JP3981379B2 - 鋼製橋脚構造体及びその施工方法 - Google Patents

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本発明は、地中に埋設した場所打ち杭を基礎として地上に鋼管柱を立設する鋼製橋脚構造体及びその施工方法に関し、特に基礎杭と鋼管橋脚との間に介在するフーチングを不要とした鋼製橋脚構造体及びその施工方法に関する。
鋼製橋脚を立設する場合、地中に埋設された基礎杭に対しフーチングを介して鋼製橋脚を接合した鋼製橋脚構造体が構築される。その一従来例として特開平8−269912号公報に記載されたものを挙げることができる。図6は、当該公報に記載されたフーチングによる鋼製橋脚構造体の接合部分を示した断面図である。本従来例では、筒状の鋼製橋脚100の下端部の内面にはT字型断面を有するスタッド101が複数取り付けられており、フーチング102からは複数の主筋103が上方に突出している。この鋼製橋脚100は、下部がコンクリート104によって固められることにより、鋼製橋脚100とフーチング102の結合が図られ、この部分は鋼板コンクリート構造となる。フーチング102は、比較的小口径の基礎杭105が地中に複数本埋設された群杭の上に構築されている。
特開平8−269912号公報(第3頁、図1)
ところで、従来の鋼製橋脚構造体及びその施工方法では、施工のために地盤を掘削するヤード範囲が大きくなってしまうことや、工期に時間がかかってしまう問題があった。前記従来例の鋼製橋脚構造体では、基礎杭105が多数埋設された群杭上にフーチング102を構築しているため、鋼管橋脚100に比べて面積が大きくなってしまっているからである。そして、基礎杭105の打ち込み、その基礎杭105上のフーチング102の構築、更にそのフーチング102への鋼管橋脚100を立設させる鋼製橋脚構造体では、施工工程が多くなってしまうからである。特にフーチング102は、例えばフーチング用鉄筋や主筋103の配置、そしてコンクリートの打設と、相当の時間を要する。そのため、中央分離帯上に鋼管橋脚を立設して高架道路を建設するような場合、ヤード範囲が大きいことで車線規制を行わなければならず、それによって交通渋滞を引き起こしてしまう。そして、工期が長くなることでそうした状況を長引かせ、周辺環境の悪化や経済的損失にも影響を与えることになる。
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、工期を短くするとともに施工面積を小さくする鋼製橋脚構造体及びその施工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る鋼製橋脚構造体は、地中に埋設された基礎杭に支持されて鋼製橋脚が立設されたものであって、地盤を掘削して掘り込んだ杭穴に鉄筋かごを建て込み、コンクリートを打設して形成した場所打ち杭を基礎杭とし、その上端から突設されたアンカーボルトに橋脚基部を結合して鋼製橋脚を当該基礎杭上に立設させるものであり、前記基礎杭の杭頭部には、そのコンクリート内に孔あき鋼板ジベルと前記アンカーボルトを支持した支持部材とが、前記鉄筋かごの縦筋とともに円周方向に複数配置され、前記鋼製橋脚からアンカーボルトへ伝わる力が更に孔あき鋼板ジベルへ伝達するように、支持部材と孔あき鋼板ジベルとが連結されたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る鋼製橋脚構造体は、前記基礎杭には、杭頭部に外周鋼管が被せられ、その外周鋼管に対して前記孔あき鋼板ジベルと前記支持部材とが固定されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る鋼製橋脚構造体は、前記支持部材が、前記アンカーボルトを挿入して固定する支持管であって、当該支持管が、径方向に張り出して一体に形成された支持プレートによって前記外周鋼管の内周面に固定されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る鋼製橋脚構造体は、前記支持部材の支持プレートが、前記支持管から更に基礎杭の中心軸方向に張り出し、その張り出し部分に孔が複数あけられジベルが形成されたものであることが好ましい。
また、本発明に係る鋼製橋脚構造体は、前記外周鋼管の内周面には環状の位置決めプレートが固定され、その位置決めプレートには予め前記支持管が一体に固定され、位置決めプレートの前記外周鋼管に対する固定により、前記支持管の位置決めが行われるようにしたものであることが好ましい。
一方、本発明に係る鋼製橋脚構造体の施工方法は、地中に埋設された基礎杭に鋼製橋脚を結合してなる鋼製橋脚構造体を施工するための方法であって、チュービング装置によってケーシングを地中に回転圧入し、そのケーシング内の土を掘削する工程と、ケーシング内に掘り込まれてできた杭穴内に鉄筋かごを建て込む工程と、前記基礎杭の杭頭部となる杭穴上部に、孔あき鋼板ジベルとアンカーボルトを支持する支持部材とが、前記鉄筋かごの縦筋とともに円周方向に複数配置されるよう、その孔あき鋼板ジベルと支持部材とが一体的に固定された外周鋼管を配置する工程と、杭穴内にコンクリートを流し込んでできる場所打ち杭によって基礎杭を造る工程と、その基礎杭の杭頭部から突設されたアンカーボルトに対し橋脚基部を結合させて鋼製橋脚を当該基礎杭上に立設させる工程とを有することを特徴とする。
よって、本発明に係る鋼製橋脚構造体及びその施工方法によれば、場所打ち杭を基礎杭として、その基礎杭に鋼製橋脚を直接結合して立設するので、複数の基礎杭を打ち込み、その上にフーチングを介して鋼製橋脚を立設する従来の構造に対し、複数本の基礎杭の打ち込みやフーチングの形成がなくなった点で工期を短縮することができる。そのため、交通渋滞による周辺環境の悪化や経済的損失を抑えることができる。更に、フーチングを必要としないため、施工面積を狭めることにより交通規制を行う範囲も狭くすることができる。
また、本発明に係る鋼製橋脚構造体によれば、基礎杭のコンクリート内に孔あき鋼板ジベルとアンカーボルトを支持した支持部材とを、鉄筋かごの縦筋とともに円周方向に複数配置し、鋼製橋脚からアンカーボルトへ伝わる力が更に孔あき鋼板ジベルへ伝達するように、支持部材と孔あき鋼板ジベルとを外周鋼管と一体とした。このため、基礎杭の杭頭にアンカーボルトを単純に埋め込むだけでは、コンクリートの引き抜きせん断に対する抵抗面積を確保することができないが、孔あき鋼板ジベルを介して力を伝達するようにしたので、コンクリートに対してズレ止めになってコンクリートの引き抜きせん断に対する抵抗面積を確保する必要がなくなった。更に、外周鋼管は基礎杭を形成するコンクリートを囲うことにより、コンクリートの強度を向上させて、孔あき鋼板ジベルのせん断耐力を上げることができるとともに、帯鉄筋を省略することが可能になる。
次に、本発明に係る鋼製橋脚構造体及びその施工方法について、その一実施形態を図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の鋼製橋脚は、例えば一般道上に高架道路を通すために建設されるものである。それには、図1に示すように中央分離帯を挟んで両側に片側2車線の道路200が通っており、その上を平行に通るようにして高架道路300が建設される。この高架道路300は、中央分離帯に所定間隔で鋼製橋脚1が立設され、その上を掛け渡すようにして高架橋301が連結される。高架橋301は、鋼床板箱桁ラーメン橋であり、40mの間隔で配置された鋼製橋脚1間に掛け渡されている。
本実施形態では、そうした高架道路建設における鋼製橋脚構造体及びその施工方法について説明する。ここで、鋼製橋脚構造体とは、地中に埋設された基礎杭2部分と、その基礎杭2に対して立設された鋼製橋脚1部分とを含めた構成をいう。鋼製橋脚1は、地盤を掘削した杭穴内に鉄筋かごを建て込み、そこにコンクリートを流し込んで造った基礎杭2に結合される。
そこで先ず、鋼製橋脚1を立設する位置に基礎杭2を構築するめの杭穴の掘り込みが行われる。図2は、基礎杭2の施工工程の概略を示した図である。基礎杭2の施工には全周回転式のチュービング装置60が使用される。チュービング装置60は、図2(a)に示すように、ケーシング70を把持して回転させながら下降させることにより、先端の掘削ビットで地盤を掘削しながら地中にケーシング70を回転圧入する。すなわち、チュービング装置60は、ケーシングチューブ70をチャック部材で把持し、そのチャック部材が一体に設けられた回転体に駆動モータの回転が与えられ、更に、その回転体を昇降シリンダによって下降させる。これによりケーシングチューブ70は、回転しながら下降して地中に回転圧入される。
チュービング装置60の駆動によって地中に回転圧入されたケーシングチューブ70内には、例えばハンマグラブ80が落とし込まれ、中の土砂がかき出されて杭穴が形成される。杭穴は、軟弱な地盤を超えて固い地盤の支持層に達するまで掘り込まれ、その支持層に支えられるように基礎杭2が打設される。すなわち、掘り込まれたその杭穴内には、図2(b)に示すように、何本もの縦筋が上下複数の環状筋によって接続された鉄筋かごが建て込まれ、その後、杭穴内に挿入されたトレミー管90によってコンクリートが流し込まれる。
その際、ケーシングチューブ70は、図2(c)に示すように、チュービング装置60を引き上げることにより、杭穴からケーシングチューブ70の抜き取りが行われる。こうしたケーシングチューブ70の引抜き撤去は、鉄筋かごの共上がりに注意しなければならず、コンクリートの打設と平行して行われる。
次に、鋼製橋脚1は、図1に示すように基礎杭2上に接合して立設される。そのため、以上のようにして形成された基礎杭2からは、その上端にアンカーボルト3が突き立てられており、そのアンカーボルト3に対して橋脚基部がナットによって締め付け固定され接合される。基礎杭2に形成された鋼管橋脚1との接合構造は、そのアンカーボルト3を含む後述する構成をなし、高架道路300を支える鋼製橋脚1に地震による横揺れが生じた場合、その横揺れによって生じる力を効果的に基礎杭2へ伝えようにしたものである。
図3は、鋼製橋脚構造体の鋼製橋脚1と基礎杭2との接合部分を示した斜視図である。また、図4及び図5は、同じく鋼製橋脚1と基礎杭2との接合部分を示した断面図であり、特に図4は、図5のA−A断面を示し、図5は、図4のB−B断面を示している。
基礎杭2は、図4に示すように、内周と外周との二重に縦筋11,12が円周上に複数配置されコンクリートが打設されたRC杭部2aと、その上方に若干径を小さくしてコンクリートが打設され、その周りに外周鋼管20が被せられた杭頭部2bが形成されている。杭頭部2bには、鋼管橋脚との接合構造によって部分的に長さの異なる長さの縦筋13,14がカップラー15によって連結されている。
基礎杭2の杭頭部2bを構成する外周鋼管20の内周面には、孔あき鋼板ジベル21が径方向内側に張り出すようにして中心軸に沿って溶接固定されている。この孔あき鋼板ジベル21には、長尺な短冊状の鋼板に、基礎杭2の径方向である横に2列、軸方向である縦に多くの孔21aが貫通して形成されている。基礎杭を構成するコンクリートの打設の際、この孔21aにコンクリートが充填され鋼材とコンクリートが一体化するようにしたものである。そして、この孔あき鋼板ジベル21は、外周鋼管20の内周面に、等間隔で複数が配置され、この孔あき鋼板ジベル21の間に入るように縦筋13,14が配置されている。
次に、外周鋼管20内には、アンカーボルト3を基礎杭2に固定させるための支持管23が複数配置されている。この支持管23は、径方向に張り出すようにして外周鋼管20の内周面に溶接固定した支持プレート24と一体になり、更には、支持管23の上下には、やはり外周鋼管20の内周面に溶接固定された環状の位置決めプレート25が一体になっている。
支持管23は、アンカーボルト3と僅かな隙間をつくる程度の径で形成された円筒体である。支持プレート24は、支持管23の長さに合わせて形成された大きさの鋼板であって、中心軸方向に突き出た部分には一列に孔があけられてジベルが構成されている。また、上下2枚の位置決めプレート25は、アンカーボルト3の位置精度を出すため、そのアンカーボルト3が差し込まれる支持管23の位置決めのためのものである。
位置決めプレート25は、支持管23と支持プレート24が孔あき鋼板ジベル21の間に位置するように一体に形成され、外周鋼管20に溶接固定された外周側には、その孔あき鋼板ジベル21が通るように切欠き25aが形成されている。そして、その切欠き25aを通って外側の縦筋14が位置決めプレート25を貫通し、内側の縦筋14は、縦筋14のために形成された貫通孔25bによって位置決めプレート25を貫通している。更に、支持管23や支持プレート24と重なる位置にある縦筋13は、干渉しないよう図4に示すように短くなっている。
基礎杭2の打設は、図2を示して前述したように、先ず縦筋11〜14が円筒形状に一体になった鉄筋かごが組まれ、地盤に掘り込まれた杭穴内に二重に建て込まれる。その際、この接合部分を構成する上端部分では、杭穴の上部に孔あき鋼板ジベル21や支持管23、支持プレート24及び位置決めプレート25が一体に形成された外周鋼管20が配置される。そして、支持管23にはアンカーボルト3がナットによって締め付け固定され、外周鋼管20と一体に形成される。こうした状態で、杭穴内にコンクリートが流し込まれて打設され、基礎杭2が構築される。
コンクリートが打設された基礎杭2からは、垂直に且つ円周方向に等間隔にアンカーボルト3が突設され、そのアンカーボルト3に対して橋脚基部27が固定され、鋼製橋脚1が立設される。橋脚基部27は、図3に示すように、上下にフランジ部27a,27bが形成され、その間には円周方向に所定の間隔で支持プレート27cが複数連結されている。図面には、1つのアンカーボルト3しか示していないが、複数のアンカーボルト3がフランジ部27a,27bを貫通し、その上下におけるナットの締め付けによって結合している。こうした橋脚基部27の結合により、鋼製橋脚1が基礎杭2上に立設する。
こうした本実施形態の鋼製橋脚構造体では、図6に示す従来例のように、フーチング102を介して鋼製橋脚100を立設するようなことはせず、基礎杭2の上に鋼製橋脚1を直接立設させるようにしたので、フーチングのための施工期間を短縮することができた。
本実施形態の鋼製橋脚1は、例えば直径が1.8mで長さが5.8m程であり、この構成橋脚1及び高架道路300(図1参照)を支える基礎杭2の直径が3m程度である。これに対し、図6に示すフーチング106上に鋼製橋脚100を立設するような場合、例えば同じ鋼製橋脚1の高架道路300を建設するのに、9本の基礎杭105が地盤に打ち込まれ、それに対して一辺が8.5m四方のフーチング102が造られる。
従って、9本もの基礎杭105を打ち込むのに比べ、本実施形態では1本の基礎杭2を場所打ち杭として立て込むようにしたので、この点でも工期の短縮を図ることができた。そして、工期を短縮することにより、図1に示すように道路200に挟まれた中央分離帯に鋼製橋脚1を建てる場合、車線規制を行わなければならない期間を短縮することになり、交通渋滞による周辺環境の悪化や経済的損失を抑えることができる。
更に、従来例のように複数の基礎杭105が広範囲にわたって打ち込まれ、同じく広範囲にわたってフーチング106が形成される場合、それだけ施工範囲が広がってしまい規制範囲が広がってしまう。これに対して本実施形態では、基礎杭2を大口径だが1本の場所打ち杭としたことにより、またフーチングを必要としないため、施工面積を狭めることにより交通規制を行う範囲も狭くすることができる
ところで、高架道路300を支える鋼製橋脚1に地震による横揺れが生じたような場合には、その横揺れは鋼製橋脚1と基礎杭2との接合部分を介して基礎杭2にモーメントとして作用する。そして、基礎杭2に作用するモーメントは、基礎杭2を支える地盤によりバネ支持されたような状態で受け止められることとなる。本実施形態の鋼製橋脚構造体では、こうして鋼製橋脚1に生じる横揺れによる力を効果的に基礎杭2へ伝えように構成されている。
鋼製橋脚1に横揺れが生じた場合、その力は橋脚基部27が固定されたアンカーボルト3を介して伝達される。アンカーボルト3は、基礎杭2側において支持管23に差し込まれて一体になっているため、そのアンカーボルト3を介して伝えられた力は支持管23から、支持プレート24を介して外周鋼管20へと伝えられる。そして、その外周管20は、複数の孔あき鋼板ジベル21によって基礎杭2のコンクリートに対してズレ止めになって一体化しているため、その外周鋼管20へ伝えられた横揺れの力は、更に孔あき鋼板ジベル21から基礎杭20、特に縦筋11〜14へと伝えられる。
つまり、本実施形態の鋼製橋脚構造体では、こうして鋼製橋脚1での横揺れをフーチングを介することなく基礎杭2へと直接伝える接合部分の構成がとられている。この場合、基礎杭2の杭頭にアンカーボルト3を単純に埋め込むだけでは、コンクリートの引き抜きせん断に対する抵抗面積を確保することができないが、孔あき鋼板ジベル21を介して力を伝達するようにしたので、コンクリートに対してズレ止めになってコンクリートの引き抜きせん断に対する抵抗面積を確保することができるようになった。また、外周鋼管20は基礎杭2を形成するコンクリートを囲うことにより、コンクリートの強度を向上させて、孔あき鋼板ジベルのせん断耐力を上げることができるとともに、帯鉄筋を省略することが可能になった。
以上、本発明に係る鋼製橋脚構造体及びその施工方法について一実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
前記実施形態では、アンカーボルト3に伝えられた鋼製橋脚1の揺れは、支持管23から支持プレート24へ、そして外周鋼管20を介して孔あき鋼板ジベル21へと伝わるように構成されているが、例えば、外周鋼管20を介さず、支持管23から孔あき鋼板ジベル21へと直接伝わるように、その両者を接続するようにしてもよい。
高架道路を通すため中央分離帯に施工された鋼製橋脚構造体を示した図である。 鋼製橋脚構造体を構成する基礎杭部分について、その施工工程の概略を示した図である。 鋼製橋脚構造体を構成する鋼製橋脚と基礎杭との接合部分を示した斜視図である。 鋼製橋脚構造体を構成する鋼製橋脚と基礎杭との接合部分について、図5のA−A断面を示した図である。 鋼製橋脚構造体を構成する鋼製橋脚と基礎杭との接合部分について、図4のB−B断面を示した図である。 フーチングを用いた鋼製橋脚構造体の接合部分を示した断面図である。
符号の説明
1 鋼製橋脚
2 基礎杭
3 アンカーボルト
11〜14 縦筋
20 外周鋼管
21 孔あき鋼板ジベル
23 支持管
24 支持プレート
25 位置決めプレート
27 橋脚基部

Claims (6)

  1. 地中に埋設された基礎杭に支持されて鋼製橋脚が立設された鋼製橋脚構造体において、
    地盤を掘削して掘り込んだ杭穴に鉄筋かごを建て込み、コンクリートを打設して形成した場所打ち杭を基礎杭とし、その上端から突設されたアンカーボルトに橋脚基部を結合して鋼製橋脚を当該基礎杭上に立設させるものであり、
    前記基礎杭の杭頭部には、そのコンクリート内に孔あき鋼板ジベルと前記アンカーボルトを支持した支持部材とが、前記鉄筋かごの縦筋とともに円周方向に複数配置され、前記鋼製橋脚からアンカーボルトへ伝わる力が更に孔あき鋼板ジベルへ伝達するように、支持部材と孔あき鋼板ジベルとが連結されたものであることを特徴とする鋼製橋脚構造体。
  2. 請求項1に記載する鋼製橋脚構造体において、
    前記基礎杭には、杭頭部に外周鋼管が被せられ、その外周鋼管に対して前記孔あき鋼板ジベルと前記支持部材とが固定されたものであることを特徴とする鋼製橋脚構造体。
  3. 請求項2に記載する鋼製橋脚構造体において、
    前記支持部材は、前記アンカーボルトを挿入して固定する支持管であって、当該支持管が、径方向に張り出して一体に形成された支持プレートによって前記外周鋼管の内周面に固定されたものであることを特徴とする鋼製橋脚構造体。
  4. 請求項3に記載する鋼製橋脚構造体において、
    前記支持部材の支持プレートは、前記支持管から更に基礎杭の中心軸方向に張り出し、その張り出し部分に孔が複数あけられジベルが形成されたものであることを特徴とする鋼製橋脚構造体。
  5. 請求項3又は請求項4に記載する鋼製橋脚構造体において、
    前記外周鋼管の内周面には環状の位置決めプレートが固定され、その位置決めプレートには予め前記支持管が一体に固定され、位置決めプレートの前記外周鋼管に対する固定により、前記支持管の位置決めが行われるようにしたものであることを特徴とする鋼製橋脚構造体。
  6. 地中に埋設された基礎杭に鋼製橋脚を結合してなる鋼製橋脚構造体の施工方法において、
    チュービング装置によってケーシングを地中に回転圧入し、そのケーシング内の土を掘削する工程と、
    ケーシング内に掘り込まれてできた杭穴内に鉄筋かごを建て込む工程と、
    前記基礎杭の杭頭部となる杭穴上部に、孔あき鋼板ジベルとアンカーボルトを支持する支持部材とが、前記鉄筋かごの縦筋とともに円周方向に複数配置されるよう、その孔あき鋼板ジベルと支持部材とが一体的に固定された外周鋼管を配置する工程と、
    杭穴内にコンクリートを流し込んでできる場所打ち杭によって基礎杭を造る工程と、
    その基礎杭の杭頭部から突設されたアンカーボルトに対し橋脚基部を結合させて鋼製橋脚を当該基礎杭上に立設させる工程とを有することを特徴とする鋼製橋脚構造体の施工方法。
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