JP3986896B2 - 折畳みカートンの開箱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるワンタッチカートンと称されている折畳みカートンの開箱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の開箱装置は例えば、特開昭56-4524号公報及び特開2001-88809号公報に開示されている。これら公知の開箱装置は何れも抜出しロータを使用し、この抜出しロータに抜出しパッドを有した抜出しヘッドが複数備えられている。各抜出しヘッドは抜出しロータの回転に伴い、カートンホッパの出口を通過し、この際、その抜出しパッドによりカートンホッパから折畳みカートンが吸着して抜き出される。
【0003】
この後、前者の開箱装置にあっては、折畳みカートンが抜出しヘッドとともに抜出しロータの周方向に移送される過程で、必要に応じて抜出しパッドは補助パッドと協働して折畳みカートンを両側に引っ張って折畳みカートンに開き癖を付け、この後、バケットコンベアのバケットに挿入する。この挿入の際、抜出しヘッドの起立レバー、即ち、開箱アームは折畳みカートンを側方から押圧し、折畳みカートンを完全に開箱させる。
【0004】
一方、後者の開箱装置にあっては、抜出しロータとは別に受取りロータを更に備えており、この受取りロータに受取りパッドを有した受取りヘッドが複数備えられている。受取りヘッドはその受取りパッドにて抜出しパッドから折畳みカートンを吸着して受取り、この際、折畳みカートンは抜出しパッドと受取りパッドとにより両側に引っ張られて開箱する。この後、受取りヘッドは前者の開箱装置と同様に、バケットコンベアのバケットに折畳みカートンを側方から挿入し、そして、開口(開箱)アームは折畳みカートンを完全に開箱させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の開箱装置は何れも、抜出しロータや受取りロータからなる回転ロータを使用しているので、回転ロータの回転速度を速くすればするほど、カートンホッパからバケットコンベアへの折畳みカートンの供給速度を容易に高速化できる利点がある。
【0006】
この場合、回転ロータの周速もまた高速化することから、折畳みカートンに過度な慣性力が働き、この慣性力は折畳みカートンの移送中、折畳みカートンに湾曲や反りを生じさせてしまう。このような折畳みカートンの湾曲や反りはその開箱動作を不安定し、その開箱が不完全な折畳みカートンがバケットコンベアのバケットに挿入されしまう虞がある。
【0007】
一方、上述の回転ロータには折畳みカートンのサイズに対応した半径が要求されるため、開箱処理する折畳みカートンのサイズが大きければ大きいほど、開箱装置もまた大形化する。また、折畳みカートンのサイズ変更に伴い、折畳みカートンに対する抜出しパッドや受取りパッドの吸着位置を調整しなければならないが、上述した回転型の開箱装置ではパッドの吸着位置の調整は容易ではない。
【0008】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところはカートンホッパからの移送中、折畳みカートンに不所望な湾曲や反りを生じさせることなく、その開箱動作を安定して行え、しかも、折畳みカートンのサイズ変更にも容易に対処できるコンパクトな開箱装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、折畳みカートンを水平方向に一列に並べて蓄えるカートンホッパと、前記カートンホッパの下方に配置され、折畳みカートンを開箱した開箱カートンを受け取り可能な受取りバケットとを含み、前記カートンホッパから受取りバケットに折畳みカートンを移送する過程にて、折畳みカートンを開箱する開箱装置であって、上述の目的を達成するため、本発明の開箱装置は以下の構成を備える。
【0010】
即ち、請求項1の開箱装置は、カートンホッパの出口に対して直線的に進退運動し、その出口から1枚の折畳みカートンを吸着して抜き出す抜出しパッドを含み、且つ、抜出しパッドとともに抜出した折畳みカートンを受取りバケットの上方に規定された受渡し位置に保持する抜出しヘッドと、受渡し位置と受取りバケットとの間を直線的に昇降し、受渡し位置にて、抜出しパッドとは反対側にて折畳みカートンを吸着し且つ抜出しパッドと協働して折畳みカートンを両側に引っ張って折畳みカートンに開き癖を付ける受取りパッドを含み、この後、抜出しパッドによる折畳みカートンの吸着が解放された状態で、受渡し位置から受取りバケットに向けて下降し、受取りパッドに吸着保持した折畳みカートンを受取りバケットに挿入する受取りヘッドと、受取りヘッドに設けられ、受取りヘッドが受渡し位置から受取りバケットに向けて下降する際に垂直姿勢から水平姿勢に回動して、開き癖が付けられた折畳みカートンを上方から押圧して開箱する開箱アームとを備えている。
【0011】
上述の開箱装置によれば、抜出しヘッドは直線的な進退運動により、その抜出しパッドにて、カートンホッパ内の折畳みカートンを吸着して抜き出し、そして、抜き出した折畳みカートンを受渡し位置又はその近傍まで移送する。
一方、受渡し位置にて、受取りヘッドはその受取りパッドにより、折畳みカートンを吸着し、抜出しパッドと協働して折畳みカートンを両側に引っ張り、折畳みカートンに開き癖を付ける。即ち、この時点で、折畳みカートンは部分的に開箱される。具体的には、ここでの開き癖付けには抜出しヘッドの後退が利用される。
【0012】
この後、抜出しパッドによる折畳みカートンの吸着が解放された状態で、受取りヘッドはその受取りパッドに吸着保持した折畳みカートンとともに、受渡し位置から受取りバケットに向けて下降する。この際、開箱アームは垂直姿勢から水平姿勢に向けて回動され、既に開き癖が付いた折畳みカートンを上方から押圧して更に開箱していく。従って、折畳みカートンは完全に開箱した状態で、受取りバケットに挿入され、そして、受取りバケットの底と開箱アームとの間にて挟持され、その開箱状態が安定化される。
【0013】
請求項1の開箱装置は、抜出しヘッドをカートンホッパの側方に直線的に往復動させる横移動手段を更に備え、この横移動手段は、折畳みカートンの抜出し後、抜出しヘッドをカートンホッパの側方に規定された受渡し位置の近傍に移動させる。このような開箱装置によれば、折畳みカートンの抜出しを行う抜き取りヘッドの進退方向と受取りヘッドの昇降方向とを互いに異なる垂直面内に存在するので、抜出しヘッドによる折畳みカートンの抜出し動作中、受取りヘッドは受取りバケットから受渡し位置に移動可能となる。
【0014】
開箱装置は、受取ヘッドを昇降させる昇降シリンダと、この昇降シリンダに対する前記受取りヘッドの取り付け位置を上下に調整するヘッド調整手段を更に含むことができ(請求項)、そして、抜出しヘッドは、折畳みカートンに対する抜出しパッドの吸着位置を上下に調整するパッド調整手段を更に含むことができる(請求項)。このような調整手段を備えていれば、受取り及び抜出しパッドは折畳みカートンのサイズに応じ、折畳みカートンの適正な位置を吸着でき、折畳みカートンに安定した開き癖を付けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は例えば、レトルトパック等の平坦な製品を所定の数だけ集積した後、この集積製品を折畳みカートンに収容するためのカートン詰め機を示す。
このようなカートン詰め機は製品コンベア2を備え、製品コンベア2は個々の製品Pを所定の間隔を存して製品集積部4に間欠的に供給する。なお、製品コンベア2の一部は排除コンベア6としても構成され、この排除コンベア6は不良の製品Pが通過する際、下方に回動して不良製品Pを製品コンベア2上から排除する。
【0016】
製品集積部4は製品コンベア2からの製品Pを所定個数ずつ集積し、集積製品Gを形成する。この後、集積製品Gはプッシャ(図示しない)により、製品収容位置に供給され且つ既に開箱状態にあるカートンCoに向けて押し出され、このカートンCoに収容される。
ここで、カートンCoはバケットコンベアの1つのバケットが開箱受け位置に受取りバケットとして位置付けられたとき、その受取りバケットに後述する開箱装置から挿入される。この後、受取りバケットは製品収容位置に向けて間欠的に搬送される。
【0017】
図2は前述したバケットコンベア8を示し、このバケットコンベア8は無端状をなす一対の搬送チェーン10を有する。これら搬送チェーン10はそれぞれ、駆動及び従動スプロケット(図示しない)間に平行に掛け回され、一方向に同期して走行する。一対の搬送チェーン10には多数のバケット12が設けられ、これらバケット12は搬送チェーン10の走行方向に所定の間隔を存して配置されている。より詳しくは、各バケット12はその角部を規定する4本の角柱14からなり、前後2本ずつの角柱14は各搬送チェーン10にそれぞれ取り付けられている。同一の搬送チェーン10上にある前後の角柱14はその下端部が互いに向き合うように折り返され、バケット12の4隅の底壁を形成している。
【0018】
集積製品Gを収容したカートンCoがそのバケット12とともに間欠的に搬送される際、図1に示されているように、カートンCoの一対のダストフラップFが先ず折り込まれる。この後、カートンCoのリッドLが起こされると同時に、リッド先端のタックTが折り込まれる。そして、このタックTがカートンCoに差し込まれることで、閉じたカートンCcが得られ、この時点で、集積製品Gのカートン詰めが完了する。
【0019】
なお、カートンCcは、この後、バケットコンベア8のバケット12からプッシャ(図示しない)により排出コンベア24に排出され、この排出コンベア24はカートンCcを次工程に向けて搬送する。
前述したカートンCoは折畳みカートンCfを開箱して得られ、折畳みカートンCfはカートンホッパ26に蓄えられている。ここで、折畳みカートンはいわゆるワンタッチカートンと称されるカートンであって、この種のワンタッチカートンは折畳み状態にある2重のブランクを両側に引っ張ることで開箱され、この開箱と同時に、その底壁が形成される。
【0020】
カートンホッパ26のホッパ出口と前述したバケットコンベア8との間には、上述した折畳みカートンCfの開箱装置37が設けられている。
この開箱装置37は抜出しヘッド38を備え、この抜出しヘッド38はカートンホッパ26におけるホッパ出口の前方に配置され、ロッドレスシリンダ40に支持されている。ロッドレスシリンダ40はカートンホッパ26の軸線とは交差する方向に延び、抜出しヘッド38をカートンホッパ26の側方、つまり、横方向に往復動させることができる。
【0021】
更に、図4に示されているようにロッドレスシリンダ40は水平面に対して所定の角度を存して傾斜した状態にあって、抜出しヘッド38はカートンホッパ26から横方向に移動するに従い、その高さ位置が降下する。なお、ロッドレスシリンダ40は開箱装置37のフレーム42にブラケットを介して支持されている。
【0022】
また、図4から明らかなようにカートンホッパ26もまた、ロッドレスシリンダ40と同一の角度を存して傾斜し、これにより、折畳みカートンCfはカートンホッパ26内に安定して集積保持可能となっている。
図5〜図7は抜出しヘッド38の詳細を示す。
図5に示されているように、抜出しヘッド38は板状のヘッドフレーム44を備え、このヘッドフレーム44は進退シリンダ46を介してロッドレスシリンダ40に支持されている。進退シリンダ46はカートンホッパ26に対して、ヘッドフレーム44を接離する方向進退させることができる。
【0023】
ヘッドフレーム44からはカートンホッパ26に向けて一対のブラケット48が突設され、これらブラケット48の先端はピン51を介して相互に連結されている。また、ブラケット48間にはピン51に回転自在に支持されたブロック50が設けられている。
ブロック50からは回動ポスト52が上方に向けて延び、この回動ポスト52の上端に傾動シリンダ68のピストンロッドが連結されている。傾動シリンダ68はヘッドフレーム44の上端部66に配置されており、この上端部66は図5に示されるように進退シリンダ46側に折り返され、進退シリンダ46の直上を水平方向に延びている。従って、傾動シリンダ68のピストンロッドが伸縮されると、回動ポスト52はその下端のピン51を中心として回動、つまり、傾動することができる。
【0024】
図6及び図7に示されるように、回動ポスト52には軸受ブロック54が取り付けられており、この軸受ブロック54は回動ポスト52に沿って上下動可能である。なお、軸受ブロック54は図5及び図6に示されるロックレバー56を緩めることで上下動可能となり、そして、ロックレバー56の締付けにより、軸受ブロック54の高さレベル位置を任意に決定することができる。
【0025】
軸受ブロック54にはホルダ支持軸58が水平に貫通し、このホルダ水平軸58の両端部にパッドホルダ60がそれぞれ取り付けられている。各パッドホルダ60はカートンホッパ26に向けて開いたコ字形をなし、上下一対の抜出しパッド62をそれぞれ保持している。各パッドホルダ60の抜出しパッド62はホルダ支持軸58の上下に配置され、それぞれサクションパッドからなっている。各抜出しパッド62はサクションホースを介してサクション源に接続され、所望のサクション圧の供給を受けることができる。
【0026】
なお、各パッドホルダ60の先端にはカバープレート64が取り付けられ、各抜出しパッド62は対応するカバープレート64から突出した状態にある。
更に、図3でみたとき、カートンホッパ26の下方には受取りヘッド70が配置されており、この受取りヘッド70はロッドレスシリンダ72に取り付けられ、ロッドレスシリンダ72に沿って昇降可能である。ここで、図4に示されているように受取りヘッド70はカートンホッパ26の側方に位置し、そして、ロッドレスシリンダ72は抜出しヘッド38側のロッドレスシリンダ40に対して直交する方向に延びている。従って、受取りヘッド70は、抜出しヘッド38の横往復動に対して直交する方向に昇降する。
【0027】
図8及び図9は受取りヘッド70の詳細を示す。
受取りヘッド70はヘッドフレーム74を備えており、このヘッドフレーム74はロッドレスシリンダ72により往復動される要素、即ち、板状をなしたエレベータ76に連結されている。より詳しくは、エレベータ76はロッドレスシリンダ72により昇降され、そして、ヘッドフレーム74はエレベータ76に対して、その取り付け位置を上下に調整可能にして取り付けられている。
【0028】
具体的には、図9から明らかなようにエレベータ76には2本のガイドスロット78が形成される一方、ヘッドフレーム74には各ガイドスロット78を摺動自在に貫通するガイドピン80が設けられ、そして、各ガイドピン80の先端にロックレバー82がそれぞれ備えられている。ロックレバー82が緩められると、ヘッドフレーム74はガイドスロット78に沿って上下動可能となり、そして、ロッレバー82の締付けにより、エレベータ76に対するヘッドフレーム74の高さレベル位置が決定される。
【0029】
ヘッドフレーム74の下部には受取りパッド84が設けられており、この受取りパッド84は抜出しヘッド38側を向いている。受取りパッド84もまたサクションパッドからなり、そのサクションホース86はヘッドフレーム74及びエレベータ76を貫通して延び、サクション源に接続されている。ここで、図9に示されるように、サクションホース86はエレベータ76に形成されたスロット88を通過し、これにより、前述したヘッドフレーム74の上下動が許容されている。
【0030】
一方、ヘッドフレーム74には開箱アーム90が配置され、開箱アーム90は横断面がコ字形をなし、受取りパッド84の上方に位置付けられている。図8に示す状態にあるとき、開箱アーム90は垂直姿勢あって、その下端部はブラケット92を介して回動軸94に取り付けられている。この回動軸94はヘッドフレーム74に回動自在に支持されている。
【0031】
また、ヘッドフレーム74には回動シリンダ96が下向きにして配置されており、この回動シリンダ96のピストンロッドはリンク98を介して開箱アーム90の回動軸94に連結されている。図示の状態から回動シリンダ96のピストンロッドが収縮されると、開箱アーム90はリンク98を介して垂直姿勢から下方に向けて回動し、そして、水平姿勢に位置付けられる。
【0032】
更に、エレベータ76の下端からは抜出しヘッド38側に向けて、支えプレート100が突出し、この支えプレート100の先端はフック部102として形成されている。このフック部102は受取りパッド84における先端の下方に配置されている。
次に、上述した開箱装置37の動作に関し、図10〜図19を追加して説明する。
【0033】
先ず、図10は開箱装置37の初期状態を示し、このとき、抜出しヘッド38はカートンホッパ26の切り出し部32と対向した待機位置にある。この待機位置にあるとき、抜出しヘッド38の進退シリンダ46及び傾動シリンダ68はそれぞれ収縮した状態にあり、抜出しヘッド38の左右上下の抜出しパッド62は、切り出し部32のホッパ出口と平行な面内、つまり、鉛直面に対して傾斜した面内に配置されている。
【0034】
このとき、受取りヘッド70はその受取りパッド84にて折畳みカートンCfを吸着保持し、上方の受渡し位置から下方の開箱受け位置に向けて下降し、そして、その開箱アーム90が垂直姿勢から水平姿勢に向けて回動する過程にある。しかしながら、図10では、受取りヘッド70が既に開箱受け位置に到達し、開箱状態のカートンCoが開箱受け位置にあるバケットコンベア8のバケット12に供給された状態、そして、開箱アーム90は水平姿勢に位置付けられて、そのカートンCoを上方から押圧し、バケット12との間にてカートンCoを挟持した状態で示されている。ここで、後述の説明から明らかになるように、カートンCoは前回の開箱サイクルにて、折畳みカートンCfを開箱したものである。
【0035】
なお、図10(a),(b)は開箱装置37の概略正面図及び概略側面図をそれぞれ示し、そして、作図上の簡略化を図るため、受取りヘッド70は鉛直姿勢で示されている。
図10に示す初期状態から、抜出しヘッド38の進退シリンダ46が伸長されると、抜出しヘッド38は待機位置から吸着位置に向けて前進し、抜出しパッド62にサクション圧が供給される。そして、図11に示されるように抜出しパッド62がカートンホッパ26内の先頭の折畳みカートンCfに密着すると、各抜出しパッド62は折畳みカートンCfの片面下部を吸着する。より詳しくは、抜出しパッド62は折畳みカートンCfの下縁側の折込み線の近傍を吸着する。
【0036】
抜出しヘッド38が吸着位置に位置付けられると、受取りヘッド70は開箱受け位置に下降しており、そして、開箱アーム90は水平姿勢まで回動されている。
この後、抜出しヘッド38が進退シリンダ46の収縮を受けて吸着位置から待機位置まで後退されると、図12に示されるように抜出しパッド62は切り出し部32のホッパ出口から1枚の折畳みカートンCfを抜出す。
【0037】
この際、抜出しヘッド38の後退と同時に、受取りヘッド70における受取りパッド84へのサクション圧の供給が停止され、受取りパッド84はカートンCoの吸着を解放する。そして、前述したバケットコンベア8の駆動を受け、開箱受け位置にあるカートンCoはそのバケット12とともに次の搬送位置に向けて間欠的に搬送され(図11参照)、空のバケット12が次に開箱受け位置に位置付けられる。
【0038】
そして、抜出しヘッド38が待機位置に復帰した時点で、受取りヘッド70は開箱受け位置から受渡し位置に向けて上昇を開始すると同時に、開箱アーム90もまた水平姿勢から垂直姿勢に向け、上方に回動し始める(図12参照)。
また、抜出しヘッド38が待機位置に復帰すると、前述したロッドレスシリンダ40の駆動を受け、抜出しヘッド38はその抜出しパッド62にて吸着保持した折畳みカートンCfとともに、待機位置から側方の受渡し準備位置に移動する。そして、抜出しヘッド38が受渡し準備位置に位置付けられると、抜出しヘッド38における傾動シリンダ68の伸長を受け、回動ポスト52が回動される。このような回動ポスト52の回動は傾斜状態にある抜出しヘッド38を前方に向けて起こし、起立姿勢に位置付ける。従って、図13に示されるように抜出しパッド62に吸着保持されている折畳みカートンCfは傾斜した姿勢から鉛直姿勢となる。
【0039】
この後、受取りヘッド70が受渡し位置に上昇すると、図14(b)から明らかなように受取りヘッド70は折畳みカートンCfを間にして受渡し位置準備位置にある抜出しヘッド38と対向する。
受取りヘッド70が受渡し位置に位置付けられた時点で、抜出しヘッド38の進退シリンダ46が再び伸長され、抜出しヘッド38は受渡し準備位置から受渡し位置まで前進する。この前進により、図14(a)に示されるように抜出しパッド62に吸着保持されている折畳みカートンCf は、受取りヘッド70の受取りパッド84及び開アーム90に押付けられ、そして、その下縁が受取りヘッド70における支えプレート100のフック部102にて受け止められる。
【0040】
抜出しヘッド38の前進が完了すると、受取りヘッド70の受取りパッド84にサクション圧が供給され、受取りパッド84は折畳みカートンCfの他方の面を吸着する。ここで、受取りパッド84の吸着位置は折畳みカートンCfの下縁と上縁との間の折込み線の下側にあって、そして、その折込み線の直上に開箱アーム90の下端が位置付けられている。
【0041】
受取りパッド84による折畳みカートンCfの吸着が完了すると、傾動シリンダ68の収縮を受け、図15(a)に示されるように抜出しヘッド38は起立位置から元の傾斜姿勢に復帰する。このような復帰動作により、折畳みカートンCfは受取りパッド84と抜出しパッド62とによって両側から引っ張られ、折畳みカートンCfに開き癖が付けられる。つまり、折畳みカートンCfはその2重のブランクが互いに離間し、各折込み線での折込みが戻される。この際、折畳みカートンCfの下縁は受取りヘッド70における支えプレート100のフック部102に受け止められているので、折畳みカートンCfに確実に開き癖が付けられる。
【0042】
一方、抜出しヘッド38の復帰動作と同時に、進退シリンダ46もまた収縮され、この収縮を受け、抜出しヘッド38は受渡し位置から受渡し準備位置に後退し、折畳みカートンCfの開き癖が増大される。また、折畳みカートンCfに対する抜出しパッド62の吸着は、抜出しヘッド38が受渡し準備位置に向けて後退する過程で解放され、これにより、図16(a)に示されるように開き癖の付いた折畳みカートンCfは受取りヘッド70の受取りパッド84のみに吸着保持される。
【0043】
更に、抜出しヘッド38が受渡し準備位置に後退すると、ロッドレスシリンダ40が復動し、図16(b)に示されるように抜出しヘッド38は前述の待機位置に向けて復帰する。
一方、抜出しヘッド38の復動と同時に、図17に示されるように受取りヘッド70は開き癖の付いた折畳みカートンCfとともに受渡し位置から開箱受け位置に向けて下降し始め、この下降過程にて、開箱アーム90が垂直姿勢から水平姿勢に向けて回動する。なお、図15(a)及び図16(a)では、受取りヘッド70が受渡し位置から下降するに先立ち、開箱アーム90が垂直姿勢から水平姿勢に回動した状態で示されている。
【0044】
ここで、受取りヘッド70の下降過程にて、開箱アーム90が垂直姿勢から水平姿勢に向けて回動されると、開箱アーム90は開き癖の付いた折畳みカートンCfに対し、受取りパッド84の吸着位置よりも上方の折込み線と上縁との間の部位を下方に向けて押圧する。この際、折畳みカートンCfの下縁は支えプレート100のフック部102に支持されているから、開箱アーム90は折畳みカートンCfを確実に開箱させることができる。
【0045】
上述したようにして折畳みカートンCfが開箱される際、抜出しヘッド38は受渡し準備位置から待機位置に向けて既に復動しているので、折畳みカートンCfが抜出しヘッド38と干渉することはない。
この後、受取りヘッド70が開箱受け位置まで下降すると、図18に示されるように開箱状態のカートンCoは開箱受け位置にあるバケットコンベア8の空のバケット12に上方から挿入される。カートンCoが完全に挿入されると、カートンCoはバケット12の底壁と開箱アーム90との間にて挟持されるので、その開箱は完全なものとなる。
【0046】
なお、受取りヘッド70が下降過程にあるとき、待機位置に復帰した抜出しヘッド38は進退シリンダ46の伸長を受けて吸着位置に前進し、これにより、前述した折畳みカートンCfの抜出し動作及びその以降の動作が繰り返して実施される。
また、前述したように受取りヘッド70の昇降方向は鉛直方向に対して傾斜していることから、バケットコンベア8におけるバケット12の搬送面もまた、受取りヘッド70の昇降に合わせて傾斜されていることは勿論である(図4参照)。
【0047】
図19は前述した各部のタイミングチャートを示しており、このタイミングチャートを参照すれば、各部の動作タイミングが明確に理解される。
前述した開箱装置37によれば、カートンホッパ26からバケット12に至る折畳みカートンCf及びカートンCoの移送は全て直線移動により実現されているから、このような直線移動は折畳みカートンCf及びカートンCoに曲げや反り等の変形を与えるものではない。従って、折畳みカートンCfの開箱が確実に実施される。
【0048】
また、カートンホッパ26に対する抜出しヘッド38の進退方向と受取りヘッド70の昇降方向とが互いに交差していないので、抜出しヘッド38の進退動作と受取りヘッド70の昇降動作とを並列的に行え、カートンホッパ26からバケットコンベア8へのカートンCoの供給速度を高速化することができる。
更に、図20に示されるように受渡し位置とバケットコンベア8との間の高さ、つまり、ロッドレスシリンダ72におけるエレベータ76の昇降ストロークSは折畳みカートンCfのサイズに拘わらず一義的に決定されるものであるが、しかしながら、エレベータ76に対する受取りヘッド70の取り付け位置が上下に調整可能であるから、折畳みカートンCfのサイズ変更に容易に対処することができる。
【0049】
例えば、図20中2点鎖線で示されるように折畳みカートンCfのサイズが大きくなっても、エレベータ76に対する受取りヘッド70の取り付け位置を2点鎖線で示すように上昇させれば、受渡し位置にて、開箱アーム90及び受取りパッド84は、その折畳みカートンCfにおける対象の折込み線を上下に挟むようにして位置付けることができ、サイズの大きな折込みカートンCfであっても同様にして確実に開箱することができる。
【0050】
この結果、開箱装置37の大形化を招くことなく、種々のサイズの折畳みカートンCfであってもその開箱を確実に行えるコンパクトな開箱装置37が得られる。なお、図20中、参照符号FLは折畳みカートンCfの折込み線を示している。
更に、抜出しヘッド38側にあっても、その抜出しパッド62は上下に調整可能であるから、折畳みカートンCfのサイズに応じて、その折畳みカートンCfの適切な位置を吸着でき、その安定した開箱に大きく寄与する。
【0051】
更にまた、抜出しヘッド38を横方向に移動させるロッドレスシリンダ40は受渡し準備位置つまり受渡し位置に向けて、下方に傾斜していることから、受渡し位置とバケットコンベア8との間の距離、つまり、前述したロッドレスシリンダ72の昇降ストロークSが短くなり、開箱装置37の高速化を図るうえで大きく貢献する。
【0052】
本発明は上述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、カートンホッパ26が傾斜されているので、カートンホッパ26の傾斜に応じて抜出しヘッドや受取りヘッドの動作方向などもまた傾斜されているが、カートンホッパ26は必ずしも傾斜されている必要はない。
【0053】
また、抜出しパッドや受取りパッドの個数もまた任意に変更できる。
更に、実施例では、バケットコンベアを使用したが、これに限らず、受取りバケットに開箱したカートンを供給した後、バケットをプッシャロボットハンド等に移動させることも可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の折畳みカートンの開箱装置(請求項1)によれば、カートンホッパから受取りバケットまでの折畳みカートンの移送経路を直線経路のみにより構成し、その移送過程にて折畳みカートンの開箱を行うようにしているので、折畳みカートンに反りや曲げなどの変形を及ぼす外力が作用することはなく、折畳みカートンの開箱を確実に行うことができる。
【0055】
また、請求項1の開箱装置によれば、カートンホッパから抜出しヘッドにより抜き出した折畳みカートンは、カートンホッパの側方に規定された受渡し位置に向けて横方向に移動されるので、抜出しヘッドによる折畳みカートンの抜出し方向と受取りヘッドの下降方向とが互いに交差することはない。従って、受取りヘッドの開箱動作と抜出しヘッドの抜出し動作とを並列的に行え、開箱装置の高速化に貢献する。
【0056】
受取りヘッドはその昇降シリンダに対する取り付け位置が上下に調整可能であるから(請求項)、開箱装置の大形化を招くことで、折畳みカートンのサイズ変更に容易に対処でき、コンパクトな開箱装置が得られる。
更に、抜出しヘッドに対し、その抜出しパッドもまた上下に調整可能であるから(請求項)、折畳みカートンのサイズに拘わらず、抜出しパッドは折畳みカートンの適切な位置を吸着でき、折畳みカートンのより確実な開箱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カートン詰め機での集積製品の箱詰め動作を概略的に示した斜視図である。
【図2】図1のカートン詰め機のバケットコンベア及び1つのバケットを示した概略図である。
【図3】折畳みカートンの開箱装置を示した図である。
【図4】図3中、IV方向からの矢視図である。
【図5】図3の抜出しヘッドの拡大図である。
【図6】図5中、一部破断して示すVI方向からの矢視図である。
【図7】図3の抜出しパッドの正面図である。
【図8】図3の受取りヘッドを一部破断して示した図である。
【図9】図8の受取りヘッドの背面図である。
【図10】開箱装置の初期状態を示した図である。
【図11】図10の状態からカートンホッパの折畳みカートンが吸着された状態を示す図である。
【図12】図11の状態から折畳みカートンが抜き出された状態を示す図である。
【図13】図12の状態から折畳みカートンが受渡し準備位置に移動した状態を示す図である。
【図14】図13の状態から折畳みカートンが受渡し位置に移動された状態を示す図である。
【図15】図14の状態から折畳みカートンの開き癖が付けられた状態を示す図である。
【図16】図15の状態から開き癖の付いた折畳みカートンが受取りヘッドに残された状態を示す図である。
【図17】図16の状態から受取りヘッドが折畳みカートンとともに下降する状態を示した図である。
【図18】開箱されたカートンがパケットに挿入された状態を示した図である。
【図19】開箱装置の各部の作動を示したタイミングチャートである。
【図20】折畳みカートンのサイズ変更に伴う受渡しヘッドの位置調整を説明するための図である。
【符号の説明】
8 バケットコンベア
26 カートンホッパ
38 抜出しヘッド
40 ロッドレスシリンダ
52 回動ポスト(パッド調整手段)
54 軸受ブロック(パッド調整手段)
62 抜出しパッド
70 受取りヘッド
72 ロッドレスシリンダ(昇降シリンダ)
78 ガイドスロット(ヘッド調整手段)
82 ロックレバー(ヘッド調整手段)
84 受取りパッド

Claims (3)

  1. 折畳みカートンを水平方向に一列に並べて蓄えるカートンホッパと、前記カートンホッパの下方に配置され、折畳みカートンを開箱した開箱カートンを受け取り可能な受取りバケットとを備え、前記カートンホッパから前記受取りバケットに折畳みカートンを移送する過程にて折畳みカートンを開箱する装置において、
    前記カートンホッパの出口に対して直線的に進退運動し、前記出口から1枚の折畳みカートンを吸着して抜き出す抜出しパッドを含み、且つ、前記抜出しパッドとともに抜出した折畳みカートンを前記受取りバケットの上方に規定された受渡し位置に保持する抜出しヘッドと、
    前記受渡し位置と前記受取りバケットとの間を直線的に昇降し、前記受渡し位置にて、前記抜出しパッドとは反対側にて折畳みカートンを吸着し且つ前記抜出しパッドと協働して折畳みカートンを両側に引っ張って折畳みカートンに開き癖を付ける受取りパッドを含み、この後、前記抜出しパッドによる折畳みカートンの吸着が解放された状態で、前記受渡し位置から前記受取りバケットに向けて下降し、前記受取りパッドに吸着保持した折畳みカートンを前記受取りバケットに挿入する受取りヘッドと、
    前記受取りヘッドに設けられ、前記受取りヘッドが前記受渡し位置から前記受取りバケットに向けて下降する際に垂直姿勢から水平姿勢に回動し、前記開き癖が付けられた折畳みカートンを上方から押圧して開箱する開箱アームと
    前記抜出しヘッドの進退方向に対して前記抜出しヘッドを前記カートンホッパの側方に直線的に往復動させる横移動手段と
    を備え、
    前記横移動手段は、折畳みカートンの抜出し後、前記抜出しヘッドを前記カートンホッパの側方に規定された前記受渡し位置の近傍に移動させることを特徴とする折畳みカートンの開箱装置。
  2. 前記受取ヘッドを昇降させる昇降シリンダと、前記昇降シリンダに対する前記受取りヘッドの取り付け位置を上下に調整するヘッド調整手段を更に含むことを特徴とする請求項に記載の折畳みカートンの開箱装置。
  3. 前記抜出しヘッドは、折畳みカートンに対する前記抜出しパッドの吸着位置を上下に調整するパッド調整手段を更に含むことを特徴とする請求項に記載の折畳みカートンの開箱装置。
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