JP3988142B2 - レンタル及び販売用記録媒体のカバーケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD、DVD等のディスク、又はその他の記録媒体をレンタルする場合、及び販売する場合に使用するカバーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
音楽や映像を記録したCD,DVD等の記録媒体は、不透明な販売ケースに収納された状態で販売されている。又、レンタルショップでは販売ケースから記録媒体を取り出し、これを貸出しケースに収容し、さらに別のカバーケースに入れて陳列棚に並べている。上記カバーケースに入った貸し出しケースはその上端が開口から突出した状態となり、簡単に抜き取って借りることが出来る。
【0003】
この貸し出し方法は、特許第2132868号に係る「ビデオテープの陳列方法及び陳列用ケース」と同じ形態であって、ビデオテープをテープケース(貸出しケース)に収容し、それを陳列用ケース(カバーケース)に入れて陳列棚に並べている。この場合、ビデオテープを収容したテープケースの上端は陳列用ケースから突出した状態にあり、顧客は該陳列用ケースからテープケースを抜取ることが出来る。
【0004】
しかし、上記のようなレンタルショップにおいて、販売ケースからCD,DVD等の記録媒体を取り出し、別の貸出しケース及びカバーケースに収容する場合、上記販売ケースは不用となり、ゴミとして廃棄処分されることになる。このことは非常に不経済であり、同時にプラスチック製のケースを大量に廃棄することで環境上の問題も残される。
【0005】
そこで、従来においても、同じケースを販売用として利用出来ると共に、レンタル用としても使用可能な形態の開発がなされている。すなわち、記録媒体を販売する場合には完全に収容される販売用ケースであって、レンタル用として陳列棚に陳列する場合には、上端が開口する構造と成っている。すなわち、CD,DVD等の記録媒体を貸出しケースに収容すると共に陳列用カバーケースに収納することで上端開口から一部が突出するように成っている。そこで、販売用ケースの上端蓋部材は取外し可能であったり、開閉可能な構造が採用されている。
【0006】
このような形態のカバーケースとしては、特開2001−048273号、特開2001−130673号、特開2001−130674号、特開2001−247185号、特開2001−331877号、特開2002−205786号、特開2002−264984号等が従来から知られている。
【0007】
ところが、ビデオテープを収容している貸出しケースは、その大きさがほぼ統一されているが、CD,DVD等を収容する貸出しケースの大きさは色々あって、高さの低い貸出しケースを挿入すると、上端開口からの突出量は小さくなり、逆に高さの高い貸出しケースを挿入するならば、上端開口からの突出量は大きくなる。このように、カバーケースからの突出量にバラツキがあったのでは、陳列棚に配列された状態での外観が悪く、又顧客は突出量が小さな貸出しケースを抜き取りにくい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のレンタル及び販売用記録媒体のカバーケースには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、販売用ケースをレンタル用カバーケースとして変更できる構造とし、しかも貸出しケースの高さ寸法にバラツキがあってもレンタル用カバーケースからの突出量を一定にすることが出来るカバーケースを提供する。
【0009】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係るレンタル及び販売用記録媒体のカバーケースは、ベース側最広面を持つ箱型形状の本体と、該本体に対して開閉可能なカバー側最広面を持つ蓋で構成され、この中にCD,DVD等の記録媒体を収容することが出来る。そこで、本体には記録媒体の取付け係止部を有す取付け板をスライド可能に設け、該取付け板は本体に形成しているガイドに沿ってスライドできると共に、該本体から取外される。
【0010】
そして、カバーケースの上端開口を塞ぐ為の蓋部材が本体に設けられ、該蓋部材は本体に形成しているガイドに沿って底部へ移動することが出来る。しかも、底部へ移動した蓋部材は、複数箇所にて位置決めされて貸出しケースを挿入した際の底部として機能する。すなわち、挿入された貸出しケースの開口からの突出量を自由に調整出来るように蓋部材の位置が定められる。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
【実施例】
図1は、販売用のカバーケースを示している場合であり、同図の1は本体、2は蓋を表わしている。本体1は縦長の長方形をしたベース側最広面3の両側に側縁4a,4bが起立し、底には底縁5が起立し、又蓋2は同じく縦長の長方形をしたカバー側最広面6の片側に側縁7が起立し、底には底縁8が起立している。そこで、蓋2は繋ぎ部9を介して本体1と繋がっているが、該蓋2を閉じる場合、蓋2の側縁7及び底縁8は本体1の側縁4a及び底縁5の内側に嵌って本体1を覆うことが出来る。
【0012】
本体1のベース側最広面3の中央には取付け板10が取付けられ、又上端には蓋部材11が取付けられている。取付け板10の中心には受け台座12を突出して設け、該受け台座12には係合凸部13を形成している。CD等のディスクは受け台座12に載置されると共に、中央穴には上記係合凸部13が嵌って取付けられる。ここで、係合凸部13の具体的な形態は限定しないことにする。
【0013】
そして、取付け板10はその外形を長方形としているが、両側部には円弧を成した縁14,14を突出し、受け台座12に載置されたディスクの外周が該縁14,14に載って支えられる。ベース側最広面3に取付けられた取付け板10は両側縁4a,4bに形成しているガイド溝に沿ってスライドすることが出来、本体1から取外すことも出来る。取付け板10の両側にはガイド片18a,18bが突出し、このガイド片18a,18bがガイド溝20,20に遊嵌してスライドすることが出来る。
【0014】
本体1の上端に取付けられる蓋部材11は、本体1の上端開口を塞ぐことが出来、この蓋部材11は着脱可能に成っている。そして蓋部材11には両側に脚15a,15bを延ばして門形を成し、脚15a,15bの先端は上記取付け板10の上端両側に形成している穴に嵌って係合している。すなわち、脚先端にはツメが形成され、該ツメは脚15a,15bが穴に嵌ると共に係合溝に係合して連結される。従って、蓋部材11を引き抜くならば、取付け板10も同時に本体1から取出すことが出来る。従って、蓋2を開けないで蓋部材11と共に取付け板10を本体1から引き出し、受け台座12にディスクを取付け、又は受け台座12からディスクを取外すことが可能となる。
【0015】
図2は取付け板10と蓋部材11を分離して表わしている。両脚15a,15bは取付け板10の両側に形成した穴(図示なし)に嵌合し、そして抜けないように先端外側に設けたツメ16a,16bが取付け板10の穴外側に形成した係合溝17,17に係合して連結することが出来る。そして、取付け板10の両側にはガイド片18a,18bが突出し、該ガイド片18a,18bはベース側最広面3の両側であって側縁4a,4bとのコーナーに形成しているガイド溝20,20に遊嵌してスライドすることが出来る。同じく、蓋部材11の両側にもガイド片19a,19bが突出して設けられ、該ガイド片19a,19bは上記ガイド溝20,20に遊嵌してスライドすることが出来る。
【0016】
図3には本体1の側縁4bの上端部拡大図を示しているように、ベース側最広面3と側縁4bとのコーナーにはガイド溝20が形成され、このガイド溝20に取付け板10のガイド片18b及び蓋部材11のガイド片19bが遊嵌してスライドすることが出来る。そして、ガイド溝20は上端21まで貫通せず、上端にはストッパー22が設けられ、その為に蓋部材11のガイド片19bはストッパー22に当って外れることはない。又、ストッパー22から所定の距離を置いてツメ23が形成され、蓋部材11のガイド片19bはストッパー22とツメ23の間に挟まれて所定位置に固定される。同じように側縁4a側にもストッパー及びツメが形成されている。
【0017】
図1に示すカバーケースは販売用であるが、レンタル用のカバーケースとするには上記取付け板10が本体1から取外される。図4は取付け板10を取外したカバーケースを示し、(a)は蓋部材11が上端に位置している場合、(b)は蓋部材11が底部に位置している場合である。このように、蓋部材11は上端に位置している場合にはカバーケース上端を閉じ、底部へ移動することで上端を開口する。勿論、蓋2は閉じられている。
【0018】
ディスクを収容した貸出しケース(図示なし)は、上端開口から挿入して貸出しケースの底が蓋部材11に当って支持され、貸出しケースの上端はカバーケースの上端開口から突出することが出来る。本発明では、該貸出しケースの高さ寸法が変わっても、上端開口からの突出量が一定になるように底部での蓋部材11の位置を調整することが出来る構造と成っている。
【0019】
図4(b)の部分拡大図を示しているのが図5である。蓋部材11の脚15bの先端には上記ツメ16bの他にツメ23bを有している。すなわち、図2に示すように、脚15a,15bの外側にはツメ16a,16bを有し、内側にはツメ23a,23bを有している。ベース側最広面3には高さ調整部材24bが突出し、該高さ調整部材24bに形成している凹部25に底部へ移動した蓋部材11のツメ23bが係合する。
【0020】
複数の凹部25,25・・が高さ調整部材24bに一定間隔で形成され、上記ツメ23bを適当な位置の凹部25に係合することで、蓋部材11の高さを自由に調整出来る。蓋部材11の反対側脚15aにもツメ23aを有し、高さ調整部材24aに形成している凹部25に係合する。そして、蓋2のカバー側最広面6には小さな凸部26,26・・が等間隔で設けられている。
【0021】
蓋部材11には凸部27a,27bが形成され(図2参照)、蓋2を閉じるならば、蓋部材11から突出した凸部27a,27bは図5に示すように蓋2の凸片26,26間に嵌合して位置決めされる。すなわち、ツメ23a,23bが高さ調整部材24a,24bの凹部25,25に係合すると共に、凸部27a,27bが凸片26,26・・間に嵌合して固定される。
【0022】
このように、蓋部材11を図4(b)に示すように底部へ移動した状態で蓋2を閉じてレンタル用カバーケースとなる。そして、上端開口から貸出しケースを挿入して上端は突出することが出来る。貸出しケースの高さが変わっても、上端開口からの突出量を一定にするために、蓋部材11の底部での位置が図5に示すように調整される。
【0023】
ところで、図1に示す販売用ケースは図6に示すように蓋部材11をケースの上端開口から突出した状態で保管する場合、蓋部材11を引くことで蓋部材11の脚15a,15bと連結している取付け板10を引き出すことが出来る。そして、取付け板10の受け台座12に取付けているディスクを取出し、又取付け板10の受け台座12にディスクを取り付けることが可能である。すなわち、蓋2を開く必要がない。
【0024】
図7は蓋部材11を引くことで取付け板10を引き出して、ディスク28の取付け、取外し状態を表わしている。そして、該ケースを積み重ねて互いに連結し、収納ケースとして構成することも出来る。又、図8に示すように、複数ケースを別の収納ボックス29に収納して構成することも可能である。
【0025】
図9は連結具33を用いて積み重ねたケースA、B、Cを連結している。連結具33の両端はコ形断面を成してツメ34a,34b・・を形成し、上記ケースA、B、Cの底縁にはスリット溝が設けられ、このスリット溝にツメ34a,34b・・が嵌入して連結される。すなわち、ケースA、B、Cの底縁には4箇所にスリット溝が形成され、ケースAとケースBを連結具33にて連結し、同じくケースBとケースCは別の連結具により連結される。
【0026】
図10(a)は積み重ねられたケースA、B、Cを連結する別形態を示している。ケースにはツメ35,35が両側に設けられ、該ツメ35.35を撓み変形させて別のケース蓋に形成している溝に係止する。図10(b)はツメ35が下側に位置するケースの溝に係止している場合を示している。このように連結された複数のケースA、B、C・・は、蓋部材11を開口から突出させておくことで、引き出し形式で該蓋部材11と共に取付け板10を引き出すことが可能となる。
【0027】
前記図4に示す実施例では、蓋部材11から取付け板10を分離・取外した状態で蓋部材11だけを本体1の底部へ移動している。ただし、図11に示す蓋部材11及び取付け板10は(a)のように互いに分離可能であると共に、(b)にように組合わされる。すなわち、蓋部材11の脚先端に取付け板10が係合して連結することも出来るが、取付け板10は両脚に沿ってスライドし、脚15a,15bの内側空間に収容される。取付け板10の側部30a,30bにはスリット溝31a,31bが形成され、このスリット溝31a,31bに蓋部材11の脚15a,15bと一体化して形成されているガイド板32a,32bが嵌入・スライドして図11(b)のように組合される。
【0028】
従って、取付け板10を分離しないで(b)に示すように一体的に組合わせた状態で本体1の底部へ移動してレンタル用カバーケースとして使用することが可能である。ここで、取付け板10はCD等のディスクを取付けることが出来るように、その中央には受け台座12が設けられ、受け台座12にはディスク中央穴に嵌る嵌合凸部13を形成している。
【0029】
図12は販売用ケースとして用いる場合を示しているが、蓋部材11と取付け板10は前記図11(b)のような組合わせ形態ではなく、蓋部材11の脚先端に取付け材10が係合して連結している。従って、この取付け板10の受け台座12にはディスクを取付けることが出来、取付けられるディスクの外周は取付け板両側に形成している縁14a,14b及び蓋部材11の内側に形成している縁14cに支持される。
【0030】
そして、レンタル用カバーケースとして使用する場合は、図13に示すように前記図11(b)のように取付け板10が組合された蓋部材11は本体底部へ移動し、蓋部材11には貸出しケースを載せることが出来、その上端を開口から突出する。そして、蓋部材11の底部での高さは自由に調整することが出来、脚先端に形成したツメが高さ調整部材の凹溝に係合してその高さが適当に調整される。これは前記図5にて説明した場合と同じである。
【0031】
以上述べたように、本発明の販売用及びレンタル用の記録媒体のカバーケースは、記録媒体を取付ける取付け板を本体にスライド可能に取付け、そして上端開口には蓋部材を設けると共に蓋部材から延びる脚に取付け板を連結したもので、次のような効果を得ることが出来る
【0032】
【発明の効果】
本発明に係るカバーケースは上端に蓋部材を取付けると共に、該蓋部材はケース本体に沿って形成したガイドに沿って底部へ移動することが出来る。そして、底部へ移動した蓋部材には上端開口から挿入した貸出しケースが載って、該貸出しケースの上端は開口から突出することが出来る。又、蓋部材の底部での位置は調整可能と成っているために、貸出しケースの高さ寸法が違っても上端開口からの突出量は一定となる。
【0033】
一方、ケース本体には取付け板がスライド可能に取付けられていて、該取付け板は蓋部材の両脚先端が係合することで連結している。取付け板には記録媒体が取付けられ、蓋部材にて上端開口が塞がれた状態で販売用ケースとして使用される訳であるが、蓋部材を引き抜くならば取付け板も引き抜かれる。従って、蓋を開かないで取付け板に取付けている記録媒体の出し入れを行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る販売用ケースを示す実施例。
【図2】取付け板と蓋部材が分離した場合。
【図3】ケース本体上端の側縁部の詳細図。
【図4】取付け板を外したレンタル用カバーケースであり、(a)は蓋部材がケース本体の上端に位置する場合、(b)は蓋部材が底部に位置する場合。
【図5】蓋部材が底部に位置している場合の高さ調整構造。
【図6】取付け板がケース本体から引き出せるように蓋部材の一部が上端から突出した状態。
【図7】ケース本体から蓋部材と共に取付け板が引き出されタ場合。
【図8】複数枚のケースを収納ボックスに収納する場合。
【図9】積み重ねられた複数ケースを連結具にて連結する場合。
【図10】ケースに設けたツメによって積み重ねられる複数ケースを連結する場合。
【図11】取付け板と蓋部材が分離した場合。
【図12】本発明に係る販売用ケースを示す実施例。
【図13】本発明に係るレンタル用カバーケースを示す実施例。
【符号の説明】
1 本体
2 蓋
3 ベース側最広面
4 側縁
5 底縁
6 カバー側最広面
7 側縁
8 底縁
9 繋ぎ部
10 取付け板
11 蓋部材
12 受け台座
13 係合凸部
14 縁
15 脚
16 ツメ
17 係合溝
18 ガイド片
19 ガイド片
20 ガイド溝
21 上端
22 ストッパー
23 ツメ
24 高さ調整部材
25 凹部
26 凸部
27 凸部
28 ディスク
29 収納ボックス
30 側部
31 スリット溝
32 ガイド板
33 連結具
34 ツメ
35 ツメ
Claims (3)
- ベース側最広面を持つ箱型形状の本体と、該本体に対して開閉可能なカバー側最広面を持つ蓋で構成して記録媒体を入れることが出来る記録媒体用カバーケースにおいて、上端には蓋部材が取付けられると共に該蓋部材は上記本体に設けたガイドに沿って底部側へスライド出来る構造とし、又本体には記録媒体を取付ける取付け板をスライド可能に設け、そして蓋部材から延びた脚先端を係合して上記取付け板を連結し、さらに、上記蓋部材から延びる脚先端にツメを設け、又ケース本体に設けた高さ調整部材の複数凹部に該ツメを係合して底部での蓋部材の高さを調整可能としたことを特徴とするレンタル及び販売用記録媒体のカバーケース。
- ベース側最広面を持つ箱型形状の本体と、該本体に対して開閉可能なカバー側最広面を持つ蓋で構成して記録媒体を入れることが出来る記録媒体用カバーケースにおいて、上端には蓋部材が取付けられると共に該蓋部材は上記本体に設けたガイドに沿って底部側へスライド出来る構造とし、又記録媒体を取付ける取付け板を蓋部材から延びた脚部にスライド可能に取付けられると共に脚先端に係合して連結し、さらに、上記蓋部材から延びる脚先端にツメを設け、又ケース本体に設けた高さ調整部材の複数凹部にツメを係合して底部での蓋部材の高さを調整可能としたことを特徴とするレンタル及び販売用記録媒体のカバーケース。
- 上記本体上端にはストッパーを形成し、蓋部材が上端開口から外れないようにした請求項1、請求項2記載のレンタル及び販売用記録媒体のカバーケース。
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