JP3984609B2 - プラズマ処理装置の電極構造 - Google Patents
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Description
前記板支持部材が、前記1の電極の両側部に一対設けられ、これら板支持部材が、前記固体誘電体板の両縁部を支持していることが望ましい。
これによって、スライド構成を簡単化できる。
これによって、各構成部材の製造誤差などに関わらず、固体誘電体板を電極に押し当てた状態で、ネジ部材を板支持部材の長孔を通して電極本体部のネジ孔に確実にねじ込むことができ、板支持部材を電極本体部に確実かつ簡単に固定できる。
これによって、各構成部材の製造誤差などに関わらず、固体誘電体板を電極に押し当てた状態で、ネジ部材を電極本体部の孔無しの部位にねじ込むことにより、板支持部材を電極本体部に確実かつ簡単に固定できる。
これによって、板支持部材を電極本体部に安定的に設置できるとともに、固体誘電体板を安定的に支持できる。
これによって、処理ガスを導入部から電極間空間へスムーズに送り込むことができ、処理済みのガスを電極間空間から導出部へスムーズに流出させることができる。また、前記固体誘電体板の傾斜縁面付きの縁部を前記固体誘電体板の断面レ字状溝に嵌めた構成との組み合わせによって、固体誘電体板の縁面での異常放電を防止できることも確認できた。
本発明における略常圧(大気圧近傍の圧力)とは、1.333×104〜10.664
×104Paの範囲を言う。特に9.331×104〜10.397×104Paの範囲は
、圧力調整が容易で装置構成が簡便になり、好ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る常圧プラズマ処理装置M1を模式的に示したものである。装置M1は、上下に対をなす電極ユニット10,20と、ガス給排機構30と、送り機構60を備えている。上側のユニット10の電極11(図3)は、給電線41を介して電界印加手段40に接続され、下側ユニット20の他の電極21(図10)は、接地線42を介して接地されている。電界印加手段40は、例えばパルス状の電圧を出力する。これにより電極ユニット10,20間の略常圧の電極間空間1aが、プラズマ空間になる。このプラズマ空間1aにガス給排機構30によって処理ガスが導入され、プラズマ化される。そして、送り機構60によって上側ユニット10が、下側のユニット20上のワークW(被処理物)をスキャンするように前後に水平移動される。(プラズマ空間1a内にワークWが通される。)これによって、ワークWのプラズマ表面処理が行なわれるように
なっている。勿論、送り機構は、ワークWを移動させるようになっていてもよい。
電極11とホルダ12とによって、「電極本体部」が構成されている。
前記電界印加手段40からの給電線41は、各ユニット10の電極11にそれぞれ分岐して接続されている(図1参照)。
固体誘電体板13の支持構造などに関する構成は、本発明の要旨を含むものであるので、追って更に詳述する。
なお、擬似ユニット19の左右両端部についても同様に構成されている。
図1に示すように、常圧プラズマ処理装置M1のガス給排機構30は、上側の電極ユニット10に付設された二種類のユニット31,51と、処理ガス源3と、排気ポンプ5とを備えている。処理ガス源3からフレキシブルなガス供給管3aが延び、これが分岐して3つ(複数)の吹出しユニット31(処理ガス吹出し手段)にそれぞれ連なっている。2つ(複数)の吸込みユニット51(ガス吸込み手段)からフレキシブルな排気管5aがそれぞれ延び、これらが互いに合流して排気ポンプ5に連なっている。
ユニット10の上面間に跨るようにして配置されている。これら吸込みユニット51に対応する隙間10aは、符号「10a2」にて示すことにする。
図3、図5、図9に示すように、吹出しユニット31は、左右に延びる二重のパイプ33,34と、この二重パイプ33,34を収容するケーシング32とを有している。内パイプ33の例えば右端部(一端部)に、前記ガス供給管3aが接続されることにより、処理ガス源3の処理ガスが、管3aを経てパイプ33の内部に導入されるようになっている。内パイプ33の上側部には、スポット状の小孔33aが長手方向に沿って短間隔置きに多数形成されている。処理ガスは、これら小孔33aを通って内外のパイプ33,34間の空間に入り込むようになっている。内パイプ33は、外パイプ34に対し上側に偏芯している。これにより、内外のパイプ33,34間の空間は、上側で狭く、下側で広くなっている。この空間を処理ガスが上から下に流れる。こうして、処理ガスが、左右長手方向に均一化されるようになっている。外パイプ34の下側部には、略全長にわたるスリット34aが形成されている。このスリット34aが、上記の対応隙間10a1に連なっている。これにより、処理ガスが、スリット34aおよび対応隙間10a1を通り、プラズマ空間1aへ吹出されるようになっている。
図3、図6、図9に示すように、吸込みユニット51は、左右に延びるケーシング52と、このケーシング52内を上下2つのチャンバー52a,52bに仕切る隔壁53とを有している。ケーシング52の底板54には、略全長にわたるスリット54aが形成されている。このスリット54aを介して、下側のチャンバー52bが、上記の対応隙間10a2に連なっている。隔壁53には、左右に間隔を置いて複数の円孔53aが形成されている。この円孔53aを介して上下のチャンバー52a,52bが連なっている。ケーシング52の天板の中央部には、上側のチャンバー52aに連なる排出筒54が設けられている。この排出筒54に前記排気ポンプ5への排気管5aが接続されている。排気ポンプ5を駆動することにより、プラズマ空間1aにおける処理済みのガス(処理により生じた副生成物を含む)が、長手方向に沿って均一に対応隙間10a2へ吸込まれ、ユニット51のスリット54a、下チャンバー52b、円孔53a、上チャンバー52a、および排出筒54を順次経た後、管5aを経て排気ポンプ5から排気されるようになっている。
したがって、各電極ユニット10の前後両側のサイドプレート14のうち一方のサイドプレート14の外表面は、処理ガスのプラズマ空間1aへの導入路の画成面として提供され、他方のサイドプレート14の外表面は、プラズマ空間1aからのガスの導出路の画成面として提供されている。
から吸込みユニット51に吸込まれるようになっている(図1の矢印参照)。これによって、どのユニット10の下側においても、大きな活性度を得ることのできる新鮮な処理ガスだけを流すことができ、プラズマ表面処理の効率を向上させることができる。
上述したように、各電極ユニット10の下面には、固体誘電体板13が設けられている。固体誘電体板13は、電極11とは別体をなして分離可能になるとともに、ホルダ12の前後側面のサイドプレート14によって支持されている。
すなわち、下側(接地電極の側)から上側(電界印加電極の側)へ向かうにしたがってサイドプレート14の側へ突出するように傾斜されている。これにより、固体誘電体板13の前後縁部は、ナイフエッジ状に尖り、ナイフエッジ部13cを形成している。
この変形例においても、サイドプレート14とホルダ12は、ボルト95(ネジ部材)によって固定される。一方、サイドプレート14のボルト95挿通用の孔14dは、長孔ではなく、通常の丸孔である。また、図11(a)に示すように、サイドプレート14を固定する前のホルダ12には、ボルト95用の孔がまったく形成されていない。
体板13の電極11への押し当て状態を維持しながら、サイドプレート14をホルダ12に簡単に固定することができる。
ホルダ12には、ボルト95のねじ込みによってネジ孔12gが形成されることになる。勿論、ホルダ12は、ボルト95をねじ込み可能な程度に軟質の樹脂にて構成され、ボルト95は、ホルダ12にねじ込み可能な程度に硬質の金属にて構成されている。
例えば、固体誘電体板13の上面にアルミ箔などの導電体層を貼り付けておき、この導電体層が電極11に押し当てられて導通するようにしてもよい。
電界印加電極(上側電極)に代えて、またはそれに加えて、接地電極(下側電極)に本発明を適用してもよい。
プラズマ処理装置の一対の電極を、円筒状電極と、この円筒状電極の円筒面に対応する部分円筒凹面を有する凹面電極とで構成し、この凹面電極に本発明を適用することもできる。この場合、固定誘電体板は、部分円筒凹面に対応する湾曲板形状をなす。
実施形態のように被処理物が電極間空間内に配置される所謂ダイレクト式の装置に限らず、被処理物が電極間空間の外に配置され、これに向けてプラズマ流を吹出す所謂リモート式の装置にも適用できる。
本発明は、略常圧下に限らず、減圧下でのプラズマ処理にも適用できる。
本発明は、洗浄、エッチング、成膜、表面改質、アッシング等の種々のプラズマ処理に遍く適用できる。
W ワーク
1a プラズマ空間(電極間空間)
10X 電界印加電極装置
10 電界印加電極ユニット
10a1 吹出しユニット対応隙間(電極間空間への処理ガスの導入路)
10a2 吸込みユニット対応隙間(電極間空間からのガスの導出路)
11 電界印加電極(1の電極、電極本体部の構成要素)
12 ホルダ(電極本体部の構成要素)
12a 縦突起(嵌合凸部)
13 固体誘電体板
13c ナイフエッジ部(固体誘電体板の傾斜された縁部)
14 サイドプレート(板支持部材)
14a 縦溝(ガイド溝)
14b 長孔
14c 凹溝(断面レ字状の溝)
20 接地電極ユニット
21 接地電極(他の電極)
91 ボルト(長孔に通されるネジ部材)
95 ボルト(電極本体部の孔無し部位にねじ込まれるネジ部材)
Claims (3)
- 1の電極と、この1の電極の他の電極との対向面を覆う固体誘電体の板と、前記1の電極の両側部に配置され、前記固体誘電体板を支持する一対の板支持部材とを備え、前記板支持部材が、前記他の電極との対向方向に沿ってスライド可能、かつ前記固体誘電体板を前記1の電極の前記対向面に当てた状態で前記1の電極に対し固定可能であることを特徴とするプラズマ処理装置の電極構造。
- 前記板支持部材が、前記1の電極に対し側方からネジ部材によって固定されることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置の電極構造。
- 前記固体誘電体板の前記1の電極側の面に導電体層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置の電極構造。
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