JP3981470B2 - 緊急事態用浴室ドア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は緊急事態用浴室ドアに関する。ここで緊急事態とは、例えば浴室内で人が倒れた場合を言う。このような場合本発明の緊急事態用浴室ドアは、ドア本体から救助用中扉を開放することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来の一例としては、特開平6−307169号公報に記載の緊急脱出扉付き浴室ドアがある。この公報記載の浴室ドアは、レバーハンドルを有するドア本体と、このドア本体に一体的に組込まれた緊急脱出ドアとから成り、前記緊急脱出ドアは、まず緊急時に非常用解錠装置の操作部材を操作し、ドア本体と緊急脱出ドアとの係合を常に保持している係合手段を解除する。ドア本体と緊急脱出ドアを一体的に結合している係合手段は、ドア本体の縦框に沿って固定的に設けられた端面ハット型の被係合部材と、この被係合部材の凹所にバネ部材のバネ力により常時圧接係合するように付勢され、かつ、緊急脱出ドアの縦縁部に取付けられた突起状係合部材とから成る。
【0003】
そこで、凹所側の被係合部材と凸側の係合部材との係合は、ドア本体側に備えられた非常用解錠装置の操作部材によって係合解除される訳であるが、この係合解除は、ドア本体の外壁面から突出する操作つまみを有する長板片状操作部材を縦方向へと移動操作すると、その解除レバーの先端部が緊急脱出ドアの係合部材をバネ部材のバネ力に抗して係合解除の方向(見付け方向)へと押圧する。
【0004】
次に係合手段の係合を解除したならば、緊急脱出ドアを浴室ドアの幅方向へとスライド移動させ、さらに、緊急脱出ドアを縦軸を介してドア本体から脱衣室側へと回転開放させる。したがって、次に列挙するような問題点があった。
▲1▼縦框に対する緊急脱出ドアの「がたつき」を防止することができる利点を有するが、係合手段はその構成する部品点数が多く、また非常用解錠装置の解除レバーとの当接関係も考慮しなければならない。
▲2▼非常用解錠装置を構成する部品点数も多い。例えば縦框に対してドアの奥行き方向に合わせられるサッシ状支持部材、この支持部材の窓孔から水平軸を介して先端部が突出する解除部材、この解除部材の内端部を軸支する長板片状操作部材、この操作部材の適宜箇所に設けられた操作用摘み等が必要である。そして、これらの各部材をドア本体の縦枠に取付けなければ成らない。したがって、ドア本体及び緊急脱出ドアの奥行き(見込み幅)の縁部が拡大化する。
▲3▼緊急脱出ドアをそのまま開放すると、ドア本体のレバーハンドルが邪魔になる。そこで、レバーハンドルとの衝突を回避するために緊急脱出ドアをスライド型に構成している。そのため緊急脱出ドアに複雑なスライド機構を設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、第1の目的は、緊急時に係合手段の係合状態を解除させた救助用中扉を、そのままの位置から脱衣室側に水平回転させて開放することができることである。この場合ドア本体のレバー状操作部材が邪魔にならないことである。第2の目的は、平常時に操作部材を中扉側にプッシュするとラッチが操作部材の連動してフロント面に収没し、一方、緊急事態発生時に操作部材を脱衣室側にプル(引き寄せ)すると、ラッチが操作部材に連動しないで、操作部材のみが水平回転することである。第3の目的は、レバー状操作部材を簡単にドア本体の取付け受け座に組込むことができると共に、操作部材をいずれの方向(中扉側と脱衣室側)にそれぞれ水平回転(プッシュとプル)させてもバネ部材のバネ力により浴室ドアの外壁面に対向する位置へと復帰することである。第4の目的は、第2実施例に於いて、平常時には操作部材が脱衣室側に回転せず、一方、緊急時には直ちに操作部材の前記回転規制の解消を図ることができることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の緊急事態用浴室ドアは、平常時ラッチ9をフロント面に収没させるレバー状の操作部材10を有するドア本体3と、このドア本体の開口部5に一体的に組込まれた救助用中扉4とから成り、前記救助用中扉4は、平常時にはドア本体の縦框3c並びに救助用中扉4の縁部にそれぞれ設けられた係合手段6を介して一体的に係合し、一方緊急時には、前記係合手段6の係合状態を解除し、また前記操作部材10をバネ部材13のバネ力に抗して脱衣室B側へと水平回転させたうえで開放し、前記バネ部材13は、ドア本体3の取付け受け座11に突出形成された角型嵌合口部17に嵌合する操作部材10の回転部22内にラッチ9用の駆動片30と共に組込まれていることを特徴とする。
【0007】
また本発明の緊急事態用浴室ドアは、平常時ラッチ9Aをフロント面に収没させるレバー状の操作部材10Aを有するドア本体3と、このドア本体の開口部5に一体的に組込まれた救助用中扉4Aとから成り、前記救助用中扉4Aは、平常時にはドア本体の縦框3c並びに救助用中扉4の縁部にそれぞれ設けられた係合手段6を介して一体的に係合し、一方緊急時には、前記係合手段6の係合状態を解除し、また前記操作部材10Aをバネ部材13のバネ力に抗して脱衣室B側へと水平回転させたうえで開放し、前記バネ部材13は、ドア本体3の取付け受け座11Aに突出形成された角型嵌合口部17Aに嵌合する操作部材10Aの回転部22内にラッチ9A用の駆動片30と共に組込まれ、さらに、平常時に於いて、取付け受け座11Aの嵌合口部17Aの一側壁17aに操作部材10Aが脱衣室側に回転しないように規制するストッパー板51が取り外し可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9に示す第1実施例の緊急事態用浴室ドアXについて説明する。まず、図1を参照に浴室ドアXの実施形態(環境)を簡単に説明する。符号Aは浴室、Bは脱衣室、1はドア用枠、Xは枢軸2を介して前記ドア用枠1に開放自在に取付けられた緊急事態(救出)用浴室ドアである。
【0009】
普通一般に浴室ドアは、浴室A側に開放する。したがって、浴室A内で人が倒れた緊急事態発生の場合には、図1の仮想線で示すように、浴室ドアXを浴室A側に開いて人を助け出さなければならない。本発明の浴室ドアXも、もちろん浴室A側に開放するので、普通一般の浴室ドアと同様に浴室ドアXを浴室A側に開き、倒れた人を助け出すことができる。
【0010】
次に本発明の浴室ドアXの構成について詳しく説明する。この浴室ドアXは、基本的には、ドア本体3と、このドア本体に一体的に組み込まれた救助用中扉4と、平常時この救助用中扉が前記ドア本体から外れないように一体化させる係合手段6と、ラッチ9をドア本体のフロント面から収没させる操作部材10と、この操作部材を常態の位置へ復帰させるバネ部材13とから成る。
【0011】
そこで、これらの基本的構成部材について順番に説明する。まずドア本体3について説明する。ドア本体3はアルミニュームで、いわゆる矩形枠(サッシ)状に形成されている。図1を基準にすると、3aは上框、3bは下框、3cはラッチ側の縦框、3dは枢軸2或いは蝶番側の縦框である。矩形枠状のドア本体3は、水が脱衣室B側に飛散しないように下枠1aや縦枠1bで規制されている。
【0012】
したがって、ドア本体3は浴室A側に開放可能であるが、脱衣室B側には開放することができない。そこで、ドア本体3を普通一般の浴室ドアと同様に浴室A側に開放しようとする場合に於いて、人が倒れた状況如何(例えば浴室ドアに当たっている。)によってはドア本体3の開放が非常に困難、或いはドア本体3の開放が人体に対する危険性を含み、次に説明する救助用中扉4を脱衣室B側に開放する必要性が生じる。
【0013】
救助用中扉4は、ドア本体3と同一垂直面になるようにその開口部5内に一体的に組込まれている。この救助用中扉4は、浴室A内で倒れた人(例えば老人)を容易に救出することができるように、やや大きめに形成されている。この中扉4は、そのままドア本体3から完全に分離することができるように矩形枠状ドア本体3に組込んでも良いが、本実施例では図1の仮想線で示すように外方向(脱衣室B側)に回転開放する。したがって、中扉4は、ドア本体3に枢着する組立て前は、ドア本体3に対して独立した物品である。なお、4aは中扉4の側端部付近の外壁面に組込んだ把手である。
【0014】
次に平常時中扉4がドア本体3から外れないように一体化させる係合手段6について説明する。この係合手段6は、図1で示すように浴室ドアXの上下に一組設けられている。すなわち、7はドア本体3に一端部が軸支されたバー状の係止片、一方、8は中扉4の外壁面に突出状態に固定された鉤状の係合受け片である。本実施例のように係合手段6が浴室ドアXの外壁面から突出する場合には、図示しないカバーを設けるのが望ましい。この点外観上の理由から係合手段6の突出を極力避けたい場合には、例えば操作摘み部がドア本体3の外壁面から突出するバー状係止片7をドア本体3の縦框3c内に回転自在に組込み、一方、中扉4の側端部にバー状係止片7の自由端部が係合する係合凹所を形成すれば良い。或いはまた係止片7を水平方向に移動する出没自在なスライド部材に構成し、該スライド部材のテーパー状突出先端部が常時中扉4側の係合凹所に係合するように図示しない付勢バネを縦框3cに内設しても良い。要は平常時に於いて、中扉4がドア本体3から簡単に開放しなければ良い。
【0015】
次に図2乃至図6を参照にレバー状の操作部材10について説明する。この操作部材10は、ドア本体3の縦框3cの中央部に固定された取付け受け座11に垂直軸12を介して水平方向に回転可能に軸支され、かつ、取付け受け座11と操作部材10との組合わせ部分に内装されたバネ部材13により、長板状操作部10aが常に浴室ドアXの外壁面に対向する位置へと復帰する。
【0016】
本発明の操作部材10は、長板状操作部10aを中扉4の外壁面側に押圧すると、ラッチ9がフロント面より収没し、一方、長板状操作部10aから手を離すと、操作部材10は前記バネ部材13のバネ力により復帰すると共に、ラッチ9がラッチバネ41のバネ力によりフロント面から突出する。この点ラッチ9は、普通一般のレバーハンドルと同様に操作部材10の作動に連動する。
【0017】
また操作部材10は、緊急時にドア本体3と中扉4との係止手段6の係合を解き、前記中扉4を脱衣室B側に開放すると、その障害にならないように脱衣室B側に水平回転する。この時ドア本体3のラッチ9は、操作部材10の水平回転に連動(収没)しない。そして、長板状操作部10aから手を離すと、操作部材10は前記バネ部材13のバネ力により元の位置へと復帰する。
【0018】
そこで、本発明の操作部材10に関連する部材並びに操作部材10についてさらに説明する。まず取付け受け座11の構成である。取付け受け座11は、図4及び図5で示すように長座型のものが用いられている。すなわち、15は縦長状の取付け基板部で、この取付け基板部15の上下には、一対の固着具用小孔16が形成されている。17は取付け基板部15の中央部に連設形成された角型の嵌合(口)部で、この嵌合口部17には、垂直軸12用の一対の軸孔18が形成されている。
【0019】
しかして、取付け受け座11は、嵌合口部17から取付け基板部15に至って貫通状態の角筒状に形成され、図6で示すように前記取付け基板部15の1つの内壁部15aはやや肉厚状に形成されている。そして、内壁部15aの内壁面は、嵌合口部17の奥側からラッチ9側の内側開口19に至まで弧状であり、該内側開口19を多少塞いでいる。
【0020】
次に操作部材10の特徴は、例えば図5に良く示されている。そこで、図5を基準にすると、10aは前述したように長板状操作部で、この操作部10aの内壁面の一端(右)部には、上下に所要間隔を有して水平方向の化粧板21が一対設けられている。これら上下の化粧板21は、本発明を特定する要件(事項)ではないが、外観上の美観を考慮すると、望ましくは設けるべきである。
【0021】
22は上下の化粧板21、21内に位置するように操作部10aの内壁面に突設され、かつ、取付け受け座11の少なくとも嵌合口部17に嵌め込まれる(嵌合する)ケース状回転部である。この回転部22は、形状的には、操作部10aの内壁面の一端部から人間の手首状に延びる連設支持部23と、この連設支持部部23にさらに拳状に連設し、かつ、ラッチ9を連動させるためのアーム状駆動片30の基端部30a及び操作部材10を復帰させるためのバネ部材13を略収納する一部開口24のケース状部25とから成る。
【0022】
しかして、前記ケース状部25の垂直壁部25aに交差方向に対向連設する上下の水平板部25b、25bには、垂直軸12用の枢支孔32、32が形成されている。また上下の水平板部25b、25bの内壁面の適宜箇所には、バネ部材13の形状を考慮し、該バネ部材13の上下のリング状部13a、13aが合理的に位置すべき収納空間形成用のアングル状段差部25c、25cがその内壁面に沿って形成されている。そして、ケース状部25の適宜部位(例えば垂直壁部25aの側端部)には、バネ部材13の下端部13bを係止する係合切欠部26が形成されている。
【0023】
次に操作部材10を復帰させるバネ部材13及びラッチ9を出没させる駆動片30について説明する。バネ部材13は、駆動片30の基端部30aに形成された垂直軸孔35に、その上下のリング状部13a、13aが合うように該駆動片30に添設した状態で操作部材10の回転部22内に組込まれる。その際、下端部13bは回転部22の係合切欠部26に係止され、一方、上端部13cは、図6で示すように取付け受け座11の内壁面に圧接する。また上下のリング状部13a、13aを結ぶ逆コ字型状の中途部13dは、駆動片30のアーム状駆動部30bの一側(垂直)面に当接する。そして、アーム状駆動部30bの先端部は取付け受け座11の内側開口19から突出し、図8で示すようにラッチ出没機構Yを構成する回転レバー(被駆動片)40に係合する。
【0024】
ここで、図8を参照にラッチ出没機構Yを構成する各部材を簡単に説明する。41はラッチ9をフロント板42から常時突出するように付勢するラッチバネ、43はラッチバネ41の一端部を受けるバネ受け板、44はバネ受け板43と回転レバー40との間に介在するL字型の係合回転片で、この係合回転片44の一端部44aはラッチ9の後端部に形成、或いは設けたラッチ係合部45に係合する。また係合回転片44の他端部44bは回転レバー40に係合する。
【0025】
上記構成に於いて、平常時、浴室ドアXを浴室A側に開けようとする場合には、図7で示すように操作部材10の操作部10aを中扉4側に押す。そうすると、操作部材10はバネ部材13のバネ力に抗して垂直軸12を支点に内側方向へ水平回転する。そこで、操作部材10のケース状回転部22に支持されるように設けられたアーム状駆動片30の先端部は、図8で示すように矢印方向(ラッチの突出方向)に移行する。これにより、ラッチ出没機構Yを構成する回転レバー40及び係合回転片44は、それぞれ矢印方向(時計/反時計方向)に回転し、その結果、ラッチ9はラッチ案内板46に案内され、かつ、ラッチバネ41のバネ力に抗して収没する。したがって、浴室ドアXをそのまま開放することができる。
【0026】
一方、緊急時、浴室ドアXの中扉4をドア本体3から開放する場合には、まず係合手段6の係止片7を係合受け片8から外し、次いで中扉4の把手4aに手(例えば右手)を掛け、中扉4を手前側に引く。この時、他方の手(例えば左手)を操作部材10の操作部10aの内側に差し入れ、図9で示すように外方向(脱衣室B側)に引き寄せる。操作部材10は他方の手で外方向に引き寄せられると、バネ部材13のバネ力に抗して水平移転し、中扉4から離れる。したがって、このようにドア本体3に対して中扉4を開放する時、操作部材10は全く障害部材とはならない。そして、中扉4を所望状態まで開放した後操作部10aから手を放すと、操作部材10はバネ部材13のバネ力により復帰する。
【0027】
【実施例】
まず第1実施例に於いて、係合手段6を構成するバー状係止片7と鉤状係合受け片8の取付け位置は逆であっても良い。また操作部材10を復帰させるバネ部材13は、1本のバネ線材で構成し、操作部材10をいずれの方向(中扉側と脱衣室側)にそれぞれ水平回転(プッシュとプル)させても復帰力が働くようにしているが、設計如何によっては2本のバネ線材で構成しても良い。
【0028】
次に図10及び至図11を参照に本発明の第2実施例について説明する。なお、この第2実施例の説明に当たって、前述した第1実施例と同一構成の部分には、同一又は同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
この第2実施例は、平常時には操作部材が脱衣室側に回転せず、一方、緊急時には直ちに操作部材の前記回転規制(ストッパー)の解消を図ることができることを目的とし、第1実施例の主要部の構成に他の構成要件を加味したものである。
【0030】
すなわち、この第2実施例は、取付け受け座11Aの嵌合口部17Aの一側壁17aに複数個の支持孔50を形成し、これらの支持孔50にレバー状操作部材10Aが脱衣室側に回転しないように規制するストッパー板51を取り外し可能に係合させた点が、第1実施例と異なる。ストッパー板51は、丁度取付け受け座11Aの外壁面11aと操作部材10Aの操作部10aの内壁面との間に嵌り合うように矩形状に形成され、かつ、その内壁面に前記支持孔50にそれぞれ嵌入する複数個の係合棒52を有する。そして、図11で示すようにストッパー板51を操作部材10Aと取付け受け座11Aとの間に介在させた際に、望ましくはストッパー板51の上端部又は/及び下端部が嵌合口部17Aから突出する。
【0031】
上記構成に於いて、平常時ストッパー板51は取付け受け座11Aの嵌合口部17Aに固定されている。したがって、操作部材10Aの操作部10aは、図11の仮想線で示すように中扉4A側に水平回転可能であるが、脱衣室側には回転不可能である。そこで、緊急事態が発生した場合には、ストッパー板51を嵌合口部17Aから適宜に取り外すと、操作部材10Aは第1実施例と同様に脱衣室側にも回転可能になる。このように構成すると、平常時操作部材10Aはラッチ9Aを後退させるためにのみ使用されるので、使用上の不便さを感じさせない。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙するような効果がある。
(1)緊急時に係合手段の係合状態を解除させた救助用中扉を、そのままの位置から脱衣室側に水平回転させて開放することができる。
(2)平常時に操作部材を中扉側にプッシュするとラッチが操作部材の連動してフロント面に収没し、一方、緊急事態発生時に操作部材を脱衣室側にプル(引き寄せ)すると、ラッチが操作部材に連動しないで、操作部材のみが水平回転する。したがって、操作部材を通常は普通一般のレバーハンドルとして使用し、一方、緊急時には中扉をスムースに開放する手段として使用することができる。
(3)レバー状操作部材を簡単にドア本体の取付け受け座に組込むことができると共に、操作部材をいずれの方向(中扉側と脱衣室側)にそれぞれ水平回転(プッシュとプル)させてもバネ部材のバネ力により浴室ドアの外壁面に対向する位置へと復帰する。
(4)第2実施例に於いて、平常時には操作部材が脱衣室側に回転せず、一方、緊急時には直ちに操作部材の前記回転規制の解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図9は本発明の第1実施例である。図10及び図11は本発明の第2実施例である。
【図1】第1実施例を用いた発明の実施の形態を示す概略説明図。
【図2】主要部(取付け受け座、操作部材)の斜視図。
【図3】主要部の平面からの説明図。
【図4】主要部の分解斜視図。
【図5】主要部をさらに分解した状態の概略説明図。
【図6】主要部(取付け受け座、操作部材、ラッチ等)の概略断面説明図。
【図7】操作部材とラッチの関係を示す概略断面説明図。
【図8】操作部材に組込まれた駆動片30とラッチの連動関係を示す概略説明図。
【図9】中扉を開放する場合に於ける操作部材の作動態様を示す概略説明図。
【図10】第2実施例の分解斜視図。なお、要部を一部切欠している。
【図11】第2実施例の操作部材の作動態様を示す概略説明図。
【符号の説明】
X…浴室ドア、1…ドア用枠、3…ドア本体、4、4A…中扉、5…開口部、6…係合手段、9、9A…ラッチ、10、10A…操作部材、10a…操作部、11、11A…取付け受け座、13…バネ部材、17、17A…嵌合口部、17a…一側壁、22…回転部、24…一部開口、25…ケース状部、30…駆動片、Y…ラッチ出没機構、41…ラッチバネ、44…係合回転片、50…支持孔、51…ストッパー板、52…係合棒。
Claims (4)
- 平常時ラッチ9をフロント面に収没させるレバー状の操作部材10を有するドア本体3と、このドア本体の開口部5に一体的に組込まれた救助用中扉4とから成り、前記救助用中扉4は、平常時にはドア本体の縦框3c並びに救助用中扉4の縁部にそれぞれ設けられた係合手段6を介して一体的に係合し、一方緊急時には、前記係合手段6の係合状態を解除し、また前記操作部材10をバネ部材13のバネ力に抗して脱衣室B側へと水平回転させたうえで開放し、前記バネ部材13は、ドア本体3の取付け受け座11に突出形成された角型嵌合口部17に嵌合する操作部材10の回転部22内にラッチ9用の駆動片30と共に組込まれていることを特徴とする緊急事態用浴室ドア。
- 請求項1に於いて、バネ部材13は、駆動片30の基端部30aに形成された垂直軸孔35に、その上下のリング状部13a、13aが合うように該駆動片30に添設した状態で操作部材10の回転部22内に組込まれていることを特徴とする緊急事態用浴室ドア。
- 請求項1に於いて、操作部材10の回転部22は、アーム状駆動片30の基端部30a及び操作部材復帰用のバネ部材13を収納する一部開口24のケース状部25を有し、該ケース状部25内には、バネ部材13の一部13a、13aが合理的に位置すべき収納空間形成用の段差部25c、25cが形成されていることを特徴とする緊急事態用浴室ドア。
- 平常時ラッチ9Aをフロント面に収没させるレバー状の操作部材10Aを有するドア本体3と、このドア本体の開口部5に一体的に組込まれた救助用中扉4Aとから成り、前記救助用中扉4Aは、平常時にはドア本体の縦框3c並びに救助用中扉4の縁部にそれぞれ設けられた係合手段6を介して一体的に係合し、一方緊急時には、前記係合手段6の係合状態を解除し、また前記操作部材10Aをバネ部材13のバネ力に抗して脱衣室B側へと水平回転させたうえで開放し、前記バネ部材13は、ドア本体3の取付け受け座11Aに突出形成された角型嵌合口部17Aに嵌合する操作部材10Aの回転部22内にラッチ9A用の駆動片30と共に組込まれ、さらに、平常時に於いて、取付け受け座11Aの嵌合口部17Aの一側壁17aに操作部材10Aが脱衣室側に回転しないように規制するストッパー板51が取り外し可能に設けられていることを特徴とする緊急事態用浴室ドア。
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- 1998-06-08 JP JP17671998A patent/JP3981470B2/ja not_active Expired - Lifetime
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