JP3985864B2 - 無電解めっき装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電解めっき装置及び方法に関し、特に半導体ウエハ等の基板の表面に設けた配線用の微細な凹部に銅、銀または金等の導電体を埋込んで埋込み配線を形成したり、このようにして形成した埋込み配線の表面を保護する配線保護層を形成したりするのに使用される無電解めっき液処理液を生成し、該処理液で基板を処理するのに使用される無電解めっき装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の配線形成プロセスとして、配線溝及びコンタクトホールに金属(導電体)を埋込むようにしたプロセス(いわゆる、ダマシンプロセス)が使用されつつある。これは、層間絶縁膜に予め形成した配線溝やコンタクトホールに、アルミニウム、近年では銅や銀等の金属を埋め込んだ後、余分な金属を化学機械的研磨(CMP)によって除去し平坦化するプロセス技術である。
【0003】
この種の配線、例えば配線材料として銅を使用した銅配線にあっては、平坦化後、銅からなる配線の表面が外部に露出しており、配線(銅)の熱拡散を防止したり、例えばその後の酸化性雰囲気で絶縁膜(酸化膜)を積層して多層配線構造の半導体装置を作る場合等に、配線(銅)の酸化を防止したりするため、Co合金やNi合金等からなる配線保護層(蓋材)で露出配線の表面を選択的に覆って、配線の熱拡散及び酸化を防止することが検討されている。このCo合金やNi合金等は、例えば無電解めっきによって得られる。
【0004】
ここで、例えば、図13に示すように、半導体ウエハ等の基板Wの表面に堆積したSiO等からなる絶縁膜2の内部に配線用の微細な凹部4を形成し、表面にTaN等からなるバリア層6を形成した後、例えば、銅めっきを施して、基板Wの表面に銅膜を成膜して凹部4の内部に埋め込み、しかる後、基板Wの表面にCMP(化学機械的研磨)を施して平坦化することで、絶縁膜2の内部に銅膜からなる配線8を形成し、この配線(銅膜)8の表面に、例えば無電解めっきによって得られる、Ni−B合金膜からなる配線保護層(蓋材)9を選択的に形成して配線8を保護する場合を考える。
【0005】
このようなNi−B合金膜からなる配線保護層9は、例えばニッケルイオン、ニッケルイオンの錯化剤、ニッケルイオンの還元剤としてのアルキルアミンボランまたは硼素化水素化合物等を有する無電解めっき液を使用した無電解めっきを施すことによって、銅等の表面に選択的に形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
無電解めっきの適用箇所は、銅配線の主たる埋込み材(Cu)、バリア層上へのシード層の形成、またはシード層の補強(Cu)、更にはバリア層そのものの形成、銅配線材の配線保護層(蓋材)形成(いずれもNi−P,Ni−B,Co−P,Ni−W−P,Ni−Co−P,Co−W−P,Co−W−B)などがあるが、いずれの無電解めっきプロセスでも被処理材の全面に亘る膜厚の均一性が要求される。
【0007】
ここで、フェースアップ方式を採用した無電解めっき装置にあっては、1回のめっき処理に使用されるめっき液の量が一般に少なく、このため、めっき液の使用方式として、1回のめっき処理毎にめっき液を捨てる、いわゆるワンパス式(使い捨て)が採用されていたが、これでは、めっき液の使用量が多くなってランニングコストが高くなってしまう。
【0008】
このため、めっき液を回収しながら循環させて再使用する、いわゆる循環式を採用することが考えられる。この循環式を採用しためっき液の循環・回収システムにあっては、一般にめっき液を溜めて循環させる循環槽が備えられ、この循環槽内で一定の温度に加熱した一定量のめっき液を被処理材の被めっき面に供給してめっき処理を行い、めっき処理後に被処理材の被めっき面上に残っためっき液を回収して、循環槽に戻すように構成されている。
【0009】
しかし、例えば半導体装置の製造に際しては、半導体装置のアルカリ金属汚染を防止するため、ナトリウムフリーの還元剤を添加しためっき液を使用しためっき処理を行うことが望まれるが、ナトリウムフリーの還元剤を含むめっき液は、一般に不安定で分解しやすく、特に高温に維持すると更に分解しやすくなる。このため、循環槽内でめっき液を加熱して高温にすると、循環槽内のめっき液が分解しやすくなって、一般にかなり大きな容積を有する循環槽内に貯められるめっき液の消費が多くなってしまう。しかも、めっき処理後に回収した戻りのめっき液をバッチ方式で循環槽に入れると、循環槽内に保持しためっき液の温度が変動し、めっき膜の膜厚のばらつきに繋がってしまう。
【0010】
つまり、例えば無電解めっきプロセスにおいて、めっき液の温度管理は、基板の処理に対する重要なパラメータとなり、且つ、コスト面からめっき液の使用量を必要最小限に抑えることが望ましい。また、めっき液は、無電解めっきプロセスに応じて数種類の溶液を混合して使用されるが、めっき液を生成してしまうと、ある温度以上ではめっき液が非常に活性化されてしまい、めっき処理時に影響を及ぼす可能性があり、そのため、できるだけ使用直前に、且つ無駄のない方法で複数の溶液を混合してめっき液を生成し処理に使用することが望まれる。
【0011】
なお、めっき液を循環槽内で加熱することなく、その供給の途中で必要量のみ加熱する、いわゆるインライン加熱方式を採用することで、めっき液の高温による分解に伴う消費量の増大を抑えることも考えられる。しかし、インライン加熱方式を採用すると、めっき液の温度管理が一般に困難であるばかりでなく、めっき液を加熱するための、かなり大型のヒータ等の加熱装置が必要となって、設備の大型化に繋がってしまう。これを防止するため、ヒータ等の加熱装置として小型のものを使用すると、熱源表面の温度とめっき液の温度との温度差を大きくする必要があり、このように熱源表面の温度とめっき液の温度との温度差を大きくすると、熱源の表面に生成物ができやすくなるばかりでなく、熱源の表面で局部的にめっき液が過熱状態になって分解してしまうおそれがある。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みて為されたもので、めっき液の使用量を極力少なく抑えつつ、処理液(めっき液)を常に最適な状態に維持して、均一なめっき膜の形成行うことができるようにした無電解めっき装置及び方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、混合して処理液を生成する複数の溶液を一定分量ずつ個別に保持する複数の溶液供給槽と、前記各溶液供給槽にそれぞれ連通し該溶液供給槽から個別に供給される一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成する複数の混合槽と、前記各混合槽と処理液供給路を介してそれぞれ連通し、一方の混合槽から内部に導入される処理液に接触させて基板を処理する処理槽と、前記処理液供給路の内部にそれぞれ介装した開閉弁と、前記開閉弁の開閉を制御する制御部を有し、前記混合槽の1つで生成した処理液を前記処理槽に供給している間に、他の混合槽で前記溶液供給槽から個別に供給される一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成することを特徴とする無電解めっき装置である。
【0017】
これにより、一般に不安定で分解しやすい処理液としての無電解めっき液を生成する1つの混合槽内の処理液に汚染物質等が混入し、この汚染物質等によって処理液(無電解めっき液)の品質が悪化し、処理液として使用できなくなっても、この混合槽内の処理液のみを廃棄処分すればよく、これによって、廃棄処分する処理液の量を減少させ、しかも他の混合槽内で生成された処理液を使用して処理を継続することができる。
【0018】
また、混合槽と処理槽との接続を切換えて新しい処理液を処理槽に供給する際のタイムラグを回避することができる。
請求項2に記載の発明は、前記各溶液供給槽及び前記各混合槽内には温度調節器がそれぞれ備えられ、前記処理槽内の処理液の温度を所定の温度に維持する保温部を更に有することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき装置である。
請求項3に記載の発明は、前記各溶液供給槽内に備えられた温度調節器は、該各溶液供給部内の各溶液を50〜60℃に予め加熱することを特徴とする請求項2記載の無電解めっき装置である。
請求項4に記載の発明は、前記各混合槽内に備えられた温度調節器は、該各混合槽内の処理液を55〜75℃に加熱し保持することを特徴とする請求項2記載の無電解めっき装置である。
【0019】
請求項5に記載の発明は、前記混合槽は、この内部に供給された複数の溶液を攪拌して混合する攪拌装置を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の無電解めっき装置である。これにより、混合槽内に供給された複数の溶液を攪拌装置で攪拌しながら処理液を生成することで、処理液の液温をより均一にすることができる。
【0021】
これにより、混合すると高温で反応しやすく不安定となるめっき液処理液を生成する前の、温度を上げても安定に保管できる溶液を予め加熱(予熱)しておいて、この予め加熱した溶液を処理槽内で混合して所定の温度の処理液を生成することで、例え処理液の量が少量であっても、安定した温度の処理液を処理槽内で生成して処理槽内での処理に使用することができる。更に、処理槽内の処理液の液温を管理することで、特に少量の処理液を使用した場合等に、処理液の温度が時間の経過と共に低下してしまうことを防止することができる。
【0026】
求項に記載の発明は、一定分量の複数の溶液を溶液供給槽から個別に導入し該一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成する複数の混合槽と、前記各混合槽とそれぞれ連通し、一方の混合槽から内部に導入される処理液に接触させて基板を処理する処理槽とを備え、前記混合槽の1つで生成した処理液を前記処理槽内に供給している間に、他の混合槽で前記溶液供給槽から個別に供給される一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成し、前記処理槽内に処理液を供給している前記混合槽内の処理液の量が所定量に達した時、または前記処理槽内に処理液を供給している前記混合槽内の処理液で所定枚数の基板を処理した時に、前記他の混合槽で生成した処理液を前記処理槽に供給することを特徴とする無電解めっき方法である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、基板に形成した配線の表面に、無電解めっきによる配線保護層を効率よく形成できるようにした無電解めっき装置に適用してる。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態の無電解めっき装置の平面配置図を示す。同図に示すように、この無電解めっき装置は、ロード・アンロードエリア10、洗浄エリア12及びめっき処理エリア14の3つのエリアに区分されている。この無電解めっき装置は、クリーンルーム内に設置され、各エリアの圧力は、
ロード・アンロードエリア10>洗浄エリア12>めっき処理エリア14
に設定され、且つロード・アンロードエリア10内の圧力は、クリーンルーム内圧力より低く設定される。これにより、めっき処理エリア14から洗浄エリア12に空気が流出しないようにし、洗浄エリア12からロード・アンロードエリア10に空気が流出しないようにし、さらにロード・アンロードエリア10からクリーンルーム内に空気が流出しないようにしている。
【0030】
ロード・アンロードエリア10内には、表面に形成した配線用の凹部4内に配線8を形成した基板W(図13参照)を収容した基板カセット16を載置収納する2台のロード・アンロードユニット18と、基板Wを180゜反転させる第1反転機20と、基板カセット16、第1反転機20及び下記の仮置台24との間で基板Wの受渡しを行う第1搬送ロボット22が収容されている。
【0031】
洗浄エリア12内には、ロード・アンロードエリア10側に位置して仮置台24が、この仮置台24を挟んだ両側に位置してめっき処理後の基板Wを洗浄する2台の洗浄ユニット26が、めっき処理エリア14側に位置してめっき前の基板Wを前洗浄する前洗浄ユニット28と基板Wを180゜反転させる第2反転機30がそれぞれ配置されて収容されている。この各洗浄ユニット26は、ロール・ブラシユニット32とスピンドライユニット34とをそれぞれ有し、めっき処理後の基板Wに2段の洗浄(スクラブ洗浄及び薬液洗浄)を行ってスピン乾燥させることができるようになっている。更に、洗浄エリア12内には、仮置台24、2台の洗浄ユニット26、前洗浄ユニット28及び第2反転機30の中央に位置して、これらの間で基板Wの受渡しを行う第2搬送ロボット36が配置されている。
【0032】
めっき処理エリア14内には、基板Wの表面に触媒を付与する第1前処理ユニット38、この触媒を付与した基板Wの表面に薬液処理を行う第2前処理ユニット40及び基板Wの表面に無電解めっき処理を施す無電解めっき処理ユニット42が各2台ずつ並列に配置されて収容されている。更に、めっき処理エリア14内の端部には、めっき液供給装置44が設置され、これらの中央部には、前洗浄ユニット28、第1前処理ユニット38、第2前処理ユニット40、無電解めっき処理ユニット42及び第2反転機30との間で基板Wの受渡しを行う走行型の第3搬送ロボット46が配置されている。
【0033】
次に、この無電解めっき装置による一連の無電解めっき処理について説明する。なお、この例では、図13に示すように、Ni−B合金膜からなる配線保護層(蓋材)9を選択的に形成して配線8を保護する場合について説明する。
【0034】
先ず、表面に配線8を形成した基板W(図13参照、以下同じ)を該基板Wの表面を上向き(フェースアップ)で収納してロード・アンロードユニット18に搭載した基板カセット16から、1枚の基板Wを第1搬送ロボット22で取り出して第1反転機20に搬送し、この第1反転機20で基板Wをその表面が下向き(フェースダウン)となるように反転させて、仮置台24に載置する。そして、この仮置台24上に載置された基板Wを第2搬送ロボット36で前洗浄ユニット28に搬送する。
【0035】
この前洗浄ユニット28では、基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に前洗浄を行う。つまり、例えば液温が25℃で、0.5MのHSO等の酸溶液中に基板Wを、例えば1分間程度浸漬させて、絶縁膜2(図13参照)の表面に残った銅等のCMP残さ等を除去し、しかる後、基板Wの表面を超純水等の洗浄液で洗浄する。
【0036】
次に、この前洗浄後の基板Wを第3搬送ロボット46で第1前処理ユニット38に搬送し、ここで基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に触媒付与処理を行う。つまり、例えば、液温が25℃で、0.005g/LのPdClと0.2ml/LのHCl等の混合溶液中に基板Wを、例えば1分間程度浸漬させ、これにより、配線8の表面に触媒としてのPdを付着させ、つまり配線8の表面に触媒核(シード)としてのPd核を形成して、配線8の表面配線の露出表面を活性化させ、しかる後、基板Wの表面を超純水等の洗浄液で洗浄する。
【0037】
そして、この触媒を付与した基板Wを第3搬送ロボット46で第2前処理ユニット40に搬送し、ここで基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に薬液処理を行う。つまり、例えば、液温が25℃で、20g/LのNa・2HO(クエン酸ナトリウム)等の溶液中に基板Wを浸漬させて、配線8の表面に中和処理を施し、しかる後、基板Wの表面を超純水等で水洗いする。
【0038】
このようにして、無電解めっきの前処理を施した基板Wを第3搬送ロボット46で無電解めっき処理ユニット42に搬送し、ここで基板Wをフェースダウンで保持して、この表面に無電解めっき処理を施す。つまり、例えば、液温が70℃の無電解Ni−Bめっき液中に基板Wを、例えば120秒程度浸漬させて、活性化させた配線8の表面に選択的な無電解めっき(無電解Ni−B蓋めっき)を施し、しかる後、基板Wの表面を超純水等の洗浄液で洗浄する。これによって、配線8の表面に、Ni−B合金膜からなる配線保護層9(図13参照、以下同じ)を選択的に形成して配線8を保護する。
【0039】
次に、この無電解めっき処理後の基板Wを第3搬送ロボット46で第2反転機30に搬送し、ここで基板Wをその表面が上向き(フェースアップ)となるように反転させ、この反転後の基板Wを第2搬送ロボット36で洗浄ユニット26のロール・ブラシユニット32に搬送し、ここで基板Wの表面に付着したパーティクルや不要物をロール状ブラシで取り除く。しかる後、この基板Wを第2搬送ロボット36で洗浄ユニット26のスピンドライユニット34に搬送し、ここで基板Wの表面の化学洗浄及び純水洗浄を行って、スピン乾燥させる。
【0040】
このスピン乾燥後の基板Wを第2搬送ロボット36で仮置台24に搬送し、この仮置台24の上に置かれた基板Wを第1搬送ロボット22でロード・アンロードユニット18に搭載された基板カセット16に戻す。
【0041】
ここで、この例では、配線保護層9として、Ni−B合金を使用している。つまり、ニッケルイオン、ニッケルイオンの錯化剤、ニッケルイオンの還元剤としてのアルキルアミンボランまたは硼素化水素化合物、及び水酸化テトラメチルアンモニウムまたはアンモニア水等のpH調整剤を含有し、pHを、例えば8〜12に調整した無電解めっき液を使用し、このめっき液に基板Wの表面を浸漬させることで、配線保護層(Ni−B合金層)9を形成している。めっき液の温度は、例えば50〜90℃、好ましくは55〜75℃である。
【0042】
還元剤としてのアルキルアミンボランとしては、例えばジメチルアミンボラン(DMAB)、ジエチルアミンボラン等を挙げることができる。また、ニッケルイオンの錯化剤としては、例えばりんご酸やグリシン等を挙げることができ、硼素化水素化合物としては、例えばNaBHを挙げることができる。
【0043】
なお、この例では、配線保護層9としてNi−B合金を使用しているが、配線保護層9として、Ni−P,Ni−W−B,Ni−W−P,Co−W−B,Co−W−P,Co−PまたはCo−B等からなる配線保護層を形成するようにしてもよい。また、配線材料として、銅を使用した例を示しているが、銅の他に、銅合金、銀、銀合金、金及び金合金等を使用しても良い。
【0044】
図2は、この無電解めっき装置における無電解めっき液(処理液)の生成・循環システムの全体構成を示す。
このシステムは、混合してめっき液を生成する複数の溶液を個別に保持する、この例では2つの溶液供給槽50a,50bと、この2つ溶液供給槽50a,50bから個別に供給される2種類の溶液を混合してめっき液を生成する、この例では2つの混合槽52a,52bを有している。前述の無電解めっき処理ユニット42は、基板Wの表面(被めっき面)を下向きにして基板Wを保持する処理ヘッド204と、混合槽52a,52bで生成されためっき液54を内部に保持する処理槽(めっき槽)56を有しており、処理ヘッド204で保持した基板Wの表面を処理槽56内のめっき液54に接触させることで、基板Wの表面にめっき処理を施すように構成されている。
【0045】
ここで、一方の溶液供給槽50aは、めっき液成分の還元剤、例えば無電解Ni−Bめっき液にあっては、ニッケルイオンの還元剤としてのDMAB(ジメチルアミンボラン)や硼素化水素化合物のみを含む溶液を保持するようになっており、他方の溶液供給槽50bは、その他のめっき液成分、例えば無電解Ni−Bめっき液にあっては、ニッケルイオン、ニッケルイオンの錯化剤、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)及びその他の成分を含む溶液を保持するようになっている。
【0046】
なお、溶液供給槽の数は、基板の処理に使用する処理液、例えば無電解めっきプロセスに使用する場合は、このプロセスに使用する無電解めっき液の種類等によって任意に設定される。つまり、各溶液供給槽は、混合することによってめっき液等の処理液を生成する溶液が、加熱しても反応することなく、安全に保管できる数に応じた数だけ用意される。
【0047】
この各溶液供給槽50a,50bには、この内部に所定の溶液を個別に供給するハウスライン等の溶液供給部58と、この内部に保持した溶液を底部から引き抜き、内部に介装した3方弁60aを切換えることで、混合槽52a,52bの一方に溶液をその自重で供給する溶液供給路61が接続されている。各溶液供給部58には、開閉弁62aが設置されている。また、各溶液供給槽50a,50bの外周部には、所定の高さの溢流堰64と該溢流堰64をオーバーフローした溶液を回収する回収溝66が設けられ、この回収溝66に溶液回収路68が接続されており、これによって、めっき液54を生成するのに必要な分量の溶液を混合槽52a,52bに供給する定量手段が構成されている。すなわち、各溶液供給槽50a,50bにあっては、内部に溜められる溶液が一定量を超えると溢流堰64をオーバーフローし回収溝66へ流出して回収され、これにより、溶液は、各溶液供給槽50a,50b内に一定の分量しか溜まらないようになっている。この分量は、溶液毎にめっき液生成に必要な容量に設定されている。そして、各溶液供給槽50a,50bには、溶液が各溶液供給槽50a,50b内に溜まり回収溝66から流れ出したことを検知して、溶液供給部58の開閉弁62aを閉じることで、溶液供給部58からの溶液の供給を停止する液面センサ等の検知手段が備えられている。
【0048】
更に、各溶液供給槽50a,50bには、この内部に保持した溶液を所定の温度に加熱して保温するヒータを有する温度調節器70aが備えられている。そして、例えば無電解Ni−Bめっき液として、70℃に加熱し保温したものを使用する場合には、各溶液供給槽50a,50bに個別に保持した各溶液を、この温度調節器70aによって、例えば50〜60℃に予め加熱(予熱)して、このように予熱した一定分量の溶液を混合槽52a,52bの一方に供給するようになっている。
【0049】
ここで、この各溶液供給槽50a,50b内に保持した溶液は、高温で反応しやすく不安定となるめっき液を生成する前の、温度を上げても安定に保管できる溶液であり、このため、このように混合前の溶液を加熱(予熱)しても、溶液が反応したり、分解したりしてしまうことはない。
【0050】
なお、この例では、各溶液供給槽50a,50bから決められた分量の溶液を混合槽52a,52bの一方に供給する定量手段として、溢流堰64を用いた例を示しているが、この定量手段としては、他にポンプを使用したり、計測機器(ロードセル、積算型流量計等)を使用したりして溶液の分量管理を行うようにしたものを使用してもよい。
【0051】
混合槽52a,52bは、前述のようにして、予熱された状態で各溶液供給槽50a,50bから供給される一定量の溶液を混合してめっき液54を生成するものであり、この各混合槽52a,52bには、この内部で生成されるめっき液54を所定の温度に加熱し保温するヒータを有する温度調節器70bが設けられている。また、この各混合槽52a,52bで生成され所定の温度に加熱し保温されためっき液54は、内部に介装した送液ポンプ72を介して、処理液供給路(めっき液供給路)74から処理槽(めっき槽)56に順次送られるようになっている。この各処理液供給路74には、フィルタ76と開閉弁62bが設置されており、処理槽56の底部中央に接続されて、めっき液54を処理槽56の内部に該処理槽56の底部から供給するようになっている。
【0052】
ここで、この例では、2つの混合槽52a,52bを備え、前述のように、溶液供給路61に設けた3方弁60aを切換えることで、溶液供給槽50a,50b内の溶液を2つの混合槽52a,52bの一方に同時に供給し、処理液供給路74に設けた開閉弁62bを開閉することで、混合槽52a,52bの一方からめっき液54を処理槽56に供給するようにしている。これにより、例えば一方の混合槽52aで生成しためっき液54を処理槽56に供給している間に、他方の混合槽52bで新たなめっき液54を生成することができ、これによって、新しいめっき液を供給する際のタイムラグを回避することができる。
【0053】
この各混合槽52a,52bには、各処理液供給路74の送液ポンプ72の上流側で分岐し、内部に開閉弁62cを介装した分岐管78が備えられ、これによって、この内部に供給された溶液を攪拌して混合する混合手段が構成されている。つまり、例えば混合槽52a(または52b)からのめっき液54の処理槽56への供給を停止した状態で、この混合槽52a(または52b)側の開閉弁62cを開いて送液ポンプ72を駆動することで、混合槽52a(または52b)内のめっき液54を、分岐管78を介して循環させ、これによって、混合槽52a(または52b)内に供給された複数の溶液を攪拌しながら均一に混合してめっき液54を生成し、しかもこの生成されためっき液54の液温がより均一になるようになっている。
【0054】
各混合槽52a,52bには、この内部に保持されるめっき液の下限を検出する下限検出センサ150と、めっき液の液温を検出する温度センサ152(なお、図示では、混合槽52a側のみを示している)が備えられている。そして、この各下限検出センサ150の出力は、制御部154に入力され、この制御部154からの出力信号で、処理液供給路74に介装した開閉弁62bが制御され、一方、温度センサ152の出力は、制御部156に入力され、この制御部156からの出力信号で、温度調節器70bが制御されるようになっている。
【0055】
この混合槽52a,52bでは、例えば無電解Ni−Bめっき液として、70℃に加熱し保温したものを使用する場合には、前述のように、例えば50〜60℃に予め加熱(予熱)した一定分量の2種類の溶液を混合槽52a,52bの一方に供給し、前述のようにして攪拌しながら、温度調節器70bでめっき液54の液温が70℃となるように加熱し保温して、処理槽56に供給する。このように、この予め加熱した溶液を混合槽52a,52bで混合して所定の温度のめっき液を生成することで、例えめっき液54の量が少量であっても、めっき液54の温度を安定させ、この所定の温度に安定させためっき液を処理槽56に迅速に供給することができる。つまり、この各混合槽52a,52bの容積は、例えば2Lに設定されており、このように容量の小さなめっき液であっても、この液温を安定させることが可能となる。
【0056】
処理槽56は、この例では、めっき処理に必要な最小限の、一定量(例えば200cc)のめっき液54を内部に溜めて、所定の枚数の基板を処理する、いわゆるバッチ方式を採用したもので、この内部に溜めためっき液54の液面54aのレベルを監視する液面センサ(図示せず)が設けられている。そして、このめっき液54の液面54aが一定のレベルに達した時に、処理液供給路74の開閉弁62bを閉じて、めっき液54の処理槽56内への供給を停止するように構成されている。
【0057】
処理槽56には、この内部のめっき液の液温を検出する温度センサ158が備えられ、温度センサ158の出力は、制御部156に入力され、この制御部156からの出力信号で、温度調節器70bが制御されるようになっている。
【0058】
処理槽56の底部には、内部に開閉弁62dと排液ポンプ80aを介装しためっき液排出部82が接続され、使用後のめっき液は、基本的にこのめっき液排出部82から外部に排出されるようになっている。なお、この例では、排液ポンプ80aの下流側に位置して、3方弁60bを介して、めっき液排出部82にめっき液戻り部84が接続され、このめっき液戻り部84の内部に介装した3方弁60cを介して、使用後のめっき液54を混合槽52a,52bの一方に戻すことができるように構成されている。
【0059】
また、処理槽56の底壁86の表面を、めっき液54の引き抜き部に向かって下方に傾斜するテーパ面86aとすることで、内部のめっき液を効率よく引き抜くことができるようになっている。
【0060】
処理槽56は、めっき液54の温度と同じ温度の、例えば70℃に加熱し保温した温水を内部に溜めながら循環させる保温部としての保温槽90の内部に配置され、この保温槽90の内部に溜めた温水92で処理槽56内のめっき液54を加熱して保温することで、混合槽52a,52bで昇温されためっき液54が、処理槽56に達する間に温度降下しても、また、めっき処理中においても、処理槽56内のめっき液54の液温が常に、例えば70℃の一定の温度に保たれるように構成されている。
【0061】
つまり、ヒータを備えた温度調節器70cを備えた温水供給槽94が備えられ、この温水供給槽94と保温槽90は、内部に循環ポンプ96と開閉弁62eを介装した温水供給管98で繋がれ、また保温槽90は、その外周部に溢流堰100と該溢流堰100をオーバーフローした温水を排水する排水溝102を有しており、この排水溝102には、温水戻り管104の一端が接続され、この温水戻り管104の他端は温水供給槽94に接続されている。更に、この保温槽90内に保持される温水92の液面92aのレベルが、処理槽56内に保持されるめっき液54の液面54aのレベルより高くなるように設定されている。
【0062】
これにより、温水供給槽94で、温度調節器70cを介して、例えば70℃に加熱し保温された温水92が保温槽90内に供給され、この保温槽90の溢流堰100をオーバーフローした温水が温水供給槽94に戻って循環し、この循環する過程で、保温槽90内に保持される温水92中に処理槽56で保持されるめっき液54が完全に浸された状態となり、これによって、処理槽56で保持されるめっき液54の液温が保温槽90内の温水92の液温と一致するように構成されている。
【0063】
このように、保温槽90内をほぼ一定温度の温水92が循環するようにして、処理槽56内のめっき液54を均一に保持(加熱)することができ、しかも、処理槽56に保持されるめっき液54全体を温水92等の熱媒体中に浸した状態にすることで、例え処理槽56内に少量のめっき液54を保持した場合にあっても、この処理槽56内のめっき液54の加熱及び温度保持を確実に行うことができる。なお、この保温槽90内に保持される温水92に充分な熱容量を持たせることで、処理槽56内のめっき液54と保温槽90内の温水92との熱交換を効率よく行うことができる。
【0064】
なお、図12に示すように、処理槽56の内部に、例えば往復動自在なパドル110からなる攪拌装置を配置し、この処理槽56内に保持しためっき液54をパドル(攪拌装置)110で攪拌するようにすることで、処理槽56内のめっき液54の液温をより均一にすることができる。
【0065】
処理ヘッド204は、図7に詳細に示すように、ハウジング部230とヘッド部232とを有し、このヘッド部232は、吸着ヘッド234と該吸着ヘッド234の周囲を囲繞する基板受け236から主に構成されている。そして、ハウジング部230の内部には、基板回転用モータ238と基板受け駆動用シリンダ240が収納され、この基板回転用モータ238の出力軸(中空軸)242の上端はロータリジョイント244に、下端はヘッド部232の吸着ヘッド234にそれぞれ連結され、基板受け駆動用シリンダ240のロッドは、ヘッド部232の基板受け236に連結されている。更に、ハウジング部230の内部には、基板受け236の上昇を機械的に規制するストッパ246が設けられている。
【0066】
ここで、吸着ヘッド234と基板受け236との間には、スプライン構造が採用され、基板受け駆動用シリンダ240の作動に伴って基板受け236は吸着ヘッド234と相対的に上下動するが、基板回転用モータ238の駆動によって出力軸242が回転すると、この出力軸242の回転に伴って、吸着ヘッド234と基板受け236が一体に回転するように構成されている。
【0067】
吸着ヘッド234の下面周縁部には、図8乃至図10に詳細に示すように、下面をシール面として基板Wを吸着保持する吸着リング250が押えリング251を介して取付けられ、この吸着リング250の下面に円周方向に連続させて設けた凹状部250aと吸着ヘッド234内を延びる真空ライン252とが吸着リング250に設けた連通孔250bを介して互いに連通するようになっている。これにより、凹状部250a内を真空引きすることで、基板Wを吸着保持するのであり、このように、小さな幅(径方向)で円周状に真空引きして基板Wを保持することで、真空による基板Wへの影響(たわみ等)を最小限に抑え、しかも吸着リング250をめっき液(処理液)中に浸すことで、基板Wの表面(下面)のみならず、エッジについても、全てめっき液に浸すことが可能となる。基板Wのリリースは、真空ライン252にNを供給して行う。
【0068】
一方、基板受け236は、下方に開口した有底円筒状に形成され、その周壁には、基板Wを内部に挿入する基板挿入窓236aが設けられ、下端には、内方に突出する円板状の爪部254が設けられている。更に、この爪部254の上部には、基板Wの案内となるテーパ面256aを内周面に有する突起片256が備えられている。
【0069】
これにより、図8に示すように、基板受け236を下降させた状態で、基板Wを基板挿入窓236aから基板受け236の内部に挿入する。すると、この基板Wは、突起片256のテーパ面256aに案内され、位置決めされて爪部254の上面の所定位置に載置保持される。この状態で、基板受け236を上昇させ、図9に示すように、この基板受け236の爪部254上に載置保持した基板Wの上面を吸着ヘッド234の吸着リング250に当接させる。次に、真空ライン252を通して吸着リング250の凹状部250aを真空引きすることで、基板Wの上面の周縁部を該吸着リング250の下面にシールしながら基板Wを吸着保持する。そして、めっき処理を行う際には、図10に示すように、基板受け236を数mm下降させ、基板Wを爪部254から離して、吸着リング250のみで吸着保持した状態となす。これにより、基板Wの表面(下面)の周縁部が、爪部254の存在によってめっきされなくなることを防止することができる。
【0070】
次に、上記構成のめっき液生成・循環システムを使用して、無電解めっき処理を施す時の動作について説明する。
先ず、溶液供給部58から各溶液供給槽50a,50b内に所定の溶液を供給して、この各溶液供給槽50a,50b内に所定量の溶液を保持し、温度調節器70aを介して、例えば50〜60℃の所定の温度に加熱し保温しておく。そして、例えば、一方の混合槽52a内に各溶液供給槽50a,50b内に保持した溶液を一度に供給し、この混合槽52a側の処理液供給路74の開閉弁62bを閉じ、分岐管78の開閉弁62cを開いた状態で、送液ポンプ72を駆動して混合槽52aの内部に供給した溶液を攪拌し、更に温度調節器70bを介して加熱することで、例えば70℃の所定温度のめっき液54を生成する。
【0071】
そして、制御部154からの制御信号に基づき、この混合槽52a側の処理液供給路74の開閉弁62bを開き、分岐管78の開閉弁62cを閉じた状態で、送液ポンプ72を駆動して、混合槽52a内で生成しためっき液54を所定量だけ処理槽56内に供給する。この時、保温槽90内に、例えば70℃の一定温度の温水92を導入し循環させておき、これにより、処理槽56内のめっき液54を、例えば70℃の一定温度に保持する。
【0072】
この状態で、処理ヘッド204でめっき処理前の基板Wを保持し、下降させて処理ヘッド204で保持した基板Wの表面を処理槽56内のめっき液54に接触させることで、この処理ヘッド204で保持した基板Wの表面にめっきを施し、めっき処理後の基板Wをめっき液54中から引き上げる。この動作を繰り返して、所定枚数の基板Wにめっき処理を施す。そして、所定枚数の基板Wにめっき処理を施した後、処理槽56内のめっき液54をめっき液排出部82から外部に排出し、しかる後、前述と同様にして、混合槽52a内のめっき液54を所定量だけ処理槽56内に供給して、前述と同様な動作を繰り返す。
【0073】
この時、混合槽52a内のめっき液54の温度を温度センサ152で、処理槽56内のめっき液54の温度を温度センサ158でそれぞれ検知し、これらの出力信号を制御部156に入力して、それらの温度差、すなわちめっき液54の液温が混合槽52aから処理槽56に供給されるまでの間に低下する温度を求め、この低下する温度(温度差)を補償するように、温度調節器70cを制御し、これによって、常に一定の液温にめっき液54が処理槽56に供給されるようにする。
【0074】
一方、他方の混合槽52bにあっては、前述のようにして、溶液供給槽50a,50b内に供給して、所定の温度に加熱した一定量の溶液を該混合槽52bの内部に導入し、混合することによって、例えば70℃の所定温度のめっき液54を生成して用意しておく。この時、前述のようにして、めっき液54の液温が混合槽52aから処理槽56に供給されるまでの間に低下する温度(温度差)を補償するように、温度調節器70cを制御する。
【0075】
そして、下限検知センサ150で混合槽52a内のめっき液54の液面が所定の値に達したことを検知して、この出力信号が制御部154に入力された時に、この制御部154からの出力信号を介して、混合槽52aと処理槽56とを結ぶ処理液供給路74に設けた開閉弁62bを完全に閉じ、混合槽52bと処理槽56とを結ぶ処理液供給路74に設けた開閉弁62bを開閉できるように制御し、これによって、予め用意しておいた他方の混合槽52b内の新たなめっき液54にめっき液の供給を切換える。これによって、中断することなくめっき処理を継続する。しかも、例えば無電解めっき液等の一般に不安定で分解しやすい処理液を生成する1つの混合槽内の処理液に汚染物質等が混入し、この汚染物質等によって処理液(無電解めっき液)の品質が悪化し、処理液として使用できなくなっても、この混合槽内の処理液のみを廃棄処分すればよく、これによって、廃棄処分する処理液の量を減少させることができる。
【0076】
なお、下限検知センサ150を、処理槽56に1回で供給する供給量以上のめっき液が混合槽内に残る位置に設置することで、液面の下限を検知しても、その回のみを継続して元の混合槽から処理槽にめっき液を供給できるようにすることができる。また、各混合槽で処理槽へ供給する量だけめっき液を混合して生成して処理槽に供給することで、1回毎にめっき液の供給を切換えるようにすることもできる。
【0077】
この例によれば、できるだけ使用直前に、且つ無駄のない方法で複数の溶液を混合してめっき液を生成し処理に使用するといった要求に応えることができ、しかも必要最小限のめっき液で処理能力限界までの基板枚数を処理することが可能となり、めっき液を効率よく使用することができる。
【0078】
図3は、前述の無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの変形例を示すもので、この例は、各混合槽52a,52bを処理槽56の上方に配置するとともに、この各混合槽52a,52bの底部に処理液供給路74を接続し、この混合槽52a,52b内のめっき液54を、処理液供給路74の開閉弁62bを制御部154からの制御信号で開閉することで、その自重により、処理槽56の内部に供給するようにしたものである。この場合、各混合槽52a,52bの底壁120の表面を、めっき液54の引き抜き部に向かって下方に傾斜するテーパ面120aとすることで、各混合槽52a,52bの内部のめっき液54を効率よく引き抜くことができる。また、送液ポンプを備える必要がなくなるが、例えば、図11に示すように、混合槽52a,52bの内部にパドル(掻混ぜ棒)110を移動自在に配置して攪拌手段を構成することができる。
【0079】
図4は、無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの他の例を示すもので、この例の前記例と異なる点は、例えば処理槽56と一方の混合槽52a(または52b)との間にめっき液54を循環させながら、基板の処理を行うようにするとともに、混合槽52a,52bの一方からの処理槽56内へのめっき液54の供給の切換えを、処理枚数を元に、制御部154からの出力信号を基に行うようにした点である。
【0080】
すなわち、この例は、混合槽52a,52b内のめっき液を、処理液供給路74を通して、処理槽56の内部に該処理槽56の下部から供給し、更に、処理槽56として、溢流堰または排液口(図示せず)を有し、めっき液を供給し続けると、めっき液がこの溢流堰または排液口をオーバーフローするようにしたものを使用して、このオーバーフローしためっき液がめっき液戻り部124から、その自重により、3方弁60dを介して混合槽52a,52bの一方に戻るようにしている。ここに、溢流堰または排液口にあっては、円周方向に沿った位置に、所定ピッチで均等に設けられ、この処理槽56内のめっき液がオーバーフローした際に、この液面が水平な状態を維持するようになっている。また、各混合槽52a,52bには、この内部にめっき液を底部から引き抜いて外部に排出するめっき液排出部126が設けられ、このめっき液排出部126に開閉弁62fと排液ポンプ80bが設置されている。同様に、処理槽56にも、この内部にめっき液を底部から引き抜いて外部に排出するめっき液排出部130が設けられ、このめっき液排出部130に開閉弁62gと排液ポンプ80cが設置されている。その他の構成は、前述の例と同様である。
【0081】
この例の場合、例えば一方の混合槽52a内のめっき液54を使用してめっき処理を行う場合には、この混合槽52a側の処理液供給路74の開閉弁62bを開き、送液ポンプ72を駆動して、この混合槽52a内のめっき液を処理槽56に供給し続け、この処理槽56内の溢流堰をオーバーフローしためっき液を混合槽52a内に戻して、めっき液54を循環させる。そして、所定の枚数の基板にめっき処理を施した後、排液ポンプ80b,80cを駆動して、混合槽52a及び処理槽56内のめっき液54を外部に排出する。そして、混合槽52a及び処理槽56内のめっき液54を外部に排出した後、他方の混合槽52bに切換え、前述と同様にしてめっき処理を継続する。
このように、循環方式を採用することにより、めっき液の濃度が急激に低下するのを防止して、基板の処理可能数を増大させることができる。
【0082】
図5及び図6は、無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの更に他の例を示すもので、この例は、混合槽を設けることなく、溶液供給槽50a,50b内の溶液を直接処理槽56内に導入して、この処理槽56内で2種類の溶液を混合してめっき液54を生成し、この処理槽56内で生成されためっき液54に基板を接触させてめっき処理を行うようにしたものである。すなわち、各溶液供給槽50a,50bから延びる溶液供給路61は、処理槽56に直接接続され、この内部に開閉弁62bと積算流量計140が設置されている。そして、図6に示すように、この各溶液供給路61は、互いに対向する位置で、同一円周方向に沿った接線方向に向けてその供給口61aが開口し、これによって、処理槽56内に供給された溶液が処理槽56の内周壁に沿って、同一円周方向に沿って回転しながら落ちて行くことで、混合されるようになっている。
【0083】
この例によれば、めっき液として、例えば70℃に加熱したものを使用するのであれば、各溶液供給槽50a,50b内の溶液を、このめっき処理時の温度、例えば70℃に加熱しておき、このように加熱した溶液を、めっき液54を生成する分量に合った所定量だけ積算流量計140で計量して処理槽56内に供給し、これによって、処理槽56内に所定量のめっき液54を生成する。その他の処理は、前述の最初の例と同じである。
この例の場合、混合槽を省略することによって、構造の簡素化を図ることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えめっき液処理液の量が少量であっても、処理液の温度を安定させ、できるだけ使用直前に、且つ無駄のない方法で複数の溶液を混合してめっき液処理液を生成し処理に使用するといった要求に応えることができる。更に、処理槽内の処理液の液温を管理することで、処理液の温度を常に一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の無電解めっき装置の全体構成を示す図である。
【図2】無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの一例を示す全体構成図である。
【図3】無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの変形例を示す全体構成図である。
【図4】無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの他の例を示す全体構成図である。
【図5】無電解めっき装置におけるめっき液(処理液)の生成・循環システムの更に他の例を示す全体構成図である。
【図6】図5における処理槽の概略平面図である。
【図7】基板受渡し時における処理ヘッドを示す断面図である。
【図8】図7のB部拡大図である。
【図9】基板固定時における処理ヘッドを示す図8相当図である。
【図10】めっき処理時における処理ヘッドを示す図8相当図である。
【図11】混合槽の他の例を示す概要図である。
【図12】処理槽の他の例を示す概要図である。
【図13】無電解めっきによって配線保護層を形成した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
8 配線
9 配線保護層
10 ロード・アンロードエリア
12 洗浄エリア
14 処理エリア
16 基板カセット
18 ロード・アンロードユニット
26 洗浄ユニット
28 前洗浄ユニット
32 ロール・ブラシユニット
34 スピンドライユニット
38,40 前処理ユニット
42 無電解めっき処理ユニット
44 めっき液供給装置
50a,50b 溶液供給槽
52a,52b 混合槽
54 めっき液
54a 液面
56 処理槽
60a,60b,60c,60d 3方弁
61 溶液供給路
61a 供給口
62a,62b,62c,62d,62e,62f,62g 開閉弁
64 溢流堰
66 回収溝
68 溶液回収路
70a,70b,70c 温度調節器
72 送液ポンプ
74 処理液供給路
78 分岐管
80a,80b,80c 排液ポンプ
82 めっき液排出部
84 めっき液戻り部
90 保温槽
92 温水
92a 液面
94 温水供給槽
96 循環ポンプ
98 温水供給管
100 溢流堰
102 排水溝
110 パドル
126,130 めっき液排出部
140 積算流量計
204 処理ヘッド
232 ヘッド部
234 吸着ヘッド
250a 凹状部
250 吸着リング
250b 連通孔
251 押えリング
252 真空ライン
254 爪部
256a テーパ面
256 突起片

Claims (6)

  1. 混合して処理液を生成する複数の溶液を一定分量ずつ個別に保持する複数の溶液供給槽と、
    前記各溶液供給槽にそれぞれ連通し該溶液供給槽から個別に供給される一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成する複数の混合槽と、
    前記各混合槽と処理液供給路を介してそれぞれ連通し、一方の混合槽から内部に導入される処理液に接触させて基板を処理する処理槽と、
    前記処理液供給路の内部にそれぞれ介装した開閉弁と、
    前記開閉弁の開閉を制御する制御部を有し、
    前記混合槽の1つで生成した処理液を前記処理槽に供給している間に、他の混合槽で前記溶液供給槽から個別に供給される一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成することを特徴とする無電解めっき装置。
  2. 前記各溶液供給槽及び前記各混合槽内には温度調節器がそれぞれ備えられ、前記処理槽内の処理液の温度を所定の温度に維持する保温部を更に有することを特徴とする請求項1記載の無電解めっき装置。
  3. 前記各溶液供給槽内に備えられた温度調節器は、該各溶液供給部内の各溶液を50〜60℃に予め加熱することを特徴とする請求項2記載の無電解めっき装置。
  4. 前記各混合槽内に備えられた温度調節器は、該各混合槽内の処理液を55〜75℃に加熱し保持することを特徴とする請求項2記載の無電解めっき装置。
  5. 前記混合槽は、この内部に供給された複数の溶液を攪拌して混合する攪拌装置を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の無電解めっき装置。
  6. 一定分量の複数の溶液を溶液供給槽から個別に導入し該一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成する複数の混合槽と、前記各混合槽とそれぞれ連通し、一方の混合槽から内部に導入される処理液に接触させて基板を処理する処理槽とを備え、
    前記混合槽の1つで生成した処理液を前記処理槽内に供給している間に、他の混合槽で前記溶液供給槽から個別に供給される一定分量の複数の溶液を混合して所定容量の処理液を生成し、
    前記処理槽内に処理液を供給している前記混合槽内の処理液の量が所定量に達した時、または前記処理槽内に処理液を供給している前記混合槽内の処理液で所定枚数の基板を処理した時に、前記他の混合槽で生成した処理液を前記処理槽に供給することを特徴とする無電解めっき方法。
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