点座標、傾き、高さの3情報を受けるが、これらの代わりに始点座標および終点座標を受けるようにしてもよい。
【0030】
S3では、取得した太線幅値Wiと傾き値Ajに基づいて、直線の2端点(始点または終点)から太線近似長方形の短辺の延長直線上の2頂点Pa,Pbの相対位置(Δx1,Δy1)と(Δx2,Δy2)を実数値で求める。これらの点Pa,Pbは座標点上に一致するとは限らない。S4では、これらの点Pa,Pbから最も近い座標点P1,P2の座標を求め、さらにこれらの座標から太線論理幅値W1を算出する。直線の端点からこれらの座標点までの相対位置(整数)が、求める相対位置の第1の候補となる。S5では、太線幅値Wiが太線論理幅値W1と等しいかどうかを判定する。太線論理幅値W1と等しい場合は相対位置テーブル格納S6に処理を移す。S7では、取得した太線幅値Wiが大線論理幅値W1より大きいかどうかを判定する。太線論理幅値W1より大きい場合は太線幅延長方向第2候補相対位置検索・テーブル格納S8に処理を移す。このS8の処理の詳細については後述する。
【0031】
太線幅値Wiが太線論理幅値W1より小さい場合は、太線幅短縮方向第2候補相対位置検索・テーブル格納9に処理を移す。このS9の処理の詳細については後述する。
【0032】
j値を更新しながら、S2からS10の処理を、全傾きに対して順次行うことで所定の幅の1つに対しての太線相対位置テーブルの作成が終了する。(S10)
さらにi値を更新しながら、以上の処理を全ての幅値に対して順次行うことで太線幅対位置テーブル作成が完了することになる(S11)。
【0033】
次に、図4、図5で、図3のS8の太線幅延長方向第2候補相対位置検索・テーブル格納処理について、すなわち、図3のS4で算出した太線論理値幅W1と太線幅延長方向第2候補の相対位置から算出した太線第2論理値幅W2との比較について説明する。
【0034】
図4は、太線幅延長方向の第2候補相対位置の検索およびテーブル値の格納の例を説明するための図である。ここに、「延長方向」とは、太線幅を太らせる方向を意味する。
【0035】
図5は、太線幅延長方向第2候補相対位置検索・テーブル格納処理のフローを表している。まず、S12では、取得した太線幅値Wiが奇数かどうかを判定する。奇数個のドットの幅に相当する太線幅の場合、太線4頂点で定まる長方形の短辺直線上には、あるドットを中心としてその両側(左右)に同一個数のドットが配置されるのに対し、偶数個のドット幅の場合には中心ドットの左右のドット数が1個だけ異なる。したがって、偶数ドット幅の場合と奇数ドット幅の場合で処理を異ならせている。すなわち、中心ドットの左右が非対称となる場合には中ドットから左右のいずれが長くなるかを統一するようにしている。図の例では左側が長くなるようにしている。
【0036】
太線幅値Wiが奇数の場合は、点Pb(左側)を短辺の理想線LN上で外側(中心と逆方向)に1ドット分移動した点Pb’の相対位置(実数値)を算出する(S13)。点Pa’の相対位置としては相対位置Paをそのまま使用する。
【0037】
太線幅値Wiが偶数の場合は、点Pa(右側)を上記理想線LN上で外側に1ドット分移動した点Pa’の相対位置(実数値)を算出する(S14)。点Pb’の相対位置としては点Pbの相対位置をそのまま使用する。続くS15では、点Pa’とPb’の相対位置をそれぞれの直近の座標点P1’,P2’の相対位置(整数値)に置き換え、これらの点の座標値から太線論理幅値W2(実数値)を算出する。S16では、太線幅値Wiと太線論理幅値W1の差を、太線幅値Wiと太線論理幅値W2の差と比較する。太線幅値Wiと太線論理幅値W1の差より太線幅値Wiと太線論理幅値W2の差の方が大きい場合は、P1’とP2’の相対位置を太線相対位置テーブル値として格納する(S17)。太線幅値Wiと大線論理幅値W1の差より太線幅値Wiと太線論理幅値W2の差の方が大きいか等しい場合はP1とP2の相対位置を太線相対位置テーブル値として格納する(S18)。
【0038】
図4の例では、直線の傾きから求まる長方形短辺の直線LNの傾きと太線幅値Wi=8に基づいて、点Pa,Pbの相対位置が求まる(図4(a)。ただし、点Pa,Pbは座標点(格子点)上に位置するとは限らないので、直近の座標点P1,P2を求める(図4(b))。このP1,P2間の論理幅値W1を算出すると、W1≒7.61となる。この値はWi=8より小さいので、さらに、理想線LN上で1ドット増加した位置、すなわち位置Pa’の直近の座標点P1’を求める。座標点P2はそのまま座標点P2’とする。点P1’、P2’間の論理幅値W2は、W2≒8.94となる。W1とW2とを比べて、W1の方がWiに近いので、座標点P1,P2を、求める2頂点の座標とし、それらの相対位置をテーブル値として採用する。
【0039】
図6は、太線幅短縮方向の第2候補相対位置の検索およびテーブル値の格納の例を説明するための図である。ここに、「短縮方向」とは、太線幅を細らせる方向を意味する。
【0040】
図3のS9の太線幅短縮方向第2候補相対位置検索・テーブル格納処理について、即ち、図3のS4で算出した論理値幅W1と太線幅短縮方向第2候補の相対位置から算出した太線第2論理幅値W2との比較について説明する。
【0041】
図7は太線幅短縮方向第2候補相対位置検索・テーブル格納処理のフローを表している。まず、S19では、取得した太線幅値Wiが奇数かどうかを判定する。太線幅値Wiが奇数の場合は点Pa(右)を理想線LN上で中心側に1ドット移動したPa’の相対位置(実数値)を算出する(S20)。Pb’の相対位置としてはPbの相対位置をそのまま使用する。太線幅値Wiが偶数の場合は、Pb(左側)を理想線LN上で中心側に1ドット移動したPb’の相対位置(実数値)を算出する(S21)。Pa’の相対位置としてはPaの相対位置をそのまま使用する。続くS22では、点Pa’とPb’を直近の座標点P1’,P2’の座標(整数値)に置き換え、P1’、P2’から太線論理幅値W2を算出する。S23では、太線幅値Wiと太線論理幅値W1の差を、太線幅値Wiと太線論理幅値W2の差と比較する。太線幅値Wiと太線論理幅値W1の差が太線幅値Wiと太線論理幅値W2の差より小さい場合は、P1’とP2’の相対位置を太線相対位置テーブル値として格納する(S24)。そうでない場合は、P1とP2の相対位置を太線相対位置テーブル値として格納する(S25)。
【0042】
図6の例では、太線幅値Wi=7に対して、論理幅値W1≒7.21となり、これはW1より大きいので、1ドット分内側に移動した点Pa’の直近の座標点P1’を求める。P2’はP2と同じである。そこで、P1’、P2’間の論理幅値W2は、W2≒6.32と得られる。その結果、論理幅値W1の方がWiに近いので、P1とP2の相対位置がテーブル値として採用される。
【0043】
次に、図8は太線相対位置テーブル作成処理で作成された太線相対位置テーブルTBL1の具体的な構成例を示している。
【0044】
(太線頂点座標4点取得〉
まず、太線の角(かど)点、即ち太線の輪郭を構成する長方形の頂点の4点の座標を決定する方法を説明する。
【0045】
図10は、上述のようにして作成された太線相対位置テーブルTBL1を用いて太線頂点座標4点を取得する処理フローの概要を示している。まずS69において、太線の中心線上の開始座標点PSの座標値を取得する。次にS70において、太線の中心線の傾きAを収得する。さらにS71において、太線の中心線の高さLを取得する、
ついで、S72では、開始座標点PSのY座標と高さLから太線の中心線上の終了座標点PEのY座標値PEyを算出する。次にS73では、開始座標点PSと終了座標点PEのY座標値PEyと傾きAから、終了座標点PEのX座標値PExを算出する。ここに、PEx,PEyはそれぞれ整数値である。S74では、開始座標点PSの座標値と終了座標点PEの座標値から太線相対位置テーブル用の角度ATを次式で算出する。ここに、傾きAが整数型の変数であるのに対して、角度ATは実数型の変数である。
【0046】
AT=(PEx−PSx)/(PEy−PSy) …(1)
ここに、PSxは開始座標点のx座標値、PSyは開始座標点のy座標値である。
【0047】
そこで、以下では、角度ATの範囲に応じて処理内容を切り替える。即ち、図9に示すように、直線の取りうる範囲を45゜間隔で4つの領域に分割し、角度ATがどの領域に属するかにより、処理内容を切り替える。これは、太線相対位置テーブルTBL1の数値を0〜45゜の範囲のみ用意したことに対応する。即ち、テーブルTBL1の太線相対位置の数値は絶対値で用意しておき、直線の属する角度範囲に応じてその絶対値に付加すべき符号を決定する、また、x値とy値とを置換して用いる。
【0048】
S75では、算出した傾き角度ATが第1の範囲内にある(AT<−1.0)かどうかを判定する。ある場合は、太線頂点座標を求める処理76に処理を移す。
【0049】
S77では、算出した傾き角度ATが第2の範囲内にある(−1.0≦AT<0.0)かどうかを判定する。ある場合は太線頂点座標を求める処理78に処理を移す。
【0050】
S79では、算出した傾き角度ATが第3の範囲内にある(0.0≦AT<1.0)かどうかを判定する。ある場合は太線頂点座標を求める処理80に処理を移す。
【0051】
S81では、算出した傾き角度ATが第4の範囲内にある(1.0≦AT)かどうかを判定する。ある場合は太線頂点座標を求める処理82に処理を移す。
図11は、図10のS76の詳細処理、即ち、傾き角度ATが第1の範囲内(AT<−1.0)にある場合の太線頂点座標点を求める処理フローの概要を示している。
【0052】
まず、S83では、太線相対位置テーブル用の角度ATから太線相対位置テーブルの傾き番号K(この例では0〜64の整数のいずれか)を算出する。この算出の仕方は、角度ATの範囲により異なる。AT<−1.0の範囲では、次式により角度番号Kを算出する。
【0053】
K=64/(AT*(−1)) …(2)
算出値が小数となった場合には、四捨五入、切り捨て等により、整数化する。このKの値および太線の幅に基づいて太線相対位置テーブルTBL1を参照することにより、太線頂点の中心座標点からの変位であるテーブル値TX1、TY1を求める。
【0054】
S84では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX1、TY1から太線頂点P1の座標値を算出する。S85では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P2の座標値を算出する。S86では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX1,TY1から太線頂点P3の座標値を算出する。S87では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P4の座標値を算出する。これらの各中途線頂点の座標値の算出時には、中心座標点の座標値に対してテーブル値が加算される。その加算の際のテーブル値の符号は、角度ATの範囲により異なり、各太線各座標点P1,P2,P3,P4の座標値は次のように表される。
【0055】
[P1x、P1y]=[(PSx+TX1),(PSy+TY1)] …(3)
[P2x、P2y]=[(PSx−TX2),(PSy−TY2)] …(4)
[P3x、P3y]=[(PEx+TX1),(PEy+TY1)] …(5)
[P4x、P4y]=[(PEx−TX2),(PEy−TY2)] …(6)
図12は、図10のS78の詳細処理、即ち、傾き角度ATが第2の範囲内(−1.0≦AT<0.O)にある場合の太線頂点の4座標点を求める処理フローの概要を示している。
【0056】
まず、S88では、太線相対位置テーブル用の角度ATから太線相対位置テーブルの角度番号Kを算出する。この範囲では、次式により角度番号Kを算出する。
【0057】
K=64*(AT*(−1)) …(7)
S89では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX1,TY1から太線頂点P1の座標値を算出する。S90では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P2の座標値を算出する。S91では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX1、TY1から太線頂点P3の座標値を算出する。S92では、中心座標点PEと太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P4の座標値を算出する。
【0058】
この角度ATの範囲では、各太線各座標点P1,P2,P3,P4の座標値は次のように表される。この際、x値とy値とが置換され、中心座標点のx座標値にはTY値が加算され、y座標値にはTX値が加算されることに留意されたい。
【0059】
[P1x、P1y]=[(PSx+TY1),(PSy+TX1)] …(8)
[P2x、P2y]=[(PSx−TY2),(PSy−TX2)] …(9)
[P3x、P3y]=[(PEx+TY1),(PEy+TX1)] …(10)
[P4x、P4y]=[(PEx−TY2),(PEy−TX2)] …(11)
図13は、図10のS80の詳細処理、即ち、傾き角度ATが第3の範囲内(0.0≦AT<1.0)にある場合の太線頂点座標を求める処理フローの概要を示している。
【0060】
まず、S93では、太線相対位置テーブル用の角度ATから太線相対位置テーブルの角度番号Kを算出する。この範囲では、次式により角度番号Kを算出する。
【0061】
K=64*AT …(12)
S94では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX1,TY1から太線頂点P1の座標値を算出する。S95では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P2の座標値を算出する。S96では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX1、TY1から太線頂点P3の座標値を算出する。S97では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P4の座標値を算出する。
【0062】
この角度ATの範囲では、各太線各座標点P1,P2,P3,P4の座標値は次のように表される。この場合も、中心座標点のx座標値にはTY値が加算され、y座標値にはTX値が加算される。
【0063】
[P1x、P1y]=[(PSx−TY1),(PSy+TX1)] …(13)
[P2x、P2y]=[(PSx+TY2),(PSy−TX2)] …(14)
[P3x、P3y]=[(PEx−TY1),(PEy+TX1)] …(15)
[P4x、P4y]=[(PEx+TY2),(PEy−TX2)] …(16)
図14は、図10のS82の詳細処理、即ち、傾き角度ATが第4の範囲内(1.0≦AT)にある場合の太線頂点座標を求める処理フローの概要を示している。
【0064】
まず、S98では、太線相対位置テーブル様の角度ATから太線相対位置テーブルTBL1の角度番号Kを算出する。この範囲では、次式により角度番号Kを算出する。
【0065】
K=64/AT …(17)
S99では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX1,TY1から太線頂座標点P1の座標値を算出する。S100では、中心座標点PSの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P2の座標値を算出する。S101では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX1,TY1から太線頂点P3の座標値を算出する。S102では、中心座標点PEの座標値と太線相対位置テーブル値TX2,TY2から太線頂点P4の座標値を算出する。
【0066】
この角度ATの範囲では、各太線各座標点P1,P2,P3,P4の座標値は次のように表される。
【0067】
[P1x、P1y]=[(PSx−TX1),(PSy+TY1)] …(18)
[P2x、P2y]=[(PSx+TX2),(PSy−TY2)] …(19)
[P3x、P3y]=[(PEx−TX1),(PEy+TY1)] …(20)
[P4x、P4y]=[(PEx+TX2),(PEy−TY2)] …(21)
ここで、具体的な例を考える。太線中心始点PSの座標を(20,20)、太線中心終点PEの座標を(100,100)、太さWiを10ドットとしたとき、この太線の角点P1,P2,P3,P4の各座標は、次のようにして求められる。
【0068】
まず、テーブル用の太線の角度ATと、これに対応する角度番号Kを求める。
【0069】
AT=(PEx−PSx)/(PEy−PSy)
=(100−20)/(100−20)
=1
この角度ATは前述の第4の範囲内にあるので、Kの値は、式(17)から
K=64/AT
=64/1
=64
となる。このKの値と太さWi=10ドットとを用いて、太線相対位置テーブルTBL1を参照すると、TX1=3,TY1=3,TX2=3,TY2=3が得られる。
【0070】
そこで、これらの数値を上記式(18)〜(21)から
[P1x、P1y]=[(PSx−TX1),(PSy+TY1)]
=[(20−3),(20+3)]=[17,23]
[P2x、P2y]=[(PSx+TX2),(PSy−TY2)]
=[(20+3),(20−3)]=[23,17]
[P3x、P3y]=[(PEx−TX1),(PEy+TY1)]
=[(100−3),(100+3)]=[97,103]
[P4x、P4y]=[(PEx+TX2),(PEy−TY2)]
=[(100+3),(100−3)]=[103,97]
したがって、P1=[17,23]、P2=[23,17]、P3=[97,103]、P4=[103,97]となる。
【0071】
(太線作画〉
図16は、太線相対位置テーブルTBL1を用いて太線を作画する処理フローの概要を示している。以下の説明する中で太線作画が垂直または水平なるような作画は除くこととする。なお、ここで「作画」とは、本実施の形態では、インクジェット記録装置等における複数のノズルを有するヘッドの1回の走査で記録される1バンド分のバッファメモリへの画素データの書き込みのことをいうものとする。勿論、これとは異なり、1行の「作画」が直接1行の印字を行うものであってもよい。
【0072】
まず、S27では、太線頂点P1とP2の座標から左傾きALを算出する。S29では、太線頂点P1とP3の座標から右傾きARを算出する。S30では、a領域内を作画中であるかどうかを判定する。a領域内を作画中であれば太線頂点P1の座標と左傾きAL、右傾きARを用いてa領域の作画S31の処理に移る。S32では、b領域内を作画中であるかどうかを判定する。b領域内を作画中であれば太線頂点P2の座標と左傾きAL、太線頂点P1の座標と右傾きARを用いてb領域の作画S33の処理に移る。c領域内を作画中であれば太線頂点P2の座標と右傾きAR、太線頂点P3の座標と左傾きALを用いて、c領域の作画S34の処理に移る。
【0073】
以上の処理を、全領域に関して順次行うことで太線を作画する処理が終了することになる。
【0074】
図17は、太線を示す長方形のa領域内を作画する処理フローの概要を示している。S36では、傾き累計A1に左傾きALを加算する。ALの値は、X値を1ドット分更新したときのY値の左方向への変化量に相当する。傾き累計A1の初期値は0である。S37では、傾き累計A2に右傾きARを加算する。ARの値は、X値を1ドット分更新したときのY値の右方向への変化量に相当する。傾き累計A2の初期値0である。S38では、太線頂点P1の座標と傾き累計A1を用いて行作画始点YSを算出する。S39では、太線頂点P1の座標と傾き累計A2を用いて行作画終点YEを算出する。
【0075】
図18に示すように、このようにして、着目する行の作画始点YSと作画終点Yの座標値が得られる。
【0076】
S40では、作画始点YSと作画終点YEを用いて、a領域内の1ドット幅の横線を作画する。S41では、a領域最終行の作画を行ったかどうかを判定している。a領域最終行の作画を行っていれば、傾き累計A1を0クリアする(S42)。S43では、b領域がないかどうかを判定している。b領域がなければ傾き累計A2を0クリアする。
【0077】
図19は、太線b領域内を作画する処理フローの概要を示している。S45では、傾き累計A1に左傾きALを加算する。S46では、傾き累計A2に右傾きARを加算する。S47では、太線頂点P2の座標と傾き累計A1を用いて行作画始点YSを算出する。S48では、大線頂点P1の座標と傾き累計A2を用いて行作画終点YEを算出する。S49では、作画始点YSと作画終点YEを用いてa領域内の1ドット幅の横線を作画する。S50では、b領域最終行の作画を行ったかどうかを判定している。b領域最終行の作画を行っていれば傾き累計A2を0クリアする(S51)。
【0078】
図20は太線c領域内を作画する処理フローの概要を示している。S52では、傾き累計A1に左傾きALを加算する。S53では、傾き累計A2に右傾きARを加算する。S54では、太線頂点P2の座標と傾き累計A1を用いて行作画始点YSを算出する。S55では、太線頂点P3の座標と傾き累計A2を用いて行作画終点YEを算出する。S56では、作画始点YSと作画終点YEを用いてa領域内の1ドット幅の横線を作画する。
【0079】
(太線端部の円形相対位置テーブル)
太線の終端形状が円形である場合、終端部に円形を作画する。本発明では、この際にも実数演算を行うことなくテーブル参照で作画処理が行えるように、予め円形相対位置テーブルを作成しておく。
【0080】
図22に円形相対位置テーブルTBL2の構成例を示す。この円形相対位置テーブルTBL2は、図24に示すように、予め想定された太線端部の円形の直径Wiの各々に対して、その中心線上の異なるドット位置ごとに中心線に直交する弦CGを想定し、その弦の中心点から左右端までの適正な長さCL、CR(整数値)を予め設定したものである。以下の説明中、直径値Wiは3から31までの整数値を取ることにする。
【0081】
(太線端部の円形相対位置テーブル作成)
図21では太線端部の円形相対位置テーブルTBL2を作成する処理フローの概要を示している。
【0082】
図21、S57において、まず最小の直径値Wiを取得する。Wの添字iは、テーブル作成処理における直径値の序数を表す変数であり、その直径がi番目の直径であることを意味する。S58では、円周上の1点に、円形相対位置を算出するための始点CSを設定する。S59では、始点CSと中心C1を結ぶ直線と円周との交点(始点値CSと反対側の点〉に終点CEを設定する。S60では、始点CSから終点CEの方向へ1ドット移動し、このときの位置の弦の長さCGを算出する。S61では、算出した弦の長さCGに基づいて、中心線上のドットから弦の左右端までの距離である左弦相対位置CLi(整数値)と右弦相対位置CRi(整数値)を算出する。具体的には、実数値であるCGの小数点を四捨五入等により整数化し、その整数値Mが奇数であれば、(M−1)/2をそれぞれ、左右の距離をCLiとCRiとする。整数値Mが偶数であれば、M/2とM/2−1とをそれぞれCLiとCRiとする。弦の長さCGを直径値Wiまで順次増加させていくことで(S62)、当該直径の円に対するすべての円形相対位置テーブル値が得られる。さらに以上の処理を、全直径値に対して順次繰り返すことで(S63)、円形相対位置テーブル作成が完了することになる。
【0083】
なお、図22の例では、位置1〜31まですべてのデータを有しているが、最大直径の半分の位置16までのデータのみをテーブルに保持して、各直径の中心で折り返して参照するようにしてもよい。
【0084】
(太線端部の円形作画)
図23は、以上のようにして作成した円形相対位置テーブルTBL2を用いて太線端部を作画する処理フローの概要を示している。以下の説明する中でも、直径値Wiは3から31までの整数値を取ることにする。
【0085】
図23で、まずS64において円の中心座標C1を取得する。S65において、円の直径値Wを取得する。S66では、中心座標値C1と直径値Wから、図25に示すように、作画開始中心座標点C2の座標値を算出する。図25の例では、中心座標C1(20,20)、直径値W=10ドットの場合の例を示している。S67では、作画開始中心座標点C2の座標値と太線端部の円形相対位置テーブルTBL2を参照して順次円周上の点の座標を算出し、作画する。以上の処理を、全領域に対して順次行うことで太線終端の円形を作画する処理が終了することになる。
【0086】
以上、本発明の具体的な実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変形・変更が可能である。例えば、テーブル値の「左」および「右」は入れ替えてもよい。また、角度番号Kの範囲を0〜64としたが、他の数値範囲であってもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば従来のコスト的な制約から安価なCPUが使われていることが多いプロッタなどの図形作成装置において、実数型演算を行っているアプリケーションの速度低下の問題を解決し、作画の精度を下げることなく処理の高速化を実現することができる。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の図形作成装置が適用されたプロッタの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のプロッタの動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】本実施の形態において太線相対位置テーブルを作成する処理フローの概要を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップS8の動作を説明するための図である。
【図5】図3のステップS8の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図3のステップS9の動作を説明するための図である。
【図7】図3のステップS9の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態における太線相対位置テーブルTBL1の具体的な構成例を示す図である。
【図9】直線の取りうる範囲を45゜間隔で分割したときの、角度ATの4つの領域を示す図である。
【図10】太線相対位置テーブルTBL1を用いて太線頂点座標4点を取得する処理フローの概要を示す図である。
【図11】図10のステップS76の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】図10のステップS78の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図13】図10のステップS80の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】図10のステップS82の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】始点PSで終点PEで定義される直線を、太線を定める長方形の4頂点P1,P2,P3,P4を有する太線に変換する場合を説明するための図である。
【図16】太線相対位置テーブルTBL1を用いて太線を作画する処理の概要を示すフローチャートである。
【図17】図15のステップS31の処理の概要を示すフローチャートである。
【図18】図16の処理において着目する行の作画始点YSと作画終点Yの座標値を説明するための図である。
【図19】図15のステップS33の処理の概要を示すフローチャートである。
【図20】図15のステップS34の処理の概要を示すフローチャートである。
【図21】本発明による他の実施の形態における円形相対位置テーブルの作成処理の概要を示すフローチャートである。
【図22】図21の円形相対位置テーブルTBL2の構成例を示す図である。
【図23】円形相対位置テーブルTBL2を用いて太線端部を作画する処理の概要を示すフローチャートである。
【図24】図23の処理を説明するための図である。
【図25】図23の処理の具体例を説明するための図である。
【符号の説明】
TBL1…太線相対位置テーブル、TBL2…円相対位置テーブル、1…データ通信部、2…入力バッファ、3…データ解析部(CPU)、4…入力検知部、5…入力部、6…記憶部、7…表示制御部、8…表示部、9…印字制御部、10…印字部(プリントエンジン)。

Claims (8)

  1. 外部から2つの端点座標で定まる直線を定義する情報として直線の始点情報、傾きおよび高さ、または、始点情報および終点情報を受信し、前記2つの端点座標で定まる直線を、所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線に変換する機能を有するプロッタであって、
    作画すべき直線の2つの端点の座標を得る手段と、
    与えられた直線の傾き情報と太線の幅情報に対応して、前記直線の各端点からの前記4つの頂点座標のうちの2つの頂点までの相対的なX,Y変位座標量を前記2つの頂点について別個に決定し予め格納した太線相対位置テーブルと、
    作画すべき直線が与えられたとき、その直線の傾きと太線の幅とに基づいて前記太線相対位置テーブルを参照し、前記相対的なX,Y変位座標量を求め、当該直線の2つの端点の座標に対して前記X,Y変位座標量を加算することにより前記4つの頂点座標を求める手段と、
    該求められた4つの頂点座標に基づいて太線を作画する手段と、
    を備えたプロッタ
  2. 前記太線相対位置テーブルは、直線の傾きとして360度を8分割した45゜の範囲内についてのみの絶対値データを格納しており、与えられた直線の傾きの範囲がどの分割範囲内にあるかに応じて前記絶対値データの符号を決定し、どの分割範囲内にあるかに応じて前記X,Y変位座標量を互いに置換して用いることを特徴とする請求項1記載のプロッタ
  3. 前記第1の範囲をN分割したときの前記傾き情報の値をKとすると、まず、次式で表される角度ATを求め、
    AT=(PEx−PSx)/(PEy−PSy)
    (ここに、PSxは開始座標点のx座標値、PSyは開始座標点のy座標値、PExは終了座標点のx座標値、PEyは終了座標点のy座標値)
    次に、このATの符号が正か負かおよびATの値が1より大きいか否かの4つの場合に応じて、次の4式のいずれかによりK値(小数は整数化)を求めることを特徴とする請求項2記載のプロッタ
    K=N*AT
    K=N/AT
    K=N/(AT*(−1))
    K=N*(AT*(−1))
  4. 外部から2つの端点座標で定まる直線を定義する情報として直線の始点情報、傾きおよび高さ、または、始点情報および終点情報を受信し、前記2つの端点座標で定まる直線に対して所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線の端部を当該幅と等しい直径の円形形状とする機能を有するプロッタであって、
    作画すべき円形の直径および中心点座標を得る手段と、
    作図対象となる円の各直径値毎に、その円の中心線上の各点から、その中心線に直交する弦の第1および第2の端点までの距離を整数値として別個に決定し格納した円形相対位置テーブルと、
    端部を円形形状とすべき太線の幅および円の中心座標に基づいて、円の中心線上にある円周上の1点の座標を求め、この1点から中心線上の各点を順次辿って、当該各点からその点を通る前記弦の第1及び第2の端点の相対位置を前記円形相対位置テーブルを参照して求めることにより、円周上のすべての点の座標を決定する円周座標決定手段と、
    を備えたことを特徴とするプロッタ
  5. プロッタにおいて、外部から2つの端点座標で定まる直線を定義する情報として直線の始点情報、傾きおよび高さ、または、始点情報および終点情報を受信し、前記2つの端点座標で定まる直線を、所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線に変換する工程を有する図形作成方法であって、
    作画すべき直線の2つの端点の座標を得る工程と、
    与えられた直線の傾き情報と太線の幅情報に対応して、前記直線の各端点からの前記4つの頂点座標のうちの2つの頂点までの相対的なX,Y変位座標量を前記2つの頂点について別個に決定し予め格納した太線相対位置テーブルを用意し、作画すべき直線が与えられたとき、その直線の傾きと太線の幅とに基づいて前記太線相対位置テーブルを参照して前記相対的なX,Y変位座標量を求め、当該直線の2つの端点の座標に対して前記X,Y変位座標量を加算することにより前記4つの頂点座標を求める工程と、
    該求められた4つの頂点座標に基づいて太線を作画する工程と、
    を備えた図形作成方法。
  6. 前記太線相対位置テーブルは、直線の傾きとして360度を8分割した45゜の範囲内についてのみの絶対値データを格納しており、与えられた直線の傾きの範囲がどの分割範囲内にあるかに応じて前記絶対値データの符号を決定し、どの分割範囲内にあるかに応じて前記X,Y変位座標量を互いに置換して用いることを特徴とする請求項5記載の図形作成方法。
  7. 前記第1の範囲をN分割したときの前記傾き情報の値をKとすると、まず、次式で表される角度ATを求め、
    AT=(PEx−PSx)/(PEy−PSy)
    (ここに、PSxは開始座標点のx座標値、PSyは開始座標点のy座標値、PExは終了座標点のx座標値、PEyは終了座標点のy座標値)
    次に、このATの符号が正か負かおよびATの値が1より大きいか否かの4つの場合に応じて、次の4式のいずれかによりK値(小数は整数化)を求めることを特徴とする請求項6記載の図形作成方法。
    K=N*AT
    K=N/AT
    K=N/(AT*(−1))
    K=N*(AT*(−1))
  8. プロッタにおいて、外部から2つの端点座標で定まる直線を定義する情報として直線の始点情報、傾きおよび高さ、または、始点情報および終点情報を受信し、前記2つの端点座標で定まる直線に対して所定の幅を有する、4つの頂点座標で定まる太線の端部を当該幅と等しい直径の円形形状とする工程を有する図形作成方法であって、
    作画すべき円形の直径および中心点座標を得る工程と、
    作図対象となる円の各直径値毎に、その円の中心線上の各点から、その中心線に直交する弦の第1および第2の端点までの距離を整数値として別個に決定し格納した円形相対位置テーブルを用意し、端部を円形形状とすべき太線の幅および円の中心座標に基づいて、円の中心線上にある円周上の1点の座標を求め、この1点から中心線上の各点を順次辿って、当該各点からその点を通る前記弦の第1及び第2の端点の相対位置を前記円形相対位置テーブルを参照して求めることにより、円周上のすべての点の座標を決定する円周座標決定工程と、
    を備えたことを特徴とする図形作成方法。
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