JP3982214B2 - ジャンクションブロック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、バスバー及び電気部品の端子同士を電気的に接続するための中継端子を用いたジャンクションブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のジャンクションブロックでは、その本体ケース内に、平板状のバスバー及び絶縁板が交互に積層されたバスバー積層体が収容されている。バスバーは一枚の金属板を打ち抜いたものであって、その両端部にはプレス装置により折曲されたタブ形状端子が形成されている。両タブ形状端子は、本体ケースに設けられた電気部品装着部に挿入配置される。そして、バスバーと電気部品装着部に装着される電気部品とは、中継端子を介して電気的に接続されるのが一般的である。電気部品としては、例えばワイヤハーネスコネクタ、リレー或いはヒューズ等がある。
【0003】
上述した中継端子は、実開昭56−165369号公報に既に開示されている。すなわち、図11,図12に示される中継端子60は、いわゆるファストン接続方式と呼ばれるものである。この中継端子60は、平板状に形成された基部61と、その上下両端部に折曲された円弧状接続片62とから構成されている。円弧状接続片62の端部と基部61との間には隙間が形成され、この隙間は電気部品63に設けられた端子63aが挿入される端子挿入部64となっている。そして、一方の端子挿入部64に、電気部品63の端子63aが圧入されるとともに、他方の端子挿入部64に、バスバー65のタブ形状端子65aが圧入される。この圧入によって、電気部品63の端子63aと、バスバー65のタブ形状端子65aとが中継端子62にそれぞれ圧接される。
【0004】
又、上述した公報に示される中継端子60以外に、特開平2−111213号公報に示される中継端子が知られている。図13,14に示すように、この中継端子70は、一端に二股形状の圧接部71が2つ形成され、他端にタブ形状端子72が形成されている。両圧接部71は、中継端子70の中央部分をU字状に折曲することで平行に配置されている。そして、両圧接部71にバスバー73が挟入されるとともに、タブ形状端子72に図示しない電気部品に設けられた雌型接続端子が差し込まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図11,図12に示される従来の中継端子60は、両側に2つ円弧状接続片62を有していることから全体が大型化する。つまり、中継端子60が大きいほど、その設置スペースを余分に確保する必要がある。このことは、ジャンクションブロックの小型化の妨げとなる要因の1つであると言える。それに加え、中継端子60を製造するには、金属板を打ち抜いた後に、円弧状接続片62を曲げ形成している。そのため、金属板を打ち抜くための金型と、円弧状接続片62を曲げ形成するための金型とが必要になる。つまり、少なくとも2つの金型が必要となるので、設備投資コストが高くなる。それとともに、製造工程数も増え、中継端子60のコストが高くなる。
【0006】
又、図13,図14に示される従来の中継端子70については、一端部に2つの圧接部71が一定間隔をおいて配置されている。このことから、このタイプの中継端子70についても全体が大型化することとなり、ジャンクションブロックの小型化を妨げている。しかも、中継端子70を製造するには、金属板を打ち抜いた後に、同中継端子70の中央部分をU字状に折曲している。従って、この中継端子70についても、金属板を打ち抜くための金型と、曲げ形成するための金型とが必要となるので、設備投資コストと製造コストとが高くなる。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、低コストで小型化を実現することが可能な中継端子を提供することにある。又、小型化を図ることが可能で、しかも中継端子を正しい姿勢に保持することが可能なジャンクションブロックを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
この発明において、ジャンクションブロックは、電気部品が装着される電気部品装着部が形成された本体ケースを備えている。本体ケース内には、縦バスバーが収容されるとともに、平バスバー及び合成樹脂からなる絶縁板を交互に重ね合わせたバスバー積層体が収容されている。また、平バスバーによってバッテリーに接続された電源側回路が構成されるとともに、縦バスバーによって車両用負荷機器に接続された出力側回路が構成されている。さらに、縦バスバーと電気部品とを中継端子を介して電気的に接続し、中継端子は、バスバー積層体に貫設されるとともに、バスバー積層体に設けられた絶縁板に圧入固定され、端子本体と、端子本体の両端部にそれぞれ突設された二股状の狭持部とから構成されている。そして、端子本体と両狭持部とは、板状素材を打ち抜くことによって一体的に形成され、一方の狭持部に形成された挿入口に電気部品の端子が差し込まれて圧接されるとともに、他方の狭持部に形成された挿入口に縦バスバーの一部が差し込まれて圧接されている。
【0009】
ここで、端子本体と両挟持部とは板状をなすように一体的に形成されたものであるため、中継端子全体の小型化が図ることが可能になる。その結果、中継端子の設置スペースを小さくすることが可能になる。更に、中継端子を接続するためのタブ形状端子を縦バスバーに形成せずに、電気部品と縦バスバーとが接続されている。このことから、縦バスバーを製造するのにプレス装置のような大規模な設備を必要としない。つまり、帯状素材を切断するだけで縦バスバーを得ることができる。この結果、設備投資コストを低くすることが可能となる。また、中継端子の設置スペースを小さくすることができ、ジャンクションブロックの小型化を図ることが可能になる。さらに、バスバー積層体に中継端子をあらかじめ組み付け、そのバスバー積層体を本体ケースに組み付けることで、中継端子を縦バスバーに接続することが可能になる。従って、仮に中継端子が多数ある場合において、それらの接続を一度に済ませることができるので、組付け作業を簡単にすることが可能になる。
【0010】
(請求項2の発明)
この発明において、請求項1にかかる両狭持部の先端部には狭小部が形成され、一方の狭持部に形成された狭小部は、一方の狭持部に形成された挿入口の間隔を電気部品の端子の厚みよりも狭くするとともに、他方の狭持部に形成された狭小部は、他方の狭持部に形成された挿入口の間隔を縦バスバーの厚みよりも狭くする。そのため、一方の挟持部に形成された挿入口に電気部品の端子が差し込まれると、その端子に対し挟持部が高い接触圧でもって接続される。それとともに、他方の挟持部に形成された挿入口に縦バスバーが差し込まれると、その縦バスバーに対し挟持部が高い接触圧でもって接続される。従って、電気部品と縦バスバーとの接続不良を確実に防止することができる。
【0013】
(請求項3の発明)
この発明において、請求項1又は2にかかる端子本体の両側には、絶縁板と係合する係止部が形成されている。この係止部があることによって以下に示す作用がある。すなわち、中継端子における挟持部の挿入口に差し込まれる電気部品の端子及び縦バスバーは、ある程度の力でもって挟入される。しかし、端子本体に設けられた係止部が絶縁板に係合されている。この係合関係が抵抗力となり、電気部品の端子及び縦バスバーが中継端子に差し込まれるときに、中継端子がバスバー積層体から位置ずれすることはない。なお、係止部の形状は任意の形状にすることが可能である。
【0014】
(請求項4の発明)
この発明において、請求項1〜3のうちいずれかにかかる本体ケース内には、縦バスバーが差し込まれる他方の挟持部の先端を支え止める端子支持部が設けられている。この端子支持部があることにより以下に示す作用がある。すなわち、電気部品の端子を他方の挟持部に差し込むときに、縦バスバー側へ押し付ける力が中継端子に働く。しかし、端子支持部によって中継端子の他方の挟持部が支え止められているため、中継端子の位置ずれを確実に防止することができる。
【0015】
(請求項5の発明)
この発明において、請求項4にかかる端子支持部は、縦バスバーを挟持した状態で保持することも兼ねている。このことから、本体ケースの内部構造を簡素化することができ、ジャンクションブロックの小型化に貢献することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車の室内に設けられるジャンクションブロックに具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図4に示すように、ジャンクションブロック11は合成樹脂製の本体ケース12を備え、その本体ケース12は、上面が開口されたロアケース14と、下面が開口されたアッパーケース15とから構成されている。アッパーケース15の下端縁には、複数の係止孔15aが形成され、この係止孔15aにロアケース14の下端縁に形成された係止突部14aが着脱可能に係合されている。この係合によって、ロアケース14とアッパーケース15とが組み付けられた状態に保持される。
【0018】
図4,図9に示すように、ロアケース14内には、ロアケース14の底面に対し直交するように配置された縦バスバー16が複数収容されている。各縦バスバー16は、それらのうち一部を除くほとんどが一方向に沿って一定の間隔をおいて平行に配列されている。具体的に言うと、縦バスバー16は、ロアケース14の長手方向に沿って延設されている。これら縦バスバー16は、銅製の帯状素材を所望の長さに切断したものである。
【0019】
図4,図7に示すように、縦バスバー16の上下方向において本体ケース12の上下両面に位置する箇所には、それぞれコネクタ挿入口17が形成されている。これらのコネクタ挿入口17は、本体ケース12の幅方向に沿って延びる細長い形状となっている。各コネクタ挿入口17には、縦バスバー用コネクタ18が着脱可能に挿入されている。縦バスバー用コネクタ18は、その両側に設けられたロック部18bによって、コネクタ挿入口17に装着された状態に保持される。縦バスバー用コネクタ18は、複数の端子収容孔18aを備えており、それらの内部に圧入端子19が収容されている。その圧入端子19の先端はバスバーの上縁部に接続される一方、基端部はリード線20を介して図示しない自動車の車両用負荷機器に電気的に接続されている。
【0020】
ここで、自動車の車両用負荷機器としては、例えばパワーウインドウ、フォグランプ、ヘッドライト等が挙げられる。なお、各縦バスバー用コネクタ18において、すべての端子収容孔18aに圧入端子19が収容されていない。これは、複数ある端子収容孔18aに圧入端子19を選択的に収容するためである。従って、車両用負荷機器が変更するようなことがあっても、縦バスバー16の接続を変更することが可能になり、自動車の仕様が多少違っていても容易に対応することが可能となる。
【0021】
図4に示すように、前記縦バスバー16の上方におけるロアケース14内にはバスバー積層体25が収容されている。バスバー積層体25は、合成樹脂からなる複数の絶縁板26と平バスバー27とを交互に積層したものである。本実施形態のジャンクションブロック11は、バスバー積層体25に設けられた平バスバー27と縦バスバー16とが混在している。
【0022】
平バスバー27とは、その平坦面(表裏両面)がロアケース14の底面に対して平行となるように配置したものである。これに対して縦バスバー16は、その平坦面がロアケース14の底面に対して垂直となるように配置したものである。従って、平バスバー27及び縦バスバー16の配置向きは、直交する関係にある。
【0023】
平バスバー27は、一枚の金属板材をプレス装置で打ち抜いたものであって、その端部には接続端子28が直角に折曲されている。接続端子28は、アッパーケース15の上面から外方へ突出され、アッパーケース15に形成されたコネクタ装着部29、リレー装着部30、及びヒューズ装着部31内にそれぞれ挿入配置されている。そして、コネクタ装着部29にコネクタ33が装着されることで、そのコネクタ33に設けられた端子(図示しない)が接続端子28に接続され、図示しないバッテリーから電力が供給される。
【0024】
このコネクタ33に接続される電線は、前記縦バスバー用コネクタ18のリード線20よりも太くなっている。具体的にいうと、コネクタ33の電線は、導体断面積が2mm2以上の太物電線である。一方、縦バスバー用コネクタ18のリード線20は、導体断面積が約1.5mm2以下の細物電線である。これは、平バスバー27に流れる電流は縦バスバー16に流れるそれよりも大きいからである。なお、本実施形態でいう電気部品装着部は、リレー装着部30とヒューズ装着部31とを言う。
【0025】
又、リレー装着部30にリレー34が装着されることにより、そのリレー34に設けられた端子34aが接続端子28に接続される。ちなみに、本実施形態におけるリレー34は、自動車のワイパー装置に設けられた駆動モータをオン・オフするためのものである。更に、ヒューズ装着部31にヒューズ35が装着されることにより、そのヒューズ35に設けられた端子35aが接続端子28に接続される。このヒューズ35により、図示しない車両用負荷機器の保護が図られる。車両用負荷機器としては、既に上述したワイパー装置以外に、例えばヘッドライト、ウインカーランプ等がある。
【0026】
図4〜図6に示すように、バスバー積層体25には、金属製の板状素材を打ち抜いて形成した複数の中継端子40が貫設されている。バスバー積層体25に対する各中継端子40のなす角度は直角に設定されている。中継端子40の一端は、ヒューズ35用であれば一部のヒューズ装着部31の内側に、リレー34用であれば一部のリレー装着部30の内側に、コネクタ33用であれば一部のコネクタ装着部29の内側にそれぞれ挿入されている。各装着部29,30,31に各中継端子40が挿入される箇所としては、前記平バスバー27の接続端子28が挿入されていないところである。
【0027】
中継端子40は、その中央部に形成された端子本体41と、端子本体41の両端部にそれぞれ突設された二股状をなす2つの挟持部42,43とから構成されている。図6に示すように、端子本体41の両側部には、係止部としての係止突部44がそれぞれ形成されている。つまり、本実施形態では、端子本体41の一側部につき2つの係止突部44があることから、1つの中継端子40につき合計4つの係止突部44が設けられている。これらの係止突部44によって、中継端子40の端子本体41の両側部は、ジグザグに形成されている。そして、中継端子40がバスバー積層体25に圧入されることにより、その端子本体41の両側部が絶縁板26に係合されるようになっている。この係合によって、中継端子40は、その取付姿勢が適正に保持される。すなわち、バスバー積層体25の両面に対して直交する角度で中継端子40が保持される。
【0028】
上部挟持部42及び下部挟持部43には、それぞれの先端部に挿入口42a,43aが形成されている。そして、コネクタ33の端子33a、リレー34の端子34a、ヒューズ35の端子35aが上部挟持部42の挿入口42aに挟入されることにより、中継端子40に対する電気的接続が図られる。それに対して、縦バスバー16が下部挟持部43の挿入口43aに挟入されることにより、中継端子40に対する電気的接続が図られる。要するに、コネクタ33、リレー34、ヒューズ35はそれぞれ中継端子40を介して縦バスバー16に接続されている。
【0029】
両挟持部42,43の先端部には、それぞれ一対の狭小部46が形成されている。この狭小部46によって、挿入口42aの間隔が、リレー34の端子34a等(即ち、電気部品の端子)の厚みよりも狭められ、挿入口43aの間隔が、縦バスバー16の厚みよりも狭められている。このことから、各挿入口42a,43aのそれぞれにリレー34の端子34a、縦バスバー16を挿入した状態では、リレー34の端子34aと縦バスバー16に対する両挟持部42,43の圧接力は強くなる。
【0030】
中継端子40は、バスバー積層体25に設けられた平バスバー27によって形成される回路とは電気的に接続されていない。このことから、電気回路的には中継端子40と平バスバー27とは無関係であるといえる。従って、コネクタ33、リレー34及びヒューズ35に設けられた複数ある端子33a,34a,35aのうち一部は、平バスバー27で形成された電気回路を介すのではなく、中継端子40を介して縦バスバー16にダイレクトで接続されている。
【0031】
中継端子40の下部挟持部43は、ロアケース14の底部に突設された端子支持部45に当接支持されている。これにより、中継端子40は、縦バスバー16側、つまりロアケース14の内奥側に位置ずれが規制されるようになっている。更に、端子支持部45は、縦バスバー16が挿入される挟持溝45aを有している。つまり、端子支持部45は、中継端子40を支持する他に、縦バスバー16を立てた状態に保持する役割も担っている。
【0032】
次に、このジャンクションブロック11の電気的な回路構成について説明する。
図10に示すように、ジャンクションブロック11の電気的回路構成としては、電気部品であるリレー34及びヒューズ35を境界にして、電源側回路47と出力側回路48とに分けられている。電源側回路47は、バッテリーに接続されるものであって、平バスバー27によって形成されている。一方、出力側回路48は、ワイパー装置等の車両用負荷機器に接続されるものであって、縦バスバー16によって形成されている。
【0033】
電源側回路47を平バスバー27で構成した理由は次のことによる。すなわち、電源側回路47は、出力側回路48よりも回路構成が複雑である。そのため、平バスバー27を用いれば、それを何層も積層することが可能であることから、平バスバー27の配線スペースをできる限り小さくすることが可能になるからである。それに加え、電源側回路47には大電流が流れるのに対して、出力側回路48には小電流が流れるようになっている。このようなことから、平バスバー27は、厚みや幅が縦バスバー16のそれよりも大きくなっている。従って、電源側回路47に大電流が流れることで平バスバー27は発熱し易くなるため、その熱に十分耐えるために、電源側回路47を平バスバー27で構成している。
【0034】
これに対して、出力側回路48を縦バスバー16で構成した理由としては次のことによる。つまり、出力側回路48は、電源側回路47よりも比較的単純な回路構成となっている。そのため、平バスバー27のように複数層にも積層することなく、出力側回路48を形成することが可能になるからである。それに加え、縦バスバー16を用いれば、前記本体ケース12に設けたコネクタ挿入口17に、別の車両用負荷機器に接続された縦バスバー用コネクタ18を自在に装着することが可能となるからである。すなわち、自動車の仕様の違いによって車両用負荷機器が追加或いは変更になっても、容易に対応することが可能となる。加えて、出力側回路48には小電流が流れるため、縦バスバー16は平バスバー27に比較して発熱しにくいと言える。よって、加工が容易で材料コストの低い既存の帯状素材で十分足りるため、出力側回路48は縦バスバー16のみで構成されている。
【0035】
次に、本実施形態のジャンクションブロック11を組み付けるには次のように行う。
まず、ロアケース14に縦バスバー16を配設する。次いで、バスバー積層体25に複数の中継端子40を貫通し、端子本体41の側部に形成された係止突部44を絶縁板26に係合する。この係合により、中継端子40はバスバー積層体25に対して強く固定されることとなる。そして、中継端子40の装着を済ませたバスバー積層体25全体を所定の位置で縦バスバー16に押さえ付けると、各中継端子40の下部挟持部43に縦バスバー16が差し込まれ、縦バスバー16が下部挟持部43に圧接される。これにより、縦バスバー16と中継端子40とは電気的に接続される。
【0036】
その後、ロアケース14にアッパーケース15を被せ、アッパーケース15に設けられた係止孔15aを、ロアケース14に設けられた係止突部14aに係合する。この係合によって、アッパーケース15がロアケース14に固定される。次いで、各装着部29,30,31に、コネクタ33、リレー34、ヒューズ35をそれぞれ装着する。この装着により、各中継端子40の上部挟持部42に、リレー34の端子34aやヒューズ35の端子35aが差し込まれると、それらの端子34a,35aは中継端子40に圧接される。これにより、リレー34及びヒューズ35は電気的に接続される。従って、以上のような接続により、縦バスバー16と、それぞれの電気部品であるリレー34、ヒューズ35とは、中継端子40を介して電気的に接続される。
【0037】
本実施形態の特徴を以下に示す。
(1)中継端子40は、端子本体41と、その両端部に形成された2つの挟持部42,43とから構成されている。端子本体41と両挟持部42,43とは、板状素材を打ち抜くことにより一体的に構成されている。そのため、薄い形状をした中継端子40とすることができ、中継端子40の小型化を図ることができる。その結果、中継端子40の設置スペースを小さくすることができるので、ジャンクションブロック11の小型化を図ることができる。
【0038】
(2)上部挟持部42の挿入口42aにはリレー34及びヒューズ35の端子34a,35aが差し込まれ、下部挟持部43の挿入口43aには縦バスバー16が差し込まれている。要するに、中継端子40を接続するためのタブ形状端子を縦バスバー16に形成することなく、リレー34やヒューズ35と縦バスバー16とが電気的に接続されている。従って、縦バスバー16を製造するのにプレス装置のような大規模な設備を必要としない。つまり、帯状素材を切断するだけで縦バスバー16を得ることができるので、設備投資コストを低くすることができる。
【0039】
(3)中継端子40に形成された上下両挟持部42,43の先端部は、それら挿入口42a,43aの間隔を狭くする狭小部46を有している。この狭小部46によって、リレー34及びヒューズ35の端子34a,35aに対する中継端子40の接触圧を高くすることができる。それとともに、縦バスバー16に対する中継端子40の接触圧も高くすることができる。従って、リレー34やヒューズ35といった電気部品と、縦バスバー16との接続不良を確実に防止することができる。
【0040】
(5)バスバー積層体25を構成する絶縁板26に中継端子40は圧入固定されている。この構成により、バスバー積層体25に中継端子40をあらかじめ組み付けておけば、バスバー積層体25をロアケース14に組み付けると同時に、複数の中継端子40を縦バスバー16に圧接することができる。従って、複数の中継端子40を一度に接続することができるので、ジャンクションブロック11の組付け作業が簡単になる。
【0041】
(6)中継端子40における上部挟持部42の挿入口42aに差し込まれる端子34a,35a、及び下部挟持部43の挿入口43aに差し込まれる縦バスバー16が、ある程度の力でもって挟入される。しかし、本実施形態では、中継端子40における端子本体41の両側には、係止突部44が複数形成され、この係止突部44はバスバー積層体25に設けられた絶縁板26に係合されている。これにより、バスバー積層体25に対する中継端子40の固定強度を高くすることができ、バスバー積層体25から中継端子40が位置ずれするのを防止できることはもちろんのこと、中継端子40のがたつきを完全に無くすことができる。
【0042】
(7)リレー34やヒューズ35といった電気部品を装着するときに、中継端子40が縦バスバー16側に押し付けようとする力が働く。しかし、ロアケース14の底部に突設された端子支持部45により、中継端子40が位置ずれするのを確実に防止することができる。
【0043】
(8)端子支持部45に形成された挟持溝45aには、縦バスバー16の一部が挟入されている。すなわち、端子支持部45は、上述したように中継端子40の位置ずれを確実に防止する他に、縦バスバー16を挟持した状態で保持する役割も兼ねている。従って、本体ケース12内の内部構造を簡素化することができ、ジャンクションブロック11の更なる小型化に貢献することができる。
【0044】
(9)ジャンクションブロック11の電気回路は、リレー34及びヒューズ35を境界にして、回路構成が複雑である電源側回路47と、単純である出力側回路48とに分けられている。そして、電源側回路47のみが平バスバー27で構成されている。そのため、電源側回路47のように複雑な回路構成であっても、バスバー積層体25の外形形状をコンパクトにすることができる。
【0045】
それに対し、出力側回路48は縦バスバー16のみで構成されている。そのため、縦バスバー16は幅が同じ帯状素材を切断するだけで得ることができ、平バスバー27と異なり、金型によって構成される大型なプレス装置が不要になる。この結果、設備投資コストを低くすることができる。それとともに、平バスバー27を製造するために、プレス装置を用いるが、そのプレス装置は従来のプレス装置の金型に比較して小型化することができる。このことから、プレス装置を設置するためのスペースを小さくすることができ、生産場所が限定されることが少なくなる。
【0046】
以上のように、縦バスバー16と平バスバー27とを用いて、ジャンクションブロック11を複合的な電気回路としている。縦バスバー16及び平バスバー27それぞれの利点を生かすことで、ジャンクションブロック11の低コスト化と小型化とを両立させることができる。
【0047】
(10)自動車の仕様の違いによって電気回路を変更、或いは追加する場合には、主に出力側回路48の回路構成を変更或いは追加する必要が生じる。しかし、このような場合であっても、本体ケース12に形成されたコネクタ挿入口17に対する縦バスバー用コネクタ18の装着位置や、新たな縦バスバー用コネクタ18を追加することによって対応することができる。この結果、バスバー積層体25に設けられた平バスバー27の配線を変更しなくてもよいので、平バスバー27を製造するプレス装置に用いる金型を新たにモディファイしたり、新規に製作したりせずに済む。従って、自動車の仕様変更等に容易に対応することが可能なジャンクションブロック11を提供することができる。
【0048】
(11)電源側回路47を構成する平バスバー27と、出力側回路48を構成する縦バスバー16とは、本体ケース12の厚さ方向において対峙するように配置されている。そのため、本体ケース12の厚み方向において電源側回路47と出力側回路48とを投影して見ると、両回路47,48を構成するバスバー27,16の配索領域の少なくとも一部分は重なり合う。そのため、両バスバー27,16の同一面上に並べて配索することと比較して、ジャンクションブロック11をコンパクトにすることができる。
【0049】
(12)本体ケース12には、圧入端子を有する縦バスバー用コネクタ18を着脱可能な複数のコネクタ挿入口17が形成されている。そして、そのコネクタ挿入口17は、本体ケース12の端部において集中的に配置されている。つまり、各コネクタ挿入口17は互いに離れた位置にないことから、各コネクタ挿入口17に対する縦バスバー用コネクタ18の装着作業性を向上することができる。
【0050】
(13)従来のジャンクションブロック11に比べて、プレス装置で製造される平バスバー27の使用量を少なくしている。そのため、歩留まりの割合が低い平バスバー27の使用量を減らし、それを減らした代わりとして歩留まりの割合が高い縦バスバー16を使用している。従って、ジャンクションブロック11に用いられるバスバー16,27全体としてみれば、歩留まりの向上に貢献することができる。
【0051】
(14)中継端子40における端子本体41の両側には、複数の係止突部44が形成され、この係止突部44によって中継端子40はがたつくことなくバスバー積層体25に保持される。そのため、バスバー積層体25に中継端子40を取付固定するのに、別部材からなる締結手段を用いる必要がない。この結果、組み付け工数を減らすことができ、ジャンクションブロック11のコストを下げることができる。
【0052】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、縦バスバー16に対して中継端子40を介して電気的に接続される電気部品としてリレー34とヒューズ35とが挙げられている。これ以外に、コネクタ33の端子33aと縦バスバー16とを中継端子40を介して電気的に接続することも許容される。つまり、電気部品としては、リレー34やヒューズ35に限らず、縦バスバー16と電気的に接続されるものであれば任意のものが対象となる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、低コストで中継端子の小型化を図ることができる。また、中継端子の設置スペースを小さくすることができ、ジャンクションブロックの小型化を図ることができる。しかも中継端子を正しい姿勢に保持することができる。さらに、中継端子が多数あっても、それらの接続を一度に済ませることができるので、ジャンクションブロックの組付け作業を簡単にすることができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、電気部品と縦バスバーとの接続不良を確実に防止することができる。
【0056】
請求項3に記載の発明によれば、電気部品の端子及び縦バスバーが中継端子に差し込まれるときに、中継端子がバスバー積層体から位置ずれするのを防止できる。従って、中継端子の接続不良をいっそう確実に防止することができる。
【0057】
請求項4に記載の発明によれば、電気部品の端子を他方の挟持部に差し込むときに、中継端子の位置ずれを確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、本体ケースの内部構造を簡素化することができ、ジャンクションブロックをよりいっそう小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態を示すジャンクションブロックの斜視図。
【図2】ジャンクションブロックの平面図。
【図3】図2に示すジャンクションブロックを裏側から見た見上げ図。
【図4】図2における4−4断面図。
【図5】中継端子の取付部分を示す拡大図。
【図6】中継端子の拡大斜視図。
【図7】縦バスバー用コネクタの拡大斜視図。
【図8】図4における8−8断面図。
【図9】縦バスバーの配線を模式的に示す図。
【図10】ジャンクションブロックの電気的な回路構成を示す概略図。
【図11】従来技術を示す中継端子の分解斜視図。
【図12】同じく、中継端子を接続した状態を示す斜視図。
【図13】図11,図12とは別の従来技術を示す中継端子の分解斜視図。
【図14】同じく、中継端子を接続した状態を示す斜視図。
【符号の説明】
11…ジャンクションブロック、12…本体ケース、16…縦バスバー、25…バスバー積層体、26…絶縁板、27…平バスバー、30…リレー装着部(電気部品装着部)、31…ヒューズ装着部(電気部品装着部)、34…リレー(電気部品)、34a…電気部品の端子、35…ヒューズ(電気部品)、35a…電気部品の端子、40…中継端子、41…端子本体、42…上部挟持部、42a…挿入口、43…下部挟持部、43a…挿入口、44…係止突部(係止部)、45…端子支持部、46…狭小部、47…電源側回路、48…出力側回路。
Claims (5)
- 電気部品が装着される電気部品装着部が形成された本体ケースを備え、
前記本体ケース内には、縦バスバーが収容されるとともに、平バスバー及び合成樹脂からなる絶縁板を交互に重ね合わせたバスバー積層体が収容され、
前記平バスバーによってバッテリーに接続された電源側回路が構成されるとともに、前記縦バスバーによって車両用負荷機器に接続された出力側回路が構成され、
前記縦バスバーと前記電気部品とを中継端子を介して電気的に接続し、
前記中継端子は、
前記バスバー積層体に貫設されるとともに、該バスバー積層体に設けられた前記絶縁板に圧入固定され、
端子本体と、該端子本体の両端部にそれぞれ突設された二股状の狭持部とから構成され、
前記端子本体と前記両狭持部とは、板状素材を打ち抜くことによって一体的に形成され、
一方の狭持部に形成された挿入口に前記電気部品の端子が差し込まれて圧接されるとともに、他方の狭持部に形成された挿入口に前記縦バスバーの一部が差し込まれて圧接される
ことを特徴とするジャンクションブロック。 - 前記両狭持部の先端部には狭小部が形成され、
前記一方の狭持部に形成された狭小部は、前記一方の狭持部に形成された挿入口の間隔を前記電気部品の端子の厚みよりも狭くするとともに、前記他方の狭持部に形成された狭小部は、前記他方の狭持部に形成された挿入口の間隔を前記縦バスバーの厚みよりも狭くすることを特徴とする請求項1に記載のジャンクションブロック。 - 前記端子本体の両側には、前記絶縁板と係合する係止部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャンクションブロック。
- 前記本体ケース内には、前記縦バスバーが差し込まれる前記他方の挟持部の先端を支え止める端子支持部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のジャンクションブロック。
- 前記端子支持部は、前記縦バスバーを狭持した状態で保持することも兼ねていることを特徴とする請求項4に記載のジャンクションブロック。
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