JP4429681B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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図1は、本発明の特許請求しない第1実施形態に係る常圧プラズマ処理装置M1を示したものである。装置M1は、チャンバー9を備え、このチャンバー9内に処理ヘッド1とステージ4が収容されている。チャンバー9の例えば上端部には、雰囲気ガス源2Cからの空気や不活性ガス等の雰囲気ガスを受容れる受容れポート9aが設けられ、下端部には排気ポート9bが設けられている。これにより、チャンバー9内が、上記雰囲気ガスで満たされている。なお、チャンバー9内の圧力は略常圧になっている。
拡散器10は、器本体11と吹出し路構成部材12とを有している。器本体11は、上板とその四辺に設けられた低い周側壁とを有して扁平状をなし、下端が開放されている。器本体11の上板の左右中央部には、電極31,32と略同じ長さだけ前後に延びる導入路11aが形成されている。この導入路11aが、電極31,32の対向面の下側の長手側縁どうし間に形成された電極間通路30aの下流端にストレートに連なっている。
供給源2Aからの処理ガスが、電極間通路30aに導入される。これと併行して、電源3によって電極31,32間にパルス電界が印加される。これによって、通路30a内にグロー放電が形成され、処理ガスがプラズマ化(活性化)される。このプラズマガスが、導入路11aを経て拡散路10aに入り、左右に拡散する。そして、各吹出し路12aを通過して吹出される。これによって、ステージ4上の被処理物Wにプラズマを一度に広範囲に照射できるとともに、プラズマの利用効率を高めることができる。
図2は、本発明の特許請求しない第2実施形態を示したものである。第2実施形態の常圧プラズマ処理装置M2では、拡散器10の吹出し路構成部材12より下側に例えば多孔板からなる整流板13が設けられている。拡散器10の各吹出し路12aから吹出されたプラズマガスは、吹出し路構成部材12と整流板13との間で均一化され、整流板13の多数の孔(図示せず)を通って被処理物Wに吹付けられる。これによって、吹出し口12aと吹出し口12aの間の部分に対応する位置でも、各吹出し口12の真下に対応する位置と殆ど同程度に処理でき、より一層の均一処理を実現できる。
図3および図4に示すように、第3実施形態に係る常圧プラズマ処理装置M3のヘッド本体1Xには、長尺電極31,32の対が左右に離れて2つ(複数)設けられている。電源3からの給電線3aが分岐して各電極対の電界印加電極31に接続されている。なお、電源3を2つ(複数)設け、2つの電界印加電極31に別々に接続することにしてもよい。また、処理ガス供給源2Aからのガス供給ライン2bが分岐して、各電極対の電極間通路30aに接続されている。拡散器本体11の上板14には、各電極間通路30aに対応する2条のスリット状導入路11a(図6(A))が形成されている。
なお、図3および図4に示すように、拡散路10aの左右中央部には、隔壁19が設けられている。これによって、拡散路10aが、左右2つに仕切られ、左右それぞれの電極間通路30aに連なっている。
図5の矢印線に示すように、拡散路10aの前後方向の中央部においては、整流片80の整流板部82によってガス流をボルト61,71側に寄るように導くことができる。これによって、ボルト61,71が一列に配置されていても、処理ムラが出来るのを防止できる。
拡散器10の2つの拡散路10aは、隔壁19によって互いに隔てられているので、活性度の落ちた処理ガスが、他の電極間通路30aからの処理ガスと混ざるのを防止することができる。
スライド絞り板16の長孔16bは、前記突出量調節用のカムフォロアとしての役目と熱膨張の許容手段としての役目の両方を担っている。
例えば、電極間通路に近い吹出し路の入口だけでなく全体が、電極間通路から遠い吹出し路より狭くなっていてもよい。
各吹出し路(特に電極間通路から遠い吹出し路)の入口とその先の部分とは、等幅になっていてもよい。
間隔調節手段、出没量調節機構等は、上記実施形態に限られない。
拡散路は、複数段に分岐するツリー状をなしていてもよい。
本発明は、グロー放電に限らず、コロナ放電や沿面放電によるプラズマ処理にも適用でき、略常圧下に限らず、減圧下でのプラズマ処理にも適用でき、CVD(成膜)、洗浄、表面改質、エッチング、アッシングなどの種々のプラズマ処理にあまねく適用できる。
第1実施形態の装置M1を用いて、フォトレジストのアッシング処理を行なった。処理ガスとしてO2を用い、雰囲気ガスは、大気とした。印加電圧は、15kVとし、周波数は、20kHzとした。そして、被処理物W上の各位置におけるアッシングレートを測定した。なお、参考のために、同装置M1において複数の吹出し路12aの入口12bの幅を互いに同一とした場合についても同様の条件下で処理し、測定を行なった。
参考例(吹出し路12aの入口12bが同幅)では、レートが中央部で高く、周辺部に向かうにしたがって低くなった。これに対し、本発明態様(電極間通路30aに近い吹出し路12aほど入口12が幅狭)では、周辺部においても中央部と同様のレートを得ることができた。
整流板13無しでは、レートが多少ばらついたのに対し、整流板13付きでは、ほぼ均一化でき、吹出し口12aと吹出し口12aの間の部分に対応する位置でも、各吹出し口12の真下に対応する位置と殆ど同程度に処理できることが判明した。
W 被処理物
1 処理ヘッド
10 拡散器
10a 拡散路
11 拡散器本体
12 吹出し路構成部材
12a 吹出し路
12b 吹出し路の入口(幅狭部)
12c 吹出し口(幅広部)
15 吹出し路構成板
15a 吹出し路構成板の両端部の長孔
16 スライド絞り板
16a スライド絞り板の中央部の長孔
16b スライド絞り板の両端部の長孔(カムフォロア)
17 固定絞り板
17a 固定絞り板の両端部の長孔
19 隔壁
30a 電極間通路
31,32 電極
61 ボルト(連結部材)
63 ボルト(回転軸)
65 偏芯カム
71 ボルト(連結固定部材)
82 整流板部
Claims (10)
- 間に処理ガスの通路を形成する一対の電極と、前記電極間通路の下流側に配された拡散器を備え、前記拡散器には、前記電極間通路から延展する拡散路と、この拡散路の随所に設けられた複数の吹出し路とが形成され、各吹出し路にその開度を調節する開度調節手段が設けられており、前記開度調節手段は、吹出し路の入口のみを開度調節するようになっており、前記電極間通路に近い吹出し路と遠い吹出し路の入口より下流側の吹出し口どうしは、互いに同じ開度であり、前記開度調節手段が、吹出し路の入口に出没可能な絞り板と、この絞り板の出没量を調節する出没量調節機構とを有しており、前記拡散器が、前記電極と接合された拡散器本体と、この器本体の前記電極とは逆側部に設けられ、吹出し路を構成する吹出し路構成板とを有し、これら器本体と吹出し路構成板の間に前記拡散路が形成され、前記絞り板が、前記吹出し路構成板の拡散路側の面にスライド可能に設けられており、前記出没量調節機構が、前記吹出し路構成板に変位可能に設けられたカムと、前記絞り板に形成され、前記カムとのカム作用を起こすカムフォロアとによって構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 前記カムが、前記吹出し路構成板の拡散路側の面と直交する回転軸まわりに回転可能な偏芯カムであり、前記絞り板に形成されたカムフォロアが、前記偏芯カムが嵌め込まれるとともに前記スライド方向と直交する向きに延びる長孔であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
- 間に処理ガスの通路を形成する一対の電極と、前記電極間通路の下流側に配された拡散器を備え、前記拡散器には、前記電極間通路から延展する拡散路と、この拡散路の随所に設けられた複数の吹出し路とが形成され、各吹出し路にその開度を調節する開度調節手段が設けられており、前記開度調節手段は、吹出し路の入口のみを開度調節するようになっており、前記電極間通路に近い吹出し路と遠い吹出し路の入口より下流側の吹出し口どうしは、互いに同じ開度であり、前記開度調節手段が、吹出し路の入口に出没可能な絞り板と、この絞り板の出没量を調節する出没量調節機構とを有しており、前記拡散器が、前記電極と接合された拡散器本体と、この器本体の前記電極とは逆側部に設けられ、吹出し路を構成する吹出し路構成板とを有し、これら器本体と吹出し路構成板の間に前記拡散路が形成され、前記絞り板が、前記吹出し路構成板の拡散路側の面にスライド可能に設けられており、前記一対の電極が、長尺状をなし、前記拡散器の拡散路が、前記電極の一長手側縁どうし間の略全長にわたって連なるとともに電極と直交する方向に面状に延展し、前記吹出し路構成板が、複数有って前記電極と同方向に延びるとともに互いに幅方向すなわち前記直交方向に間隔を空けて並べられ、隣り合う吹出し構成板どうしの間に前記吹出し路が形成され、各吹出し路構成板には前記絞り板が同方向に延びるようにして設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
- 前記吹出し路構成板の長手方向の端部が、前記拡散器本体に長手方向への伸縮を許容されるようにして支持されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
- 前記絞り板の長手方向の中央部が、連結部材を介して前記吹出し路構成板に前記スライドを許容されるようにして連結され、
前記出没量調節機構が、前記絞り板の長手方向の端部に配され、しかも該絞り板の伸縮を許容していることを特徴とする請求項3または4に記載のプラズマ処理装置。 - 隣り合う2つの吹出し路構成板のうちの一方に、前記スライド可能な絞り板が設けられ、他方の吹出し路構成板には、該吹出し路構成板と同方向に延びる固定絞り板が、前記スライド絞り板へ向けて突出するようにして設けられ、これら固定絞り板とスライド絞り板との間に、前記吹出し路の入口が形成されていることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記固定絞り板の長手方向の中央部は、連結固定部材を介して前記吹出し路構成板に固定され、固定絞り板の長手方向の端部は、前記吹出し路構成部材に長手方向への伸縮を許容されるようにして連結されていることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
- 前記拡散路には、前記連結部材と連結固定部材の一部が前記直交方向に一列に並んで配置されており、この列の両側には、ガス流を前記電極間空間から遠ざかるにしたがって前記列に向けて偏らせる整流板部を設けたことを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
- 前記開度調節手段によって、前記電極間通路に近い吹出し路ほど遠い吹出し路より狭くなるように設定されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のプラズマ処理装置。
- 前記電極の対が複数並べられ、前記拡散路には、隣り合う電極間通路の中間に対応する位置に隔壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のプラズマ処理装置。
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