JP3983118B2 - 凍結防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は上水道など送水配管内の水の凍結を防止する凍結防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、感温センサなどを用いることなく、水の物性を利用して水道配管の凍結を確実に防止できる凍結防止装置が提案されている(特開平8−28732号公報)。図7はこの凍結防止装置の一例を示す。
図において、40は送水配管、41は送水配管40に接続されたボデー、42はボデー41の内部に同心状に固定されたスリーブである。ボデー41とスリーブ42との間には円筒状の作動室43が形成されている。弁体44は、作動室43の上端部を摺動自在に封止する封止部44aと、ボデー41に形成された弁口45を開閉する弁部44bとを備えている。
【0003】
外気温度の低下により作動室43内の水が凝固すると、その体積膨張作用により弁体44が押し上げられ、弁口45を開く。この弁体44の開弁動作により送水配管40内の水がスリーブ42の中の排水通路46を通過するため、その水の保有熱がスリーブ42を介して作動室43内の氷を溶かす。そのため、作動室43の体積が小さくなり、弁体44を閉弁させることができる。つまり、排水通路46を流れる水の保有熱によって作動室43の氷を融解させるので、寒冷期でも短時間で弁体44を閉じることができ、水を節約できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造の凍結防止装置の場合、弁口45をボデー41の内部に形成する関係で、ボデー41がジョイント部41aとシリンダ部41bの2部品で構成され、弁体44も2部品で構成されている。つまり、弁口45の上面に着座する弁部44bと、作動室43内を摺動する封止部44aとが上下に分割され、封止部44aに一体に形成された軸部44cが弁口45を貫通し、その上端に弁部44bが螺着されている。そのため、ボデー41および弁体44の構造が複雑になり、組付作業に手間がかかるとともに、コスト上昇を招くという問題があった。
【0005】
また、弁体44が弁口45を開いた時、送水配管40の水は弁口45、軸部44cに設けた排水穴、スリーブ42の中を通って排出される。ところが、排水の一部が弁口45より下流側、例えば弁体44の軸部44cと弁口45との間や弁体44とスリーブ42との間に溜まることがある。この部分は大気に開放しているので、溜まった水が凍結し、弁体44の円滑な開弁動作を阻害する可能性があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、構造を簡素にし、組付を容易にするとともに、排水の一部が凍っても、開弁動作に支障をきたさない凍結防止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、一端部が送水配管に接続された筒形のボデーと、上記ボデーの内部に同心状に固定され、その送水配管側の端部に弁口が形成され、外部へ通じる排水通路が内側に形成されたスリーブと、上記ボデーの内周面とスリーブの外周面との間に形成され、内部に水を貯留する円筒状の作動室と、上記送水配管の内部と作動室の送水配管側と反対側の端部とを連通させ、作動室より先に凍結して封止される流入通路と、上記スリーブに摺動自在に外嵌されるキャップ形状に形成され、その天井部内側に設けられて上記弁口を開閉可能な弁部と、上記作動室の送水配管側の端部を摺動自在に封止する封止部とを有する弁体と、を具備し、上記弁体の弁部と封止部との間には内外に連通する連通穴が設けられ、この連通穴を介して上記送水配管の内部とスリーブの送水配管側の端部外周とが常時連通しており、上記作動室内の水凝固時の体積膨張作用により上記ボデーおよびスリーブに対して弁体を開弁方向に作動させ、上記弁口を開いて送水配管内部の水を上記連通穴から弁口を通り上記排水通路を介して外部へ排出可能としたことを特徴とする凍結防止装置を提供する。
【0008】
作動室の水凝固により体積膨張が起こると、作動室の一端側を封止している弁体が軸方向に押される。この弁体の軸方向移動により、弁口が開かれ、送水配管内部の水が弁口からスリーブの内側を通って外部に排出される。
送水配管内部の水が排水通路を通って外部に排出されると、その水の持つ保有熱が弁体、ボデーあるいはスリーブを介して作動室に伝わり、作動室内部の氷を溶かす。そのため、作動室の体積が小さくなり、弁体は送水配管の水圧あるいはスプリング力などによって自動的に閉弁する。
【0009】
作動室は固定部材であるボデーとスリーブとの間に形成され、その一端側を弁体が摺動自在に封止しているので、水凝固時の体積膨張圧力が弁体に対して軸方向にのみ作用し、弁体は円滑に軸方向に移動でき、鋭敏な開弁動作を行うことができる。
弁口はボデーではなく、作動室の内壁を構成するスリーブの送水配管側の端部に形成されている。そのため、弁口が開かれた時、水は弁口からスリーブの中を通って排出されるに過ぎない。つまり、弁口より下流側の排水経路には、弁体の摺動部が存在しないので、たとえ排水の一部が凍っても、弁体の開弁動作に悪影響を及ぼさない。
また、弁口がスリーブの送水配管側端部に形成されているので、ボデーを複雑な構造に加工する必要がなく、1部品で構成することも可能となる。弁体もスリーブの上端に嵌合するキャップ形状にすれば、封止部と弁部とを一体部品で構成できるので、構造が簡単で小型化が可能となる。また、弁体の組付も、スリーブの端部に嵌合するだけでよく、組付作業が用意になる。
【0010】
本発明では、送水配管の内部と作動室の送水配管側と反対側の端部とを連通させ、作動室より先に凍結して封止される流入通路を形成してある。
作動室には常に水を充満させる必要があるが、何らかの理由で空気が入ると、水が凍っても空気が圧縮されるだけで、弁体を開くことができなくなる。そこで、送水配管から作動室へ溝を供給する流入通路を設けることで、常に作動室を水で満たすことができる。
流入通路は作動室より先に凍結して封止される必要があり、また排水時には流入通路の氷は溶けない方がよい。なぜなら、作動室が先に凍ると、その体積膨張分が流入通路を介して逃げるので、弁体が開かなくなるからである。また、排水時に流入通路の氷が先に溶けると、作動室の体積膨張圧力が流入通路を介して逃げ、作動室の氷が溶ける前に弁体が閉じるからである。流入通路は、送水配管の内部と作動室の送水配管側と反対側の端部とを連通させているので、流入通路は作動室より先に凍結し、かつ排水時には流入通路の氷が溶けるのを作動室の氷が溶けるより遅らせることができる。
なお、流入通路は、ボデーの側壁に一体に設けてもよいし、細いパイプを用いて送水配管と作動室とを連結してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は本発明にかかる凍結防止装置Aの一例を示す。
上水道配管などの送水配管1の途中にはT形継手2が接続されており、この継手2の下部接続口2aには凍結防止装置Aの円筒形ボデー3が接続されている。配管1,継手2およびボデー3はテーパねじ1a,2b,3aによって螺着しているため、互いにシールされている。
【0012】
継手2の接続口2a内に挿入されたボデー3の上端開口部には、ロックリング4を介してバネ受け具5が装着されている。バネ受け具5は後述する弁体20を閉弁方向に付勢するリターンスプリング27の一端を支えるものであり、その中心部には、弁体20が開いた時の流量を調整するためのオリフィス5aが形成されている。
【0013】
ボデー3の上端開口部の近傍には外方へ膨出した弁室3bが形成され、この弁室3bはバネ受け具5のオリフィス5aを介して送水配管1の内部と連通している。弁室3b内に弁体20の頂部に設けた弁部24が臨んでいる。ボデー3の内部には略円筒形のスリーブ10が下方より挿入され、スリーブ10の下端部に設けられた外フランジ10aがボデー3の下端部内面に形成された内フランジ3cの下面に当接させることで位置決めされている。ボデー3の下端部にはロックナット16が螺着され、このロックナット16によって樹脂製のホースジョイント17のフランジを介してスリーブ10のフランジ10aがボデー3の内フランジ3cの下面に圧着される。これにより、スリーブ10はボデー3の内部に同心状に固定されている。
【0014】
ボデー3の内面とスリーブ10の外面との間には、内部に水を貯留する円筒状の作動室6が形成されている。作動室6の下端側(送水配管側と反対側)は、スリーブ10の外フランジ10aの外周に装着されたOリング等のシール材11によって閉じられている。ボデー3の内フランジ3cとスリーブ10の外フランジ10aとの間に小さな環状空間13が形成されており、環状空間13と作動室6とは内フランジ3cを上下に貫通する流入穴14を介して連通している。環状空間13は流入通路7を介してボデー3の弁室3bと連通している。流入通路7はボデー3の外壁部に一体形成された軸方向に延びる突条部8(図2参照)の内部に形成されている。この実施例では、流入通路7は突条部8に対して軸方向に貫通する貫通穴を形成し、その下端をセットボルト15で封止するとともに、環状空間13から貫通穴に対して斜め方向にキリ穴12を形成したものである。
上記実施例では、環状空間13と作動室6の下端部とを連通させるため、内フランジ3cに流入穴14を形成したが、スリーブ10の外周面と内フランジ3cの内周面との隙間(図6参照)を介して連通させてもよい。
【0015】
スリーブ10の上端部はボデー3の弁室3aまで延びており、その上端にはやや小径に絞られた弁口12が形成されている。上記スリーブ10の上端部には、図3に示すように、キャップ形状の弁体20が軸方向に移動自在に嵌合されている。弁体20の下端部には、作動室6の上端側をシールする円筒形の封止部21が一体に形成されている。封止部21の内外周には、スリーブ10の外周面に接触するOリング等のシール材22と、ボデー3の内周面に接触するシール材23とが取り付けられている。弁体20の上端部には円筒状の弁部24が設けられ、この弁部24の内部天井面には、上記弁口12を開閉するバルブガスケット25が取り付けられている。弁体20の弁部24と封止部21との間には、外周面と内周面とを連通させる連通穴26が設けられ、弁室3b内の水は、この連通穴26を通ってスリーブ10(弁口12)の外周面に常時導かれている。この実施例では、弁口12がスリーブ10の直径よりやや小径であるため、弁部24の内周面と弁口12の外周面との間に環状空間9(図4参照)が形成され、この環状空間9に連通穴26を介して水が導かれている。弁体20の弁部24上面とバネ受け具5との間には、弁体20を下方へ付勢し、ガスケット21を弁口12に押し付けるためのリターンスプリング27が配置されている。この実施例では、リターンスプリング27のばね荷重は低く設定されており、例えば凍結防止装置Aが送水配管1に対して斜め方向に取り付けられた場合でも、弁体20が弁口12に対して安定して着座するように支持する役割を有する。
【0016】
この実施例では、弁口12がスリーブ10の上端に形成されているので、キャップ形状の弁体20をボデー3の上端開口部から挿入し、スリーブ10の上端部に嵌合するだけで組み付けることができ、組付が簡単になる。また、ボデー3に弁口を形成する必要がないので、ボデー3の構造が簡素となる。その結果、弁体20およびボデー3をそれぞれ1部品で構成することが可能となり、弁体20およびボデー3を小型化することが可能となるという利点がある。
【0017】
スリーブ10の内部には、樹脂製排水パイプ29が挿着されている。弁体20が弁口6を開いた時、送水配管1内の水は、弁室3b、連通穴25、弁口12を通り、スリーブ10の内部に挿着された排水パイプ29、ホースジョイント17を介して外部へ排水される。したがって、排水パイプ29およびホースジョイント17により排水通路が形成される。排水パイプ29およびホースジョイント17は、送水配管1内の水を排水する際に、水滴がスリーブ10の内面に付着して氷結するのを防止するものであり、四フッ化エチレン樹脂などの熱伝導性の低い樹脂材料で形成するのがよい。そのため、排水時の水の保有熱がスリーブ10に伝わり難くなるが、後述するように作動室6の水が僅かに溶けただけで閉弁されるので、排水パイプ29による影響は殆どない。なお、必要に応じて排水パイプ29を省略あるいは図示のものより短くし、排水がスリーブ10の内面を伝って流れるようにしてもよい。
【0018】
ボデー3は真鍮のような熱伝導度の高い材料で形成するのがよい。そのため、外気温度が低下した時、流入通路7や作動室6の水の保有熱は外壁を構成するボデー3の外表面から放散され、流入通路7や作動室6内の水を速やかに凝固させる。しかも、作動室6は薄肉な円筒状空間で構成されているため、容積に対するボデー3との接触面積が大きく、外気温度に迅速に反応できる。
一方、弁体20はボデー3より熱伝導度の低い材料(例えばステンレス)で形成するのがよい。即ち、弁体20もボデー3と同様に熱伝導度の高い材料で形成した場合、弁室3b内部の水の保有熱が弁体20を介して作動室6に伝わり、作動室6の水の凝固を遅らせる可能性がある。これに対し、弁体20をボデー3に比べて熱伝導度の低い材料で形成すれば、弁室3bから弁体20を介して作動室6に伝わる熱量が少なくなり、作動室6の水を速やかに凝固させることができるからである。
また、スリーブ10もボデー3より熱伝導度の低い材料(例えばステンレス)で形成してもよい。その理由は、作動室6の内壁を構成するスリーブ10の内側の空気層の熱が作動室6に伝わるのを抑制し、作動室6の水の凝固が遅れるのを防止するためである。但し、スリーブ10をボデー3と同様に熱伝導度の高い材料で形成してもよいことは勿論である。
【0019】
上記作動室6の上部に位置するボデー3の側壁には、内側端部が弁体20の封止部21の外周面に通じ、外側端部が外部に通じるブロー孔30が形成されている。ブロー孔30の外側端部には雌ねじ31が形成され、この雌ねじ31にブロー孔30を開閉自在なブロー弁32が螺合している。ブロー弁32には、ブロー孔30を流れた水を外部に排出する排出孔33が形成されている。
ブロー弁32を開くと、作動室6の内圧が低下するため、送水配管1内の水は、弁室3b、流入通路7を通って作動室6に下方より導入される。それに伴って、作動室6内の水は弁体20の外周面とボデー3との隙間から、ブロー孔30およびブロー弁32の排出孔33を介して排出されるが、同時に作動室6の上部に溜まった空気も水とともに排出される。空気は圧縮性流体であるため、作動室6に空気が少しでも残留していると、弁体20の開弁動作を著しく遅らせることになるが、上記のように流入通路7が作動室6の最下部に連通し、ブロー孔30が作動室6の最上部に連通しているので、作動室6の残留空気を効率良く排出できる。
【0020】
次に、上記構成の凍結防止装置Aの作動を説明する。
外気温度が零度以下に低下すると、流入通路7および作動室6内の水の保有熱がボデー3を介して放出され、流入通路7の水が先に凍結し、しかる後作動室6内の水が凝固し始める。特に、弁室3b内部の水の保有熱の影響のため、作動室6の内、弁室3bに近い上部に比べて、下部の方が早く凝固する。作動室6内の水が凝固し始めると、流入通路7は既に凍結して閉止されているので、作動室6の水凝固時の体積膨張によって弁体20が押し上げられ、弁口12を開く(図5参照)。そのため、送水配管1内の水が弁室3b、弁口12、排水パイプ29を通って外部に排出される。その結果、送水配管1内の水の流通を促して送水配管1の凍結を防止できるとともに、排出される水の保有熱が、ボデー3、弁体20あるいはスリーブ10を介して作動室6に伝導され、作動室6の氷を溶かす。その結果、作動室6の体積が縮小し、弁体20は送水配管1の水圧およびスプリング27のばね力によって押し下げられ、自動的に閉弁する。以後、上記の動作を繰り返す。
【0021】
上記開弁動作において、弁体20は作動室6の上端側に配置されており、作動室6の体積膨張による軸方向力のみを受けるので、弁体20の軸方向移動が非常に円滑となる。そのため、作動室6の中の水がシャーベット状に凝固し始めるだけで開弁でき、外気温度の低下に対し鋭敏に反応して送水配管1などの他の配管の凍結を確実に防止できる。また、弁口12を開いて排水した時、排水の保有熱により作動室6内のシャーベット状の氷は速やかに溶けるので、多量の水が無駄に排出されることなく閉弁でき、水を節約できる。
【0022】
上記のように弁口12が作動室6の内壁を構成するスリーブ10の上端部に形成されているため、弁口12が開かれた時、弁室3b内の水は弁口12を通って排出されるに過ぎない。つまり、弁口12を通った水が弁体20とボデー3との隙間や、弁体20とスリーブ10との隙間を経由せずに排出される。小型の凍結防止装置では、スリーブ10の内径が小さくなるので、排水通路29内に排水の一部が溜まることがあり、排水通路29は大気に開放しているので、溜まった排水が凍る可能性がある。しかし、弁口12より下流側の排水通路29には、弁体20の摺動部が存在しないので、たとえ溜まった排水が排水通路29で凍っても、弁体20の開弁動作に全く悪影響を及ぼさない。
なお、排水通路29内で凍った氷は、弁口12が開かれて送水配管1の水が流れ込めば、瞬時に溶けるので、問題がない。また、排水パイプ29として四フッ化エチレン樹脂などの摩擦係数の小さい材料を使用することで、開弁時の差圧によっても氷を排出できる。
弁口12より上流側(弁室3b,連通穴26,環状空間9)は、給水配管1と連通し、かつ加圧下の水で満たされているので、凍結することはない。
【0023】
上記実施例では、流入通路7をボデー3の外壁部に一体形成された突条部8の内部に形成したが、図6に示すように、別体のパイプ18を接続することで流入通路を形成してもよい。流入パイプ18は、内部の水が作動室6より早く凍結する必要があるので、薄肉でかつ熱伝導の良好な金属パイプで構成するのがよい。この場合には、流入パイプ18の全周が外気に露出しているので、凍結を早めることができる。
【0024】
本発明の凍結防止装置Aは、図1のような送水配管1の途中に取り付ける場合に限らず、あらゆる部位に取り付けることが可能である。例えば、配管末端部の給水栓の近傍に取り付けたり、給湯器の配管に取り付けることもできる。
上記実施例では、凍結防止装置Aのボデー3を一体構造物で構成したが、特開平8−28732号公報と同様に複数部品で構成することも可能である。例えば、継手2に螺着されるジョイント部分を別部品で構成すれば、継手2の接続口の直径が異なる場合でもジョイントを交換するだけで簡単に対応できる。
上記実施例では、流入通路7が先に凍結して閉止された後、作動室6の水が凝固することで、弁体20を動作させる例を示したが、流入通路7に逆止弁を設け、流入通路7が先に凍結しなくても、作動室6の水の凝固による膨張圧力が流入通路7に逃げるのを防止してもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、弁口をボデーではなく、作動室の内壁を構成するスリーブの送水配管側端部に形成したので、弁口より下流側の排水経路には、弁体の摺動部が存在しない。そのため、排水の一部がスリーブの中で凍っても、弁体の開弁動作に悪影響を及ぼさない。
また、弁口がスリーブの送水配管側端部に形成されているので、ボデーに弁口を形成する場合のようにボデーを複雑な構造に加工する必要がなく、弁体もスリーブの上端に被さるキャップ形状にすれば、封止部と弁部とを一体部品で構成できるので、構造が簡単で、組付も容易である。そのため、安価で小型の凍結防止装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる凍結防止装置の第1実施例の全体断面図である。
【図2】図1のB−B線断面図である。
【図3】弁体の斜視図である。
【図4】図1の要部の拡大図である。
【図5】動作時における図1の要部拡大図である。
【図6】本発明にかかる凍結防止装置の第2実施例の断面図である。
【図7】従来の凍結防止装置の断面図である。
【符号の説明】
A 凍結防止装置
1 送水配管
3 ボデー
6 作動室
7 流入通路
10 スリーブ
12 弁口
20 弁体
21 封止部
24 弁部
25 ガスケット
27 リターンスプリング
29 排水パイプ(排水通路)
Claims (1)
- 一端部が送水配管に接続された筒形のボデーと、
上記ボデーの内部に同心状に固定され、その送水配管側の端部に弁口が形成され、外部へ通じる排水通路が内側に形成されたスリーブと、
上記ボデーの内周面とスリーブの外周面との間に形成され、内部に水を貯留する円筒状の作動室と、
上記送水配管の内部と作動室の送水配管側と反対側の端部とを連通させ、作動室より先に凍結して封止される流入通路と、
上記スリーブに摺動自在に外嵌されるキャップ形状に形成され、その天井部内側に設けられて上記弁口を開閉可能な弁部と、上記作動室の送水配管側の端部を摺動自在に封止する封止部とを有する弁体と、を具備し、
上記弁体の弁部と封止部との間には内外に連通する連通穴が設けられ、この連通穴を介して上記送水配管の内部とスリーブの送水配管側の端部外周とが常時連通しており、
上記作動室内の水凝固時の体積膨張作用により上記ボデーおよびスリーブに対して弁体を開弁方向に作動させ、上記弁口を開いて送水配管内部の水を上記連通穴から弁口を通り上記排水通路を介して外部へ排出可能としたことを特徴とする凍結防止装置。
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