JP3984040B2 - 書込みヘッド調整装置およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばディジタル複合機、プリンタ、およびファクシミリなどの画像形成装置に用いられる書込みユニットに関し、特に、書込みヘッドと感光体ドラムとの間隔および書込みヘッドの感光体ドラムの走査方向に対する傾きを調整する書込みヘッド調整装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置、たとえばディジタル複合機、プリンタおよびファクシミリなどに用いられる書込みヘッド、たとえばLED(Light Emitting
Diode)ヘッドなどは、感光体ドラムに対して所定の間隔で位置決めされて取り付けられる。
【0003】
しかしながら、書込みヘッドと感光体ドラムとの距離が同一となるように組み立てることは非常に困難であり、組み立て時にばらつきが生じてしまう。したがって、組み立てた後で装置毎に書込みヘッドの位置を調整する必要がある。
【0004】
このような問題に鑑み、LEDヘッドの下部を開放可能なクラムシェル方式の画像形成装置が知られている。クラムシェル方式の画像形成装置では、書込みヘッドと感光体ドラムとを所定の距離に位置決めするときに、LEDヘッドの下部を開放することができるので、書込みヘッドの取り付け位置を調整することができる。
【0005】
また、特開平5−278266号公報に書込みヘッドと感光体ドラムとの距離を調整可能なプリンタ装置が開示されている。特開平5−2782266号公報に開示される従来技術は、LEDヘッドが取り付けられる一のフレームを本体フレームの上方に開放可能に構成し、本体装置の上方からLEDヘッドと感光体ドラムとの距離を調整することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、LEDヘッドの下部の開放が可能なクラムシェル方式を採用できない構造の画像形成装置、および小型化のために空きスペースを設けることができない構造の画像形成装置の場合、一旦装置を組み立ててしまうと書込みヘッドの位置を調整する箇所に調整工具などが挿入できない。したがって、LEDヘッドの位置の調整を行うために装置を分解する必要があり、調整に手間がかかるといった問題がある。
【0007】
また、特開平5−278266号公報の従来技術に開示されるプリンタ装置では、LEDヘッドの上方からLEDヘッドの位置の調整を行うので、LEDヘッドの上方にプリンタ装置の構成部材がある場合には、プリンタ装置を分解する必要がある。また、LEDヘッドと感光体ドラムとの距離を調整することは可能であるが、LEDヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することはできない。
【0008】
また、書込みヘッドの調整はテスト印字を行いその印刷結果に基づいて行われるので、できるだけすぐに印刷可能な状態でLEDヘッドの調整作業を行うことができる画像形成装置が望まれている。
【0009】
本発明の目的は、本体装置の側部から書込みヘッドと感光体ドラムとの距離および書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きの少なくともいずれか一方を調整可能な書込みヘッド調整装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、本体装置のフレーム間に回転可能に支持される円筒形の感光体ドラムに対向して配置される書込みヘッドの位置を調整する書込みヘッド調整装置において、
感光体ドラムに略平行に配置される支持軸と、
書込みヘッドを保持し、前記支持軸に支持される枠部材と、
前記本体装置のフレーム側に設けられ、前記支持軸を中心として枠部材をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整する調整手段とを備えることを特徴とする書込みヘッド調整装置である。
【0013】
本発明に従えば、支持軸は感光体ドラムに略平行に配置され、この支持軸は書込みヘッドを保持する枠部材を支持する。円筒形の感光体ドラムが回転可能に支持される本体装置のフレーム側に設けられる調整手段は、支持軸を中心として枠部材をねじり回転させることができ、これによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。したがって、本体装置の側部から書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。なお、走査傾きの調整とは、書込みヘッドの長手方向を感光体ドラムの回転軸線を中心とする円筒形状の面内で感光体ドラムの軸線方向と平行にすることである。
【0014】
また本発明は、本体装置のフレーム間に回転可能に支持される円筒形の感光体ドラムに対向して配置される書込みヘッドの位置を調整する書込みヘッド調整装置において、
感光体ドラムに略平行に配置される支持軸と、
前記支持軸に沿って移動し、感光体ドラムの軸線に略平行に移動する移動部材と、
前記支持軸に支持される枠部材と
書込みヘッドの両端部に設けられ、前記移動部材および枠部材に当接する当接部材と、
前記当接部材を移動部材側および枠部材側に付勢する弾発性部材と、
前記本体装置のフレーム側に設けられ、前記移動部材を移動させて書込みヘッドと感光体ドラムとの距離を調整する第1調整手段と、
前記支持軸を中心として枠部材をねじり回転させることによって枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整する第2調整手段とを備えることを特徴とする書込みヘッド調整装置である。
【0015】
本発明に従えば、支持軸は感光体ドラムに略平行に配置され、支持軸は書込みヘッドを保持する枠部材を支持する。円筒形の感光体ドラムが回転可能に支持される本体装置のフレーム側に設けられる第1調整手段によって、移動部材を支持軸に沿って移動させ、感光体ドラムの軸線に略平行に移動させることができる。書込みヘッドの両端部に設けられる移動部材および枠部材には当接部材が当接し、当接部材は弾発性部材によって移動部材側および枠部材側に付勢されている。移動部材の感光体ドラムの軸線方向への移動に伴って、当接部材を感光体ドラムに向かう方向、または感光体ドラムから離反する方向に移動させることで、書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離を調整することができる。また、本体装置のフレーム側に設けられる第2調整手段は、支持軸を中心として枠部材をねじり回転させることができ、これによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。したがって、本体装置の側部から書込みヘッドと感光体ドラムとの距離と、書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きとを調整することができる。
【0016】
また本発明は、前記移動部材および当接部材の少なくともいずれか一方は、感光体ドラムの軸線方向に傾斜する傾斜面を有し、当接部材は傾斜面に案内されて移動することで書込みヘッドと感光体ドラムとの距離を調整することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、移動部材および当接部材の少なくともいずれか一方は、感光体ドラムの軸線方向に傾斜する傾斜面を有する。したがって、移動部材を感光体ドラムの軸線方向に移動させることで傾斜面に沿って当接部材を感光体ドラムに向かう方向、または感光体ドラムから離反する方向に案内することができる。つまり、感光体ドラムの軸線に略平行に移動部材を移動させることで、感光体ドラムの軸線方向に垂直な方向に当接部材を移動させることができ、書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離を調整することができる。
【0018】
また本発明は、前記移動部材は、書込みヘッドの両端部に設けられる当接部材の両方に対して設けられることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、移動部材は書込みヘッドの両端部に設けられる当接部材の両方に対して設けられるので、書込みヘッドの両端部において個別に感光体ドラムとの距離を調整することができる。したがって、感光体ドラムの軸線方向に沿って書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離を精度が高く、また容易に調整することができる。
【0020】
また本発明は、前記移動部材は、本体装置のフレーム側に突出する突出片を備え、
前記枠部材は、前記突出片との位置関係によって書込みヘッドと感光体ドラムとの位置関係を確認するための開口部を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、移動部材には本体装置のフレーム側に突出する突出片が設けられ、枠部材には前記突出片が突出可能な開口部が設けられる。調整手段によって移動部材を移動させて書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離を調整するときに、移動部材が移動することによって突出片が移動するので、開口部と突出片との位置関係によって、書込みヘッドと感光体ドラムとの位置関係を確認することができる。
【0022】
また本発明は、前記感光体ドラムの軸線方向をX軸方向とし、前記X軸方向に垂直で感光体ドラムの軸線から移動部材に向かう方向をY軸方向とし、前記X軸方向およびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする場合に、
前記弾発性部材は、書込みヘッドの一端部に設けられる第1当接部材のY軸方向一端部を移動部材に対してY軸方向に付勢し、Y軸方向他端部を枠部材に対してZ軸方向に付勢し、書込みヘッドの他端部に設けられる第2当接部材のY軸方向一端部を移動部材に対してY軸方向およびZ軸方向に付勢し、Y軸方向他端部を枠部材に対してX軸方向およびZ軸方向に付勢することで書込みヘッドの位置決めが行われることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、書込みヘッドの一端部をY軸方向およびZ軸方向に位置決めし、他端部をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に位置決めすることができ、書込みヘッドをX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の全ての方向に位置決めすることができる。また、第1移動部材のY軸方向一端部および他端部、第2移動部材のY軸方向一端部および他端部のそれぞれを個別にX軸方向、Y軸方方向、およびZ軸方向に位置決めしないので、支持軸を中心として枠部材をねじり回転させたときに書込みヘッドのねじれを防止することができる。
【0024】
また本発明は、前記移動部材は、第2当接部材のY軸方向一端部が当接する凹部を有し、
前記凹部の底部はX軸方向に傾斜する傾斜面とし、前記凹部の底部および側面に前記当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで、書込みヘッドのY軸方向およびZ軸方向の位置決めが行われることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、移動部材は第2当接部材のY軸方向一端部が当接する凹部を有する。凹部の底部をX軸方向に傾斜する傾斜面として、凹部の底部および凹部の側面に第2当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで1方向の付勢力によってY軸方向およびZ軸方向の位置決めを行うことができる。
【0026】
また本発明は、前記枠部材は、第2当接部材のY軸方向他端部が係止する係止部を有し、
前記係止部にはZ軸方向に先端部を有する楔形の切り込みが形成され、切り込み底部の2箇所に第2当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで、書込みヘッドのX軸方向およびZ軸方向の位置決めが行われることを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、枠部材は第2当接部材のY軸方向他端部が係止される係止部を有する。係止部にはZ軸方向に先端部を有する楔形の切り込みが形成される。この切り込みの底部の2箇所に第1当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで、1方向の付勢力によってX軸方向およびZ軸方向の位置決めを行うことができる。
【0028】
また本発明は、前記凹部の底部には、Z軸方向に傾斜する第2の傾斜面が形成され、前記凹部はX軸に垂直な断面形状が楔形状であることを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、前記凹部の底部には、Z軸方向で感光体ドラムに向かう方向に傾斜する第2の傾斜面が形成される。第1当接部材は、凹部の底部に形成された第2の傾斜面に当接することで、凹部の側面に当接しやすくなり、1方向の付勢によって第1の当接部材のY軸方向およびZ軸方向の位置決めを確実に行うことができる。
【0030】
また本発明は、前記枠部材は、書込みヘッドよりも剛性が低いことを特徴とする。
【0031】
本発明に従えば、枠部材は書込みヘッドよりも剛性が低いので、枠部材をねじり回転させて、枠部材に支持された書込みヘッドを移動させ、書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。また、枠部材をねじり回転させ変形させたときに、書込みヘッドがねじれて変形することを防止できる。
【0032】
また本発明は、前記、書込みヘッド調整装置を備え、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像した画像を記録部材に転写して画像形成物を得ることを特徴とする画像形成装置である。
【0033】
本発明に従えば、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、前記書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって、静電潜像を形成することができる。感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーによって現像し、記録部材に転写することによって高品質な画像を形成することができる。また、本体装置の側部から書込みヘッドの位置調整を行うことができるので、テスト印刷を実行しながらでも調整作業を行うことができる。
【0034】
また本発明は、前記書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとしてフレームに着脱自在に構成され、前記ユニットのフレームに対しての位置決めは、フレームの一方側部に設けられる切欠きと、他方側部に設けられる孔によって行われることを特徴とする。
【0035】
本発明に従えば、書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとして本体装置のフレームに着脱自在に構成されるので、書込みヘッドの交換では、書込みヘッド調整装置ごと本体装置のフレームから外して交換することができる。また、フレームの一方側部には切欠きが設けられ、他方側部には孔が設けれ、前記ユニットはこれらによってフレームに位置決めされるので、書込みヘッドを感光体ドラムに対して確実に位置決めすることができる。
【0036】
また本発明は、前記、書込みヘッド調整装置を備え、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像した画像を記録部材に転写して画像形成物を得る画像形成装置であって、
前記書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとしてフレームに着脱自在に構成され、前記ユニットのフレームに対しての位置決めは、フレームの一方側部に設けられる切欠きに支持軸の一方側を当接し、他方側部に設けられる孔に支持軸の他方側を挿通することで、前記ユニットの位置決めを行うことを特徴とする画像形成装置である。
【0037】
本発明に従えば、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、前記書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって、静電潜像を形成することができる。感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーによって現像し、記録部材に転写することによって高品質な画像を形成することができる。また、本体装置の側部から書込みヘッドの位置調整を行うことができるので、テスト印刷を実行しながらでも調整作業を行うことができる。また、書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとして本体装置のフレームに着脱自在に構成されるので、書込みヘッドの交換などでは、書込みヘッド調整装置ごと本体装置のフレームから外して交換することができる。また、フレームの一方側部に設けられる切欠きに支持軸の一方側を当接し、フレームの他方側に設けられる孔に支持軸の他方側を挿通することで、書込みヘッドを感光体ドラムに対して確実に位置決めすることができる。
【0038】
また本発明は、前記、書込みヘッド調整装置を備え、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像した画像を記録部材に転写して画像形成物を得る画像形成装置であって、
枠部材の一端部に調整手段が配置され、フレームの一方側部に枠部材の一端部が支持軸を中心として回動自在に支持され、フレームの他方側部に枠部材の他端部が固定され、調整手段によって支持軸を中心に枠部材の一端部をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することを特徴とする画像形成装置である。
【0039】
本発明に従えば、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、前記書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって、静電潜像を形成することができる。感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーによって現像し、記録部材に転写することによって高品質な画像を形成することができる。また、本体装置の側部から書込みヘッドの位置調整を行うことができるので、テスト印刷を実行しながらでも調整作業を行うことができる。また、書込みヘッド調整装置の枠部材の一端部はフレームの一方側部に対して回動可能に設けられ、枠部材の他端部はフレームの他方側部に対して固定される。調整手段は枠部材の一方端部に配置され、支持軸を中心に枠部材をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の画像形成装置であるディジタルカラー複写機(以下、複写機と略称する)1の構成を概略的に示す断面図である。
【0041】
複写機1は、本体上部に原稿台111および操作パネル(図示しない)を備え、本体内部に画像読み取り部110および画像形成部210を備える。原稿載置台111の上面には、原稿載置台111に対して開閉可能に支持され、原稿載置台111に対して所定の位置関係をもって両面自動原稿送り装置(RADF;
Reversing Automatic Document Feeder)112が設けられる。
【0042】
複写機1は、カラー画像の複写が可能な電子写真方式の画像形成装置である。原稿台111の上に載置される原稿の画像または両面自動原稿送り装置112によって搬送される原稿の画像を画像読み取り部110で読み取り、読み取った原稿の画像を画像形成部210の第1〜第4画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdで記録紙100上に再現する。第1の画像形成ステーションPaは記録紙100に原稿画像の黒色成分の画像を再現し、第2の画像形成ステーションPbは記録紙100に原稿画像のシアン成分の画像を再現し、第3の画像形成ステーションPcは記録紙100に原稿画像のマゼンタ成分の画像を再現し、第4画像形成ステーションPdは記録紙100に原稿画像のイエロー成分の画像を再現する。第1〜第4の画像形成ステーションPa〜Pdは同一の構成であるので、これらをまとめて画像形成ステーションPとして説明する。
【0043】
図2は、画像形成部210の画像形成ステーションPの構成を拡大して示す断面図である。画像形成ステーションPは、記録紙100にトナー像を形成するユニットである。画像形成ステーションPは、複写機1のフレーム間に回転可能に水平に支持される円筒形状の感光体ドラム222、感光体ドラム222を一様に帯電させる帯電器223、感光体ドラム222の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像する現像装置224、現像された感光体ドラム222の表面のトナー像を記録紙100に転写する転写用放電器225、感光体ドラム222の表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置226を含み構成される。前記帯電器223、224、転写用放電器225およびクリーニング装置226は、感光体ドラム222の回転方向に沿って順に配置される。また、感光体ドラム222と転写用放電器225との間には、記録紙100を搬送する転写搬送ベルト216が設けられ、記録紙100を矢符Z方向に搬送する。感光体ドラム222は、図1および図2の紙面に垂直な方向に延びる回転軸L1を中心に矢符Fの方向に回転する。
【0044】
また画像形成ステーションPは、書込みヘッドであるLEDヘッド227を備える。LEDヘッド227は感光体ドラム222の上方で、その長手方向が感光体ドラム222の軸線方向に略平行に設けられる。LEDヘッド227は、感光体ドラム222の回転方向に沿って設けられる帯電器223と現像装置224との間に配置され、帯電器223で帯電させた感光体ドラム222の表面に光を照射して静電潜像を形成する。
【0045】
LEDヘッド227は、画像データに応じて変調されたドット光を発する発光ダイオードをライン状に基板上に形成して構成されるLED基板ユニット、および前記発光ダイオードからの光を感光体ドラム222の表面に結像させるレンズアレイ、LEDヘッド227の骨格を成すベース部材を含み構成される。ベース部材は、LEDヘッド227の長手方向に延び、剛性の高い金属ブロックによって形成されている。また、LEDヘッド227は熱を発生するので、ベース部材は熱伝導性のよいアルミニウムを用いて作製される。これによって、LEDヘッド227の発熱を抑制することができる。また、ベース部材にアルミニウムを用いることでLEDヘッド227は十分な剛性を得ることができ、またLEDヘッドを軽量に構成することができる。また、LEDヘッド227の両端部には、ベース部材の両端部が突出し、ヘッド支持部2を構成する。
【0046】
図3は、LEDヘッド227とこのLEDヘッド227を保持する書込みヘッド調整装置3とによって構成される書込みユニットの斜視図である。書込みヘッド調整装置3は、LEDヘッド227を保持し、このLEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離の調整およびLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを調整する。ここで、走査傾きの調整とは、書込みヘッドの長手方向を感光体ドラム222の回転軸線を中心とする円筒形状の面内で感光体ドラム222の軸線方向と平行にすることである。書込みヘッド調整装置3は、その長手方向両端部が、前記感光体ドラム222が支持される複写機1のフレームに取り付けられる。
【0047】
図4は、書込みユニットの正面断面図である。図5(a)は書込みユニットの一端部を拡大して示す正面断面図であり、図5(b)は書込みユニットの他端部を拡大して示す正面断面図である。図6(a)は図4の切断面線A−Aから見た断面図であり、図6(b)は図4の切断面線B−Bから見た断面図である。
【0048】
書込みヘッド調整装置3は、感光体ドラム222に略平行に配置される支持軸4、支持軸4に沿って移動可能に設けられ、感光体ドラム222の軸線に略平行に移動する移動部材5、前記支持軸4に支持される枠部材6、LEDヘッド227の両端部に設けられ、前記移動部材5および枠部材6に当接する当接部材7、前記当接部材7を移動部材5側および枠部材6側に付勢する弾発性部材であるスプリング8、複写機1のフレーム側、つまり枠部材6の長手方向端部に設けられ、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを調整する第1調整手段9、およびLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを調整する第2調整手段10を含み構成される。
【0049】
以下の説明で、感光体ドラム222の軸線方向をX軸方向とし、前記X軸方向に垂直で感光体ドラム222の軸線から移動部材5に向かう方向をY軸方向とし、前記X軸方向およびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。本実施形態では、X軸方向およびZ軸方向は水平方向であり、Y軸方向は鉛直方向である。
【0050】
当接部材7は、LEDヘッド227の両端部のヘッド支持部2に固定して設けられ、LEDヘッドの長手方向(図4の左右方向)に対して垂直な方向に延びるピン部材である。当接部材7は、Y軸方向に延び、Y軸方向一端部である上端部が移動部材5に当接し、Y軸方向他端部である下端部が枠部材6に当接する。当接部材7は、LEDヘッド227の一端部に設けられる第1当接部材7aと、LEDヘッド227の他端部に設けられる第2当接部材7bとから構成される。
【0051】
移動部材5は、前記LEDヘッド227の両端部に設けられる当接部材7の両方に対して設けられる。移動部材5は、LEDヘッド227の一端部に設けられる第1当接部材7aが当接する第1移動部材5a、およびLEDヘッド227の他端部に設けられる第2当接部材7bが当接する第2移動部材5bとを含む。移動部材5は、前記支持軸4に沿って、感光体ドラム222の軸線に略平行に移動可能に設けられる。具体的には、図5および図6に示すように移動部材5は支持軸4に嵌入して設けている。移動部材5は、弾発性部材であるスプリング11によって支持軸4の軸線方向両端部に付勢される。スプリング11はコイルバネであり、支持軸4に嵌入されて設けられる。
【0052】
また移動部材5は、感光体ドラム222の軸線方向、つまりX軸方向に傾斜する傾斜面15を有する。前記傾斜面15は、移動部材5の感光体ドラム222に向かう側、つまり移動部材5の下部に形成される。本実施形態では、第1移動部材5aおよび第2移動部材5bに設けられる傾斜面15の傾斜方向を異ならせている。つまり、第1移動部材5aでは、支持軸4の一方側から他方側に向かうに連れて上方に傾斜するように傾斜面15を形成し、第2移動部材5bでは、支持軸4の他方側から一方側に向かうに連れて上方に傾斜するように傾斜面15を形成している。このように移動部材5の傾斜面を設けることで、LEDヘッド227をX軸方向に安定させることができる。
【0053】
第1移動部材5aには、図6(a)に示すように前記第1当接部材7aと一点で当接するように傾斜面15が形成される。第2移動部材5bでは、図6(b)に示すように前記第2当接部材7bと2点以上で当接するように第2当接部材5bは下部に凹部16を有し、傾斜面15は凹部16の底部に形成される。本実施形態では、前記凹部16をX軸方向に延びる溝状に形成している。このように凹部16を設けて当接部材7を当接させることによって、凹部16の底部に形成される傾斜面15と、凹部16の側面とで当接部材7の位置決めを行うことができる。
【0054】
枠部材6は、LEDヘッド227を覆うように設けられる。枠部材6は、長手方向一端部側の第1フレーム20、長手方向他端部側の第2フレーム21、および第1フレームおよび第2フレームとの間の第3フレーム23とから構成される。前記第1〜第3フレームは一枚の金属製の板材を折り曲げた一体構造となっている。枠部材6の長手方向両端部、つまり第1フレーム20および第2フレーム21には貫通孔が設けられる。支持軸4は前記貫通孔に挿通されて枠部材6を支持する。枠部材6は支持軸4に対して回転可能に支持される。枠部材6の感光体ドラム222に対向する側、つまり枠部材6の下部には、前記当接部材7のY軸方向他端部(下端部)が当接する係止部25が設けられる。前記係止部25は、第3フレーム22に形成される。また、LEDヘッド227の一端部に設けられる第1当接部材7aが当接する枠部材6の一端部の係止部25を第1係止部25aとし、LEDヘッド227の他端部に設けられる第2当接部材7bとが当接する枠部材6の他端部の係止部25を第2係止部25bとする。
【0055】
図7(a)は枠部材6の第1係止部25aを示す部分底面図であり、図7(b)は枠部材6の第2係止部25bを示す部分底面図である。図7(a)および図7(b)に示すように第1係止部25aおよび第2係止部25bの形状は異なる。第1係止部25aは、Z軸方向に先端部を有する略U字状の切り込みによって構成される。第1係止部25によって、第1当接部材7aの下端部をZ軸方向に位置決めすることができる。第2係止部25bは、Z軸方向に先端部を有する楔形(略V字状)の切り込みによって構成される。第2係止部25bによって、第2当接部材7bの下端部をX軸方向およびZ軸方向に位置決めすることができる。本実施形態では、係止部25は書込みユニットの正面側が開放された切り込みによって形成されているが、切り込みを有する貫通孔または凹部によって形成されてもよい。
【0056】
ヘッド支持部2と枠部材6との間にはスプリング8が設けられ、LEDヘッド227を斜め上方に付勢する。本実施形態では、スプリング8としてコイルバネを用いる。具体的には図4および図6に示すように、スプリング8は、LEDヘッド227のヘッド支持部2と枠部材6の背面上方とにわたって設けられ、LEDヘッド227を枠部材6の背面上方に付勢する。したがって、LEDヘッド227には常に背面上方に付勢力が働くので、当接部材7が移動部材5側および枠部材6側に付勢される。スプリング8は、LEDヘッド227の第1当接部材7aのY軸方向一端部(上端部)を第1移動部材5aに対してY軸方向に付勢し、LEDヘッド227の第1当接部材7aのY軸方向他端部(下端部)を枠部材6に対してZ軸方向に付勢し、LEDヘッド227の第2当接部材7bのY軸方向一端部(上端部)を第2移動部材5bに対してY軸方向およびZ軸方向に付勢し、LEDヘッド227の第2当接部材7bのY軸方向他端部(下端部)を枠部材6に対してX軸方向およびZ軸方向に付勢することができる。したがって、LEDヘッド227をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の全ての方向に位置決めすることができる。
【0057】
図8は、第2移動部材5bと第2当接部材7bとの当接部を拡大して示す断面図である。第2移動部材5の下部には上述したように溝状の凹部16が形成される。この凹部16の底部に形成され傾斜面15は、2つの方向に傾斜する面を有する。この凹部16の底部に形成される傾斜面15は、X軸方向に傾斜し、Z軸方向に傾斜しない第1傾斜面15aと、前記第1傾斜面15aに連なり、X軸方向に傾斜し、さらにZ軸方向の感光体ドラム222に向かう方向に傾斜する第2の傾斜面15bとから構成される。第2当接部材7bを凹部16に当接させると、スプリング8の付勢力Fs1によって、Y軸方向およびZ軸方向の分力FuおよびFhが働く。これによって、凹部16の壁面に空間18aが形成され、凹部16の底部に空間18bが形成されるとともに、凹部16の第2の傾斜面16とスプリング8に近接する側面19との2箇所で第2当接部材7bが当接する。したがって、第2当接部材7bをY軸方向およびZ軸方向に確実に当接させて位置決めを行うことができる。本実施形態では、第2移動部材5bが配置される枠部材6の他端部側がLEDヘッド227の書込みヘッド調整装置3に対する位置決めの基準側となっている。これに対して、第1移動部材5aと第1当接部材7aとの当接部では、Y軸方向にのみ位置決めを行い、Z軸方向には位置決めを行わない構成としている。このように第1移動部材5a側では、Z軸方向の位置規制を行わないが、LEDヘッド227は十分な剛性を有するので、スプリングS1によって斜め上方に引っ張られてもZ軸方向に第1当接部材7aは傾かない。
【0058】
書込みヘッド調整装置3の複写機1のフレーム側、つまり書込みヘッド調整装置3の長手方向の一端部および他端部には、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを調整する第1調整手段9がそれぞれ設けられる。第1調整手段9は、間隔調整ネジ30および枠部材6のフレームに設けられるネジ孔31から構成される。前記ネジ孔31は、移動部材5の側面に対応する位置に設けられる。このネジ孔31に間隔調整ネジ30を螺合させて、その先端部を移動部材5に当接させる。移動部材5は、スプリング11によって書込みヘッド調整装置3の長手方向の端部側に付勢されているので、スプリング11の付勢力と間隔調整ネジ30とによって、移動部材5のX軸方向の位置決めを行うことができる。間隔調整ネジ30は、書込みヘッド調整装置3が複写機1のフレームに装着された場合に、複写機1の側部から外側に突出するように構成される。したがって、複写機1の外装を開ける構成としておき、この外装を取り外すだけで、間隔調整ネジ30を容易に回転させて移動部材5を移動させることができる。
【0059】
間隔調整ネジ30を回転させることによって、移動部材5を支持軸4に沿って移動させる、つまりX軸方向に移動させると、移動部材5の傾斜面15に当接する当接部材7は、傾斜面15に案内されてY軸方向に移動する。当接部材7がY軸方向に移動することによって、LEDヘッド227がY軸方向に移動する。したがって、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを調整することができる。
【0060】
次に、図9、図10および図11を参照して書込みヘッド調整装置3によるLEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hの調整動作について説明する。ここでは、書込みヘッド調整装置3の一端部の第1調整手段9による調整についてのみ説明するが、他端部の第1調整手段9でも同様である。なお、図9〜11では、枠部材6、スプリング8などは図が煩雑となることを防ぐため省略し、図11では、さらに間隔調整ネジ30、支持軸4およびスプリング11を省略して示している。
【0061】
図9に示すように、第1移動部材5aには支持軸4の軸線方向の端部側にスプリング11の付勢力Foが働いている。また、第1当接部材7aにはスプリング8の付勢力のうちY軸方向上方に作用する力Fuが働いている。
【0062】
図10は間隔調整ネジ30をX軸方向に進退させたときに移動する第1移動部材5aに関連して、LEDヘッド227がY軸方向に上下移動する状態を示す正面図であり、図11はその動作を模式的に示す正面図である。LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離がHである場合に、間隔調整ネジ30を進退させることで、図10に示すようにLEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離をHよりも短いH1あるいは、Hよりも長いH2とすることができる。
【0063】
図10を参照して具体的に説明すると、第1移動部材5aが位置Xaにあるときには、第1移動部材5aの傾斜面15と第1当接部材7aとは当接点aで接触し、このときのLEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離HはHaであるとする。この状態から第1移動部材5aを位置Xaから書込みヘッド調整装置3の内側の位置Xbに移動させると、第1移動部材5aと第1当接部材7aとの当接点はY軸方向の下方に移動し、第1移動部材5aと第1当接部材7aとは当接点bで接触する。第1移動部材5aと第1当接部材7aとの当接点がY軸方向の下方、つまり感光体ドラム222に向かう方向に移動することで、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離HがHaよりも短いHbとなる。逆に、第1移動部材5aを位置Xaから書込みヘッド調整装置3の端部側の位置Xcに移動させると、第1移動部材5aと第1当接部材7aとの接触点はY軸方向の上方に移動し、第1移動部材5aと第1当接部材7aとは当接点cで接触する。第1移動部材5aと第1当接部材7aとの当接点がY軸方向の上方、つまり感光体ドラム222から離反する方向に移動することで、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離HがHaよりも長いHbとなる。
【0064】
図12(a)は、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを狭くする場合の動作を示す正面図である。LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを狭くする場合には、間隔調整ネジ30を進入してスプリング8の付勢力Foに逆らう方向、つまり書込みヘッド調整装置3の内側(図11(a)の右方向)に第1移動部材5aをX1移動させる。第1移動部材5aの移動に伴って、第1当接部材7aはスプリング8の付勢力のうちY軸方向上方に作用する力Fuに逆らうY軸方向下方、つまり感光体ドラム222に向かう方向にY1移動する。これによって、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離をHよりも狭いH1とすることができる。
【0065】
図12(b)は、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを広くする場合の動作を示す正面図である。LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを広くする場合には、間隔調整ネジ30を退出してスプリング8の付勢力Foの働く方向、つまり書込みヘッド調整装置3の外側(図11(b)の左方向)に第1移動部材5aをX2移動させる。第1移動部材5aの移動に伴って、第1当接部材7aはスプリング8の付勢力のうちY軸方向上方に作用する力Fuが働くY軸方向の上方、つまり感光体ドラム222に離反する方向にY2移動する。これによって、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離をHよりも広いH2とすることができる。
【0066】
なお、本実施形態では下部に傾斜面15を有した移動部材5を当接部材7の上部に当接させる構成を示したが、反対に、下方に延びる当接部を移動部材5に設け、この当接部の先端部が当接するLEDヘッド支持部材3の上面に傾斜面を形成する構成としてもよい。これによって、移動部材5が支持軸4に沿って移動するとき、LEDヘッド支持部材3の上部に設けられた傾斜面によってLEDヘッド227をY軸方向に上下に移動させることができ、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを調整することができる。
【0067】
以上のように書込みヘッド調整装置3を用いることによって、LEDヘッド227の両側からLEDヘッド227と感光体ドラムと222の間の距離Hを調整することができる。したがって、LEDヘッド227の下方が開放されない構造であったとしても、書込みヘッド調整装置3の側部からLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する位置を容易に調整することができる。また、第1調整手段9として、間隔調整ネジ30を用いることによって、間隔調整ネジ30の回転を移動部材5の直線移動に変換するので、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを調整、つまりLEDヘッドのピント調整を精密に行うことができる。
【0068】
また、前記移動部材5に設けられる傾斜面15の傾斜角度を変更することによって間隔調整ネジ30の移動量に対するLEDヘッド227の移動量である調整率を変えてもよい。傾斜面15のX軸方向に対する傾斜角度を小さくすることで、調整ネジ15の移動量に対してLEDヘッド227の移動量を小さくすることができるので、微小な間隔調整が可能となる。また、移動部材5に設けられる傾斜面15は、所定の曲率を有する曲面としてもよい。
【0069】
また、書込みヘッド調整装置3では、LEDヘッド227の両端部に設けられる当接部材7の両方に移動部材5が設けられ、それぞれの移動部材5を第1調整手段9が設けられるので、LEDヘッド227の両端部で個別に感光体ドラム222との距離を調整することができる。したがって、感光体ドラム222の軸線が傾斜していても、これに対応してLEDヘッド227の位置を調整することができる。
【0070】
また、移動部材5には、枠部材6の長手方向端部に向かって突出する突出片35が設けられる。図13は第1移動部材5aの突出片35を拡大して示す正面断面図であり、図14は第1移動部材5aの突出片35を拡大して示す側面図である。枠部材6の第1フレーム20には、突出片35の端部に対応した位置に開口部36が設けられる。開口部36は、枠部材6に孔によって構成してもよく、また切欠きによって構成してもよい。これによって、開口部36を通して、突出片35の先端部の位置を確認することができ、前記突出片35と開口部35との位置関係によって、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを確認することができる。なお、図13および図14では、書込みヘッド調整装置3の一端部の第1移動部材5aに設けられる突出片35についてのみ示しているが、他端部の第2移動部材5bに設けられる突出片35についても同様に構成される。さらに、複写機1のフレームには、書込みヘッド調整装置3を複写機1のフレームに取り付けたときに、前記突出片35の位置を確認することができる位置に確認窓が設けられる。したがって、書込みヘッド調整装置3が複写機1に装着された状態においても、LEDヘッド227と感光体ドラム222との位置関係を確認することができる。
【0071】
図15は、複写機1のフレーム(以下、本体フレームと呼称する)に取り付けられた書込みユニットを示す斜視図である。図16は、図15の切断面線C−Cから見た正面断面図である。図17(a)は図16の切断面線D−Dから見た断面図であり、図17(b)は図16の切断面線E−Eから見た断面図である。また図18は、本体フレームに取り付けられた書込みユニットを感光体ドラム222側から見た平面図である。図19は(a)は、本体フレームに取り付けられた書込みユニットを一方側から見た側面図であり、図19(b)は、本体フレームに取り付けられた書込みユニットを他方側から見た側面図である。
【0072】
第2調整手段10は、枠部材6の一端部に設けられる。第2調整手段10は、支持板40、ネジ孔41および走査傾き調整ネジ42を含み構成される。支持板40は、枠部材6の一端部の第1フレーム20から枠部材6の長手方向(X軸方向)に突出する。前記支持板40にネジ孔41が設けられ、このネジ孔41に走査傾き調整ネジ42が螺合する。本実施形態では支持板40は第1フレーム20の上端部に配置される。なお、支持板40は、枠部材6と一体的に構成してもよい。第2調整手段10によるLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きの調整については後述する。
【0073】
複写機1の一方側部のフレーム(以下、第1本体フレームを記す)45には、書込みヘッド調整装置3の長手方向に突出する支持軸4の外形と等しい切欠き46が設けられる。支持軸4の一端部を前記切欠き46に当接させて位置決めを行い、第1固定ネジ47によって枠部材6を第1本体フレーム45に固定する。第1固定ネジ47は、枠部材6の第1フレーム20に設けられる孔48に挿通され、これに対応する第1本体フレーム45に設けられるネジ孔に螺合する。孔48は、第1固定ネジ47を緩めると枠部材6が第1本体フレーム42に対して可動するように設けられ、本実施形態では略楕円形状としている。
【0074】
複写機1の他方側部のフレーム(以下、第2本体フレームと記す)50には、書込みヘッド調整装置3の長手方向に突出する支持軸4が挿通される孔51が設けられる。支持軸4の他端部を前記孔51に挿通させて位置決めを行い、固定ネジによって枠部材6を複写機1の他方側部のフレームに固定する。本実施形態では、支持軸4の上方に設けられる第2固定ネジ52、および支持軸4の下方に設けられる第3固定ネジ53の2箇所で枠部材6の他端部を第2本体フレーム50に固定している。また本実施形態では、第1固定ネジ47は、第2固定ネジ52に対応する位置に固定される。また、第2本体フレーム50には、書込みヘッド調整装置3の移動部材5から突出する突出片35が設けられる位置に、フレーム開口部54が設けられる。これによって、書込みヘッド調整装置3を本体フレームに複写機1のフレームに取り付けた状態でも、側方から係止片35の位置を確認することができ、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hの調整が容易となる。
【0075】
このように枠部材6は、複写機1のフレームに対して支持軸4を基準に装着され、複数の固定ネジによって固定される。上述したように書込みユニットを複写機1のフレームに取り付けることによって、LEDヘッド227を交換する時に、複写機1の側方から固定ネジを外して、書込みユニットを容易に取り外すことができる。
【0076】
第1本体フレーム45は、外方に突出し、前記枠部材6の支持板40に対向するフレーム突出部60を有する。フレーム突出部60は、第1本体フレーム45と一体に構成されてもよい。フレーム突出部60には、枠部材6を所定の方向に付勢するスプリング61が取り付けられている。前記第1本体フレーム45のフレーム突出部60に設けられるスプリング61は、走査傾き調整ネジ42の先端部をフレーム突出部60側に付勢する。
【0077】
ここで、第2調整手段10を用いて行うLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きの調整について具体的に説明する。図20および図21は、走査傾きを調整するときの書込みヘッド調整装置3の動作を示す側面図および平面図である。まず、枠部材6の他端部を第2本体フレーム50に固定した状態で、枠部材6の一端部を第1本体フレーム45に固定している第1固定ネジ47を緩める。ここで、走査傾き調整ネジ42を回転させてフレーム突出部60に向かう方向(図20および図21の矢符F1の方向)に進入させると、走査傾き調整ネジ42はフレーム突出部60に阻止され、枠部材6の上端部70はフレーム突出部60から離反する方向(図20および図21の矢符F2の方向)に作用を受ける。枠部材6は、支持軸4に回転可能に支持されているので、支持軸4を中心にねじり回転され、枠部材6の下端部71には図20の矢符F3の方向に回転力が作用する。これによって、枠部材6が支持軸4を中心にねじられる。
【0078】
枠部材6がねじり回転すると、枠部材6の内部に保持されているLEDヘッド227は、第2当接部材7b側を基準側として揺動し、回転運動する。これによって、感光体ドラム222の軸線を中心とした円筒形状の面内でLEDヘッド227の長手方向を感光体ドラム222の軸線方向と平行にすることができる。また、図22は、前記調整を行ったときの書込みユニットの動作を示す断面図である。図22に示す実線は調整前の書込みユニットの状態を示し、破線は調整後の書込みユニットの状態を示す。書込みヘッド調整装置3では、LEDヘッド227の第1当接部材7aのY軸方向上端部が当接する第1移動部材5aの傾斜面15を、凹部を設けないフラットな形状としているので、枠部材6をねじり回転させたとき、図22に示すように第1当接部材7aは、傾斜面15をすべることができる。また上述したように、第1当接部材7aの下端部はZ軸方向にのみ位置決めされている。したがって、LEDヘッド227に歪みを与える力を逃がすことができ、枠部材6をねじり回転させてもLEDヘッド227の破壊または変形を防止することができる。また、図20および図21では、走査傾き調整ネジ42を矢符F1方向に進入させた場合について説明したが、矢符F1方向とは反対方向に移動させると、枠部材6を逆にねじることができる。以上のように枠部材6を、支持軸4を中心にねじり回転させることによって、第2調整手段10によって感光体ドラム222の軸線を中心とした円筒形状の面内でLEDヘッド227の長手方向を感光体ドラム222の軸線方向と平行にすることができ、LEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを調整することができる。
【0079】
LEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きの調整は、複写機1の一方側部から調整することができる。また、走査傾き調整ネジ42を用い、この走査傾き調整ネジ42を回転させ、直線運動させることで枠部材6をねじり回転させる力としているので、LEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを精密に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では走査傾き調整ネジ42によって調整を行うが、偏心部材を用いて枠部材6を、支持軸4を中心に回転させる構成としてもよい。
【0081】
なお、走査傾き調整ネジ42によってLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを調整した後は、枠部材6の一端部を固定ネジによって複写機1の一方側部のフレームに固定する。このとき、固定ネジの他に枠部材6を複写機1の一方側部のフレームに固定する固定手段を更に設けてもよい。
【0082】
以上のように、書込みヘッド調整装置3によってLEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを調整することができ、また、LEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを調整することができる。また、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hは、LEDヘッド227の両端部で個別に調整することができる。感光体ドラム222に対するLEDヘッド227の位置を精密に調整することができる。
【0083】
再び図1を参照して、複写機1の他の構成を説明する。
両面自動原稿送り装置112は、まず原稿の一方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するように原稿を搬送し、この一方の面についての画像の読み取りが終了した後に、原稿の他方の面が原稿台111の所定位置において画像読み取り部110に対向するように原稿を反転して原稿載置台111に向かって搬送する。そして、両面自動原稿送り装置112は、1枚の原稿について両面の画像の読み取りが終了した後に、この原稿を排出し、次の原稿についての搬送動作を実行する。以上の原稿の搬送および反転動作は、複写機1全体の動作に関連して制御部200によって制御される。また、複写機1の各部は制御部200によって制御される。
【0084】
原稿読み取り部110は、原稿台111の下方に配置され、原稿台111上に載置される原稿、または両面自動原稿送り装置112によって原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取る。画像読み取り部110は、原稿台111の下面に沿って平行に往復移動する原稿走査体113,114と、光学レンズ115と、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサとを含み構成される。
【0085】
原稿走査体113,114は、第1の走査ユニット113と第2の走査ユニット114とから構成される。第1の走査ユニット113は、原稿の表面を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動する。第2の走査ユニット114は、第1の走査ユニット113の第1ミラーによって偏向された原稿からの反射光像を更に所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って平行に往復移動する。
【0086】
光学レンズ115は、第2の走査ユニット114の第3ミラーによって偏向された原稿からの反射光像を縮小し、縮小した光像CCDラインセンサ116上の所定位置に結像させる。
【0087】
CCDラインセンサ116は、結像された光像を順次光電変換して電気信号として出力する。CCDラインセンサ116は、白黒画像あるいはカラー画像を読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に分解したラインデータを出力可能な3ラインのカラーCCDである。このCCDラインセンサ116によって電気信号に変換された原稿画像情報は、さらに、図示しない画像処理部に転送されて所定の画像データ処理が施される。
【0088】
次に、画像形成部210の構成および画像形成装置210に関わる各部の構成について説明する。
【0089】
画像形成部210の下方には、用紙トレイ内に積載収容されている記録紙100を一枚ずつ分離して、画像形成部210に向かって供給する給紙機構211が設けられている。給紙機構211によって一枚ずつ分離された記録紙100は、画像形成部210の手前に設けられる1対のレジストローラ212によってタイミングが制御されて画像形成部210に搬送される。
【0090】
画像形成部210の下部には、転写搬送ベルト機構213が配置されている。転写搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に転写搬送ベルト216を略平行に延びるように張架し、この転写搬送ベルト216に記録紙100を静電吸着させて搬送する。
【0091】
用紙搬送路における転写搬送ベルト機構213の下流側には、記録紙100上に転写形成されたトナー像を記録紙100上に定着させるための定着装置217が配置されている。定着装置217が備える1対の定着ローラ間にニップ部を通過した記録紙100は、搬送方向切り換えゲート218を経て、排出ローラ219によって複写機1本体の外壁に取り付けられている排紙トレイ220上に排出される。
【0092】
搬送方向切り換えゲート218は、トナー像を定着させた後の記録紙100の搬送経路を、複写機1本体から排出する経路と、画像形成部210に再供給する経路とを選択的に切り換える。切り換えゲート218によって再び画像形成部210に向かって搬送される記録紙100は、スイッチバック搬送経路221によって表裏が反転された後、レジストローラ212によってタイミングが制御されて画像形成装置210へと再度供給される。
【0093】
画像形成部210の上部には、転写搬送ベルト216に沿って第1の画像形成ステーションPa、第2の画像形成ステーションPb、第3の画像形成ステーションPcおよび第4の画像形成ステーションPdが記録紙100の搬送経路上流側から順に並設されている。
【0094】
転写搬送ベルト216は、駆動ローラ214によって、図1の矢符Zの方向に摩擦駆動され、上述したように給紙機構211によって供給される記録紙100を吸着し、第1〜第4の画像形成ステーションPa〜Pbへと順次搬送する。
【0095】
各画像形成ステーションは、実質的に同一の構成であり、図2に示す構成である。LEDヘッド227aには、カラー画像の黒色成分像に対応する画像信号が入力され、LEDヘッド227bには、カラー画像のシアン成分像に対応する画像信号が入力され、LEDヘッド227cには、カラー画像のマゼンタ成分像に対応する画像信号が入力され、LEDヘッド227dには、カラー画像のイエロー成分像に対応する画像信号が入力される。
【0096】
これによって、色変換された原稿画像情報に対応する静電潜像が各感光体ドラム222a〜222d上に形成される。現像装置224aには黒色のトナーが収容され、現像装置224bにはシアンのトナーが収容され、現像装置224cにはマゼンタのトナーが収容され、現像装置224dにはイエローのトナーが終了される。感光体ドラム222a〜222dに形成された静電潜像は、これら各色のトナーによって現像される。これによって、色変換された原稿画像情報が各色のトナー像として再現される。
【0097】
また第1の画像形成ステーションPaと給紙機構との間には、用紙吸着用帯電器228が設けられる。用紙吸着用帯電器228は、ブラシ帯電器であり、転写搬送ベルト216の表面を帯電させる。これによって、給紙機構211から供給された記録紙100は、転写搬送ベルト216上に確実に吸着させた状態で第1の画像形成ステーションPaから第4の画像形成ステーションPdの間を搬送することができる。
【0098】
一方、第4の画像形成ステーションPdと定着装置217との間で、駆動ローラ214の上方には徐電器229が設けられる。徐電器229には、交流電流が印加されており、転写搬送ベルト216に吸着されている記録紙100を転写搬送ベルト216から分離する。
【0099】
上述した構成の複写機1では、記録紙100としてカットシート状の記録紙100が用いられる。記録紙100は、給紙トレイから送り出されて給紙機構211の給紙搬送経路のガイド内に供給されると、記録紙100の先端部分がセンサ(図示せず)によって検知され、このセンサから出力される検知信号に基づいて1対のレジストローラ212によって一端停止される。
【0100】
そして、記録紙100は第1〜第4の画像形成ステーションPa〜Pdとタイミングをとって図1の矢符Z方向に回転している転写搬送ベルト216上に送られる。このとき転写搬送ベルト216は、上述したように吸着用帯電器228によって所定の帯電が施されているので、記録紙100は第1〜第4の画像形成ステーションPa〜Pbを通過する間、安定して搬送される。
【0101】
第1〜第4の画像形成ステーションPa〜Pdでは、転写搬送ベルト216によって静電吸着されて搬送される記録紙100上に各色のトナー像を重ね合わせる。第4の画像形成ステーションPdによる記録紙100へのトナー像の転写が完了すると、記録紙100はその先端部分から順次、除電器229によって転写搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれる。最後に、定着装置217によってトナー像が定着された記録紙100は、用紙排出口(図示せず)から排紙トレイ220上へと排出される。
【0102】
以上のように本発明のディジタルカラー複写機1では、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを複写機1のフレームの側部から調整することができ、またLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する走査傾きを複写機のフレームの側部から調整することができる。したがって、本体装置の外装を開けるだけでLEDヘッド227の感光体ドラム222に対する位置を調整することができる。
【0103】
上述した本実施形態では、書込みヘッドとしてLEDヘッド227を用いているが、蛍光体発光素子(FL)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの固体発光素子を用いた書込みヘッド、液晶などのシャッターを用いた書込みヘッドを用いてもよい。
【0104】
また、本発明は複写機1の他に、プリンタおよびファクシミリなどの画像形成装置に好適に適用することができる。
【0106】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、調整手段によって本体装置の側部から書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。したがって、本体装置の内部の部品を分解することなく、本体装置の外装を開けるだけで、書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾の調整が可能である。
【0107】
また本発明によれば、移動部材および当接部材の少なくともいずれか一方は、感光体ドラムの軸線方向に傾斜する傾斜面を有するので、感光体ドラムの軸線方向の移動部材を移動させることで、感光体ドラムの軸線方向に垂直な方向に当接部材を移動させることができ、書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離を調整することができる。
【0108】
また本発明によれば、移動部材は書込みヘッドの両端部に設けられる当接部材の両方に対して設けられるので、感光体ドラムの軸線方向に沿って書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離を精度が高く、また容易に調整することができる。
【0109】
また本発明によれば、枠部材に設けられる開口部と移動部材に設けられる突出片との位置関係によって、書込みヘッドと感光体ドラムとの位置関係を確認することができるので、書込みヘッドと感光体ドラムとの間の距離の調整を容易に行うことができる。
【0110】
また本発明によれば、書込みヘッドの一端部をY軸方向およびZ軸方向に位置決めし、他端部をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に位置決めすることによって、書込みヘッドをX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の全ての方向に位置決めすることができる。また、支持軸を中心として枠部材をねじり回転させたときに書込みヘッドのねじれを防止することができるので、書込みヘッドが破壊または変形しない。
【0111】
また本発明によれば、移動部材は第2当接部材のY軸方向一端部が当接する凹部を有する。凹部の底部をX軸方向に傾斜する傾斜面として、凹部の底部および凹部の側面に第2当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで1方向の付勢力によってY軸方向およびZ軸方向の位置決めを行うことができる。
【0112】
また本発明によれば、枠部材は第2当接部材のY軸方向他端部が当接する係止部を有する。係止部にはZ軸方向に先端部を有する楔形の切り込みが形成される。この切り込みの底部の2箇所に第1当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで、1方向の付勢力によってX軸方向およびZ軸方向の位置決めを行うことができる。
【0113】
また本発明によれば、前記凹部の底部には、Z軸方向で感光体ドラムに向かう方向に傾斜する第2の傾斜面が形成されるので、第1当接部材のY軸方向一端部は凹部の底部および側面に確実に当接させることができる。
【0114】
また本発明によれば、枠部材は書込みヘッドよりも剛性が低いので、枠部材をねじり回転させて、枠部材に支持された書込みヘッドの当接部材を移動させ、書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。また、枠部材をねじり回転させ変形させたときに、書込みヘッドがねじれて変形することを防止できる。
【0115】
また本発明によれば、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、前記書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって、静電潜像を形成することができる。感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーによって現像し、記録部材に転写することによって高品質な画像を形成することができる。また、本体装置の側部から書込みヘッドの位置調整を行うことができるので、テスト印刷を実行しながらでも調整作業を行うことができる。
【0116】
また本発明によれば、書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとして本体装置のフレームに着脱自在に構成されるので、書込みヘッドの交換では、書込みヘッド調整装置ごと本体装置のフレームから外して交換することができる。また、フレームの一方側部には切欠きが設けられ、他方側部には孔が設けれ、前記ユニットはこれらによってフレームに位置決めされるので、書込みヘッドを感光体ドラムに対して確実に位置決めすることができる。
【0117】
また本発明によれば、フレームの一方側部に設けられる切欠きに支持軸の一方側を当接し、フレームの他方側に設けられる孔に支持軸の他方側を挿通することで、書込みヘッドを感光体ドラムに対して確実に位置決めすることができる。
【0118】
また本発明によれば、書込みヘッド調整装置の枠部材の一端部はフレームの一方側部に対して回動可能に設けられ、枠部材の他端部はフレームの他方側部に対して固定される。調整手段は枠部材の一方端部に配置され、支持軸を中心に枠部材をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の画像形成装置であるディジタルカラー複写機1の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】画像形成部210の画像形成ステーションPの構成を拡大して示す断面図である。
【図3】LEDヘッド227とこのLEDヘッド227を保持する書込みヘッド調整装置3とによって構成される書込みユニットの斜視図である。
【図4】書込みユニットの正面断面図である。
【図5】(a)は書込みユニットの一端部を拡大して示す正面断面図であり、(b)は書込みユニットの他端部を拡大して示す正面断面図である。
【図6】(a)は図4の切断面線A−Aから見た断面図であり、(b)は図4の切断面線B−Bから見た断面図である。
【図7】(a)は枠部材6の第1係止部25aを示す部分底面図であり、(b)は枠部材6の第2係止部25bを示す部分底面図である。
【図8】第2移動部材5bと第2当接部材7bとの当接部を拡大して示す断面図である。
【図9】第1移動部材5aおよび第1当接部材7aに働く力を示す正面図である。
【図10】間隔調整ネジ30をX軸方向に進退させたときに移動する第1移動部材5aに関連して、LEDヘッド227がY軸方向に上下移動する状態を示す正面図である。その動作を模式的に示す正面図である。
【図11】間隔調整ネジ30をX軸方向に進退させたときに移動する第1移動部材5aに関連して、LEDヘッド227がY軸方向に上下移動を模式的に示す正面図である。
【図12】(a)はLEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを狭くする場合の動作を示す正面図であり、LEDヘッド227と感光体ドラム222との間の距離Hを広くする場合の動作を示す正面図である。
【図13】第1移動部材5aの突出片35を拡大して示す正面断面図である。
【図14】第1移動部材5aの突出片35を拡大して示す側面図である。
【図15】複写機1のフレームに取り付けられた書込みユニットを示す斜視図である。
【図16】図15の切断面線C−Cから見た正面断面図である。
【図17】(a)は図16の切断面線D−Dから見た断面図であり、(b)は図16の切断面線E−Eから見た断面図である。
【図18】本体フレームに取り付けられた書込みユニットを感光体ドラム222側から見た平面図である。
【図19】(a)は、本体フレームに取り付けられた書込みユニットを一方側から見た側面図であり、(b)は、本体フレームに取り付けられた書込みユニットを他方側から見た側面図である。
【図20】走査傾きを調整するときの書込みヘッド調整装置3の動作を示す側面図である。
【図21】走査傾きを調整するときの書込みヘッド調整装置3の動作を示す平面図である。
【図22】枠部材6をねじり回転させたときの書込みヘッド調整装置3の動作示す断面図である。
【符号の説明】
1 ディジタルカラー複写機
2 ヘッド支持部材
3 書込みヘッド調整装置
4 支持軸
5 移動部材
6 枠部材
7 当接部材
8 スプリング
9 第1調整手段
10 第2調整手段
15 傾斜面
15a 第2の傾斜面
16 凹部
25 係止部
30 間隔調整ネジ
31,41 ネジ孔
35 突出片
36 開口部
40 支持板
42 走査傾き調整ネジ
45 第1本体フレーム
46 切欠き
50 第2本体フレーム
51 孔
222 感光体ドラム
227 LEDヘッド
Claims (14)
- 本体装置のフレーム間に回転可能に支持される円筒形の感光体ドラムに対向して配置される書込みヘッドの位置を調整する書込みヘッド調整装置において、
感光体ドラムに略平行に配置される支持軸と、
書込みヘッドを保持し、前記支持軸に支持される枠部材と、
前記本体装置のフレーム側に設けられ、前記支持軸を中心として枠部材をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整する調整手段とを備えることを特徴とする書込みヘッド調整装置。 - 本体装置のフレーム間に回転可能に支持される円筒形の感光体ドラムに対向して配置される書込みヘッドの位置を調整する書込みヘッド調整装置において、
感光体ドラムに略平行に配置される支持軸と、
前記支持軸に沿って移動し、感光体ドラムの軸線に略平行に移動する移動部材と、
前記支持軸に支持される枠部材と、
書込みヘッドの両端部に設けられ、前記移動部材および枠部材に当接する当接部材と、
前記当接部材を移動部材側および枠部材側に付勢する弾発性部材と、
前記本体装置のフレーム側に設けられ、前記移動部材を移動させて書込みヘッドと感光体ドラムとの距離を調整する第1調整手段と、
前記支持軸を中心として枠部材をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整する第2調整手段とを備えることを特徴とする書込みヘッド調整装置。 - 前記移動部材および当接部材の少なくともいずれか一方は、感光体ドラムの軸線方向に傾斜する傾斜面を有し、当接部材は傾斜面に案内されて移動することで書込みヘッドと感光体ドラムとの距離を調整することを特徴とする請求項2記載の書込みヘッド調整装置。
- 前記移動部材は、書込みヘッドの両端部に設けられる当接部材の両方に対して設けられることを特徴とする請求項2または3記載の書込みヘッド調整装置。
- 前記移動部材は、本体装置のフレーム側に突出する突出片を備え、
前記枠部材は、前記突出片との位置関係によって書込みヘッドと感光体ドラムとの位置関係を確認するための開口部を備えることを特徴とする請求項2記載の書込みヘッド調整装置。 - 前記感光体ドラムの軸線方向をX軸方向とし、前記X軸方向に垂直で感光体ドラムの軸線から移動部材に向かう方向をY軸方向とし、前記X軸方向およびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする場合に、
前記弾発性部材は、書込みヘッドの一端部に設けられる第1当接部材のY軸方向一端部を移動部材に対してY軸方向に付勢し、Y軸方向他端部を枠部材に対してZ軸方向に付勢し、書込みヘッドの他端部に設けられる第2当接部材のY軸方向一端部を移動部材に対してY軸方向およびZ軸方向に付勢し、Y軸方向他端部を枠部材に対してX軸方向およびZ軸方向に付勢することで書込みヘッドの位置決めが行われることを特徴とする請求項2記載の書込みヘッド調整装置。 - 前記移動部材は、第2当接部材のY軸方向一端部が当接する凹部を有し、
前記凹部の底部はX軸方向に傾斜する傾斜面とし、前記凹部の底部および側面に前記当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで、書込みヘッドのY軸方向およびZ軸方向の位置決めが行われることを特徴とする請求項6記載の書込みヘッド調整装置。 - 前記枠部材は、第2当接部材のY軸方向他端部が係止する係止部を有し、
前記係止部にはZ軸方向に先端部を有する楔形の切り込みが形成され、切り込み底部の2箇所に第2当接部材が当接するように弾発性部材によって付勢することで、書込みヘッドのX軸方向およびZ軸方向の位置決めが行われることを特徴とする請求項6記載の書込みヘッド調整装置。 - 前記凹部の底部には、Z軸方向に傾斜する第2の傾斜面が形成され、前記凹部はX軸に垂直な断面形状が楔形状であることを特徴とする請求項7記載の書込みヘッド調整装置。
- 前記枠部材は、書込みヘッドよりも剛性が低いことを特徴とする請求項1または2記載の書込みヘッド調整装置。
- 請求項1または2記載の書込みヘッド調整装置を備え、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像した画像を記録部材に転写して画像形成物を得ることを特徴とする画像形成装置。
- 前記書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとしてフレームに着脱自在に構成され、前記ユニットのフレームに対しての位置決めは、フレームの一方側部に設けられる切欠きと、他方側部に設けられる孔によって行われることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
- 請求項1または2記載の書込みヘッド調整装置を備え、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像した画像を記録部材に転写して画像形成物を得る画像形成装置であって、
前記書込みヘッド調整装置は書込みヘッドとともに1つのユニットとしてフレームに着脱自在に構成され、前記ユニットのフレームに対しての位置決めは、フレームの一方側部に設けられる切欠きに支持軸の一方側を当接し、他方側部に設けられる孔に支持軸の他方側を挿通することで、前記ユニットの位置決めを行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の書込みヘッド調整装置を備え、フレーム間に回転可能に支持される円筒形状の感光体ドラムに、書込みヘッド調整装置に保持される書込みヘッドによって静電潜像を形成し、形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像した画像を記録部材に転写して画像形成物を得る画像形成装置であって、
枠部材の一端部に調整手段が配置され、フレームの一方側部に枠部材の一端部が支持軸を中心として回動自在に支持され、フレームの他方側部に枠部材の他端部が固定され、調整手段によって支持軸を中心に枠部材の一端部をねじり回転させることによって、枠部材に保持される書込みヘッドの感光体ドラムに対する走査傾きを調整することを特徴とする画像形成装置。
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