JP3980518B2 - ウェット洗浄処理装置およびウェット洗浄処理方法 - Google Patents

ウェット洗浄処理装置およびウェット洗浄処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体表面の汚染を除去するウェット洗浄処理装置およびウェット洗浄処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体および液晶基板の製造プロセスにおけるリソグラフィ工程において、パターニングマスクには有機レジスト膜が一般に使用されている。このレジスト膜は、パターニングが終了した時点で除去する必要がある。この除去方法としては、通常100℃以上に昇温したSPM(Sulfuric−Acid Hidrogen−Peroxide Mixture:硫酸過酸化水素水混合液、以下SPMと記す)を用いる方法や、有機溶剤を用いて処理する方法が知られている。
【0003】
これらの方法においては、酸や有機物を含むリンス水の排水や、装置で発生する有機揮発成分、酸性ガス等について、これらを処理するための処理設備が必要とされ、そのような設備のランニングコストやさらにその処理により生じる廃液処理のための費用等が発生する。さらに近年では半導体ウエハや液晶パネルのマザー基板のサイズは増大する傾向にあり、それに伴なってレジスト除去工程における廃液の発生量も増大し、これに関わる前記処理コストの負担や環境負荷の増大が問題となっている。
【0004】
このようなコストの負担が大きい方法に代わり、低コストなレジスト除去方法として水酸基ラジカルによる有機物の酸化分解作用を用いた剥離除去方法が検討されている。水酸基ラジカルを生成する方法としては、オゾン水に紫外光を照射する方法、過酸化水素水に紫外光を照射する方法、水に超音波を印加する方法等が一般的に用いられており、汚水中の有機物分解や基板の洗浄等に用いられている。しかし、これらの方法によって生成される水酸基ラジカルは低濃度であるため、現行の有機溶剤を用いたプロセスを置き替えるには至っていない。
【0005】
一方、触媒と電界を用いて水を水素イオンと水酸化物イオンに分解して、これを電極である基板と電気化学的に反応させることにより、基板に付着しているレジスト等の不純物を除去する方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、イオンの生成方法が水を電気分解するクリーンな方法であるため、従来のSPMや有機溶剤を用いた方法はもとより、オゾンを用いた方法に比べても排水や排気に対して特別な処理を必要とせず、設備費用とランニングコストの大幅な削減が可能である。
【0006】
このような水の電気化学反応を用いたイオン生成方法としては、シリコン、鉄、アルミ等の金属処理や、半導体基板のエッチング工程に用いる検討が行われている。この方法は、超純水中に被加工物である陽極と、これに所定の間隔を置いて対向する陰極とを配置し、前記被加工物と前記陰極との間に超純水のイオン解離を促進するとともに通水性を有する触媒部材を配置する。
【0007】
そして前記被加工物と陰極間に電圧を印加しつつ、前記触媒部材内に超純水の流れを形成することによって、超純水中の水分子を水素イオンと水酸化物イオンに分解し、生成された水酸化物イオンを被加工物表面に供給し、水酸化物イオンによる化学的溶出反応もしくは酸化反応によって被加工物の除去加工もしくは酸化被膜形成加工を行なっている。
【0008】
このようなイオン生成とエッチング反応機構は、超純水中において被加工物を陽極とし、これと対向する陰極を配置し、これらの間に触媒部材であるイオン交換能を付与した不織布を配置する。被加工物と陰極とに電源を接続し、超純水中の水分子をイオン交換材料で水酸化物イオンと水素イオンに分解する。生成された水酸化物イオンを、被加工物と陰極間の電界と超純水の流れによって被加工物表面に供給する。このようにして、被加工物近傍の水酸化物イオンの密度を高め、被加工物表面原子との酸化反応を形成する。
【0009】
しかしながら、上記電極の片側が被加工物で構成されるため、清浄処理の対象物が金属の場合には有用であるが、該被加工物が半導体基板や液晶パネルの場合には、電気的に破壊されてしまう等の問題を有する。
【0010】
また、基板上に形成されたレジストや有機物由来の付着物は、通常は絶縁体であり、さらに半導体および液晶パネルの製造工程において、被加工物とされる基板は必ずしも導電体や半導体ではない。従って、絶縁体基板の清浄処理やレジスト等の有機物を酸化することによる有機物除去などの処理に、上記手段を適用することは困難である。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−64799号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであってその目的とするところは、設備費用や環境負荷を低減することが可能であるとともに、洗浄の対象とされる基体が電気的に破壊されることなく、しかも基体が導電性であるか絶縁物であるかという電気的特性に何等関係せずに洗浄することが可能であり、かつ洗浄作用に優れたウェット洗浄処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のウェット洗浄処理装置は、溶媒に電界を印加することにより溶媒中のイオンからラジカルを生成し、該ラジカルを含む溶媒を基体表面に供給することによって基体表面の汚染を除去するものであって、該電界を形成する1対または2対以上の陽極と陰極とからなる電界生成部と、該陽極と陰極間に配置された絶縁層部と、該電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段と、を含むことを特徴としている。
【0014】
上記電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段は、絶縁層部表面に設けられた突起部とすることができ、この突起部は、イオン分解触媒で構成することができる。
【0015】
また、上記電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段は、上記絶縁層部から噴射する溶媒とすることができ、また、上記絶縁層部の溶媒供給部から噴射する溶媒の圧力と、前記絶縁層部の溶媒吸引部に前記溶媒を吸引する圧力とを制御することにより実行することができる。
【0016】
上記絶縁層部は、イオン交換樹脂からなる不織布とすることができ、上記ラジカルは、水酸基ラジカルとすることができる。
【0017】
上記溶媒は、不可避不純物を含む水、水酸化物イオンを含む水または水素イオンを含む水とすることができる。
【0018】
本発明のウェット洗浄処理方法は、上記記載のウェット洗浄処理装置と、溶媒を流動する手段とを組合せて用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
【0020】
<実施の形態1>
本実施の形態を図1を用いて説明する。図1において、電界生成部19は電界ラジカル生成用の複数の陽極15と陰極16の対からなり、該陽極15と陰極16とは絶縁層部18にて間隔を隔てて配置されており、本発明のウェット洗浄処理装置13が構成されている。そして、このウェット洗浄処理装置13を被洗浄物10に対向して配置することにより洗浄処理を行なう。なお、本願において被洗浄物10とは、基体11の表面に汚染12が付着したものをいうものとする。該汚染12は、以下で説明する通り、本発明のウェット洗浄処理装置の電界生成部で生成した電界により溶媒中のイオンが電気化学的に反応してラジカルが生成し、このラジカルの作用により除去されるものと考えられる。
【0021】
ここで、上記陽極15および陰極16の素材や構造は特に限定されず、従来公知のものを使用することができるが、好ましくは生成されるラジカルにより損傷を受けることのないような素材(たとえば、炭素、金、白金など)で構成することが好ましい。
【0022】
また、絶縁層部18は、上記陽極15と陰極16とを隔てる作用を有するものであり、絶縁体によって構成される。このような絶縁層部18は、好ましくはイオン交換樹脂からなる不織布で構成することが好適であり、さらに好ましくはイオン交換樹脂を用いて後述の突起部14と一体成形することが有効である。一体成形することにより装置構成を単純にすることができ、さらに突起部14と絶縁層部18との充分な接合強度を得ることができ、処理中における脱離等によるパーティクルの発生を防止する効果が得られる。なお、イオン交換樹脂からなる不織布には、不織布を構成する繊維自体がイオン交換樹脂からなるものや通常の不織布に粒状のイオン交換樹脂を担持したものが含まれる。
【0023】
そして、前記絶縁層部18の先端には、前記電界生成部19と基体11表面との距離を一定に保つ手段として突起部14が形成されている。本実施の形態においては、該突起部14はイオン分解触媒により構成することができるが、これのみに限られるものではない。なお、前記電界生成部19と基体11表面との距離は、任意のものであり洗浄作用や洗浄効率を考慮して設定することができ、突起部14の高さにより調節することができる。
【0024】
ここで、イオン分解触媒とは、陽極15と陰極16により形成される被洗浄物10に平行な電界により、被洗浄物10とウェット洗浄処理装置13の隙間20に供給される溶媒に含まれる水酸化物イオンや水素イオン等のイオンの量を増大させる作用を有するものであり、たとえば、強酸性カチオン交換膜、強塩基性アニオン交換膜等のイオン交換膜が挙げられる。このような突起部14は、被洗浄物10(基体11)に当接するため、基体11よりも硬度の低い樹脂やプラスティックなどの材料を用いることが好ましい。液晶アレイ工程や半導体工程などに適用するために、パーティクル等の発生が少ない不織布等を用いることがより好ましい。なお、このような突起部14は、実質的に絶縁層部18と別の素材で構成されていても差し支えなく、この場合、突起部14と絶縁層部18との接合には充分な強度を確保する必要がある。
【0025】
上記突起部14が被洗浄物10に当接した状態により形成される隙間20に溶媒として水を供給する。この溶媒である水に対して、電界ラジカル生成用の陽極15と陰極16に電源装置17により電界を印加して、水に含まれるイオンを電気化学的に反応させてラジカルを生成する。これにより、ラジカルを含む溶媒が基体11表面に供給されて汚染12がラジカルの作用により除去されることになる。なお、被洗浄物10とウェット洗浄処理装置13とを相対的にA方向へ移動させると、被洗浄物10全面に渡って処理を行なうことができるため好ましい。
【0026】
なお、上記基体11とは、本発明の洗浄対象とされるものであって、主として半導体基板や液晶基板が該当するが、これらのみに限定されるものではなく精密機器やその部品をはじめ広範囲のものが含まれる。
【0027】
また、汚染12としては、基体が上記半導体基板や液晶基板の場合、剥離せずに残存するレジスト等の有機薄膜や他の有機物由来の汚染を挙げることができ、一方無機系の汚染としては、エッチング時に飛散する酸化被膜の破片や金属酸化物のパーティクル汚染を挙げることができる。
【0028】
また、上記では溶媒として水を使用したが、他の有機溶媒も使用できる。しかし、環境負荷の問題を考慮すると有機溶媒ではなく水を使用することが好ましい。従って、本発明で使用する溶媒として、特に好ましい溶媒は水であり、このような水は精製されていることが好ましく、不可避不純物を含んでいても差し支えない。
【0029】
一方、このような溶媒に含まれるイオンとしては、各種の無機系のイオンの他有機系のイオンを含むことができる。たとえば、水素イオン、水酸化物イオン、塩素イオン、フッ素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオン、硝酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン、亜硫酸イオン、ホウ酸イオン、次亜塩素酸イオン、過塩素酸イオン、リン酸イオン等の無機系のイオンをはじめ、酢酸イオン、クエン酸イオン等の有機酸イオン、アミン系、アンモニウム系の有機アルカリイオン、メトキシやエトキシ等のアルコール由来イオン等の各種有機イオンを含むことができる。このようなイオンとしては、特に水素イオンまたは水酸化物イオンを含有しているものを使用することが好ましい。
【0030】
また、このようなイオンから電気化学的反応により生成するラジカルは、上記イオンに相当するラジカルが挙げられる。このようなラジカルの中でも、汚染の除去作用に優れている水酸基ラジカルが特に好ましい。
【0031】
次に、絶縁層部18表面に設けられた上記突起部14がイオン分解触媒である場合の効果について、図7を用いて説明する。まず、電源装置17により電界ラジカル生成用の陽極15および陰極16間に電界を形成すると、電場が点線Fで示すように形成される。この電界とイオン分解触媒で構成される突起部14との相互作用により、溶媒である水は水酸化物イオン71と水素イオン72に電離し、電界の作用によりそれぞれ電界ラジカル生成用の陽極15および陰極16上に移動する。
【0032】
続いて、該陰極16において、処理液24(すなわち溶媒である水)中の含有酸素分子74が、陰極16近傍において電子73を受け取りスーパーオキサイドアニオンラジカル75へと変化する。さらに、上記で生成された水素イオン72によりスーパーオキサイドアニオンラジカル75は還元をうけて、過酸化水素76が生成される。この過酸化水素76は陰極16よりさらに電子73を受けて、水酸基ラジカル77と水酸化物イオン71を生成する。この水酸基ラジカル77が被洗浄物10表面でレジストや被洗浄有機物等の汚染(図示せず)を分解除去する。
【0033】
他方、陽極15において、水酸化物イオン71は酸化されて水酸基ラジカル77を生成する。この水酸基ラジカル77も、上記同様被洗浄物10表面でレジストや被洗浄有機物等の汚染を分解除去する。
【0034】
また、処理液24(溶媒である水)を後述のような各方法で流動させることにより、この陽極15および陰極16近傍で生成した水酸基ラジカル77を被洗浄物10上に効率良く供給することができる。
【0035】
なお、供給される溶媒中に水酸化物イオン71や水素イオン72が含まれる場合には、突起部14の素材としてイオン分解触媒を用いる必要は特にない。この場合、電界ラジカル生成用の陽極15および陰極16上で前記と同様の機構により、水酸基ラジカル77を生成する。
【0036】
ここで、上記方法により生成した水酸基ラジカル77が溶媒である水と反応することにより生成する、種々の溶媒由来のラジカル活性種の生成機構を、以下の化学反応式(I)〜(VII)に示した。
【0037】
【化1】
Figure 0003980518
【0038】
レジスト等の汚染の除去に寄与する反応種としては、反応活性の比較的高いラジカル種の、水酸基ラジカル(・OH)、酸素ラジカル(・O)、ヒドロペルオキシラジカル(HO2・)、HO3ラジカル、スーパーオキサイドアニオンラジカル(・O2 -)である。これらの水酸基ラジカル等の溶媒由来のラジカル活性種は、レジスト等の有機成分による汚染の除去に効果的であり、炭素−炭素の共有結合等の強い結合を切断し、酸化する程度の十分に高い酸化能を有する。これらの有機物は種々のラジカル活性種により、水と二酸化炭素に分解することができる。
【0039】
<実施の形態2>
上記実施の形態1のような構成を有するウェット洗浄処理装置を用いてさらに具体的に基体表面の汚染を洗浄する方法について、図2を用いて説明する。
【0040】
すなわち、ウェット洗浄処理装置13の電界生成部を処理液槽23内の処理液24に浸漬するとともに、洗浄処理を行なうための被洗浄物10を、処理液24内に浸漬した状態で搬送する。搬送には、処理液槽23内を通過する経路を形成した搬送ローラ25が用いられる。なお、ここでいう処理液とは、溶媒を意味し、具体的には水である。
【0041】
溶媒供給ユーティリティ21により供給した水は、処理液供給部27より処理液槽23内に矢印Bに従い供給される。処理に使用された処理液24は溶媒吸引部26により回収され、排水系統22へと廃棄される。この構成によって溶媒である水は、処理液槽23内を被洗浄物搬送方向Aに対して対向する方向Bへ流動し、被洗浄物10とウェット洗浄処理装置13とにより形成された隙間20内を流動する。このようにウェット洗浄処理装置13と溶媒を流動させる手段とを組合せて用いることにより、ウェット洗浄処理装置13の各電極近傍で生成したラジカルを被洗浄物10上へ効率良く供給することができ、被洗浄物10に対して優れた洗浄作用が示される。
【0042】
<実施の形態3>
本実施の形態では、ウェット洗浄処理装置13の電界生成部を処理液槽23内の処理液24に浸漬して、さらにスピン装置を用いて洗浄処理を行なう。以下、図3を用いて説明する。
【0043】
本洗浄処理によると、基板テーブル32上に、真空チャックもしくはメカニカルチャックで保持した被洗浄物10をD方向に回転するとともに、突起部14を介してウェット洗浄処理装置13を被洗浄物10に当接した状態でウェット洗浄処理装置用の回転軸31により被洗浄物10の回転と逆のE方向へ回転させる。
【0044】
この洗浄処理では、処理液槽23内へ溶媒供給ユーティリティ21より常時溶媒である水を供給すると共に、洗浄処理に使用された汚染等を含む処理液24を排水系統22へ廃棄する制御機構を有する。
【0045】
本洗浄処理では、前記実施の形態2で用いた平流し方式による構成と比較して、被洗浄物10表面での処理液24(すなわち溶媒)の流動が大きいため、被洗浄物10へのラジカルの供給効率を高くすることが可能である。このようにウェット洗浄処理装置13と溶媒を流動させる手段とを組合せて用いることにより、ラジカルを被洗浄物10上へ効率良く供給することができ、被洗浄物10に対して優れた洗浄作用が示される。
【0046】
<実施の形態4>
本実施の形態は、ウェット洗浄処理装置13としてラジカルを生成する多数の電界ラジカル生成用の陽極15および陰極16を、絶縁層部18にて間隔を隔てて配置した構造を有するものを使用する。以下、図4を用いて説明する。
【0047】
絶縁層部18に設置された溶媒供給部41より、イオンとして水素イオンまたは水酸化物イオンを含む溶媒を供給すること、これらの陽極15と陰極16に電源装置17により電界を印加して該溶媒中のイオンを電解酸化もしくは電解還元することにより電気化学的に反応させてラジカルを生成すること、および電極近傍の基体11表面上の汚染12(たとえばレジストおよび有機物)と該ラジカルとを反応させることによって、汚染12を分解して洗浄除去することができる。
【0048】
イオン溶媒供給ユーティリティ43により生成されるイオンを含んだ溶媒としては、たとえば電解イオン水製造装置により分離された水酸化物イオンを含む水、同水素イオンを含む水、高温高圧を水に印加してイオン積を増大させた水、塩素ガス、塩化水素ガス、アンモニアガス、フッ化水素ガス、炭酸ガス等を水に溶解することにより水素イオンもしくは水酸化物イオンを増加させた水、または酸や塩基などの電解質を溶解した水溶液などを用いることができる。
【0049】
このイオンを含んだ溶媒を溶媒供給ライン42を介して、溶媒供給部41より矢印Bの方向にしたがって被洗浄物10表面へ供給する。このとき、溶媒の供給圧力とウェット洗浄処理装置13の被洗浄物10への押し付け加重とを制御することにより、被洗浄物10とウェット洗浄処理装置13との間隔を維持することができる。すなわち、この場合前記絶縁層部18(溶媒供給部41)から噴射する溶媒が、ウェット洗浄処理装置の電界生成部19と基体11表面との距離を一定に保つ手段となる。また、これにより、被洗浄物10とウェット洗浄処理装置13を接触させることなく、被洗浄物10近傍でラジカルを生成することができる。
【0050】
前記溶媒供給部41より供給するイオンを含んだ水により、被洗浄物10とウェット洗浄処理装置13とにより形成された隙間20の処理液24を流動させ、生成したラジカルを速やかに被洗浄物10表面へ供給することができる。
【0051】
ウェット洗浄処理装置13の絶縁層部18に設置された溶媒吸引部26により矢印C方向へ処理液24を吸引することにより、溶媒供給部41から噴射する溶媒の圧力と、溶媒吸引部26に溶媒を吸引する圧力とを制御することにより、ウェット洗浄処理装置の電界生成部19と基体11表面との距離を一定に保つことができる。また、これにより処理液24の置換、すなわち溶媒の流動を速やかに行うことができ、処理効果を増大することができる。このようにウェット洗浄処理装置13と溶媒を流動させる手段とを組合せて用いることにより、ラジカルを被洗浄物10上へ効率良く供給することができ、被洗浄物10に対して優れた洗浄作用が示される。
【0052】
<実施の形態5>
本実施の形態では、図5に示すように、矢印Aの方向に搬送ローラ25により搬送される被洗浄物10上に、上記実施の形態4に記載のウェット洗浄処理装置13を近接させて、イオンを含んだ水の供給圧および吸引圧により隙間を制御するとともに、被洗浄物10を平流し方式により処理する。
【0053】
また、ウェット洗浄処理装置13は、被洗浄物10表面に対し、X軸方向またはY軸方向、あるいはその組み合わせの方向に移動したり、回転することにより被洗浄物10と接触する位置が随時変化し、被洗浄物10の処理を均一に行なうことができる。
【0054】
また、このウェット洗浄処理装置13は、溶媒の供給と吸引を行うことができるため、実施の形態2で示したような処理液槽23を設ける必要がなく、設備のコストおよびフットプリントを削減することができる。
【0055】
<実施の形態6>
本実施の形態は、図6に示すように、ウェット洗浄処理装置13による洗浄処理をスピン装置と組合せて行なうものである。
【0056】
すなわち、基板テーブル32上に真空チャックやメカニカルチャックで保持した被洗浄物10をD方向に回転するとともに、イオン分解触媒で構成される突起部(図示せず)を介してウェット洗浄処理装置13を被洗浄物10に当接させた状態で、ウェット洗浄処理装置用の回転軸31により被洗浄物10の回転方向とは逆の回転方向Eへ回転させる。
【0057】
さらに、ウェット洗浄処理装置13は被洗浄物10の表面に対しX軸方向、Y軸方向またはその組み合わせの方向に移動すること、もしくは回転することにより、イオン分解触媒で構成される突起部が被洗浄物10と接触する位置が随時変化し被洗浄物10の処理を均一に行うことができる。
【0058】
このような洗浄処理によると、上記実施の形態5のような平流し方式による洗浄処理の構成と比較して、被洗浄物10表面での溶媒である処理液24の流動が大きいため、被洗浄物10へのラジカルの供給効率を高くすることにより洗浄作用を向上させることが可能である。このようにウェット洗浄処理装置13と溶媒を流動させる手段とを組合せて用いることにより、ラジカルを被洗浄物10上へ効率良く供給することができ、被洗浄物10に対して優れた洗浄作用が示される。
【0059】
また、イオン溶媒供給ユーティリティ43をウェット洗浄処理装置13に備えることにより溶媒である処理液24が被洗浄物10に随時供給されるため、溶媒の流動を安定化することができるとともに、溶媒の液膜厚さを被洗浄物全面において均一に保つことができ、被洗浄物10の周縁部と中央部との洗浄処理の差を低減することができる。また、実施の形態4におけるウェット洗浄処理装置13は、溶媒である処理液24の供給と吸引を行なうことができるため、実施の形態2で示した処理液槽23を設ける必要がなく、設備のコストおよびフットプリントを削減することができる。
【0060】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0061】
【発明の効果】
本発明のウェット洗浄処理装置は、溶媒に含まれるラジカルの作用により基体表面の汚染を除去するものである。該ラジカルは、溶媒に電界を印加することにより溶媒に含まれているイオンから電気化学的反応により生成されるものであるから、紫外線等を用いる従来法に比べラジカル濃度は極めて高濃度のものとなり洗浄作用を大幅に向上することができる。しかも、電界は溶媒に印加される構成となっているため該基体自体が電極となることはなく、もって基体が電気的に破壊されたり基体自体の電気的特性が問題となることもない。さらに、環境負荷となる物質を用いることなく洗浄することが可能であるため、設備費用ならびに環境負荷を低減することが可能である。また、ウェット洗浄処理装置の電界生成部と基体表面との距離が一定に保たれるため、高濃度のラジカルを安定して基体表面に供給することができ特に優れた洗浄作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウェット洗浄処理装置の概略図である。
【図2】 ウェット洗浄処理装置を用いた洗浄処理の概略図である。
【図3】 ウェット洗浄処理装置とスピン装置を用いた洗浄処理の概略図である。
【図4】 溶媒供給ユーティリティを備えたウェット洗浄処理装置の概略図である。
【図5】 溶媒供給ユーティリティを備えたウェット洗浄処理装置を用いた洗浄処理の概略図である。
【図6】 溶媒供給ユーティリティを備えたウェット洗浄処理装置とスピン装置を用いた洗浄処理の概略図である。
【図7】 突起部における電気化学的反応を示した概略図である。
【符号の説明】
10 被洗浄物、11 基体、12 汚染、13 ウェット洗浄処理装置、14 突起部、15 陽極、16 陰極、17 電源装置、18 絶縁層部、19電界生成部、20 隙間、21 溶媒供給ユーティリティ、22 排水系統、23 処理液槽、24 処理液、25 搬送ローラ、26 溶媒吸引部、27 処理液供給部、31 回転軸、32 基板テーブル、41 溶媒供給部、42 溶媒供給ライン、43 イオン溶媒供給ユーティリティ、71 水酸化物イオン、72 水素イオン、73 電子、74 酸素分子、75 スーパーオキサイドアニオンラジカル、76 過酸化水素、77 水酸基ラジカル。

Claims (11)

  1. 溶媒に電界を印加することにより溶媒中のイオンからラジカルを生成し、該ラジカルを含む溶媒を基体表面に供給することによって基体表面の汚染を除去するウェット洗浄処理装置であって、
    該電界を形成する1対または2対以上の陽極と陰極とからなる電界生成部と、
    該陽極と陰極間に配置された絶縁層部と、
    該電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段と、
    を含むことを特徴とする、ウェット洗浄処理装置。
  2. 前記電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段は、絶縁層部表面に設けられた突起部であることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  3. 前記突起部は、イオン分解触媒で構成されていることを特徴とする、請求項2記載のウェット洗浄処理装置。
  4. 前記電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段は、前記絶縁層部から噴射する溶媒であることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  5. 前記電界生成部と基体表面との距離を一定に保つ手段は、前記絶縁層部の溶媒供給部から噴射する溶媒の圧力と、前記絶縁層部の溶媒吸引部に前記溶媒を吸引する圧力とを制御することにより実行されることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  6. 前記絶縁層部は、イオン交換樹脂からなる不織布であることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  7. 前記ラジカルは、水酸基ラジカルであることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  8. 前記溶媒は、不可避不純物を含む水であることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  9. 前記溶媒は、水酸化物イオンを含む水であることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  10. 前記溶媒は、水素イオンを含む水であることを特徴とする、請求項1記載のウェット洗浄処理装置。
  11. 請求項1記載のウェット洗浄処理装置と、溶媒を流動する手段とを組合せて用いることを特徴とする、ウェット洗浄処理方法。
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