JP3987924B2 - 磁性メモリアレイ、磁性メモリアレイの書き込み方法及び磁性メモリアレイの読み出し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネティック・ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)として好適に用いることのできる不揮発性の磁性メモリアレイ、さらには前記磁性メモリアレイに対する情報の書き込み方法及び読み出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の電子機器が宇宙空間などの特殊な環境下で用いられるようになり、このため放射線などに晒されても記録された情報が失われることのない記録装置の確立が求められている。かかる観点より、放射線などに対する耐性が高く、情報の不揮発性を有するとともに、簡単な構造の磁性メモリセルを有するMRAMの開発が盛んに進められている。
【0003】
従来の磁性メモリセルは長方形状を呈し、その磁化の向きに応じて0又は1の情報を記録するようにしている。しかしながら、このような磁性メモリセルにおいては、その形状に起因して前記磁化に起因した磁束がセル外部へ漏洩してしまっていた。一方で、MRAMの記録容量を増大させるべく、複数の磁性メモリセルを高密度で配列する試みがなされているが、この場合においては、上述した漏洩磁場によって隣接する磁性メモリセルに対して甚大な影響を与えてしまい、結果的に実用的な高密度MRAMを得ることはできないでいた。
【0004】
このような観点から、本発明者らは、磁性メモリの形状をリング形状とし、前記磁性メモリを前記リング形状に沿って右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に渦状に磁化させ、これら磁化の向きに応じて0又は1の情報を記録するようにした磁性メモリを開発した(特願2002−73681参照)。
【0005】
この場合においては、前記磁性メモリから磁束が漏洩しないため、これら磁性メモリを高密度に配列して例えばMRAMを作製した場合においても、漏洩磁場が隣接する磁性メモリに悪影響を与えないため、前記磁性メモリを高密度に集積することができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記磁性メモリを構成する情報を記録するための磁性層の厚さが小さくなると、上述したような渦状の磁化を生ぜしめることが困難になり、前記渦状磁化を利用した情報の記録を実行することができない場合があった(「Physical Review Letters, 83巻、5号、p1042−1045(1999年)」参照)。
【0007】
本発明は、磁性層の厚さに関係なく渦状磁化を生成することができ、前記渦状磁化の向きに応じて情報を安定的に記録できるようにした磁性メモリアレイを提供することを目的とする。さらには、前記磁性メモリに対する情報の書き込み方法及び読み出し方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、外周部を円弧状に切り欠いてなる、厚さが1nm〜10nmの、リング形状の膜面を有する磁性層を含む複数の磁性メモリを、前記磁性層の切り欠き部における直線部が互いに略平行となるようにして配置し、前記磁性層を前記リング状の膜面に沿って右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に渦状に磁化させて0又は1の情報を記録するようした磁性メモリアレイに関する。
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を実施した。その結果、磁性メモリの、リング状の磁性層の外周の一部を、断面が垂直となるように切り欠くことによって、前記磁性層の厚さが小さい場合においても、前記磁性層中に右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)の渦状の磁化を簡易に生ぜしめることができることを見出した。そして、このような磁性メモリを複数配置して磁性メモリアレイを作製する際には、前記磁性層の前記切り欠き部における直線部が互いに略平行となるように設定することにより、前記磁性メモリアレイに対して、単一の外部磁場を印加するのみで、前記磁性メモリアレイに対する記録動作を実行でき、本発明の磁性メモリアレイを実用的な高密度記録媒体として提供できることを見出した。
【0010】
本発明によれば、前記磁性層を1nm〜10nm程度まで薄くした場合においても、前記磁性層中に上述した渦状磁化を簡易に生ぜしめることができ、前記渦状磁化の向きに応じて0又は1の情報を記録することができる。
【0011】
また、前記磁性層からの前記渦状磁化に基づく漏洩磁場が発生しないため、前記磁性メモリアレイ中における、磁性メモリの配列密度を増大させた場合においても、隣接する磁性メモリ同士が前記漏洩磁場によって影響を受けることはない。
【0012】
本発明の磁性メモリのその他の特徴、並びに本発明の磁性メモリの記録方法及び読み出し方法については、以下の発明の実施の形態において詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に則して詳細に説明する。
図1は、本発明の磁性メモリアレイを構成する磁性メモリ中の、磁性層の形状を概略的に示す図であり、図2は、図1に示す磁性層中の磁化状態を示す図である。
【0014】
図1に示すように、磁性層11はリング状を呈し、その外周部は垂直な断面を有するように円弧状に切り欠かれている。このように、磁性層11が切り欠き部12を有するリング状を呈することによって、例えば磁性層11の厚さを1nm〜10nm程度まで小さくした場合においても、図2(a)及び(b)に示すように、磁性層11中に右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)の渦状磁化を生ぜしめることができるようになる。
【0015】
したがって、図2に示すように、例えば右回りの渦状磁化に対して0を割り当て、左回りの渦状磁化に対して1を割り当てるようにすれば、これらの0又は1の値に応じて、磁性層11中に所定の情報を記録させることができるようになる。
【0016】
なお、磁性層11は、図2(a)から図2(b)の状態に移行する際、あるいは図2(b)から図2(a)の状態に移行する際、図2(c)に示すような磁化状態を経る。
【0017】
切り欠き部12の高さhの、リング形状の磁性層11の外径H1に対する比(h/H1)は、0.01以上であることが好ましく、さらには0.05以上であることが好ましい。磁性層11の外周部を上述したような大きさで切り欠くことにより、磁性層11を含む磁性メモリを複数配列して本発明の磁性メモリアレイを作製した場合において、比較的小さい外部磁場によって記録動作をより簡易かつ正確に行うことができるようになる。
【0018】
なお、前記比(h/H1)の上限は特に規定されるものではないが、0.2であることが好ましい。前記比を0.2を超えて大きくしても本発明の作用効果のさらなる向上を図ることができないとともに、磁性層11中に上述した渦状の磁化を生成させることができず、磁性層11を磁性メモリとして使用できなくなる場合がある。
【0019】
また、磁性層11のリング形状に保持するためには、切り欠き部12の高さhと、磁性層11の外径H1及び内径H2とは、h<(H1−H2)/2なる関係を満足する必要がある。
【0020】
磁性層11は、例えばNi−Fe、Ni−Fe−Co、及びCo−Feなどの室温強磁性体から構成することができる。なお、室温強磁性体とは、室温において強磁性的性質を示す磁性体を意味し、上述した磁性材料の他に公知の磁性材料を含むことができる。
【0021】
また、磁性層11の厚さは1nm〜10nmに設定することが好ましく、さらには3nm〜5nmに設定することが好ましい。これによって、十分な大きさの渦状磁化を生ぜしめることができ、0又は1に対応した所定の情報を安定的に記録することができるようになる。
【0022】
図3は、図1に示す磁性層を含む磁性メモリの具体的な一態様を示す平面図であり、図4は、図3に示す磁性メモリの側面図である。図3及び図4に示す磁性メモリ30においては、図1に示すような磁性層21上において、非磁性層22を介して追加の磁性層23が形成されるとともに、追加の磁性層23上において反強磁性層24が形成されている。磁性層21は、上述したように外周部を切り欠いたリング形状を呈しており、非磁性層22から反強磁性層24は磁性層21と同心円状に積層されてなり、それぞれリング形状を呈するように構成されている。
【0023】
また、本態様においては、非磁性層22から反強磁性層24は、磁性層21と同一の膜面を有するように、磁性層21と同一の切り欠き部32を有するように構成されている。したがって、磁性メモリ30の切り欠き部32は切り欠き部12と同一の要件を満足する。
【0024】
磁性層21は、上述したように右回り(時計回り)又は左回り(反時計回りに)に渦状に磁化され、その渦状磁化の向きに応じて0又は1が割り当てられ、所定の情報が記録されるようになっている。
【0025】
図3に示す磁性メモリ30において、追加の磁性層23は、予め右回り(時計方向)又は左回り(反時計方向)に渦状磁化されており、この磁化は反強磁性層24との交換結合によって固定されている。なお、磁性層21と追加の磁性層23とは非磁性層22によって磁気的に分断されている。
【0026】
磁性層21は、上述したような室温強磁性体から構成することができ、1nm〜10nmの厚さに形成することができる。また、追加の磁性層23についても同様の室温強磁性体から構成することができ、1nm〜10nmの厚さに形成する。
【0027】
非磁性層22は、Cu、Ag、及びAuなどの非磁性材料から構成することができ、反強磁性層24はMn−Ir、Mn−Pt、及びFe−Mnなどの反強磁性材料から構成することができる。なお、非磁性層22の厚さ及び反強磁性層24の厚さは、それぞれ磁性層21及び追加の磁性層23間を磁気的に分断できるように、さらには追加の磁性層23中の磁化を交換結合を通じて磁気的に固定できるように適宜に設定する。
【0028】
図5は、本発明の磁性メモリアレイの構成を概略的に示す平面図である。図5に示す磁性メモリアレイにおいては、図3及び図4に示す磁性メモリ30が、切り欠き部32が左上方を向くようにして縦3列、横3列で計9個配列されてなり、総ての磁性メモリ30の切り欠き部32における直線部33が互いに略平行になるように構成されている。磁性メモリ30の上部及び下部には、磁性メモリ30、すなわち図5に示す磁性メモリアレイに対する書き込み動作と読み出し動作とを実行するための、上部配線41〜43及び下部配線51〜53が設けられている。
【0029】
なお、図5に示す磁性メモリアレイおいては、磁性メモリ30の配置数を9個に設定しているが、配置数は9個に限定されるものではなく、任意の数に設定することができる。また、図5に示す磁性メモリアレイにおいては、磁性メモリ30を縦3列及び横3列に配置しているが、実際の配置方法はこれに限定されるものではなく、必要に応じて任意の形態に配置することができる。
【0030】
図5に示す磁性メモリアレイに対して書き込みを行う際には、書き込みを行うべき磁性メモリ30の上部及び下部に位置する配線に対して電流を流すことによって所定の磁場を生ぜしめ、この磁場を利用して書き込みを行う。例えば、右上方に位置する磁性メモリ30に対して書き込みを行う際には、上部配線41に対して上向きの電流I1を流し、下部配線51に右向きの電流I2を流す。すると、磁性メモリ30には、上向き電流I1に起因した誘導磁場B1と右向き電流I2に起因した誘導磁場B2との合成磁場Bが印加されることになり、磁性メモリ30の磁性層中には、図2(b)に示すような左回り(反時計回り)の渦状磁化が生じるようになる。したがって、この磁化の向きに対して0又は1を割り当てることにより、磁性メモリ30に対する書き込みを実行することができるようになる。
【0031】
このとき、合成磁場Bの向きは、磁性メモリ30の切り欠き部32における直線部33と略平行であることが好ましい。これによって、比較的小さい外部磁場によって記録動作をより簡易かつ正確に行うことができるようになる。この要件を満たすためには、上向き電流I1及び右向き電流I2の大きさを適宜に制御するとともに、磁性メモリ30の配置方向を適宜に制御する。
【0032】
また、右上方に位置する磁性メモリ30の磁性層中に、図2(a)に示すような右回り(時計回り)の磁化を生ぜしめるような場合は、上部配線41及び下部配線51に対して、上向き電流I1及び右向き電流I2に代えて、下向き電流I3及び左向き電流I4を流すことによって、合成磁場Bと逆方向である右上方向の合成磁場Baを印加する。
【0033】
なお、この場合においても、前記同様の理由から合成磁場Baの向きは、磁性メモリ30の切り欠き部32における直線部33と略平行であることが好ましい。
【0034】
上記においては、右上方の位置する磁性メモリ30に対する書き込み動作について説明したが、他の磁性メモリ30に対する書き込み動作についても同様である。例えば、中央に位置する磁性メモリ30に対して書き込みを実行する際には、上部配線42及び下部配線52に対して、上向き電流I1及び右向き電流I2を流すことにより、合成磁場Bを生成することができ、図2(b)に示すような左回り(反時計回り)の渦状磁化を生ぜしめることができる。同様に、上部配線42及び下部配線52に対して、下向き電流I3及び左向き電流I4を流すことにより、合成磁場Baを生成することができ、図2(a)に示すような右回り(時計回り)の磁化を生ぜしめることができる。
【0035】
なお、上述した書き込み動作は、磁性メモリ30毎に行うこともできるが、複数の磁性メモリ30に対して同時に行うこともできる。
【0036】
図5に示す磁性メモリアレイに書き込まれた情報を読み出すに際しては、磁性メモリ30を構成する追加の磁性層23の、反強磁性層24によって固定された磁化方向と、磁性層21の磁化方向との相対的な方向関係に基づく磁性メモリ30全体の電気抵抗値変化を利用して行う。例えば、磁性層21の磁化方向と追加の磁性層23の磁化方向とが同一の場合、磁性メモリ30の電気抵抗値は減少する。一方、磁性層21の磁化方向と追加の磁性層23の磁化方向とが反対である場合、磁性メモリ30の電気抵抗値は増大する。
【0037】
したがって、磁性メモリ30を流れる電流は、磁性層21の磁化方向に起因した抵抗値変化に基づいて変化するので、追加の磁性層23の磁化方法が予め分かっていれば、前記電流変化によって磁性層21の磁化方向を知ることができ、この磁化方向に対して記録させた0又は1の情報を読み出すことができる。
【0038】
図5に示す磁性メモリアレイにおいては、上部配線及び/又は下部配線に対して所定の電圧を印加し、そこを流れる電流値を計測することによって、磁性メモリセル30に書き込まれた情報を読み出すことができる。例えば、右上方に位置する磁性メモリ30内に書き込まれた情報を読み出す際には、上部配線41及び/又は下部配線51内に所定の電圧を印加し、その結果これらの配線中を流れる電流値を読み取れば良い。
【0039】
以上、具体例を示しながら発明の実施の形態に則して本発明を説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲において、あらゆる変形や変更が可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、磁性層の厚さに関係なく渦状磁化を生成することができ、前記渦状磁化の向きに応じて情報を安定的に記録できるようにした磁性メモリアレイを提供することができる。さらには、前記磁性メモリアレイに対する情報の書き込み方法及び読み出し方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁性メモリを構成する磁性層の形状を概略的に示す平面図である。
【図2】 図1に示す磁性層中の磁化状態を示す図である。
【図3】 磁性メモリの具体的な一態様を示す平面図である。
【図4】 図3に示す磁性メモリの側面図である。
【図5】 本発明の磁性メモリアレイの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
11、21 磁性層
12、32 切り欠き部
22 非磁性層
23 追加の磁性層
24 反強磁性層
30 磁性メモリ
41〜43 上部配線
51〜53 下部配線
Claims (21)
- 外周部を円弧状に切り欠いてなる、厚さが1nm〜10nmの、リング形状の膜面を有する磁性層を含む複数の磁性メモリを、前記磁性層の切り欠き部における直線部が互いに略平行となるようにして配置し、前記磁性層を前記リング状の膜面に沿って右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に渦状に磁化させて0又は1の情報を記録するようした磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリの、前記磁性層の前記切り欠き部における前記直線部は、記録用の外部磁場の印加方向と略平行となるように配置したことを特徴とする、請求項1に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記外部磁場の印加により、前記磁性層内部には右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)の面内方向の渦状磁化が誘起されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性層の、前記磁性層の外周部における切り欠き部の高さをhとし、前記磁性層の外径をH1とした場合において、前記切り欠き部の高さhと前記外径H1との比(h/H1)が0.01以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリの、前記磁性層は室温強磁性体から構成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリは、前記磁性層上において、非磁性層を介してリング形状の膜面を有する追加の磁性層を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリの、前記追加の磁性層は室温強磁性体から構成されたことを特徴とする、請求項6に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリの、前記追加の磁性層の厚さが1nm〜10nmであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリは、前記追加の磁性層の、前記磁性層と対向する面とは反対側の主面と隣接するようにして反強磁性層を含むことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリの、前記追加の磁性層は、前記リング状の膜面に沿って右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に渦状に磁化されていることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一に記載の磁性メモリアレイ。
- 前記磁性メモリの、前記追加の磁性層における渦状磁化の向きが固定されていることを特徴とする、請求項9又は10に記載の磁性メモリアレイ。
- 厚さが1nm〜10nmの、リング形状の膜面を有する磁性層を含む複数の磁性メモリを具える磁性メモリアレイへの書き込み方法であって、
前記磁性メモリの、前記磁性層の外周部を円弧状に切り欠く工程と、
前記磁性層の切り欠き部における直線部が互いに略平行となるようにして、前記複数の磁性メモリを配置し、前記磁性メモリアレイを形成する工程と、
前記磁性メモリアレイに対して外部磁場を印加することにより、前記磁性メモリアレイに対して前記渦状磁化の向きを変えることによって記録動作を実行する工程と、
を具えることを特徴とする、磁性メモリアレイの書き込み方法。 - 前記外部磁場は、前記磁性メモリの、前記磁性層の前記切り欠き部における前記直線部と略平行となるように印加することを特徴とする、請求項12に記載の磁性メモリアレイの書き込み方法。
- 前記外部磁場の印加により、前記磁性層内部に右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)の面内方向の渦状磁化を誘起することを特徴とする、請求項12又は13に記載の磁性メモリアレイの書き込み方法。
- 前記磁性層の、前記磁性層の外周部における切り欠き部の高さをhとし、前記磁性層の外径をH1とした場合において、前記切り欠き部の高さhと前記外径H1との比(h/H1)を0.01以上とすることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一に記載の磁性メモリアレイの書き込み方法。
- 前記磁性メモリの、前記磁性層は室温強磁性体から構成することを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一に記載の磁性メモリアレイの書き込み方法。
- 厚さが1nm〜10nmの、リング形状の膜面を有する磁性層を含む複数の磁性メモリを具える磁性メモリアレイからの読み出し方法であって、
前記磁性メモリの、前記磁性層の外周部を円弧状に切り欠く工程と、
前記磁性メモリの、前記磁性層上に、非磁性層を介してリング状の膜面を有する追加の磁性層を設ける工程と、
前記磁性層の切り欠き部における直線部が互いに略平行となるようにして、前記複数の磁性メモリを配置し、前記磁性メモリアレイを形成する工程と、
前記磁性メモリアレイに対して外部磁場を印加することにより、前記磁性メモリアレイに対して記録動作を実行し、前記磁性メモリにおける前記磁性層に対して右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に渦状に磁化する工程と、
前記追加の磁性層を前記リング状の膜面に沿って右回り(時計回り)又は左回り(反時計回り)に渦状に磁化し、前記磁性層の、前記右回り(時計回り)又は前記左回り(反時計回り)に渦状に磁化に対応させて記録した情報を、前記追加の磁性層における渦状磁化の向きと前記磁性層における渦状磁化の向きとに依存した抵抗値に基づく電流値変化から読み出す工程と、
を具えることを特徴とする、磁性メモリアレイの読み出し方法。 - 前記追加の磁性層の、前記磁性層と対向する面とは反対側の主面と隣接するようにして反強磁性層を設け、前記追加の磁性層における渦状磁化の向きを固定する工程を具えることを特徴とする、請求項17に記載の磁性メモリアレイの読み出し方法。
- 前記磁性層の外周部における切り欠き部の高さをhとし、前記磁性層の外径をH1とした場合において、前記切り欠き部の高さhと前記外径H1との比(h/H1)を0.01以上とすることを特徴とする、請求項17又は18に記載の磁性メモリアレイの読み出し方法。
- 前記磁性層は室温強磁性体から構成することを特徴とする、請求項17〜19のいずれか一に記載の磁性メモリアレイの読み出し方法。
- 前記追加の磁性層の厚さを1nm〜10nmにすることを特徴とする、請求項17〜20のいずれか一に記載の磁性メモリの読み出し方法。
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