JP3984924B2 - メタル調積層フィルム及びそれを用いた加飾成形体 - Google Patents

メタル調積層フィルム及びそれを用いた加飾成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車部品や電化製品、電子部品、建材等の成型品に対して、メッキ調の加飾を施すために用いられるメタル調積層フィルム及びその利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品や電化製品、電子部品、建材等の成型品の塗装を行う際には、通常、部品表面に、異なる機能を有する複数の塗膜を形成することによって、物理的・化学的な耐久性や、塗膜形成後の成型品の美観である意匠性等を付与している。上記成型品に形成される複数の塗膜は、一般に、スプレー塗装によって形成されることが多い。スプレー塗装は、成型品が有する隙間や袋部等への塗着性に優れ、塗着効率にも優れていることから、幅広い分野で応用展開されている塗装法の一つとなっている。
【0003】
その一方で、塗装場所の確保や塗装時の経済性、塗装工程管理等の点から、上記スプレー塗装には問題もある。すなわち、上記スプレー塗装によって成型品を加飾する場合、複数の塗膜を形成するため、塗料をスプレーするスプレー工程と塗料の焼付を行う焼付工程とが繰り返される多段階工程となる。そのため、これらの多段階工程を行う工程ラインが必要となり、この工程ラインのために広大な塗装場所を確保しなければならない。また、上記スプレー工程及び焼付工程を多段階的に行うために、塗装工程管理に煩雑さを招くといった問題や、エネルギー消費が大きくなるという問題もある。
【0004】
そこで、上記スプレー法に求められている広大な塗装場所を必要とせず、塗装工程管理の容易性を備え、かつ加飾時のエネルギー消費量を低減し得る手法として、複数の塗膜が積層してなる積層フィルムを用いて成型品の加飾を行うフィルム加飾法が提案されている。このフィルム加飾法では、上記成型品の表面に、積層フィルムを密着させて配置することによって、上記成型品に加飾を施している(例えば、特許文献1・2等参照)。
【0005】
このように、成型品表面に積層フィルムを配置すれば、スプレー塗装時に多段階的に繰り返されるスプレー工程及び焼付工程を行うことなく、成型品に複数の塗膜を形成することができる。それゆえ、スプレー塗装法のように広大な塗装場所を確保する必要はなく、また、工程管理を容易にすることも可能となる。さらに、成型品の加飾に際して、多段階的な工程を必要としないため、消費エネルギー等の点から経済性を向上することもできる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−79796号公報(平成12(2000)年3月21日公開)
【0007】
【特許文献2】
特開平10−58895号公報(平成10(1998)年3月3日公開)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記フィルム加飾法に用いられている積層フィルムとして、成型品を加飾する際の加工性と、加飾後の成型品の意匠性とを両立することが可能な積層フィルムは、未だ見出されていない。
【0009】
ここで、上記加工性とは、積層フィルムを用いて上記成型品を加飾した場合の、▲1▼成型品表面の積層フィルムの平滑性や、成型品本来の形状の再現性等の外観特性、▲2▼積層フィルムの耐候性等の化学的特性、▲3▼積層フィルムと成型品との密着性、積層フィルムの耐擦傷性や耐衝撃性等の物理的特性を指すものとする。また、上記意匠性とは、積層フィルム表面におけるフリップフロップ性の高いメタリック調の美観や、キラキラの程度を示す光輝感に優れていることを指すものとする。
【0010】
つまり、従来の積層フィルムでは、成型品の加飾を行った場合に、加工性を向上しようとすれば意匠性が低下し、意匠性を向上しようとすれば加工性に問題が生じるというように、加工性及び意匠性の双方を両立することが困難となっている。
【0011】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、成型品に加飾を施した場合に、加工性及び意匠性の双方を両立し得るメタル調積層フィルム及びそれを用いた加飾成形体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、光輝材(C3)として高SV値及び高IV値を発現させることができるアルミニウムフレークを含み、25℃にて1000mPa・S以上5000mPa・S以下の範囲内の粘度を有する着色塗料を、剪断力を与えて塗布することによって、高フリップフロップ性の優れた意匠性を備え、かつ、成型基材を加飾した場合の該成型基材の三次元形状の再現性や、成型基材との密着性、耐候性等に優れたメタル調積層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
本発明のメタル調積層フィルムは、上記課題を解決するために、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が積層されてなり、該クリヤー塗膜層(B)上に、着色塗料を塗布することによって着色塗膜層(C)が形成されてなるメタル調積層フィルムであって、上記着色塗料は、少なくともアクリル樹脂(C1)と、ウレタン樹脂(C2)と、光輝材(C3)とを含むとともに、上記着色塗料が有する粘度は、25℃にて1000mPa・S以上5000mPa・S以下の範囲内にあり、上記光輝材(C3)は、少なくともアルミニウムフレークを含み、該アルミニウムフレークを含んでなる評価用塗膜が有するSV値は120以上であり、かつ該評価用塗膜が有するIV値は200以上であり、上記着色塗膜層(C)は、剪断力を与えて上記着色塗料を塗布することによって形成されることを特徴としている。
【0014】
また、本発明のメタル調積層フィルムは、上記のメタル調積層フィルムにおいて、上記着色塗膜層(C)上には、さらに接着剤層が積層されていてもよい。
【0015】
また、本発明のメタル調積層フィルムは、上記のメタル調積層フィルムにおいて、上記着色塗料は、上記アクリル樹脂(C1)の固形分重量及び上記ウレタン樹脂(C2)の固形分重量の合計量(C1+C2)100重量部中に、上記アクリル樹脂(C1)を固形分重量部にて10重量部以上80重量部以下の範囲内となるように含有するとともに、上記ウレタン樹脂(C2)を固形分重量にて20重量部以上90重量部以下の範囲内となるように含有し、さらに、上記合計量(C1+C2)100重量部に対して、上記アルミニウムフレークを固形分重量にて1重量部以上30重量部以下の範囲内となるように含有し、上記クリヤー塗膜層(B)は、少なくともアクリル系樹脂(B1)と、ウレタン系オリゴマー(B2)と、多官能モノマー(B3)と、重合開始剤(B4)とを含有するクリヤー塗料を塗布することによって形成され、上記クリヤー塗料は、上記アクリル系樹脂(B1)の固形分重量と、上記ウレタン系オリゴマー(B2)の固形分重量と、上記多官能モノマー(B3)の固形分重量との合計量(B1+B2+B3)100重量部中に、上記アクリル系樹脂(B1)を固形分重量にて29重量部以上70重量部以下の範囲内となるように含有し、上記ウレタン系オリゴマー(B2)を固形分重量にて20重量部以上70重量部以下の範囲内となるように含有し、上記多官能モノマー(B3)を固形分重量にて1重量部以上40重量部以下の範囲内となるように含有し、さらに、上記合計量(B1+B2+B3)100重量部に対して、上記重合開始剤(B4)を固形分重量にて0.1重量部以上20重量部以下の範囲内となるように含有していることが好ましい。
【0016】
また、本発明のメタル調積層フィルムは、上記のメタル調積層フィルムにおいて、上記ウレタン樹脂(C2)が有するウレア結合量は、0.14mmol/g以上1.12mmol/g以下の範囲内にあり、上記アクリル樹脂(C1)のガラス転移点は、0℃以上100℃以下の範囲内であることが好ましい。
【0017】
また、本発明のメタル調積層フィルムは、上記のメタル調積層フィルムにおいて、上記クリヤー塗料は光硬化性を有し、光硬化前のクリヤー塗料を含んでなる上記クリヤー塗膜層(B)が有する破断伸び率は、80℃にて400%以上であり、光硬化後のクリヤー塗料を含んでなる上記クリヤー塗膜層(B)は、25℃にて80N/mm2以上のユニバーサル硬度を有し、かつ、20℃にて400kg/cm2以上の破断強度を有していることが好ましい。
【0018】
また、本発明のメタル調積層フィルムは、上記のメタル調積層フィルムにおいて、上記ガードフィルム層(A)が有する破断強度は、20℃にて10kg/cm2以上200kg/cm2以下の範囲内にあることが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、フリップフロップ性の高いメッキ調の美観や、キラキラの程度を示す光輝感に優れたメタル調積層フィルムを提供することができる。具体的には、IV(intensity value)値が350以上であり、SV(scatter value)値が30以上であり、フリップフロップ性に関するFF値が1.8以上であるメタル調積層フィルムを得ることができる。それゆえ、上記メタル調積層フィルムを用いることにより、スプレー塗装による加飾によって得られるメタリック調の外観以上の優れたメッキ調の意匠性を有するメタル調積層フィルムを提供することができる。
【0020】
また、上記メタル調積層フィルムは、成型基材を加飾する際の加工性にも優れている。すなわち、上記メタル調積層フィルムを用いて成形基材を加飾した場合に、成型基材の三次元形状に対して優れた追随性を示す。それゆえ、上記メタル調積層フィルムを用いれば、成型基材に加飾された上記メタル調積層フィルム表面の平滑性や、成型基材の三次元形状の再現性等の優れた外観特性を付与することができる。さらに、上記メタル調積層フィルムを用いて、成型基材を加飾すれば、耐候性等の化学的特性や、耐擦傷性や耐衝撃性、上記メタル調積層フィルムと成型基材との密着性等の物理的特性を付与することもできる。
【0021】
このように、本発明のメタル調積層フィルムを用いることにより、優れた意匠性と成型基材を加飾する際の加工性とを両立することができる。これにより、スプレー塗装法による塗装に比べて、塗装場所の縮小、塗装時の工程管理の容易性、消費エネルギー等の経済性の向上を達成し、かつ、スプレー塗装法以上の意匠性や加工性を実現することができる。
【0022】
また、本発明の加飾成形体は、上記の課題を解決するために、上記のメタル調積層フィルムを成型基材に加飾してなることを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、上記のメタル調積層フィルムを用いているので、フリップフロップ性の高いメッキ調の美観や、キラキラの程度を示す光輝感に優れた加飾成形体を提供することができる。また、上記加飾成形体表面のメタル調積層フィルムの平滑性や膜厚の均一性等の外観特性、成型基材とメタル調積層フィルムとの密着性や、耐候性、耐擦傷性、耐衝撃性等の化学的・物理的特性に優れた加飾成形体を提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の積層フィルム(メタル調積層フィルム)は、互いに異なる塗装材料を含む塗膜層が複数積層してなり、フリップフロップ性の高いメッキ調の美観や、キラキラとした光輝性を有している。この積層フィルムを、接着剤等を用いて、自動車部品や電子部品等の成型品(成型基材)の表面に密着するように圧着することによって、成型品表面にメッキ調の加飾を施すことができる。
【0025】
具体的には、本発明の積層フィルムは、ハイライト部分の光輝性を示すIV(intensity value)値が350以上であり、表面の光散乱性を示すSV(scatter value)値が30以上であることにより、ハイライト部分では金属感が非常に強く、シェイド部分では金属感が弱く見えるフリップフロップ性を備えている。ハイライト部分及びシェイド部分の両者間での金属感の違い(差)が大きいほど明暗度が高くなるので、フリップフロップ性が高くなる。
【0026】
このフリップフロップ性は、後述するように、FF値によって評価される。本発明の積層フィルムでは、FF値は1.8以上となっている。このFF値は、スプレー塗装による加飾によって得られるメタリック調の外観以上のFF値であり、本発明の積層フィルムが優れたメタル調(メッキ調)の意匠性を備えていることを示している。
【0027】
また、本発明の積層フィルムは、成型品を加飾した場合の、成型品表面の積層フィルムの平滑性や積層フィルムの膜厚の均一性、成型品の三次元形状の再現性、積層フィルムと成型品との密着性、耐候性、耐擦傷性、耐衝撃性等の加工性にも優れている。
【0028】
それゆえ、本発明の積層フィルムを用いて成型品の加飾を好適に行うことができるとともに、加飾された成型品(加飾成形体)に、優れた意匠性を付与することができる。つまり、本発明の積層フィルムは、成型品を加飾する際の加工性と、加飾された成型品の意匠性とを両立してなるものである。
【0029】
上記のような加工性及び意匠性を得るために、本発明の積層フィルムは、ガードフィルム層(A)上に、クリヤー塗料を塗装材料として含むクリヤー塗膜層(B)、着色塗料を塗装材料として含む着色塗膜層(C)が順に形成されてなり、該着色塗料には、後述するように、光輝材(C3)として少なくともアルミニウムフレークが含まれている。このアルミニウムフレークを含んでなる評価用塗膜を用いて評価したSV値は120以上であり、かつ該評価用塗膜を用いて評価したIV値は200以上である。また、後述するように、上記着色塗膜層(C)は、剪断力を与えて上記着色塗料を塗布することによって形成されることが好ましい。
【0030】
なお、詳細は後述するが、本発明の積層フィルムは、必要に応じて上記着色塗膜層(C)上に、さらに接着剤層、インナーフィルム層が順に形成されていてもよい。以下、これらについて順に説明する。
【0031】
[1]ガードフィルム層(A)
ガードフィルム層(A)は、後述するクリヤー塗膜層(B)及び着色塗膜層(C)等に含まれる塗料を担持するための担持体であり、上記成型品に加飾を施す際の作業性を良好に保つために用いられる。また、上記成型品を積層フィルムにて加飾して加飾成形体を得た場合に、上記クリヤー塗膜層(B)、着色塗膜層(C)等を保護して、上記成型品の表面の耐傷付性を向上するとともに、上記加飾成形体表面に平滑性を付与する。
【0032】
上記ガードフィルム層(A)が有する20℃における破断強度の下限値は、10kg/cm2以上であり、好ましくは50kg/cm2以上であるとよく、また、上限値は、200kg/cm2以下であり、好ましくは100kg/cm2以下であるとよい。破断強度が10kg/cm2未満であると、成型品を加飾した場合に積層フィルムの膜厚が不均一となり、破断強度が200kg/cm2を超えると、成型品の加飾を行う際に、成型品の三次元形状に対して追随性が低下し、好適な加飾を行うことが困難となる。
【0033】
なお、上記破断強度(kg/cm2)は、Tensilon HTM−500(商品名、TOYO BALDWIN社製)を用いて、20℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて、上記ガードフィルム層(A)を引張り、該ガードフィルム層(A)が破断したときに付与されていた単位面積当たりの力とする。
【0034】
また、上記ガードフィルム層(A)は、20℃における破断伸び率が50%以上であることが好ましく、100%以上であるとより好ましい。破断伸び率が50%以上であれば、成型品の三次元形状に対して優れた追従性が発揮されるので、良好な加飾を行うことが可能になる。
【0035】
上記破断伸び率(%)は、上記破断強度測定に使用したTensilon HTM−500を用いて決定される。すなわち、20℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて、上記ガードフィルム層(A)を引張り、該ガードフィルム層(A)を破断させる。そして、破断する時のガードフィルム層(A)の長さを、引張る前のガードフィルム層(A)の長さと比較することによって、上記破断伸び率を決定する。
【0036】
さらに、加飾後の良好な光透過性を得るために、上記ガードフィルム層(A)は、波長365nmにおける光線透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。光線透過率が50%未満であると、成型品を加飾した後、ガードフィルム層(A)を介してクリヤー塗膜層(B)に光線を照射する際に、光線の透過率が低下し、上記クリヤー塗膜層(B)を光照射によって硬化させることが困難となる。
【0037】
また、上記ガードフィルム層(A)は、積層フィルムによって加飾された成型品の表面を形成するので、水接触角が60度以上120度以下であることが好ましく、70度以上110度以下であることがより好ましい。水接触角が60度未満であると、成型品を加飾した後、ガードフィルム層(A)が剥離し難くなる。一方、水接触角が120度を越えると、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)の塗装材料であるクリヤー塗料を塗布する際に、クリヤー塗料のハジキが発生し、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)を良好に形成することが困難になる。
【0038】
上記ガードフィルム層(A)は、上記の破断強度、破断伸び率、光線透過率、水接触角を有するものであれば、材質や形態等は特に限定されない。具体的には、ノバクリアー(登録商標)SG007(商品名、三菱化学社製)、ディアクレール(登録商標)シリーズ(三菱樹脂社製)等のポリエチレンテレフタレート(PET)系フィルム;オピュラン(登録商標)TPXシリーズ(三井化学社製)、トレファン(登録商標)シリーズ(東レ合成フィルム社製)等のポリオレフィン系フィルム;アクリプレン(登録商標)シリーズ(三菱レイヨン社製)等のアクリル系フィルム等を挙げることができる。
【0039】
また、上記ガードフィルム層(A)の形態としては、例えば、単一フィルム、共押出しフィルム、ラミネートフィルム、剥離処理が施されてなる剥離処理フィルム等を挙げることができる。上記剥離処理フィルムに施されている剥離処理は、特に限定されないが、シリコーン系処理、非シリコーン系処理、ウレタン樹脂コーティング処理等によって行えばよい。
【0040】
[2]クリヤー塗膜層(B)
クリヤー塗膜層(B)は、積層フィルムに、耐候性、耐傷付性、耐衝撃性、耐水性等の物理的・化学的特性を付与するとともに、光沢性を発現させ、後述する着色塗膜層(C)によって与えられる色調を保護し、意匠性を向上させる。上記クリヤー塗膜層(B)は塗装材料であるクリヤー塗料を含んでなり、該クリヤー塗料は、電磁波(光)を照射することによって硬化する光硬化性を有するものであることが好ましい。このうち、成型品に加飾した後に照射される紫外線(UV)によって、硬化することができる紫外線硬化性を有するクリヤー塗料であることが好ましい。
【0041】
上記クリヤー塗料が光硬化性を有している場合、電磁波(光)を照射する前のクリヤー塗膜層(B)、すなわちクリヤー塗料が硬化する前のクリヤー塗膜層(B)が有する破断伸び率は、80℃の温度条件下、400%以上であることが好ましい。破断伸び率が400%未満であると、成型品を積層フィルムで加飾する場合に、クリヤー塗膜層(B)の流動状態が不均一になる。
【0042】
なお、上記破断伸び率は、PET系フィルム上に、乾燥時の厚さが40μmとなるようにクリヤー塗料を塗布し、80℃で15分間乾燥させた後、上記PET系フィルムを剥離してなる硬化前サンプルについて決定されるものである。すなわち、80℃の温度条件下にて、上記したTensilon HTM−500を用いて、50mm/minの引張速度にて上記硬化前サンプルを引張り、該硬化前サンプルを破断させて、破断伸び率を決定する。
【0043】
また、上記クリヤー塗料が硬化した場合のクリヤー塗膜層(B)が有するユニバーサル硬度(N/mm2)は、25℃の温度条件下にて、80N/mm2以上であることが好ましく、120N/mm2以上であることがより好ましい。ユニバーサル硬度が80N/mm2未満であると、クリヤー塗膜層(B)の耐擦傷性が低下する。
【0044】
なお、上記ユニバーサル硬度は、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)を形成し、該クリヤー塗膜層(B)に与えられた加重によって評価されるものである。具体的には、フィッシャースコープ(登録商標)H−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、ガードフィルム層(A)上のクリヤー塗膜層(B)表面に、30秒かけて5mNの加重を与え、この加重によってクリヤー塗膜層(B)が押し込まれたときの最大の深さを求める。そして、この最大の深さに基づいて、ユニバーサル硬度を評価する。
【0045】
さらに、上記クリヤー塗料が硬化した場合のクリヤー塗膜層(B)の破断強度は、400kg/cm2以上であることが好ましく、450kg/cm2以上であることがより好ましい。破断強度が400kg/cm2未満であると、積層フィルムの耐擦傷性や耐衝撃性が低下する。また、上記クリヤー塗料が硬化した場合のクリヤー塗膜層(B)の破断伸び率は、5%以上であることが好ましく、7%以上であることがより好ましい。この破断伸び率が5%未満であると、積層フィルムの耐擦傷性や屈曲性が低下することになる。
【0046】
なお、上記クリヤー塗料が硬化した場合のクリヤー塗膜層(B)の破断強度及び破断伸び率は、以下に示す硬化サンプルを用いて評価されるものである。すなわち、硬化サンプルは、PET系フィルム上に、乾燥時の厚さが40μmとなるようにクリヤー塗料を塗布し、80℃で15分間乾燥させる。次いで、この乾燥させたクリヤー塗料上にさらにPET系フィルムを配置し、光照射によってクリヤー塗料を硬化させ、上記PET系フィルムをいずれも剥離することによって作製される。
【0047】
この硬化サンプルを用いて、20℃の温度条件下にて、上記したTensilon HTM−500を用いて、50mm/minの引張速度にて上記硬化サンプルを引張り、該硬化サンプルを破断させて、破断強度及び破断伸び率を決定する。
【0048】
上記クリヤー塗膜層(B)は、上記の各条件を満たすクリヤー塗料を含んでなっていれば、該クリヤー塗料に含まれる成分としては特に限定されないが、アクリル系樹脂(B1)、ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)、重合開始剤(B4)が含まれていることが好ましい。さらに、上記クリヤー塗料には、上記の各成分に加えて、バインダー用樹脂や架橋剤、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、表面調整剤、消泡剤、重合禁止剤、溶剤等の他の成分(B5)を含んでいてもよい。以下、これらについて、説明する。
【0049】
[2-1]アクリル系樹脂(B1)
アクリル系樹脂(B1)は、電磁波照射によってラジカル重合する反応性アクリル系樹脂であってもよく、あるいは、電磁波照射によっても反応性を示さない非反応性アクリル系樹脂であってもよい。
【0050】
反応性アクリル系樹脂としては、骨格がアクリル樹脂であって、かつ、ラジカル重合が生じ得る重合性二重結合を有していれば特に限定されるものではない。この重合性二重結合当量は、400g以上5000g以下であることが好ましく、700g以上2000g以下であることがより好ましい。
【0051】
上記重合性二重結合当量が400g未満であると、硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。また、クリヤー塗膜層(B)の硬度が高くなりすぎて、柔軟性が低下する。これに対し、上記重合性二重結合当量が5000gを超えると、クリヤー塗膜層(B)の硬度が低下する。
【0052】
また、上記反応性アクリル系樹脂の重量平均分子量MWは、30,000以上200,000以下であることが好ましく、50,000以上150,000以下であることがより好ましい。
【0053】
上記重量平均分子量MWが30,000未満であると、硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。また、重量平均分子量MWが200,000を超えると、クリヤー塗料に含まれる反応性アクリル系樹脂以外の成分との相溶性が低下し、さらには、成型品を積層フィルムで加飾する場合に、クリヤー塗膜層(B)の流動状態が不均一になる。
【0054】
さらに、上記反応性アクリル系樹脂が有するガラス転移点Tgは、40℃以上120℃以下であることが好ましく、60℃以上90℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点Tgが40℃未満であると、硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。また、ガラス転移点Tgが120℃を超えると、硬くて脆いクリヤー塗膜層(B)となる。
【0055】
このような反応性アクリル系樹脂としては、例えば、MR8317(固形分重量42%)、MR8318(固形分重量43.5%)、MR8319(固形分重量50%)(いずれも、三菱レイヨン社製)等を挙げることができ、これらのうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0056】
また、非反応性アクリル系樹脂としては、骨格がアクリル樹脂であって、ラジカル重合性を有していないものであればよい。具体的には、重量平均分子量MWが30,000以上200,000以下であることが好ましく、50,000以上150,000以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量MWが30,000未満であると、上記クリヤー塗料をガードフィルム層(A)上に塗布した硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じる。これに対し、重量平均分子量MWが200,000を超えると、クリヤー塗料に含まれる非反応性アクリル系樹脂以外の成分との相溶性が低下し、成型品を積層フィルムで加飾する場合に、クリヤー塗膜層(B)の流動状態が不均一になる。
【0057】
さらに、上記非反応性アクリル系樹脂が有するガラス転移点Tgは、40℃以上120℃以下であることが好ましく、70℃以上110℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点Tgが40℃未満であると、硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。また、ガラス転移点Tgが120℃を超えると、硬くて脆いクリヤー塗膜層(B)となる。
【0058】
このような非反応性アクリル系樹脂としては、例えば、アクリル樹脂BR75(固形分重量100%、Tg=90℃、MW=85,000)、BR77(固形分重量100%、Tg=80℃、MW=60,000)、BR80(固形分重量100%、Tg=105℃、MW=95,000)、BR82(固形分重量100%、Tg=95℃、MW=150,000)(いずれも、三菱レイヨン社製)等を挙げることができ、これらのうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0059】
上記アクリル系樹脂(B1)、上記ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)のそれぞれの固形分重量の合計量(B1+B2+B3)100重量部中のアクリル系樹脂(B1)の含有量は、下限値が29重量部以上であることが好ましく、より好ましくは39重量部以上がよい。また、上記合計量(B1+B2+B3)100重量部中の上記アクリル系樹脂(B1)の含有量の上限値は、70重量部以下であることが好ましく、より好ましくは60重量部以下であるとよい。
【0060】
上記アクリル系樹脂(B1)の含有量が29重量部未満であると、上記クリヤー塗料をガードフィルム層(A)上に塗布した硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。また、クリヤー塗膜層(B)の硬度や耐候性が低下するという問題もある。一方、上記アクリル系樹脂(B1)の含有量が70重量部を超えると、成型品を積層フィルムで加飾する場合に、クリヤー塗膜層(B)の流動状態が不均一になるだけでなく、クリヤー塗膜層(B)の破断強度が低下し、柔軟性も低下する。
【0061】
[2-2]ウレタン系オリゴマー(B2)
ウレタン系オリゴマー(B2)としては、ウレタン結合を介して、ラジカル重合が生じ得る重合性二重結合を導入してなるものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、重量平均分子量MWが500以上10,000以下であることが好ましく、1,000以上3,000以下であることがより好ましい。
【0062】
上記重量平均分子量MWが500未満であると、クリヤー塗料が硬化する際の収縮が大きくなり、また、クリヤー塗膜層(B)の柔軟性が低下する。また、重量平均分子量MWが10,000を超えると、クリヤー塗料に含まれるウレタン系オリゴマー(B2)以外の成分との相溶性が低下し、クリヤー塗膜層(B)の破断強度も低下する。
【0063】
また、ウレタン系オリゴマー(B2)1分子当たりの重合性二重結合数が2以上6以下であることが好ましい。上記重合性二重結合数が2未満であると、クリヤー塗料の臭気がひどくなり、6を超えるとクリヤー塗膜層(B)の柔軟性が低下する。
【0064】
このようなウレタン系オリゴマー(B2)としては、例えば、エベクリルEB8804/10EA(MW=1000、重合性二重結合数2、ダイセルUCB社製)、UV7000B(MW=3500、日本合成化学工業社製)、UF8001(MW=3200、重合性二重結合数2、共栄社化学製)、UA306H(重合性二重結合数6、共栄社化学製)等を挙げることができる。上記のうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0065】
アクリル系樹脂(B1)、該ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)のそれぞれの固形分重量の合計量(B1+B2+B3)100重量部中の上記ウレタン系オリゴマー(B2)の含有量は、下限値が20重量部以上であることが好ましく、より好ましくは30重量部以上がよい。また、上記合計量(B1+B2+B3)100重量部中の上記ウレタン系オリゴマー(B2)の含有量の上限値は、70重量部以下であることが好ましく、より好ましくは60重量部以下であるとよい。
【0066】
上記ウレタン系オリゴマー(B2)の含有量が20重量部未満であると、成型品を加飾する場合に、クリヤー塗膜層(B)の流動状態が不均一になる。また、クリヤー塗膜層(B)の柔軟性が低下する。一方、上記ウレタン系オリゴマー(B2)の含有量が70重量部を超えると、上記クリヤー塗料をガードフィルム層(A)上に塗布した硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。
【0067】
[2-3]多官能モノマー(B3)
多官能モノマー(B3)としては、官能基数が2以上の(メタ)アクリレート系モノマーであれば特に限定されない。
【0068】
具体的に、上記多官能モノマー(B3)としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、NKエステル2G(新中村化学工業社製)等の2官能(メタ)アクリレート系モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート系モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能(メタ)アクリレート系モノマー;カヤラッド(登録商標)DPCA20(日本化薬社製)等の6官能(メタ)アクリレート系モノマー等を挙げることができる。上記のうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0069】
アクリル系樹脂(B1)、該ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)の固形分重量の合計量(B1+B2+B3)100重量部中の上記多官能モノマー(B3)の含有量は、下限値が1重量部以上となるように含まれていることが好ましく、上限値が、40重量部以下となるように含まれていることが好ましく、より好ましくは20重量部以下であるとよい。
【0070】
上記多官能モノマー(B3)の含有量が1重量部未満であると、クリヤー塗膜層(B)の硬度や破断強度が低下する。一方、上記多官能モノマー(B3)の含有量が40重量部を超えると、上記クリヤー塗料をガードフィルム層(A)上に塗布した硬化前のクリヤー塗膜表面に粘着性が生じ、好ましくない。また、上記クリヤー塗料が硬化する際の収縮が大きくなり、柔軟性も低下する。
【0071】
[2-4]重合開始剤(B4)
重合開始剤(B4)としては、紫外線(UV)硬化用開始剤、熱硬化用ラジカル重合開始剤等、特に限定されるものではない。
【0072】
上記紫外線硬化用開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン系化合物;2−エチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;ジフェニルスルフィド等のスルフィド系化合物;2,4−ジメチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィノキサイド等のホスフィノキサイド系化合物;イルガキュア(登録商標)−184,イルガキュア−819(いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)等を挙げることができる。これらの化合物のうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0073】
上記熱硬化用ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物を挙げることができ、例えば、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、トリゴノックス(登録商標)121−50(化薬アクゾ社製)等を挙げることができる。熱硬化用ラジカル重合開始剤としての有機過酸化物は、1種又は2種以上を用いればよい。
【0074】
上記重合開始剤(B4)の含有量は、アクリル系樹脂(B1)、該ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)のそれぞれの固形分重量の合計量(B1+B2+B3)100重量部に対して、下限値が0.1重量部以上であることが好ましく、1重量部以上であることがより好ましい。また、上記重合開始剤(B4)の含有量の上限値は、上記合計量(B1+B2+B3)100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましい。
【0075】
上記重合開始剤(B4)は、高価であるため、経済性の点からはできる限り少ない量を用いることが好ましいが、クリヤー塗料の硬化性を確保するためには、上記合計量(B1+B2+B3)100重量部に対して、少なくとも0.1重量部以上を含有していることが好ましい。
【0076】
[2-5]その他の成分(B5)
クリヤー塗料には、上記したアクリル系樹脂(B1)、ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)、重合開始剤(B4)の他に、通常、塗料材料として添加される化合物が含まれていてもよい。
【0077】
上記その他の成分(B5)としては、変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物等のバインダー用樹脂や架橋剤;チヌビン(登録商標)400,900,1130(チバスペシャルティケミカルズ社製)等の紫外線吸収剤(UVA);サノール(登録商標)LS292,LS770(三共社製)、チヌビン123(チバスペシャルティケミカルズ社製)等の光安定剤(HALS);を挙げることができる。この他、表面調整剤、消泡剤、重合禁止剤等を必要に応じて添加すればよい。
【0078】
さらに、上記各成分を混合するための溶剤として、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等、塗料に用いられる従来公知の有機溶媒を、1種又は2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
【0079】
上記その他の成分(B5)の含有量は、特に限定されるものではない。
【0080】
[3]着色塗膜層(C)
着色塗膜層(C)は、成型品に所望の着色を施して意匠性を向上させるものである。また、成型品の加飾を行った場合に、成型品の素地を隠蔽して美観を良好に保つ素地遮蔽性を備えている。
【0081】
上記着色塗膜層(C)は、塗装材料である着色塗料を含んでなり、該着色塗料として、アクリル樹脂(C1)と、ウレタン樹脂(C2)と、光輝材(C3)とが含まれている。上記着色塗料には、上記の各成分に加えて、さらに、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤、溶剤等のその他の成分(C4)を含んでいてもよい。
【0082】
また、上記着色塗料は、25℃の温度条件下における粘度の下限値が1,000mPa・S以上であることが好ましく、1,500mPa・S以上であることがより好ましい。また、上記着色塗膜層(C)の25℃における粘度の上限値は、5,000mPa・S以下であることが好ましく、4,500mPa・S以下であることがより好ましい。
【0083】
粘度の下限値が1,000mPa・S未満であると、十分なメタル調の外観が得られず、好ましくない。また、粘度の上限値が5,000mPa・Sを超えると、着色塗膜層(C)の平滑性が低下する。
【0084】
以下、上記着色塗料に含まれる各成分について、説明する。
【0085】
[3-1]アクリル樹脂(C1)
アクリル樹脂(C1)は、特に限定されないが、重量平均分子量MWが3,000以上30,000以下であることが好ましく、10,000以上20,000以下であることがより好ましい。重量平均分子量MWが3,000未満であると、着色塗膜層(C)の破断強度が低下し、また、重量平均分子量MWが30,000を超えると、着色塗料に含まれるアクリル樹脂(C1)以外の成分との相溶性が低下する。
【0086】
また、上記アクリル樹脂(C1)が有するガラス転移点Tgの下限値は、0℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。また、上記ガラス転移点Tgの上限値は、100℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点Tgが0℃未満となると、着色塗膜層(C)の破断強度が低下し、また、ガラス転移点Tgが100℃を超えると、フリップフロップ性の高いメッキ調の美観を有する積層フィルムを得ることが困難となる。
【0087】
上記範囲内の重量平均分子量MW及びガラス転移点Tgを有するアクリル樹脂(C1)としては、例えば、NBC2050−55(固形分重量55%、東レ社製),NBC2058(固形分重量50%、東レ社製),NBCワニスB(固形分重量50%、三井東圧社製),ACR9013(固形分重量50%、日本ペイント社製)、BAR010(固形分重量50%、日立化成社製)等を挙げることができる。これらのうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0088】
アクリル樹脂(C1)及びウレタン樹脂(C2)のそれぞれの固形分重量の合計量(C1+C2)100重量部中の上記アクリル樹脂(C1)の含有量の下限値は、10重量部以上であることが好ましく、20重量部以上であることがより好ましい。また、上記アクリル樹脂(C1)の含有量の上限値は、上記総量(C1+C2)100重量部中に、80重量部以下であることが好ましく、70重量部以下であることがより好ましい。
【0089】
上記アクリル樹脂(C1)の含有量の下限値が10重量部未満であると、クリヤー塗膜層(B)と着色塗膜層(C)との間の密着性が低下して層間剥離が生じ、また、耐候性も低下する。これに対し、上記アクリル樹脂(C1)の含有量の上限値が80重量部を超えると、着色塗膜層(C)を形成する際の流動状態が不均一になり、また、着色塗膜層(C)の柔軟性が低下する。
【0090】
[3-2]ウレタン樹脂(C2)
ウレタン樹脂(C2)は、特に限定されないが、重量平均分子量MWが10,000以上100,000以下であることが好ましく、40,000以上60,000以下であることがより好ましい。
【0091】
また、ウレア結合(−NH−CO−NH−)量の下限値が0.14mmol/g以上であることが好ましく、0.56mmol/g以上であることがより好ましい。また、ウレア結合量の上限値は、1.12mmol/g以下であることが好ましく、0.84mmol/g以下であることがより好ましい。ウレア結合量が0.14mmol/g未満であると、着色塗膜層(C)の破断強度が低下し、ウレア結合量が1.12mmol/gを超えると、着色塗膜層(C)を形成する際の流動状態が不均一になり、着色塗料に含まれるウレタン樹脂(C2)以外の成分との相溶性が低下する。
【0092】
さらに、上記ウレタン樹脂(C2)は、OH基、COOH基、NH2基のうち、少なくとも1つ以上を含有していることが好ましく、特にOH基を含有していることが好ましい。
【0093】
上記ウレタン樹脂(C2)としては、例えば、XE−75−H3(固形分重量25%)、XE−75−H17(固形分重量25%)、XE−75−H29(固形分重量25%)、XE−75−H30(固形分重量25%)、XE−75−H31(固形分重量40%)、XE−75−H40(固形分重量35%)(いずれも三井武田ケミカル社製)等を挙げることができる。これらのうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0094】
アクリル樹脂(C1)及びウレタン樹脂(C2)の固形分重量の合計量(C1+C2)100重量部中の上記ウレタン樹脂(C2)の含有量は、下限値が20重量部以上であることが好ましく、30重量部以上であることがより好ましい。また、上記合計量(C1+C2)100重量部中の上記ウレタン樹脂(C2)の含有量の上限値は、90重量部以下であることが好ましく、80重量部以下であることがより好ましい。
【0095】
上記ウレタン樹脂(C2)の含有量の下限値が20重量部未満であると、着色塗膜層(C)を形成する際の流動状態が不均一になり、また柔軟性も低下する。これに対し、上記ウレタン樹脂(C2)の含有量の上限値が90重量部を超えると、クリヤー塗膜層(B)と着色塗膜層(C)との間の密着性が低下して層間剥離が生じ、また、耐候性も低下する。
【0096】
[3-3]光輝材(C3)
光輝材(C3)は、少なくともアルミニウムフレークを含んでいればよく、該アルミニウムフレーク以外の成分が含まれていてもよい。
【0097】
上記アルミニウムフレークは、金属アルミニウムを主成分としてなり、粉末状であってもよく、ペースト状であってもよい。このアルミニウムフレークを用いることにより、積層フィルムにメッキ感を発現させることができる。
【0098】
本発明では、上記したように、IV値が350以上であり、SV値が30以上であり、かつ、FF値が1.8以上である積層フィルムを得るために、以下に示すIV値及びSV値を発現させることができるアルミニウムフレークを用いることが好ましい。
【0099】
上記のIV値、SV値、FF値の積層フィルムを得ることができれば、上記アルミニウムフレークとしては、特に限定されないが、該アルミニウムフレークを含んでなる後述する評価用塗膜を形成した場合に、所定以上の光輝性と光散乱性とを発現することが好ましい。この光輝性及び光散乱性は、それぞれ、レーザー式メタリック感測定装置アルコープ(登録商標)LMR−200(商品名、関西ペイント社製)を用いて測定されるIV値及びSV値によって評価することができる。
【0100】
本発明では、後述する評価用塗膜を用いてIV値を評価した場合に、IV値の下限値が200以上であることが好ましく、250以上であることがより好ましい。IV値が200未満であると、積層フィルムのハイライト部分でのメタル調の外観を得ることができなくなる。
【0101】
また、本発明では、上記評価用塗膜を用いてSV値を評価した場合に、SV値が120以上であることが好ましく、130以上であることがより好ましい。SV値が120未満となると、積層フィルムのシェイド部分にて、メタル調の外観を得ることが困難となる。
【0102】
なお、本発明の上記評価用塗膜は、アクリル系塗料液(R241塗料液)にアルミニウムフレークを分散してなるアルミ塗料液を、樹脂素材に塗布して乾燥させてなるものであり、具体的には、下記の手順にて作成される。
【0103】
すなわち、R241塗料液(日本ビー・ケミカル社製)に対して、顔料重量濃度(PWC)が15重量%となるように、アルミニウムフレークを添加して撹拌し、アルミニウムフレークが分散してなる分散液を得る。その後、この分散液に、NK#2カップを用いて、25℃にて粘度が12秒となるように、キシレンを添加してアルミ塗料液を得る。次いで、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)素材表面に、上記アルミ塗料液を乾燥したときの膜厚が15μmになるようにスプレー塗装する。続いて、ウエットオンウェットで上記R241クリヤー塗料液を乾燥したときの膜厚が40μmになるようにスプレー塗装する。その後、80℃で30分間焼付けを行って、上記アルミ塗料液及び上記R241クリヤー上塗塗料を乾燥させ、評価用塗膜とする。
【0104】
さらに、上記アルミニウムフレークの平均粒径は、2μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上35μm以下であることがより好ましい。平均粒径が2μm未満であると光輝感が低下し、50μmを超えるとブツが発生しやすくなる。
【0105】
具体的には、上記アルミニウムフレークとして、65−388アルペースト(登録商標)、7640NSアルペースト、91−0621アルペースト、91−4061アルペースト(いずれも、東洋アルミニウム社製)等を挙げることができる。
【0106】
上記アルミニウムフレークの含有量は、アクリル樹脂(C1)及びウレタン樹脂(C2)のそれぞれの固形分重量の合計量(C1+C2)100重量部に対して、下限値が1重量部以上であることが好ましく、5重量部以上であることがより好ましい。また、上記アルミニウムフレークの含有量の上限値は、上記合計量(C1+C2)100重量部に対して、30重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましい。
【0107】
上記アルミニウムフレークの含有量が1重量部未満であると、メタル調の美観を有する積層フィルムを得ることが困難となる。また、上記アルミニウムフレークの含有量が30重量部を超えると、クリヤー塗膜層(B)と着色塗膜層(C)との間の密着性が低下し、さらに着色塗膜層(C)の凝集力も低下する。
【0108】
また、光輝材(C3)に含まれる上記アルミニウムフレーク以外の成分としては、例えば、干渉マイカ、ホワイトマイカ等のマイカ光輝材;アルミニウム以外の金属又は合金等の、無着色又は着色された金属製光輝材を挙げることができる。これらの成分のうち1種又は2種以上を組み合わせて用いればよく、その含有量は、特に限定されない。
【0109】
[3-4]その他の成分(C4)
着色塗膜層(C)には、上記したアクリル樹脂(C1)、ウレタン樹脂(C2)、光輝材(C3)の他に、通常、塗料材料として添加される化合物を含んでいてもよい。
【0110】
上記その他の成分(C4)としては、バインダー用樹脂や架橋剤、顔料、溶剤、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)、表面調整剤、消泡剤、導電性充填剤等を含んでいてもよい。上記バインダー用樹脂や架橋剤としては、例えば、変性アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物等を挙げることができる。また、溶剤として、エステル系、エーテル系、アルコール系、アミド系、ケトン系、脂肪族炭化水素系、脂環族炭化水素系、芳香族炭化水素系等、通常、塗料に用いられる有機溶媒を、1種又は2種以上を組み合わせて添加してもよい。
【0111】
さらに、上記顔料として、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペノリン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソシンドリノン系顔料等の有機着色顔料;二酸化チタン、黄色酸化鉄、黄鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機着色顔料;タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質顔料等を挙げることができる。これらの顔料のうち、1種又は2種以上を用いればよい。
【0112】
また、上記表面調整剤として、BYK053(ビックケミージャパン社製)を用いてもよい。
【0113】
上記その他の成分(C4)の含有量は、特に限定されるものではない。
【0114】
[4]接着剤層
接着剤層は、成型品を積層フィルムにて加飾する際に、積層フィルムを成型品表面に密着させて接着させるために用いられる。
【0115】
接着剤層に含まれる接着剤としては、従来公知の接着剤であれば特に限定されないが、例えば、バイロン(登録商標)UR−3200(東洋紡社製)、UR−1361ET(アロンエバーグリップ社製)等を挙げることができる。
【0116】
[5]インナーフィルム層
インナーフィルム層は、積層フィルムを巻き取り保存する際に、ガードフィルム層と接着剤層との融着を防止するために、必要に応じて形成される。インナーフィルム層に用いられるインナーフィルムとしては、特に限定されないが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン/ポリプロピレンの共押出しフィルム又はラミネートフィルム、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。
【0117】
具体的には、トーセロ(登録商標)TAF−511(トーセロ社製)、BO−2500(東レ社製)等を挙げることができる。
【0118】
インナーフィルム層は、成型品を加飾する際に剥離されるので、インナーフィルム層の剥離を好適に行い得るように、上記の各フィルムの表面には、剥離処理が施されていてもよい。
【0119】
次に、上記の各層を有してなる積層フィルムの製造方法について説明する。
【0120】
本実施の形態では、上記クリヤー塗料及び着色塗料は、適当な溶剤に溶解して用いられる。そのため、まず、上記クリヤー塗料に含まれる各成分を、上記にて説明したように、適当な溶剤を用いて混合し、クリヤー塗料溶液を調製する。また、上記着色塗料についても同様に、着色塗料に含まれる各成分を適当な溶剤と混合し、着色塗料溶液を調製する。
【0121】
次いで、ガードフィルム層(A)上に、上記クリヤー塗料溶液を、所望する厚さのクリヤー塗膜層(B)が得られるように塗布する。塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレーによる吹付け塗布、アプリケータやバーコータ、ダイコータ、コンマコータ、ローラブラシ、はけ、へらを用いた塗布等を挙げることができる。このうち、アプリケータを用いた塗布が特に好ましい。上記いずれかの塗布方法によって、クリヤー塗料溶液を塗布した後、該クリヤー塗料溶液中の溶剤を除去するために、加温乾燥を行って、クリヤー塗膜層(B)を形成する。
【0122】
続いて、上記クリヤー塗膜層(B)上に、上記着色塗料溶液を、所望する厚さの着色塗膜層(C)が得られるように塗布する。このとき、着色塗料溶液に剪断力を与えることによって塗布されることが好ましい。この剪断力は、例えば、アプリケータ等を用いた場合に、クリヤー塗膜層(B)表面と、該クリヤー塗膜層(B)表面に対向するアプリケータ表面との2面間にて、互いにずれ(すべり)を引き起こす外力を指す。つまり、上記クリヤー塗膜層(B)表面にアプリケータを押し付け、該クリヤー塗膜層(B)表面上を滑らせることによって、着色塗料、すなわち着色塗料溶液を塗布することが好ましい。これにより、クリヤー塗膜層(B)表面に塗布される着色塗料溶液には、剪断応力が生じることになる。
【0123】
上記のように、剪断力を与えて着色塗料溶液を塗布するためには、上記アプリケータの他、例えば、ダイコータ、バーコータ、ロールコータ、コンマコータ等を用いて塗布すればよい。
【0124】
上記手順にて、着色塗料溶液を塗布した後、該着色塗料溶液中の溶剤を除去するために、加温乾燥を行って、着色塗膜層(B)を形成する。このように、剪断力を付与しながら、着色塗膜層(B)を形成することによって、積層フィルムにメタル調の美観を与え、意匠性を向上することができる。
【0125】
次いで、上記着色塗膜層(B)上に、所望する厚さの接着剤層が得られるように、接着剤を塗布する。塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレーによる吹付け塗布、アプリケータやダイコータ、バーコータ、ローラブラシ、はけ、へらを用いた塗布等を挙げることができる。接着剤層は、上記のいずれかの手法によって塗布された接着剤を加温乾燥することによって得られる。そして、必要に応じて、インナーフィルムをゴムロール等によってラミネートし、インナーフィルム層を形成すれば、本発明の積層フィルムを得ることができる。
【0126】
以上のようにして得られた積層フィルムを用いて成型品を加飾する場合には、従来公知の手法と同様に行えばよく、特に限定されるものではない。すなわち、積層フィルムからインナーフィルム層を剥離し、接着剤層が成型品表面に面するようにして、成型品表面に積層フィルムが密着するように、該積層フィルムを圧着させて加飾する。その後、クリヤー塗膜層(B)に反応性のクリヤー塗料を用いた場合には、電磁波照射を行い、クリヤー塗料を硬化させる。なお、積層フィルムを成型品に密着させる場合には、真空条件下にて行うことが好ましい。
【0127】
これにより、成型品表面に、順に、着色塗膜層(C)、クリヤー塗膜層(B)が形成され、最も外側がガードフィルム層(A)となっている加飾成形体が得られる。
【0128】
なお、本発明の積層フィルムによって好適に加飾を施すことができる成型品は、メッキ調の意匠性が要求される成型品に加飾を施したものであれば特に限定されないが、例えば、フロントグリルやドアハンドル、ホイールキャップ等の自動車部品、携帯電話やオーディオ製品、冷蔵庫、ファンヒータ、照明器具等の家電製品の筐体、洗面化粧台等を挙げることができる。
【0129】
【実施例】
〔積層フィルムの製造例〕
<クリヤー塗料溶液の調製>
撹拌機を備えた容器に、アクリル系樹脂(B1)、ウレタン系オリゴマー(B2)、多官能モノマー(B3)を入れ、撹拌しながら、さらに重合開始剤(B4)、紫外線吸収剤(UVA)、光安定剤(HALS)を加え、最後に、トルエン/酢酸エチルエステル/イソプロピルアルコール=80/5/15の重量比の溶剤を添加した。これらを30分間撹拌して、クリヤー塗料溶液を得た。
【0130】
<着色塗料溶液の調製>
撹拌機を備えた容器に、アクリル樹脂(C1)及びウレタン樹脂(C2)を入れ、撹拌しながら、さらにアルミニウムフレーク及び、表面調整剤を加え、最後に、溶剤としてトルエンを添加して30分間撹拌し、着色塗料溶液を得た。
【0131】
<積層フィルムの作製>
ガードフィルム層(A)上に、乾燥したときの膜厚(以下、乾燥膜厚)が40μmのクリヤー塗膜層(B)が得られるように、上記クリヤー塗料溶液を、アプリケータを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させてクリヤー塗膜層(B)を形成した。なお、以下では、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が形成されてなるものを、(A+B)層フィルムと記載する。
【0132】
次いで、上記(A+B)層フィルムのクリヤー塗膜層(B)上に、乾燥膜厚が20μmの着色塗膜層(C)が得られるように、アプリケータを用いて剪断力を与え、着色塗料に剪断応力が生じるようにして上記着色塗料溶液を塗布し、その後、80℃にて15分間乾燥させ、着色塗膜層(C)を形成した。
【0133】
続いて、着色塗膜層(C)上に、乾燥膜厚が10μmの接着剤層が得られるように、接着剤(バイロンUR−3200、東洋紡社製)を、バーコータを用いて塗布し、80℃にて15分間乾燥させ、接着剤層を形成した。最後に、トーセロTAF−511(トーセロ社製)を、ゴムロールを用いてラミネートし、インナーフィルム層を形成し、インナーフィルム付き積層フィルムを得た。
【0134】
〔積層フィルムによって加飾された成形体の製造例〕
1)加飾成形体(X1)及びUV硬化成形体(X2)の作製
上下ボックスからなる両面真空成形装置(商品名NGF−0912、布施真空社製)内に装備された上下昇降テーブル上に、150mm×150mm×3mmのABS製成型基材(成型品)を載置した。その後、上記にて得たインナーフィルム付き積層フィルムのインナーフィルム層を剥離し、上記両面真空成形装置の成型基材(成型品)の上部にあるシートクランプ枠に、インナーフィルム層を剥離した積層フィルム(以下、積層フィルムと記載)をセットした。続いて、上下ボックス内の真空度が99.0kPaになるように減圧し、近赤外線ヒータを用いて積層フィルムの温度が90℃になるまで加熱し、成型基材を上昇させて、成型基材と積層フィルムとを圧着させ、5秒間保持した。その後、上ボックスのみを大気圧に開放し、積層フィルムで加飾された加飾成形体(X1)を得た。
【0135】
さらに、上記加飾成形体(X1)のガードフィルム層(A)側から、80W/cm2の高圧水銀灯を用いて、2000mJ/cm2の光量の紫外線を照射し、クリヤー塗膜層(B)のクリヤー塗料を硬化させ、UV(紫外線)硬化成形体(X2)を得た。
【0136】
2)加飾成形体(Y1)及びUV硬化成形体(Y2)の作製
上記1)にて用いた成型基材に代えて、直径150mmのABS製半球状成型基材を用いた以外は、上記1)と同様の手法にて、加飾成形体(Y1)及びUV硬化成形体(Y2)を得た。
【0137】
〔ガードフィルム層(A)の評価〕
ガードフィルム層(A)に用いられるガードフィルムを10mm×50mmにカットして、破断伸び率(%)及び破断強度(kg/cm2)を評価した。
【0138】
すなわち、Tensilon HTM−500(商品名、TOYO BALDWIN社製)を用い、20℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて上記ガードフィルムを引張り、破断した時のガードフィルムについて破断伸び率を決定し、さらに、該ガードフィルムが破断したときに与えられていた力を破断強度として決定した。
【0139】
〔クリヤー塗膜層(B)の評価〕
クリヤー塗膜層(B)について、以下の評価を行った。
【0140】
<表面不粘着性の評価>
クリヤー塗料溶液を乾燥することによって、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が形成されて得られた上記(A+B)層フィルムを80℃で15分間乾燥し、25℃の温度条件下にて5分間放置した後、該(A+B)層フィルムのクリヤー塗膜層(B)表面のタックの有無を指触によって判定した。タックがない場合には、クリヤー塗膜層(B)表面が不粘着性であるので合格(○)とし、タックが有る場合には、クリヤー塗膜層(B)表面に粘着性があるので不合格(×)とした。
【0141】
<耐擦傷性の評価>
上記(A+B)層フィルムに対して、80W/cm2の高圧水銀灯を用いて、2000mJ/cm2の光量の紫外線を照射し、硬化(A+B)層フィルムを得た。
【0142】
上記にて得た硬化(A+B)層フィルムを用い、該硬化(A+B)層フィルムのクリヤー塗膜層(B)上にガーゼを8枚重ね、該ガーゼ上に500gの分銅を載置して、磨耗試験機内を100往復させた。その後、クリヤー塗膜層(B)表面を目視にて観察した。観察の結果、クリヤー塗膜層(B)表面に傷がない場合を合格(○)とし、傷がある場合を不合格(×)として評価した。
【0143】
<ユニバーサル硬度の評価>
フィッシャースコープH−100(フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、25℃の温度条件下、上記にて得た硬化(A+B)層フィルムのクリヤー塗膜層(B)表面に、30秒かけて5mNの加重を与えるように負荷を加え、この加重によってクリヤー塗膜層(B)が押し込まれたときの最大の深さを求めた。求められた最大の深さに基づいて、硬度を算出し、ユニバーサル硬度(N/mm2)を決定した。
【0144】
<破断伸び率及び破断強度の評価>
クリヤー塗料が硬化する前のクリヤー塗膜層(B)の破断伸び率(%)と、クリヤー塗料が硬化した後のクリヤー塗膜層(B)の破断伸び率(%)及び破断強度(kg/cm2)を、以下のように評価した。
【0145】
1)クリヤー塗料が硬化する前のクリヤー塗膜層(B)の破断伸び率の評価
PET系フィルムであるルミラー(登録商標)S−10(東レ社製)上に、乾燥時の厚さが40μmとなるように、上記クリヤー塗料溶液を塗布し、80℃で15分間乾燥させて乾燥サンプルを得た。この乾燥サンプルを10mm×50mmにカットし、さらに上記ルミラーS−10を剥離して、クリヤー塗料が硬化していないクリヤー塗膜層(B)を有する硬化前サンプルを得た。
【0146】
次いで、上記したTensilon HTM−500を用い、80℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて上記硬化前サンプルを引張り、破断した時の硬化前サンプルについて、破断伸び率を決定した。
【0147】
2)クリヤー塗料が硬化した後のクリヤー塗膜層(B)の破断伸び率及び破断強度の評価
上記乾燥サンプルのクリヤー塗料上に、さらに、上記ルミラーS−10を配置した後、80W/cm2の高圧水銀灯を用いて、2000mJ/cm2の光量の紫外線を照射し、クリヤー塗料が硬化してなるクリヤー塗膜層(B)を有する硬化後サンプルを得た。該硬化後サンプルを10mm×50mmにカットし、クリヤー塗膜層(B)の両面のルミラーS−10を剥離して、破断評価用サンプルとした。
【0148】
次いで、上記と同様、Tensilon HTM−500を用い、20℃の温度条件下、50mm/minの引張速度にて上記破断評価用サンプルを引張り、破断した時の破断評価用サンプルについて破断伸び率を決定し、さらに破断評価用サンプルが破断した時に与えられていた力を破断強度として決定した。
【0149】
〔アルミニウムフレークの評価〕
上記着色塗料溶液に含まれるアルミニウムフレークを含んでなる評価用塗膜を作製し、該評価用塗膜について、レーザー式メタリック感測定装置アルコープLMR−200(商品名、関西ペイント社製)を用いて、IV値、SV値、FF値を測定した。
【0150】
<評価用塗膜の作製>
R241塗料液(日本ビー・ケミカル社製)を撹拌しながら、顔料重量濃度(PWC)が15重量%となるようにアルミニウムフレークを添加し、該アルミニウムフレークが分散してなる分散液を得た。その後、この分散液に、NK#2カップを用いて、25℃にて粘度が12秒となるように、キシレンを添加してアルミ塗料液を得た。
【0151】
次いで、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)素材表面に、上記アルミ塗料液を乾燥したときに、その膜厚が15μmになるようにスプレー塗装した。続いて、ウエットンウエットで、上記R241塗料液を乾燥したときの膜厚が40μmとなるようにスプレー塗装した。その後、80℃で30分間焼付けを行って、上記アルミ塗料液及び上記R241クリヤー上塗塗料を乾燥させ、膜厚が55μmである評価用塗膜を得た。
【0152】
<IV値、SV値、FF値の測定>
アルコープLMR−200の取扱い説明書に従って、上記評価用塗膜について、IV値、SV値、FF値を測定した。
【0153】
〔着色塗料の粘度の評価〕
上記にて得た着色塗料溶液を所定の容器に入れ、B型粘度計RC100(東機産業社製)を用いて、25℃の温度条件下、回転数30rpmにて、上記着色塗料溶液の粘度を測定した。
【0154】
〔積層フィルムによって加飾された成形体の評価〕
積層フィルムによって加飾された成形体について、以下の評価を行った。
【0155】
<IV値、SV値、FF値の評価>
上記にて得られたUV硬化成形体(X2)のガードフィルム層(A)を剥離し、上記アルコープLMR−200を用いて、クリヤー塗膜層(B)側からIV値、SV値、FF値を測定した。
【0156】
メタル調の基準値は、IV値350、SV値30、FF値1.8であり、上記の測定によって得られた各値が、この基準値以上であれば、メタル調であるとして、合格とした。
【0157】
<外観特性の評価>
上記にて得られたUV硬化成形体(X2・Y2)のそれぞれについて、ガードフィルム層(A)を剥離し、▲1▼メタル調の外観であるか、▲2▼表面が平滑であるか、について目視にて評価した。
【0158】
外観がメタル調であり、かつ、表面が平滑である場合には合格(○)とし、上記▲1▼、▲2▼のうちのいずれかが満たされていない場合には×とし、不合格とした。
【0159】
<密着性の評価>
上記にて得られたUV硬化成形体(X2)のガードフィルム層(A)を剥離し、クリヤー塗膜層(B)表面にて、JISK−5400−8.5.2碁盤目テープ法に準じた密着試験を行った。密着試験の結果、クリヤー塗膜層(B)に、剥離やカケ等の異常がみられない場合には合格(○)とし、異常がみられた場合には不合格(×)とした。
【0160】
<耐候性の評価>
上記にて得られたUV硬化成形体(X2)のガードフィルム層(A)を剥離し、クリヤー塗膜層(B)側から、サンシャインウェザオメータ試験を1000時間行い、サンシャインウェザオメータ試験を行う前と、上記サンシャインウェザオメータ試験を行った後とを比較して、表面の光沢、色差、ワレの有無を目視で評価した。
【0161】
テスト後のUV硬化成形体(X2)の表面について、テスト前の表面と比べた場合に、光沢、色差、ワレのいずれにおいても異常が認められなければ合格(○)とし、光沢、色差、ワレの少なくとも1つに異常が認められれば不合格(×)とした。
【0162】
<成形性の評価>
上記にて得られた加飾成形体(Y1)のクリヤー塗膜層(B)及び着色塗膜層(C)の流動状態の均一性、層の厚さの均一性、成形基材の形状の再現性について、目視で評価した。
【0163】
上記クリヤー塗膜層(B)及び着色塗膜層(C)のいずれの層においても、流動状態の均一性、層の厚さの均一性、成形基材の形状の再現性に異常がみられない場合には、合格(○)とした。また、クリヤー塗膜層(B)及び/又は着色塗膜層(C)に、流動状態の均一性、層の厚さの均一性、成形基材の形状の再現性のうちのいずれかの異常がみられた場合には、不合格(×)とした。
【0164】
〔実施例1〜3〕
表1に示す[a]ガードフィルム層(A)、[b]クリヤー塗料溶液、[c]着色塗料溶液を用い、上記手順にて積層フィルムを作製するとともに、該積層フィルムによって加飾成形体を作製し、上記の各評価を行った。その結果を表3に示す。また、着色塗料溶液に含まれるアルミニウムフレークを含有してなる評価用塗膜のIV値、SV値、FF値については、表9に示す。
【0165】
なお、表3及び後述の表5・表8では、上記アルコープLMR−200にてメータが振り切れるために測定不可能な400を超えるIV値、2.0を超えるFF値については、これらの値に「<」を付し、メータが振り切れたことを示している。
【0166】
また、本実施例及び以下に示す実施例及び比較例にて、積層フィルムの作製に用いた使用材料の詳細については、表9及び表10に示すとおりである。
【0167】
【表1】
Figure 0003984924
【0168】
〔比較例1〜3〕
表2に示す[a]ガードフィルム層(A)、[b]クリヤー塗料溶液、[c]着色塗料溶液を用い、上記手順にて積層フィルムを作製するとともに、該積層フィルムによって加飾成形体を作製し、上記の各評価を行った。その結果を表3に示す。また、着色塗料溶液に含まれるアルミニウムフレークを含有してなる評価用塗膜のIV値、SV値、FF値については、表9に示す。
【0169】
【表2】
Figure 0003984924
【0170】
【表3】
Figure 0003984924
【0171】
〔実施例4・5〕
表4に示す[a]ガードフィルム層(A)、[b]クリヤー塗料溶液、[c]着色塗料溶液を用い、上記手順にて積層フィルムを作製するとともに、該積層フィルムによって加飾成形体を作製し、上記の各評価を行った。その結果を表5に示す。また、着色塗料溶液に含まれるアルミニウムフレークを含有してなる評価用塗膜のIV値、SV値、FF値については、表9に示す。
【0172】
【表4】
Figure 0003984924
【0173】
【表5】
Figure 0003984924
【0174】
〔実施例6〜8〕
表6に示す[a]ガードフィルム層(A)、[b]クリヤー塗料溶液、[c]着色塗料溶液を用い、上記手順にて積層フィルムを作製するとともに、該積層フィルムによって加飾成形体を作製し、上記の各評価を行った。その結果を表8に示す。また、着色塗料溶液に含まれるアルミニウムフレークを含有してなる評価用塗膜のIV値、SV値、FF値については、表9に示す。
【0175】
【表6】
Figure 0003984924
【0176】
〔比較例4〜6〕
表7に示す[a]ガードフィルム層(A)、[b]クリヤー塗料溶液、[c]着色塗料溶液を用い、上記手順にて積層フィルムを作製するとともに、該積層フィルムによって加飾成形体を作製し、上記の各評価を行った。その結果を表8に示す。また、着色塗料溶液に含まれるアルミニウムフレークを含有してなる評価用塗膜のIV値、SV値、FF値については、表9に示す。
【0177】
【表7】
Figure 0003984924
【0178】
【表8】
Figure 0003984924
【0179】
【表9】
Figure 0003984924
【0180】
【表10】
Figure 0003984924
【0181】
【発明の効果】
本発明のメタル調積層フィルムは、以上のように、ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が積層されてなり、該クリヤー塗膜層(B)上に、着色塗料を剪断力を与えて塗布することによって着色塗膜層(C)が形成されてなり、上記着色塗料は、光輝材(C3)として、高SV値及び高IV値を発現させることができるアルミニウムフレークを含み、25℃にて1000mPa・S以上5000mPa・S以下の範囲内の粘度を有するものである。
【0182】
それゆえ、フリップフロップ性の高いメッキ調の美観や、キラキラの程度を示す光輝感に優れた意匠性を備え、かつ、成型基材を加飾した場合の該成型基材の三次元形状の再現性や、成型基材との密着性、耐候性等に優れたメタル調積層フィルムを提供することができる。
【0183】
また、本発明のメタル調積層フィルムを用いて、成型基材の加飾を行うことにより、加飾を好適に行うことができる。これにより、意匠性に優れ、上記加飾成形体表面のメタル調積層フィルムの平滑性や膜厚の均一性等の外観特性、成型基材とメタル調積層フィルムとの密着性や、耐候性、耐擦傷性、耐衝撃性等の化学的・物理的特性に優れた加飾成形体を提供することができる。
【0184】
特に、本発明のメタル調積層フィルムは、メッキ調の優れた意匠性を有しているので、メッキ調の意匠性が要求される成型基材に対して適用することができる。さらに、本発明のメタル調積層フィルムは、成型基材とメタル調積層フィルムとの密着性や、耐候性、耐擦傷性、耐衝撃性等にも優れている。そのため、本発明のメタル調積層フィルムは、例えば、自動車のフロントグリル、ドアハンドル、ホイールキャップ等に好適に用いることができる。また、携帯電話やオーディオ製品、冷蔵庫、ファンヒータ、照明器具等の家電製品の筐体、洗面化粧台等に適用することもできる。

Claims (7)

  1. ガードフィルム層(A)上にクリヤー塗膜層(B)が積層されてなり、該クリヤー塗膜層(B)上に、着色塗料を塗布することによって着色塗膜層(C)が形成されてなるメタル調積層フィルムであって、
    上記着色塗料は、少なくともアクリル樹脂(C1)と、ウレタン樹脂(C2)と、光輝材(C3)とを含むとともに、上記着色塗料が有する粘度は、25℃にて1000mPa・S以上5000mPa・S以下の範囲内にあり、
    上記光輝材(C3)は、少なくともアルミニウムフレークを含み、該アルミニウムフレークを含んでなる評価用塗膜が有するSV値は120以上であり、かつ該評価用塗膜が有するIV値は200以上であり、
    上記着色塗膜層(C)は、剪断力を与えて上記着色塗料を塗布することによって形成されているものであり、
    上記クリヤー塗膜層(B)は、少なくとも反応性アクリル系樹脂(B1)と、ウレタン系オリゴマー(B2)と、多官能モノマー(B3)と、重合開始剤(B4)とを含有するクリヤー塗料を塗布することによって形成されているものであり、
    上記ウレタン樹脂(C2)が有するウレア結合量は、0.14mmol/g以上1.12mmol/g以下の範囲内にあり、
    上記ウレタン樹脂(C2)は、OH基、COOH基、NH 基のうち、少なくとも1つ以上を含有しているものであることを特徴とするメタル調積層フィルム。
  2. 上記着色塗膜層(C)上には、さらに接着剤層が積層されていることを特徴とする請求項1記載のメタル調積層フィルム。
  3. 上記着色塗料は、上記アクリル樹脂(C1)の固形分重量及び上記ウレタン樹脂(C2)の固形分重量の合計量(C1+C2)100重量部中に、上記アクリル樹脂(C1)を固形分重量部にて10重量部以上80重量部以下の範囲内となるように含有するとともに、上記ウレタン樹脂(C2)を固形分重量にて20重量部以上90重量部以下の範囲内となるように含有し、さらに、上記合計量(C1+C2)100重量部に対して、上記アルミニウムフレークを固形分重量にて1重量部以上30重量部以下の範囲内となるように含有し、
    上記クリヤー塗料は、上記反応性アクリル系樹脂(B1)の固形分重量と、上記ウレタン系オリゴマー(B2)の固形分重量と、上記多官能モノマー(B3)の固形分重量との合計量(B1+B2+B3)100重量部中に、上記反応性アクリル系樹脂(B1)を固形分重量にて29重量部以上70重量部以下の範囲内となるように含有し、上記ウレタン系オリゴマー(B2)を固形分重量にて20重量部以上70重量部以下の範囲内となるように含有し、上記多官能モノマー(B3)を固形分重量にて1重量部以上40重量部以下の範囲内となるように含有し、さらに、上記合計量(B1+B2+B3)100重量部に対して、上記重合開始剤(B4)を固形分重量にて0.1重量部以上20重量部以下の範囲内となるように含有していることを特徴とする請求項1又は2記載のメタル調積層フィルム。
  4. 上記アクリル樹脂(C1)のガラス転移点は、0℃以上100℃以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1、2又は3記載のメタル調積層フィルム。
  5. 上記クリヤー塗料は光硬化性を有し、
    光硬化前のクリヤー塗料を含んでなる上記クリヤー塗膜層(B)が有する破断伸び率は、80℃にて400%以上であり、
    光硬化後のクリヤー塗料を含んでなる上記クリヤー塗膜層(B)は、25℃にて80N/mm以上のユニバーサル硬度を有し、かつ、20℃にて400kg/cm以上の破断強度を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のメタル調積層フィルム。
  6. 上記ガードフィルム層(A)が有する破断強度は、20℃にて10kg/cm以上200kg/cm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のメタル調積層フィルム。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のメタル調積層フィルムを成型基材に加飾してなることを特徴とする加飾成形体。
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