JP3988598B2 - 画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、特に、複写による偽造が禁止される電子ファイルに背景パターンを合成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの普及に伴い、様々な画像や文書に関する電子ファイルが、各種ソースからユーザーに提供されている。
また、プリンタや複写機も低価格化、高性能化してきており、ユーザーは、取得した電子ファイルを容易に印刷することができるようになっている。
これら電子ファイルの内、機密性の高いファイルなどをユーザーに自由に印刷させない方法として、電子ファイルの属性情報に印刷禁止属性を持たせる方法があった。
【0003】
しかし、戸籍謄本、契約書等、特定の状況においてプリントアウトが必要な機密文書では、上記の印刷禁止属性のついた電子ファイルだけでは、対応できなかった。また、前記機密文書の不正複写、不正使用も問題となっており、従来では、このような機密文書の不正複写、不正使用を抑制するために、複写偽造防止用紙と呼ばれる特殊な用紙が使用されてきた。
【0004】
複写偽造防止用紙は、人間の目には見えにくいが、複写機で複写すると隠されていた警告文字等(以下、潜像という)が浮かび上がってくる特殊なパターンがあらかじめ印刷されている用紙である。この複写偽造防止用紙に印刷された文書を複写機で複写した場合、複写物には「複写禁止」「COPY」等の警告文字が目立つように浮き出てくるので、不正に複写する行為に対して心理的な抑止になるとともに、警告文字によりオリジナルと複与物とを区別することが可能になる。
【0005】
また、機密文書の不正コピーや機密漏洩の抑制のための従来技術として、特許文献1に記載された、コピー牽制用紙と同様の効果が得られる背景パターン(以下、コピー牽制パターン)を画像処理によって生成し、文書画像に合成してプリント出力する技術がある。このコピー牽制パターンは、均一濃度の背景中に、「複写禁止」等の文字列を潜像として埋め込んだパターン画像である。
【0006】
潜像文字領域と背景領域は、異なるパターンで構成されるが、両方の領域の平均濃度が同じになるようにパターンが構成されているため、潜像文字が目立たなくなっている。潜像文字領域は、複写機でコピー再現される比較的大きなドットパターンが比較的粗く配列されたパターンとなっており、背景領域は、複写機でコピー再現されない比較的小さいなドットパターンが比較的密に配置されたパターンとなっている。このパターン画像を文書画像の背景全面に合成してプリント出力した場合、背景全面が均一色・均一濃度となって潜像文字は目立たない。
【0007】
但し、このプリント出力された画像を複写機でコピーすると、潜像文字領域のドットパターンはコピー再現されるが、背景領域のドットパターンはコピー再現されないので、背景部分だけが白くなり、結果として、コピー出力される文書画像の背景に「複写禁止」等の文字が浮かび上がることになり、不正に複写する行為に対して心理的な抑止になると共に、オリジナルとコピー物とを区別することを可能とする。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−197297号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子ファイルの属性情報に印刷禁止属性を持たせる方法では、戸籍謄本、契約書等、特定の状況においてプリントアウトが必要な機密文書では、上記の印刷禁止属性のついた電子ファイルだけでは対応できない、という問題がある。また、印刷する文書データにコピー牽制パターンを背景パターンとして合成する従来の方法では、印刷手段が背景パターンを合成することができない構成であれば、文書データにコピー牽制パターンを付与しないで印刷してしまう、という問題がある。このように、従来の技術は電子ファイルの管理が煩雑であるという問題点を有する。
【0009】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決し、電子ファイルの管理が容易な画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置は、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成する画像処理装置において、前記電子ファイルを印刷する印刷手段に関する所定の情報を取得し、取得した前記所定の情報に基づいて、前記電子ファイルを印刷する際に、前記コピー牽制パターン画像を前記電子ファイルに重畳できるか否かを判断し、重畳できないと判断した場合には前記電子ファイルの印刷処理を中止できるかどうかを判断する判断部と、該判断部が印刷処理を中止できないと判断した場合に、前記電子ファイルの内容を隠蔽するためのマスク画像を生成して、前記電子ファイルに前記マスク画像を重畳するマスク画像生成部と、を有することを特徴とする。請求項1記載の発明によれば、印刷手段に関する所定の情報を取得し、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成できるか否かを判断するようにしたので、判断結果に応じて電子ファイルの印刷を制御することができ、この結果電子ファイルの管理が容易となる。また、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成できない印刷手段であると判断された場合には、印刷する電子ファイルの内容を隠蔽するマスク画像を生成し、このマスク画像により文書画像をマスクするようにしたので、電子ファイルの管理が容易となり、コピー牽制パターン画像が合成されない重要な紙ドキュメントは出回ることはない。
【0013】
請求項2記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記マスク画像生成部は、前記電子ファイル中に所定の情報が記載された部分の位置情報が付加されている場合に、該部分だけをマスクするマスク画像を生成することを特徴とする。請求項4記載の発明によれば、マスク画像生成部は、電子ファイル中で所定の情報が記載された部分の位置情報を参照するようにしたので、マスク画像により機密部分だけをマスクするようにすることができる。
【0014】
請求項3記載の画像処理装置は、請求項1記載の画像処理装置において、前記マスク画像生成部は、マスク画像に関する位置情報が前記電子ファイルに付加されていない場合には、印刷する原稿用紙サイズのマスク画像を生成することを特徴とする。請求項5記載の発明によれば、マスク画像生成部は、マスク画像に関する位置情報が電子ファイルに付加されていない場合には、印刷する原稿用紙サイズのマスク画像を生成するので、電子ファイルの内容全部にマスク画像が付されるので、印刷される紙ドキュメントの内容を解読することができいようにすることができる。これにより、重要な電子フィルの管理が容易となる。
【0024】
請求項4記載の画像処理プログラムは、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成するためにコンピュータを、前記電子ファイルを印刷する印刷手段に関する所定の情報を取得する第1の手順、取得した前記所定の情報に基づいて、前記電子ファイルを印刷する際に前記電子ファイルに前記コピー牽制パターン画像を合成できるか否かを判断する第2の手順、重畳できないと判断した場合には前記電子ファイルの印刷処理を中止できるかどうかを判断する第3の手順、及び該判断部が印刷処理を中止できないと判断された場合に、前記電子ファイルの内容を隠蔽するためのマスク画像を生成して、前記電子ファイルに前記マスク画像を重畳する第4の手順、として機能させる。この発明によれば、印刷手段に関する所定の情報を取得し、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成できるか否かを判断するようにしたので、コピー牽制パターン画像を合成できる印刷手段からのみ電子ファイルを印刷することができるため、従来必要であった、複写牽制用紙の管理が不要となり、また、電子ファイルの管理も容易となる。また、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成できる場合に印刷を許可する印刷許可属性を、電子ファイルに設定できるため、管理者は、重要文書などの電子ファイルの管理が容易となり、コピー牽制パターン画像が合成されない紙ドキュメントが出回ることもなくなる。
【0028】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る画像処理システム構成を示している。画像処理システム1は、図1に示すように、パーソナルコンピュータで構成されたクライアント装置2、及び複合機3が、ネットワーク4を介して接続されて構成されている。この画像処理1システムにおいて、クライアント装置2からの指示により文書データの印刷を行う場合には、クライアント装置2に内蔵されたプリンタドライバによって、文書データがPDL(Printer Description Language)で記述された文書データ(PDLデータ)に変換されて、PDLデータがネットワーク4を介して複合機3へ送信される。なお、第1の実施の形態では、クライアント装置2が画像処理装置に相当し、後述する第2の実施の形態では、複合機3が画像処理装置に相当する。
【0029】
図2は、本実施の形態を模式的に示した図である。図2に示すように、電子ファイルには、属性情報が設定されている。この属性情報は、複写を制御する画像(以下、コピー牽制パターン画像)を重畳すれば、印刷可能とする属性情報であり、この属性情報は、後述するクライアント装置2内の電子ファイル属性設定手段により設定することができる。そして、クライアント装置2で電子ファイルの印刷を指示する際に、出力先の印刷装置が、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成して印刷できる機能を有していれば(合成可能)、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を重畳して印刷することができる。
【0030】
一方、クライアント装置2で電子ファイルの印刷を指示する際に、出力先の印刷装置が、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成して印刷できる機能を有していなければ(印刷不可能)、電子ファイルの印刷処理を禁止するか、又は、電子ファイルの内容が解読をできないようにするために、電子ファイルにマスク処理がされる。
【0031】
ここで、コピー牽制パターン画像とは、例えば、複写を制御(禁止)する機械可読コードを表すパターン画像、複写を制御(禁止)する機械可読コードを表すパターン画像を含む背景画像(特開2001-346032記載の画像データ)、複写された場合に、潜像部分が浮かび上がるなどして複写物であることを示すことが可能な背景画像(特開平7-231384記載の画像データ)、複写機では再現されない色で描画されたテキスト、グラフィック等のオブジェクトなどの画像を指すものとする。
【0032】
次に、クライアント装置2内部に設けられたファイル属性手段について説明する。図3は、図1のクライアント装置2に設けられたファイル属性設定手段を示している。図3に示すように、ファイル属性設定手段10は、属性情報入力部11と、属性情報設定部12と、電子ファイル格納部13とを有している。属性情報入力部11は、電子ファイルに付与する属性を入力する。
【0033】
ここで、入力される属性は、印刷時に電子ファイルと、電子ファイルの複製を制御する情報と、を合成して印刷することが可能であれば、印刷を許可するというものである。また、必要に応じて、重畳画像の合成に必要な情報、例えば、重畳する画像の種類、重畳位置、幅、高さ、色などの画像各情報、複写された際に浮かび上がる文字列である潜像文字列、機械可読コードとして埋め込む情報、画像ファイル名、機密情報の記述位置情報を設定することもできる。
【0034】
属性情報設定部12は、属性情報入力部11に入力された属性情報を、電子ファイル格納部13に格納されている電子ファイルに付加して属性情報の設定を行う。この属性情報入力部11は、ユーザインターフェースとして実現される。
【0035】
図4は、ユーザインターフェース画面の例を示している。図4に示すように、セキュリティの設定の「編集を禁止する」、「印刷を禁止する」、「複写禁止画像付き印刷のみ許可する」中から、「複写禁止画像付き印刷のみ許可する」を選択する。すると、属性情報入力部11であるユーザインターフェースにより、入力された属性情報が属性情報設定部12に入力される。属性情報設定部12は、入力された属性情報を電子ファイル格納部13に格納されている電子ファイルに付加する。これにより、電子ファイルに属性情報が設定される。
【0036】
次に、印刷処理部の構成について説明する。図5は、印刷処理部のブロック図を示している。図5に示すように、印刷処理部20は、属性情報取得部21と、印刷可否判断部22と、文書画像生成部23と、パターン合成部24と、重畳パターン生成部25とを有する。
【0037】
属性情報取得部21は、入力される電子ファイルに付加された属性情報を取得し、取得した属性情報と電子ファイルとを印刷可否判断部22に出力する。
【0038】
印刷可否判断部22は、属性情報設定部21から電子ファイルの設定情報と電子ファイルを受信し、複合機3からの複合機の情報を取得し、出力先の複合機で電子ファイルを印刷する際に、コピー牽制パターン画像が重畳(付加)されるかどうかを判断する。ここで、複合機の情報は、例えば、プリンタの種類、仕様、プリント記述言語の種類、プリンタのハードウェア構成、ソフトウェア構成等の情報である。この印刷可否判断部22は、複合機3のPDL種、解像度などの性能等に基づいて出力先の印刷装置で重畳が可能かどうかを判定する。
【0039】
また、印刷可否判断部22では、電子ファイルの出力先として指定された印刷装置の情報と、電子ファイルとの属性情報を照合し、出力先の印刷装置において、コピー牽制パターン画像を合成して出力することが可能であると判断した場合には、印刷可能と判断する。また、照合した結果、電子ファイルと、コピー牽制パターン画像の合成が不可能であれば、印刷不可能と判断し、印刷を中止するか、又は印刷されたとしても電子ファイルの内容の可読性を失わせる処理を行った後に出力する。ここで、電子ファイルの内容の可読性を失わせる処理とは、電子ファイルの内容を非透過の性質をもつ矩形等で遮蔽する処理などである。
【0040】
また、図6の画像を合成する場合には、出力先のプリンタが、読み取り装置で再現されないサイズのドットを出力することが不可能であれば、印刷不可能と判断を行う。印刷可否判断部22で、印刷可と判断された場合には、図6、7にて表されるコピー牽制パターン画像の重畳を指示する。画像データの重畳は、プリント記述言語の書き換えによって実施してもよいし、画像データ自体を重畳してもよいし、記憶装置にあるデータを指定し重畳する旨のコマンドを発行するようにしてもよい。
【0041】
文書画像生成部23は、入力された電子ファイルをPDLデータに変換する。重畳パターン生成部25は、属性で設定された重畳パターン画像を生成し、生成したパターン画像をパターン合成部24へ出力する。この重畳パターン画像がコピー牽制パターン画像である。また、重畳パターン25生成部は、設定された重畳パターンが既に存在する場合、又は属性情報として重畳すべき画像の格納場所(クライアント装置2内、図示しないサーバ内、複合機内)が設定されている場合には、このパターンの重畳を指示するコマンドを生成するようにしてもよい。
【0042】
ここで、重畳パターン生成部生成されるパターンの一例として、コピー牽制パターンについて説明する。図6は、重畳パターン生成部で生成されるコピー牽制パターンを説明するための図である。
【0043】
図6(A)は、コピー牽制パターン画像の全体を示す図である。この画像データは、1ビット/画素の2値モノクロ画像である。図6中の「COPY」の文字は、潜像文字であり、実際には、背景濃度と同一の濃度としてあるため、図のようにはっきり見えないが、説明のために見えるように描いてある。この潜像文字の一部(矩形で囲った領域)を拡大したものが図6(C)であり、白色矩形・黒色矩形はそれぞれ白色画素・黒色画素を表わしている。図6(D)は、白色画素を「0」、黒色画素を「1」として図6(C)を2進数表現したものである。
【0044】
図6(C)に示すように、潜像文字の内部は、比較的大きなドットパターンが比較的粗く配置されて構成されており、潜像文字の外部は、比較的細かいドットパターンが比較的密に配置されて構成されている。潜像文字内外で構成しているパターンは異なるが、用紙上にプリント出力した際の潜像文字内外の平均濃度(単位面積当りの黒画素面積)は、同一になるようになっており、人間の目には、全面均一のグレイ背景に見える。
【0045】
この画像がプリント出力された原稿を複写機3でコピーすると、潜像文字内部の比較的大きなドットは忠実にコピー再現されるが、潜像文字外部の比較的細かいドットは複写機では忠実にコピー再現できないため、結果として、コピー出力上には潜像文字の内部のみが再現され、潜像文字外部は、白く抜け、結果として、図6(B)のような画像となる。これにより、不正な複写抑制効果をあげることができる。なお、実際に用紙にプリント出力されるのは、図6(A)に示すパターン画像に文書画像が合成された画像となるが、ここでは、説明しやすいように、文書画像は文字や図形を一切含まない真っ白の文字画像であった場合の例を示している。
【0046】
また、図6では、コピー牽制パターンとして、ドットパターンを用いた例をとって説明したが、図7に示すようなパターンを用いてコピー牽制パターンを生成することもできる。重畳パターン生成部25は、複写時に再現されるパターンとして、図7(A)、(B)に示されるような左右の斜線パターンを適用し、再現されないパターンとして、図7(C)に示されるドットを適用することもできる。図7(A)、(B)のパターンは、どちらかが「0」、もう一方が「1」というようにデジタルデータを表現することが可能であり、これらを用いて、複写を禁止するコード等を埋め込み、複写装置を制御することができる。
【0047】
複写時に再現されない色情報で描画される背景パターン画像を生成する。ここで、複写時に再現されない色情報とは、例えば、スキャナにより、入力原稿の下地色として認識され除去されるような色を指す(例:明度が高く(L≒90近辺)、均一に描画された色など)。
【0048】
図5に戻って、パターン合成部24は、文書画像生成部23からのPDLデータ化した電子ファイルに、重畳パターンデータを合成する描画命令を挿入し、ネットワーク4を介して複合機3へ出力する。また、複合機3は、パターンが合成された電子ファイルをプリントする。
【0049】
次に、クライアント装置側における属性付き電子ファイルのプリント処理について説明する。図8は、属性付き電子ファイルのクライアント側でのプリント処理を説明するための図である。まず、ステップS1において、印刷処理部20の属性情報取得部21は、電子ファイルに付加された属性情報を取得する。また、属性情報取得部21は、取得した属性情報と電子ファイルとを印刷可否判断部22に出力する。ステップS2において、印刷可否判断部22は、複合機3から複合機の情報を取得する。ステップS3において、印刷可否判断部22は、属性情報取得部21から取得した電子ファイルの属性情報と、複合機3からの複合機情報に基づいて、電子ファイルを印刷する際に、出力先に指定された複合機3でコピー牽制パターン画像の重畳が可能かどうかを判断する。
【0050】
ステップS3において、印刷可否判断部22において、出力先の複合機3で電子ファイルにコピー牽制パターン画像を重畳できると判断された場合には、ステップS4に進み、文書画像生成部23は、文書データをPDLデータへ変換する。また、文書画像生成部23は変換したPDLデータをパターン合成部24に出力する。
【0051】
ステップS4の文書画像生成部23での処理に並行して、重畳パターン生成部25は、所定の情報に基づいて、属性で設定されたコピー牽制パターンを生成し、生成したコピー牽制パターンをパターン合成部24に出力する。ステップ5において、パターン合成部24は、PDLデータへコピー牽制パターン画像を合成する描画命令を追加挿入する。ステップ6において、コピー牽制パターン画像の描画命令が付加されたPDLデータを複合機3へ送信する。
【0052】
一方、ステップ3において、印刷可否判断部22は、出力先の複合機がコピー牽制パターン画像を重畳することができないと判断した場合には、印刷処理を中止するか、又は、印刷処理を行う場合でも、文書画像の内容の可読性を失わせる処理を行った後に出力する。
【0053】
本実施の形態によれば、クライアント装置で、印刷手段に関する所定の情報を取得し、電子ファイルにコピー牽制パターンを合成できるか否かを判断するようにしたので、背景パターンを合成できる印刷手段からのみ電子ファイルを印刷することができるため、電子ファイルの管理は容易となる。
【0054】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態ではクライアント装置2に設けられていた印刷処理部が、本実施の形態では複合機3内に設けられている点である。図9は、第2の実施の形態に係る印刷処理部のブロック図を示している。図9に示すように、印刷処理部30は、属性情報取得部21と、印刷可否判断部22と、文書画像生成部23と、パターン合成部24と、重畳パターン生成部25と、マスク画像生成部31、画像形成部32を有する。
【0055】
マスク画像生成31は、マスク画像を生成し、印刷出力する電子ファイルの内容を隠蔽するために不透過な画像を重畳する。このマスク画像は、例えば、用紙全面の大きさの白色(黒色)の矩形、重要情報の記載部を隠蔽する大きさの矩形(属性情報内で位置を指定)である。画像形成部32は、画像を用紙上に印刷出力する。なお、マスク画像生成部31、画像形成部32以外については、第1の実施の形態で説明した印刷処理部とは異なる点がないため、同一符号を用いて説明するとともに、説明は省略する。
【0056】
次に、印刷処理部30の動作について説明する。図10は、印刷処理部の動作を説明するためのフローチャートである。図10に示すように、ステップS101において、属性情報取得部21は、クライアント装置2からネットワーク4を介して受信した電子ファイルに付加された属性情報を取得する。また、属性情報取得部21は、取得した属性情報と電子ファイルとを印刷可否判断部22に出力する。ステップS102において、印刷可否判断部22は、属性情報取得部21から取得した電子ファイルの属性情報と、自身の複合機情報に基づいて、電子ファイルを印刷する際に、コピー牽制パターン画像を重畳できるかどうか判断を行う。
【0057】
ステップS102において、印刷可否判断部22は、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を重畳できると判断した場合には、ステップ103に進み、ステップS103において、文書画像生成部23で生成した文書画像に、重畳パターン生成部25で生成したコピー牽制パターン画像が、パターン合成部24で重畳される。ステップS104において、画像形成部31は、画像を用紙上に印刷出力する。
【0058】
一方、ステップS102において、印刷可否判断部22は、電子ファイルにコピー牽制パターン画像を重畳できないと判断した場合には、ステップS111に進み、印刷可否判断部22は、印刷処理を中止できるかどうか判断する。ステップS111において、印刷可否判断部22が、印刷処理を中止できると判断した場合には、ステップS112に進み、印刷動作を中止する命令を複合機3の制御部(図示せず)に出力する。
【0059】
一方、ステップS111において、印刷可否判断部22が、印刷処理を中止することができないと判断した場合には、ステップS113に進み、マスク画像生成部31は、原稿画像をマスクするマスク画像を生成し、文書画像生成部23で生成した文書画像に、生成したマスク画像を重畳し、ステップS104に進む。
【0060】
ここで、図11を用いて、S113でのマスク画像重畳処理について詳しく説明する。図11は、マスク画像重畳処理のフローチャートを示している。
図11に示すように、ステップ201において、マスク画像生成部31は、属性情報取得部21が取得した電子ファイルの属性情報を取得する。ステップ202において、マスク画像生成部31は、取得した電子ファイルの属性情報に、重要な情報が記録された部分(重要情報記録部)の位置情報があるかどうかを判断する。なお、この重要情報記録部の位置情報は、電子ファイルへの属性情報の設定の際に付与されるものである。
【0061】
ステップ202において、マスク画像生成部31は、電子ファイルの属性情報に重要情報記録部の位置情報があると判断した場合には、ステップ203に進み、重要情報記録部を隠蔽できるサイズのマスク画像を生成する。ステップ204において、マスク画像生成部31は、文書画像生成部23で生成された文書画像の中の重要情報記録部分にマスク画像を重畳する。ステップ207に進み、画像形成部32からマスク画像が重畳された文書画像が用紙上に印刷出力される。
【0062】
一方、ステップ202において、マスク画像生成部31は、電子ファイルの属性情報に重要情報記録部分の位置情報がないと判断した場合には、ステップS205に進み、マスク画像生成部31は、印刷する原稿用紙サイズのマスク画像を作成し、ステップS206において、原稿画像全面にマスク画像を重畳する。ステップS207において、画像形成部32から全面にマスク画像が重畳された画像が用紙上に印刷出力される。
【0063】
以上第1及び第2の実施の形態によれば、複写を管理、制御できる画像を重畳することが可能なプリンタが出力先として選択されていれば、当該画像が重畳されたプリントアウトが得られる。これにより、プリントアウトの不正COPY等を防止することができる。一方、複写管理画像の重畳が不可能な出力先が選択された場合には、印刷禁止属性となるため、プリンタに送信されないか、送信されても印刷動作に入らないか、印刷動作に入っても内容が遮蔽された状態で、画像が出力される。これにより、電子ファイル自体、および、印刷された電子ファイルの管理も容易となる。
【0064】
上述した各実施の形態は、コンピュータにより実行可能なプログラムによっても実現することが可能である。その場合、そのプログラムおよびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶することも可能である。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。例えば、光磁気ディスク、光ディスク、磁気ディスク、メモリ等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
【0065】
これらの記憶媒体にプログラムを格納しておき、例えばコンピュータの光磁気ディスク装置、光ディスク装置、磁気ディスク装置、又はメモリスロットにこれらの記憶媒体を装着することによって、コンピュータからプログラムを読み出し、本発明の画像処理方法を実行することができる。また、予め記憶媒体をコンピュータに装着しておき、例えばネットワークなどを介してプログラムをコンピュータに転送し、記憶媒体にプログラムを格納して実行させてもよい。
【0066】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したところから明らかなように、本発明によれば、印刷手段に関する所定の情報を取得し、電子ファイルに背景パターンを合成できるか否かを判断するようにしたので、判断結果に応じて電子ファイルの印刷を制御することができるため、電子ファイルの管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る画像処理システム構成を示す図である。
【図2】 第1の実施の形態を模式的に示した図である。
【図3】 クライアント装置に設けられたファイル属性設定手段を示す図である。
【図4】 ユーザインターフェース画面の例を示す図である。
【図5】 印刷処理部のブロック図である。
【図6】 重畳パターン生成部で生成されるコピー牽制パターンを説明するための図である。
【図7】 コピー牽制パターンに使用するパターンを示す図である。
【図8】 クライアント側でのプリント処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】 第2の実施の形態に係る印刷処理部のブロック図である。
【図10】 印刷処理部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】 マスク画像重畳処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
2 クライアント装置
3 複合機
11 属性情報入力部
12 属性情報設定部
13 電子ファイル格納部
20、30 印刷処理部
21 属性情報取得部
22 印刷可否判断部
23 文書画像生成部
24 パターン合成部
25 重畳パターン生成部
31 マスク画像生成部
Claims (4)
- 電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成する画像処理装置において、
前記電子ファイルを印刷する印刷手段に関する所定の情報を取得し、取得した前記所定の情報に基づいて、前記電子ファイルを印刷する際に、前記コピー牽制パターン画像を前記電子ファイルに重畳できるか否かを判断し、重畳できないと判断した場合には前記電子ファイルの印刷処理を中止できるかどうかを判断する判断部と、
該判断部が印刷処理を中止できないと判断した場合に、前記電子ファイルの内容を隠蔽するためのマスク画像を生成して、前記電子ファイルに前記マスク画像を重畳するマスク画像生成部と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記マスク画像生成部は、前記電子ファイル中に所定の情報が記載された部分の位置情報が付加されている場合に、該部分だけをマスクするマスク画像を生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記マスク画像生成部は、マスク画像に関する位置情報が前記電子ファイルに付加されていない場合には、印刷する原稿用紙サイズのマスク画像を生成することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 電子ファイルにコピー牽制パターン画像を合成するためにコンピュータを、
前記電子ファイルを印刷する印刷手段に関する所定の情報を取得する第1の手順、
取得した前記所定の情報に基づいて、前記電子ファイルを印刷する際に前記電子ファイルに前記コピー牽制パターン画像を合成できるか否かを判断する第2の手順、
重畳できないと判断した場合には前記電子ファイルの印刷処理を中止できるかどうかを判断する第3の手順、及び
該判断部が印刷処理を中止できないと判断された場合に、前記電子ファイルの内容を隠蔽するためのマスク画像を生成して、前記電子ファイルに前記マスク画像を重畳する第4の手順、
として機能させるための画像処理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002274861A JP3988598B2 (ja) | 2002-09-20 | 2002-09-20 | 画像処理装置及び画像処理プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
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