JP3980371B2 - 車輪用軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等における車輪用軸受に関し、特に回転検出用の磁気エンコーダを一体化した車輪用軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図10に示すように転動体103を介して転接する内方部材101および外方部材102間にシール装置105を設けた車輪用軸受において、シール装置105に磁気エンコーダ106を一体化させたものが提案されている(例えば、特開平6−281018号)。シール装置105は、各々断面L字状とされた第1,第2のシール板107,108を内方部材101および外方部材102にそれぞれ嵌合させ、第2のシール板108にリップ109を設けたものである。第1のシール板107は、スリンガと呼ばれる。磁気エンコーダ106は、磁性体粉が混入された弾性部材111を第1のシール板107に加硫接着したものである。多極磁石111は、円周方向に交互に磁極が形成されたものであり、対面配置された磁気センサ110で検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記構成では、多極磁石111と磁気センサ110との間の隙間に石などの異物が噛み込んだ場合に、多極磁石111が損傷する恐れがある。
このため、多極磁石の外方側を被覆する非磁性体製の保護板を設けたものを提案したが(特願2001−327554号)、保護板の取付性の点で今一つ満足できなかった。
【0004】
この発明の目的は、多極磁石と磁気センサとの間に噛み込む異物で多極磁石が損傷することを防止でき、またその保護板の取付性に優れた車輪用軸受を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の車輪用軸受は、内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複数の転動体と、上記内外の部材間の環状空間の端部を密封するシール装置とからなり、前記内方部材が回転側の部材となり
記シール装置が、上記内方部材と外方部材のうちの互いに異なる部材に各々取付けられて互いに対向する第1および第2の環状のシール板を有し、第1のシール板は、上記内方部材および外方部材のうちの回転側の部材に嵌合され、第1のシール板は、軸受の外方側に配される立板部を有し、周方向に交互に磁極が形成された多極磁石が上記立板部の外方側の側面に取付けられ、第2のシール板は上記第1のシール板に摺接するリップを有する車輪用軸受において、
上記多極磁石の外方側を覆う金属板製で非磁性体製の保護板を設け、この保護板は、外径縁から軸受内側へ屈曲して延びる周縁片を有し、かつ内周縁に補強リブを有し、前記周縁片は、円周方向の複数個所に先端から軸方向に延びる切欠を有し、この切欠は、各切欠間で形成される舌片部を上記第1のシール板の立板部の外径縁に加締止めし、前記切欠は、前記周縁片の軸方向幅の全幅に達しない深さであり、前記周縁片は、前記加締止めを行った状態で、前記切欠の底よりも基端側部分は円筒形状であり、前記舌片部がこの舌片部の基端で斜めに屈曲した形状となっており、この屈曲した舌片部の先端は、第1のシール板の立板部よりも内側へ延び、前記周縁片の前記円筒形状の基端側部分は、前記多極磁石に対して外径側へ離れ、かつ前記補強リブは前記多極磁石に対して内径側へ離れていることを特徴とする。上記多極磁石は、磁性体粉が混入された弾性部材またはプラスチックであっても良く、また焼結磁石であっても良い。
この構成によると、多極磁石の外方側が非磁性体製の保護板で被覆されるので、多極磁石と磁気センサとの隙間に異物が噛み込むことがあっても、多極磁石が損傷することが防止される。保護板は非磁性体であるため、保護板の存在が磁気センサによる検出を妨げることがない。保護板は、外径縁から延びる周縁片を第1のシール板に加締止めするようにしたため、取付が簡単でかつ確実であり、量産性にも優れる。
【0006】
この発明において、上記第1および第2のシール板は、各々円筒部と立板部とでなる断面L字状に形成され、第2のシール板は上記リップとして第1のシール板の上記立板部に摺接するサイドリップと円筒部に摺接するラジアルリップとを有し、この第2のシール板の円筒部と上記第1のシール板の立板部の先端とを僅かな径方向隙間をもって対峙させても良い。このように構成した場合、シール性能が向上する。
【0007】
また、保護板の周縁片を切欠によって複数の舌片部に分けたため、連続する加締幅が狭くて加締作業が容易に行える。また、複数の舌片部に分けると、加締力が小さくなるので、第1のシール板の変形防止ができる。
【0008】
上記保護板は、内周縁に補強リブを有するため、外周側の周縁片の加締時に、保護板の内周部が変形することが防止され、変形によって保護板の多極磁石表面に対する密着性が損なわれることが回避される。多極磁石とこれに対向させる磁気センサとの隙間は、磁気ギャップを小さくして磁気特性を向上させるために微小な間隔に設定される。そのため保護板の多極磁石に対する密着性が悪いと、磁気センサとの干渉の恐れが生じ、上記隙間を十分に小さく設定できない。このような密着不良による干渉の恐れが、保護板の内周縁の補強リブによって無くすことができる。
【0009】
上記多極磁石は、第1のシール板の立板部の外径縁を覆う外周覆い部を有するものであっても良い。その場合に、上記保護板の上記周縁片は、上記外周覆い部の上から上記立板部の外径縁に加締止めしても良い。
この構成の場合、外周覆い部が立板部に係合することによって、第1のシール板に対する多極磁石の取付の確実性が増す。
【0010】
保護板の板厚は、0.1〜1.0mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜1.0mm、または0.3〜1.0mmである。この場合の保護板の材質は、金属板である。
多極磁石と磁気センサとの磁気ギャップを狭めるには、保護板の板厚が薄いことが好ましい。しかし、薄過ぎると保護板の強度が不足し、周縁片の加締時に変形して多極磁石と保護板との密着性が損なわれる。保護板の板厚が0.1mm未満であると、上記の加締時の変形の恐れがあり、板厚が1.0mmを超えると磁気ギャップが広がり過ぎる。また、加締力を大きくせざるを得ず、その場合、加締た際に第1のシール板の変形が生じる恐れがある。
【0011】
保護板の材質は、非磁性ステンレス鋼製であって、硬さ(ビッカース硬さ)がHV 200以下であることが好ましい。
ステンレス鋼であると、錆び難く、強度にも優れるため、保護板として好ましい。ただし、硬さがHV 200を超えると、周縁片の加締時に保護板の変形が生じる恐れがある。
【0012】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態を図1〜図6と共に説明する。この実施形態は、駆動輪の支持に用いる車輪用軸受に適用した例であって、磁気エンコーダがシールスリンガを兼用した例である。
図1に示すように、この車輪用軸受は、内方部材1および外方部材2と、これら内外の部材1,2間に収容される複数の転動体3と、内外の部材1,2間の端部環状空間を密封するシール装置5,13とを備える。一端のシール装置5は、磁気エンコーダ20(図3)付きのものである。内方部材1および外方部材2は、転動体3の軌道面1a,2aを有しており、各軌道面1a,2aは溝状に形成されている。内方部材1および外方部材2は、各々転動体3を介して互いに回転自在となった内周側および外周側の部材のことであり、軸受内輪および軸受外輪の単独であっても、これら軸受内輪や軸受外輪と別の部品とが組み合わさった組立部材であっても良い。また、内方部材1は、軸であっても良い。転動体3は、ボールまたはころからなり、この例ではボールが用いられる。
【0013】
この車輪用軸受は、複列の転がり軸受、詳しくは複列のアンギュラ玉軸受とされていて、その軸受内輪は、各転動体列の軌道面1a,1aがそれぞれ形成された一対の分割型の内輪1A,1Bからなる。これら内輪1A,1Bは、ハブ輪6の軸部の外周に嵌合し、ハブ輪6と共に上記内方部材1を構成する。すなわち、この実施形態の車輪用軸受は、いわゆる第1世代の車輪用軸受とされている。
【0014】
図1おいて、ハブ輪6には、等速自在継手7の一端(例えば外輪)が連結され、ハブ輪6のフランジ部6aに車輪(図示せず)がボルト8で取付けられる。等速自在継手7は、その他端(例えば内輪)が駆動軸(図示せず)に連結される。外方部材2は、軸受外輪からなり、懸架装置におけるナックル等からなるハウジング(図示せず)に取付けられる。転動体3は各列毎に保持器4で保持されている。
【0015】
図3は、磁気エンコーダ付きのシール装置5を拡大して示す。このシール装置5は、内方部材1と外方部材2に各々取付けられた第1および第2の環状のシール板11,12を有する。両シール板11,12は、各々円筒部11a,12aと立板部11b,12bとでなる断面L字状に形成されて互いに対向する。
第1のシール板11は、内方部材1および外方部材2のうちの回転側の部材である内方部材1に取付けられ、スリンガとなる。第1のシール板11は、円筒部11aが内方部材1の外径面に圧入状態に嵌合させることにより、内方部材1に取付けられる。第1のシール板11の立板部11bは、軸受外方側に配され、その外方側の側面に多極磁石14が取付けられている。この多極磁石14は、第1のシール板11と共に磁気エンコーダ20を構成するものであり、周方向に交互に磁極N,S(図2)が形成されている。磁極N,Sは、ピッチ円直径(PCD)において、所定のピッチPとなるように形成されている。この磁気エンコーダ20の多極磁石14に対面して、図3のように磁気センサ15を配置することにより、車輪回転速度の検出用のロータリエンコーダが構成される。
【0016】
多極磁石14は、磁性体粉が混入された弾性部材またはプラスチックであってもよく、また焼結磁石からなるものであっても良い。多極磁石14は、ゴム磁石からなる場合、立板部11bに加硫接着等で取付けられる。多極磁石14の具体的な材質例は、後に説明する。
多極磁石14は、第1のシール板11の立板部11bの外径縁を覆う外周覆い部14aを有しており、この外周覆い部14aが立板部11bに係合することによって、第1のシール板11に対する取付の確実性が増している。外周覆い部14aは、詳細には立板部11bの外径側の端面から内面外径縁に渡って覆う形状とされている。なお、外周覆い部14aにおける立板部11bの内面外径縁を覆う部分は必ずしも設けなくても良い。すなわち、外周覆い部14aは、立板部11bの外径側の端面を覆う部分だけであっても良い。また、外周覆い部14aは必ずしも設けなくても良い。
【0017】
第2のシール板12は、その円筒部12aを外方部材2の内径に圧入状態に嵌合させることで外方部材2に取付けられている。この第2のシール板12は、第1のシール板11の立板部11bの内方側の側面に摺接するサイドリップ16aと円筒部11aの外周面に摺接するラジアルリップ16b,16cとを一体に有する。これらリップ16a〜16cは、第2のシール板12に加硫接着された弾性部材16の一部として設けられている。また、第2のシール板12は、固定側部材である外方部材2との嵌合部に弾性部材16の一部を設けたものとしてある。第2のシール板12の円筒部12aと第1のシール板11の立板部11bの先端とは僅かな径方向隙間をもって対峙させ、その隙間でラビリンスシール17を構成している。このラビリンスシール17となる隙間は、詳しくは、第1のシール板11に取付けられた保護板18と第2のシール板12の円筒部12aとの間で形成されている。
【0018】
保護板18は、多極磁石14の軸受外方側を覆う部材であり、非磁性体製の板からなる。保護板18の材質は、非磁性ステンレス鋼等の非磁性体の金属とされる。保護板18は、多極磁石14の外側面に密接する立板部18bの外周縁に、軸受内側へ屈曲して延びる周縁片18bbを有し、この周縁片18bbを第1のシール板11の立板部11bの外径縁に加締止めする。この周縁片18bbの加締止めにより、保護板18は多極磁石14の外方側の側面に密接するように、第1のシール板11に取付けられる。多極磁石14が第1のシール板11の立板部11bの外径縁を覆う外周覆い部14aを有する場合は、この外周覆い部14aの上から周縁片18bbの上記加締止めが行われる。
【0019】
保護板18の周縁片18bbは、その加締止め前の形状を図5に示すように、円筒状に形成されていて、円周方向の複数個所に先端から軸方向に延びる切欠22を有し、各切欠22間の部分が舌片部23となっている。周縁片18bbの加締止めは、この舌片部23の加締によって行われる。切欠22は、周縁片18bbの軸方向幅の全幅に達しない深さであり、周縁片18bbは、加締止めを行った状態で、切欠22の底よりも基端側部分は円筒形状のままであり、舌片部23がその基端で斜めに屈曲した形状となっている。この屈曲した舌片部23の先端は、第1のシール板11の立板部11bよりも内側へ延びる。
図6において、(C)は保護板18の加締前の単独の状態を、(B)は多極磁石14の設けられた第1のシール板11の単独の状態をそれぞれ示し、保護板18を加締止めすることで、図6(A)のようになる。
【0020】
なお、保護板18の切欠22は、図5のようなスリット状であっても、また保護板18の円周方向に、例えば深さよりも幅広となるように広がった形状であっても良い。また切欠22は、線状の切り込みであっても良い。切欠22の深さは、図6に示すように、切欠22のない円筒形状の部分が、多極磁石14の厚さ分を覆う幅となるものである。
【0021】
保護板18の内周縁には、補強リブ24が形成される。補強リブ24は、軸受内側へ突出するリブとすることが好ましい。この例では、補強リブ24は、図6に示すように、保護板18の内周縁を内側へ湾曲させた円弧状断面部分とされている。この補強リブ24の軸方向幅dは、多極磁石14の厚みの一部となる幅とされている。また、補強リブ24は、多極磁石14の内径面よりも内径側に離れて位置している。
なお、補強リブ24の軸方向幅dは、図7のように多極磁石14の略全体幅を覆う幅であっても良い。また、補強リブ24は、同図の円弧状断面の部分とする代わりに、例えば図8に示すように、カウンタシンクのリング状突条としても良い。補強リブ24をこのようなカウンタシンクのリング状突条とした場合、保護板18をプレス加工する場合のプレス加工性に優れる。
【0022】
この構成の車輪用軸受によると、第1のシール板11の立板部11bに、多極磁石14が取付けられ、周方向に交互に磁極N,Sが形成されているため、この多極磁石14および第1のシール板11により磁気エンコーダ20が構成され、多極磁石14に対面する磁気センサ15で回転検出を行うことができる。
内外の部材1,2間のシールについては、第2のシール板12に設けられた各シールリップ16a〜16cの摺接と、第2のシール板12の円筒部12aに第1のシール板11の立板部11bの先端が僅かな径方向隙間で対峙することで構成されるラビリンスシール17とで得られる。
【0023】
また、多極磁石14の外方側が保護板18で被覆されているので、多極磁石14と磁気センサ15との隙間に異物が噛み込んでも、異物が多極磁石14に直接に接触せず、多極磁石14が損傷することが防止される。保護板18は、多極磁石14と磁気センサ15との間に介在するが、非磁性体であるため、磁束の流れ経路に影響せず、磁気センサ15による回転数検出の精度低下の問題がない。
【0024】
保護板18は、外径縁から延びる周縁片18bbを第1のシール板11に加締止めする構成のため、取付が簡単でかつ確実であり、量産性にも優れる。周縁片18bbは、切欠22によって複数の舌片部23に分けてあるため、連続する加締幅が狭くて加締作業が容易に行える。また、加締力が小さくて済み、そのため第1のシール板11の変形防止の効果も得られる。また、保護板18は、内周縁に補強リブ24を有するため、外周縁の周縁片18bbの加締時に、保護板18の内周部が変形することが防止され、変形によって保護板18の多極磁石14の表面に対する密着性が損なわれることが回避される。多極磁石14とこれに対向させる磁気センサ15との隙間は、磁気ギャップを小さくして感度を向上させるために微小な間隔に設定される。そのため、保護板18の多極磁石14に対する密着性が悪いと、磁気センサ15との干渉の恐れが生じ、上記隙間を十分に小さく設定できない。このような加締に伴う密着不良による干渉の恐れを、保護板18の内周縁の補強リブ24によって無くすことができる。
【0025】
保護板18の材質および寸法例を説明する。保護板18の材質は、非磁性体でかつ加締止めが可能な材質であり、非磁性ステンレス鋼の他には、アルミ合金や銅合金を用いることができる。防錆性からは、非磁性ステンレス鋼が好ましい。保護板18の厚みは、0.1〜1.0mmの範囲とされる。保護板18の厚みの上限は、加締力の条件設定によりどのような厚みでも可能であるが、保護板18が厚いと、磁気ギャップが広がるため、磁気特性が不利になる。また、加締力が大きいと加締た際に第1のシール板11の変形が生じることもある。そのため、1.0mm以下とすることが好ましい。磁気ギャップの面からは、保護板18は極力薄いものが好ましいが、0.1mmよりも薄いと、加工が難しく、加締時に変形して多極磁石14との密着性が得られない場合がある。このため、0.1mm以上とすることが好ましい。より好ましくは0.2mm以上、または0.3mm以上である。
保護板18の硬さは、ビッカース硬さでHV 200以下であることが好ましい。硬さがHV 200を超えると、周縁片18bbの加締時に保護板18の変形が生じる恐れがある。JIS規格のSUS304のステンレス鋼の場合、HV 200以下である。
保護板8の周縁片18bb軸方向幅B(図6(A))は、例えば2.45mm±0.5mm程度とされる。
【0026】
上記各実施形態における多極磁石14の材質例を説明する。
多極磁石14を磁性体粉が混入された弾性部材とする場合、その弾性材料としてゴム材料を用いることができる。その場合、多極磁石14はゴム磁石となる。磁性体粉にはフェライト等が用いられる。
多極磁石14を磁性体粉が混入されたプラスチックとする場合、すなわちプラスチック磁石とする場合、磁性体粉としてフェライト磁石や希土類磁石の粉末をプラスチックに混ぜて成形した磁石とされる。プラスチック磁石は、成形したままで精度が高く、また薄肉品や複雑な形状のものが容易に製造できる。
多極磁石14を焼結磁石からなるものとする場合、例えば、原料合金を粉砕した磁性体粉を、磁界中プレスにより粒子の方向を揃えて圧粉成形し、焼結後に着磁したものとされる。焼結磁石は、磁力が大きくできる利点がある。磁性体粉としては、フェライト磁石やネオジウム系又はサマリウム系の希土類磁石を用いることができる。多極磁石14となる焼結磁石は、必ずしも磁性体粉のみを焼結したものでなくても良く、磁性体粉と他の材料を混合させた粉体を焼結させたものであっても良い。
【0027】
なお、上記各実施形態は、第1世代の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、例えば図9に示すように内方部材1がハブ輪6Aと片方の内輪1Aとで構成される形式とした軸受である第3世代の車輪用軸受に適用することができ、また第2世代や、等速ジョイントを一体化させた軸受である第4世代の車輪用軸受にも適用することもできる。
【0028】
【発明の効果】
この発明の車輪用軸受は、磁気エンコーダとなる多極磁石の外方側を非磁性体製の保護板で被覆したため、多極磁石と、この多極磁石から回転数を検出する磁気センサとの隙間に異物が噛み込むことがあっても、多極磁石が損傷することが防止される。保護板は、外径縁から延びる周縁片を第1のシール板に加締止めするようにしたため、取付が簡単でかつ確実であり、量産性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる車輪用軸受を設置した車輪支持装置の断面図である。
【図2】その磁気エンコーダとなる多極磁石の部分正面図である。
【図3】同車輪用軸受の部分断面図である。
【図4】同車輪用軸受の磁気エンコーダを含むシール装置の断面図である。
【図5】同磁気エンコーダの保護板の部分斜視図である。
【図6】(A)〜(C)は、それぞれ磁気エンコーダの保護板取付状態の断面図、同磁気エンコーダの保護板未装着状態の断面図、および保護板の加締前の状態の断面図である。
【図7】磁気エンコーダの変形例の断面図である。
【図8】(A)〜(C)は、それぞれこの発明のさらに他の実施形態における磁気エンコーダの保護板取付状態の断面図、同磁気エンコーダの保護板未装着状態の断面図、および保護板の加締前の状態の断面図である。
【図9】同車輪用軸受のさらに他の実施形態の断面図である。
【図10】従来例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…内方部材
2…外方部材
3…転動体
5…シール装置
11…第1のシール装置
12…第2のシール装置
11a,12a…円筒部
11b,12b…立板部
14…多極磁石
16…弾性部材
16a…サイドリップ
16b,16c…ラジアルリップ
18…保護板
18b…立板部
18bb…周縁片
22…切欠
23…舌片部
24…補強リブ

Claims (7)

  1. 内方部材および外方部材と、これら内外の部材間に収容される複数の転動体と、上記内外の部材間の環状空間の端部を密封するシール装置とからなり、前記内方部材が回転側の部材となる車輪用軸受であって、
    上記シール装置は、上記内方部材と外方部材のうちの互いに異なる部材に各々取付けられて互いに対向する第1および第2の環状のシール板を有し、第1のシール板は、上記内方部材の外周に嵌合され、第1のシール板は、軸受の外方側に配される立板部を有し、周方向に交互に磁極が形成された多極磁石が上記立板部の外方側の側面に取付けられ、第2のシール板は上記第1のシール板に摺接するリップを有する車輪用軸受において、
    上記多極磁石の外方側を覆う金属板製で非磁性体製の保護板を設け、この保護板は、外径縁から軸受内側へ屈曲して延びる周縁片を有し、かつ内周縁に補強リブを有し、前記周縁片は、円周方向の複数個所に先端から軸方向に延びる切欠を有し、この切欠は、各切欠間で形成される舌片部を上記第1のシール板の立板部の外径縁に加締止めし、前記切欠は、前記周縁片の軸方向幅の全幅に達しない深さであり、前記周縁片は、前記加締止めを行った状態で、前記切欠の底よりも基端側部分は円筒形状であり、前記舌片部がこの舌片部の基端で斜めに屈曲した形状となっており、この屈曲した舌片部の先端は、第1のシール板の立板部よりも内側へ延び、前記周縁片の前記円筒形状である基端側部分は、前記多極磁石に対して外径側へ離れ、かつ前記補強リブは前記多極磁石に対して内径側へ離れていることを特徴とする車輪用軸受。
  2. 上記第1および第2のシール板は、各々円筒部と立板部とでなる断面L字状に形成され、第2のシール板は上記リップとして第1のシール板の上記立板部に摺接するサイドリップと円筒部に摺接するラジアルリップとを有し、この第2のシール板の円筒部と上記第1のシール板の立板部の先端とを僅かな径方向隙間をもって対峙させた請求項1に記載の車輪用軸受。
  3. 上記多極磁石が、磁性体粉が混入された弾性部材またはプラスチックである請求項1または請求項2に記載の車輪用軸受。
  4. 上記多極磁石が焼結磁石である請求項1または請求項2に記載の車輪用軸受。
  5. 上記多極磁石は、第1のシール板の立板部の外径縁を覆う外周覆い部を有し、上記保護板の上記周縁片は、上記外周覆い部の上から上記立板部の外径縁に加締止めした請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車輪用軸受。
  6. 上記保護板の板厚が0.1〜1.0mmである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車輪用軸受。
  7. 上記保護板は、非磁性ステンレス鋼製であって、硬さがHV 200以下である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車輪用軸受。
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