JP3986256B2 - レーザ治療装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療レーザ光を患部に照射してレーザ治療を行うレーザ治療装置に関する。
【0002】
【従来技術】
皮膚科で使用されるレーザ装置、例えば、脱毛用や血管腫用のレーザ装置ではレーザ光の照射にハンドピースが使用されている。このハンドピースにはレーザ光を患部上で走査するための走査機構が組み込まれたものがあり、走査機構としてはガルバノメータ等によって軸回りに回動するミラーを使用するものが一般的である。
【0003】
治療領域が広い場合は、ハンドピースを少しづつずらして照射を繰り返し、治療領域を全て覆うように治療を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなレーザ光を走査すれば、ある程度広い領域へのレーザ照射が可能であるが、走査領域の拡大化には十分でなかった。平行にされたレーザ光をそのままミラーの回動で走査する場合、ミラーの回転角(振れ角)を大きくして領域の拡大化を図ると、患部へのレーザ光の入射角が大きくなり、レーザ光の光学的な誤差が大きくなることで、均一な治療効果が期待できない。また、集光レンズを介して照射面にレーザ光を集光させるタイプにおいても、ミラーの振れ角には限界があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術を鑑み、レーザ走査による照射領域の拡大化を図ることが可能なレーザ治療装置を提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
【0007】
(1) レーザ光源からのレーザ光をミラーの反射角を変えて皮膚上で走査する走査光学系を持つハンドピースと、レーザ光の照射領域のサイズを入力するサイズ入力手段とを備え、入力された照射領域に基づいて前記走査光学系によりレーザ光を皮膚上で走査して照射するレーザ治療装置において、異なる焦点距離を持つ集光レンズであって、前記ハンドピースが持つ前記走査光学系よりレーザ出射端側の位置に切換え配置される集光レンズと、ハンドピースと皮膚に接触する接触面との距離を所期する距離に保持するウィンドウユニットであって、前記集光レンズの焦点距離の違いに対応してハンドピースからの距離が異なる接触面を持ち、前記ハンドピースに交換可能に取り付けられるウィンドウユニットと、ハンドピースに取り付けられたウィンドウユニットの種類を検出するウィンドウユニット検出手段と、前記ウィンドウユニット検出手段の検出結果に基づいて前記サイズ入力手段により入力可能な照射領域の範囲を制限する制限手段と、を備えることを特徴とする。
(2) レーザ光源からのレーザ光をミラーの反射角を変えて皮膚上で走査する走査光学系を持つハンドピースと、レーザ光の照射領域のサイズを入力するサイズ入力手段とを備え、入力された照射領域に基づいて前記走査光学系によりレーザ光を皮膚上で走査して照射するレーザ治療装置において、レーザ光源から前記走査光学系に導光されるレーザ光の光路に配置され、皮膚上で走査されるレーザ光を所定のスポットサイズの平行光束にするコリメートレンズと、前記ハンドピースと皮膚に接触する接触面との距離を所期する距離に保持するウィンドウユニットであって、ハンドピースからの距離が異なる接触面を持ち、前記ハンドピースに交換可能に取り付けられるウィンドウユニットと、ハンドピースに取り付けられたウィンドウユニットの種類を検出するウィンドウユニット検出手段と、前記ウィンドウユニット検出手段の検出結果に基づいて前記サイズ入力手段により入力可能な照射領域の範囲を制限する制限手段と、前記サイズ入力手段により入力された照射領域及び前記ウィンドウユニット検出手段により検出されたウィンドウユニットの種類から求められる照射面までの距離に基づいて前記走査光学系のミラーの駆動を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置の外観略図であり、図2は光学系及び制御系の概略構成を示す図である。
【0015】
レーザ装置本体1の正面には大型のLCDパネル2が設けられており、LCDパネル2には各種設定条件が表示されるとともに、LCDパネル2上に表示される操作キーに触れることで各種の設定が可能なタッチパネルとなっている。レーザ装置本体1の上部からはレーザ光を照射するハンドピース20まで通信ケーブル3とレーザ光を導光するためのファイバケーブル4が伸延している。
【0016】
5はハンドピース20側に供給する冷却水を冷却して循環させるためのチラーである。チラー5から伸びている2本の冷却チューブ7は、前述の通信ケーブル3とファイバケーブル4と束ねられ、集中ケーブル8に一本にまとめられている。9はレーザー照射のトリガとなるフットスイッチである。
【0017】
図2において、10はパルスの治療用レーザ光を出射するレーザ光源部であり、レーザ光源部10は多数の半導体レーザを有する。各半導体レーザを出射したレーザ光はそれぞれに対応して配置されたレンズ12aにより各ファイバ13aの端面にそれぞれ集光されて入射する。各ファイバ13aは出射端面側で束ねられており、各半導体レーザから出射されたレーザ光はファイバ出射側でまとめられ、高出力のレーザ光として治療に利用される。本実施形態では治療用レーザ光に800〜820nmの波長の近赤外光を利用している。
【0018】
また、エイミング(照準)光源11から出射するエイミング光は、集光レンズ12bにより集光され、ファイバ13bに入射する。ファイバ13bの出射側端面はファイバ13aの出射側端面と共に束ねられており、エイミング光はファイバ13bを出射後、治療用レーザ光と同様の光路を進行する。本実施形態ではエイミング光束には620〜650nmの波長の赤色可視光を利用している。
【0019】
束ねられた各ファイバ13a,13bの出射端面から出射するレーザ光(治療用レーザ光及びエイミング光)は、集光レンズ群14により集光され、ファイバケーブル4に入射する。ファイバケーブル4はハンドピース20に接続されており、レーザ光はハンドピース20に導光される。なお、各ファイバ13a,13bの出射端面と集光レンズ群14との間の光路には、必要に応じてレーザ光を遮断するためのシャッタ17が挿入される。シャッタ17は駆動部18により駆動される。
【0020】
ハンドピース20のスキャナヘッド20aには、第一ミラー23,第二ミラー24をそれぞれ回転させる第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aが設けられており、第一ミラー23,第二ミラー24を駆動して回動させることで、XY方向の各々にレーザ光の照射位置を移動(揺動)させ、広範囲に渡って治療用レーザ光を走査することができる。ファイバケーブル4からスキャナヘッド20a内に入射したレーザ光は、ミラー21により光軸を曲げられ、コリメータレンズ22により平行光束にされた後、第一ミラー23,第二ミラー24でXY方向に振られる。
【0021】
図3は、ハンドピース20の下方部の構成を説明する拡大図である。スキャナヘッド20aのレーザ出射端側に設けられた筒状の装着部25には、異なる焦点距離のレンズをそれぞれ持つレンズユニット100,110,120(図4参照)が、選択的に交換可能に取り付けられる。装着部25の内径部分には雌ネジ26が形成されており、これと各レンズユニット100〜120に形成された雄ネジがねじ込まれるようになっている。
【0022】
レンズユニット100〜120の構成を図4に示す。レンズユニット100のレンズホルダ101には、短い焦点距離f1の集光レンズ102が取り付けられている。レンズユニット110のレンズホルダ111には、中間の焦点距離f2(f1より長い焦点距離)の集光レンズ112が取り付けられている。レンズユニット120のレンズホルダ121には、長い焦点距離f3(f2よりさらに長い焦点距離)の集光レンズ122が取り付けられている。なお、各レンズホルダにおいて、105,115,125は装着部25の雌ネジ26にねじ込む雄ネジ部である。
【0023】
また、各レンズホルダ101,111,121は、フランジ上面からレンズホルダ上端面までの上部筒長さがそれぞれ異なる長さL1〜L3(L1>L2>L3)に形成されている。この上部筒長さL1〜L3がレンズホルダの種類を識別する識別子とされる。一方、図3に示すように、スキャナヘッド20aの装着部25には、何れのレンズユニットが装着されているかを検出するための3個のスイッチ81,83,84が、下から順に異なる高さ位置に設けられている。レンズユニット100,110,120の取付けの有無は、各レンズホルダ101,111,121に形成されたフランジの上面が当接するスイッチ81により検出される。
【0024】
短い焦点距離のレンズユニット100が装着部25に取り付けられている場合、レンズホルダ101の上部筒長さL1によって、スイッチ83,84がONとなる。中間の焦点距離のレンズユニット110が装着部25に取り付けられている場合、レンズホルダ111の上部筒長さL2がL1より短いため、スイッチ84がOFF、スイッチ83がONとなる。同様に、長い焦点距離のレンズユニット120の場合、スイッチ83,84がOFFとなる。各スイッチ81,83,84がONになったときの信号は制御部15に入力され、制御部15は入力されたスイッチ信号のON/OFF状態によって、何れのレンズユニット100,110,120が取付けられているか、すなわち何れの焦点距離のレンズが配置されたかを判別する。また、装着の有無も判別できる。
【0025】
また、各レンズユニットが取り付けられたとき、レーザ走査光学系のミラー23,24は各集光レンズ102,112,122の焦点距離より短い距離に位置する。
【0026】
図3において、スキャナヘッド20aの下方にはスキャナ支基26が固定されており、スキャナ支基26には、熱伝導性の良いアルミ製のウィンドウ取付板27が側面側(図3紙面垂直方向)からネジ止めされている。28は電子熱交換器であるペルチェ素子である。ペルチェ素子28は、アルミ製の冷却板29とウィンドウ取付板27にはさまれる格好で取付けられており、ウィンドウ取付板27側が吸熱側(冷却側)となり、冷却板29側が放熱側となるように電流が流される。冷却板29の内部には冷却水が循環する流路が形成されており、チラー5で冷却された冷却水は冷却チューブ7を通って冷却板29内を循環し、冷却板29を介してペルチェ素子28で放熱された熱を吸熱する。
【0027】
31はウィンドウ取付板27の下端に取付けられた温度センサであり、温度センサ31はウィンドウ取付板27の温度を検知し、この温度検知に基づき制御部15によってペルチェ素子28の温度がコントロールされる。
【0028】
ウィンドウ取付板27には、図5に示すような照射面までの距離(走査光学系のミラー24と照射面との離隔の長さ)及び患部との接触面サイズが異なるウインドウを持つウィンドウユニット(小)40、ウィンドウユニット(中)50、ウィンドウユニット(大)60が、自在に交換可能に取り付けられる。レーザ照射時は各ウインドウの接触面を皮膚面に当接させて使用する。
【0029】
図3では接触面が最も小さいウィンドウユニット(小)40を図示している。ウィンドウユニット(小)40は、皮膚に接触する熱伝導率の良い透明サファイアガラスの第1ウィンドウ42、第1ウィンドウ42より熱伝導率が劣る透明ガラスの第2ウィンドウ44の2重構造になっており、側面形状が略L字状のウィンドウフレーム41によって保持されている。この構造により、第一ウィンドウ42の熱がウィンドウフレーム41、ウィンドウ取付板27、ペルチェ素子28へと伝わり、吸熱される。第一ウィンドウ42の温度を下げることにより、患者の皮膚を冷却することができる。
【0030】
スキャナヘッド20aから出射したレーザ光はレンズユニット100の集光レンズ102の焦点距離で集光するため、ウィンドウユニット(小)40の第一ウィンドウ42の下面がこの集光位置になる様にフレーム41の上下方向の長さが設計されている。同様に、レンズユニット110の集光レンズ112の焦点位置と図5に示すウィンドウユニット(中)50の図示なき第一ウィンドウの下面がほぼ合う様にフレーム51の上下方向の長さが設計されている。同様に、レンズユニット120の集光レンズ122の焦点位置とウィンドウユニット(大)60の図示なき第一ウィンドウの下面がほぼ合う様にフレーム61の上下方向の長さが設計されている。
【0031】
各ウィンドウユニット40,50,60の取付け構造と、その種類を検出する構成について、図3、図5を基に説明する。
【0032】
ウィンドウユニット(小)40が持つフレーム41の背板部41aの上部には、2つのU字形の長穴47が形成されており、2つのネジ32によってウィンドウ取付板27と脱着可能とされている。同様に、ウィンドウユニット(中)50が持つフレーム51の背板部51aの上部、ウィンドウユニット(大)60が持つフレーム61の背板部61aの上部には、それぞれ2つのU字形の長穴57、67が形成されており、やはり、ネジ32によってそれぞれウィンドウ取付板27と脱着可能とされている。
【0033】
ウィンドウ取付板27には、ウィンドウサイズ検出用にスイッチ86、87が取付けられている。また、ウィンドウユニット(小)40、ウィンドウユニット(中)50、ウィンドウユニット(大)60の取付部分の形状はそれぞれ異なっている。ウィンドウユニット(小)40の背板部41aに形成された右肩部分41cは、その左肩部分41dに比べて長さ(高さ)が短く、ウィンドウ取付板27に取付けた場合、スイッチ86はON、スイッチ87はOFFとなる。ウィンドウユニット(中)50の背板部51aに形成された左肩部分51dは、その右肩部分51cに比べて長さが短く、ウィンドウ取付板27に取付けた場合、スイッチ86はOFF、スイッチ87はONとなる。ウィンドウユニット(大)60の背板部61aに形成された右肩部分61c、左肩部分61dは共に長く、ウィンドウ取付板27に取付けた場合、スイッチ86,87が共にONとなる。この様に各ウインドウユニットが持つ背板部に形成された両肩部分の違いが、各ウインドウユニットを識別するための識別子とされ、スイッチ86、87のON,OFFの組み合わせの信号を制御部15が受け、制御部15で判断することによって、何れのウィンドウユニットが取付いているのかが検出される。
【0034】
図2に示す制御部15には、LCDパネル2、チラー5、チラー5からの冷却水が正常に循環しているかどうかを確認するフロースイッチ6、メモリ16、フットスイッチ9が接続されている。また、ハンドピース20側の温度センサ31、ペルチェ素子28、第一ガルバノメータ23a、第二ガルバノメータ24aは通信ケーブル3を介して制御部15に接続されている。
【0035】
次に、レーザ照射領域の拡大化について図7を使用して説明する。図7(a)は、短い焦点距離f1のレンズ102とウィンドウユニット(小)40をスキャナヘッド20aに取り付けた状態を示す。図7(b)は、中間の焦点距離f2を持つレンズ112と、ウィンドウユニット(中)50を取り付けた状態を示す。図7(c)は、長い焦点距離f3を持つレンズ122とウィンドウユニット(大)60を取り付けた状態を示す。
【0036】
いま、ミラー24の回転によりそれぞれのレンズの光軸に対して同じ角度θだけレーザ光を振ったとする。このとき、レンズ102を取り付けた図7(a)では、ウィンドウユニット(小)40の高さ距離における照射面でレーザ光が距離D1だけ離れた位置に集光して照射される。これに対して、中間の焦点距離f2を持つレンズ112を取り付けた図7(b)では、同じレーザ光の振り角度θで、D1より広い距離D2の位置にレーザ光が集光して照射されるようになる。さらに、焦点距離f3を持つレンズ122を取り付けた図7(c)では、振り角度θで、D2より広い距離D3の位置にレーザ光が集光して照射されるようになる。
【0037】
このように、集光レンズを介したレーザ照射では、集光レンズの焦点距離を長くしたのに合わせて皮膚に当接する部材のウィンドウユニットの高さ距離を変えることにより、走査ミラーの振り角を大きくすることなく(レンズ径を大きくすることなく)、レーザ照射領域の拡大化を図ることが可能となる。
【0038】
また、制御部15は、集光レンズ102,112,122、ウィンドウユニット40,50,60の変更に関係なく、第一ミラー23,第二ミラー24の最大の振れ角をほぼ一定に維持するように第一ガルバノメータ23a、第二ガルバノメータ24aを制御する。
【0039】
以上のような構成を有するレーザ治療装置において、レーザ照射時の動作を以下に説明する。
【0040】
術者はレーザ照射部位の位置やその大きさに合せて、ウィンドウユニット40,50,60から所望する大きさのものを選択しハンドピース20が持つウィンドウ取付板27に取り付ける。また、そのウィンドウユニットに合う焦点距離のレンズユニット100,110,120を取り付ける。初めにレンズユニット100、ウィンドウユニット(小)40をハンドピース20に取り付けて使用するものとする。
【0041】
レンズユニット100を取付けると、スイッチ81,83,84が全てONである信号が制御部15に送られ、制御部15によりレンズユニット100が取付けてあると判断される。また、ウィンドウユニット(小)40を取付けると、スイッチ86がON、スイッチ87がOFFである信号が制御部15に送られ、制御部15によりウィンドウユニットが小であると判断される。レンズユニットの情報は、図6に示すLCDパネル2における表示画面上の表示部212に表示され、ウィンドウユニット(小)40を取り付けたことの情報は表示部213に表示される。また、スポットサイズは、レンズユニットによって決定され、表示部200に表示される。
【0042】
また、術者はLCDパネル2に表示されている設定用キーを操作することで他の照射条件を設定する。数値の入力はUPボタン202とDOWNボタン203によって数値を増減させて入力する。レーザ照射のエネルギー密度はFLUENCEの表示部205で、レーザの出力は表示部206で、パルス照射時間は表示部207で設定する。このとき、3つの照射条件の内の2つを設定すれば、残りの条件は自動的に決定されたスポットサイズとの関係で、制御部15により計算されて決定される。レーザ照射時にはこれらの照射条件にしたがってレーザ光源部10の駆動が制御される。
【0043】
走査パターン形状については表示部210に表示される。ボタン211を押すと、走査パターン形状を変更できる。走査パターン形状はメモリ16に予め記憶されたものから選択でき、円形パターン、正方形パターン、長方形パターン、ラインパターン等が用意されている。また、スキャンサイズは、オプションボタン215を押してスキャンサイズ設定画面を開くことで設定でき、設定されたサイズは表示部201に表示される。この時、設定できる照射可能範囲は、ミラー23,24の振れ角の最大を略一定とし、ウィンドウユニットの種類の検出結果によって定められる。
【0044】
術者は装置本体1側の準備を整えた後、ハンドピース20を手で保持して第一ウィンドウ42を患部上に当接させる。スキャンヘッド20aからは光源11によるエイミング光が照射され、そのエイミング光は選択した走査パターン形状に従って第一ミラー23,第二ミラー24の駆動により繰返し走査される。術者はウィンドウ42,44を通して観察される患部とエイミング光の照射位置を確認しながら、目的とする患部に合うように第一ウィンドウ42の当接位置を調整する。
【0045】
術者はエイミング光の観察による照射部位の位置合わせやレーザ出力等の設定が完了したら、スイッチ99を押して装置をREADY状態にする。制御部15はフットスイッチ9からのトリガ信号が入力されると、第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aを駆動制御してレーザ光源部10からのレーザ光を走査し、選択された走査領域の治療部位にレーザ光を照射する。
【0046】
また、レーザ照射時には図示なきスイッチによって冷却機構を作動させる。ペルチェ素子28及びチラー5を駆動させることにより第一ウィンドウ42が冷却され、第一ウィンドウ42に接触している患部が冷やされる。
【0047】
スキャニングによる照射領域を変更する場合は以下の様に行う。まず、術者はLCDパネル2上のREPLACEボタン214を押す。REPLACEボタン214が押されると、制御部15はシャッター17を光路上に挿入し、誤ってレーザ光が照射されることを防止する。例えば、照射領域を拡大するために、術者が現在ついているウィンドウユニット(小)40を外し、ウィンドウユニット(大)60を取付けたとする。ウィンドウユニット(大)60を取付けると、スイッチ86,87共にONという信号が制御部15に送られ、制御部15によりウィンドウユニットが大であると判断される。制御部15はLCDパネル2上の表示部213にウィンドウユニットがLARGEであることを表示する。また、レンズユニット100を外し、ウィンドウユニット(大)60の照射距離に合った焦点距離の長いレンズユニット120を取付ける。レンズホルダ121が奥までねじ込まれると、スイッチ81がON、スイッチ83、84がOFFである信号が制御部15に送られ、制御部15によりレンズユニットが焦点距離の長いレンズユニット120であると判断される。制御部15はLCDパネル2上の表示部212にレンズユニットがLONGであることを表示する。
【0048】
レンズユニットとウィンドウユニットの対応が合っていない場合は、患部に焦点が合わない状態となってしまうので、LCDパネル2上の表示部212及び表示部213を点滅させる。例えば、ウィンドウユニット(大)60にかえて、レンズユニット100の交換が忘れられていたら、表示部212及び表示部213が点滅する。同時に、制御部15はシャッタ17を光路に挿入してレーザ光の照射を禁止する。
【0049】
制御部15は、レンズユニット120に変更されたためレーザ照射条件の演算をし直す。レンズユニットを変更するとその集光レンズの焦点距離に応じてスポット径は変化する。患部に同じ治療効果を得る目的でレーザ照射密度を保つため、パルス照射時間あるいはレーザ出力を変更する様プログラムされている。パルス照射時間あるいはレーザ出力のどちらが制御部15によって変更されるかは、予め術前に選択できる様になっている。例えば、レンズユニット120に変更したことにより、スポット径がφ3mmからφ6mmに変わったとすると、面積比が4倍になるので、レーザ出力がスポット径φ3mmの時の4倍に設定される。
【0050】
レンズユニットの取換えが完了したら、術者は再度REPLACEボタン214を押し、シャッター17を開き、レーザ照射可能な状態とする。そして、術者は、実際に照射しようとする広いスキャンサイズの設定を表示部201で行う。スキャンサイズの入力は、変更されたウィンドウサイズ内におさまる様に制限されるが、ウィンドウサイズが大きいものになっていれば、当然スキャンサイズも大きくすることができる。
【0051】
術者はエイミング光の観察による照射部位の位置合わせや設定が完了したら、スイッチ99を押して装置をREADY状態にする。制御部15はフットスイッチ9からのトリガ信号が入力されると、第一ガルバノメータ23a,第二ガルバノメータ24aを駆動制御してレーザ光源部10からのレーザ光を走査し、拡大された走査領域の治療部位にレーザ光を照射する。
【0052】
図8は他の実施形態を説明する図であり、先の実施形態と同一の要素には同符号を付して、その説明は省略する。図8において、150は集光レンズ、151はコリメートレンズ、152は保護ガラスである。ファイバ4から出射したレーザ光は集光レンズ150、ミラー21を経た後、コリメートレンズ151によって所定の径(例えば4mmの径)の平行光束とされる。平行光束とされたレーザ光は、ミラー23,24によってXY方向に走査され、そのまま保護ガラス152を通過してウィンドウユニット40(叉は50,60)に接触する皮膚面に照射される。
【0053】
この走査光学系における照射領域の拡大について、図9を使用して説明する。図9(a)はウィンドウユニット(小)40を、図9(b)はウィンドウユニット(中)50を、図9(c)はウィンドウユニット(大)60を、それぞれスキャナヘッド20aに取り付けた状態を示す。
【0054】
いま、ミラー24の回転によりそれぞれ軸L01(ミラー24の回転中心から各ウインドウの当接面に垂直に降ろした軸)に対して同じ角度θ′だけレーザ光を振ったとする。ウィンドウユニット(小)40を取り付けた図9(a)の場合、照射面で軸L01から距離D1′の位置にレーザ光が照射される。これに対して、ウィンドウユニット(中)50を取り付けた図9(b)の場合、照射面でD1′より広い距離D2′の位置にレーザ光が照射されるようになる。さらに、ウィンドウユニット(大)60を取り付けた図9(c)の場合、照射面でD2′より広い距離D3′の位置にレーザ光が照射されるようになる。また、この走査光学系の場合、照射面でのレーザ光の入射角は同じであるので、照射範囲を拡大したことによる照射面での光学的誤差を大きくせずにすむ。
【0055】
レーザ照射においては、制御部15は、レーザ光のスポットサイズ、ウィンドウユニットの種類によって定まる走査用のミラー23,24から照射面までの離隔距離、及び照射領域(スキャン)サイズの入力に基づいて、ガルバノメータ23a,24aの各ミラーの振れ角を制御する。例えば、ウィンドウユニット(小)40からウィンドウユニット(大)60に変更して離隔距離が変化したときには、スキャニングデータは隣合うスポットの隙間を埋めるように各ミラーの振れ角を制御する。
【0056】
また、ウィンドウユニットの種類、すなわち照射面までの離隔距離の検出結果に基づいて、照射領域の入力可能な最大サイズが制限される。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レーザ走査の領域の拡大化を図ることができ、効率の良いレーザ治療を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱毛治療等に使用されるレーザ治療装置の外観略図である。
【図2】光学系及び制御系の要部構成の概略図である。
【図3】ハンドピースの下方部の構成を説明する拡大図である。
【図4】異なる焦点距離のレンズユニットの構成を示す図である。
【図5】異なる上下方向長さ及びウィンドウの大きさのウィンドウユニットの各形状及び取替え方法を示す図である。
【図6】LCDパネルの表示画面を示す図である。
【図7】レーザ照射領域の拡大化を説明する図である。
【図8】平行光束レーザ照射の光学系及び制御系の要部構成の概略図である。
【図9】平行光束レーザ照射のレーザ照射領域の拡大化を説明する図である。
【符号の説明】
1 レーザ装置本体
2 LCDパネル
4 ファイバケーブル
15 制御部
20 ハンドピース
23 第一ミラー
23a 第一ガルバノメータ
24 第二ミラー
24a 第二ガルバノメータ
40 ウィンドウユニット(小)
50 ウィンドウユニット(中)
60 ウィンドウユニット(大)
81,83,84 スイッチ
86,87 スイッチ
100,110,120 レンズユニット
151 コリメートレンズ
Claims (2)
- レーザ光源からのレーザ光をミラーの反射角を変えて皮膚上で走査する走査光学系を持つハンドピースと、レーザ光の照射領域のサイズを入力するサイズ入力手段とを備え、入力された照射領域に基づいて前記走査光学系によりレーザ光を皮膚上で走査して照射するレーザ治療装置において、異なる焦点距離を持つ集光レンズであって、前記ハンドピースが持つ前記走査光学系よりレーザ出射端側の位置に切換え配置される集光レンズと、ハンドピースと皮膚に接触する接触面との距離を所期する距離に保持するウィンドウユニットであって、前記集光レンズの焦点距離の違いに対応してハンドピースからの距離が異なる接触面を持ち、前記ハンドピースに交換可能に取り付けられるウィンドウユニットと、ハンドピースに取り付けられたウィンドウユニットの種類を検出するウィンドウユニット検出手段と、前記ウィンドウユニット検出手段の検出結果に基づいて前記サイズ入力手段により入力可能な照射領域の範囲を制限する制限手段と、を備えることを特徴とするレーザ治療装置。
- レーザ光源からのレーザ光をミラーの反射角を変えて皮膚上で走査する走査光学系を持つハンドピースと、レーザ光の照射領域のサイズを入力するサイズ入力手段とを備え、入力された照射領域に基づいて前記走査光学系によりレーザ光を皮膚上で走査して照射するレーザ治療装置において、レーザ光源から前記走査光学系に導光されるレーザ光の光路に配置され、皮膚上で走査されるレーザ光を所定のスポットサイズの平行光束にするコリメートレンズと、前記ハンドピースと皮膚に接触する接触面との距離を所期する距離に保持するウィンドウユニットであって、ハンドピースからの距離が異なる接触面を持ち、前記ハンドピースに交換可能に取り付けられるウィンドウユニットと、ハンドピースに取り付けられたウィンドウユニットの種類を検出するウィンドウユニット検出手段と、前記ウィンドウユニット検出手段の検出結果に基づいて前記サイズ入力手段により入力可能な照射領域の範囲を制限する制限手段と、前記サイズ入力手段により入力された照射領域及び前記ウィンドウユニット検出手段により検出されたウィンドウユニットの種類から求められる照射面までの距離に基づいて前記走査光学系のミラーの駆動を制御する制御手段と、を備えることを特徴とするレーザ治療装置。
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