JP3980342B2 - オーディオ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響効果を付加する機能を備えたオーディオ装置に関し、特に、耐熱性の比較的低いデジタル信号プロセッサ(DSP)等のデジタルデバイスにより音響効果を付加する場合に、該デジタルデバイスの温度上昇による熱暴走に起因して生じる不都合を解消するのに適応されたオーディオ装置(例えば、車載用オーディオ装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車載用オーディオ装置は高性能化及び多機能化が要求されている。これに伴い、再生帯域が異なる複数のスピーカを組み合わせた2ウェイ、3ウェイ等のマルチスピーカシステムや、重低音再生専用のサブ・ウーファを備えたスピーカシステムが用いられるようになってきている。そして、このようなスピーカシステムによって作り出される音響効果を最大限に活かすために、従来より、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、パラメトリックイコライザ等(以下、これらを単に「フィルタ」ともいう。)が使用されている。このようなフィルタは一般に回路規模が大きく、従来、車載用オーディオ装置のヘッドユニットに内蔵することは困難であるとされていた。
【0003】
しかし、最近のデジタル信号プロセッサ(DSP)の普及により、これらのフィルタをDSP内に構成し、そのフィルタ係数をソフトウェアで設定することが可能になり、車載用オーディオ装置のヘッドユニットにもこれらのフィルタが搭載されるようになってきている。
【0004】
一方、車載用オーディオ装置には、スピーカに供給されるオーディオ信号を増幅するアンプ等の部品が内蔵されている。そして、DSP等により音響効果が付加されたオーディオ信号が、アンプ等の部品を含むアナログ系のオーディオ回路に供給されるようになっている。アンプ等の部品は、DSPやマイクロコンピュータ等のデジタルデバイスと比べると、その動作時の電力消費が大きいので、それに応じて発熱量も多くなるのが一般的である。
【0005】
このため、オーディオ装置内部の温度上昇に関しては、DSP等のデジタルデバイスを含むヘッドユニットを上回る発熱量となり、部品等の温度保証上限(例えば、85℃)を超えることが想定される。この場合、アンプ等の部品と比べて発熱量の少ない(つまり、耐熱性の低い)DSPやマイクロコンピュータ等のデジタルデバイスが、熱暴走してしまう可能性がある。
【0006】
デジタルデバイスが熱暴走を起こすとその動作が読めないため、例えば、当該デバイスが動作不定状態となった場合には、当該デバイスの動作もしくはその出力の影響を受ける後段のオーディオ回路の動作も不定状態となり得る可能性がある。その結果、場合によってはスピーカから大音量の音声が出力されることも想定され、この場合にはユーザに不快感を与えるといった不都合が生じる。また、当該デバイス自体が損傷する可能性もある。
【0007】
一方、当該デバイスが動作不能状態となった場合には、それまで出力されていた音響効果が急激にゼロ(0)となるため、ユーザにとっては聴感上の違和感を覚えるといった不都合が生じる。そして、この場合も同様に、当該デバイス自体が損傷する可能性がある。
【0008】
このような熱暴走に起因して生じる不都合に対処するため、従来の技術では、音響効果を付加するDSP等のデジタルデバイスの動作中の温度が規定の上限温度を超えたときに、当該デバイスの動作を停止させる、いわゆる「シャットダウン制御」を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の技術では、デジタル系(DSP、マイクロコンピュータ等)が熱暴走するのを防止するための方法として「シャットダウン制御」を行っているが、この方法では、デジタル系がアナログ系のオーディオ回路から動作的に切り離された状態となるため、シャットダウン制御を行う直前まで聴くことができたオーディオ信号に係る音声を、そのまま継続して聴くことができないといった不都合があった。
【0010】
かかる不都合を解消するためには、例えば、デジタル系のシャットダウン制御を行う際に、それまでデジタル系に入力されていたオーディオ信号をアナログ系のオーディオ回路に切り替え接続することが考えられる。
【0011】
しかしこの方法では、シャットダウン制御を行う直前までは規定レベルの音響効果が付加されたオーディオ信号(音声)が聴こえていたものが、シャットダウン制御を行った後は音響効果がゼロ(0)のオーディオ信号(音声)が聴こえるため、かかる音響効果の急激な変化により、ユーザに聴感上の違和感もしくは不快感を与えるといった問題がある。
【0012】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、ユーザに聴感上の違和感もしくは不快感を与えることなくオーディオ信号(音声)を継続して受聴できるようにすると共に、音響効果を付加するDSP等のデジタルデバイスが熱暴走するのを防止することができるオーディオ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の課題を解決するため、本発明に係るオーディオ装置は、オーディオ信号を増幅してスピーカに出力するオーディオ出力増幅部と、該オーディオ出力増幅部に供給されるオーディオ信号に対し、音響効果を付加するための少なくとも周波数帯毎のレベル調整及び信号遅延時間の調整をデジタル的に行うオーディオ出力デジタル処理部と、オーディオソースからのオーディオ信号を選択的に切り替えて前記オーディオ出力デジタル処理部又は前記オーディオ出力増幅部に接続する切替接続部と、前記オーディオ出力デジタル処理部及び切替接続部を制御する制御部と、前記オーディオ出力増幅部の近傍に配設された温度センサとを備え、前記制御部は、前記オーディオ出力デジタル処理部に対し、前記温度センサによる検出温度の上昇に伴い前記音響効果を徐々に低減させるデジタル調整を行うよう制御し、前記検出温度が所定の上限温度に達した時点で前記音響効果がゼロとなるようなデジタル調整を行うよう制御すると共に、前記切替接続部に対し、前記検出温度が前記所定の上限温度を超えたときに前記オーディオソースからのオーディオ信号の前記オーディオ出力増幅部への接続を行うよう制御することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るオーディオ装置によれば、制御部からの制御の下にオーディオ出力デジタル処理部が、オーディオ信号に対し、検出温度の上昇に伴い音響効果を徐々に低減させるデジタル調整を行い、その検出温度が所定の上限温度に達した時点でその音響効果がゼロとなるようにデジタル調整を行う一方で、制御部からの制御の下に切替接続部により、その検出温度がその所定の上限温度を超えたときにオーディオソースからのオーディオ信号がオーディオ出力増幅部へ切り替え接続されるようになっている。
【0015】
すなわち、オーディオ信号のオーディオ出力デジタル処理部(デジタル系)からオーディオ出力増幅部(アナログ系)への切り替え接続は、当該オーディオ信号に付加される音響効果がゼロとなった時点以降に行われるので、切り替え接続を行う直前と行った直後とで音響効果の変化は無くなる。これによって、ユーザに聴感上の違和感もしくは不快感を全く与えることなく、当該オーディオ信号(音声)の継続的な受聴が可能となる。
【0016】
また、検出温度が所定の上限温度を超えたときに、制御部からの制御の下に切替接続部により、オーディオ信号がオーディオ出力デジタル処理部からオーディオ出力増幅部に切り替え接続されるので、オーディオ出力デジタル処理部はその動作を停止する。これによって、オーディオ出力デジタル処理部(デジタル系)が熱暴走するのを防止することができ、ひいては動作不定(もしくは動作不能)状態を回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るオーディオ装置の概略構成をブロック図の形態で示したものである。本実施形態は、本発明を車載用オーディオ装置のヘッドユニットに適用した例を示している。
【0021】
本実施形態に係るオーディオ装置10は、基本構成として、スピーカ11と、オーディオ出力増幅部12と、スイッチ13と、デジタル信号プロセッサ(DSP)15と、温度センサ17と、マイクロコンピュータ20とを備えている。説明の簡単化のため特に図示はしていないが、スピーカ11は実際には複数個設けられており、例えば、車両のフロント側の左右に設けられたフロント席用の各スピーカと、リヤ側の左右に設けられたリヤ席用の各スピーカと、更にリヤ席の近傍に設けられた重低音再生用のスピーカ(サブ・ウーファ)とを備えている。
【0022】
オーディオ出力増幅部12は、基本的には、DSP15を介して入力されたアナログのオーディオ信号、又はDSP15をバイパスして直接入力されたアナログのオーディオ信号ADを増幅してスピーカ11に供給する機能を有している。このオーディオ出力増幅部12は、特に図示はしていないが、スピーカ11の配置形態(設置個数)に応じて、各々のスピーカに供給されるべきオーディオ信号の出力増幅をそれぞれ行う電界効果トランジスタ(FET)、当該FETを駆動する複数のドライバ、低域通過フィルタ等を有している。
【0023】
スイッチ13は、マイクロコンピュータ20から供給される制御信号CS1に応答して切替動作を行い、オーディオソースから出力されたアナログのオーディオ信号ADを選択的にオーディオ出力増幅部12又はDSP15側に切り替え接続する。スイッチ13によりDSP15側に接続されたオーディオ信号ADは、インタフェース(I/F)14を介してデジタル化された後、DSP15に供給される。
【0024】
このスイッチ13についても、オーディオ出力増幅部12と同様に、図示はしていないが、スピーカ11の配置形態(設置個数)に応じた数のスイッチを有している。
【0025】
DSP15は、後段のオーディオ出力増幅部12に供給されるべきオーディオ信号に対し、音響効果を付加するための各種のデジタル調整(周波数帯毎のレベル調整、信号遅延時間の調整など)を行う機能を有している。DSP15は、インタフェース14を介して入力されたデジタルのオーディオ信号のレベルを、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS2に基づいてそれぞれ規定のレベルに調整して出力する電子ボリューム15aと、この電子ボリューム15aから出力されたオーディオ信号の周波数帯毎のレベル(バンドレベル)を、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS3によりそれぞれ固有に設定されるフィルタ係数に応じて調整するイコライザ部(EQ)15bと、このイコライザ部15bから出力された信号を、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS4に基づいて所定の時間だけ遅延させる信号遅延部15cとを有している。なお、DSP15の信号遅延部15cから出力されたデジタルのオーディオ信号は、インタフェース(I/F)16を介してアナログ化された後、オーディオ出力増幅部12に供給される。
【0026】
このDSP15についても、オーディオ出力増幅部12と同様に、図示はしていないが、スピーカ11の配置形態(設置個数)に応じた数の機能ブロック(電子ボリューム15a、EQ15b、信号遅延部15c)を有している。
【0027】
このように、オーディオソースから出力されたオーディオ信号ADは、後述するように所定の条件の下にスイッチ13により切り替えられ、インタフェース14、DSP15及びインタフェース16を介してオーディオ出力増幅部12に供給されるか、又はDSP15等を介さずに(つまりバイパスして)直接オーディオ出力増幅部12に供給される。
【0028】
一方、温度センサ17は、本装置10を構成する各部品のうち、最も熱の発生量が多いFET(オーディオ出力増幅部12)の近傍に(熱結合して)配設されている。例えば、FETがパッケージの形態でモールディングされ、ヒートシンク上に配設されている場合に、ヒートシンク上で当該部品(FET)の近傍に温度センサ17を金属製のブラケットで固定支持することにより、温度センサ17と当該部品とは互いに熱結合される。
【0029】
温度センサ17で検出された信号(アナログ信号)は、アンプ18を通して、マイクロコンピュータ20が所定のデジタル処理を行える程度に十分なレベルまで増幅された後、インタフェース(I/F)19を介してデジタル化され、マイクロコンピュータ20に供給される。なお、温度センサ17の後段のアンプ18については、温度センサ17で検出された信号がマイクロコンピュータ20にとって十分なレベルを有している場合には、必ずしも設ける必要はない。
【0030】
マイクロコンピュータ20は、予め設定されたプログラムに基づいて動作し、後述するように、温度センサ17により検出された温度(データ)に基づいて、DSP15の動作(音響効果を付加するためのデジタル調整)を制御するための処理を行うと共に、スイッチ13の切り替え動作を制御する。
【0031】
具体的には、DSP15に対しては、温度センサ17による検出温度が所定の上限温度(例えば、84℃)よりも低い所定の設定温度(例えば、60℃)を超えたときに、音響効果を低減させるデジタル調整を開始するよう制御し、以降、検出温度の上昇に伴い音響効果を徐々に低減させるデジタル調整を行うよう制御し、検出温度が所定の上限温度に達した時点で音響効果がゼロとなるようなデジタル調整を行うよう制御する(制御信号CS2〜CS4)。また、所定の上限温度をいったん超えた検出温度が低下して当該上限温度を下回ったときは、DSP15に対し、音響効果をゼロから徐々に増大させるデジタル調整を開始するよう制御する(制御信号CS2〜CS4)。
【0032】
一方、スイッチ13に対しては、温度センサ17による検出温度が上限温度を超えたときに、オーディオ信号ADのDSP15側への接続を遮断し、当該オーディオ信号ADのオーディオ出力増幅部12への切り替え接続を行うよう制御する(制御信号CS1)。逆に、上限温度をいったん超えた検出温度が低下して当該上限温度を下回ったときは、スイッチ13に対し、オーディオ信号ADのオーディオ出力増幅部12への接続を遮断し、当該オーディオ信号ADのDSP15側への切り替え接続を行うよう制御する(制御信号CS1)。
【0033】
図2は、本実施形態のオーディオ装置10が行う音響効果(すなわち、DSP15とマイクロコンピュータ20の協働作用に基づいてオーディオ信号ADに付加される音響効果)に関連する機能を一覧表にしたものである。図示の例では、音響効果の指標となる機能として、低音域(BASS KNOB )調整、利得(GAIN)調整、低域通過(LP)周波数設定、副音声(SUB SONIC )周波数設定、パラメトリックイコライザのレベル(PEQ LEVEL )設定、信号遅延時間の修正(TCR)に係る調整が含まれている。
【0034】
図2に例示するように、例えば利得調整について見ると、検出温度の上昇(又は低下)に伴い音響効果の指標である「利得」が徐々に低減(又は増大)するようにデジタル調整が行われており、検出温度が上限温度(84℃)に達した時点で利得がゼロとなるようにデジタル調整が行われている。
【0035】
他の機能についても同様に、検出温度の上昇(又は低下)に伴い音響効果が徐々に低減(又は増大)するようにデジタル調整が行われており、検出温度が上限温度(84℃)に達した時点で音響効果がゼロとなるようにデジタル調整が行われている。
【0036】
以下、本実施形態のオーディオ装置10においてマイクロコンピュータ20が行うDSP15のバイパスに係る処理(音響効果を徐々に低減させてゼロとし、デジタル系を停止する処理)について、その処理フローの一例を表した図3を参照しながら説明する。
【0037】
初期状態としては、オーディオソースからのオーディオ信号ADが、スイッチ13からインタフェース14、DSP15及びインタフェース16を介してオーディオ出力増幅部12に供給されているものとする。つまり、オーディオ出力増幅部12からスピーカ11を通して、DSP15により音響効果が付加されたオーディオ信号に係る音声が出力されているものとする。
【0038】
先ずステップS11では、温度センサ17で検出された温度を指示するデータをアンプ18及びインタフェース19を介して取り込む。
【0039】
次のステップS12では、取り込んだ温度データに基づいて、その検出温度が所定の設定温度(例えば、60℃)以上である(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS13に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「エンド」となる。
【0040】
次のステップS13では、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS2〜CS4により、DSP15を構成する各機能ブロック(電子ボリューム15a、EQ15b、信号遅延部15c)に対し、音響効果を付加するためのデジタル調整に係る各々の機能設定を変更するよう制御する。
【0041】
すなわち、DSP15に対し、音響効果を低減させるデジタル調整を開始するよう制御し、以降、検出温度の上昇に伴い音響効果を徐々に低減させ、検出温度が所定の上限温度に達した時点で音響効果がゼロとなるようなデジタル調整を行うよう制御する。ここに、「徐々に低減させる」という意味は、図2に関連して説明したように、例えば信号遅延時間の修正(TCR)について見ると、検出温度が1℃上昇する毎に信号遅延部15cの信号遅延時間を10ms、9ms、8ms、……、と変化させる制御形態をいう。
【0042】
なお、本ステップで行う音響効果のデジタル調整では、所定の設定温度を超えてから以降は検出温度が上昇し続けるものとして説明したが、逆に、検出温度が低下する方向に変化する場合には、その検出温度の低下に伴い音響効果を徐々に増大させるデジタル調整を行うよう制御する。
【0043】
次のステップS14では、検出温度が所定の上限温度(例えば、84℃)を超えた(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS15に進み、判定結果がNOの場合にはステップS12に戻って上記の処理を繰り返す。
【0044】
次のステップS15では、マイクロコンピュータ20からの制御に基づいてDSP15をスタンバイ状態とする。
【0045】
すなわち、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS1により、スイッチ13に対し、オーディオ信号ADのオーディオ出力増幅部12への切り替え接続を行うように(つまり、DSP15をバイパスするように)制御する。これによって、オーディオ信号ADのDSP15への接続が遮断されるので、DSP15は実質的にその機能を停止する(スタンバイ状態)。
【0046】
最後のステップS16では、マイクロコンピュータ20自身がその動作を停止し、スタンバイ状態とする。
【0047】
次に、本実施形態のオーディオ装置10においてマイクロコンピュータ20が行うDSP15の接続に係る処理(デジタル系を起動して、音響効果をゼロから徐々に増大させる処理)について、その処理フローの一例を表した図4を参照しながら説明する。
【0048】
初期状態としては、検出温度が上限温度(84℃)を超えているものとする。つまり、マイクロコンピュータ20と共にDSP15がスタンバイ状態にあり、音響効果が付加されていないオーディオ信号ADがスイッチ13を介してオーディオ出力増幅部12に供給されているものとする。
【0049】
先ずステップS21では、温度センサ17で検出された温度を指示するデータをアンプ18及びインタフェース19を介して取り込む。
【0050】
次のステップS22では、取り込んだ温度データに基づいて、その検出温度が上限温度(84℃)を下回った(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS23に進み、判定結果がNOの場合には本処理フローは「エンド」となる。
【0051】
次のステップS23では、マイクロコンピュータ20自身がスタンバイ状態を解除し、その動作を再開する。
【0052】
次のステップS24では、マイクロコンピュータ20からの制御に基づいてDSP15のスタンバイ状態を解除する。
【0053】
すなわち、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS1により、スイッチ13に対し、オーディオ信号ADのDSP15への切り替え接続を行うように制御する。これによって、オーディオ信号ADがスイッチ13からインタフェース14を介してDSP15に供給され、DSP15はその機能を再開する。
【0054】
次のステップS25では、マイクロコンピュータ20からの制御信号CS2〜CS4により、DSP15を構成する各機能ブロック(電子ボリューム15a、EQ15b、信号遅延部15c)に対し、音響効果を付加するためのデジタル調整に係る各々の機能設定を変更するよう制御する。
【0055】
すなわち、DSP15に対し、音響効果を増大させるデジタル調整を開始するよう制御し、以降、検出温度の低下に伴い音響効果をゼロから徐々に増大させるデジタル調整を行うように制御する。ここに、「徐々に増大させる」という意味は、図3のステップS13に関連して説明した「徐々に低減させる」制御形態とは逆の制御形態をいう。
【0056】
なお、本ステップで行う音響効果のデジタル調整では、所定の上限温度を下回ってから以降は検出温度が低下し続けるものとして説明したが、逆に、検出温度が上昇する方向に変化する場合には、その検出温度の上昇に伴い音響効果を徐々に低減させるデジタル調整を行うよう制御する。
【0057】
最後のステップS26では、検出温度が設定温度(60℃)以上である(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS25に戻って上記の処理を繰り返し、判定結果がNOの場合には本処理フローは「エンド」となる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係るオーディオ装置10によれば、図3の処理フローに示したように、マイクロコンピュータ20は、DSP15に対し、温度センサ17による検出温度の上昇に伴い音響効果を徐々に低減させるデジタル調整を行うよう制御し、検出温度が上限温度(84℃)に達した時点で音響効果がゼロとなるようなデジタル調整を行うよう制御すると共に、スイッチ13に対しては、検出温度が上限温度(84℃)を超えたときにオーディオ信号ADのオーディオ出力増幅部12への切り替え接続を行うよう制御している。
【0059】
すなわち、オーディオ信号ADのDSP15(デジタル系)からオーディオ出力増幅部12(アナログ系)への切り替え接続は、当該オーディオ信号ADに付加される音響効果がゼロとなった時点以降に行われるので、切り替え接続を行う直前と行った直後とで音響効果の変化は無くなる。これによって、ユーザは、聴感上の違和感もしくは不快感を全く覚えることなく、当該オーディオ信号ADに係る音声を継続して受聴することができる。
【0060】
また、検出温度が上限温度(84℃)を超えたときに、マイクロコンピュータ20からの制御の下にスイッチ13により、オーディオ信号ADがDSP15側からオーディオ出力増幅部12に切り替え接続されるので、DSP15はその動作を停止し、さらにマイクロコンピュータ20自身もその動作を停止する(スタンバイ状態)。
【0061】
これによって、デジタル系(DSP15、マイクロコンピュータ20)が熱暴走するのを防止することができ、ひいては、熱暴走に起因する動作不定/不能状態を回避することが可能となる。
【0062】
一方、図4の処理フローに示したように、検出温度が上限温度(84℃)を下回ったときは、マイクロコンピュータ20は、スイッチ13に対し、オーディオ信号ADのDSP15側への切り替え接続を行うよう制御し、DSP15に対しては、検出温度の低下に伴い音響効果をゼロから徐々に増大させるデジタル調整を行うよう制御している。
【0063】
つまり、オーディオ信号ADのオーディオ出力増幅部12(アナログ系)からDSP15(デジタル系)への切り替え接続が行われた後で音響効果をゼロから徐々に増大させるデジタル調整を行っているので、切り替え接続を行う直前と行った直後とで音響効果の変化は無い。これによって、ユーザに聴感上の違和感もしくは不快感を全く与えることなく、当該オーディオ信号AD(音声)の継続的な受聴が可能となる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るオーディオ装置によれば、オーディオ信号に対し音響効果を付加するDSP等のデジタルデバイスの動作中の温度の上昇(又は低下)に伴い音響効果を徐々に低減(又は増大)させるデジタル調整を行い、その検出温度が所定の上限温度に達した時点でその音響効果がゼロとなるようにデジタル調整を行うと共に、その所定の上限温度を超えたときにオーディオ信号をアナログ系のオーディオ回路に切り替え接続することにより、ユーザは、聴感上の違和感もしくは不快感を全く覚えることなくオーディオ信号(音声)を継続して受聴することができ、その一方で、DSP等のデジタルデバイスが熱暴走するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るオーディオ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1のオーディオ装置が行う音響効果に関連する機能(デジタル調整)を説明するための図である。
【図3】図1におけるマイクロコンピュータが行うDSPのバイパスに係る処理(音響効果を徐々に低減させてゼロとし、デジタル系を停止する処理)の一例を示すフロー図である。
【図4】図1におけるマイクロコンピュータが行うDSPの接続に係る処理(デジタル系を起動して、音響効果をゼロから徐々に増大させる処理)の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
10…オーディオ装置、
11…スピーカ、
12…オーディオ出力増幅部、
13…スイッチ(切替接続部)、
15…DSP(オーディオ出力デジタル処理部)、
17…温度センサ、
20…マイクロコンピュータ(制御部)、
AD…オーディオ信号、
CS1〜CS4…制御信号。
Claims (6)
- オーディオ信号を増幅してスピーカに出力するオーディオ出力増幅部と、
該オーディオ出力増幅部に供給されるオーディオ信号に対し、音響効果を付加するための少なくとも周波数帯毎のレベル調整及び信号遅延時間の調整をデジタル的に行うオーディオ出力デジタル処理部と、
オーディオソースからのオーディオ信号を選択的に切り替えて前記オーディオ出力デジタル処理部又は前記オーディオ出力増幅部に接続する切替接続部と、
前記オーディオ出力デジタル処理部及び切替接続部を制御する制御部と、
前記オーディオ出力増幅部の近傍に配設された温度センサとを備え、
前記制御部は、前記オーディオ出力デジタル処理部に対し、前記温度センサによる検出温度の上昇に伴い前記音響効果を徐々に低減させるデジタル調整を行うよう制御し、前記検出温度が所定の上限温度に達した時点で前記音響効果がゼロとなるようなデジタル調整を行うよう制御すると共に、前記切替接続部に対し、前記検出温度が前記所定の上限温度を超えたときに前記オーディオソースからのオーディオ信号の前記オーディオ出力増幅部への接続を行うよう制御することを特徴とするオーディオ装置。 - 前記制御部は、前記オーディオ出力デジタル処理部に対し、前記検出温度が前記所定の上限温度よりも低い所定の設定温度を超えたときに前記音響効果を低減させるデジタル調整を開始するよう制御することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
- 前記制御部は、前記所定の上限温度をいったん超えた前記検出温度が低下して該上限温度を下回ったときに、前記切替接続部に対し、前記オーディオソースからのオーディオ信号の前記オーディオ出力デジタル処理部への接続を行うよう制御すると共に、該オーディオ出力デジタル処理部に対し、前記音響効果を増大させるデジタル調整を開始するよう制御することを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
- 前記オーディオ出力デジタル処理部は、デジタル信号プロセッサにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
- 前記デジタル信号プロセッサは、
前記切替接続部を介して入力されたオーディオ信号のレベルを規定のレベルに調整して出力する電子ボリュームと、
該電子ボリュームを通してレベル調整されたオーディオ信号の周波数帯毎のレベルを、前記制御部により固有に設定されるフィルタ係数に応じて調整するイコライザ部と、
該イコライザ部から出力された信号を前記制御部からの制御に基づいて所定の時間だけ遅延させる信号遅延部とを有することを特徴とする請求項4に記載のオーディオ装置。 - 車両に搭載されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のオーディオ装置。
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