JP3479779B2 - レンタル及び販売用記録媒体のカバーケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープ等を
レンタルする場合、及び販売する場合に使用する記録媒
体のカバーケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】音楽や映像を記録したビデオテープ等の
記録媒体は、不透明な販売ケースに収納された状態で販
売されている。又、レンタルショップでは販売ケースか
ら記録媒体を取り出し、これをインサイドケースに入
れ、さらに別のカバーケースに収容して陳列棚に並べて
いる。

【０００３】特許第２１３２８６８号に係る「ビデオテ
ープの陳列方法及び陳列用ケース」はビデオテープをテ
ープケース(インサイドケース)に収容し、それを陳列用
ケース(カバーケース)に入れて陳列棚に並べている。こ
の場合、ビデオテープを収容したテープケースの上端は
陳列用ケースから突出した状態にあり、顧客は該陳列用
ケースからテープケースを抜取って借りることが出来
る。

【０００４】しかし、上記のようなレンタルショップに
おいて、販売ケースからビデオテープ等の記録媒体を取
り出し、別のインサイドケース及びカバーケースに収容
する場合、上記販売ケースは不用となり、ゴミとして廃
棄処分されることになる。このことは、非常に不経済で
あり、同時にプラスチック製のケースを大量に廃棄する
ことで環境上の問題も残される。

【０００５】そこで、従来においても、同じカバーケー
スを販売用として利用出来ると共に、レンタル用として
も使用可能なケースが開発されている。すなわち、記録
媒体を販売する場合には完全に収容されるカバーケース
であって、レンタル用として陳列棚に陳列する場合に
は、上端が開口する構造と成っている。そこで、カバー
ケースの上端蓋部材は取外し可能であったり、開閉可能
な構造が採用されている。

【０００６】記録媒体をレンタルするに際してカバーケ
ース上端から突出した状態にする為には上端の蓋部材が
不用であり、又記録媒体が完全にカバーケース内に収め
られた販売状態とする為には、上端を含む全面の壁が必
要となる。そして収容物である記録媒体が完全にカバー
ケース内に収められた状態では邪魔にならず、記録媒体
を突出させる為に該記録媒体の底が当って上端が突出す
るように、何らかの当り(支え)が必要となる。

【０００７】これらを満足し、記録媒体が完全にカバー
ケース内に収められた販売ケース状態と成り、一方では
記録媒体がカバーケースから突出した状態に出来るレン
タル時のカバーケースとして兼用出来るように構成した
従来技術として、実開平７−２８０７９、特開平７−３
３１８８、特開平１０−１７５６９３、特開平１１−４
３１８８、特開２０００−８５８７５、特開２００１−
１３０６８２等が知られている。

【０００８】しかし、上記従来のカバーケースの場合、
上端蓋部材を外して記録媒体の上端が突出するように高
さ出し部材を組込んだり、又は上端蓋部材を回転させて
高さ出し部材を突起させる等、上端蓋部材の処理と高さ
出し部の処理という２つの動作以上が必要となってい
る。レンタルショップ、又はレンタルビデオメーカーで
あったとしても、作業工程数は経費であり、記録媒体が
完全にカバーケース内に収められる販売ケース状態か
ら、少ない作業工数で記録媒体がカバーケースから突出
した状態となるように、レンタル時のカバーケースに変
化させる事が出来る構造が望まれている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のレ
ンタル及び販売用記録媒体のカバーケースには上記のご
とき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれ
ら問題点であり、記録媒体が完全にカバーケース内に収
められる販売ケース状態から、記録媒体がケースから突
出した状態となるレンタル時のカバーケースに変化させ
るとき、１回の動作にて簡単に対応することが出来るレ
ンタル及び販売用記録媒体のカバーケースを提供する。

【００１０】

【課題を解決する為の手段】本発明に係るレンタル及び
販売用記録媒体のカバーケースは、レンタル用としても
販売用としても使用することが出来るカバーケースであ
る。そこで、カバーケースの上端には蓋部材が取付けら
れ、該蓋部材はカバーケースの本体に沿ってスライドし
て底部に移動することが可能な構造と成っている。蓋部
材が上端に位置する状態では販売用ケースとなり、蓋部
材が底部に位置する状態ではレンタル用ケースとして機
能する。

【００１１】そこで、蓋部材をカバーケース上端から底
部へ移動する為には、該カバーケース本体にガイドを設
け、蓋部材はこのガイドに沿ってスライド可能としてい
る。ただし上記ガイドの形態は限定せず、例えばカバー
ケース本体にスライド溝を沿設し、蓋部材から突出した
突起が該スライド溝に嵌ってスライドさせることによ
り、蓋部材をカバーケース本体から分離することなく上
端から底部へ移動することが出来る。以下、本発明に係
る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１２】

【実施例】図１は、レンタル及び販売用記録媒体のカバ
ーケース内に収納するインサイドケースに記録媒体であ
るビデオテープを収容した状態を示す斜視図である。図
２は、ビデオテープがカバーケース内に収められ、販売
ケース状態となっているレンタル及び販売用記録媒体の
カバーケースを示す斜視図である。図３はビデオテープ
がカバーケースから突出しており、レンタル時のケース
状態となっているレンタル及び販売用記録媒体のカバー
ケースを示す斜視図である。

【００１３】図４は、図２に示すレンタル及び販売用記
録媒体のカバーケースにおいて、カバー側最広面２を持
つ本体を開けた状態を示した斜視図である。この時、蓋
部材１１は上端６側に位置している。図５は、図３に示
すレンタル及び販売用記録媒体のカバーケースにおい
て、カバー側最広面２を持つ本体を開けた状態を示した
斜視図である。この時、蓋部材１１は底部５側に位置し
ている。ここで、本体は箱型形状を成して、内部にはビ
デオテープ２１を入れたインサイドケース２２が収容さ
れる。

【００１４】蓋部材１１を図４に示す上端位置から、図
５に示す底部位置ヘ動かすことにより、ビデオテープが
完全にカバーケース内に収められた販売ケース状態か
ら、上端を突出したレンタル状態のカバーケースに変化
させることが出来る。

【００１５】本発明におけるレンタル及び販売用記録媒
体のカバーケースには、図５で示すようにインサイドケ
ースが挿入される外側にスライド溝７が沿設されてい
る。そして図５では接続前面４側のみ見えている状態で
あるが、後側面３側にも同様にスライド溝７が沿設され
ている。又、片側に２本のスライド溝を沿設する場合も
ある。更に、ベース側最広面１を掘り下げたり、打抜い
てスライド溝を沿設することも出来る。

【００１６】スライド溝７の底部側には蓋部材１１が位
置決めされるスライド底部ストッパ８を有し、又上端側
にはスライド天部ストッパ９が設けられている。これら
ストッパの位置及び数、その形状は記録媒体の大きさや
種類等によって適当に定められる。

【００１７】図８は蓋部材１１の斜視図である。蓋部材
１１には、カバー前面側突起１２、カバー後面側突起１
３、ベース前面側突起１４、ベース後面側突起１５がそ
れぞれ両側端に設けられている。これら各突起１２，１
３，１４，１５の位置及び形状も上記ストッパと同様に
記録媒体の大きさ、種類等によって適当に設けられ、同
図に示す実施例に限定されるものではない。

【００１８】この実施例の場合、蓋部材１１のベース前
面側突起１４は接続前面４側のスライド溝７に嵌め込ま
れ、ベース後面側突起１５は後側面３側のスライド溝７
に嵌ってスライドすることが出来る。

【００１９】図５に示すようにスライド溝７の底部側に
は上記スライド底部ストッパ８を配し、蓋部材１１の戻
りを防止としている。スライド底部ストッパ８は片面を
テーパとして、底部側へ移動する蓋部材１１が該スライ
ド底部ストッパ８に係止し易くしている。

【００２０】スライド底部ストッパ８の周囲のベース側
最広面１に穴を開け、スライド底部ストッパ８にバネ性
を与えることで、蓋部材１１のベース前面側突起１４及
びベース後面側突起１５がスライド底部ストッパ８，８
に一段と係止し易くなる。又、蓋部材１１が図４で示し
ているように、上端６側に位置しているとき、スライド
底部ストッパ８と同じように機能するストッパを配置す
る場合もある。

【００２１】つまり、蓋部材１１を図４に示す上端位置
から図５に示す底部位置ヘ移動させるとき、蓋部材１１
を摘んでスライド溝７に沿ってスライドさせ、スライド
底部ストッパ８，８にベース前面側突起１４及びベース
後面側突起１５を係止するだけの作業で完了する。

【００２２】逆に、蓋部材１１を図５に示す底部位置か
ら図４に示す上端位置ヘ移動させる場合には、蓋部材１
１を摘んで僅かに持上げてスライド底部ストッパ８，８
からベース前面側突起１４及びベース後面側突起１５を
離脱し、そして該スライド溝７，７に沿ってスライドさ
せる動作のみにて作業が完了する。

【００２３】図６はレンタル及び販売用記録媒体のカバ
ーケースにビデオテープ２１を入れたインサイドケース
２２が収容されている販売ケースの状態を示し、又図７
はレンタル及び販売用記録媒体のカバーケースにビデオ
テープ２１を入れたインサイドケース２２が収容されて
いるレンタルケースの状態を示している。ここで、記録
媒体とはビデオテープ、ＤＶＤ、ＣＤ等をさす。また、
ビデオケースの入れるインサイドケースは、防犯機能付
きの場合、防犯機能がない場合もある。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のレンタル及
び販売用記録媒体のカバーケースは、記録媒体が完全に
カバーケース内に収められる販売ケース状態から、記録
媒体がカバーケースの上端から突出した状態となるレン
タル時のカバーケースに変化させることが出来る。すな
わち、同一ケースを販売用とレンタル用に兼用可能であ
り、無駄がなく経済的となる。

【００２５】そして販売用ケースからレンタル用ケース
に替える場合、又逆にレンタル用ケースから販売用ケー
スに替える場合には、蓋部材をスライド移動させるとい
う１回の動作にて対応することが出来る為に、レンタル
ショップ等ではケース形態の切り替えに必要な作業工数
が少なくて済み、非常に便利である。又、蓋部材がスラ
イドするスライド溝にストッパーを設けることで、該蓋
部材は定位置に安定する。

【図面の簡単な説明】

【図１】インサイドケースにビデオテープを収納した状
態を示した斜視図。

【図２】本発明に係るレンタル及び販売用記録媒体のカ
バーケースに、ビデオテープが完全に収められた販売ケ
ース状態を示す斜視図。

【図３】本発明に係るレンタル及び販売用記録媒体のカ
バーケースに、ビデオテープの上端が突出して収められ
ているレンタル状態を示す斜視図。

【図４】図２に示すレンタル及び販売用記録媒体のカバ
ーケースの、カバー側最広面を開けた状態を示した斜視
図であって、蓋部材は上端側に位置している。

【図５】図３に示すレンタル及び販売用記録媒体のカバ
ーケースの、カバー側最広面を開けた状態を示した斜視
図であって、蓋部材は底部側に位置している。

【図６】図４に示すレンタル及び販売用記録媒体のカバ
ーケースにビデオテープを入れたインサイドケースを収
めた状態を示した斜視図。

【図７】図５に示すレンタル及び販売用記録媒体のカバ
ーケースにビデオテープを入れたインサイドケースを収
めた状態を示した斜視図。

【図８】レンタル及び販売用記録媒体のカバーケースに
取付けられてスライド可能な蓋部材の斜視図。

【符号の説明】

１ ベース側最広面 ２ カバー側最広面 ３ 後側面 ４ 接続前面 ５ 底部 ６ 上端 ７ スライド溝 ８ スライド底部ストッパ ９ スライド天部ストッパ 11 蓋部材 12 カバー前面側突起 13 カバー後面側突起 14 ベース前面側突起 15 ベース後面側突起 21 ビデオテープ 22 インサイドケース

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベース側最広面を持つ箱型形状の本体
   と、該本体に対して開閉可能なカバー側最広面を持つ蓋
   で構成して記録媒体を入れることが出来る記録媒体用カ
   バーケースにおいて、本体の上端には蓋部材が取付けら
   れ、そして本体の接続前面側と後側面側にはガイドとな
   るスライド溝を沿設し、蓋部材の両側端に突出した突起
   を上記スライド溝に嵌めて底部側へスライド出来る構造
   としたことを特徴とするレンタル及び販売用記録媒体の
   カバーケース。
2. 【請求項２】 上記スライド溝に蓋部材の突起が係止す
   るストッパーを設けた請求項１のレンタル及び販売用記
   録媒体のカバーケース。